2014年05月29日

友紀「う゛ああぁぁ!!!」ちひろ「痛風系アイドル…これはイケる」モバP「」

【ある日の寮の朝】



友紀「う゛わあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!痛いぃぃぃぃぃ!!!」



巴「うるさいわ!!…ってこれは」





巴「どうしたんじゃ、姫川!?」ガチャ



友紀「……ぁ、ああっ」



巴「しっかりせえ!!どうしたんじゃ!?」



友紀「」パクパク



巴「声も出せんほど痛いんか!?」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400864165



巴「待っとけ!今、救急車呼んでもらうけぇ!」



ちひろ「どうしたの!?寮監室にまで聞こえたわよ」ガチャ



巴「ちょうどええ!救急車じゃ!!」



ちひろ「えっ?友紀ちゃん!大丈夫!?」



友紀「あぁぁぁ…(虫の息」ゼエゼエ



ピッピッ



ちひろ「…すいません至急、救急車一台お願いします」







ピーポーピーポー



【後日】



P「…それで?」



ちひろ「痛風です」



友紀「」



巴「」



P「…友紀」



友紀「はい」



P「マジか」



友紀「マジです」







巴「ええかげんにせぇよ」



ちひろ「まあ、とにかく友紀ちゃん暫くの間は車椅子なので…仕事やダンス系のレッスンはキャンセルしました」



P「しかも両足か…」



友紀「ごめんなさい、ホントごめんあさい」



P「20歳でもなるもんなんだな」



ちひろ「お医者さんが言ってましたが、通風のピークは30歳らしいです」



P「しっかし…これからどうしようか」

ちひろ「歌のレッスンや事務所に衣いる間はともかく…寮にいる時の世話は…」チラッ



P「」チラッ



巴「は?」



ちひろ「お願い巴ちゃん、寮の部屋が隣って事で何日か友紀ちゃんの世話お願いできないかしら?」



巴「いや、まあ別にええけど…世話って何じゃ?」



ちひろ「寝るときとか起きるときくらいですかね…上半身に力は入れられるわけだし友紀ちゃん軽いし、そんなには…」



P「後、トイレとか」ボソッ



友紀「」



巴「」



ちひろ「馬鹿ですか」

P「いや、ちひろさん濁してますけど実際そうなわけで…俺は手の届かない範囲ですし…」



ちひろ「Pさん居なくなったら言うつもりでしたよアホですかホント」



友紀「巴ちゃん嫌だったら…」



巴「……いや、座らせたり立ち上がらせたりするだけじゃろ」



巴「ええわ、普段世話になってる時もあるけえ、それぐらいやったる」



巴「ウチを見損なったらアカンよ」



友紀「巴ちゃん…ありがとう!」パアァ

【また後日】



友紀「いやー、巴ちゃんありがとう」



友紀「今日から普通に歩けるようになったよ」



巴「おう、よかったのう」



巴「けど、またならんように予防せえよ?一生付き合っていく病気なんじゃろ?」



ちひろ「そうですよ」



P「ちゃんと薬も飲むんだぞ」



ちひろ「あと、食べ物も気をつけてくださいね…後で良くないもの教えますから」



P「ビールも止めて焼酎とかにするんだぞ」

友紀「く、詳しいね二人とも…」



巴「お前が病院でベッドに寝かされてる間に、医者に散々聞かされたから三人とも嫌でも覚えたわ」



巴「東京に来てアイドルやるのも想像しとらんかったけど、齢13でこんなに通風の知識がついて、挙句の果てには成人の下の世話するとは思ってもみなかったわ」



友紀「うう…ごめん、そうだよね!よし、皆!あたし節制頑張るよ!!」



巴「おう!その意気じゃ!!」

【レッスン場】



トレーナー「皆、お疲れ今日のレッスンはこれで終わりだ」



友紀「トレーナーさん、あたし居残りします」



トレーナー「おっ、今日もか…わかった遅くならないうちに切り上げるんだぞ」



友紀「はい!」



巴(今日もか…)



巴(痛風になってからというもの…レッスンや仕事に人一倍打ち込むようになったのう)



早苗「………友紀ちゃん、付き合うわよ」



菜々「ナナもやりますっ!」



友紀「いいんですか、それじゃお願いします!」



巴「ウチもやるわ」



ちひろ「ビールや好きなモノを食べられなくなったフラストレーションをいい方向に昇華してますね」



P「それが周りの心にも火をつけて、事務所全体が切磋琢磨する雰囲気になってますね」

【女子寮:友紀の部屋】



TV「キャッツ逆転優勝〜!!ドームは歓喜の環に包まれております!!」



友紀「やったあああぁぁ!!」



巴「ああ、最後の最後で…」



巴「…しゃーない、日本シリーズでデミオーズの分まで頑張ってくれや」



TV「今、ビールかけが始まりました!○○選手優勝の味はいかがですか?」



TV「いや、最高ですね!これを味わうために一年頑張ってきました!!」



友紀「………」ゴクリ



巴「おい…」ジーッ



友紀「え?いやいや、違う違う!大丈夫大丈夫!」



巴「はあ…全く」



巴「………今日、亜里沙姐さんが部屋にビール持って入ったの見たぞ」



友紀「…っ!?」



巴「亜里沙姐さんの返答次第じゃけど、一杯くらいなら一緒に飲んできたらどうじゃ?」



巴「あの日以来、飲んでないんじゃろ?お前も頑張っとたし、今日くらいええのと違うか?」



友紀「………」



友紀「…いや、いいよ」

友紀「気使ってくれてありがとね」



友紀「でも、ここまで来たんだから大丈夫!」



友紀「…巴ちゃんにまた介護してもらうわけにもいかないしね!」



巴「そうか、ならええわ」



巴(成長したのう…)ホロリ



友紀「よし、明日も早いし寝よう!巴ちゃん一緒に早朝ランニングしよう!」



巴「おう、望むところじゃ」フッ



こうして断酒と食事の節制を続けた友紀は、レッスンと仕事に打ち込み続け、着々とトップアイドルの階段を上がっていった。

しかし、いくら決意を固めたとはいえ、たった一人で欲求に耐え続けていくことは厳しく、とても辛い事であった…

【レッスン場】



友紀「はーっ、よし今日はこれで終わろう」ゼエゼエ







友紀「………………」



友紀「…ビール飲みたいな」ボソッ



友紀「いやいや、ダメだって!巴ちゃんにも宣言したし、また迷惑かけたら…」



友紀「でも、収録やライブの打ち上げで一人だけお酒飲めないのはなあ…」



友紀「何より…周りの人間がビール飲む姿を見るのがこんなにキツいとは思わなかった」



友紀「こんだけ長いことビール飲んでないんだし…一杯くらい飲んでも…」



友紀「いや、でも一杯だけで済む自信がない…」

友紀「あー、もう!!」



友紀「何であたし一人だけ痛風なんかに…」ハァ



ガラッ



??「それは違うわ!!」



友紀「あ、あなたは…」



早苗「あたしもよ」



友紀「サナエさん!」



ガラッ



菜々「キャハッ!ナナも混ぜてもらえますか?」



友紀「ナ、ナナさん…」



ガラッ



P「話は聞かせてもらった!!」



友紀「プ、プロデューサー…っ!」

P「この三人でユニットを組むぞ」



友紀「…えっ?」



P「共通の悩みを持つ三人、お互い支えあってトップアイドルを目指すんだ」



友紀「ええええええええ!?えっ、早苗さん?…菜々さんも?」



友紀「そ、そういえば最近早苗さんが酒の席で騒いだって話も、菜々さんが二日酔い丸出しの顔をしてることもなかった…」



早苗「あたしやナナちゃんは、救急車呼ばずに自力で病院行ったからね」



菜々「この歳になると、尿酸値の結果や通風への怯えが自然と頭をかすめますからね…」



P「友紀は通風を意識する年齢じゃなかったからな」

ちひろ「内緒の話だったんですけど、どうしても一人で頑張ってる友紀ちゃんを見過ごせないってお二人が…」



友紀「ちひろさん、いつの間に」





ちひろ「ユニット名はGout patientsです」





P「よし!明日からガンガン仕事入れてくぞ!!」



【時は流れ、一年後のIA大賞会場】





\ワーワーワー ワーッ ワーワーワー フーッ/







友紀「みんな〜!ありがとう!!」



菜々「皆さんのお陰で、受賞することができました」



早苗「本当にありがとう!」



巴「」

友紀「正直、ここまで来るのにいろんなことがありました…」



菜々「いろんな誘惑にも耐え続け…」



早苗「自分たちでもホントストイックにやって来たなって思うわ」



友紀「正直、巴ちゃんにも色々心配かけたり、迷惑かけたりしたよね」





\ドッ!! ワハハハッ/





巴「」

早苗「だけど、ここまでこれたのは」



菜々「プロデューサを始めとする裏方の皆さん、両親、仲間、それにファンの皆さん…」



友紀「そして…痛風のお陰です」



巴「」





三人「それでは聞いて下さい」





三人「Gout patients with scarlet girlでpurine!!」





♪〜〜〜♪〜〜〜♪



\ワアアアアアアアアアアアァァァ!! /



ちひろ「みんな、大きくなりましたね」



P「オレも含めて、多くの痛風患者に勇気を与えるパフォーマンスだ…」ホロリ



ちひろ(やだ…この人泣いてる…)



P「見てください、会場も皆も号泣ですよ」グスッ



ちひろ「ええ、そうですね…」



トレーナー「というかプロデューサさんも痛風だったんですか」



ちひろ(…私も痛風だって事は内緒にしておこう)



友紀「みんなー!ありがとうー!!これからもよろしく〜!!」



\ワアアアアアアアアアアアァァァ!! モチロンダー カンドウシター オレモガンバルヨー!! アンコール/



巴「」

【事務所】



P「大賞受賞おめでとう!今日だけはビール解禁だ!!」



友紀「やったあああああああああ!!」



菜々「発泡酒じゃないんですよね!?ビールなんですよね!?」



早苗「ナナちゃん…」チラッ



菜々「それは…エビス!?…早苗さん!!」



友紀「早苗さん!!」



P「早苗さん!!」



ちひろ「早苗さん!!」

P「よーし!今日は無礼講だぁぁぁ!!あっ、巴も好きなだけご馳走食べろよ!!ジュースも高いの買ってきたからな!!」



ちひろ「遠慮しなくていいですからね!」



巴「」



P「それじゃあ!かんぱああああああああぁぁぁ!!いいいいいいぃぃ!!!!」







全員「カンパーイ!!」

【次の日】



友紀「」ピクピク



菜々「ぁあ…」ガクガク



早苗「っぅぅ…」ヨロッ



P「(白目



ちひろ「私としたことが…エビスに…釣られ…」



巴「」





ピッピッピ





プルププル





ガチャ







巴「すいません、救急車五人分お願いします」

           

                          END



23:30│姫川友紀 
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