2016年09月05日

池袋晶葉「空想科学実験〜桃太郎〜」


薫「むかし、むかし、あるところに」



晶葉「……何をしてるんだ?」





モバP「なにって夏休みの宿題だよ」



薫「せんせぇに本読み聞いてもらってるの!」



晶葉「本読み……あぁ、あの教科書を朗読するやつか」



モバP「1日1回読んで、大人にチェックを貰わないといけないらしい」





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晶葉「それで、何を読んでるんだ?」



薫「ももたろーだよ!」



晶葉「ももたろう?なんだそれは?」



モバP「知らないのか?有名な日本の昔話のひとつだぞ?」



晶葉「いや、そういう昔話や童話は読んだことがなくてだな……」



モバP「マジか、珍しいやつだな」



晶葉「せっかくだから私も一緒に聞いてもいいか?」



モバP「おう聞いてけ聞いてけ。薫もいいよな?」



薫「うん!かおる、がんばって読むね!」





薫「むかし、むかし、あるところに」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



   キ ン グ ク リ ム ゾ ン



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



薫「めでたし、めでたし!」



晶葉「ふむ、桃太郎なる人物が犬、猿、雉を仲間にして鬼を退治する物語りか」



モバP「いわゆる勧善懲悪のおはなしだな」



晶葉「しかし興味深いな」



モバP「興味深い?あぁ、きびだんごのとか?」



モバP「確かに気になるよな。危険な鬼退治について行ってまで食べたい団子ってどんな団子だろうな」



晶葉「そうじゃない、私が気になるのはお婆さんのことだ」



モバP「お婆さんって……桃太郎の?」



晶葉「それ以外にどのお婆さんがいる」





モバP「いや、お婆さんのどこに興味が湧くんだよ」



モバP「どこもおかしな所はないだろ」



晶葉「いや、考えてみろ助手よ」



モバP「?」



晶葉「上流から流れてきた得体の知れない巨大な桃をなんのためらいもなく持ち帰り」



晶葉「毒の有無も調べずに食べようとしたんだぞ?」



モバP「それは物語の都合上しかたないだろ……それに昔の人はそれぐらい根性あったんじゃないのか?」



晶葉「なるほど、だとしたら見習わなければならないな」



モバP「みならう?」





晶葉「異形の存在と対峙した時に人々は桃太郎のお婆さんのように対処ができるのか!」



晶葉「例えばもし火星人がいきなり攻めてきたらは助手は冷静に行動できるか?」



モバP「よくわからんがとりあえず火星人にはインディアン・ラブ・コールでも聴かせればいいんじゃないか?」



晶葉「これは常識に飼いならされた現代人の意識に対する問題定義なのだ!」



晶葉「マーズ・アタック!などというC級映画の話で茶化すんじゃない!」ドン!



モバP「お、おう、すまない」





晶葉「ふむ、これはいいテーマだな」



晶葉「助手よ手伝ってくれるな?」



モバP「また実験かよ……まあ、仕事は終わってるから構わないけど」



晶葉「ではさっそく準備に取り掛かる。ついてきてくれ」



モバP「あんまり、無茶なことさせないでくれよ」





モバP「で、実験って何をするんだよ」



晶葉「そんなに構えなくていい。これを見てくれ」





桃『俺の名は346プロ1号生筆頭剣桃太郎!!』ドーン!





モバP「これは……桃、でいいんだよな?」



晶葉「品種改良を重ねて全長120cmまで巨大化させた桃、その名も桃太郎だ。もちろん食べれるぞ」



モバP「本当だ、でも水っぽい」モグモグ



晶葉「むぅ……まだ味のほうは改善が必要か」





モバP「で、この巨大な桃をどうするんだよ」



晶葉「これと同じものを事務所に設置してある」



モバP「なるほど、異常な存在(巨大な桃)を目の前にみんながどんな反応をするのか確かめようって寸法か」



晶葉「そういうことだ。む、さっそく誰かが入ってきたぞ!」





−Case 1:柊志乃−



ガチャ



志乃「ふぅ、今日も暑いわね……」



志乃「熱中症にならないように水分補給を……あら?」





桃『346の教科書に死という文字はあっても…敗北という文字はない!』





志乃「」





モバP「ん?志乃さんから電話だ」オーネガイ シーンデレラ!



モバP「もしもし、どうかしましたか?」



志乃『ごめんなさい、今日のレッスン休んでもいいかしら?』



モバP「それは構いませんけどどうかしたんですか?」



志乃『それが飲み過ぎたみたいで……幻覚が』



モバP「げ、幻覚ですか」



志乃『えぇ、今も巨大な桃が目の前に……』



モバP「そうですか……お大事に」ダラダラダラ





晶葉「目の前の現実を受け入れられずに幻覚として処理して逃亡したか」



モバP「まぁ、普通はそうなるよな」



晶葉「しかし、志乃も以外にメンタルが弱かったんだな」





−Case 2:日野茜−



バーン!



茜「ボンバーーーーーーーーー!!!!」





桃『九九八十八!!』ドシン!





茜「すいません!ぶつかってしまいました!!」



茜「失礼します!」ドドドドドドド!!!



バーン!





晶葉「桃を桃と認識できず正しい判断ができなくなったか」



モバP「いや、あれはまた特別なパターンだと思うぞ」





−Case 3:八神マキノ−



ガチャ



マキノ「おはよう……あら?」





桃『わしが346プロ塾長 桃である!』ババーン!





マキノ「…………」



マキノ「これは桃ね大きさは120cmくらいかしら」



マキノ「でもなんでこんなところに桃が?」





晶葉「対象物を科学的に分析、判断したか」



モバP「わかったことは大きな桃だってことぐらいだけどな」





−Case 4:大原みちる−



ガチャ



みちる「フゴフゴフゴ」



みちる「フゴフッゴッグ」←喉が渇いてきた



みちる「フゴゴフゴゴ」←飲み物を探すが見当たらない



桃『忘れねえでくれ、俺の名は桃』



桃『今度生まれ変わってくる時も桜花咲く346プロで会おうぜ』



みちる「…………」









ガブリ





晶葉「桃を正しく認識、その後対象物の用法にて対処」



晶葉「なかなかたくましいな」



モバP「あれは食い意地が張ってるだけだろ」





−Case 5:千川ちひろ−



ガチャ



ちひろ「おはようございま……!!?」





<プロデューサーさん!!!!!





モバP「やっべ!ちひろさんにバレた!逃げるぞ!!」ダッ



晶葉「なぜ逃げる必要が?」



モバP「お仕置きで地獄の特訓を受けたいならここに残れ!」



晶葉「よし、とりあえず私の隠れ家にいくぞ!そこで今回の研究をレポートにまとめる!」







バタバタバタ





数日後





茜「これが晶葉さんが作った桃ですか……すごく大きいです!」



志乃「幻覚じゃなかったのね……」



マキノ「ちゃんとした環境で育てれば3mくらい大きくなるみたいよ」



ちひろ「まったく!二人とも人騒がせなんだから!」



みちる「フゴフゴ!」





晶葉「すいませんでした」

モバP「すいませんでした」





モバP「あの、それで僕たちはどうなってしまうのでしょうか?」



ちひろ「そうですね、捕まったモバPさんと晶葉ちゃんはマストレさんの地獄の特訓」



ちひろ「この巨大な桃は保存してみんなで食べていくつもりです」



モバP「げぇ!?」



晶葉「待ってくれ!私が書き上げた研究レポートはどうするつもりだ!?」



ちひろ「それは薫ちゃんたちに自由研究の参考にしてもらった後で処分します」



晶葉「そ、そんな……」ガク





晶葉「結局、大きな桃が生んだのは桃太郎ではなく騒動と徒労ということか」



モバP「あと蛍光緑の鬼も生まれたな」



ちひろ「二人ともお盆休み返上で地獄の特訓決定ですね」



モバP「そ、そんなー!?」



晶葉「くそう!もう2度と桃太郎なんか読むもんか!!」







おわり





08:30│池袋晶葉 
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