2016年07月22日

モバP「社員 on the beach」

8月上旬の事務所





フレデリカ「みんなー、プロデューサーの机からこんなの見つけたよ!」





周子「旅行情報誌じゃん」



奏「全部沖縄特集ね。いったい何冊あるのかしら」



フレデリカ「問題はそこじゃなくて、ほらこれ見て見て」



志希「なになにー、この夏恋人と泊まりたい海の見えるステキなホテル特集?」



周子「この雑誌だけ付箋まで貼ってあるね」



奏「あら、プロデューサーさんいつの間にか彼女なんて作ってたのね」



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ちひろ「みんなで集まってどうしたんですか?」



フレデリカ「ちひろさんやっほー。プロデューサーに彼女ができたんじゃないかって」



ちひろ「そんなまさか。ありえませんよー」



志希「でもでも、こんなに旅行情報誌買い込んじゃってマジメに下調べしてるんだよー? これは臭うにゃー」



ちひろ「これプロデューサーさんのじゃないですか。ダメですよ勝手に持ってきちゃ」



フレデリカ「大丈夫、後でちゃんと返しておくからー。それでちひろさんは何かしらない?」



ちひろ「うーん……そんな素振り見せたことないと思いますけど」

P「ただ今戻りました」



美嘉「ただいまー」



奏「二人共お帰りなさい。レコーディングはどうだった?」



美嘉「もち、完璧だったよ」



P「デビューシングルの頃と比べると本当に上手くなったよな美嘉」



美嘉「ちょっとー! その言い方だと音痴だったみたいじゃん!」



P「違うって。美嘉も成長したって事だよ」



美嘉「そう? それならいいけど」



周子「夫婦漫才はもうええってー」



フレデリカ「そうだそうだ! そんな事よりプロデューサー、彼女できたんじゃないのー?」



志希「もしかしてお相手は美嘉ちゃん!?」



美嘉「え!? プロデューサー彼女いるの!?」



奏「その反応だと美嘉じゃないみたいね」



P「彼女だ? そんなの……そんなのいるわけないだろ……」

フレデリカ「じゃあコレはいったいなんなんだー!」



志希「この雑誌が動かぬ証拠だー!」



P「ええ……っておいこれ俺の机にあった雑誌だろ! 勝手に持ってくなよ」



美嘉「恋人と泊まりたい海の見えるホテル? やっぱりプロデューサー……」



P「誤解だって。これは俺の趣味というかなんというか」



周子「趣味? 大量の旅行情報誌集めるのが?」

P「いや、旅行だよ旅行」



ちひろ「へぇー。プロデューサーさんにそんな趣味があったんですね」



P「そうなんですよ、学生時代に殆どの都道府県は回ったんですけど、沖縄にはまだ上陸すらしたことなくて」



美嘉「あれ? でも私たちロケで沖縄って何度か行ってるよね?」



ちひろ「同行する機会はあったのでは?」



P「それが沖縄に行こうとすると重要な会議が入ったり台風が来て飛行機が止まったりで何故だか毎回行けないんですよ」



ちひろ「不思議な事もあるんですね」

フレデリカ「それでも彼女もいないのにこんな雑誌に付箋まで貼って紛らわしいぞー!」



志希「そうだぞー紛らわしいぞー」



P「うるせえ! 見てみろこのホテル、窓開けたら一面の青い海だぞ! すげー良いだろ!」



美嘉「ほんとだ、すごくキレイ。いいなーこんな所泊まりたいなぁ」



P「だろー! 食事もかなり美味いらしい」



周子「やっぱりご飯が美味しいのは大事だよねー」

奏「それで、いつ行くつもりなの?」



P「一切決まってません! 休みが取れるなら今すぐにでも行きたいんだけどな……」



ちひろ「流石にこの時期に有給を取るのは厳しいですね」



P「夏フェスに定例ライブもありますからね。俺この事務所入ってからこの時期に2連休以上取れたこと一度もありませんから……」



フレデリカ「よく見たらこの雑誌の中に去年のも一昨年のも混ざってるね」



P「一度で良いから沖縄行きたい……」



周子「10月初めにでも行けばいいんじゃない? 沖縄ならまだ泳げるでしょ」



P「やだやだやだ! 真夏の沖縄じゃなきゃやだ! 真夏の真っ白な砂浜で肌焼きたい! オリオンビール飲みたいの!」



周子「うわぁ……大の大人が駄々こねてる所見るのってキッツいなぁ」

志希「気持ちはわからなくもないけどねー。一番暑い季節の海の香り、たまんないんだろうなぁ」



P「せっかく旅行するならその土地を一番楽しめる季節に行きたいからな」



奏「それでも、無理なものは無理なんだから、諦めるしか無いわね」



P「ああ……もう全部放り投げて行っちゃおうかな沖縄……」



美嘉「嘘でもそんなこと言わないでよね……」



P「流石にそんな事はしないよ。これでもプロデューサーという仕事に誇りを持ってるからな!」



ちひろ「……わかりました。最近プロデューサーさんも頑張ってくれていますし、なんとか調整してみましょう。ちょっと待っててくださいね」

数分後





ちひろ「プロデューサーさん! 非常に急ですが、明日と明後日ならお休み取れそうですよ!」



P「本当ですか!?」



ちひろ「ただ、明々後日の会議に提出する企画書が……」



P「それなら大丈夫です! あと少しで完成するので今日中に終わらせます!」



ちひろ「良かった、それじゃあ明日と明後日お休みということで」

フレデリカ「えー、それならフレちゃんも沖縄行きたーい」



志希「志希ちゃんもー」



周子「なら周子ちゃんも」



奏「私も」



美嘉「奏ちゃんまで!? ア、アタシも沖縄行きたい!」



P「いやいや、君ら学校あるでしょ」

フレデリカ「フレちゃん夏休みだしー」



志希「志希ちゃんもー」



奏「私も」



周子「あたしもー。ってこの流れ何回やるん?」



美嘉「8月だし基本的にはみんなお休みでしょ」



P「ぐぬぬ……これが学生パワーか」



周子「まぁあたしはもう学生じゃないんだけどね」

ちひろ「皆さんの明日と明後日の予定は……全員自主レッスンですね。連れて行ってあげたらいいんじゃないですかプロデューサーさん?」



P「……仕方ない。お前たちに旅行の何たるかを教えてやろう!」



フレデリカ「やったー」



志希「プロデューサー愛してるー」



P「ハッハッハ、我を讃えよ」



奏「今夏休みだって話をさっきしたわけだけど、ホテルと飛行機のチケット取れるの?」



美嘉「確かにそうだよね。大丈夫かな」

P「取れたよ! エアチケットもさっき言ってたホテルの予約も!」



フレデリカ「プロデューサーでかした!」



P「うおおおおおおおおやる気出てきたああああああああ」ダカダカダカダカ



志希「おおー、いまだかつて無いほどの激しいタイプ音。がんばれプロデューサー」



P「任せとけ! 明日朝7時に空港集合だからな! 遅れたら置いていくぞ!」

美嘉「あ、せっかくだし新しい水着買いに行こうかな」



奏「良いわね。美嘉、プロデューサーに凄いの見せてあげたら?」



P「程々にしとけよー。一応アイドルなんだからな」



美嘉「べ、別にプロデューサーのために新しい水着買いに行くわけじゃないんだからね!」



周子「清々しいほどにテンプレだねー。アタシも新調しちゃおうかなー」



志希「あたしもみんなの水着姿見に行くー!」



フレデリカ「じゃあみんなで行こっか」

翌日 空港





P「おはようございます!」



「「おはようございまーす」」



P「昨日の晩は急な雨が降りましたが、本日は天候にも恵まれ、素晴らしい旅行日和です」



奏「沖縄も晴天みたいね」



フレデリカ「いくらなんでもアロハはどうかと思うよプロデューサー」



P「気合入ってます。はい、これがみんなの航空券。忘れ物はないかー?」



「「ないでーす」」

P「よーしそれじゃあ出p」プルルルルル



P「もしもし、ちひろさん? おはようございます。どうしたんですかこんな朝早くから」



P「ええ、昨日降ってましたね雨」



P「事務所に雷が? ……え? 俺のPCだけ起動しない?」



P「……あの……企画書って印刷とか……」



P「あ……してない……なるほど……」



P「……はい……今すぐ出社します……」

美嘉「えっと……プロデューサー」



P「お前たち、俺の分まで……楽しんで……来て……」



奏「ご愁傷様」



志希「いい子いい子してあげようか?」



P「だ、大丈夫だ……」



周子「こりゃ呪われてるね」



フレデリカ「プロデューサー、ドンマイ!」



P「うわああああああああん! 日焼け止めしっかり塗れよおおおおおおおおおお! 羽目外しすぎるなよおおおおおおおおお!」

後日





プロデューサーのやたら気合の入った秋フェス企画書は会議で大絶賛



沖縄旅行でリフレッシュしたアイドルたちは夏ライブを大成功させたという





おわり



08:30│モバマス 
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