2014年06月08日

春香「これはプロデューサーさんの……?」

カウントダウンしたいだけのシリーズです。





春香「これはプロデューサーさんがいつも被ってる……アレだよね?」





春香「……」きょろきょろ



春香「……よし」



春香「装☆着!」



Pマスク『装着を確認……プロデュースシステム起動します』



P春香「な、なんなのこれ!?」



Pマスク『マスターではないようですね。アイドルの天海春香と認識……承認しました』



P春香「ひっ……何処からともなく、女の人の声が!?」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400026849



Pマスク『この声は、あなたの脳内に直接語りかけています……故に、外部には聞こえません』



P春香「だ、誰ですか!?」



Pマスク『申し遅れました。私はプロデュース力向上インテリジェントデバイス……通称Pちゃんです』



P春香「急に可愛くなった!?」



Pマスク『照れます……天海春香。質問しても良いですか?』



P春香「あ、はい……」



Pマスク『どうして、あなたが私を装着しているのですか?』

春香「うっ……ご、ごめんなさい……」



Pマスク『咎めている訳ではありませんーーどのような意図があって、私を装着したかを聞きたかったのですが』



春香「……うう」



Pマスク『……なるほど』



春香「ちょっと気になっただけだよ……? 別に深い意味があるわけじゃ……」



Pマスク『記録しました』



春香「何を記録したの!?」

美希「あ……ハニー!!」だきっ



P春香「み、美希!?」



美希「……春香? 何で、ハニーのを被ってるの?」



P春香「そ、それは……」



1 プロデューサーさんの気持ちになろうかな、って



2 美希には関係ないよ



3 何となくかな?

P春香「な、何なんですか……これは……?」



美希「?」



Pマスク『私の機能の一つです。その場で最も、有効的であるだろう選択肢を表示しました』



P春香「と、とりあえず……」



美希「?」



P春香「プロデューサーさんの気持ちになろうかな、って……」



美希「何で?」

P春香「プロデューサーさんの立場になって……アイドルとしての私自身を考え直す、って言ったところかな?」



美希「? 何だがよくわからないの……あふぅ」



P春香「あ、あれ?」



美希「……ミキ、負けないよ? 春香も遠慮なんてしないでね? あはっ☆」



Pマスク『パーフェクトコミュニケーション!』



P春香「?」



Pマスク『最初にこれとは才能があるのかも知れません……』



P春香「は、はぁ……?」



Pマスク『日常で誰にも構わず、パーフェクトコミュニケーションばっかり出すのも考えものですが……』



P春香「あ、あはは……」

P春香「プロデューサーさん。Pちゃんの力でプロデュースしてたんだね」



Pマスク『その問いには、はいともいいえとも答えられます」



P春香「?」



Pマスク『私は彼のプロデュース力を制限する役割もあります』



P春香「ぷ、プロデュース力?」



Pマスク『簡単に説明すると、プロデューサーとしての能力を数値化したものです』



P春香「高すぎるとダメなの?」



Pマスク『滅びる、大抵の原因は過ぎた力だそうです』



P春香「へ、へぇー……ほ、他に機能とかないの?」



Pマスク『アイドルに必要なステータスを数値化、他デバイスとの通信やメール、ミニゲーム、インターネット接続……」



P春香「と、とにかく! 色々あるんだよね?」



Pマスク『はいーー何かご要望でも?』



P春香「ぷ、プロデューサーさんの……好きな人とか……」



Pマスク『分析した物がありますが、数値化しましょうか?』



P春香「い、いらない! 結果次第で落ち込むそうだし……」



Pマスク『……』

千早「おはようございます……プロデューサー?」



P春香「ち、千早ちゃ……」



千早「どうして春香がプロデューサーのマスクを?」



P春香「それは……」



千早「……つまり、プロデューサーは今、素顔ということね」



P春香「あ……ということは?」



「「プロデューサーの素顔を見る……チャンス?」」

「くそ……うっかりマスクを事務所に置いて来てしまった……」



P春香「……プロデューサーさん?」



千早「どうしたんですか? 顔に包帯をそんなに巻いて……」



P春香「全身大火傷でもしたんですか?」



P「あ、俺のマスク! 春香が被ってたのか!」



P春香「す、すみません! すぐに脱ぎますから……」



千早「……」すっ



P「どういうつもりだ……千早」



千早「その包帯を解いて下さい……それがこのマスクをお渡しする条件です」



P春香「ち、千早ちゃん!」

P「……千早が俺の素顔に興味を持つなんてな、意外だよ」



千早「……あなたは恩人ですから」



P「……」



千早「余計に素顔を見てみたい。そう思っただけです」



P「……なるほどな。春香もそうか?」



P春香「わ、私は別に……」



千早「春香……素直なりなさい」



P春香「千早ちゃん……」

P春香「私も……プロデューサーさんの素顔を見てみたいです」



P「……そうか」



P「つまり……春香は俺の意思はどうでも、良い……そういうわけか」



P春香「!?」



千早「春香……プロデューサーの言葉に惑わされては、駄目」



P春香「え?」



P「流石に千早は手強いな……」



千早「プロデューサーに鍛えられましたから」

P「千早……」



千早「何ですか?」



P「顔を剃って来ても良いか? 今朝、剃り忘れてな……」



千早「どうぞ」



P「すまんな……」



P春香「千早ちゃん。やったね」



千早「?」



P春香「え? 顔を剃ってるところを覗くんじゃ……」



千早「そんな失礼な事、出来るわけないじゃない」



P春香「えー」

P「お待たせ……スッキリしたよ」



千早「そうですか、それは良かった」



P「それで……何だっけ? 俺の素顔だったか」



千早「そうです。素顔を見せて下さい」



P春香「見せたくない理由でもあるんですか?」



P「理由……か」



P「それは……」ぐー



千早「プロデューサー?」

P春香「お腹空いてるんですか?」



P「すまん……朝まだなんだ……パン食べてもいいか?」



千早「どうぞ、私達は向こうに居ますので……」



P春香「千早ちゃん……」



千早「そんな失礼な事、出来ないわ」



P春香「……だよね」

P「とりあえずは、腹が膨れたよ……それで、そろそろマスクを返してくれないか?」



P「そろそろ打ち合わせとかあるから、返して欲しいんだが……」



千早「それは困りましたね……春香。プロデューサーにマスクを」



P春香「え!? 今までのは何だったの? ……まあ、いいか……あれ?」



P「……」



P春香「な、何で!?」



千早「 新しいダンス? 腕を上げたわね……」



P春香「ち、違うよ!? 外れないの!」



P「あ……それ付けたら、24時間は外せないんだった」



P春香「プロデューサーさん!?」

千早「それなら仕方ないですね……」



P「スペアがあるから、これ被っとくよ」カポッ



P春香「!?」



千早「やっぱり……これでこそ、プロデューサーですね」



P「調子いいな。こいつー☆」



千早「うふふ……」



P春香「ちょっと待って下さい! 私はどうしたら、良いんですか!?」

P「まあ、今日はレッスンだけだろ? 何とか乗り越えてくれ」



千早「春香ならできるわ」グッ



P春香「それしかないですよね……」とほほ



千早「それでは……私はボイスレッスンがあるので」



春香「私も……」



P「よし、行ってこい!」

千早「最近、携帯の調子がおかしいの……」



P春香「買い換えたら? 今度の休みにでも、見に行こうよ!」



千早「ふふふ……ありがとう」



P春香「……」



P春香「……何で目立たないんだろ?」



Pマスク『不必要に目立ちたくはないだろうと、周囲からの関心を妨げる電磁波を』



P春香「……」

千早「あー♪ あー♪ あー♪」



P春香「私も……」



Pマスク『ボイスレッスン指導モードを開始します』



P春香「ラインとアイコンが出てきたよ?」



Pマスク『指導を開始して下さい』



P春香「?」



Pマスク『始まりましたよ』



P春香「ちょっ……!」

Pマスク『パーフェクトレッスン!』



千早「凄いわ、春香! まるでプロデューサーね」



P春香「あははは……ありがとう」



Pマスク『音声メールが来てますーー読み上げましょうか?』



P春香「さ、流石に読むのはマズいような……」



Pマスク『玲音さん……女性のようです』



P春香「読んじゃって下さい!」

玲音『やあ、元気かな? 此方は相変わらず……充実した日々を送っているよ』



玲音『キミの方も順調そうで何よりだ。765プロのアイドルの名前を聞く度に、嬉しくなるよ」



玲音『フェスで戦える日々を楽しみにしている……最後に……キミに伝えたいことがあるんだ』



玲音『直接言うのは、少し照れ臭いからね……音声メールで許して欲しい』



玲音『玲音アイドルマスターワンフォーオール5月15日に発売! 残り1日……!」



玲音『一日……? も、もう明日じゃないか……!』



玲音『これはプロデューサーとしてうかうかしてられないんじゃないかな?』



玲音『それでは、相まみえる日を楽しみにしているよ』

P春香「……後で問い詰めないと」



Pマスク『この音声メールは……少し、未来から送られてきているようです』



P春香「……」



Pマスク『……』



千早「春香? 事務所に戻るわよ」



P春香「わっ! すぐに行くよ!」



Pマスク『バランスが崩れつつあります。足下にお気をつけ下さい』



P春香「わっ! っと……」



千早「は、春香が……持ち直した……!?」



P春香「こ、転けてばかりじゃないよ!(あ、ありがとう……)」

「「戻りましたー」」



P「おっ……帰って来たか。随分と馴染んでるじゃないか」



P春香「え」



P「Pヘッドアイドル……新しいな。いける……か?」



P春香「いけませんし、行きませんよ!?」



千早「そうなの? ……勿体無いわね」



P春香「ち、千早ちゃん……」



P「はっははは……まあ、もう少しの辛抱だ。不便でもないだろ?」



P春香「快適すぎて、困るんですけど……」

美希「……」じー



P春香「どうしたの、美希?」



美希「何か春香だけズルいって思うな!」



P春香「な、何が……?」



美希「ハニーとペアヘッドなの!」



千早「そう言われたら……そうね」



P春香「千早ちゃんまで!? っていうか、ペアヘッドって何!?」



P「あんまり騒ぐなよ? Pヘッド協会の規定がキツくなって来てるからな……」



P春香「意味のわからない設定ばっかり増やさないで下さい……」



P「まあ、俺の身内だから……ある程度は融通が利くと思うけど」



P春香「だからやめて下さいってば!」

Pマスク『春香様。次の予定時刻が迫っております』



Pマスク『春香様。前方に注意を』



Pマスク『春香様。お昼食なら、近くの喫茶店のサンドイッチセットがおすすめです』



Pマスク『春香様が転けずに一日を過ごす? ご冗談を』HAHAHA



Pマスク『春香様。あなたの力はこの程度ではありませんーーファイトです』

天海家。



P春香「今日も疲れてね……」



Pマスク『お疲れ様でした。春香様』



P春香「その春香様っていうの、やめようよ」



Pマスク『何故でしょうか?』



P春香「私にとっては、Pちゃんは……AIでも、マスクでもないんだ』



P春香「おかしな話かも知れないけどーーPちゃんと……友達になりたいな、て」



Pマスク『……』

P春香「あはは……なんか、ごめんね?」



Pマスク『いいえ、気持ちはとても嬉しいです……春香』



春香「Pちゃん……」



Pマスク『ですが、忘れないで下さいーー私は所詮、AI」



Pマスク『作り物の人格、作り物の性格ーー全てが作り物なのです』



春香「……」



Pマスク『明日も早い……早く眠りましょう。明日になれば、私も外れるでしょう」



春香「うん……おやすみ」



Pマスク『おやすみなさい。春香』

P春香「……」



Pマスク『まだ起きているのですか? 安眠モードは正常に機能しているようですがーー』



P春香「今度、千早ちゃんの携帯を見に行くんだけど……Pちゃんも来てくれる?」



Pマスク『……春香が望むなら」



P春香「えへへ……ありがと……おやすみ」



Pマスク『……おやすみなさい。春香』

春香「おはよう……あ、本当に取れてる」



Pマスク『……』



春香「Pちゃん?」



Pマスク『春香。こんばんは』



春香「ふふ……今は朝だよ?」



Pマスク『……?』



春香「……Pちゃん?」



Pマスク『……』



春香「何かおかしいよ?」



Pマスク『……』



春香「プロデューサーさんに見てもらわないと……!」

P「これは……」



春香「プロデューサーさん……?」



P「ん……ああ、大丈夫だ……修理に出せば、直るよ」



春香「よ……良かった……すみません、プロデューサーさん」



P「いや……春香のせいじゃないよ。どっちみち、メンテに出さないといけなかったからな……」



P「心配かけて、申し訳ありません……だってさ」



春香「ううん……Pちゃんが元気になってくれるなら、それで良いよ」



P「……春香。そろそろ、レッスンだろ?」



春香「あ! そうだった……い、行って来ます!」



P「ああ、行って来い!」

P「……これで良かったのか?」



Pマスク『申し訳ありません……春香には心配かけたくありませんでしたので』



P「……寿命か」



Pマスク『試作型AI……本来は長期的に作られてはいません』



Pマスク『そんな私がここまで活動出来ただけで、十分でしょう』



P「……俺が新米プロデューサーの時からの付き合いだからな、頑張ったよ。お前は」



Pマスク『光栄です……ただ……』



P「ん?」



Pマスク『後悔があるとしたら……春香との約束をーー」

P「約束?」



Pマスク『ーー』



P「……完全に停止したか」



Pマスク『ーー』



P「……」カチッ



Pマスク『ーー』



Pマスク『』



P「……おやすみ」

春香「プロデューサーさん……」



P「は、春香!? レッスンに行ったんじゃ……」



春香「えへへ……忘れ物しちゃいました」



P「春香……お前……」



春香「別に……怒ってないんですよ? 友達だから、約束を守ることも……破ることだってあるし……」



春香「でも……ちゃんと、お別れしたかったなぁ……」



P「……春香」



春香「ちゃんと……お別れさせて欲しかったよ……でも」



春香「ありがとう……短かったけど……楽しかったよ」

一週間後。



P「装☆着! やっぱり、これがしっくり来るよな!」



Pマスク『システム起動……着用者をマスターと承認します」



P「最新鋭のAI……やっぱり、あいつとは違うんだろうな」



Pマスク『マスター?』



P「何でもない、っと……予定を入れて貰ってもいいか?」



Pマスク『どうぞ……マスター。今週に予定が一件入ってますが』



P「起動したばかりだ。入っているわけがない」



Pマスク『バグでしょうか……あり得まない事ですが』



P「! ……その予定を開いてくれ」



Pマスク『春香の友達の携帯を見に行く……優先度A』



Pマスク『マスター……これは一体……?』

終わりです。





23:30│天海春香 
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