2013年11月06日

千早「暇すぎね」亜美「んなことないっしょー…」

千早「うーん……」

亜美「あれ、千早お姉ちゃんどうしたのー?何か悩み事?」


千早「あら、亜美じゃない…いたのね」

亜美「うん、さっきからずっといたけど…何かあったの?」

千早「えぇ、実は少しばかり困ったことになってしまったのよ」

亜美「そうなんだぁー、亜美でよければ話くらいは聞くけど?」

千早「ありがとう亜美、それじゃお言葉に甘えて……実は、私ね」

亜美「うんうん」

千早「私ね…実は今、とても暇なのよ」

亜美「そっかー、千早お姉ちゃんは暇なんだぁ……えっ?」

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千早「そう、私は今とても暇をしているのよ」

亜美「ふーん、千早お姉ちゃん暇なんだね」

千早「えぇ、その通りよ、暇で暇で仕方がないのよ」

亜美「そっかー」

千早「というわけで亜美」

亜美「なぁにー?」

千早「私の暇つぶしに付き合ってくれないかしら?」

亜美「うーん、そうしてあげたいのは山々なんだけどさー」

千早「双海、野球やろうぜ!」

亜美「何で野球!?いや、あの千早お姉ちゃん」


千早「それとも音無さんの机にイタズラする方がいいかしら?」

亜美「千早お姉ちゃんってば」

千早「それとも音無さんのロッカーの方がいいかしら?」

亜美「だから千早お姉ちゃん、亜美の話を」

千早「あるいは音無さんのパソコンでもいいかもしれないわね」

亜美「ちょっと待って!何でさっきからピヨちゃん限定なの!?」

千早「では他に何か選択肢があるというのかしら?」

亜美「いやいや、普通に考えたらもっと色々あるんじゃない?」

千早「あら、そんなことないわよ」

亜美「そうなの?」


千早「音無さん関連のイタズラより面白いことなんてあるわけ無いじゃない」

亜美「言い切っちゃった!?それはピヨちゃん可哀想すぎるっしょ!」

千早「だったら亜美は何をして遊びたいのかしら?」

亜美「うーん……そうだなぁ」

千早「野球?」

亜美「だからなんで野球なの?野球なんかやんないよ」

千早「それじゃあ、ベースボール?」

亜美「それも野球じゃん!英語に言い換えただけだよ!」

千早「だったらベズボルかしら?」

亜美「ベ、ベズボル…?千早お姉ちゃん、ベズボルって何?」


千早「フランス語で野球という意味よ」

亜美「ふーん、そうなんだ…って結局野球じゃんか!」

千早「ちなみにスペイン語ではベイスボルと言うのよ」

亜美「へぇー、千早お姉ちゃんは物知りだねー」

千早「大したことではないわ、ともあれ、亜美もこれで一つ賢くなったわね」

亜美「う、うん…そうだね」

千早「……」

亜美「……って違う違う!何なのこの流れは!?」

千早「どうかしたのかしら?」

亜美「どうもこうもないよ!もう野球ネタはいいから!」


千早「ではやはり、亜美的にもイタズラの方が好みかしら?」

亜美「イタズラもやんないよ」

千早「あら、亜美らしからぬ発言ね、驚きだわ」

亜美「むしろ亜美は千早お姉ちゃんの発言にビックリだよ」

千早「私だってたまにはハメを外したくなるのよ」

亜美「いやいや、ハメを外すなんてレベルじゃ済まないと思うけど」

千早「一体どうしたの?ヤンチャ盛りの亜美とは思えない態度ね…」

亜美「うん、今日はちょっとね…」

千早「あなたは765プロのトリックスターでしょう?そんなことでどうするの?」

亜美「そんなあだ名初めて聞いたよ!変なあだ名付けないでくれるかな!?」


千早「では改めて、亜美は何をして遊びたいのかしら?」

亜美「それなんだけどさ、千早お姉ちゃん」

千早「何かしら?」

亜美「ゴメン千早お姉ちゃん!亜美、今日はちょっと無理なんだよね」

千早「あら、何か問題でもあるというの?」

亜美「うん、実は亜美、宿題やらなきゃいけないんだ」

千早「……はい?」

亜美「だから、宿題だってば」

千早「……えぇ?」

亜美「宿題だよ、宿題」


千早「ごめんなさい亜美、今なんて言ったのかしら?」

亜美「だから宿題だよ」

千早「えっ…?なんですって?よく聞き取れなかったわ」

亜美「だから宿題だって言ってんじゃんかー!しつこいよもーっ!」

千早「そ、そんな…聞き間違いではなかったというの?」

亜美「あれ、どうしたの千早お姉ちゃん?そんなに驚いた顔して」

千早「嘘よ…ありえないわ…そんな、どうして」

亜美「もしもーし?千早お姉ちゃんどしたのさー?」

千早「亜美の口から『宿題』というワードが出るなんて…信じられないわ」

亜美「うん、それちょっと失礼なんじゃないかな?」


千早「だって亜美と宿題だなんて、どう考えても結びつかないじゃない」

亜美「千早お姉ちゃん、それ地味にひどくないかな?」

千早「そうね、例えるならそれは、さながら水と油のごとく」

亜美「そこまで言う?言い過ぎだと思うよ?」

千早「これぞまさしく、驚天動地の大事件、天変地異の前触れね」

亜美「何言ってるかよく分かんないけど、絶対亜美のことバカにしてるよね?」

千早「亜美が宿題をやるだなんて、春香が転ばないのと同じレベルの現象なのよ?」

亜美「うん、千早お姉ちゃんがはるるんと亜美のことどう思ってるかよく分かったよ」

千早「どちらもかけがえの無い、大切な仲間よ」

亜美「仲間に対する台詞じゃなかったよね、完全に」


千早「ともかく、亜美が事務所で宿題だなんて、珍しいこともあるわね」

亜美「うん、最近お仕事忙しくてさー、全然出来なかったんだよねー」

千早「ダメじゃない、アイドルと学業、しっかりと両立させなくては」

亜美「うぅぅ…そう言われると返す言葉もございません」

千早「その点ちーちゃんって凄いわよね、アイドルと学業を両立させてるんだもの」

亜美「あっ、やっぱりそうなんだー、さっすが千早お姉ちゃん」

千早「宿題は主に全部プロデューサーにやってもらっているのだけどね」

亜美「えっ」

千早「ちょっと弱音を吐くだけで手伝ってくれるんだから、チョロいわよね」

亜美「うん…亜美、今のは聞かなかったことにするよ」


千早「まぁ、聞きなさい」

亜美「やだよ、そんなどす黒い話、聞きたくもないよ」

千早「私がね、こう…ちょっと涙目な感じでプロデューサーに言うのよ」

亜美「イヤだって言ったのに勝手に語りだしちゃったよー!」

千早「ぷ、プロデューサー…宿題が気になってレコーディングに集中出来ません」

亜美「うん、亜美が言うのも何だけどそれはちょっと悪ふざけが過ぎるんじゃないかな」

千早「すると彼はこう言うのよ、『分かった!宿題は俺に任せろ!』って」

亜美「それであっさり騙される兄ちゃんも大概ダメだね」

千早「まあ、おかげ様で私はこの事務所に入って以降、宿題を忘れたことは無いわ」

亜美「どんだけ兄ちゃんにやらせてんのさ!?」


千早「まあそんな話はさて置き、亜美は今日は宿題をやるというのね」

亜美「うん、ゴメンね千早お姉ちゃん」

千早「いいのよ気にしなくて」

亜美「じゃあ亜美、宿題やってくるね」

千早「千早お姉ちゃんは一人寂しく暇な時間を過ごすことにするわ」

亜美「えっ」

千早「てっきり亜美が遊んでくれるとばかり思ってたのに」

亜美「いや、千早お姉ちゃん」

千早「はぁー…亜美と遊べるの楽しみにしてたんだけど、残念だわ」

亜美「千早お姉ちゃん、亜美すっごいやりにくいよ!」


千早「いいのよ亜美、私のことなんて気にしなくても」

亜美「いやいや、あの流れで気にするなっていう方が無理っしょー」

千早「さぁ、思う存分おやりなさい」

亜美「えぇぇぇ…」

千早「あぁ、それにしても暇ね……全くもって暇だわ」

亜美「……」

千早「暇だなー?ちーちゃん暇だなー?」

亜美「めっちゃ見てる…こっち見ながらめっちゃアピールしてきてる」

千早「ちらっ、ちらっ」

亜美「うぅぅー…全然集中出来ないよぅ」


千早「はぁ、今なら宿題の一つや二つ手伝えるくらい暇なのだけれど」

亜美「……」

千早「こうも暇だとどうしたものかしら…困ったわね」

亜美「え、えっとさ…千早お姉ちゃん?」

千早「何かしら?」

亜美「も、もし暇だったら亜美の宿題手伝って欲しいなー…なんて」

千早「……」

亜美「え、えっと…千早お姉ちゃん?」

千早「この私に、亜美の宿題を手伝えと?あなたはそう言うのね?」

亜美「う、うん…ダメかな?」


千早「もちろんダメよ、そういうのは自分一人の力でやらなければ意味が無いわ」

亜美「うん、そうだね…ゴメンね、やっぱそうだよね」

千早「でもそうね、亜美がそこまで言うのなら仕方がないわ」

亜美「えっ」

千早「どうしてもと言うのなら、まぁいいわ、手伝ってあげましょう」

亜美「えぇぇー…別にそこまで強くは言ってないんだけど」

千早「本当はダメなのだけれど、困っている亜美を見過ごすわけにもいかないしね」

亜美「……わぁーありがとう、千早お姉ちゃんは優しいなー」

千早「優しい優しい千早お姉ちゃんに感謝なさい亜美」

亜美「面倒くさいよぉ…今日の千早お姉ちゃんすっごい面倒くさいよー」


千早「それで、宿題はどの教科があるのかしら?」

亜美「うーんとねぇ…国語と数学と英語に理科、あと社会かな」

千早「五教科全部じゃない」

亜美「うん、気づいたらこんなことになってて」

千早「まったく、仕方のない子ね……ところで亜美」

亜美「んー?」

千早「野球の実技は無いのかしら?」

亜美「……は?」

千早「野球よ野球、野球に関する宿題なんていうのは無いのかしら?」

亜美「んなのあるわけないっしょ!そろそろ野球から離れて!」


千早「それじゃあ、亜美」

亜美「んー?」

千早「保体は無いの?」

亜美「無いよ」

千早「なんでやねん!」

亜美「何で亜美、怒られなきゃいけないの!?しかも関西弁って!」

千早「何で無いねん!普通あるやろがっ!」

亜美「普通は無いよ!千早お姉ちゃん何言ってるの!?おかしいよね、絶対おかしいよね!」

千早「残念だわ……手とり足とり色々教えたかったのだけど……高槻さんに」

亜美「千早お姉ちゃん、自分の欲望に忠実すぎっしょー」


千早「それではさっそく始めましょう、最初はどの教科からかしら?」

亜美「ちなみに千早お姉ちゃんはどの教科が得意なの?」

千早「私は全部得意よ、苦手な教科なんて無いわ」

亜美「おぉー、さっすが千早お姉ちゃんだねぇー」

千早「当然よ、さぁ何でも好きなのを選びなさい」

亜美「そうだねー、じゃあ最初は数学あたりからお願いしよっかな」

千早「……ゴメンなさい亜美」

亜美「へっ、どうしたの千早お姉ちゃん?」

千早「数学は今、売り切れ中だわ」

亜美「う、売り切れ?」


千早「えぇ、売り切れてしまっている以上、数学の宿題は手伝えないわ」

亜美「千早お姉ちゃん、苦手なら苦手って言ってね?亜美、別に気にしないから」

千早「そんなことないわ、得意中の得意よ」

亜美「得意なんだったらいいじゃん、手伝ってよ」

千早「そうしてあげたいのは山々なんだけれど、売り切れだから」

亜美「うん、だから売り切れって何?ワケわかんないよ」

千早「売り切れは売り切れよ、そのままの意味だわ」

亜美「えっと…数学、ホントは苦手なの?」

千早「得意だって言ってるじゃない、ただ残念なことに…売り切れだから」

亜美「そっかー、だったらもう売り切れってことでいいや、うん」


千早「さぁ、それじゃあ数学は後回しにするとして、次は何かしら?」

亜美「そうだねー、理科とかどう?」

千早「ゴメンなさい亜美」

亜美「えっ」

千早「とても言いにくいことなのだけれど……」

亜美「あー…理科も売り切れなんだ?」

千早「その通りよ亜美、申し訳ないけれど理科も売り切れているわ」

亜美「別に理科が苦手とかじゃないんだよね?」

千早「もちろんよ、理科も得意教科だわ…でもこればかりは」

亜美「うん、売り切れならしかたないね、分かったよ諦めるよ」


千早「困ったわね、理科も出来ないとなると次は……」

亜美「国語と英語と社会だけど、どれなら出来るの?」

千早「そうね、国語だったら今セール中でお買い得よ?」

亜美「そうなんだ、じゃあ国語の宿題やろうよ」

千早「あら…亜美に悪い知らせだわ」

亜美「今度は何?」

千早「たった今、国語が売り切れてしまったわ」

亜美「……しつこいようだけど、国語が苦手とかじゃないんだよね?」

千早「当然よ、私に苦手な教科なんてあるわけないじゃない」

亜美「そっかー、千早お姉ちゃんはすごいなー」


千早「となると残りは社会と英語ね」

亜美「もう面倒だから千早お姉ちゃん選んでよ」

千早「あら、随分と投げやりな言い方ね、やる気はあるのかしら?」

亜美「むしろその質問、そっくりそのまま千早お姉ちゃんに返したいよ」

千早「何を言っているのかしら、私はやる気十分よ」

亜美「説得力のかけらもないね」

千早「亜美には見えないの?私のこの全身からほとばしる、やる気という名のオーラが?」

亜美「残念だけど亜美には何も見えないよ」

千早「分かるまい!宿題を遊びにしている亜美には…この私の身体を通して出る力が!」

亜美「亜美、これ絶対選択肢ミスったよね…やっぱ家でやるべきだったかなぁ」


千早「そもそも亜美に言っておかなければならない事があったわ」

亜美「何?今度は何が売り切れなの?」

千早「そもそも社会は私自身、取り扱ってなかったわ」

亜美「そっかー、まぁ別に期待はしてなかったんだけどね」

千早「となると後は英語だけなのだけれど」

亜美「どうせ英語も売り切れなんでしょ?」

千早「あら、そんなことないわよ?」

亜美「そうなんだ」

千早「英語はまだ残っているわ、運がよかったわね」

亜美「あれれ、これは意外な展開ですな」


千早「ただ何と言うか、英語はちょっとワケあり商品なのよ」

亜美「……ワケあり?」

千早「えぇ、俗に言う売れ残り商品よ」

亜美「売れ残りって!」

千早「誰も買い手のつかない叩き売り同然の代物よ、こんなものゴミ同然ね」

亜美「つまり千早お姉ちゃんは英語が苦手なんだね」

千早「何を言っているの亜美、英語は数ある教科の中でも大得意よ」

亜美「とても得意教科に対する言い方じゃなかったよね」

千早「些細なことは気にしてはいけないわ、さぁ大船に乗ったつもりでいなさい」

亜美「すっごい不安だよ、亜美すっごい不安でしょうがないよ」


千早「それでは英語の宿題を始めましょう」

亜美「うん、ぶっちゃけ全然乗り気じゃないけど」

千早「ひょっとして亜美は英語が苦手なのかしら?」

亜美「苦手とか苦手じゃないとか、それ以前の問題なんだけどね」

千早「あら、ダメよ亜美、ちゃんと気合いを入れて勉強をしなくては」

亜美「この状況でやる気を出せたらすごいと思うよ」

千早「ダメよ亜美、そんなことでは……もっと気持ちを強く持ちなさい」

亜美「そうしたいのは山々だけど、無理っしょ」

千早「そんなんじゃダメだよ!亜美、そんなんじゃダメだ!」

亜美「えっ」


千早「あなたはもっと熱い心の持ち主でしょう!」

亜美「千早お姉ちゃん、急に何言い出すの?」

千早「もっと熱くなれよ!心を燃やすんだよ!亜美、君なら出来るっ!」

亜美「いやいやいや!それ何キャラ!?いきなり過ぎて亜美にはついて行けないよ!」

千早「というわけで頑張りましょう亜美、大事なのは気合いよ」

亜美「……そうだね、不安でならないけど亜美、がんばるよ、いろんな意味で」

千早「それで、最初の問題は何かしら?」

亜美「えっとねー、『Duck』の意味を応えよ……なんだこれ?」

千早「簡単すぎてあくびが出るわね」

亜美「うん、亜美もそう思う…こんなの亜美でも出来るよ」


千早「でもまぁ、せっかくだからここは私が答えてあげるわ」

亜美「えっ、さすがにこんなの亜美でも分かるし別にいいよー」

千早「まぁまぁ、そう遠慮せずとも」

亜美「いや、遠慮とかじゃなくて亜美、答え分かるから」

千早「でもせっかくだし、ここは私に、是非とも、是が非でも!」

亜美「ちょ…ち、千早お姉ちゃん?」

千早「お願いよ亜美、私の顔を立てると思って、私に答えさせてお願いよ亜美!」

亜美「千早お姉ちゃん!?ちょっと待って何でそんなに必死なの!?」

千早「亜美、どうか…どうか後生だから私に答えさせて…お願いします!」

亜美「何で土下座まですんの!?千早お姉ちゃん、それはさすがに引くよ!」


千早「これだけ頼んでもダメと言うのかしら?」

亜美「むしろ何でそんなに必死になるのかが不思議でならないよ」

千早「いいじゃない、私に答えさせなさいよ」

亜美「うぅー…もう分かったよー、じゃあ千早お姉ちゃん答えていいから」

千早「ふふっ…亜美ってば、仕方がないわね」

亜美「……はい?」

千早「亜美がそこまで言うのならいいわ、私が答えを教えてあげましょう」

亜美「えぇぇ……何言ってんのこの人」

千早「まったく亜美ってば、こんな問題も分からないなんてまだまだね」

亜美「何で千早お姉ちゃん、今日に限ってこんなに面倒くさいのさ…」


千早「それじゃあいいわね?答えを言うわよ?」

亜美「分かったよ、じゃあ千早お姉ちゃん、答えは?」

千早「あなご」

亜美「……えっ?」

千早「あなご」

亜美「……」

千早「……」

亜美「あなごって言うと、あのお魚さんのことかな?」

千早「その通りよ」

亜美「うん、亜美それ絶対違うと思う」


千早「あら、違うと言うの?」

亜美「違うよ、誰がどう考えても違うよ」

千早「おかしいわね、自信あったのだけれど」

亜美「むしろ何でその答えを自信満々に言ったのかサッパリ理解できないよ」

千早「それじゃあ……カマス?」

亜美「千早お姉ちゃん、それも違うよ」

千早「えっ、だったら…カツオ?いいえ、マグロね」

亜美「ちょっと千早お姉ちゃん!待って、ストップ!」

千早「何かしら?」

亜美「何でさっきから答えが魚類限定なのさ!」


千早「何でって……だって魚類でしょう?」

亜美「千早お姉ちゃん、残念だけど魚類は絶対に違うと思うよ」

千早「えっ、マジで?」

亜美「マジだよ」

千早「……」

亜美「……」

千早「……だったら」

亜美「ん?」

千早「だったら…分かるわけ、ないじゃない」

亜美「えぇぇぇー、ウソでしょ…千早お姉ちゃんどこまでマジなのさ」


千早「まぁ、実のところ答えはアヒルなのだけれど」

亜美「うん、知ってる」

千早「さすがは私ね、見事な博識っぷりだわ」

亜美「たぶん千早お姉ちゃんくらいの年齢なら皆分かるよ」

千早「ふふん、どやぁ」

亜美「どや顔するほどの答えでもないよね!?」

千早「ともかく、これで亜美の知識が一つ増えたわね」

亜美「いやいやいや!知ってたから、亜美それくらい分かってるからね!?」

千早「ふふっ、亜美ってば強がらなくてもいいのよ?」

亜美「強がってなんか!……あぁ、なんかもうツッコむのも疲れてきたよ」


千早「それはそうと亜美」

亜美「何かな?」

千早「この辺りで一息入れましょう」

亜美「うん、まだ一問しか解いてないんだけど」

千早「久しぶりに頭を使ったから知恵熱でフラフラよ」

亜美「千早お姉ちゃん、普段どんだけ頭使ってないのさ!?」

千早「そんなことないわよ、常日頃からフル回転しているわ」

亜美「それはそれでどうかと思うよ」

千早「おかげで頭が若干オーバーヒート気味なのだわ」

亜美「そっかぁー、だから今日の千早お姉ちゃんはおかしいんだね、納得だよ」


千早「これでも普段から色々と考え事をしているのよ」

亜美「どうせろくでもないことばっかり考えてるんじゃないの?」

千早「あら、失礼なことを言わないでちょうだい」

亜美「じゃあどんなこと考えてるのさ?」

千早「そうね、主に高槻さん絡みのことかしら」

亜美「だと思ったよ」

千早「どうすれば高槻さんをお持ち帰り出来るか…そればかりが頭がよぎるわ」

亜美「やっぱりろくでもなかったー!」

千早「私にとっては大事なことなのよ……あぁ、高槻さん!たかつきさぁーんっ!」

亜美「うん、ちょっと静かにしてもらえるかな?亜美、全然集中できないよ」


千早「あとはまぁ、世界平和のことも考えているわ」

亜美「随分とぶっとんだ方向にいっちゃったね」

千早「大事なことよ?争いのない平和な世界、ステキじゃない」

亜美「それはまぁ、そうだけどさー」

千早「私の歌で世界に平和をもたらすことが出来たら、どんなに素晴らしいか…」

亜美「千早お姉ちゃん、変なアニメとかに影響受けてない?」

千早「失礼ね、私がアニメごときに左右される軽い女だと思うの?」

亜美「だよね、千早お姉ちゃんはそんな単純じゃないもんね、ゴメンね」

千早「私の歌を、聞けーっ!」

亜美「モロに受けてんじゃん!」


千早「まぁ、無駄話はこのくらいにしておきましょうか」

亜美「そうだね、発端は全部千早お姉ちゃんだけどね」

千早「亜美がそこまで宿題をしたいというのなら仕方ないわ、不本意だけど続けましょう」

亜美「うん、だからまだ一問目しか終わってないからね?」

千早「英語は飽きたわね、次は社会にしましょう」

亜美「千早お姉ちゃん、亜美の話聞いてた?英語まだ終わってないんだけど」

千早「本当なら社会は取り扱ってないのだけど、特別サービスで教えてあげるわ」

亜美「千早お姉ちゃーん…だから英語まだ」

千早「感謝しなさい、この私が社会を教えるなんて、そうそうある事ではないのよ?」

亜美「うあうあー!千早お姉ちゃん、ちっとは亜美の話を聞いておくれよー!」


千早「あら何かしら?何か言いたいことでもあるの?」

亜美「だからまだ英語が」

千早「文句があるのなら言ってみなさい、さぁ言いなさい、聞いてあげるわ」

亜美「英語の宿題」

千早「どうしたの?遠慮なく言いなさい、どうぞ言いなさい、言えるものならね」

亜美「……なんでもございません」

千早「というわけで社会ね、せっかくだから私のオリジナル問題をやりましょう」

亜美「千早お姉ちゃん、亜美の宿題」

千早「何か文句でもあるのかしら?あるのなら、言ってみなさい」

亜美「もういいよぅ……千早お姉ちゃんの好きにしておくれよー」


千早「では問題、如月千早が世に残した功績を3つ答えよ」

亜美「はい千早お姉ちゃん、ちょっとストップ、おかしい」

千早「あら亜美、何がおかしいと言うのかしら?」

亜美「社会の問題だよね?何で千早お姉ちゃんの問題が出てくるのさ」

千早「社会は社会でも、これは現代史の問題よ」

亜美「仮に現代史だとしても、それで何で千早お姉ちゃんの問題なのさ?」

千早「例えばここ数年間の政治関係の事柄も、まぁ教科書には載ったりするわね?」

亜美「うん、そうだね」

千早「同じことよ、私も後に偉大な功績を残し教科書に載ることになるわ、その予行練習よ」

亜美「うん、千早お姉ちゃんが何を言っているか亜美にはサッパリだよ」


千早「とにかく答えなさい、制限時間は迫っているわよ?」

亜美「うぇぇっ!?せ、制限時間付きなんて聞いてないよー!」

千早「当たり前じゃない、今言ったのだから」

亜美「んなのムチャクチャだよー!」

千早「ちっちっちっち……はいタイムアップ、残念ね」

亜美「……うん、よくよく考えたら別に残念でも何でもなかったね」

千早「というわけで亜美には罰ゲームを受けてもらうわ」

亜美「何で!?幾らなんでもそれは理不尽すぎっしょー!」

千早「罰ゲームは律子のメガネのレンズを黒塗りにすること」

亜美「問題しょぼいくせに罰ゲームめちゃ過酷じゃん!」

千早「第二問、如月千早の優雅な朝は何から始まる?」

亜美「まだ続くんだ…って、最早それ、現代史でも何でもないよね」

千早「次の三つの中から選択せよ」

亜美「三択かぁ…じゃあさっきよりは簡単なのかな」

千早「一番、高槻さん…二番、我那覇さん…三番、高槻さんと我那覇さん」

亜美「なんかもう選択肢がおかし過ぎて何からツッコんでいいか分かんない!」

千早「制限時間が迫っているわよ?…ちっちっちっちっち」

亜美「なんなんだよこの問題はぁー!え、えっと……さ、三番!」

千早「正解よ亜美、よくやったわね、やればできるじゃない」

亜美「うん…ありがとう、達成感も何も無いけどね」


千早「ところで亜美、あなたスケジュール表を確認したのかしら?」

亜美「えっ、何で?朝ちゃんとしたよ?」

千早「あなたの予定、追加されてるわよ?」

亜美「ふぇ?……あぁーっ!ホントだーっ!予定増えてんじゃーん!」

千早「しかもこの後すぐよね」

亜美「うげーっ!何で!?亜美、全然聞いてないよ!」

千早「律子あたりからメールでも入っているんじゃないかしら?ちゃんと確認した?」

亜美「そういえば見てなかった……ぎゃーっ!りっちゃんからめっちゃ確認のメール来てるー!」

千早「おぉ恐い恐い…鬼軍曹がお怒りのようね」

亜美「ひええええっ!最悪だよー!」

千早「どうやら宿題はお預けのようね」

亜美「結局出来たのは英語のしょっぼい問題一個だけじゃんかー!」

千早「あの程度の問題を解くのにあれだけ掛かるようでは、まだまだね」

亜美「時間を掛けたのは千早お姉ちゃんじゃん!」

千早「まったくもう、集中してやらないからこうなるのよ」

亜美「だから、主に千早お姉ちゃんのせいじゃんかー!」

千早「あら、人のせいにするのはよくないわよ?」

亜美「人のせいにも何も、事実じゃんかーっ!」

千早「無駄口を叩いている暇はあるの?時間は大丈夫なのかしら?」

亜美「うあうあー!ヤバイよー、急がなきゃ間に合わないよー!」


千早「待ちなさい亜美」

亜美「何だよーっ!亜美、めっちゃ急いでいるんだけどー!」

千早「帰ったら、一緒に宿題をやりましょう」

亜美「いや、もうこりごりだよ、家に帰ってやるよ」

千早「そこを何とか!」

亜美「やんないってば」

千早「お願いよ、私に名誉挽回のチャンスを!」

亜美「いやいやいや!もう勘弁して、一人でやらせて!お願いだから!」

千早「とか何とか言いつつ、千早との勉強を心待ちにする亜美なのであった」

亜美「してないってば!千早お姉ちゃん覚えてろよーっ!いつか仕返ししてやるー!」

――――
―――

春香「ただいま戻りましたー!」

千早「お帰りなさい、春香」

春香「あっ、千早ちゃん…ゴメン!春香さん、今ちょっと急いでるんだ」

千早「何か急ぎの用でもあるの?」

春香「実は学校の宿題がたまってて…今日中に片づけないといけないんだ」

千早「あら、そうだったの」

春香「だからゴメンね、春香さんすぐに帰らなきゃいけないの」

千早「……春香、その宿題は今、手元にあるのかしら?」

春香「うん、あるよ?仕事先でも少しずつやろうと思って持ってきたんだ」

千早「だったら私の家でやらない?」


春香「千早ちゃんの家で?」

千早「えぇ、少しくらいなら私にも手伝えると思うし」

春香「ホントに?手伝ってくれるの?でも…いいの?」

千早「いいわよ、そのくらいお安い御用よ、春香のためだもの」

春香「それじゃあお言葉に甘えちゃおっかな!ちょっと待ってね、すぐ準備するから!」

千早「さて、今日の相手はイタズラ盛りの亜美…強敵になるとばかり思っていたけれど」

春香「千早ちゃーん?その独り言、宿題やってる時にはやらないでねー?」

千早「宿題という伏兵に助けられたわね、あれが無かったら勝負はどう転んでいたか…」

春香「よしっ、それじゃあ行こっか千早ちゃん!今夜は寝かさないよっ…なーんてねっ!」

千早「さて、次は誰のところに暇つぶしにいこうかしら…楽しみだわ」



おわり
はい、というわけで副業が休みなのでこんな時間ですが暇つぶしさせていただきました

ありがとうございました

13:16│如月千早 
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