2017年01月10日

神谷奈緒「始まりの記憶」

アイドルマスターシンデレラガールズ 神谷奈緒のSSです

短いです



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483463985



地方でのミニライブの帰り道、車を運転している俺に担当アイドルの奈緒が話しかけてきた





奈緒「なぁPさん、今更なんだけどさ、なんであたしをスカウトしたんだ?」





いきなり聞いてくるなぁ



しかもちょっと恥ずかしい話を……





P「前にも言わなかったっけ? 街を歩いていたら、かわいい女の子が目に入ったんだ。それが奈緒だったって」



奈緒「かわっ!? ……かわいいは余計だ! そこだよ、そこをもっと細かく教えてよ」



P「細かくって……あまり面白い話じゃないけどな」



奈緒「興味あるんだ。あたしにとっては面白いかもしれないだろ?」

P「わかったわかった……。うちの会社ってさ、アイドル1人にプロデューサー1人だろ?

  プロデューサーになった人間は、自分でアイドルを見つけてくるのが決まりなんだ」



奈緒「へ―、初めて聞いたよ」」



P「あまりこの事を話すプロデューサーは少ないからね。で、ある者はオーディションで選んだり、

  またある者は街でスカウトしたり。皆それぞれだよ」



奈緒「それで、Pさんはアタシをスカウトしたのか」



P「最終的にはね。でも最初はオーディションに来た子から選ぼうと思っていたんだ。楽だし」



奈緒「楽って……よくサボるPさんらしいなぁ」



P「俺の事を良く分かっていらっしゃる。嬉しいねぇ。いつも俺を目で追っているからか?」



奈緒「っ! 別に、そういう意味じゃないから! 付き合い長いし、自然に分かってきただけだからな!」

P「いやいや、担当アイドルとの絆がこんなに深まるとは、俺は嬉しいよ」



奈緒「……Pさん、な〜んか話を逸らそうとしてないか? 続き! さっきの続き話してよ」





……作戦失敗。奈緒を恥ずかしがらせて、この話を終わらそうとしたのに



ま、この際全部話して奈緒をもっと恥ずかしがらせてやるか





P「どっからだったか……あぁ、オーディションが楽ってやつだな。その通り、オーディション会場で良い感じの女の子がいるかどうか見てたんだ」



奈緒「それでそれで?」



Pさん「残念。その子たちには悪いけど、俺が良い!っていう子はいなかった」



奈緒「ふーん。……じゃあなんであたしだったんだ? あたしよりかわいい子なんていくらでもいるだろ?」



P「今からそこを話す。静かに聞いてな」



後ろには車は全くいない



俺はアクセルを踏む力を少し弱め、ゆっくり走ることにした





P「結局、オーディションじゃ見つからなくて、街でスカウトしようとしたんだ。それでも全然だった。

  同期でプロデューサーになったやつは皆アイドルを見つけているのに、俺はまだ見つけられなかった」



奈緒「……」



P「上司からは早くアイドルを見つけないと、プロデューサーを辞めさせるって言われてさ。そろそろまずいなーって所で、奈緒に出会ったんだ。

  奈緒を見た瞬間、俺はこの子をアイドルにしたい!って心の底から思ったんだ」



奈緒「へ……へー……ふーん……」



P「奈緒、顔赤い」



奈緒「うっうるさいな! そんな事言われたら誰だって照れるだろ!?」



奈緒の顔は薄暗い車内でも分かるくらい赤くなっていた



まだまだ、更に赤くしてあげよう





P「やっと見つけた、やっと俺のアイドルが目の前に現れた。……俺はね、奈緒に一目惚れしたんだ」



奈緒「!!!」



P「周りにはたくさん人がいたのに、奈緒だけは輝いて見えた。そして、一番かわいかった」



奈緒「か……かわ……! またかわいいって……」



P「本当にかわいかった。アニメキャラのキーホルダーを手に持ってニコニコしている奈緒が」



奈緒「あ、あれは! ずっと探してた物が手に入った……から」



P「うん。あの自然な笑顔が、最高にかわいかった。何度でも言うよ、奈緒はかわいい」



奈緒「〜〜〜!」



P「おー、照れてる照れてる。……あの時、お互いのタイミングが少しでも違っていたら、俺達は出会っていなかったのかもなぁ。

  今こうして、奈緒の照れ顔を見られるのも何かの縁か」



奈緒「どうだろ。Pさんならあたしが何処にいても見つけていたかもな」



P「そうか?」



奈緒「なんとなくだけど、そんな感じがする」



P「……ま、そうかもな」



奈緒「でもあの時のPさんは凄かったな。いきなりあたしに近づいてきて

   《 君はかわいい!もっと輝ける!アイドルになりませんか!? 》って言うんだもん。すごい迫力だった」





奈緒はその頃を思い出してか、ケラケラと笑い始めた





P「必死だったからなぁ……。改めて、アイドルになってくれてありがとう。あの日から、俺は毎日幸せだよ」



奈緒「……うん」

奈緒は顔を真っ赤にしながら、それだけ言って黙ってしまった



いつもの威勢の良い返しが来ない



怒らせたかと心配した俺は、奈緒に声を掛けようとした





P「えーと……奈緒、あのさ」



奈緒「Pさん!」



P「! なんだ?」



奈緒「Pさん、あたし……さ。あたしも! アイドルになって良かった!」



P「奈緒……」

奈緒「あたしはずっと、かわいい恰好とかに憧れてた。でもあたしはこんな性格だろ?

    ……だから、似合わないと思ってた。こっそりかわいい服を買っては家で着てみて、でもその服で外に行く勇気はなかったんだ」



P「……」



奈緒「そんな時、Pさんに声を掛けられて、アイドルになって、かわいい服を着せてもらって……

    たくさんの出会いや、たくさんの経験をさせてもらって……本当にPさんには感謝してる。ありがとう」



P「……こちらこそ、ありがとな」





それから奈緒の家に着くまで、俺たちの間に会話はなかった。でも、それが心地よかった



……奈緒からは依然熱気が放たれているようだけど





P「……よし、到着っと。奈緒、着いたぞ」



奈緒「あぁ、うん。意外と早く感じたな」



P「あははっ! 奈緒、まだ顔が赤いな」

奈緒「あ、当たり前だろ! あんな……恥ずかしいこと話したんだから」



P「元はと言えば、奈緒が話せって言ったんだけどな」



奈緒「く〜〜! ばかっ! ばかPさん!」



P「もういつも通りの奈緒に戻ったな。良かった良かった」



奈緒「はぁ……じゃあ、また明日」



P「おう、また明日。今日もかわいかったよ」



奈緒「……へへっ」





俺の言葉に、奈緒ははにかんだ笑顔で返してくる



……この笑顔に俺は惚れたんだ





奈緒「あ、そーだ! ……Pさん!」



P「ん?」





ドアを開け、家に入る寸前だった奈緒が引き返してきた

奈緒「……あたしがアイドルになって一番嬉しかったことは、Pさんと出会えたこと……だからな! お、覚えとけよ! おやすみ!」



P「……」





走り去っていく奈緒の顔は、今日一番の赤面だった



恥じらい乙女からの予想外の言葉



俺はしばらくの間放心していた



くそぉ、ドキドキした



俺はこの胸の高鳴りを必死に抑えながら、事務所に戻る



___あぁ、明日が楽しみだ

終わり





20:30│神谷奈緒 
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