2016年12月14日

モバマスP「アイドルたちのアプローチを回避し続けた結果」

P「プロデューサーとアイドルの恋愛はご法度」



P「みんな魅了的で可愛い女の子だけど、手を出すわけにはいかない」



P「みんながトップアイドルになるまで、そういった事は考えられない……って言ってたら」









凛「ずっと、一緒だよ。今までも……これからも」 ランクs



卯月「えへへ……大好きな人と一緒に、これからずっと歩いていける……頰が、ニヤけちゃいますっ」ランクs



みりあ「フリフリを着て、ダンスもして……次は、真っ白なドレスが着たいなー♪」ランクs



アナスタシア「プロデューサー。今度一緒にロシア……お家に、帰りましょう。グランマが、挨拶したいです」ランクs



加蓮「Pさんは、あたしの夢……なんでも、叶えちゃうんだね」ランクs



志希「んー……研究対象の匂いにすっかり夢中、アタシったらすっかりキミ中毒♪ 共依存までまっしぐらー♪」ランクs



楓「プロデューサー。私、今夜はシェリーが飲みたいです……なんて♪」ランクs







P「あわわわわわわわわわわわ」



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ちひろ「……プロデューサーさん」



P「違う、違うんです」



ちひろ「なにも言っていませんよ?」



P「……」



ちひろ「……よく、アイドルの子たちからこんな事を聞きます。トップアイドルになったら、プロデューサーさんと結婚できるって」



P「いやいやそんな」



ちひろ「この前なんか卯月ちゃんのお母さんが挨拶に来てましたね。娘を宜しくお願いしますって」



P「……」



ちひろ「今日はロシアからエアメールが。今度アーニャちゃんのご家族が来てくれるそうですね」



P「……」



ちひろ「他にも似たような件がたくさん」



P「……」





ちひろ「プロデューサーさん」



ちひろ「責任は、ちゃんととって下さいね?」

・仕事帰り





P「責任、かぁ……」



凛「ん。何か言った?」



P「いや、独り言」



凛「そっか。ならいいけど……疲れてるなら、無理はダメだよ?」



P「わかってるって。送迎中に事故ったら洒落にならないしな」





P(プロデューサーとしての責任は、みんなをトップアイドルにすること)



P(でも、そこから先は……)





凛「プロデューサー、信号変わったよ」



P「あ、ありがとう」

凛「やっぱり疲れてるんじゃない? どこかで休憩しようよ」



P「うーん……」



凛「あ、そうだ。アソコとかどうかな」



P「アソコ……?」







お城みたいなホテル「やぁ」







凛「ね? 休憩に良さそうでしょ」



P「いやいやいやいやいやいやいや」

・翌日





P(あの後、無理矢理凛を自宅まで届けた)



P「うん、凛はまだ子供だからなー。あのホテルを普通に休憩所だと思ったんだろう」



P「……うん」



P「深い意味なんてない筈なんだよなぁ」



P「みんな、まだまだ子供だからなぁ」





加蓮「なにブツブツ言ってるの?」





P「あ、悪い。ちょっと考え事してた」



加蓮「そうなの? 悩みとかあるなら……」



P「うーん……まぁ、大丈夫だって」





加蓮「どうかなー。Pさんはそうやっていつも無理するし」



P「おいおい、加蓮だってこの前ギリギリまでレッスンしてたじゃないか」



加蓮「大丈夫だよ。ちゃんとトレーナーさんにも見てもらってたし」



P「む」



加蓮「前と違って、ちゃんと心配させないようにしてるから……でも」



P「ん?」



加蓮「もしそうやって見えるなら、あたしも似てきたのかもねー。あたしを育てた誰かさんに♪」



P「ぐぬ」

加蓮「というわけで、はいコレ。お疲れ様の誰かさんに」つコーヒー



P「お、サンキューな」



P(ほんのり甘めで、俺好みの味だ)





加蓮「砂糖とミルクの量、大丈夫だったかな?」



P「バッチリだよ。いい具合」



加蓮「良かったー……毎朝、練習してるんだよね」



P「そうなのか?」



加蓮「うん。だってPさん甘いの好きでしょ?」



P「うん」



加蓮「だよね。これからは毎朝飲んでもらうわけだしさ」



P「うん?」



加蓮「Pさんは朝ごはん、洋食派だもんね。お義母さんに色々教えてもらってるんだ」



P「う、ううん?」



加蓮「えへへ……」



P「あ、あはは……」







P(カバンの隙間から覗くゼクシィらしきものは、きっと見間違いだろう)

P(うちに帰ったら実家から葉書が来ていた)



P(それと、加蓮を真ん中にして両サイドに俺の親を写した写真)



P(あんたも隅に置けないねえ……って寝言は寝て言えと留守電に入れておいた)







・翌朝



みりあ「〜♪」



P「おはようみりあ。ご機嫌だな」



みりあ「あ、おはようございます!」



P「うん、元気でよろしい……それは、豚の貯金箱か?」



みりあ「うん! みりあね、欲しいものがあるんだー♪」



P「そっか。それで貯金か。みりあは偉いなあ」ナデナデ



みりあ「えへへ〜♪」



P(11才なのにしっかりしてるなあ。俺なんかとりあえずって感覚でスタージュエルG買うからなあ)





P「それで、何が欲しいんだ?」



みりあ「えっとね、えっとね……えへへ」



P(モジモジと、なんだか言いにくそうだが……。内緒のプレゼントかなにかかな?)



P「あー、言いにくいなら……」



みりあ「ううん、そうじゃなくて……」



P「ん?」



みりあ「……えっとね! プロデューサー!!」



P「おう」



みりあ「みりあ、教会を買うんだー♪」



P「そうかそうか、教会かー……教会?」



みりあ「おっきなベルがついてるところっ」



P「……ベル?」

P「……は、ははは。随分とスケールがデカイなあ」



みりあ「一生を決めることだから大事にしなさいってお母さんが言ってたよ?」



P「そ、そうかー……でも、中々貯まらないんじゃないか?」



みりあ「うん! だから5年かけて貯めるの!」



P「5年……? 随分先だなあ」



みりあ「だって、16才にならないとダメだからねえ」



P「あ」



みりあ「ドレスとかも着たいし、みんなを招待しなきゃだし……」



P(あっ)





みりあ「だからね、楽しみに待っててね! プロデューサー!!」

P「いやぁ、みりあは計画性があって偉いなあ」



アナスタシア「……」



P「お、おはようアーニャ」



アナスタシア「……」



P「……アーニャ?」





アナスタシア「доброе утро dobroye utro мой любимый」





P「」

アナスタシア「Я также рад видеть ваше лицо сегодня」



P「……」



アナスタシア「Когда-нибудь, давайте жить в двух человек」



P「……」



アナスタシア「И. Пожалуйста, обнимают каждый день」



P「……」



アナスタシア「Ваш ничего не нужно другого」



アナスタシア「большой……ステキだと、思いませんか?」





P「……」



P「ああ、そうだな!」

アナスタシア「プロデューサー……ちゃんと、ロシア語、わかっていますか?」



P「あ、ああ……えっと……」



アナスタシア「ふふ……でも、きっと。大丈夫ですね」



P「え、なにが?」



アナスタシア「мой любимый……気持ちは、通じてますから」



アナスタシア「グランマも、きっと、認めてくれます。プロデューサーのこと」



P「そ、そうか……ちゃんと紹介してくれよ?」





P(ぶっちゃけ発音がネイティヴ過ぎてあんまわからなかったけど)





P「……まあ、なんとかなるだろう!」



アナスタシア「да♪」

P(やたらと上機嫌なアーニャをレッスンルームに送り、他のアイドルの送迎に向かう)



P(今回の仕事は絶対に失敗できないから、必ず俺が迎えにに行く必要がある)



P(何故なら……)





志希「おはよーぉ……からのおやすみぃー……♪」



P「おいコラ」



志希「ふにゃー……zzz……」





P(こいつは、俺が起こさないと絶対に起きない)



志希「zzz……zzz……」



P(しかも、ある特定の方法でない限り揺すってもデコピンしても目覚めない)





P「時間に余裕はないか……仕方ない」

志希「zz……♪」





P(無防備に眠る志希。タンクトップに白衣を纏った薄着姿)



P(意識するといろんな肌色部分が目に入りそうなので、目を閉じる)





P「ほら……いつもの、だぞ」



志希「zz……ん、ンン……♪」





P(スーツの前ボタンを開けて、幼子をあやす様に志希を抱き寄せる)



P(胸元に志希の小さな頭がすっぽりと収まる)



P(意識すると良いニオイが漂ってくるのでひたすら待つ。すると……)



志希「――ん、んん……すうぅぅ……♪」





P(いっぱい、深呼吸する志希)



P(ワイシャツ越しに伝わる吐息の感覚がヤバイがひたすら耐える)





志希「んん――よっし、ばっちしだよ〜」



P「はぁ……おはよう。はやく顔洗ってきなさい」



志希「あと12時間だけー♪」ハスハス



P「杏かお前は。さっさと支度して現場行くぞ」



志希「はいはーい」





P(ぱっちりと目を開いて、眠気のカケラも感じさせない)



P(彼女曰く、俺の匂いが脳髄にガンギマリするそうだ。ヤバイ気がするけど……)





P「まあ……志希なりのスキンシップだよな」

・LIVE Success!!





志希「どう? パーフェクトだったでしょ」



P「ああ。最高だったよ」





P(ライブを大成功させ、上機嫌で助手席に座る志希)



P(要領が良く、注文を高いクオリティでこなし、アドリブ力もある)



P(体力もしっかりついて来て、Sランクアイドルに相応しい活躍を見せてくれる。ただ……)





P「これで、朝のアレが無ければなぁ……」



志希「それは違うよー」



P「む?」



志希「むしろ、朝のアレがあるからこその化学反応……みたいな?」



P「みたいなって」



志希「こればっかりはさ、口で説明するの難しいから」





志希「プロデューサーも、体験してみよっか♪」





P(そう言って、志希が胸ポケットから取り出したのは小さなピンク色の小瓶)



P(瓶の形から見ると香水のような――)





志希「これをこうー……シュッと!ね」



P「おわっ」



志希「はーい、吸ってー吸ってー吸って、吐いてー……」シュッシュッ



P「ちょ、おま……」





P(霧状の何かが顔面に吹き付けられ、甘ったるい匂いが広がっていく)



P(でも不快な感じはなくて、むしろ気持ち良いような……)





志希「良いカンジでしょー?」



P「あぁ……」





P(頭が、ボーっとしてきた……)



志希「♪」

志希「アタシ特製、秘密のトワレ〜♪」



P「あぁ……」



P(志希の声がする度に、良いニオイがする)





志希「……瞳孔、開いちゃってる?」



P「……」



P(志希の大きな瞳が、覗きこんでくる)





志希「うまく、いったかな」



P「……あぁ」



P(良い匂いがして、良い気持ちになれる)





志希「……もう少し、だね」



P「……」



P(志希の声を聞いていれば、気持ちが良い)





志希「あはっ」



P「……」



P(幸せが、俺を満たしていく)





志希「キミはアタシに夢中になる〜♪」



P「……」



P(何もかもがどうでもよくなって、志希だけしか見えない)





P(これは)





P(この、感覚は――)





















――スタミナドリンクの購入は、こちらです♪























P「――そうか! わかったぞ!」



志希「は? え、なにが?」



P「ああ……志希にとって、俺の匂いはスタドリと同じなんだな」



志希「え、ちょ。どゆこと?」



P「あの頭がボーっとして、目の前のモノしか見えなくなるカンジ」



志希「う、うん」



P「アレ、スタドリ飲んだ時と同じ感覚なんだわ」



志希「え」



P「そっかー。そりゃ、目も覚めるよなあ」



志希「え、ええー……?」



P「でも志希は俺の匂いだから……ショップいらずか。ある意味羨ましいなぁ」







志希「……もー、それでいいよ……」

『電撃結婚! 765プロダクション、プロデューサーと――』



『結婚と同時に引退宣言を――』



『ずっと前から交際を――』







P「……まじかぁ……」



ちひろ「アイドルとプロデューサーの結婚ですか……」



P「凄いなぁ」



ちひろ「……他人事、ですか?」



P「え」



ちひろ「……みんな、このニュースを見たら……はたして、どうなるでしょうか」



P「……」



ちひろ「そうなる前に、誰か身近な女性と――」



P「あ、ヤベ! そろそろ卯月迎えに行かなきゃ! 先に失礼します!」



ちひろ「……」





ちひろ「……はぁ」

卯月「ありがとうございます! わざわざ車で……」



P「気にするなって。学校からそのまま仕事って慌ただしくてゴメンな」



卯月「いえ、学校もアイドルのお仕事も楽しいですからっ!」



P「そっか。ありがとな」



卯月「えへへっ」





P(プロデューサー業は忙しい)



P(色んな子のプロデュースを考えたり、営業したり、各地を飛び回ったり……好きでやってることだけど、疲れはたまる)





卯月「ふんふーん♪」





P(だけど、卯月の笑顔を見てると頑張ろうって思えるんだよなぁ)





P「ほんと、この子のプロデューサーで良かったわ」



卯月「へ?」



P「なんでもない」

P(少しずつ、道路が混み始めて来た)



P(余裕をもって出てきたから仕事には間に合いそうだが)チラッ





卯月「……」





P(卯月は、真剣な顔でスマホを見つめていた)



P(何か、面白いニュースでもあったかな)





卯月「あの……プロデューサーさん」



P「ん」



卯月「プロデューサーさんは……その……」



P(珍しく、少し歯切れが悪い)





卯月「あ、アイドルと……の恋愛って、どう思います……?」



P「……」

P(卯月のスマホの画面には、例のニュース)



P(ある意味、他人事じゃないからなぁ……業界トップのアイドルとプロデューサーの大恋愛)





卯月「……ぷ、プロデューサーからは……あまり、その、そういったお話って聞かないので……」



P「……そうだなぁ。正直今まで仕事のことしか考えてなかったから……」



卯月「……」



P「直ぐに答えは、出せそうにない」



卯月「そうですか……」



P「……ごめんな」



卯月「い、いえっ! 私こそ変なこと言っちゃって」

P「卯月は……学校とかで、恋バナとかしたりするのか?」



卯月「うーん……自分からはあまりしないですね。あ、でも友達からはちょくちょく聞きますよ」



P「そうか……卯月は、765のアレをどう思った?」



卯月「!……やっぱり、スゴイなって」



P「スゴイ?」





卯月「私たちの先輩で、トップアイドルで」



卯月「でも、現役時代からお付き合いをしてて……」



卯月「普通の女の子と、アイドルの両立させていたんですよね」



P「あぁ……」





P(アイドルに恋愛は御法度)



P(……なんて考え方は、古いのかなぁ)

――責任は、ちゃんととってくださいね?



P(責任、かぁ)







P「なぁ」



卯月「はい?」



P「卯月は……その、アレだ。恋に落ちたきっかけとか、あるのか?」



卯月「きっかけ……」



P「恋に憧れて、相手の事をよく知らないままにとか」



卯月「違いますっ!」



P「お、おう」



卯月「……私は、そうですね」





卯月「きっかけは……ないのかも、しれません」

P「ない?」



卯月「……気がついたら、好きだったんです。その人のこと」



P「はじめは恋愛とか意識してなかったのか」



卯月「はい。よくわからなかったですし……でも」



P「でも?」





卯月「その人は、いつも私の事を考えてくれていて」



卯月「頼りになって……でも、ちょっと危なっかしいところもあって」



P「……」



卯月「いつからかは……わからないですけど」







卯月「一緒に頑張りたい人、から」



卯月「一緒に歩いていきたい人に、変わっていました」



――お仕事、終了





P(……アイドルだって、普通の女の子。そんなのは、当たり前のことだ)



P(恋だってするのは当たり前で……そんな、当たり前の事がわかんなかったんだよなぁ)





P「しかし、考えても答えは出せない」



P(俺の恋愛観は中学生以下だ)



P(なら……そうだな)





P「――あ、もしもし? 今夜、時間大丈夫ですか?」



P「ええ、はい。ちょっと相談したい事がありまして」



P「楓さん、今夜飲みにいきません?」





・居酒屋



楓・P「おつかれさまでーす」





楓「嬉しいです、プロデューサーから誘ってもらえて♪」



P「前から飲みに行こうって話はしてましたからね。ちょうど明日はフリーですし」



楓「今夜は寝かしませんよ♪」



P「はは、程々にしといてくださいね」







P(安っぽい居酒屋で、二人で飲む)



P(楓さんと二人っきりてのは、物凄く久しぶりだなぁ)





楓「それで、プロデューサー」



楓「お話、というのは」

P(俺が楓さんを相談相手に選んだ理由はいくつかある)





――今夜はシェリーが飲みたいです♪





P(仲は良いけど、アイドルたちの中で楓さんは俺に恋愛感情がないっぽいし)



P(年齢的にも、他の子たちより落ち着いているし)



P(それに……)





楓「プロデューサー?」



P「え、あぁ……すいません、ちょっと考え事を」



楓「めっ……ですよ♪」



P「はは、なんだかそれも久しぶりですね」



楓「ええ……本当に」





P(楓さんは、俺が一番最初に担当したアイドル)



P(一番、付き合いが長くて……相談、しやすい)

P「んん……えっと、ですね」



楓「……」



P「楓さんは……例の、765のニュースは見ましたか?」



楓「もちろん。事務所のみんな、噂していますし」



楓「アイドルだけど……女の子、ですから♪」



P「……そうですよね」



楓「自分の事のように考えている子が殆ど……なのかな?」



P「えぇ。それで、俺も考えました」



P「考えて……」



楓「……」





楓「わからなく、なっちゃったんですね?」

P「……」



楓「ふふ、サイキックテレパシーです♪」



P「それ、ダメなやつですよ」



楓「それじゃあ……魂……繋がってるから……」



P「クールですけど。それもっとダメです」



楓「じゃあ」



P「いつもの楓さんでお願いします」



楓「はーい♪」



P「ふぅ……」





P「まぁ、そういうことです。考えても考えても、答えが出なくて」



P「アイドルに恋愛は御法度。トップアイドルを目指すなら、必ず邪魔になる。ずっと、そう思っていました」



楓「………」



P「だけど、先日の765のニュース。アレは、トップアイドルでありながら恋愛を両立させていたわけですし」



P「それに、今までみんなと一緒にやってきて、いつまでも誤魔化し続けるわけにはいかない」



楓「……みんなのアプローチも、もっと激しくなっていくでしょうね」



P「今以上、ですか」



楓「それ以上、です」



P「……」





P「……まぁ、とにかく」



P「みんなの想いに対して、俺は責任を取らなきゃダメなんです」

P「だけど……勿論、みんなの事は好きですが」



P「恋愛的な意味で好きかというと……よく、わからなくて」



楓「……」



P「恋愛を禁止しておいて、求められたから答える……というのも」



楓「……」



P「俺は、そうなる為にアイドルを育てたわけじゃ……」



楓「……」





楓「プロデューサー」



P「はい」



楓「めっ、です」ぴしっ



P「あいたっ」

楓「もぅ……んくっ」



P(楓さんは、軽くデコピンをすると、運ばれて来た果実酒のロックを一気飲みにした)





楓「ふぅ……プロデューサー」



P「はい」



楓「どう責任をとったらいいのか……それが、わからないんですよね」



P「はい」



楓「なら」





楓「責任を取ることって……願いを叶えてあげるってことじゃないと思うんです」

P「え?」



楓「あぁ、勿論……みんなをトップアイドルにすること」



楓「これは……私たちで、絶対に叶えるものです」



P「はい」



楓「だけど……女の子としての、夢」





楓「恋心は……きっと、誰しもが叶えられるものじゃ、ありませんから」





P「……」

楓「誰かを好きになって、その人しか見えなくなって」



楓「育っていく想いに、言葉に出来ない痛みを知って……」



P「それは……」



楓「それが叶うかどうかは……誰にも、わかりません」



P「……」





楓「だけど」



楓「例え、叶わなかったとしても……」



楓「痛みを知って……前を向いて」





楓「オトナになるって、そういうことだと思うんです」

P「なら、俺のするべき事は……」



楓「一人で考え込まないで……みんなと、話し合って」



P「しっかりと気持ちにケジメをつけて、結論を出すこと……ですね」



楓「はい」





楓「今のプロデューサーはみんなの恋心から逃げています」



楓「向き合うことが怖くて……無視を、しているんです」





楓「故意に」

・後日





P「みんな、集まってくれてありがとな」





凛「……」



加蓮「……」



アナスタシア「……」



卯月「……」



志希「……」



みりあ「……」





楓「ふふっ」



P「765のニュースは、みんな見てくれていると思う」



加蓮「じゃあっ」



P「あぁ……俺も、考えた」





凛「決着、だね」



アナスタシア「Ребенок, девочка,хорошая」



みりあ「アーニャちゃん、まだ早いよー」





P「俺は」





卯月「ドキドキ……」



志希「ふんふーん?」





P「今はまだ選べないけど、必ず答えは出す!」





楓「……はい?」

P「正直、今の俺じゃみんなの気持ちには答えられない」



P「今の今まで、逃げてきたから」



楓「……」





P「だから、俺はみんなの気持ちを受け入れる」



P「みんなの好意を理解した上で、みんなと一緒に過ごしてから、答えを出したい」



P「遅くなって、本当にゴメン。だけど、コレが今の俺の、限界なんだ……」





凛「……ふーん」



加蓮「まぁ、そういうところも含めて……好きになったわけだし」



みりあ「ダメな人を支えるのもお嫁さんだよっておかーさん言ってたし!」



アナスタシア「Выберите меня пожалуйст」



志希「まぁ、いざとなれば……だし?」



楓「……」





楓「仕方がない人……ですね♪」

ちひろ「……まぁ、いいでしょう」



P「ちひろさん」



ちひろ「少しは前進したようですし……」



P「ええ」



ちひろ「さっきの言葉に、嘘はないですね?」



P「もちろんですっ! 俺はもう、逃げません!」



ちひろ「そうですか」



P「はい!」





ちひろ「だそうですよ、みなさん♪」





P「え」

智絵里「Pさんから貰った四葉のクローバーの花言葉……私、信じてますから……」



響子「私はいつでも、準備できてますよっ」



ゆかり「……私は……何人目でも……」



まゆ「プロデューサーさん……まゆは……まゆはぁ……」



早苗「投げ出したら無期懲役するからね♪」



ありす「待ってくれるってことですよね?」



蘭子「永遠の契りをっ!」



フレデリカ「期待しちゃっていいのかなー?」



周子「まー、あたしはいつでもオッケーだけどねー?」







P「」



ちひろ「他にもいますよ♪」



P「 」

楓「プロデューサー」



P「……」



楓「修羅場で、ラバー……ですね♪」



P「いや、もうそんな――」





ちゅっ

P「あ、え……い、今……」



楓「ふふ……ねぇ、プロデューサー」



楓「オトナになるって。お酒が飲めるようになるってコトじゃないんですよ?」





ちゅっ





P(全員と向き合った上で、誰を選ぶか決める)



P(そう、言いたかったんだが……)





楓「ふふっ、プロデューサー?」





P(周りで、何か言っているけど)



P(今は、楓さんしか見えなくて)

楓「責任、とってくださいね♪」





おわり



23:30│モバマス 
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