2014年05月24日

モバP「杏が泣き出した!?」

モバP(以下P)「な、なんで…」



ちひろ『わからないんですっ! さっき事務所に来たと思ったら、周りをキョロキョロと見渡した後に、急に泣き始めて…』



P(もしかして…働かせすぎて、事務所に来たことに拒絶反応を…!?)





P「す、すぐ戻ります!」



ちひろ『はやくはやく!』



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〜事務所〜



ガチャッ



P「杏ぅーっ!! どこだーっ!! どうしたーっ!!」



ちひろ「あっ、プロデューサーさん!」



P「ちひろさん! あ、杏はどこに!?」



ちひろ「はいっ! 杏ちゃんなら、そこのソファに」



杏「プロデューサー!」タタタッダキッ



P「へ?」



ちひろ「ん?」



杏「プロデューサープロデューサーぁ!」スリスリ



P「ドウイウコト」



ちひろ「ナニコレ」

杏「あぁプロデューサーだぁ! 杏の…杏のプロデューサーだぁ…!」スリスリ



P「あ、杏さん? ど、どうしたんだ?」



杏「プロデューサープロデューサーぁ…!」スリスリ



P「お、おーい」



ちひろ「どうやら聞こえてませんね」



P「なぜ…」



杏「〜♪」スリスリ

〜10分後〜



杏「ふんふふ〜ん♪ プロデューサーぁ♪」スリスリ



P(かれこれ杏に抱きつかれてから10分が経った。ソファに移動して座ることができたものの、まだ杏から返事は返ってこない)



P「杏さん杏さん。どうかお返事してください」



杏「〜♪」スリスリ



P「……」



ちひろ「プロデューサーさーん……って、まだその状態なんですか?」



P「いやほんと、どうしたんですかね杏は…。もしかして、最近仕事たくさん入れすぎたせいで…俺のせいで…」



ちひろ「だ、大丈夫ですよ! 杏ちゃんは強い子です!」



P「………そう、です…よね…」ナデナデ



杏「〜♪」スリスリ

〜それから20分後〜



P「うぅむ、この日はありすの送り迎えがあって難しいですね」



ちひろ「そうですか…あっ、でもここらへんのスケジュールを少しいじったら…!」



P「ちひろさん、あなたは俺を過労死させたいんですか」



ちひろ「い、いえっ! そういうわけじゃ…!」



ちひろ(みんなの要望聞いてたらなかなか決まらないなぁ…はぁ)



杏「〜♪ ……ん? あれ? プロデューサー? どうして杏の目の前にいるの?」



P・ちひろ「!?」

杏「あれ? ここって事務所?」



P「どうしたんでしょう、杏」ヒソヒソ



ちひろ「記憶が飛んでるようですね」ヒソヒソ



杏「ねぇ、プロデューサー」



P「な、なんだ?」



杏「杏、今まで何してたっけ?」



P「な、何って…」チラッ



ちひろ(私は知りませんよー)フイッ



P「……あ、あぁそうそう。杏は寝てたんだよ、うん。ね? ちひろさん!」



ちひろ「えっ? あっ、はいっ! 事務所に来るなりパタンッてソファに倒れ込んで!」



杏「…あー、そうだっけ。うーん、まぁ二人がそう言うならそうなんだろうね…うん。それじゃ、解決したところで杏はまた眠りにつくよ」



P「あ、あぁ。おやす…っておい! お前は今からレッスンだ! さぁ行くぞ!」



杏「うわぁぁっ! 杏は寝るんだぁぁぁ!」

P「…ふぅ。ただ今戻りました」



ちひろ「おかえりなさいプロデューサーさん! …ところで、どうしてさっき、杏ちゃんに嘘を?」



P「無意識の内に、自分の体が異性にべったりだったって、嫌じゃないですか」



ちひろ「えっ、ま、まぁ」



P「杏はそこらへん気にしないかもしれませんが、一応」



ちひろ「そ、そうでしたか」



P「はい。…しかし、本当になんだったんでしょうね、さっきの杏は」



ちひろ「杏ちゃん、可愛かったですね」



P「はい! …いや、そういうことじゃなくですね」



ちひろ「ふふっ、わかってますよ。確かにあれは異常でした」



P「それともう一つ。あいつ、さっき俺があげた以外の飴を持っていたんですよ」



ちひろ「えっ? それは、杏ちゃんが自分で買っただけじゃないんですか?」



P「いえ、何故かは知りませんが、あいつ、自分では買わずに俺からもらう飴を待ってるんですよね、いつも」



ちひろ「そ、それは…」

ちひろ「あっ、そうだ! 他の誰かから貰ったとかじゃないですか?」



P「他の誰か? うーん、杏に飴をあげる物好きなやつかぁ…」



ちひろ「物好きって…ん? プロデューサーさん、杏ちゃんが持っていたのはどんな飴でした?」



P「どんなのって…袋に包まれたどこにでもある飴でしたよ。そういえば、聞いたことのないメーカーのだったなぁ。『I.S』って袋に表記されてたけど」



ちひろ「『I.S』…あっ。プロデューサーさん、私、少し電話かけてきます」



P「えっ、ちひろさん? 誰に…って、行っちゃったよ」

ちひろ「プロデューサーさん! わかりましたよ!」



P「もしかして飴の正体ですか?」



ちひろ「はいっ! 私の思った通りでした!」



P「そ、それで、一体その飴は…?」



ちひろ「杏ちゃんが持っていた飴、私知ってたんです。あれ、志希ちゃんが作ったやつですよ!」



P「……へっ?」

ちひろ「志希ちゃん曰く、あれは『その時の欲望に忠実になる飴』らしいです!」



P「……それだったら、その飴は違うんじゃないですか?」



ちひろ「えっ!? な、なんで」



P「だってほら、杏の欲望、つまり願いって、『仕事を休む』ことじゃないですか」



ちひろ「……………」



P「ど、どうしました?」



ちひろ「なんでもありません! とにかく! その飴で確かなので! あとはプロデューサーさん自身がなんとかしてくださいね!!」



P「え、えぇ…わ、わかりました!」

P「しかし…どうすればいいんだろうか…」



ガチャッ



杏「…………」



P「おっ、おかえりー…ってあれ? 杏? お前、まだレッスンは終わってないはず」



杏「ぷ、プロデューサーぁ♪」タタタッダキッ



P「」



杏「プロデューサーだぁ♪ ねぇプロデューサー、杏の頭撫でていいんだよー♪」



P「マタカヨ」

P「なあ杏。ちょっと離れて……ん?」



P(杏が手に持ってるこれは…さっきの飴の袋? ま、まじかよ…)



杏「いやだぁ! 杏は、このままでいるんだぁ!」



P「これが…杏の願い…?」



杏「ピクッ……プロデューサーぁ♪ 撫でてよー」



P「…あぁくそっ! なるようになれ!」ナデナデ



杏「〜♪」

〜30分後〜



P「………」ナデナデ



杏「〜♪ …ん? あれ? プロデューサー? どうして杏の目の前にいるの?」



P(前と同じことを…)



P「あぁ、また寝てたんだよ杏は。そんなにレッスン疲れたのか?」



杏「あーそうかも。もう杏は疲れて動けないよー。ねぇ、杏、帰っていい?」



P「ダメだ。今寝たんだから少しは休めただろ。ほらっ、レッスンレッスン」



杏「うあーっ! プロデューサーのバカ!」



P「バカで結構。はよいけ」



杏「くそーっ…杏を休ませなかったら罰が下るんだよ!」



P「おう下れ下れ」



杏(…また、この飴使って甘えてやるんだから…覚悟しててよね、プロデューサー!)



P(どうせまた、甘えてくるんだろうし、今のうちに仕事済ませとくか)



P・杏(たまにはこういうのもいいな(ね))



おわり



20:30│双葉杏 
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