2016年07月15日

渋谷凛「七夕」大石泉「短冊」橘ありす「織姫」佐城雪美「……彦星」

超短いです



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ありす「………」





ありす「うん、書けた……あとは、この短冊を」



ありす「……どこに飾ろうかな」キョロキョロ



ありす「笹の……上の方が空いてる?」



ありす(上に飾ったほうが、願いが叶いやすいかも……)



ありす「っ、んしょっ……」ピョンピョン



ありす「もうちょっと、上……えいっ」ピョンピョン



ありす「はあ、はあ……と、届かない」



凛「ん。貸してみて」



ありす「え? あ、はい」



凛「ん……しょっと。これでいい?」



ありす「あ、ありがとうございます……あの」



凛「心配しなくても、何書いてるかは見てないから」



ありす「いえ、そういうことではなくて……凛さん、背、高いですね」



凛「まあ、平均よりは。普段はそこまで意識しないけど、こういう時は便利かも」



ありす「うらやましいです。私も、凛さんのようになれるでしょうか」



凛「ありすはこれから成長期でしょ。すぐに伸びるよ、背」



ありす「だといいんですけど……」



ありす「背が伸びる秘訣とかないんですか? 特殊な花の香りを嗅ぐとか」



凛「ウチが花屋だからってそんなことしないから」



ありす「ですよね」



凛「………」



凛「とりあえず、これ」



ありす「? これは」



凛「ミルキー。とりあえず、よく食べれば背は伸びるんじゃないかなって」



凛「今、飴しか手元になかったから」



ありす「なるほど……ちょうど、甘いものが食べたいと思っていました。ありがとうございます」



ありす「でも、ミルキーは珍しいですね。凛さん、普段はチョコレートをストックしていることが多いのに」



凛「ん……今日は、ちょっとね」





ありす「………」



ありす「ひょっとして、ミルキーウェイとかけてます?」



凛「………」



凛「………」プイ



ありす「こういうのって、人から指摘されると恥ずかしかったりしますよね」



凛「わかってるなら指摘しない」ツンツン



ありす「すみません。つい知識欲が」フフッ



ありす「凛さんって、結構ロマンチストなところあるのかなと思って」



凛「ロマンチスト、か……どうなんだろう? 自分じゃ、よくわからないかな」





少し後





泉「……こんな感じでいいかな」



泉「あとはこれを、笹に飾って、と」



泉「………」



泉「さーさーのーはーさーらさらー♪」ニコニコ



泉「のーきーばーに――」





雪美「………」ジーー



泉「!?」ビクゥッ



泉「ゆ、雪美ちゃん……聞いてた? 今の」アタフタ



雪美「………」



雪美「さーさーのーはー……」



雪美「………」ジーー



泉「………」



泉「えっと……もしかして、一緒に歌ってほしいの?」



雪美「………」コクリ



泉「ふふっ。そうね、じゃあ、一緒に歌いながら飾ろうか」



雪美「飾る………」キラキラ



泉(無口で無表情と見せかけて、意外とわかりやすいんだよね、雪美ちゃん)





その後





泉「………」ムム



凛「難しい顔して、どうかしたの?」



泉「いえ、ちょっと考え事を」



泉「……織姫と彦星のお話って、なんだか不条理じゃないですか?」



凛「不条理?」



泉「織姫に彦星を紹介したのは、天の神様。なのに、ふたりが仲良くなったらそれを引き離すなんて……なんだか、かわいそうだなって」



凛「んー……それは確かに。でも、恋に夢中になって仕事をしなくなった織姫と彦星にも、責任の一端はあるのかな」



凛「それにしたって、一年に一度しか会えないようにするのはやり過ぎだと思わなくもないけど」



泉「やっぱり、凛さんもそう思いますか」



凛「一度出会ってしまった大好きな人と、決まった日にしか会えなくなる。きっと、とても辛いと思う」



凛「私は、そういう経験がないからはっきりとは言えないけどね」



凛「でも、どうして急にそんなことを?」



泉「元をたどるとですね、ありすちゃんに質問されたんです。『不条理じゃないですか』って」



凛「ありすか、なるほど。確かに、あの子は気になったらどんどん聞いてくるタイプだよね」



泉「そうですね」フフ



泉「きっと、織姫に感情移入したんじゃないかな。情緒豊かな子だから」





凛「ちなみに、泉はどう?」



泉「え?」



凛「織姫に感情移入してみたらどうかなって。プロデューサーと、一年に一度しか会えない場合を想像すると」



泉「んー、そうですね……間違いなく、寂しくなると思うけど」



泉「……ちょっと待ってください。どうして私が織姫だと彦星がプロデューサーなんですか」



凛「なんとなく?」



泉「なんとなくって……確かに、距離が近い男の人ではあるけれど」



凛「……あ。でも、彦星って織姫が入れ込むくらいだからすごくイケメンなのかな」



泉「かもしれないですね」



凛「………」



泉「………」



凛「プロデューサーの彦星、似合わないね」アハハ



泉「本当ですね」アハハ





P「おーい、会話の内容聞こえてるぞー」





その日の夜





凛「………」パチリ



凛「ん………まだ、夜中か」



凛(喉渇いた……お茶)ノロノロ









凛「ふう。すっきりした」



凛「………」



凛(ふと、カーテンの向こうの夜空が気になった)



凛(きっと、七夕のせいだろう……もう日付変わってるけど)



凛「ちょっとだけ、ベランダに出てみようかな」



凛(都会でも、真夜中になればそこそこはっきり星は見える)



凛「えっと……あっちがベガだから織姫。こっちが多分アルタイル……彦星」



凛「ついでに、あれがデネブかな」



凛(小学校で習った夏の大三角。あまり自信はないけれど、とりあえず七夕の主役の星を発見した)



凛「確か、デネブは天の川の橋渡しをしてくれる役なんだっけ」



凛(はくちょう座のデネブは、織姫と彦星が一年に一度の出会いを果たせるよう、天の川をつないでくれる存在、らしい。昔、そんな話を聞いたことがある)



凛「……昼間は、あんなこと言ったけど」



凛(プロデューサーには、確かに彦星は似合わないのかも)





凛「私が織姫だとすると……彦星は」



凛(本当なら、会うこともなかったような人達。会うとしても、道端ですれ違うとか、お店の客として対応するとか……それくらいの関係で終わるはずだった人達)



凛「私をアイドルにして、同じアイドルのみんなと引き合わせてくれたんだから」



凛(しかも、一年に一度どころか毎日会うくらいだし)



凛「プロデューサーって、すごいデネブだよね」



凛「………」



凛「デネデューサー……うん、これはない」



凛「……ふふっ」



凛(昼間、ありすにも言われたけど)





凛「私って、ロマンチストなのかも」







おしまい





21:30│橘ありす 
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