2014年05月15日

早坂美玲「逃がしてやんないからなッ!!」

事務所のちょっと前



テクテク…



早坂美玲「えっと……レッスンやった、撮影もやった……で、その後のレッスンも……」パラ…





美玲「よしッ! 今日のお仕事は終わりだな!」パタン



美玲(ん……でもこのまま戻ってもヒマなだけだしな……)



美玲「まいっか、どうせここまで来ちゃったし」



美玲「誰かいればいいんだけど……ん?」





『お―――ちゃんと―――きた―――……』



『い、一応で―――溶け―――……』



『フフ―――のこ―――……』





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『クラ―――その他―――?』



『こっち―――用意し―――!』





美玲(あ、プロデューサーたちが話してるのか。なに話してんだろ)



美玲「ただい……」ガチャ





ガサガサッ ガタッ パァーン パタン





美玲「ま……ってなんだ今の」





P「おう、お疲れ美玲」



森久保乃々「お、お、お疲れさまです……!」



星輝子「あ、おかえり……フフ」



美玲「あ、うん……あの、さっきなんかスゴい音してなかったか?」



P「そうか? 多分シュレッダーかなんかの音じゃないか?」



美玲「シュレッダーでもあんな音出ないだろ……」



千川ちひろ「いやぁ、うちのシュレッダー古いですからねぇ」



P「ですねぇ」



美玲「そんなモンなのか、ここのシュレッダーって……」





ちひろ「お仕事お疲れさま美玲ちゃん。何か飲む? 冷たい麦茶があるけど」



美玲「うんっ、お願いするぞちひろさん」ストン



ちひろ「それじゃあ、今から持ってきますね」



テクテク…



美玲「あ、そうだ! プロデューサー!」



P「ん、なんだ?」



美玲「なんかウチが来る前に話してなかったか? 輝子とか乃々とかと」



P「ああ、あー……」



P「……いや、何も話してないぞ?」フイ





美玲「ウソだ、ちゃんと話してる声は聞こえてたぞ!」



美玲「それとも……ウソつかなきゃいけない話でもしてたのか?」



P「あー……まあ確かに話してはいたけどな」



美玲「だろっ、なんの話してたんだ?」



P「……今後のスケジュール?」



美玲「むっ……なんかそれもウソっぽいぞ」ジトー



P「いや嘘じゃないって。本当、本当」



美玲「だってなんか顔がスッゴいウソついてる感じだもん」



P「どんな顔してんだ俺」



ちひろ「いつも通りの顔ですよ? はい、美玲ちゃんの麦茶」カラン



美玲「あ、ありがとーちひろさん」ゴクゴク



ちひろ「麦茶、 あとプロデューサーさんの分も」カラン



P「おお、ありがとうございます。なんでか喉が渇いてきて……」



美玲「ぷはーっ」





美玲「あ、ちひろさん、炭酸系の飲み物ある?」



ちひろ「ええ、たしか何本か……」



美玲「そっか、じゃあ取ってこよ」スクッ





P(ちひろさん、美玲が冷蔵庫に!)コソッ



ちひろ(しまった……!)ハッ





ちひろ「あーごめんなさい美玲ちゃん! 今、ジュースとかは切らしてて……!」ワタワタ



美玲「えっ? あるんじゃないの?」



ちひろ「えーっと……昨日切れたばかりで、今はこの麦茶しかなくて……」グルグル





美玲「……なんか今日はヘンだぞ! プロデューサーもちひろさんも!」



P「いやぁ、気のせいじゃないか? 気にしすぎなだけだと思うぞ?」



ちひろ「で、ですね!」



美玲「うーッ……! 絶対ウチになんか隠してる気がするんだけど……」



美玲「二人にも聞いてくるッ! 乃々ー、輝子ー!」





タタタタ……





P「…………」



ちひろ「…………」



P「ごまかすの下手ですね自分たち」



ちひろ「ですねぇ……」





机の下



美玲「輝子っ!」ガタン



輝子「フヒ……どうした?」



美玲「あのさ、さっきウチが入ってくる前プロデューサーとなに話してた?」



輝子「Pと……えっと……」



美玲「…………?」



輝子「へ、部屋の温度管理とか……?」



美玲「ぜんぜん違うじゃんかプロデューサー!」バンッ





輝子「でも嘘は言ってない……はずだ、フフ……」



美玲「うーっ! 輝子もモヤモヤするヘンな言い方するなよな!」



輝子「じゃあ、あとは……お隣さんに任せた……」



乃々「ええっ」



美玲「じゃあ乃々ッ!」ガタン



乃々「はっ、はいぃ……」ビクッ



美玲「なんかみんなウチに隠してないか? そうだろ?」



乃々「いや、あの、えっとその……」



乃々「あー…………」



乃々「い、言えることが思いつかないんですけど……」



美玲「なんでなんも言えないんだあああーっ!!」ブンブン



乃々「あうあうぅー……あたま揺らさないでぇぇ……」ガクガク





美玲「ちゃんと答えるまで逃がしてやんないからなッ!乃々っ!」



乃々「えぇぇー……む、むーりぃー……」



乃々「もりくぼはこれ以上のプレッシャーの受けたら、ちり一つ残らず消えちゃうと思うんですけど……」



輝子「そろそろ……やる?」



乃々「お、お願いします……うぅ」ガクッ



輝子「フヒ……了解……」スッ トテトテ…



美玲「やる? やるってなんだよッ! 乃々も起きろっ!」ペチペチ



乃々「お、起きてますぅ……」





輝子「スタンバイ……」



P「よし、やるか」



トテトテ…



輝子「そっちのカーテン頼んだ……よいしょ……」シャーッ



乃々「あ、私もですか……えいっ」シャーッ



P「電気消すぞー!」



美玲「えっ!?」





パチンッ





P「しまった、ケーキが見えない! 冷蔵庫どこいった!?」



ちひろ「こっちにあります! 段取り悪いですよプロデューサーさん!」



美玲「ななななんだ!? 何やる気だ みんなッ!?」





〜〜〜♪



〜〜〜♪



P「ハッピーバースデートゥーユー♪」



美玲「!?」



輝子「ハッピーバースデートゥーユー……」





ちひろ「ハッピーバースデーディア、美玲ちゃーん……」



乃々「は、ハッピーバースデートゥーユー……!」





コトッ





P「ほら、ロウソク、ふーって」



美玲「え? ふ、ふぅーっ!」





パチン



パァーン! パァーン!





『『お誕生日おめでとう 美玲ちゃん!!』』





美玲「……ええっ?」ポカーン…





美玲「えええええッ!? 何なんだこれ!?」



P「さっき言ったようにお前の誕生日パーティだぞ」



輝子「おめでとう美玲……フフ」



乃々「お、おめでとうございます……」



P「まさか自分の誕生日を忘れてたわけじゃ……」



美玲「そんなの覚えてるに決まってるぞッ!」



美玲「けどウチ、事務所でこんなことやるなんて思わなかったし……」



美玲「このケーキだってキレイだけど……手作りだろ? 多分だけど」



ちひろ「ええ、乃々ちゃんと輝子ちゃんががんばって作ったそうですよ! ね?」



乃々「いやその、そんながんばってとか……がんばった割にそんなものですけど……」



輝子「ほ、ほとんどトッピングだったけど……でも、けっこう自信作……フフフ」グッ



美玲「だよなー……スゴいな二人とも」





ちひろ「まあもう少し早く、やるって決めていればもっと他にも準備できたんですけど……」



ちひろ「誰かがきのう一昨日に突然言い出さなければ……ねえ? プロデューサーさん?」



P「えっ!? え、ええそうですね……」



ちひろ「もう、こういうことは早めに提案してくださいね? 本当に」



P「あ、いやでも、サプライズとしては成功したようですしね? な?」



美玲「なんでウチに聞くんだ」





P「ともかく! パーティ始めるぞパーティ!」パン



ちひろ「はーい、ケーキ切り分けます?」



P「あ、名前のチョコお願いします」



ちひろ「美玲ちゃんより先に注文しないでください!」



乃々「あの……どれ飲む……?」



美玲「メロンソーダあるのか? じゃあそれ!」



輝子「じゃあ……オレンジジュース一つ……」





ちひろ「えー、飲み物も行き渡ったようなので、かんぱ……」



P「美玲、何か一言」



ちひろ「ちょっと」



美玲「ええっ!? そこでフるのか!?」



美玲「んーと、なに言えばいいんだろ……」



美玲「わ、わざわざこんなパーティ開いてくれて、あ、ありがとうございます……?」



美玲「あとはえっと、えーっと……」



美玲「も、もう思いつかないぞ……!」



P「それで十分だ! 誕生日おめでとう美玲、乾杯!」





『かんぱーい!!』カチーン





ちひろ「お菓子もいっぱい買ってきましたからね!」



輝子「キノコたくさん……フヒヒ……」



乃々「きのこの山の山が出来てる……」





美玲「あー……プロデューサー」



P「どうした?」



美玲「そのさ、さっき言ったのとおんなじになっちゃうけど……」



美玲「あ、ありがとう! わざわざパーティとか、やってくれて……」



P「いや、こっちこそ。どうにか喜んでもらえたみたいで安心した」



美玲「あ、でも今日みたいのはあんまやるなよな!」



P「今日みたいの?」



美玲「一応サプライズにはなったけどさ、ああやってウソついて無理矢理やるのはスキじゃないってこと!」



P「ああ……まあ、あれは反省すべきだとは思ってるな……自分でも」

美玲「だから、別にそーゆーヘンなコトはしなくたっていいんだからなッ!」



美玲「そんなんじゃなくたってフツーの……とかでも全然いいし……とにかく分かったかッ!」



P「ああ、分かった分かった」



P「まあその、なんだ? お前の口から直球な『ありがとう』が聞けただけでも、こっちもうれし」



美玲「ふんッ!!」ボスッ



P「痛ったぁ!」



美玲「うるさいッ! そーゆーコトもカンタンに言うなよな! このッ、このッ!」ボスッ ボスッ



乃々「あの……一応プレゼントもあるんですけど……」







その後もケーキを食べたり、プレゼントをもらったりして

美玲ちゃんはみんなと誕生日を過ごしたそうです







おしまい



08:30│早坂美玲 
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