2013年11月06日

千早「暇です」P「えぇぇぇー……」

千早「はぁ……」

P「どうした千早?溜息なんかついて」


千早「あっ、プロデューサー…ちょっとだけお時間、よろしいでしょうか?」

P「急ぎの用か?見ての通り、俺は今デスクワークの最中なんだが」

千早「とても大事なことなんです、出来れば聞いて頂きたいんですが」

P「いつになく真剣な目だな…分かった、言ってみろ」

千早「プロデューサー…実は、私」

P「うん」

千早「とても、暇なんです」

P「……えっ?」

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千早「ですから、私は今とても暇をしていると言ったんです」

P「そうか千早は暇なのか…それで?」

千早「それで、とは?」

P「見ての通り俺は今、仕事中だ」

千早「そんなの、見れば分かります」

P「なるほど…それが分かっている上で、千早は俺にどうしろと言うんだ?」

千早「暇つぶしに付き合ってください」

P「いや、だから千早、俺は仕事中……」

千早「知ったこっちゃありません、構ってください」

P「えぇぇぇー……」

千早「プロデューサー、自分の担当アイドルが暇をしているんですよ?」

P「うん」

千早「あなたの可愛い如月千早が、暇を持て余しているんですよ?」

P「自分でそういうこと言うのもどうかと思うぞ」

千早「それを何とかするのが、あなたの仕事なのではないですか?」

P「いやいやいや!プロデューサーはアイドルのお守りじゃないからね?」

千早「なんでやねん!」

P「その台詞はむしろ俺が言いたいくらいだよ!」

千早「なんでやねん!」

P「だからそれは俺の台詞だっての!そっくりそのままお前に返すよ!」

千早「ならば私はそれをそのまま打ち返しましょう」

P「打ち返すな」

千早「分かりました、ではリボンを付けて返してくださいね」

P「えっ、リボン?……う、うん分かった」

千早「ふふっ、ありがとうございます」

P「いえいえ、どうしいたしまして」

千早「……」

P「……えっ、何この沈黙?俺はこの流れをどう処理したらいいの?」

千早「そこはプロデューサーの腕の見せ所ですよ、さぁっ!」

P「無茶振りにも程があんだろうがっ!」

千早「ではプロデューサーは私に構ってくれないと?」

P「だからそう言ってんじゃん」

千早「プロデューサーは私よりも、仕事の方が大事だと?」

P「いや、そこまでは言ってないけど…何もそんな極端な物言いをしなくても」

千早「だったらハッキリしなさいよ!私と仕事、どっちが大事なのよ!」

P「なんだよその離婚の危機に瀕している夫婦みたいな会話は!?」

千早「そ、そんな夫婦だなんて……プロデューサーいきなり何を」

P「あれ、千早どうした?」

千早「私たち、別にそういう関係じゃ…そんな風に言われると、私恥ずかしいです」

P「何で頬赤らめてるんだよ…おーい、正気に戻れー」

千早「いいじゃないですか構ってくださいよ、どうせ暇なんでしょう?」

P「俺の話聞いてた?仕事してるって言ったよね?」

千早「とか何とか言ってるけど実はー?」

P「いや、仕事してるっての」

千早「と見せかけつつ実はー?」

P「だから仕事」

千早「というのがフェイントで本当のところはー?」

P「しつこいよ!マジで仕事中だっての!」

千早「ふふっ、プロデューサーってば本当に冗談がお好きなんですね」

P「えっ、千早だよね?俺の知ってる千早ってこんな面倒くさい子だったっけ?」

千早「何を言っているんですか、どこからどう見ても如月千早じゃないですか」

P「いや、まぁそうなんだけど」

千早「かわいいかわいいちーちゃんですよー」

P「さぁて、仕事するか」

千早「ちーちゃんですよー?かわいいちーちゃんですよー?」

P「……」

千早「あの、プロデューサー…」

P「なに?」

千早「せめて何かツッコミをください…さすがに恥ずかしいです」

P「うん、その反応は紛れもなく千早だな、安心したよ」

千早「プロデューサー、暇です」

P「だから諦めろって…というか千早」

千早「はい、何でしょうか?」

P「ちょっと聞きたいことがあるんだが」

千早「なんですか?スリーサイズならお教え出来ませんが」

P「いや、それは知ってるから」

千早「えっ、知ってるんですか?」

P「そりゃまぁ、プロデューサーですから」

千早「セクハラですよプロデューサー、とりあえず訴えますね」

P「何でそれだけで訴えられるの!?俺どんだけ立場弱いんだよ!」

千早「まぁ冗談はさて置き、質問とは何でしょうか?」

P「いや、お前今日仕事あったっけ……?」

千早「……」

P「……」

千早「……はぁ」

P「えっ、何なの今の溜息?」

千早「あなたは自分の担当アイドルのスケジュールも把握してないんですか?」

P「いや、分かってるよ?分かってるけど念のためにだな」

千早「私にオフを入れてくれたのはあなた自身じゃないですか、お忘れですか?」

P「覚えてるよ?でもお前、今日普通に事務所来てたし……」

千早「まったく、そんなことも覚えていないだなんて…失望しました」

P「何でそんな些細なことで失望されなきゃいけないわけ?おかしくない?」

千早「ガッカリです、プロデューサーには心底ガッカリしてしまいました」

P「いや、だから千早」

千早「やーいポンコツ」

P「……」

千早「……」

P「あー…千早さんや」

千早「なんでしょうか?」

P「今度のお前のグラビア撮影、水着でいいかな?」

千早「プロデューサー…今更私が水着撮影ごときでビクつくとでも?」

P「そうか、お前もそういうのに耐性出来てきたかー」

千早「えぇ、おかげさまで」

P「それじゃあ、あずささん、貴音の二人と一緒に撮影な」

千早「それだけは勘弁してください」

P「手のひら返すの早いなオイっ!」

千早「お願いですプロデューサー、それだけは!それだけはっ!」

P「ちょ、千早待って、勢いすごいよ、ちょっと落ち着いて」

千早「やめてっ!お願いよっ!撤回してください!早くっ!」

P「必死すぎんだろうが!」

千早「まったく、ひどい人ですねプロデューサー」

P「元はと言えばお前があれこれ好き勝手言うからだろうに」

千早「自身の権限を利用して私を脅すだなんて…最低です」

P「えぇぇー…何で俺が一方的に悪いみたいな空気になってるの」

千早「この卑劣、外道、冷血漢」

P「いや、ちょっと待って千早」

千早「クズ、ゴミ、変態メガネ、爽やかスーツ野郎っ」

P「言い過ぎじゃね!?……っていうか最後の悪口か?」

千早「石頭、頑固者、鬼畜メガネ、鬼軍曹、この律子っ」

P「うん…お前が律子のことどう思ってるか、よく分かったよ」

千早「もちろん律子は私にとって大切な仲間ですよ」

P「すごく当然のように言ってるけど、とても仲間に向けた言葉じゃなかったよね?」

千早「それはアレです、私の愛が深すぎるが故に、です」

P「わぁ、ドS極まりないな」

千早「もちろんプロデューサーも大好きですから、ついついイジワルを言いたくなるんです」

P「やめてくれ!そんな歪んだ愛情表現はゴメンだ!」

千早「そんなこと言って、本当は満更でもないくせに」

P「いやいや、どこをどう解釈したらそういう結論に行き着くわけ?」

千早「プロデューサーが嬉しそうで、私も何よりです」

P「俺の話聞いてる!?お前の中での俺のイメージっていったい何なの?」

千早「時にプロデューサー」

P「……何かな」

千早「先ほどから全く手が動いていないようですが、どうかしましたか?」

P「どの口がそんな台詞を吐ける」

千早「ひょっとして調子が悪いんですか?」

P「調子は別に悪くはないけれど」

千早「ではお腹の調子が悪いんですか?」

P「お腹の調子も悪くはないよ」

千早「それじゃあ、どこの調子が悪いんですか?」

P「どこも悪くないよ」

千早「分かりました」

P「そうか、分かってくれたか」

千早「それでは頭の調子が悪いんですね」

P「全然分かってくれてない、っていうか頭の調子って何!?」

千早「もしくは頭が悪いんですね」

P「失礼にも程があんだろ!」

千早「なら、プロデューサーは頭が良いというんですか?」

P「いや、まぁ決して良いとは言えないと思うけど……」

千早「ふふっ、ほらやっぱり、頭悪いんじゃないですか」

P「何このとてつもない敗北感……なんかすっげぇ悔しい」

千早「本当に大丈夫ですか?」

P「いや、だから大丈夫だって…心配には及ばないよ」

千早「……主に頭が」

P「だから頭は大丈夫だって言ってんだろうがっ!いい加減頭から離れろよ!」

千早「あら、そうなんですね……残念」

P「残念!?お前さっきからちょいちょい俺のことバカにしてない!?」

千早「そんなことありませんよ、ではどこも悪くはないんですね?」

P「大丈夫だって、さっきからそう言ってるじゃないか」

千早「そうは言いますが、その割には仕事が手つかずにも程がありますよ?」

P「あー……誰かさんが邪魔するせいで仕事進まないんだよね」

千早「それはヒドイですね」

P「そうだな、ヒドイな」

千早「プロデューサーの仕事の邪魔をするなんて、許せません」

P「わぁー千早は優しいなぁー」

千早「ありがとうございます、もっと褒めてもいいんですよ?」

P「そんな優しい千早さんにお願いなんだけど」

千早「何でしょう?言ってみてください」

P「ちょっと大人しくしててくれないかな?」

千早「だが断る」

P「頼むから仕事させてくれよ……」

千早「仕事なんてほっぽり出して遊びましょう、プロデューサー」

P「どこぞの双子みたいな台詞を吐くな!……っていうか千早」

千早「何でしょうか?」

P「今更だけど、何でオフなのに事務所に来たの?」

千早「何でだろー、何でだろー、何でだ何でだろー」

P「えっ」

千早「というギャグが昔流行りましたよね」

P「あぁ、うん流行ったね……懐かしいな」

千早「……」

P「何この俺までスベったみたいな空気、これどうしてくれんの?」

千早「プロデューサー、寒いですよ?」

P「だから何で俺がスベった扱いされてるんだよ!スベったの完全に千早じゃないか!」

千早「プロデューサーのギャグセンスの無さには、ほとほと呆れ果てます」

P「むっ…じゃあお前が何か面白いこと言ってみろよ」

千早「布団がふっとん……ぶふぅっ!」

P「漫画みたいな吹き出し方したな……せめて最後まで言い切ろうぜ」

千早「ところで、プロデューサー…」

P「なんだよ」

千早「誰の胸がツルツルで滑るですって!?失礼すぎますよ!」

P「言ってないよね!?俺一言も言ってないよね!冤罪もここまでくるとヒドイよ!」

千早「それで、私が何故オフにも関わらずここに来たか、ということですが」

P「何事も無かったかのように話を戻しやがった」

千早「都合の悪いことは忘れてしまいましょう、お互いのために」

P「そうね、俺は完全に巻き込まれただけだけど……まぁいいや、それで理由は?」

千早「だから暇だからだと、言っているじゃないですか」

P「えっ、本当にそれだけの理由で来たの?」

千早「えぇ、その通りですけど」

P「今日は偶々俺がいたけど……誰もいなかったらどうするつもりだったんだよ」

千早「それはそれで構いません、何だかんだでいるだけで居心地もいいので」

P「そうか、千早にとってここがそういう場所っていうんなら…まぁ別にいいんだけど」

千早「それに、誰もいないならいないでチャンスですから」

P「チャンス?何が?」

千早「色々と好き放題、イタズラが出来ますので」

P「前言撤回、よくない、全然よくなかった」

千早「主に標的は音無さんの机なんですが」

P「千早は音無さんに何か恨みでもあるのか!?」

千早「この間なんて消しゴムの角を全部接着剤でガチガチに固めておいてあげたんですよ」

P「チャチだけど何か陰湿だな!」

千早「あの時の音無さんの顔ときたら……ふふっ」

P「うわぁなんてドス黒い笑顔、俺の中での千早のキャラがどんどん崩壊していく」

千早「せっかくだから、プロデューサーも一緒にイタズラしませんか?」

P「何がせっかく、なのか分からないけどやらないよ」

千早「楽しいですよ?」

P「楽しかろうとやらないよ」

千早「そうですか……共犯者を増やそうと思ったんですが」

P「正直に言い過ぎだろ」

千早「では、引き出しの中に萩原さんの書いたポエムでも忍ばせておきましょう」

P「雪歩にまで飛び火させてる!?」

千早「もちろん差出人はプロデューサー名義で」

P「手あたり次第巻き込みすぎだろ!お前はどこのテロリストだよ!」

千早「そうだプロデューサー、ちょっとよろしいですか?」

P「……今度は何?」

千早「ふふっ、何でもありませーん」

P「えぇぇぇ……」

千早「呼んでみただけです」

P「仕事に戻っていいですか」

千早「ダメです」

P「即答しないで」

千早「……むぅー、やっぱりダメです」

P「今の溜めは何!?即答しないで、ってそういう意味じゃないから!」

千早「それでですね、プロデューサー、そろそろ本題に入りたいのですが」

P「散々話脱線させてるのは千早じゃないか…で、何だ?」

千早「私、実はプロデューサーにお願いしたいことがありまして」

P「この状況で俺にお願いって…どんだけ神経図太いんだよ」

千早「ふふん、どやぁ」

P「褒めてねえよ!」

千早「それで、出来ればお話だけでも聞いて頂きたいんですが」

P「まぁ、聞くだけなら別にいいけど…」

千早「実は私、ユニットを組みたいんです」

P「千早がユニット?なんていうか、意外なお願いだな」

千早「えぇ、メンバーは私と高槻さんと!我那覇さんでお願いしますっ!」

P「全然意外でも何でもなかった」

千早「お願いします、このメンバーで私にハーレムを」

P「ハーレム!?」

千早「失礼……つい本音が、げふんげふん」

P「めちゃくちゃ私欲丸出しじゃねーか!」

千早「いいじゃないですかプロデューサー、そこを何とか」

P「いやいや、そんな理由じゃとてもじゃないが許可出来ないよ」

千早「お願いします、どうか!どうか……どうかっ!この通り!」

P「うん、とりあえずちょっと落ち着いてくれるかな?土下座はマジで引くよ」

千早「残念だわ……とてもいい案だと思ったのだけれど」

P「面子としては面白いんだけど、千早の私欲が丸出しなのがちょっとなぁ」

千早「ご安心を、忍耐力には自信があります」

P「本当かよ」

千早「たぶん、おそらく…大丈夫だとは思うんですが……どうでしょう?」

P「めちゃくちゃ不安!ぜったい何かしら起こりそう!」

千早「むしろ起こしたいくらいです、色々と間違いを!」

P「本音ぶっちゃけすぎだろ!」

千早「あんな可愛い二人に囲まれて、襲わない方がどうかしています」

P「どうかしてるのはお前の方だよ」

千早「プロデューサーには耐えられるんですか?」

P「そりゃまぁ、職業柄耐えられなきゃダメだしな」

千早「私には無理です、絶対襲います」

P「何堂々と危ない発言してんだよ!」

千早「あぁ、二人ともなんて可愛らしいのかしら……あぁぁっ!」

P「千早」

千早「高槻さん……我那覇さんっ!可愛いわ!二人とも可愛いわっ!」

P「だから千早」

千早「たっかつきさーんっ!がなはさぁーんっ!可愛いわぁーっ!」

P「うん、分かったからちょっと静かにしようか」

千早「すみません、つい取り乱してしまいました」

P「うん、落ち着いてくれてよかったよ…それにしても」

千早「何でしょう?」

P「やよいは分かるんだけど、千早って響のことそんなに好きだったっけ?」

千早「それなんですけどプロデューサー……私、実は」

P「どうしたんだ、えらく思いつめた顔をして」

千早「私、実は……」

P「うん」

千早「ロリコンなのかもしれません」

P「もうお前はホント、さっきから何を言ってるの?」

千早「私、小さくて可愛らしい子を見ると、どうしようもなく気持ちが昂るんです」

P「あれ、でも亜美と真美にはそうでもなくない?」

千早「あの二人に関しては何となく、そそられないんです」

P「失礼っちゃ失礼だけど、ある意味命拾いしたようなものだな」

千早「小さくて可愛い子に興奮する…これは立派なロリコンだと思うんです」

P「あー……確かにそうなのかもしれないな」

千早「そうでしょう?プロデューサーも、同じロリコンとしてそう思いますよね?」

P「はいちょっと待った千早、ストップ」

千早「何でしょうか、プロデューサー」

P「今なんだかとんでもなく失礼なことを言われた気がする」

千早「失礼って……何のことですか?」

P「今お前、俺のことロリコン呼ばわりしなかった?」

千早「……」

P「……」

千早「……えっ、違うんですか?」

P「違うわ!断じて違うわ!」

千早「でもプロデューサー、高槻さんのグラビア撮影を舐め回すように眺めてますよね?」

P「表現が最悪すぎるだろ!そんなことしたことないわ!」

千早「最低です、このゲス野郎」

P「俺、否定したよね?にも関わらず追い打ちかけるってどんだけドSなわけ?」

千早「プロデューサー、ロリコンであることをそんなに恥じる必要はありませんよ」

P「だから違うって言ってるよね?何で俺の話聞いてくれないの?」

千早「でも高槻さん、この間言ってましたよ?」

P「ん、やよいが何か言ってたのか?」

千早「水着撮影時のプロデューサーの視線が気持ち悪いって」

P「えっ、嘘……?マジで?やよいがそんなこと言ってたの?」

千早「えぇ、言ってましたね」

P「そうだったのか……俺は無意識のうちにやよいにそんな思いをさせてたのか」

千早「まぁ、もちろん冗談ですけど」

P「すごくタチの悪い冗談はやめて!本気で心臓がギューってなったから!」

千早「大丈夫ですプロデューサー!」

P「何が大丈夫なのか俺にはもうサッパリだよ」

千早「私もロリコンですから」

P「いやいや、何の励ましにもなってないよ」

千早「あなたと同じくっ!」

P「いちいち余計なひと言付け加えてんじゃねえよ!」

千早「ちっちゃい子、可愛いですものね…それこそ持って帰りたいくらいに」

P「朗らかな笑顔でとんでもない発言するな」

千早「分かります、プロデューサーの気持ち」

P「さっきから何で俺がロリコンっていう前提で話進めてんだよ」

千早「では違うと言うんですか…?」

P「さっきから何度も言ってるよね?」

千早「プロデューサーはロリコンではないと?そういうことですか?」

P「そういうことだよ、いい加減理解してくれよ」

千早「なんでやねん!」

P「さっきから俺の頭の中を常にその言葉が支配してるよ、俺がなんでやねん状態だよ」

千早「プロデューサーという職に就いておきながら、ロリコンではないと?」

P「何そのプロデューサー=ロリコンみたいな言い方は」

千早「ロリコンじゃないプロデューサーなんて、そんなのプロデューサーじゃありません!」

P「ちょっともうお前、マジで全国のプロデューサーさんに謝れ」

千早「そういうことでしたら、分かりました」

P「そうか、分かってくれたか……たぶん分かってないと思うけど」

千早「つまりプロデューサーは男が好きなんですね」

P「やっぱり分かってなかったかー、それにしても随分話が飛躍したなぁオイ」

千早「道理で、真に対する視線が他とは違うとは思っていましたが」

P「それ、真に対しても俺に対しても失礼な発言だからね?」

千早「あとは社長に対しても」

P「それだけは断じてありえねえよ!天地がひっくり返ってもありえねえよ!」

千早「人の好みを否定はしませんが……ちょっとあまり近寄らないでもらえますか?」

P「そういう反応やめて!割と本気で傷つくから!」

千早「プロデューサーが仕事を再開してしまったわ……暇ね」

P「いや、マジでこれ終わらせないとヤバイんだよ」

千早「では折角ですし、コーヒーでも淹れましょうか?」

P「是非ともお願いしたいところだけど、今日の千早には不安しか感じない」

千早「安心してください、コーヒーくらいはちゃんと淹れて差し上げますよ」

P「……本当か?信じてもいいんだな?」

千早「大丈夫です、信じてください」

P「そうか……なら」

千早「大丈夫です、本当に大丈夫ですから、えぇ安心してください大丈夫です」

P「何回言うんだよ!却って不安になるわ!」

千早「まぁでも、丁度私もコーヒーが飲みたかったので、ついでにですけど」

P「そういうことならお願いしようかな…千早のコーヒーも久しぶりだなぁ」

千早「そうですね、美味しいコーヒー淹れますから、期待してて下さい」

P「あぁ、頼むよ」

千早「では失礼して……」

P「はい千早、ちょっと待ってストップ、おかしい」

千早「何でしょうかプロデューサー?」

P「何で今、ジャケット脱いだの?」

千早「何故、とはおかしなこと聞きますね」

P「あれ、おかしいかな?俺、至極当然の疑問をぶつけただけだと思うんだけど」

千早「では改めて、コーヒー淹れてきますね」

P「だからストップ、千早待って」

千早「……今度は何でしょうか?」

P「何でお前は今、シャツのボタンを外そうとしたの?」

千早「プロデューサーの質問の意図が私には分かりかねます」

P「えぇぇぇ……」

千早「言いたいことがあるなら、ハッキリと仰ってください」

P「コーヒー淹れるのに何で服脱ごうとする必要があるの?」

千早「ワケが分かりません、あなたは一体何を言ってるんですか?」

P「うん、ワケの分からないのは俺の方なんだけどね」

千早「プロデューサーは何か勘違いしておられるようですね」

P「俺、何か勘違いしてた?」

千早「服も脱がずに、コーヒーが淹れられるわけがないじゃないですか」

P「もう俺、どんな反応すればいいかわかんないよ」

千早「昔の人がこんな風に言っていました」

P「……なんて?」

千早「服脱がざるもの、コーヒー飲むべからず、と」

P「語呂悪っ!」

千早「というわけでしばしお待ちを、コーヒーを淹れて参りますので」

P「うん、コーヒーはもういいや、お願いだから大人しくしてて」

千早「プロデューサー、構ってくれないんですか?」

P「もう十分だろう、頼むから仕事させてくれって」

千早「出来るものなら、やってみなさい」

P「いやホントもうお願いだから……あっ悪い、電話かかってきた」

千早「……」

P「お電話ありがとうございます、765プロでございます」

千早「とぅるるるる、とぅるるるる」

P「お世話になっております、その節はありがごとうございました……えぇ、はい」

千早「とぅるるるるん……もしもしボス、千早です」

P「すみません、ちょっと失礼を……千早、うるさい」

千早「今の電話は何だったんですか?」

P「いや、この間出させてもらった番組の担当ディレクターさんなんだけどさ」

千早「あぁ、枕営業の話ですか?」

P「涼しげな顔して何サラっととんでもない発言してんだよ!」

千早「違うというんですか?」

P「違うに決まってるよね?どう間違ってもそこでYESなんて答えるわけないよね?」

千早「それで、何の話だったんですか?」

P「いや、まぁ何というか……ちょっと大きな仕事が転がり込んできそうでさ」

千早「あら、それはお目出度いことじゃないですか」

P「それでだな、出来れば今から会って話がしたいって言うんだよ」

千早「そうだったんですか…では今やっている仕事は?」

P「まぁ、後回しにせざるを得ないよな」

千早「面倒だから音無さんに丸投げしちゃいましょう」

P「お前はマジで音無さんのことなんだと思ってるわけ!?」

千早「とても優秀な事務員だと思いますよ」

P「わぁ、なんて白々しい物言い」

千早「とは言え、仕事をやり残したままにするなんて、未熟極まりないですよね」

P「そうだね、仕事が未だに片付いていないのは主にお前のせいなんだけどね」

千早「人のせいにするなんて、そんなのダメですよプロデューサー」

P「人のせいにも何も、見紛うことなき事実だろうがっ!」

千早「分かりました、そこまで言うなら私が責任を取りましょう」

P「責任、ってどういうこと?」

千早「この私が、あなたの仕事を代わりに片づけておいて差し上げます」

P「お断ります」

千早「まぁまぁ、遠慮なさらずに」

P「遠慮でもなんでもないし!全力で御免こうむるよ!」

千早「大丈夫です、おふざけは半分くらいに抑えますから」

P「おふざけ前提!?いやいや、半分でもダメだから!」

千早「ふふっ、腕が鳴るわね」

P「なんでもうやる気になっちゃってるの?おかしくないかな?」

千早「プロデューサー、早く行かないと間に合いませんよ?」

P「分かってるけどお前を一人残していくのが不安でしょうがない」

千早「プロデューサー、気遣いは嬉しいですが今はそういう状況では」

P「気遣いじゃないから、これ断じて気遣いじゃないから」

千早「さぁ、ここは私に任せて早く行ってください」

P「任せられない、とてもじゃないけど任せられない、恐くて出て行けない」

千早「早くお行きなさい、間に合わなくなっても知りませんよ?」

P「あぁもう時間が……俺もう行くけど、ホントに何もしなくていいからね?」

千早「と言いつつ心の中で千早頼んだぞ、と呟くプロデューサーなのであった」

P「絶対何もしないでね?これネタ振りじゃないからね?マジで頼むよ!?」

――――
―――

春香「ただいま戻りましたー!」

千早「春香、お帰りなさい」

春香「あれ千早ちゃん?今日オフじゃなかったっけ?」

千早「えぇ、そうよ」

春香「どうして事務所にいるの?」

千早「春香とお話したくて、来てしまったのよ」

春香「もう千早ちゃんったら口が上手いんだからー!えへへっ、うれしいな」

千早「もう仕事は終わったのかしら?」

春香「うん、今日はもう終わりだよ!ところで千早ちゃん、何やってるの?」

千早「プロデューサーの仕事を手伝ってあげてるのよ」

春香「プロデューサーさん?でも今いないよ?」

千早「打ち合わせで今外に出ているわ、だから私が代わりにね」

春香「そうなんだ、千早ちゃんは優しいねー!」

千早「ふふっ、ありがとう…でももう終わったところだし、一緒に帰らない?」

春香「うん、いいよっ!それじゃあ準備してくるから待っててね」

千早「さて、そんなわけで今日の相手はまさかのプロデューサーだったのだけれど」

春香「ねぇねぇ、今更だけどそれってホントに独り言なの?それとも誰かに話しかけてるの?」

千早「案の定、彼は見事におちょくり甲斐のある人だったわ、期待通りね」

春香「ですよねー、やっぱスルーされちゃうよねー、まぁ春香さん分かってたけどさ!」

千早「さて、お次は誰のところに暇つぶしに行こうかしら…楽しみね」




おわり
久しぶりに暇つぶしで書かせていただきました、ありがとうございました

>>18
千早「暇〜みたいなタイトルで5作くらい続いていたやつなら多分自分だと思います

18:25│如月千早 
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