2017年02月03日

まゆ「懐かしいギャグを言ってしまう病ですかぁ〜!?」

モバマスSSです







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医者「診断結果はそうなります。急な流行病らしくて」



医者「我々も急ピッチで治療法を探しているんですが、まだ原因が見つかっていないんです。処方箋も渡せない状態で、申し訳ない」



まゆ「そんなぁ……!(まゆはアイドルなのに、こんなことでは仕事に支障が出てきちゃいますよ。それに、Pさんに何と言ったらいいんでしょう)」



医者「他にもこの症状を訴える方がいらっしゃるので、治療法が発見されたら真っ先にお呼び致します」



まゆ「できるだけ早くお願いしますよぉ……」



まゆ「ぐすん」



まゆ「絶望しちゃいそう。こんな時にPさんがいてくれたら……」



まゆ「寒空の中、まゆは心が凍えそう」



まゆ「寂しいなぁ……」



モバP「まゆ!!急に病院に行ったって聞いたから、心配で飛んできたぞ」



まゆ「Pさん……!」



まゆ「うえーん。どうしましょう、まゆは…っ」

モバP「大丈夫、大丈夫だから、まゆ。一体どんな症状なんだ」



まゆ「実は、」



モバP「ゆっくりでいいぞ。話してくれ」



まゆ「実は……!!」



モバP「あぁ」

まゆ「そんなの関係ねぇ!!」



モバP「えっ」



まゆ「はっ!?いや、その、違うんです」



モバP「あ、あぁ。まゆも気が動転してるんだな」



まゆ「でもでもでもでも」



モバP「!?」

まゆ「そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!!そんなの関係ねぇ!!!」



モバP「……」



まゆ「はい、おっぱっ、ぴー……」



モバP「お、おお。すごいな。振りも完璧だぞ。まゆ」



まゆ「いやあああああああ!!!」



モバP「落ち着けまゆ!!ほら、俺の胸の中に来い」



まゆ「はぁ、はぁ……すみません」



まゆ「はぁ、はぁ……実は、これが病気なんです。まゆは懐かしいギャグに取り憑かれてしまったんです」



モバP「……ということは、今のギャグはまゆの本意でやったわけではないんだな」



まゆ「も、もちろんです!あんなギャグ、本当は言いたくなくて、でも口からこぼれてしまって……まるで言わなきゃ死んでしまいそうなくらいの力を感じたんです。Pさん、信じて」



モバP「い、いや。びっくりしたけど、大変な病だな。医者は何か言ってたか」



まゆ「まだ解決策が見つからないらしくて……処方箋もまだ用意できないみたいです」



モバP「そうか、早急に策を打たねばな。まぁ、確かにまゆはそんなキャラじゃないしな。突然ギャグを言い出すようなまゆも好きだけど」



まゆ「そんな……嬉しいな。Pさんは、こんなまゆでも、受け入れてくれるんですね」



モバP「どんなまゆでも俺はしっかり受け止めるぞ」



モバP「そうか……でもまゆの苦しみは分かるよ。1人で抱え込まないで、話してくれてよかった」



まゆ「Pさん……!まゆも話してよかったです」



モバP「ああ。とりあえず、仕事に支障をきたさないように原因をこっちで解明するしかないな」



まゆ「やっぱりPさんは頼りになりますね……♪」



モバP「まゆは俺の大事な……そう。アイドルだからな」



まゆ「Pさん……!!」



モバP「よし。一旦事務所に戻ろうか。体調は大丈夫か?」



まゆ「ダイジョブダイジョブ〜」



モバP「……(かわいいな)」



まゆ「……ううう」



ちひろ「Pさん!!よかった、帰宅してしまったのかと思いました」



モバP「まゆが大変な状態で、とりあえず事務所に引き返してきました」



まゆ「すみません……まゆもPさんと一緒じゃないと、不安だから」



モバP「まゆ。ベッドで休んでいていいぞ。慣れない懐かしいギャグをして疲れたろう」



まゆ「ありがとうございます。少し休ませていただきますねぇ」



ちひろ「な、なるほど。あのですね。ちょっと事務所に残ってるアイドルたちが大変なことになってて……」



モバP「まさか、この時期だとインフルエンザ集団感染したとか」



ちひろ「まだインフルよりかはマシかと思うんですが……」



楓「あら。お二人とも」



モバP「楓さん。今お帰りで?」



楓「ええ。皆大変そうだから、Pさんが励ましあげてください」



楓「ところで何のお話をしていたんですか?」

楓「あら……お呼びでない?」



モバP「……」



楓「お呼びでない、お呼びでない?」



楓「こりゃまた失礼しました……♪」



楓「うふふ……♪ とっても愉快だわ」



バタン



モバP「ええと、楓さんはお酒を飲まれてるんですか?」



ちひろ「一応例の懐かしいギャグの病に感染してるみたいで……」



モバP「そうですか。でも楓さんが言うとなぜか自然に感じますね」



ちひろ「事務所に残ってる女の子たちは皆あんな感じに……楓さんはまだ良い方でしょうか」



乃々「もりくぼです……最近机の下に隠れても発見されるとです。もりくぼです。もりくぼです…もりくぼです……」



かな子「かなちゃんだぜぇ。最近ケーキバイキングでケーキ10個一気食いしたぜぇ? ワイルドだろぉ?」



凛「フォー!」



時子「財前〜時子だよ〜? 最近豚を調教したのはどこのどいつだ〜い? 私だよッ!! このッ!! 何でこんなことを私が言うのよッ!! 何の罰ゲームよッッ!?」



美優「だっちゅーの……うぅ。何でこんなことを」



菜々「コマネチ!」

モバP「す、すごい有様だ」



ちひろ「早く何とかしないと…みんな狂ったように懐かしいギャグに取り憑かれていて」



モバP「とにかく、処方箋が出ると言っても仕事に支障が出るのは時間の問題だ…」



モバP「ちひろさんはアイドルたちをお願いします! 俺はこの原因を叩いてきますから!」



モバP「そうでもしないと、このままじゃアイドルたちが、いや、日本が危ない!」







ちひろ「Pさん!?」



ちひろ「行ってしまったわ……」



ちひろ「どうか、無事で帰ってきて……!!」

モバP「とはいえ、一体何が原因なんだ……」



??「そこの人」



モバP「なっ!?」







??「ワカチコワカチコ♪ 僕らの計画を阻止しようとしてるんなら、消えてもらうよ」



モバP「うわっ!?」



??「ワカチコワカチコッッ!!」



モバP「す、すごい攻撃力だ……! これが懐かしいギャグの威力」



モバP「こ、このままでは凍え死ぬ」

キキキキキキキキキ



ドンッ







??「やはりお前もあの組織の残党だったか……」



バキッ



??「ワカチコッ!?」



モバP「なっ、ワカチコを一発で!?」



??「ワカ、チコ……」



??「さぁ、こいつが起きないうちに早く乗るんだ!」



モバP「ええッ!? あ、あなたは……その嫌でも目に入るド派手な黄色のスーツはッッ!?」

ダンディ「ゲッツ!」







モバP「す、すごい寒さ……そしてオーラが抑えきれていない!」



ダンディ「イエス、まさしく俺はダンディさ」



モバP「あの一発ギャグレジェンドのダンディさんが、どうしてこんなところに……」



ダンディ「説明しなくてはならないが、話は後だ。とにかく乗ってくれ! 君を追って懐ギャグ軍団が追ってきていると思うから」



モバP「あ、ありがとうございます」

ブロロロロロロ





モバP「ダンディさん…どうして俺を助けてくれたんですか?」



ダンディ「寒いギャグに飲まれかけていた君を見過ごすわけにはいかないからね。一発当てた者として、見捨てるわけにはいかないよ」



モバP「ダンディさん……」



モバP「……ダンディさんはこの集団感染を食い止めようと?」



ダンディ「あぁ。このままでは日本全体が落ちぶれてしてしまう可能性も出てくるからね」



モバP「落ちぶれて……!?」



ダンディ「そう。寒いギャグというのは時として世界を滅ぼす……それさえ言っておけば会話が成立するレベルまで堕ちてしまえば、そのなれの果てはどうなるか分かるだろう?」



ダンディ「俺はその原因を食い止めるために、今から基地へ向かうんだ」



モバP「その原因って…」



ダンディ「……来てみれば分かるさ」

ダンディ「着いた。ここがボスのいる場所だ」



モバP「ひっ!?」



モバP「こ、これは……お札!?」



ダンディ「ここの主は霊を異常に恐れていてね。家中お札だらけだよ」



モバP「見た目が単純に怖い」



ダンディ「この通り…この基地では何が起こるか分からないから、君は車で待機していてくれ。そうすれば万が一危険が及んでも」



モバP「そんなッ、ダンディさんに恩を仇で返すようなことできませんよ!!」



ダンディ「……」

モバP「地方営業、今日でいくつこなしてきたんですか! 既に体力は限界のはずッッ!」



ダンディ「……」



モバP「オーディエンスのしらけっぷりで、とっくに精神力も限界のはずですよねッッ!?」



ダンディ「……それでも! ここで立ち止まるわけにはいかないじゃないかッッ!!」



ダンディ「一発当てた者は…司会業、コネ、パイプ……ツテかセンスがない限り、表に出ることはできない。営業回りに飛ばされるのが正式な一発屋の定め……やつは禁忌を犯した者だ。やつの野望を止めるには、誰かの犠牲なしにはすまないんだよ」



モバP「……なら、力不足かもしれませんがついて行かせてください。ダンディさんを1人にしてはおけません」



ダンディ「……OK。怪我をしても知らないよ」



モバP「……はい」

ダンディ「おいッッ! そこにいるのは分かってるんだ! 出てこい!」



??「おや。存外早い到着だったみたいだね……ダンディ」



ダンディ「お前が今回の感染の首謀者なんだろう。ーーーーーー太夫」











太夫「チャンチャッチャッチャッチャチャンチャチャンチャン! そうですア〜タシがこの感染の〜〜、首〜謀者〜でした〜〜〜。チックショーーーーーッッッッ!!!」



ダンディ「……やはりな」

太夫「チャンチャッチャッチャッチャチャンチャチャンチャン! ア〜イドルに〜〜率先し〜てギャグをやってもらったら〜〜、返り咲けると思い〜ました〜〜。チックショーーーーーッッッッ!!!」



ダンディ「お前の野望もここまでだ! 観念して地方営業に専念するんだな!」



太夫「チャンチャッチャッチャッチャチャンチャチャンチャン! お前こ〜そこっそりCM出やがって〜〜。一発屋の裏切り者だ〜ろうが〜〜。チックショーーーーーッッッッ!!!」



ダンディ「ぐっ……確かにあのフレーズの活用性を見込まれ、CMは一時期出ていたが」

太夫「チャンチャッチャッチャッチャチャンチャチャンチャン! お前〜は俺みたい〜に落ちるとこまで落ちてる一発屋と〜〜、一線を画してんじゃね〜〜か〜〜。チックショーーーーーッッッッ!!!」



ダンディ「っ……確かに懐はまぁまぁ厚いが……クソっ。禁忌を犯しているのは、俺も同じだったのかッ!?」



太夫「チャンチャッチャッチャッチャチャンチャチャンチャン! これ〜でお前〜も終わりだダンディ〜〜。俺の野望のために死んでも〜らうよ〜〜。ファイナル・チックショーーーーーッッッッ!!!」



ダンディ「ファイナル・チックショー!? くっ、これで俺も終わりか……」













??「待て!」



??「その人は死なせない!」



モバP「はぁ、はぁ…! ダンディさん! 営業が終わったという助っ人を呼んできました!」



ダンディ「P!」

太夫「チャンチャッチャッチャッチャチャンチャチャンチャン! 叩きのめ〜したと思ったら〜〜。ギリギリ止められ〜てました〜〜。チックショーーーーーッッッッ!!!」



ダンディ「なっ、攻撃を地球儀と海パンで止めた…!? ま、まさかお前たちはッ!?」













小島「ピィ〜ヤ! 俺たちは自分で返り咲いてこその一発屋だぜ! せこい手を使って自分のギャグを流行らせようなんてそんなの実力とは関係ねぇ! こんなところで営業のエースであるダンディさんを死なせねぇ!」



ゴー☆「太夫さんがラスボスだったなんて……こんな展開、ファンタ☆スティック! しかし俺はダンディさんに借りがあるんでね! ここは止めさせてもらうよッ!」



ダンディ「小島! それに、ゴー☆!!」

小島「覚悟しなッ! コジマリオネットを発動!! 全員で……前へ前へ前へ!! そんなの関係ねぇ!!」



ゴー☆「行くぜッ! 最高に……レボ☆リューション!!」



ダンディ「くっ…この寒さ、世界規模の威力だぜ。2人とも」







太夫「ふ、ふふふ…こんなもので倒せると思ったか」



小島「何ッッ!?」



ゴー☆「なっ!? 最高のしらけさせる寒さだったはず……ッッ!! まさか太夫は」













太夫「チャンチャッチャッチャッチャチャンチャチャンチャン! 数〜珠とお札で攻撃を防いでま〜した〜。チックショーーーーーッッッッ!!!」

ゴー☆「仕方ない……俺たちじゃ、寒さの度合いで負けてる」



小島「面白さで勝ってたのか……ここは、ダンディさんが最後の望みだ」



ゴー☆「そう。彼なら……きっと発動できる。世界を凍らせ、静まりかえるあの一言を」



ダンディ「太夫……!! 俺はお前を止めるッッ」



ダンディ「力を、この、指先にッッ! この手に、俺の、一発屋の全てを!!」

















ダンディ「ーーーーーーーーゲッッッッッッッッッッッッッツ!!!!」

モバP「うわっ!?」



小島「っ!?」



ゴー☆「気を付けろッッ! 寒さの爆風で飛ばされるぞッッ!」



太夫「ぐわっ!? こ、この……さむ、さ、は……ぁぁぁぁッッッッ!?」



太夫「うあああああああッッッッ!?」







バタン







ダンディ「ーーーーーこれで、終わりかな」



ダンディ「ーーーーー俺たちは、これでいいんだ」



ダンディ「ーーーーーこれで、いい」

かくして、懐かしいギャグの感染に終止符を打ったダンディは、地方営業に戻っていった。



そして、日本にも普通の、流行りのギャグが溢れかえるようになった。



太夫は、清浄されても変わらず数珠を買いに行く。



しかし、誰が彼の野望を食い止めたのかは、あまり知られていない。











モバP「よし。まゆ、レコーディング行くぞ」



まゆ「はぁい」



まゆ「……そんなの関係ねぇ、ですぅ」



まゆ「ふふっ」





そして、懐かしいギャグとは、こっそり人を笑顔にする。









22:30│佐久間まゆ 
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