2016年08月26日

佐藤心「夜の事務所でふたりきり」

心「ただいまー☆ レッスン終わったよ、プロデューサー♪」



P「おかえりなさい、心さん」



心「今日はきつかったぁ……やっぱマストレさんのレッスンはガチガチ☆ はぁとの筋肉もガチガチ☆」





P「もう日が暮れそうですからね。遅くまでお疲れ様です」



心「お、ねぎらっちゃう? ご褒美くれちゃう?」



心「はぁとねー、今度のお休みに連れてって欲しいお店があるの♪」



P「誰もご褒美あげるなんて言ってませんよ」カタカタカタ



心「ちぇー」





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心「プロデューサーは、まだ仕事終わってない感じ? パソコンと格闘中?」



P「はい。今日はだいぶやらなきゃならないことが積み重なっていて」



心「そうなんだ♪」



心「………」ニュッ



P「なんですか、画面のぞき込んで」



心「あっ、これはぁとの名前が載ってる! 次のお仕事とか?」



P「まあ、その辺のスケジュール管理も課題のひとつですね」



心「ふーん♪ いやぁ、はぁとも最近売れっ子だからスケジュールの調整にも一苦労ってやつ?」



P「ええ、うれしい悲鳴です」



心「うふふ☆ ぐふふふふ☆」



P「笑い方、気持ち悪いですよ」



心「ところでシャンプー変えたんだけど、どう? いい匂いする?」



P「すごい話題転換だ」



心「頭近づけてるんだから、香りとかするでしょ♪」



P「……あざとい」



心「あざとくない☆」



P「好きな香り」



心「ありがと☆」



P「………」



P「………よし」



心「終わった?」



P「いえ、ひとつ片付いただけです。まだ何個か残ってます」



心「そっか」



P「というか、心さんは何してるんですか」



心「テキトーにファッション誌読んでる♪」



P「帰らないんですか」



心「んー……」





心「ねえ、プロデューサー」



P「?」



心「今夜は、帰りたくないの……」



P「なに恋愛ドラマみたいなこと言ってるんですか」



心「いっぺん言ってみたかったの☆」テヘペロ



P「はあ」カタカタカタ



心「ほらほらぁ、プロデューサーも乗ってきて♪」



P「ほう」



心「たまにはお芝居するのも楽しいよ?」



P「へえ」



心「女の子が恥じらいながらダイタンなセリフ言ってるんだから」



P「女の子?」



心「さっきまで生返事だったくせにそこだけ反応すんなおまえー!」ペシペシ



P「痛い痛い」





心「まったく、失礼しちゃう☆」



心「女はいくつになっても、恋をしているときは女の子になれるんだぞ☆」



P「恋、してるんですか?」



心「………」



心「た、たとえばの話ね?」



P「いやでも自分で自分のこと女の子だって言ってたし」



心「それはお芝居の設定上の話なのぉ!」



心「突っ込んじゃらめぇ♪ らめぇ〜〜☆」イヤンイヤン



P「ごまかし方がエロいです」



心「らめなのぉ☆」



P「とりあえず、俺はまだ仕事中なのでもう少し静かにしてもらえると」



心「あ、はい。すんません」





P「………」カタカタカタ



P「……ん〜〜っ。あー、肩が凝ってきた」



心「まだ終わんない感じ?」



P「ええ。まだですね」



心「もう7時だよ? 日も完全に沈んじゃったし」



P「しょうがないですよ、たまには残業も」



P「それより、心さんはいつ帰るんですか?」



P「雑誌も読み終わって、暇してるみたいですけど」



心「え? あー、うん」



心「……そうだ! プロデューサー、肩揉んであげる♪」



P「いいんですか?」



心「うんうん☆」



心「さっき読んだ雑誌に、ちょうどマッサージの記事があったから」



心「むしろこっちが試させてほしいな♪」



P「では、お言葉に甘えて」



心「じゃあ、ムチ持ってくるから待っててね♪」



P「およそマッサージでの用途がわからないブツの名前が出てきてるんですが」



心「ここでマッサージとかけまして、SMプレイとときます」



心「………」



P「………」



心「………」



P「……その心は?」



心「どちらもキモチよくなるでしょう☆」



P「50点」



心「やん♪ きびすぃー☆」



P「だいたい、アイドルの事務所にムチが置いてあるわけ」



心「時子ちゃん」



P「……ありますね」





心「どう? 気持ちいい?」



P「はい。はぁ〜……」



P「心さん、肩揉むの上手ですね」



心「小さい頃は、パパの肩を毎日揉んであげる娘だったんだぞ♪」



P「へえ。それは親孝行な」



心「今は、アイドルなんて安定しない職に就いちゃってるけどな☆ 迷惑もたくさんかけたし」



P「安定しないのは事実ですけど、時々テレビで頑張ってる姿を見せられているんだから、十分親孝行ですよ」



心「そうかな」



P「俺はそう思いますよ」



P「もし、まだ足りないと思うなら……今よりもっと上を目指して、毎日テレビに映るくらいのアイドルになりましょう」



心「……ふふ、そうだね♪」



心「よーし、頑張るぞ!!」グリグリ



P「いっ!? 痛い痛い痛い!」



心「あ、ごめん! つい力が」



P「………」



P「………」グ~~



心「あ、お腹の虫が鳴ってる♪」



P「みたいですね。確かに、腹が減ってきた」



P「何か食べようかな……あ」



心「どうしたの?」



P「この部屋、ちょうど食料がほとんど切れていることを思い出しました。お菓子とかもなくなっていて」



心「あ、そうなんだ。じゃあ、出前でもとる?」



P「出前か……割高だけど」



心「腹が減っては戦ができぬ、でしょ? それに、今から近くのコンビニ行くのも疲れるだろうし♪」



心「さあさあ、なに頼む? おいしそうなのたくさんあるぞ☆」



P「心さん。一番は自分が食べたいからじゃないんですか?」



心「突っ込んじゃらめぇ♪」



P「気に入ったんですかそれ」



心「ピッツァ頼もうよ、ピッツァ! ここにチラシあるし」



P「ピザ? まあ、出前としては定番ですね。確か店も割と近いところにあったはずだし」



P「それにしますか」



心「やった♪ ピッツァだ♪」



P「発音」



心「ゴルゴムゾーマ頼んじゃう?」



P「光と紗南に影響受けてますね」



心「ん〜〜♪ ピッツァおいしい☆」モグモグ



P「ゴルゴンゾーラ、普段食べないけど意外とイケますね」



心「でしょ?」



P「栄養補充もできたし、もうひと頑張りしますか」



心「あれ? もういいの?」



P「あんまり食べ過ぎると眠くなっちゃいそうなので」



P「腹八分目で止めておきます」



心「あはは、まるで子どもみたいだー♪」



心「じゃあ、はぁとが残り食べておくね。今週の消費カロリー的に、このくらいは食べてもいいはずだし♪」ハムハム



P「お願いします」



P「………」カタカタカタ



P「………」カタカタ、ターンッ



P「ふう。やーっと全部終わった」



P「心さん、俺も帰るのでそろそろ……」



P「……そういえば、さっきからずっと静かだな」





P「心さん?」





心「すー……すー……」スヤスヤ



P「……ソファーで寝ちゃってたのか」



P「心さん。起きてください」



心「んぅ……きすみーぷりーず……」



P「アイドルの寝言としてそれはどうなんだろう」



心「んぁ……P……?」ポワポワ



P「起きましたか。もう9時前ですよ」



心「あ……私、寝ちゃってた?」



P「ええ、それはもうぐっすりと」



心「そっかー……はは、自分がお腹いっぱいになって寝ちゃうなんて」



P「まるで子どもみたいですね」



心「あー、さっきのはぁとのセリフ、覚えてたな?」



P「コーヒー淹れたけど、飲みます? 眠気覚ましにちょうどいいですよ」



心「ありがと」



心「……うん、あったかい」



P「淹れたてですから」







心「プロデューサーの前だと、たまーに童心に帰っちゃうことがあるんだよね☆」



P「割といつも子どもっぽいような」



心「黙っとけ☆」







心「なんていうか、アレだよね」



心「プロデューサーと一緒にいると子どもに戻るってことは、ひょっとして昔を思い出させるものがプロデューサーにあるのかも?」



P「昔を思い出させるもの?」



>>11 修正



心「でもホント、子どもみたい♪」



心「プロデューサーの前だと、たまーに童心に帰っちゃうことがあるんだよね☆」



P「割といつも子どもっぽいような」



心「黙っとけ☆」







心「アレだよね」



心「プロデューサーと一緒にいると子どもに戻るってことは、ひょっとして昔を思い出させるものがプロデューサーにあるのかも?」



P「昔を思い出させるもの?」



心「もしかして……小さい頃、すでに出会っていたとか!」



心「かつて遊んだことのある想い出の男の子と運命の再会……いやあん、スウィーティー☆」



P「それはスウィーティーというかロマンが過ぎませんか?」



心「でもありえなくはないでしょ? はぁと、小さい頃に遊んだ男の子の名前、全部覚えてるわけじゃないし」



心「閉ざされた記憶の向こうに、約束の彼との真実が……」



P「ないない」



心「もう、ノリ悪いぞプロデューサー!」ブーブー



P「もし会ったことがあるなら、俺のほうが忘れませんよ。心さんみたいな人」



心「えっ」



心「そ、それはもしかして、こんな美少女の姿を忘れるわけがない的な」



P「絶対ガキ大将タイプだっただろうから、会ってたら忘れないです」



心「そういうことだろうと思ったわ☆」



P「はは……さて。コーヒー飲み終わったら、そろそろ帰りましょうか」



心「うん♪」



P「歩きですよね? 駅まで送りますよ」



心「さっすがプロデューサー♪ イケメン☆」



帰り道





心「今日は星がよく見えるね♪」



P「一日中晴れでしたからね。今も雲ひとつなさそうだ」



心「どれがなんの星座とかはよく知らないけど、なんとなく眺めているだけでも楽しいよね♪」



P「俺も、夏の星座だとさそり座と夏の大三角くらいですかね。自信あるのは」



P「それでも、たまにはぼーっと星を眺めるのもいいかもしれませんね」



心「だね☆」



心「そうだ。だったら今度、長野に遊びに来る? 東京よりも空が綺麗だぞ☆」



P「長野かあ」



心「宿代はタダですむし」



P「タダ? それってまさか」



心「にこにこ」



P「麻理菜さんの実家に泊めてもらうんですか?」



心「ウチに来いよ! なんでマリナルの家に行こうとするの!?」





P「心さんの実家ですか。そういえば、まだうかがったことがなかったですね」



P「わざわざお母さまが東京に来てくれた時に、挨拶はさせていただきましたけど」



心「周りなんにもないけど、いいところだよ♪ 空気もおいしいし♪」



P「それは魅力的ですけど、担当アイドルの実家に泊めてもらうのはどうなんだろう」



心「かたいこと言うなって♪」



心「それか、泊まるのがダメなら、ご飯だけでもどう? ウチのママの料理、おいしいぞ♪」



P「ご飯ですか。……まあ、そのくらいなら」



心「やった!」



心「いつにする? 来週?」



P「そんないきなり行けるほど暇じゃないでしょう、心さん」



P「スケジュール、結構カツカツなんだから」



心「てへぺろ☆」



心「………」



P「心さん?」



心「……そうだよね。はぁと、暇じゃないんだよね」



心「総選挙、9位だったし。人気、出てきてるんだよね」



P「出てきてるなんてものじゃないですよ。もう立派な人気アイドルです」



心「……そっか」



心「へへ……うれしい」



P「俺もうれしいです。あなたの努力を近くで見てきたつもりですから」



P「心さんの積み重ねてきたものが、たくさんの人に伝わっている。やっぱり、達成感はあります」



心「そうだね♪」



心「……でも、はぁとだけじゃないよ」



P「?」



心「ついやりすぎちゃうアイドルシュガーハートを、ずーっと支えてくれて、一緒に走ってきてくれた人」



心「プロデューサーの努力や積み重ねも、ちゃんと見てきたんだから」



P「心さん……」



心「だから……うん」



心「サンキュー、プロデューサー☆」



心「これ、あげる♪」



P「この箱は……」



心「ネクタイ。新しいの欲しいって、この前言ってたでしょ?」



心「はぁとの感謝の気持ち、受け取っておくれ☆」



P「あ、ありがとうございます……」



心「なんだよ、もっと喜べ☆」



P「いえ、すみません。突然渡されたものだからびっくりして」



P「うれしいです。というか、こっち、まだなにも用意してなくて。すみません」



心「いいのいいの、はぁとが勝手にあげただけなんだから♪」



心「ていうか、『まだ』ってことは」



P「……一応、お祝いの品は考えていまして。まだ決め切れていないので、手元にはないんですけど」



心「本当? それは楽しみにしておかないと♪」



P「あんまりハードルあげないでくださいよ」



心「楽しみ〜、楽しみ〜♪」フンフンフーン



P「はあ……わかりました。存分に期待しておいてください」



心「おう☆」



心「はぁとも、今回は既製品だけど、クリスマスあたりには手作りのマフラーとかあげちゃうつもりだから♪」

P「もうすぐ駅ですね」



心「そうだね……はあ」



P「どうしたんですか、ため息なんてついて」



心「ああ、うん。やっと渡せたなあと思って」



P「このネクタイですか?」



心「そうそう♪ 朝からずーっと機会うかがってて、でもなかなかタイミングがつかめなくて」



P「もしかして、今日夜まで残ってたのは」



心「そういうこと♪」



P「渡すタイミングなんていくらでもあったじゃないですか。わざわざこんな時間までいる必要なかったのに」



心「それはそうなんだけどさ……ほら、なんていうか」



心「こう、改まって感謝の気持ちを伝えますーってなると……照れくさくて」アハハ



P「……心さん、そういうところは不器用ですよね」



心「ほっとけ☆」



心「おかげで美女と一緒に夜道を帰れることになったんだぞ? 感謝しろよ☆」



P「はいはい、ありがとうございます」



心「それでよし♪」



心「ありがとう♪ 駅まで送ってくれて」



P「大したことじゃないですよ。どうせ俺、家近いですし」



P「明日は休みですよね」



心「久しぶりの休みだー☆」



P「ゆっくり睡眠をとってください。また明後日から頑張ってもらうので」



心「任しといて♪」



心「プロデューサーは、明日も仕事?」



P「はい」



心「そっか。がんばってね☆」



P「ありがとうございます」









心「じゃあ、そろそろ電車出るから行くね」



P「気をつけて帰ってください」



心「うん♪ またね!」



P「また」



P「………」



P「さて、俺も帰るか」クルリ





心「プロデューサー!」





P「はい?」





心「明後日からも、はぁとのプロデュースをよろしく!」



心「Pじゃなきゃ、ダメなんだからなー!」





P「………」



P「はい、もちろんです!」





心「よーし!」



心「じゃあ、また!」





P「………」



P「……頑張ろう」





P(彼女と別れ、ひとり家路へ)



P(残業帰りのわりに、不思議と足取りは軽く)



P(それはきっと、彼女のスウィーティーな贈り物のおかげなのだと思った)







おしまい





22:30│佐藤心 
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