2017年02月14日

泉「プロデューサーのすけべ」

4月





泉「おはようございます」





P「おはよう、泉」



泉「最近あったかくなってきたよね。お昼に学校いる時、ブレザー着てると暑くなってきちゃうくらい」



P「そうだな。もうすっかり春だし、これからどんどん気温が上がっていくだろう」



泉「気づいたら梅雨に入って、それが明けたら夏、か。私暑がりだし、夏はちょっと苦手かも」



P「そうか。暑がり、か……」



P「……前から思っていたんだが」



泉「なに?」



P「泉はどうして、いつもいつもシャツのボタンを胸元まであけているんだ」



泉「えっ………」



泉「………」←自分の胸元を見ている



泉「………」



泉「プロデューサーのすけべ」



P「いや、それはおかしい」



泉「おかしくない。10コ近く年下の子の胸をじっと見てた」



P「俺は単純に、保護者的目線で担当アイドルの露出度を心配してだな」



泉「じゃあボタン閉めるから」



P「………」



泉「今、名残惜しそうな顔をしている」ジトーー



P「………」



泉「すけべ」







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5月



泉「ゴールデンウィークだね」



P「連休中、何かする予定とかあるのか?」



泉「んー、特にはないかな。遊びの企画は亜子とさくら任せ」



P「泉はなにも考えないのか」



泉「そんなことないよ。私だって、たまには考えるわ。でも、あの子たちのほうが娯楽施設に詳しいし」



P「適材適所ってやつだな」



泉「そういうこと。料金とか時間とか、そういうのを調べるのは私がやってるしね」



泉「……あ、でも。休みのうちに、新しい服とかは買っておきたいかも」



P「夏に向けてか」



泉「うん。アイドルになってからオシャレに気を遣うようになって、服選びにも時間がかかるようになっちゃった」



泉「もちろん、あれこれ迷っている時間も楽しいんだけど。それこそ昔は、さくらと亜子に選んでもらっていたことがほとんどだったし」



P「へえ、そうだったんだ」



泉「半分着せ替え人形みたいにされていたわ。試着の時も、なぜかふたりまで一緒に試着室に入ってくるし」



P「狭そうだな」



P(さくらと亜子が、泉の着替えの手伝いを……)



泉「………」



泉「プロデューサー、エッチなこと考えてない?」



P「そ、そんなことはない。女子学生の仲睦まじいお着替えシーンを想像したりはしていない」



泉「すけべ」





6月



泉「今日から夏服になったの」



P「開放感があるな。俺もクールビズで上着は着ていない」



泉「これからどんどん暑くなるし、梅雨に入れば湿度も上がるよね……汗臭くならないように気をつけないと」



P「だからと言ってシャツのボタンをさらに開けるのはどうなんだろうな」



泉「………」



泉「っ!?」



P「もしかして、今無意識でシャツを開けてたのか」



泉「す、すけべ……」





7月



泉「はい、おそうめんできたよ」



P「お、来たか。やっぱり夏はそうめんだよな」



泉「風情ってやつだね。理屈じゃなくて、肌で感じられるもの」



P「泉の苦手分野か?」



泉「かもしれない。でも、おそうめんを茹でるくらいはできるよ」



P「泉、料理上手いもんな。いただきます」



泉「ふふっ、ありがとう。私もいただきます」



P「そういえば、髪はおろさないのか? 料理中にいつも結ってるのは知ってるけど」



泉「今日は暑いし、こっちのほうが涼しくていいかなって」



P「そうか」



P「泉」



泉「すけべ」



P「まだなにも言ってないんだが」



泉「じゃあなに言おうとしたの」



P「うなじが」



泉「すけべ」







8月



P「水着のお尻が」



泉「すけべ」



P「スケベなのはお前の尻だ」



泉「し、知らないよ」



9月



泉「まだまだ暑いね」



P「残暑厳しいな。アイスあるけど食べるか」



泉「食べる。ありがとう」



P「ところで、何を聴いているんだ」



泉「お気に入りの歌手の新譜。プロデューサーも聴いてみる?」



P「いいのか?」



泉「うん。はい、イヤホン片方あげる」



P「ありがとう」



泉「………」



泉「結構、くっつかないとダメだね」



P「そうだな」



泉「えっと。私、汗臭くない?」



P「清涼的な香りがする」



泉「……すけべ」





10月



泉「ヒトの心がプログラムなら、いつかは読み解けるのかな」



P「かもしれないな」



泉「私、わからないってことが怖かった。人の心がわからないから、人を信じることが苦手で」



泉「でも今は、わからないことが『いいな』とも思えるんだ」



泉「楽しい、のかな。わからないことが。もちろん、最後には解き明かしたいけどね」



P「そうだな。いつかはわかるさ、泉なら」



泉「うん。最近は、プロデューサーの心がわかりはじめたんだ」



P「へえ、それは嬉しいな」



泉「今すけべなこと考えてる」



P「ひどい」







11月



泉「寒くなってきたね」



P「そうだなあ」



泉「さすがに厚着しないと朝晩が冷えちゃうかな」



P「手袋とかマフラーとかな」



泉「そうそう」



P「一枚のマフラーを二人で巻くのってなんかいいよな」



泉「すけべ」



P「最近すけべの基準低くないか」



泉「今のはちょっと早かったかも」



P「誕生日プレゼントはマフラーでいいか?」



泉「ありがとう」





12月



P「もうすぐクリスマスだな」



泉「そうだね」



P「泉はいつまで信じていたんだ? サンタクロース」



泉「え?」



P「え?」



泉「サンタクロース、いるでしょ?」



P「え、あ……そ、そうか。信じてるのか……」



泉「ウソだけど」



P「おいっ!」



泉「ふふっ。ビックリした?」



P「最悪イブの夜に俺が泉の部屋に浸入してプレゼントを置いていこうかと」



泉「すけべ」







1月



P「羽根つきでもやるか」



泉「いいよ」



P「勝った方が負けた方に墨で落書きだ」



泉「オーケー。私、羽根つきはそこそこできるから」



P「勝ったら何を書いてやろうか」



泉「すけべなのはダメだからね」



P「小ジワを書いてやろう」



泉「最低」



P「すけべよりひどかった」



2月



泉「プロデューサー、甘いチョコとビターチョコならどっちが好き?」



P「泉がくれるならなんでも好き」



泉「キメ顔のところ悪いんだけど、今はそういう回答は求めてないかな」



P「ええ……? じゃあ、うーん」



泉「先に言っておくけど、エッチなチョコはダメだからね」



P「エッチなチョコ? それって?」



泉「えっと、だから……ほら、ネットでよくネタとして出てくる……」



P「ネット?」



泉「だ、だから」



泉「私の身体にチョコを塗って、その……」



泉「プロデューサーのすけべ……」



P「今のは自爆だろう」



3月



泉「ふわあ……」



P「眠そうだな」



泉「うん……最近、朝も寝坊しそうになっちゃって」



P「春眠暁を覚えず、だな。レッスンまで少し時間あるし、寝てもいいぞ」



泉「うん。そうさせてもらおうかな」



泉「すぅ」



P「はやっ」



泉「zzz」



P「風邪引くといけないし、毛布だけかけといてやるか」



泉「んぅ………」



泉「すけべ………」



P「今回は混じり気なしの善意だって……」



泉「……だけど、好き……」



P「………」



P「寝てるよな、こいつ……?」





………



……







4月



泉「また、春になったね」



P「ああ。もう何度目かな。泉と一緒にこの季節を迎えるのは」



泉「あなたのおかげで、毎日が楽しいわ。もう何年も、ずっと」



P「そう言ってもらえると、パートナー冥利に尽きるな」



泉「本当のことだから」



泉「……ありがとう、あなた」



P「どういたしまして」



P「……ところで、明日は俺、オフなんだが」



泉「……夜更かしできる?」



P「もちろん」



泉「………」







泉「……すけべ」





おしまい





08:30│大石泉 
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