2013年11月06日

高垣楓「おいしいコーヒーの淹れ方」

楓「……」スヤスヤ


ポン


楓「?」

P「終点ですよ。お客さん」

楓「…え?あれ、あ、は、はい。ごめんなさい。あら私ったら、あわわ」

P「ゆっくりでいいですから、忘れ物のないように。お気をつけて」

楓「あ…はい。気を遣って頂いて…… ?」

楓「あら…プロデューサーさん、いつの間に電車の車掌さんに?」

P「なってません」ペチ

楓「あぅ」

楓「……??」サスサス


ピコーン


楓「あ、ここ事務所だ……」

P「はい」



・楓さん
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楓「なーんて、冗談です。元々私、電車にはあまり乗りませんから」

P「そうなんですか?」

楓「はい。ここも徒歩で通える距離ですし、」

楓「歩いた方がいろいろと発見があって、楽しいです」

P「なんだか素敵な信条ですね」

楓「ふふ。ありがとうございます」

楓「そうだ。それで昨日の帰り、そこの公園の側におでんの屋台が出ているのを見つけて」フフフ…

P(前言撤回)


コテン


楓「……」

楓「…」


シーン…


楓「……静かだなー…」

楓「…」コロコロ…



楓「いぅ」ガゴン

楓「……ぉぉ」ジンジン

楓「…?」

楓「……、これ…」カタ


P「そのミルがどうかしましたか?」

楓「ミル?」

P「ミルですね」

楓「……あ、これミルなんですか。てっきり、もっといかつい名前かと」サスサス

P(と言われても)

楓「可愛い名前しやがってー、なんて」

P(あなたが可愛いです)


楓「…」サスサス

P「…」

楓「……」サスサス…

P「……あの」

P「…淹れましょうか。せっかくだし」

楓「いいんですか?」

P「一杯くらいなら、まあ」

楓「すいません。えへへ」サスサス


P「ちょっとうるさいですけど」

楓「はい」


カチ

ガガ、ガガガガガ…


P「これでちょうど二人分です」

楓「はい」


ガチャ


P「元々、親父を真似て買ってみたんです」

楓「お父さまも、コーヒーがお好きなんですね」

P「ええ。それこそ手挽きのミルも持ってたはずです」

P「……さっき他人事みたいに言いましたけど、俺も子どもの頃に、」

P「親父に『俺も飲んでみたい』ってせがんだことがあって。案の定おいしくはなかったですけど」

楓「はい」

P「そのときの、親父の……悲しそうな、申し訳なさそうな、なんとも言えない表情はいまでも覚えてます」

楓「……」

P「だからいまになって、あああのとき親父はこんな気分だったんだって。……あの、親になったわけでもないのに、おかしなこと言ってるなあとは思いますけど」

楓「…おかしいなんて、そんな」フルフル

楓「プロデューサーさんは、みんなのお父さん――…くらいに頼れる人ですから。あながち間違いでもないですよ、きっと」

P「…はは。ありがとうございます」

楓「いえ。ふふふ」


P「で、じゃあ粉になったコーヒーにお湯を注いで行きますが…」

P「やってみますか?」

楓「わ、私がですか」

P「ええ。せっかくなので」

楓「は、はい。で、では、せっかくなので」

P「はい」


P「あとは中心からそっとお湯を注いで行きます」

楓「は、はい。そっとですね」プルプル…

P「すいません。もう少し勢いよくでも大丈夫です」

楓「……勢いよく…」ドバー

P「大洪水です」

楓「あわわわ」







P「と、いうことで、入りました」

楓「はい!」エッヘヘ

P「楓さん、カップをどうぞ」

楓「あ、すいません。お酌をして頂いて…。今度はプロデューサーさんが」

P「コーヒーですけどね。どうも」

楓「…乾杯します?」

P「…えと、じゃあ、はい。せっかくなので」

楓「乾杯」

P「乾杯」カチン


楓「……♪」

P「…」

P「あの」

楓「?」

P「そんなにおいしかったなら、よかったらあげますよ。このミル。ついでにいまなら、フィルターとかも一通り揃ってるのでお得ですよ」

楓「お得ですか」クス

楓「でもこの子は、けっこう高いものでは…」

P「まあそうですけど。でもどうせ、しばらくしたら使わなくなっちゃいますし」

P「おいしく飲んでくれる人に使われた方が、こいつもたぶん嬉しいだろうし」ポン

楓「……」

楓「あの、それなら」

P「?はい」


P「……じゃあ、そうですね」

P「持って帰るのも面倒だし。…これからは、一緒においしく飲んでくれる人もいるし」

楓「…」コクコク

P「はい」クス

P「こいつはしばらく、ここに置いておきましょうか」

楓「はい。それがいいと思います」

P「はい」

楓「はい♪」


楓「私、今日で分かったような気がします」

楓「おいしいコーヒーの淹れ方は、淹れ方じゃないです」

P「え?な、なんですか、それ」

楓「ふふっ。なんでしょー。私とは少し違うかもしれないけど…お父さまにでも、聞いてみてください」

P「親父に??」

楓「ふふふふっ。さー帰りましょ、プロデューサーさん」

P「あ、はあ」

楓「♪」

P(……、ま、いいか。コーヒーが、)

楓「おいしかったです。ね?」

P「ええ。おいしかったですから」



おわり

おわりん

豆は知らんだ

18:48│高垣楓 
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