2016年08月15日

未来「ただいま〜」

百合





静香「おかえり、未来」





未来「あれ…… ?」



未来「な、なんで静香ちゃんがわたしの家に!?」



静香「はぁ…… もう何寝ぼけてるのよ未来」



静香「ここは未来の家だけど、私の家でもあるのよ」



未来「えーっと…… それじゃあ静香ちゃんは居候?」



静香「同棲よ!」



未来「あっ、そうだったね…… ごめんごめん……」



静香「まったく…… 『一緒に住もう』って言い出したのは未来の方なのに」



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静香「仕事疲れたでしょ、お風呂先にする? それともご飯にする?」



未来「えーっと…… それじゃあご飯で!」



静香「わかったわ、すぐ準備しちゃうからそこに座ってて」



未来「うん! そうだ、何かわたしが手伝うことないかな?」



静香「ん、それじゃあお箸準備してもらえる?」



未来「オッケー」

静香「どうぞ」



未来「わー、今日はきつねうどんなんだねー」



静香「そうよ」



未来「いただきまーす」



静香「どう?」



未来「うん! おいしい!」

静香「やった、今日は関西風の出汁にしてみたのよ」



未来「そうなんだぁ」



未来「んっ、麺もおいしい! 静香ちゃんの麺はいっつも手作りなんだよね?」



静香「そうよ、未来の口に合うように出汁も麺も試行錯誤してるの」



未来「わたしのためにそこまでしてくれるんだね……」



静香「当たり前でしょ、未来には私が作ったうどんが一番美味しいって言って欲しいもの」



未来「静香ちゃん……」



未来「うん! 昨日食べたざるうどんも一昨日食べた月見うどんも全部おいしかったよ! わたし静香ちゃんの作ったうどんが世界で一番好き それに静香ちゃんのこともだいすきー!」



静香「も、もう未来ったら……」

未来「ごちそうさまー」



静香「うん、片付けは私がしておくから未来はお風呂入ってていいわよ」



未来「え、そこまで静香ちゃんにやらせちゃ悪いよー!」



静香「未来こそ今日一日中仕事で疲れたまってるでしょ? 無理しなくていいのよ」



未来「でも……」



静香「…… それに」



未来「それに?」



静香「前に未来にお皿洗い任せたら洗剤を使いすぎたり、お皿割ったり、私に楽させるどころか私の仕事増やしてくれたことあったわよね…… ?」



未来「そ、そうだったっけ…… ?」

静香「ねぇ未来」



未来「な、何?」



静香「私が一番嫌なのはね、仕事が増えることじゃなくて未来が怪我することなの」



未来「え?」



静香「人には向き不向きがある、だからこういうことは私に任せて」



静香「一緒に住んでいるんだからお互い助け合いましょう?」



未来「静香ちゃん……」



静香「わかってくれた?」



未来「うん……」

未来「ねぇ静香ちゃん」



静香「何?」



未来「……わたしの得意なことって何かな?」



静香「……」



静香「……」



静香「お皿洗い始めちゃうから早くお風呂入ってらっしゃい」



未来「ちょっと! 何か言ってよ!」



静香「ふふっ、秘密」



未来「えー……」



静香(……未来はもう十分過ぎる私のことを助けてくれているわよ)



静香(私のご飯を食べて美味しいって笑顔を見せてくれる、一緒に家に居るときいつも私のことを気遣ってくれる)



静香(未来は自然にしていることかもしれないけど、それは私にとってはとても嬉しくて幸せなこと)

静香「……」



静香「ん、未来もう上がったかしら」



静香「私も早く入ろう」



未来「静香ちゃーん!」



静香「わっ!?」



静香「い、いきなり後ろから抱きつかないでよ!」



未来「でへへ〜」



静香「それになんでタオル一枚なのよ! 早く服着なさい!」

未来「ねぇ静香ちゃん」



静香「何?」



未来「一緒に住んでると忘れちゃうのかな?」



静香「何を?」



未来「わたしが女の子だってこと」



静香「はぁ? 何よそれ」

未来「わたしはね、一度も忘れたこと無いよ…… この気持ち ずっと静香ちゃんのことを女の子だって意識してる」



未来「静香ちゃんの体 すっごくえっちなんだよ?」



未来「足はすべすべで、くびれも綺麗、首元を見たらつい舐めたくなっちゃう」



静香「っ……」



未来「明日のお仕事、午後からになったんだ」



未来「…… 先にベッドで待ってるよ」



未来「独りは寂しいから…… 早くしてね?」

静香「……」



静香(ちょ、ちょっと何よ今の!? あの子いつの間にあんなこと言えるようになったの!)



静香(未来を意識してない? そんな訳無いじゃない!)



静香(最近は未来が忙しくてこっちから誘うの憚られたけど、未来が居ない間に私が何をしていたか!)



静香(あれ、そう言えば未来から誘ってくれたのっていつ以来だっけ……)



静香(……)

静香(まぁいいわ! 未来を待たせない内に早く!)



静香「……」



静香(ちょっと待って…… 今一瞬鏡に映った私の顔、とても未来に見せられないような表情してたわ)



静香(あんまりがっつき過ぎて未来に引かれたら嫌よね、落ち着いて、落ち着いて私 so be cool……)



静香「すぅ…… ふぅ……」



静香(よし! 大丈夫!)

静香「未来、お待た……せ……」



未来「すぅ…… すぅ……」



静香「……」



未来「すぅ……ふぅ……」



静香「……」



静香「……」

静香「はぁぁぁぁぁ……」



静香「そうよね、未来だもんね…… 期待し過ぎた私がバカよね……」



静香「そうだ…… いっそここから眠ってる未来を無理矢理……」



静香「いいわよね、だって誘ってきたのは未来からなんだもの これは合意の上よ……」



静香「未来、ごめんね……」

未来「すぅ……」



静香「……」



未来「すー…… すや〜……」



静香「まぁそんなこと出来るわけ無いわよね……」



未来「でへへ〜 ……」



静香「…… もう、いくら夏だからってそんなに布団はだけてたら風邪引いちゃうわよ」



未来「でへ〜」

静香「お邪魔するわよ、未来」



未来「すぅ……」



静香(はぁ、綺麗な寝顔してるわ 完全にぐっすりね)



静香「……」



静香(手…… 繋ぐくらいはいいわよね…… ?)



静香「……」

静香「ちゅっ」



静香「ほっぺにキス、これで許してあげるわ」



未来「うぅん……」



静香「っ!?」



静香(お、起こしちゃったかしら……)



未来「しずかちゃん…… だいすきぃ…… ふにゃ」



静香「……」



静香(ね、寝言よね…… ?)

静香「……」



静香(未来と一緒に住むことに不安が全く無かった、なんて言わない)



静香(もしかしたら未来の知らない、知りたくないところが見えちゃうかも、私たちの関係が変わっちゃうかもって少し心配してた)



静香(でも、未来は未来 何も変わらなかった)



静香(好きな人と同じ屋根の下、こんな近くで暮らせる、それだけで十分過ぎるくらい幸せだわ)



静香「ありがとう、好きよ 未来」



未来「うにゃあ……」



静香「……」



静香(私、ヘタレ過ぎるのかしら……)





fin

百合子「っていう本を今日買って来たんですよ!」



静香「は…… ?」



未来「わたしと静香ちゃんが? 一緒に住んでるの?」



百合子「はい!」



未来「でも静香ちゃんとわたし一緒に住んでないよね?」



静香「当たり前でしょ! て言うか誰よそんな本作った人は!」



百合子「え? みんなもよく知ってる人ですよ」



未来「えー? 誰だろー?」



静香「もう…… あの人は…… 」







おわり



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