2016年11月15日

雪歩「ご褒美に縛られて」

「んっ…はふ…」



身体をよじらせる度に、ぎちり、ぎちり、と組まれた腕から音がします。



「はむっ…ちゅ…」





なんだかむず痒い腿をこすりあわせると、束ねた足からギリ、ギリ、と音がなります。



「ふっ…ぷはっ…」



目の前には慈しみをこめて見つめてくれるプロデューサーが、倒れないように、私を優しく抱きとめてくれます。



「ぷろ、でゅ、さぁっ…」



その暖かさを胸一杯に吸い込んで…肩、鎖骨、首すじ、頬、鼻…ただ一つ自由な小さい舌で、私はプロデューサーに奉仕します。



「んんっ…ぷふ…」



涼しくなった月の夜、プロデューサーの小さなお部屋の、ベッドの上に転がって…





手と足を縛られた私は、精一杯、プロデューサーに尽くしています。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405172197



○月×日。



私の単独ライブは、なんとか成功に終わり、ファンの皆も満足させることが出来ました。



楽屋に戻ると皆が待っていて、すごかったよ、頑張ったね、と、たくさんの笑顔と一緒に褒めてくれました。



私を見てくれたファンの皆の歓声。



応援に来てくれた真ちゃんや春香ちゃん達の、心の底から嬉しそうな笑顔。



そして、優しく頭を撫でてくれるプロデューサー。



今日のライブも、私はまだまだだけど、とても楽しくて幸せなものになってくれました。





こうやってライブが終わるとーーーーープロデューサーはいつも、私にご褒美をくれるのです。

ご褒美の合図は、皆が帰宅して、プロデューサーと二人きりになったとき………プロデューサーが淹れてきてくれるお茶。



2回目からはずっと同じ始まりかただから、そのお茶を見ると、またご褒美をくれると分かって、ちょっと嬉しくなります。



コトンと置かれたお茶をゆっくりと口に注ぎ…そして、じっくりと味わいます。



それはかすかに感じるお茶の甘味とーーーーー少し粉っぽさが残る苦味。



これはこれでクセになるなあ…と思い始めたその味と共に、私の意識は薄れていきました。

ぼんやりと意識が戻っていったのは、プロデューサーの車の中。



私は助手席に座っていて、プロデューサーは事務所までの道を運転してくれていました。



赤信号で車をとめて、私が起きたことに気付き、また頭を撫でてくれます。



ねぼけた頭にゆるく感じる、暖かくて少したくましくて、それでいて優しいプロデューサーの手。



夢見心地の身体に触れる、寒くないように被せてくれた、ほのかに香るプロデューサーのコート。



そしてコートの下でタオルに巻かれ、そこからゆるく締め付ける、私の両手を後ろに縛ったぎしりと軋む、強い縄。





車が進むまで頭をプロデューサーに摺り寄せながら……まずは両手の不自由を、心行くまで楽しみました。

そして車は事務所につき、プロデューサーと一緒に荷物をとりに入ります。



もう遅い時間だし、お祝いは翌日がいいなとお願いしたので、



皆はもう帰っていて、事務所には小鳥さんと律子さんだけが残っています。



プロデューサーが荷物の整理をしている間、私は小鳥さんと律子さんと、ちょっとだけお話をします。



今日はすごかったわ、明日はゆっくり休みなさい、明日は何か食べたいものはある?……



向こうでもたくさん褒められたのに、ここでもそんなに褒められちゃうと…なんだか顔が熱くなってしまいます。



…顔が熱くなるのは、他にも理由があって、ドキドキしてしまうからでもあるんですけど…

だって、コートの上からじゃ一目では分からないけど…私は今、両手を縛られているのですから。



律子さんも小鳥さんも、その事には気付いていません。



いや…小鳥さんは気付いているのかな。



さっきからお茶を出さないでいてくれるのは、小鳥さんなりに気を遣ってくれているからかも知れません。



今の私は、一人じゃお茶も飲めないから。



もしも律子さんに、今私が縛られていることがバレたら…私はとんでもない変態だって、軽蔑されちゃうのかな。



それとも、一緒になって私をいじめてくれるのかな。



自分の世界に浸かり始めていると、突然律子さんに名前を呼ばれてしまいました。



顔が赤くて、目が虚ろで、少しだけ息も荒くて……体調が悪いんじゃないかって、少し心配させてしまったみたいです。

>>14

そうですね。

小鳥さんは知ってると言うより察しているって感じですが

ライブが終わったあとはいつも、事務所からプロデューサーの家まで、歩いて送ってもらうことにしています。



「夜風を浴びて帰りたい」と言うと、皆納得してくれました。



お父さんとお母さんには、真ちゃんか春香ちゃんの家に泊まると、いつもウソをついています。



事務所からプロデューサーの家まではほとんど一本道で、距離もそんなにありません。



ただ…その道の途中には少しきつい坂道があって、上がりきる頃には少し息があがってます。



でも、ほんの少し滴った汗を拭うことも、膝に手をついて休むことも、今の私にはできません。





だって私は、縛られているから。

そんな私を気遣って、プロデューサーはハンカチを差し出してくれます。



私の頭を左手で支えて、ぽんぽんと叩くように、汗を拭ってくれます。



髪の生え際、うなじ、耳の周り…ほかに気持ち悪いところはないかと聞きながら、汗で濡れた私の顔を、一通り綺麗にしてくれました。



「……んっ…!」



一瞬、首筋に、じゅん、とむず痒さを感じました。プロデューサーが、息を吹き掛けたのです。



これはいつもの事ではなく完全に不意討ちだったので、つい変な声を出してしまいました。だって首筋弱いんですぅ…





…プロデューサーのえっち…

…坂を上り終わると道の端に自動販売機があって、プロデューサーはそこで私に水を買ってくれます。



キチッ、となる音と一緒に、ペットボトルのフタを開け、私に飲み口を向けてくれます。



私が吸い付くと、ちょっとだけ傾けてくれて、んく、んく、と飲めるようにしてくれます。





…でもプロデューサーはいじわるです。ひと口ふた口飲んだら十分なのに、ボトルをもとに戻してくれなくて、さらに傾けてしまうのです。



ぎしぎしと身体を揺らして抵抗しても、手は後ろに縛られているから自分でボトルを戻せません。



ボトルの中身を息継ぎなしで、一度に飲みきることも私には出来ません。

だから途中で口を離して、水をちょっと溢してしまいます。こぼれた水は喉を伝い、ちょっとだけ胸元を濡らしてしまうのです。



こうなって水が服の中に垂れて、むずむずしてしまうことも、

私がむくれてそっぽを向いて、プロデューサーがごめんごめんと言って頭を撫でてくれることも、

それだけで許してしまうことも、いつも通りの大好きなやりとりです。



でも…これがお茶だったら、さすがに許しませんからね?

そんなプロデューサーのイタズラや、ほかにも色々なお話をしながら、二人でプロデューサーの家まで歩いていきます。



今日も誰にも会わずに済んだけど、もしも途中で怖い男の人に会ったら、今の私は何も抵抗できないから…

…なにかされちゃうかも知れません。



だからプロデューサー。その時は私を、ちゃんと守ってくださいね?

プロデューサーの住むマンション。玄関に上がると、途端に足を拘束されてしまいます。



優しく抱きしめてくれたかと思うと、ゆるく床に押し倒して、慣れた手つきで私の足を、足首と腿を締めるのです。



「跡がつかないように」と持ってたみたいで、白いタオルを足に巻き、その上から丁寧に丁寧に縄で縛って……これで私は、完全に逃げられなくなりました。



地べたに転がって、芋虫かヘビみたいに地面を這いずる事しか出来ないのです。



プロデューサーはそんな私を慈しむように見つめてくれます。



少しごつごつした腕で私を抱き起こし、正面に座って向き合って、優しい顔で微笑んでくれるのです。



背中にまわった左手が、私をより近くに抱き寄せて右手が私の髪をかき上げて…



プロデューサーの身体の温もりと、心地いい吐息を目の前に感じて…



誰もみていない夜の部屋で、私とプロデューサーは、唇を交わしたのです。

玄関で思う存分いちゃいちゃしたら、コートを脱がしてもらって、遅めの晩ご飯に入ります。



今日のメニューはご飯とお味噌汁、そしてポテトサラダと豚肉の生姜焼き。



お味噌汁とサラダは今朝作り置きしてくれていたもので、生姜焼きはタレを下ごしらえしてお肉を浸けてくれていたもの。



だから、温めればすぐに食べられます。



それまで居間に寝転がりながら、じゅうじゅうとお肉が焼ける音、そして香ばしさを楽しみました。



やがてプロデューサーがお皿を持ってきてくれて、晩ご飯の時間が始まります。



もうお腹がペコペコです。それでは、いただきます♪

縛られている私はプロデューサーに、あーんってしてもらって、ご飯を食べさせてもらいます。



口から抜いたときにご飯やおかずが溢れないよう、舌をうまく使って念入りにお箸を舐めて、きれいにこそぎ取ります。



お味噌汁は、プロデューサーのお口から。



プロデューサーにお味噌汁を口に含んでもらって、キスと一緒に飲ませてもらうのです。



ただ流すだけじゃ口の端から溢しちゃうから、甘えるようにちゅうちゅうと吸い出して。



ご飯を巻いたお肉をもらって、サラダをもらってまたお肉。



そしたら次はお味噌汁を、プロデューサーの唾液ごと吸いだします。



ぷはっ、と口を離すたびに、顔や身体が火照っていって…



なんだか酔ったような、くらくらしたおかしな気分になりながら、私は満腹になりました。

私の食事が終わったら、次はプロデューサーの番。次は私が吸い出される番です。



満腹になった私は、次にいれてもらったご飯をゆっくり咀嚼して、そしたら目を閉じて唇を差し出して、キスを待つようなポーズで合図します。



すると今度はプロデューサーが、私の口に吸い付いて、私の口の中のご飯を飲み干します。



米粒を舌でかきだして、いつの間にか私を押し倒している事にも気付かないで、プロデューサーは一心不乱に私の口をいじり回しました。



その姿は、私の苦手な犬みたいだったけれど、私の口に夢中になったプロデューサーは、なんだか小さな子犬みたい。



私にはその姿が、とてもいとおしく見えて…つい、にやにやしてしまいました。





うう…でも重いですよぅ……気付いてないのかもしれないけれど、手も胸にあたってますよぅ……

食器を片付けてもらった後は、真夜中のデザートタイム。…うう……太っちゃいますぅ……。



今日のデザートは、一切れの抹茶ケーキ。今日のお祝い用に、昨日買っておいてくれた物らしいです。



晩ご飯は普通のお皿を使いましたが、ケーキ用のお皿はプロデューサーの手のひら。



一欠片つまんで差し出してくれた抹茶ケーキ。それを舌ですくって、指についてしまったクリームも、まるごと全部舐めとります。



一本ずつ、くわえてしゃぶってきれいにして…最初はケーキだけを味わっていたのに…



…いつの間にか、プロデューサーの指の味にも虜にされちゃったみたいです。

しばらく指を舐めていると…プロデューサーは次の一欠片をすくった後、その指についたクリームを自分の頬につけてしまいました。



おっと、変なところにクリームをつけてしまったと、わざとらしく笑って、プロデューサーは頬を私の目の前に突きだします。



…もう。そんな回りくどい事しなくても、私は手も足も縛られてるから、なすがままに出来ちゃうのに。



ムリヤリ言うことを聞かせて、好き放題に出来ちゃうんですよ?



でも付いちゃった物は仕方ありません。プロデューサーの頬に顔を近付けて、あなたの望むとおり、クリームを舐めて綺麗にします。





くすぐったくないですか?

僅かに動く足で摺りよって、プロデューサーの頬にキスをします。



そしたら舌を出して、無駄に唾液が付かないように、ちろちろと先だけで舐めとります。



この時、胸を張って背筋を伸ばさなきゃ、舌が頬まで届きません。



だから、胸がプロデューサーに当たっても、どうしようもないんですぅ…



…あれ?よく見ると、プロデューサーの首筋や胸元にも、同じようにクリームがついています。



やっぱり、そこも舐めてきれいにしなきゃいけませんよね。



頬から顎、顎から首筋、首筋から鎖骨、そして胸元…



かがみこむように、もしくは頭を垂れるように身体を折り畳みながら、クリームのついたところをきれいになるよう舐めとっていきました。

お掃除に夢中になってる内に、今度は私が上になって、二人で床に寝そべってしまっていたようです。



ぎゅっと抱き締めてくれるプロデューサーの腕のなかで、私はやっとクリームを舐め終わり…



最後に首筋にひとつ、小さくキスをして、デザートの時間は終わりを告げました。



ごちそうさまでした。ご飯もケーキもプロデューサーも、とっても美味しかったですぅ…♪

それから歯を磨いてもらって、しばらくお話をして、じゃれあって、またエッチなイタズラをされて、またお話をして。



ライブの前のちょっとした事件や、新しいお茶などの話をして、夜はまた更けていきます。



ちょっと、うとうとしてしまったのを見て、プロデューサーが布団を敷いてくれます。1つのお布団の中で、また私を抱き締めてくれるのです。



なんだか、抱き枕になった気分。



頭を優しく撫でて貰いながら、私はゆっくりと夢の中にーーーーーきゃあっ!?



ぷ、プロ、ふふっ、プロ、デュ、さ、ふふっ、くふふふっ♪



いきなりくすぐらないで、ふふ、くすぐったくね、眠れないじゃないですかぁ…♪

縛られた身体をよじって、プルプル震えながら笑う私に満足したみたいで、プロデューサーはまた、手を頭の上に戻してくれました。



あんまり突然の事だったから、私もちょっと仕返しします。隙をついて首筋を甘噛みして、思いっきりビックリさせてあぐました。



片頬を膨らませて、いけないプロデューサーを見つめて……二人同時に吹き出して、また優しく抱き締めてくれて。



いい匂いのするプロデューサーの胸元に、甘えるように頬ずりをしながら…



今度こそ、私は夢の中に落ちていきました。





今日もお疲れさまです。そして、今回も素敵なご褒美をありがとうございます♪

始まりは、たしか小鳥さんの同人誌。



私も765プロの皆も売れてきた時の、とあるお仕事のあと。



楽屋に戻ってきたときに、プロデューサーが置いていったかばんから、何か本がはみ出ているのを見つけたんです。



いけないと思いつつ読んでしまったその本には、縄や手錠や包帯で、手足の自由を奪われた女の子達が。小鳥さんから借りたものだと、後からプロデューサーに聞きました。



そして、読み終わってかばんに戻す前に、プロデューサーが戻ってきちゃって………























違うんだ、おいてくる暇が無かっただけなんだ、こんなものを仕事場まで持ってくるつもりは無かったんだ、誰かに試そうなんて考えていないんだ。



慌てふためいて一生懸命弁明していたプロデューサーは、なんだか可愛かったなあ…

それから何日か経っても、私の頭はあの本のことで一杯で……気が付いたら、プロデューサーに言っちゃっていたんです。





私なんかで良かったら、縛ってくれませんかって。

初めて手足を縛られた時、やっぱり不安はありました。



男の人でも、プロデューサーだけは平気になったけど……ほとんど腕が動かせなくなって、抵抗することも逃げることも出来ないって改めて理解したとき、ちょっと怖くなったんです。



でも、不安で震えていた私のことを、プロデューサーはそっと撫でてくれて…



…今では、私の方がおねだりする立場になってしまいました。





「雪歩はアイドルだから、プロデューサーとして一線は越えない」。目の前で私の胸に、顔を埋めて眠っている人は、そう約束してくれました。それは今でも続いています。



…ちょっとだけ、残念とは思っちゃうんですけどね。





美希ちゃんや春香ちゃんにバレたら、怒られちゃうかなあ…?

次の日の朝…朝日の暖かさを感じて、私は目を覚まします。まだ縄はほどかれていません。



ちらっと時計を見ると、もう7時を過ぎていました。でも、プロデューサーはまだ眠っています。



私もプロデューサーもオフとはいえ、あんまり寝過ぎるのも良くないですよね。だから今度は目元を舐めて、ビックリさせて飛び起きさせます。



私は慌てた様子を笑いながら、まだ布団の中にあるプロデューサーの身体に、私の身体を摺りよせます。



ちょっと恥ずかしかったけど、ちんちくりんな私の胸も、ほんの少しだけ押し付けて。





その…プロデューサー。



今日は真ちゃんとお出掛けする日なんですけど、それは午後からの事なんです。



だから午前中は、特にすることがないからーー







ーーーもうちょっとだけ、私をいぢめてくれませんか?





おしまいですぅ



17:30│萩原雪歩 
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