2016年07月28日

ありす「フレデリカさんが文香さんの格好をしてきました」

文香?「ヘーイ、ボンジュールありすちゃーん、ふみふみだよー♪」



ありす「お前のような文香さんがいるか!」







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ありす「何してるんですか、フレデリカさん?」



フレデリカ「バレた!」



ありす「バレないと思ってたんですか」



フレデリカ「だってこんなに格好がフミカちゃんなのに!」



ありす「ただ単に文香さんのコスプレをしてるだけじゃないですか」



ありす「しかも、髪型とかはそのまんまだし」



フレデリカ「フレちゃん自慢の金髪だよー?」



ありす「いや、文香さんのフリをするなら隠さないとですよ」



ありす「確かに、綺麗な金髪ですけど」



フレデリカ「やーん♪」



フレデリカ「褒められちゃったー、照れるー♪」



フレデリカ「毎日染めてるかいあったー♪」



ありす「地毛じゃないんですか!?」



フレデリカ「うっそー」



フレデリカ「あははっ、ありすちゃん騙されたー!」



ありす「橘です!」



フレデリカ「……怒るのそっちなんだねー」

文香?「昨日のありすちゃんの意見を参考にして黒いロングのウイッグもつけてきました宮本フレデリカです!」



文香?「……じゃない、鷺沢文香だよー♪」



ありす「バレないようにするつもりあるんですか?」

フレデリカ「またバレたー……」



ありす「バレるも何も思いっきり自己紹介してたじゃないですか」



フレデリカ「ちゃんと鷺沢文香ですって自己紹介したよー?」



ありす「そのまえに思いっきり宮本フレデリカって言ってましたよね」



フレデリカ「打ち消されるかなーって」



ありす「打ち消されるわけないじゃないですか」



フレデリカ「そっかー……」



ありす「フレデリカさんなのに、文香さんの名前を騙るなんて」



ありす「それじゃあ鷺沢文香じゃなくて、詐欺沢文香ですよ」



フレデリカ「……」



ありす「……」



フレデリカ「……」



ありす「……」



フレデリカ「……」ポパピプペ



フレデリカ「……あっ、もしもし、シューコちゃん?」



フレデリカ「今ありすちゃんがすーっごく面白いこと言ったんだけどねー」



ありす「橘です!」



フレデリカ「……やっぱり怒るのそっちなんだねー」



フレデリカ「あっ、それでね、シューコちゃん――」



ありす「――言いふらすのもやめてください!」

文香?「昨日のありすちゃんの意見を参考にしてきました、鷺沢文香です!」



ありす「文香さんはそんな大声出さない!」

ありす「文香さんはもっとか細くか弱い声です!」



ありす「電車がそばを通れば聞こえないのはもちろんのこと!」



ありす「近くの公園での子供たちの声ですら掻き消えてしまうほど、繊細で儚い声なんです!」



フレデリカ「ありすちゃん、フミカちゃんのこと馬鹿にしてない?」



ありす「橘です!」



ありす「それに馬鹿になんてしてません!」



ありす「私はそんな文香さんを愛しく思ってるんです!」



フレデリカ「ふーん……」



ありす「だってかわいいじゃないですか!」



ありす「何かを話そうとするけど、言いづらいことだからか口に出せない文香さん」



ありす「いざ、思いを決して声に出すものの、そばを通る電車の音で私には何も届かず」



ありす「そして、『なにか言いましたか?』って私が訪ねると」



ありす「『あっ、いえ……えっと……』って、恥ずかしそうに言葉を詰まらせる文香さんかわいい!」



フレデリカ「おー、確かにそれは可愛いかもねー♪」



フレデリカ「……で、結局その時何言われたのー?」



ありす「……」



フレデリカ「ありすちゃん?」



ありす「着てた服にシールがついてるって教えてくれました」



フレデリカ「シール?」



ありす「はい……その日初めて来た服だったので……はがし忘れてたみたいです……」



フレデリカ「ありすちゃん可愛い〜♪」



ありす「橘です!」



文香?「……あの」



ありす「……!」



文香?「ありすちゃん……おはようございます……」



ありす「……おはようございます、フレデリカさん」

フレデリカ「……あれー、バレちゃった?」



フレデリカ「んー……文香ちゃんの格好も完璧にしたしー、ウイッグもちゃんとしてるしー」



フレデリカ「言葉もちゃんと真似したつもりだったんだけどなー」



ありす「……確かに、並みの文香さん愛好家の人なら気がつかなかったかもしれません」



フレデリカ「なにそれー?」



ありす「しかし、私は橘ありす!」



ありす「そんじょそこらの文香さん好きの人達とは違います!」



フレデリカ「ねぇねぇ、文香さん愛好家って何ー?」



ありす「今のフレデリカさんは確かに文香さんにとても近づいています……」



フレデリカ「スルーされちゃった」



ありす「しかし、まだ足りない!」



ありす「真理にまだたどり着いていない!」



ありす「フレデリカさん、文香さんを見てどう思いますか?」



フレデリカ「んー?」



フレデリカ「まあ、可愛いなー、とか?」



ありす「そう、それが真理です」



フレデリカ「フレちゃんかわいくなかった!?」



ありす「いえ、そんなことはないですよ」



ありす「フレデリカさんは十分魅力的な女性です」



フレデリカ「あ、ほんとー?」



フレデリカ「ふふっ、ありすちゃんに可愛いって言ってもらってうれしいなー♪」



ありす「橘です!」



ありす「こほん、それで……えっと……ああ、そうそう、文香さんの真理の話ですね」



ありす「文香さんは可愛く、美少女であり、萌える……」



ありす「そして、何よりもすべてを包み込むような包容力を持ちえてこその文香さんなのです」



フレデリカ「ふーん……」



ありす「あ、あと文香さんの瞳は透き通る水のような青色ですよ」



ありす「フレデリカさんの瞳はその色じゃないので、そこでわかります」



フレデリカ「あー、そっかー!」



フレデリカ「んー、じゃ参考にしよっと!」

ありす「……」



文香?「……おはようございます、ありすちゃん」



ありす「あっ、ふみ――」



ありす(――いや、待て、橘ありす!)



ありす(あれは、本当に文香さんか……?)



文香?「……ありすちゃん?」



ありす「あっ、いえ、おはようございます!」



ありす(……昨日、一昨日……というか、ここ一週間毎日、フレデリカさんが文香さんの真似をしてきてました)



ありす(その例に漏れず言うなら、今日もきっと来る気がします)



文香?「何か考え事ですか……?」



ありす「あ、いえ……」



ありす(……正直、昨日の時点で、フレデリカさんの完成度はとても高いものでした)



ありす(瞳の色さえどうにかすれば、文香さんと見まがうんじゃないかってほどに)



ありす(……毎日、私の言葉を聞いて文香さんの真似を完璧にしていったフレデリカさんです)



ありす(今日は、カラーコンタクトをつけて、瞳の色を文香さんのとほぼ同じにしてきているかもしれません)



ありす(そう、今目の前にいる文香さんは、もしかしたらフレデリカさんかもしれないのです)



ありす(……)



ありす「……」ジー



文香?「……?」



ありす「……」ジー



文香?「あの……?」



ありす「……」ジー



文香?「そ、そんなに見つめられると……少し恥ずかしいです……!」



ありす「かわいい!」

ありす「はっ、違う、そうじゃない!」



文香?「……?」



ありす(落ち着け橘ありす……もう一度じっと見て確認を――)



文香?「――あの、ありすちゃん」



ありす「はい、なんですか?」



文香?「……」



文香?「その……」



文香?「膝枕、しませんか……?」



ありす「膝枕?」



文香?「はい……あの、私が枕で、ありすちゃんが私の足を枕にして――」



ありす「!」



ありす(――まて、橘、これは孔明の罠だ!)



ありす(あの文香さんが自分から膝枕をするだなんて言い出すはずがない!)



ありす(言うとしても、もっとためらって、恥ずかしがって、蚊の鳴くような声で搾り出すはずです!)



ありす(そう、つまり、彼女は偽者!)



ありす(ふふふ……どうやら墓穴を掘ったようですね」



文香?「そ、そんなに膝枕されたかったんですか……?」



ありす「えっ……?」



文香?「その……すごい、勢いで飛び込んできましたが……」



ありす「!?」



ありす(馬鹿な……体が勝手に動いていた……!?)

ありす(心……いえ、脳では拒否しようとしていました……)



ありす(しかし、文香さんが膝枕をしてくれる)



ありす(その言葉だけで私の本能が行動を開始していました)



文香?「どうでしょうか……?」



ありす「最高です!」



文香?「そうですか……よかった……」



ありす(本当に……最高です)



ありす(気持ちいい……やわらかくて……)



文香?「ふふっ」ナデナデ



ありす(あぁ……頭をなでられるのも幸せ……)



ありす(文香さんの膝枕となでなでがついてくるなんて……)



文香?「フフッ」ナデナデ



ありす(……このまま……眠ってしまいそうに……)



ありす(……)



ありす(……)



ありす(……ん?)



文香?「フフ」ナデナデ



ありす(あれ、文香さんの手ってこんな感触でしたっけ……?)



ありす(昔、別の機会でなでられたことがありましたけど、その時はこんなんじゃ……)



ありす(……はっ!?)



文香?「フンフンフフーン」ナデナデ



ありす(忘れてました、この文香さんが偽者かもしれないということを!)



文香?「フンフフー」ナデナデ



ありす(というか、この鼻歌は間違いない!)



ありす(この文香さんは……!)



ありす「フレデリカさん!」



フレデリカ「その通り!」バサッ

フレデリカ「はっはっはー!」



フレデリカ「まんまと騙されたな、ありすちゃん!」



ありす「橘です!」



ありす「くっ……離してください!」



フレデリカ「そうはいかないのだ!」



フレデリカ「ありすちゃんはこのフレちゃんの膝枕で――」



ありす「ひ、膝枕で……?」



フレデリカ「んーっと……」



フレデリカ「どうしよっか?」



ありす「私に聞かないでください!」



フレデリカ「それじゃ、とりあえずありすちゃんが安眠できるまでずっと膝枕してあげるねー♪」



フレデリカ「よーしよーし」ナデナデ



ありす「くっ、気持ちいい……!」



フレデリカ「ねんねんころーりーよー、おころーりよー♪」



フレデリカ「ありすーはよいこだ、ねんねしなー?」



ありす「……た」



ありす「橘です……!」



フレデリカ「かたくなだねー」

フレデリカ「フレちゃんはいつありすちゃんって呼んでよくなるのかなー?」



ありす「……」



フレデリカ「ありすちゃん?」



ありす「橘です」



ありす「……というか、別に私が許可出さなくても、勝手に呼んでくるじゃないですか」



フレデリカ「んー、そうなんだけどさー」



フレデリカ「でもでも、毎回橘って呼んでーって言われると、アタシだって悲しくなっちゃうんだよねー」



ありす「あ……」



フレデリカ「……ま」



フレデリカ「何があろうと私はありすちゃんって呼び続けるけどねー♪」



フレデリカ「アタシの根気とありすちゃんの根気、どっちが勝つか勝負だ!」



ありす「……」



ありす「……あの」



ありす「正直……フレデリカさんとは、このやりとりが多くて……だから、癖みたいになっちゃって」



ありす「その、辞め時がわからなくて……だから」



ありす「……」



ありす「……別に、ありすって呼んでも構いません」



フレデリカ「……」



ありす「……あ、あの、フレデリカさん?」



フレデリカ「……あ」



ありす「あ?」



フレデリカ「ありすちゃん可愛いーっ!」ナデナデ



ありす「ひゃっ!」



フレデリカ「本当に可愛いからフレちゃん今日はずっと愛でちゃう!」ナデナデ



フレデリカ「今日はありすちゃん感謝祭だー!」ナデナデ



ありす「たっ、橘です!」



フレデリカ「でも、ありすって呼んでもいいんだよねー?」ナデナデ



フレデリカ「ふふっ」ナデナデ



ありす「あ、うぅっ、も、もうっ!」



ありす「そんなに撫でられたら寝れません!」



フレデリカ「それはさっきまでの目的!」



フレデリカ「今のフレちゃんはありすちゃんを愛でるのが目的!」



フレデリカ「だから、ほら、頭を撫でながらほっぺぷにぷにー♪」



ありす「ちょっ、や、やめてください!」



フレデリカ「照れちゃってー♪」



ありす「照れてるとかじゃなくて……ああ、もうっ!」



フレデリカ「ふふっ!」













おわり



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