2016年11月05日

千早「お兄ちゃん」


とある歌番組収録スタジオ。





番組スタッフ「はい!これで今回の収録は終了です。お疲れ様でしたー!!」









千早「ありがとうございました」ぺこり









――――



ステージ裏。



P「お疲れさま。千早」



千早「お疲れ様です……プロデューサー」ぺこり



P(ん?)



千早「?どうされました?プロデューサー」



P「いや…何でもない。思ったより収録がちょっと長くなってしまったな。遅くなってしまったし、さっさと帰ろうか」





千早「はい……」



 

 



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――――





千早の自宅マンション前。





P「じゃあ俺はまた事務所に戻るから。お前は明日は午後からだから、それまでゆっくり休んでくれ」



千早「はい……ありがとうございます……」



P「おやすみ千早」





千早「おやすみなさい。プロデューサー」ぺこり…





 





――――





765プロ事務所。



がちゃっ

P「ただいま戻りましたー」





律子「お疲れ様です。プロデューサー」



P「律子。まだいたのか。お疲れさま。もうみんな帰ったかと思ってたが…ん?じゃあ、もしかして音無さんもまだいるのか?」



律子「いえ。小鳥さんならもう帰られましたけど。どうかしましたか?」



P「そうか。いやただ単にちょっと聞いてみただけだ……それより…なあ律子」



律子「はい。何ですか?」



P「千早の事なんだが……」



律子「千早?千早がどうかしたんですか?」



P「いや…最近ちょっと元気がないみたいなんだが」





律子「その事ですか」





 





P「ん?何だ気付いていたのか?」



律子「ええ…まぁ今は裏方としての目線で、皆を見てますから。実を言うとそれに関しては、少し前にそれとなく聞いてみたんですけど…あまり言いたがらないみたいで……」



P「そうか…あいつはちょっと自分だけで抱え込んでしまうところがあるからな……それで、律子から見て何か心当たりとかはないかな?」



律子「いえ。これと言って特に。仕事も波に乗ってきてますし……ちょっと私には判り兼ねますね」



P「そうか……」



律子「そうだ。それならプロデューサーから直々に何か聞いてみたらどうです?案外とプロデューサーになら話してくれるかもしれませんし」





P「そうかな……?いや…そうだな……うん。よしなら一度聞いてみるか…………」







 





翌日。





765プロ応接室。





千早「どうしたんですか?プロデューサー。話が有るから、予定の時間より少し早く来てくれって」



P「いや…な。最近、俺の目から見て…お前がちょっと疲れてるっていうか、元気がない様に見えてな」



千早「そんな事は……」



P「いや…無理はしなくていい、仕事か何かで悩みとかあるなら、遠慮なく言ってくれ。俺はお前の…アイドル如月 千早のプロデューサーなんだから」



千早「プロデューサー…………済みません……」



P「それでどうしたんだ?もしかして俺に言えない事とかか?もしそれなら律子にでも――――」





千早「いえ…そういう訳では……ないんです」





 





P「それなら。もし俺に出来る事が有れば何でも言ってくれ。出来る事なら何でもするから」



千早「……そこまで言って下さるなら――――あの……私事で申し訳ありませんが…プロデューサーは私の生い立ちと言うか、家族の事とは知ってますよね?」



P「お前の家族?ま…まぁ……それとなくはな。でも…それがどうしたんだ?」



千早「最近。お仕事も少しづつ頂ける様になって、それにも少しづつ慣れていって……それで、ふっ…とした時に何故か急に何か寂しくなったんです」



P「そうか…仕事に余裕が出来てきて、今の環境にも慣れて、他の事にも気が廻る様になったのかもしれないな」



千早「そうかもしれません……でも――――」



P「でも?」





千早「おかしい…ですよね……勿論ただ好きな歌を唄いたかったというのが一番ですけど、その事を…家族の事を忘れたいが為に、この仕事(アイドル)を始めた。という理由も少しはあったのに…その仕事で結果が出始めた途端に…またその事を思い出してしまうなんて……」





 





P「千早……」



P(ふーむ。もしかしてホームシックの変化形みたいなものかな……)



千早(…………………………………うん……)コク…



千早「あ…あの…プロデューサー…………」



P「ん?」



千早「私は…自分の家族とは色々ありましたけど……それでも…それでもやっぱり、家族というモノに憧れているんです」



P「……………」



千早「ですから…プロデューサーにお願いしたい事が有ります」



P「何だ」



千早「はいっ…あの…だから…それで………////////」もじもじ



P「どうした?はっきり言わないと分からないぞ」



千早「ですから…今からその…プ…プロデューサーの事を―――――」すっ







千早「お兄ちゃん」







千早「―――――と、呼んでもいいですか?///////////」かぁぁ





P「!?」





 



P「――――おっおに……?千早…お前、一体何を言ってるんだ?」



千早「ですから…プロデューサーに私の家族に…兄になって欲しいって言っているんです」



P「いや…唐突にそんな事言われても――――」



千早「プロデューサー。プロデューサーはさっき私に―――――」







千早「出来る事なら何でもする」







千早「―――――って言ってくれましたよね?」





P「!?」





 



P「それは…確かに言ったが…………」



千早「それとも…出来ないんですか?私の兄の真似事をする事が」



P「い…いや。出来ない事はないが…………あっ!」はっ



千早「じゃあいいんですね?」



P「…………分ったよ」はぁ



P「どこまでしてやれるかは判らんが、他ならぬお前の為だ。こうなったら出来る限りの事はやってやる」



千早「!!」ぱぁ





千早「ありがとうございます。プロデューサー……ううん」







千早「お兄ちゃん」にこ







  







歌番組収録スタジオ。





番組スタッフ「じゃあ本番いきまーす!!」





P「今日のステージ期待してるぞ」



千早「はい!」



律子「じゃあ頑張ってね千早」



千早「うん。じゃあ行ってくるね―――――あっそれから……」

すっ



P「!?」どきっ







千早「お兄ちゃん」ぼそ







千早「頑張ってくるねー!!」フリフリ

たたっ





 



P「……………」どきどき…



律子「…………プロデューサー。今、千早に耳元で何を囁かれたんですか?」



P「い…いや!別に大した事じゃない」びくっ



律子「そうですか。でも……千早…あの子、何か急に元気になったみたいですね。というか、あの千早が子どもみたいにはしゃいで、まるで別人みたい。プロデューサー、あの子にどんな魔法を使ったんですか?」



P「魔法なんてそんな大層なモンは使ってないよ。というか俺はまだ何もしてない。千早が自力でで自分を立ち直らせただけだろう」



律子「そうですか……私はてっきりプロデューサーが千早にナニかしたんじゃないかと」



P「なんだそりゃ?だからまだナニもしていないって」





律子「まだ…ですか?」じ…





 





 





P「!?」ぎくっ



律子「………………」じー



P「い…いやっお前が思っている様な事は絶対にないから!そんな勘繰らなくてもいい」



律子「なら…いいんですが。仮にいくら千早が望んだからって、アイドルとプロデューサーの【一線】を越えちゃダメですよ?」



P「分っている。俺もプロデューサーの端くれだ。それ位の分別は弁えているつもりだ」



律子「だと…いんですけど」



P「含みを持たせるな。含みを」



律子「ふふ…判ってますよ」





P「だといいんだが」はぁ





 







――――





番組スタッフ「はーい。本番終了でーす!!お疲れ様でしたー!!」







千早「お疲れ様です!!」ぺこり







ステージ裏。





律子「千早。今日のステージとっても良かったわよ」



千早「ありがとう律子」



律子「ここのところ調子が悪そうだったから。ちょっと心配で見に来たんだけど、そんな心配はいらなかったみたいね」



千早「心配させてごめん。でも…もう大丈夫だから」



律子「うん。分ったわ。でも今日は今までにないくらい良くなってたけど、何かいい事でもあったの?」



千早「…………うん」こく…



律子「そう。何があったのかは敢えて聞かないけど。でも…アナタはこれからの人(アイドル)だから。それだけは忘れない様にね」



千早「…………はい」こく



律子「プロデューサー。私は他の子たちを見ないといけないので、これで失礼しますけど。千早の事、お願いします」ぺこり



P「ああ。判った。忙しいのに、わざわざ済まなかったな」



律子「いえ。私もちょっと気に掛けてましたから。じゃあお疲れさま。千早」



千早「お疲れさま律子。私は大丈夫だから心配しないでね」





律子「うん。そうね」こく





 







―――――





千早の自宅マンション前。





P「この調子ならもう良さそうだな。それじゃ今日はもう帰r――――――」



千早「まだですよ?」



P「えっ!?」ぎくっ



千早「まだ私はアナタに兄らしい事を何もして貰ってませんよ?」



P「それは…まぁいずれ―――――」



千早「いえ…今から私の部屋に一緒に行きましょう」



P「えっ!?」



千早「兄妹って一緒に住んでるものじゃないですか?」



P「そう言われてもな……残念ながら、今から俺は事務所でもう一仕事やらないといけないから……」



千早「じゃあ。お仕事が終わったらまたココに帰って来て下さい」



P「!?」



P「千早……お前本気で――――」



千早「何でもしてくれるんじゃなかったんですか?プロデューサー……ううん。お兄ちゃん」じ…



P「…………分かったよ。仕事が片付いたらまた来るから」はぁ



千早「ホント!?うん。待ってるから出来るだけ早く帰って来てね――――」







千早「お兄ちゃん」にこ





 







――――――





千早の部屋のドアの前。





P(来てしまった……)はぁ



P(ハッキリ言って妹と兄なんてよく分からないが…………まあ何とかなるだろう……)





ピンポーン。





千早「はーい」

ガチャ…



千早「お帰りなさい。お兄ちゃん」にこ



P「お…おう。ただいま」



千早「さぁ兄妹なんだから、遠慮しないで入って」

ぐいっ

ぐいぐい





P「わ…分った。分ったから引っ張り込むのはやめてくれ!」







 





―――――





千早「はい。お茶を淹れましたのでどうぞ」

コト…



P「有難う。で…俺はこれから一体何をすればいいんんだ?」



千早「そうですね……取り敢えず――――――」

すっ







千早「私の勉強を見てください」





P「え!?」



千早「これなんですけど……」

すっ



P「勉強って…それ高校の問題集じゃないか。お前。もう卒業したはずだろ?」



千早「そうですけど……兄と妹が二人でスル事を考えたら、取り敢えずコレなんじゃないかって……」



P「確かに……そんな感じはするな。よく分らんが」





千早「じゃあ…そういう事で私に勉強教えてね。お兄ちゃん」にこ





 







―――――



P「――――で、どこを見ればいいんだ?」



千早「うーん…と。じゃあここで……」

すっ



P「何か適当だな……ん、なになに―――――」



千早「解かる?お兄ちゃん?」



P「よし…これならなんとか。これはだな。ここに解答のポイントが――――」



千早「え…と……………どこ?」すっ

ぴと…





P「!?」





 



P「おっおいあんまりくっつくな!////////」



千早「だって。よく見えないんだもん」



P「だからって―――――」



千早「あっお兄ちゃん…もしかして――――――」





千早「妹ニ意識シチャッタ?」





P「!?」ドキッ



P「ばっ…ばっか!そんなわけないだろ!?」



千早「ホントに?」



P「妹を意識する兄貴なんていない」きっぱり



千早「ふーん…そうなんな。だったら――――」

ぐいっ

ぴっとり



P「!?///////」



千早「もっとくっ付いたっていいんだよね?お兄ちゃんは妹の私なんかに、意識なんてしないんだよね?//////////」ふふん





P「…………お前ってやつは」はぁ





 

千早「えへへ……///////」にこにこ









―――――





P「よし。もうこれくらいでいいのか?」



千早「うーん…じゃあ。あとココなんだけど――――」



P「おう任せとけ!」





P「これはだな…これは………………」



千早(ん?)



P「……………………」



千早「どうしたのお兄ちゃん?そんな参考書とにらめっこして」



P「おかしい…俺は一応大卒のはずだ」



千早「?」



P「なのにこんな高校の問題が分からない筈がない!」



千早「え?」



P「千早。この教科の教科書を見せてくれ」



千早「は…はい」





P「よしっちょっと待ってろ!」





 





―――――





P「解った!ここはこうでこうでこうだ」ふー



千早「…………」じー



P「よし出来た!!千早。ここはな―――――」



千早「…………」じ…



P「どうした千早?せっかく解けたのに」



千早「もう…これじゃ私よりプロ…お兄ちゃんがお勉強してるみたい」クスクス…



P「あっ…そういやそうだな」ははは…



千早「でも――――」



P「でも?」





千早「参考書に真剣に格闘してる時の表情(かお)…ちょっとカッコ良かったよ。お兄ちゃん///////」にこ





P「!?」どきっ



P(この千早の笑顔……何かいつもと違って見えるな。どこかいつもより自然な感じというか……引き込まれるというか……っていかんいかん。危うく千早の事を意識しそうになってしまった)ぶんぶん





千早「?」きょとん





 





――――





P「で…これで取り敢えず勉強はおしまいかな…と言うか、本当にこんなんで良かったのか?」



千早「…………確かに。厳密に云うと、何かちょっと違う気がしないでもないですね」



P「そうだよな。ってやらせたお前が言うな!まぁ…でもやっぱり…無理があったんじゃ……あと他にする事はないのか?なかったらそろそろ帰r―――――」



千早「ありますよ」



P「え!?まだやるのか?」



千早「当り前です。せっかくプロデューサーにお兄ちゃんになって貰えたんですから。こんなくらいでは終われません」



P「じゃあ次は何を?」



千早「勿論…兄妹でやる事と言ったら―――――」



P「言ったら……」ゴクリ…









千早「おままごと」









千早「ですよ―――――」

にこ







 





P「おままごと―――――だと?」ゴクリ…



千早「はい。おままごと…………です」コクリ…



P「おままごとって…子どもがやるんモンで、大の大人がやるもんじゃないだろ?」



千早「たまにはいいじゃないですか?」



P「とは言ってもな……」うーん



千早「それとも他に何かありますか?」



P「いや…特には……」



千早「では決まりですね」



P「……判ったよ。で取り敢えず俺はどうすればいいんだ?」





千早「ありがとうございます。じゃあ…まずは、一旦もう一度玄関に出て頂いて―――――」





 





玄関前。





P(しかし…俺は何をやってるんだ?)



P(まあ…これも担当アイドルの体調・メンタルの管理の一環と思えば、しょうがないのか……)



P(よし。ここまで来たらとことん付き合ってやるか―――――)





P(いざ―――――)





ピンポーン。



がちゃ…





千早「お帰りなさい。お兄ちゃん」



P「お兄ちゃん?おままごとじゃないのか?一体どういう設定なんだ?」



千早「それはですね。家がご近所で、幼い頃から兄妹の様に接してきた二人が、いつしかお互いを意識しだして…兄妹の関係からから恋人同士になって、そしてついに結婚して結ばれるに至ったという設定です」



P「なるほど。それはそれで感慨深いものがあるな……」



P「―――――ってやっぱりよく判らんわ!」





千早「ま…まあとにかく。早くって入って。お兄ちゃん」ほらほら





ばたん……





 





千早「ねえお兄ちゃん」



P「ん?」



千早「ゴハンにする?お風呂にする?それとも――――」





千早「ワタシニスル?」





P「!?」ドキッ!





P「………………………ご…ご飯で……」



千早「え!?」



P「え!?…じゃないよ?他の二つは色んな意味で無理だから」



千早「もうっお兄ちゃんたら恥ずかしがり屋さんなんだから」



P「違うから」



千早「私はいいんだよ?だって…私たちは―――――」





千早「モウタダノキョウダイジャナインダカラ」





P「!?」ドキッ



千早「だからナニをしたっていいんだよ?」



P「いやいやいや。アカン。それアカンやつだから」



千早「ナニがダメなんですか?」



P「だからそういうのは……ほら俺たちはアイドルとそのプロデューサーで―――――」



千早「………………」



P「!!」はっ



P「とっとにかく…まずはご飯にしような?な?」





千早「…………判りました。今持ってきますから、ちょっと待っててくださいね」





 



――――



千早「はい。おまちどおさま」



P「ありがとう…って早いな」



千早「えへへ…お兄ちゃんの為にあれからすぐに作ったんだよ」



P「そうか…わざわざありがとうな千早」



千早「うん!」にこ





P「では―――――」





千早・P「「いただきます」」





 



―――――



P「ふーご馳走さま」



千早「お粗末様でした」



P「うん。おいしかったよ。千早…お前こんなに料理が上手だったか?」



千早「私だって女ですから。お料理の勉強だってしますよ。けっこう必死に頑張ったんですから。いつか旦那さまになる人に喜んでもらえる様に」じ…



P「そうか……それは立派な心掛けだな。今はダメだけど、いつかそんな人が見つかるといいな」





千早「そう…だね…………」





 





P「だから今はこれ位にさせてくれ。じゃないと…………判るな千早?」



千早「………………はい……」



P「でも――――――」ぽり…



千早「?」



P「でもなんだかんだで、少しの時間でもお前と兄妹になれて、なんか本当に兄貴になってみたいで、俺も楽しかったよ」



千早「プロデューサー…………」



P「でも千早がこんなに甘えん坊だったとはな」



千早「知らなかったんですか?私、こう見えても甘え上手な女なんですよ?」しれっ



千早(…………でもそう言われるとちょっと恥ずかしい///////////今更こんな事、言えないけど……)





P「でも…こんなお前も可愛いよ」





 





千早「え!?////////」



P「俺はお前にこんな一面が有るなんて知らなかったよ。俺はお前のプロデューサーなのにな」



千早「プロデューサー…………」



P「だから、無理にとは言わないが、これからは少しづつでもいい。如月 千早の色々な素顔を俺に見せてほしい。俺はお前の事をもっと知りたいんだ」



P「なんたって俺は、お前の…千早のお兄ちゃんなんだしな」にこ



千早「――――――はい」





千早(胸が…じんわりあったかくなって来る……そう。これが家族の……私が憧れ…どうしても欲しかったもの――――)じわ…





 



―――――





玄関。





P「じゃあ。明日は遅れないようにな」



千早「はい」





千早「あの…プロデューサー……」



P「ん?何だ」



千早「また…私のお兄ちゃんになってくれますか?」



P「ああ。いつもって訳にはいかないけど、たまにはな」



千早「!!」



P「まあ…あんまり変な事は出来ないぞ?」



千早「うれしい…ありがとうございます」





P「じゃあ…お休み千早」



千早「おやすみなさいプロデューサー………………ううん。またねお兄ちゃん」にこ





P「ああ。またな」





がちゃ…





 



ばたん…







千早(帰っちゃった……もう少し一緒に居たかったな…………)



千早(でも…私とあのヒトはアイドルとプロデューサー。本当の家族じゃない)



千早(本来ならこんな事をするのも赦されない……それでもあの人は…プロデューサーはこんな私の無茶な要望(のぞみ)に応えてくれた……)





千早(だから…今はこれで充分…これ以上の事は望んではダメ……でも――――――)







千早(でも…いつか貴方と兄と妹…ううん、それ以上の―――――――――)







 





――――――





千早「よしっ!」





千早(うん。元気いっぱいもらったし…………明日から頑張るわよ千早!!)





千早(よし!まずは――――)







千早「プロデューサー」びしっ







千早「ありがとうございました!」ぺこり





 

 







―――――





翌朝。





765プロ事務所。





千早「おはようございます」



P「おはよう。どうやら遅刻はしなかったみたいだな」



千早「はい。どうにか。あれ、他に誰も居ないんですか?」



P「ああ。俺たち以外は、まだ誰も来てないよ」



千早「そうですか……あの…プロデューサー……」



P「どうした?」



千早「昨日はありがとうございました。おかげさまで今まで以上に頑張れそうです」ぺこり



P「そうか…それは良かった」



千早「はい。でも…………」



P「でも?」







千早「もうちょっとプロデューサーから元気を分けて頂きたいなっ…て//////////////」もじ…





 







P「えっ?ど…どういう――――――」





千早「こういう事ですよ!!」

ばっ

だきっ





P「!?//////////////」どきっ









千早「お兄ちゃん!だーい好きっ!!!!」

ぎゅうっ!!









おしまい。







 







おまけ





千早「―――――じゃあ一寸今日の準備してきますね」



P「あ…ああ。まだ少し早いから、ゆっくりでいいぞ」



千早「分りました。では――――」





――――





P(まったく…こんなところで――――――)はっ



P(まさか見られてはないだろうな……?)きょろきょろ



P(こんなところを見られたら、流石に身内だとしても…………)きょろきょろ



P「どうやら誰にも見られなかった様だな。朝イチでよかったよ」ふーやれやれだぜ



























あずさ「………………………」









P「え?」





 





あずさ「………………………」





P「あの…………………見てました?」



あずさ「……………はい」



P「どこから?」



あずさ「…………その……千早ちゃんが、お兄ちゃんだ〜い好きって、プロデューサーさんに抱き付くところ辺りから」



P(しっかり見られてたーーーーー!!!!!)がびーん



あずさ「…………」



P「でも…今気付くまで影も形も無かったような……」



あずさ「あまりのコトに思わず身を隠してしまいました」



P「そうですか……」



あずさ「でも…ホントにびっくりしました。千早ちゃんがいきなり満面の笑顔で、お兄ちゃんだ〜い好きってとか言って、プロデューサーさんに抱き付くなんて……」



P「いや…それは―――――」



あずさ「あの子にもあんな一面があるなんて、すっごく吃驚しちゃいました」





P「そうですね。俺もですよ」





 





あずさ「しかも【お兄ちゃん】って……これはどういう事なんですか?」



P「それは…ですから……そのこういう事で―――――」





あずさ「――――――なるほど〜。そういう事だったんですか……」



P「ええ。まぁ…そういう事です」



あずさ「千早ちゃんも……しっかりしてそうで、まだまだ家族に甘えたい年頃なのかもしれませんね。彼女にも色々あるでしょうし」



P「そうですね……ですから、この事はどうか内密に……」



あずさ「ん〜どうしようかな〜?」



P「!?」



あずさ「このコト…もし社長に報告したらどうなってしまうんでしょうね〜?」



P「!?」



P「いや…それはどうかご勘弁を、何でもしますから」



あずさ「え?」





P「あっ!!」はっ





 





あずさ「今…何でもするって言いましたよね?」



P「うっ…で…出来る事なら――――ですけど……」



あずさ「ホントですか?」



P「ええ……」



あずさ「じゃあ―――――」



P「………………」ゴクリ…



あずさ「今のお話しを聞きまして、私もですね〜。ちょっと千早ちゃんが羨ましくなちゃいまして〜」



P「!?」



あずさ「私もそういうのいいなーって思っちゃいました」



P「そっそれってまさか―――――」



あずさ「ですからプロデューサーさん、私の―――――――――――――――――――――――――――――弟になって下さい」



P「えっ?弟!?」びくっ



あずさ「いい…………ですよね」じ…



P「……………ええ…判りました」かく…



あずさ「ありがとう。じゃあ――――――」









あずさ「よろしくね。弟くん」にこ









P(弟って………………俺の方が年上なんですけどね…………)







おまけのおしまい。



 



 



12:30│如月千早 
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