2014年07月05日

モバP「村上巴の激情」

アイドルマスターシンデレラガールズ 村上巴のSSです



アイドルそれぞれに担当Pがいる複数P設定です、ご了承ください

あと今回は広島弁が飛び交うので非常に読みづらいと思います、ごめんなさい





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404233286



ちひろ「おはようございますー」



P「おう、おはようさん」



ちひろ「あっ、巴ちゃんの…」



P「朝はようから大変じゃのぉ、ちひろさんも」



ちひろ「いえいえ、お仕事ですから」



P「巴に聞かしちゃりたいでそのセリフ、まあ最近はようようカバチたれんと仕事するようになったがの」



ちひろ「???」

P「ああ、悪ィのぉ…巴につきおうとったら中々広島弁が抜けんけぇ困りもんじゃ」



ちひろ「無理に直す必要もないとは思うんですけどね」



P「ほうかのぉ…ガラ悪ィけぇプロデューサーとしちゃあ直したほうがえかろうよ」



ちひろ「巴ちゃんとプロデューサーさんが二人でしゃべってるトコ見ると親子みたいで微笑ましいですけどね」クスクス



P「やめてくれぇやちひろさん、あがなクソ生意気な娘いらんわい」



巴「ほぉ…よう言うたのぉ、Pよ」ユラリ



P「…お前、どこに隠れとったんなら」



巴「ちひろさんと一緒に入ってきたわいや、その節穴どうにかせえ」



ちひろ「はいはい、喧嘩はやめてください」



P「まあええわ、ほいじゃあ仕事行くで」



巴「わかっとるわ、いちいち言わんでええ」



P「ほれじゃあ行ってきますけぇ」



バタン



ちひろ「…相変わらず迫力あるわね、巴ちゃんのプロデューサーさん」



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巴「…今日の仕事はなんなら」



P「今日は午前中にレッスンして、午後からLIVEバトルのリハーサルじゃ」



巴「ライブか…まーたあがなヒラヒラした衣装を着んにゃあいけんのか」



P「安心せえ、今回は緋桜の衣装じゃけえ」



巴「ほうか、それなら気合入れにゃあいけんのぉ」



P「仕事なんじゃけいっつも気合入れとけ言うとろうが」



巴「わかっとるわい、ようよう最近はアイドルっちゅうもんも楽しゅうなってきたんじゃ」



P「ええことよ、オヤジさんも喜んどるじゃろ」



巴「親父はいつも通りよ、すっかり丸うなってしもうた」



P「その分お前がええがにしちゃりゃあええんよ」



巴「最近はウチの若いんもお嬢お嬢と…やかましゅうてかなわんわ」



P「…えらそげな事言うとる割にゃあ嬉しげな顔しとるじゃないか」



巴「じゃ、じゃかあしい!ニヤニヤすな、前見て運転せえ!」



P「村上のオヤジからおのれを任された時にゃあどうなるんかと思うたがのう…なかなかどうして、ええがにやれとる」



巴「…ほうか?」



P「ほうよ、アイドルっちゅうんはワシもよう分からんがの…まあそれなりにファンもついとるようじゃし」



巴「義のアイドルっちゅう代紋はよう分からんがのぉ…背負え言うんならやらにゃあいけんでよ」



P「世の中どこまで行こうが義理人情よ、おのれのファンにゃあそれがわかっとるんじゃろう」



巴「ほうか、それならええんじゃ」



P「…まあおのれはまだガキじゃ、今のうちにヒラヒラしたんやキラキラしたんをやっとけ」



巴「だ、誰がガキなら!うちを子供扱いすな!」



P「そがあにすぐ噛み付いて来るトコがガキじゃっちゅうんじゃ…ほら、着いたで」



巴「…いつも通り一人でええ、どっか行っとれ」バタン



P「ええがにしてもろうて来いよ」



巴「分かっとるわ、ほんまにぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあと…オヤジが二人おるみたいじゃ」スタスタ



P「…一人でええ、か」

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P(まあ一人でやらせるわけなかろう、オヤジさんから任されとるんじゃけしっかり見とらにゃのぉ)



トレーナー「はい、1、2、3、4!」



巴「はぁっ…はぁっ…」キュッ



トレーナー「いいわよ巴ちゃん!じゃあ今のところもう一回!」



巴「何べんでもやっちゃるわ…バシバシ来い!」



P(何だかんだ言うて真面目にやっとるのぉ…)



???「そこで何をしてらっしゃるんですか?」



P「…お?」クルッ



雪美P「おや…村上さんの」



P「おぉ、アンタは確か佐城さんの」



雪美P「今日はご見学ですか?」



P「まあ、そがあなトコじゃのう…アレは中々強情じゃけぇ、こがあに外からこっそり見るしかないんじゃ」



雪美P「それは…大変ですね」クスッ



P「なあにいつもの事よ、それよりアンタんとこのアイドルはどうしたんじゃ。

ここにおるっちゅうことはレッスンじゃろうが」



雪美P「ええ、雪美も中で一緒にレッスンしてるはずですよ」



P「…見当たらんでよ」



雪美P「…ええ?」



雪美「P……ここ…私……いる…」



P「おや嬢ちゃん、久しぶりじゃのぉ」



雪美「ん…こんにちは……」ペコリ



雪美P「雪美…レッスンはどうした?」



雪美「私……レッスン……終わった…だから………P…探してた…」



雪美P「そうか…そういう時は電話してくれって言ってるだろ?」



雪美「電話………必要…ない……Pと…私…繋がってる……から………」



P「お二人さんはいつも通りええ仲じゃのぉ、羨ましいで」



雪美「ふふ………」



雪美P「そ、そうですかね…

P「もうちぃと自信持っちゃり、嬢ちゃんの期待を裏切ったらいけんでよ」



雪美「P……いこ…?」



雪美「…ありがとうございます、ほら雪美も、挨拶」



雪美「また……ね………」フリフリ



P「おう、またのぉ」



P「……さぁて、ワシもちいと気合入れにゃあのぉ」スタスタ



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巴「ありがとうございました…おや」



P「おう、お疲れさん」



巴「なんじゃ、おったんか」



P「随分なご挨拶じゃのぉ、折角タイミング見計らって迎えに来ちゃったゆうんに」



巴「…ほんまに几帳面じゃの、顔に似合わんと」



P「いらんこと言いよらんと、はよ支度して来い」



P「ほんまに可愛げのない奴じゃの…」



巴「聞こえとるぞ!」



P「…すまんかったの」



巴「ほいで?次はライブのリハーサルっちゅうやつじゃったか」ゴソゴソ



P「扉開けっ放しで着替えるのやめえ、恥ずかしゅうないんか」



巴「…どうせPしかおらんのじゃけええわい」



P「なんじゃ?よう聞こえんかったけもっぺん言ってくれえや」



巴「閉めりゃあええんじゃろ閉めりゃあ」バタン



P「ほんまにアイツは…」



シャー



P「おなごたぁ思えん性格しとるのほんまに、アレで嫁の貰い手なんかあるんか」



シャー



……♪ …♪



P「シャワー浴びながら鼻歌、のぉ」



P「…演歌じゃなけりゃあ年相応に可愛げがあるっちゅうんに」



シャー… キュッ

P「出たんか?頭はようよう拭いとけよ」



巴「やかましいのほんまに、おのれは親父か」ガチャ



P「…言う事を聞かれん奴じゃの、ほれこっち来い」グイッ



巴「やっ、やめえ!頭くらい自分で拭くわ!」ジタバタ



P「じゃかぁしい、黙ってじっとしとれ」ワシワシ



巴「……」



P「……」ワシワシ

巴「…もうええ」



P「ようない、まだ濡れとる」ワシワシ



巴「ぐぬ…」



P「……ほれ、これでええじゃろ」ポン



巴「……とう」



P「なんじゃ?」



巴「ありがとう言うたんじゃ!何べんも言わすな!」



P「素直に言えーや、ほんまに…」ナデナデ



巴「撫でるな!」バシィ



P「おーこわ…」



巴「人を小馬鹿にするんもええ加減にせえよ、P」



P「…ガキの接し方なんかよう分からんけえの、気に障ったんなら謝るわ、すまんの」ペコリ



巴「……男が安々と頭下げるなや」



P「男も女もあるか、悪いと思うたら相手が誰でも頭下げるんは当たり前じゃ」





巴「…ほうか」



P「ほうよ」



巴「ほしたらしょうがないの、次からはあんまりうちを子供扱いすなよ」



P「まぁ考えといちゃる」



巴「…ほんまにこの男は」



P「オヤジさんにようよう頼まれたけえの、こっちじゃワシが親代わりよ」



巴「…まぁええか、親父よりはおのれの方がなんぼか融通きくけぇのぉ」



P「まあやかましい叔父がおるとでも思うとけぇや」





巴「ほんまにやかましいだけじゃがの…」



P「言うとれ、ほら行くで」



巴「先行っとれ、うちはトレさんに挨拶せにゃあいけんのじゃ」



P「おぉ、言われてみりゃあそうじゃったの、ワシもよろしゅう言うとかにゃあいけまぁよ」



巴「おのれは顔が無駄にいかついんじゃけ引っ込んどれ、トレさんが腰抜かしてしまうわ」



P「よう言われるがのぉ、そがあにワシの顔は恐ろしいんか」クビカシゲ



巴「…どう見たところでカタギの顔とは思えんのぉ」

P「ほうか…」ションボリ



巴「…ほれ、行くでP」



P「…ええわ、おのれだけで言うて来い。

プロデューサーがよろしゅう言うとりましたとでも言うといてくれ」



巴「大の男がはぶてなや、みっともない」



P「はぶてとらんわい、ええけとっとと…」



ガチャ



トレ「あら?巴ちゃん…とプロデューサーさん?」

巴「おおトレさん、もう上がりか」



トレ「ええ、今日は巴ちゃんが最後だから…どうしたの?」



巴「?なんがじゃ?」



トレ「その…プロデューサーさん落ち込んでないかしら?」



P「……」ズーン



巴「ほっとけ、見た目とちごうて女々しい奴じゃ」



トレ「もう…駄目よ?ちゃんと仲良くしなきゃ」クスクス



巴「ええわいや、こがあなんはやかましいけコレくらい静かなんが丁度ええわい」



P「…ああ、どうもトレーナーさん」ズーン



トレ「お疲れ様ですプロデューサーさん…どうかされました?」



P「いや、その…」



巴「うちが恐ろしい顔じゃ言うただけでコレよ、情けない奴じゃ」



トレ「駄目でしょ巴ちゃん、そういう事を言っちゃ」メッ

P「ええんです…どうせワシャあ任侠映画のチンピラみたいな顔しとるんですから…」ズーン



トレ「そんなことありません、私はとっても男らしくて素敵だと思いますよ」



P「…ほんまですか?」



トレ「ええ、もちろん」



P「…ありがとうございます!これからもうちの巴によろしゅうしちゃってください」ペコ



トレ「はい、喜んで…ふふ♪」



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P「〜♪」



巴「現金な奴じゃのぉ…」



P「なんか言うたか、巴」ニコニコ



巴「その顔でニコニコすな、気色悪い」ケッ



P「いやあ、あのトレーナーさんはええ人じゃ…おのれも迷惑かけんようにせえよ」



巴「分かったけぇ運転に集中せえ」



P「……ほいで、次の仕事じゃが」



巴「わかっとる、リハーサルじゃろうが」



P「段取りはええがに出来とんじゃろうの?」



巴「うちを誰じゃ思うとるんなら、そのくらい当たり前よ」



P「ほうか、おのれがそう言うんじゃったらまあええじゃろ」



巴「…嫌味の一つでも飛んでくるんか思うたが」



P「ガキ扱いすな言うたんはおのれじゃ、ほいじゃったらもうちいと信用してやってもえかろう思うただけの事よ」



巴「…ほうか」ギシ



P「向こうに着くまでにゃあしばらくかかるけ、今のうちにちいとでも寝とれ」



巴「ほうじゃの、ちいと横にならせてもらうわ」



P「シート倒してええで」



巴「ん…」ギィ



P「おやすみ」



巴「おやすみ…」

P「……」



巴「…すぅ」スヤスヤ



P「…寝たか、どうじゃこうじゃ言うたところで寝顔はまだまだ歳相応じゃの」ナデナデ



巴「んぅ…」



P「…頑張れぇよ、巴」



巴「……」スヤスヤ

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P「…着いたで、そろそろ起きぃよ」



巴「んっ…ふぁあ…」



P「しゃっとせえ、しゃっと」



巴「ああ…よう寝たわ」ノビー



P「目ぇ覚めたんか?まだ余裕はあるが裏方の人らにも挨拶回りせにゃあいけんのじゃけ、そがあに時間ないで」



巴「わかっとる、もうバッチリじゃ」ガチャ、バタン



P「気合入れて行けぇよ」ガチャ、バタン



巴「当たり前じゃ、うちを誰じゃと思うとる」



P「頼もしいの、お嬢は」



巴「おのれがお嬢言うな、むずがゆうなってくるわ」



P「それだけ口答えできりゃあ十分じゃの、ほら入るで」



アッムラカミサン、オハヨウゴザイマース!



オハヨウゴザイマース!



巴「今日は、よろしゅうお願いします」ペコリ



P「本番は明日じゃ、そがにかしこまらんでもええ」



巴「わかっとらんの、リハっちゅうても観客がおらん以外は本番と代わりゃあせん」



P「ほうか、ええ心意気よ」



アッ、トモエチャン!マッテタワヨキョウモカワイイワネー!



巴「げっ、衣装の…」



ホーラ、イショウアワセイクワヨー!キョウハドンナカンジニシヨウカシラ!



巴「や、やめえ!引っ張るな!おい、助けぇP!」ズルズル



P「ええがにしてもろうてこい」



巴「裏切り者ぉぉぉ!」



ズルズル…バタン



アアアアアアアア…



P「…芸能界っちゅうんは、恐ろしいところじゃの」



???「村上さんのプロデューサーさん、ですか?」



P「おたくは…」



D「今回のLIVEバトルのディレクターをさせていただいてます、Dと申します」



P「こりゃご丁寧にどうも、今回はよろしゅうお願いします」ペコリ



D「いえいえ、こちらこそ…CGプロさんとはいつも良いお仕事をさせてもらってますので、ご挨拶をと」



P「お気遣い、痛み入ります」



D「そうかしこまらないでください、今回も良いライブにしましょう!」



P「はい、それはもちろん」



D「では、私はまだ打ち合わせが残っているのでこれで…」



P「…あがあにまともな人もおりゃあ、妙なモンもおる…ほんまに分からんトコじゃのう、芸能界っちゅうんは」



巴「…おい、P」



P「ん…おお」



巴「着替え、終わったで」



P「うんうん、よう似合うとるじゃないか」



巴「やかましい、ジロジロ見な」



P「ワシが一人見るくらいでなんなら、ステージ上がりゃあようけようけ人がおるんぞ」





巴「おのれの視線はまた別なんじゃ、ええけジロジロ見るのをやめえ」



P「わかったわかった、ほいじゃあぼちぼち挨拶しに行こうかのぉ」



巴「そういやあ、今回のライブは誰とやるんなら」



P「なんじゃったかのぉ…確かAKUTOKUプロとかいう名前じゃった気がするんじゃが」



巴「…なんじゃおかしげな名前しとるのぉ、イメージっちゅうもんがあろうよ」



P「そりゃあワシらにゃ関係ないことじゃ、ええけえちゃっちゃと行くで」



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巴「…ほんまに挨拶せにゃあならんのか?」



P「誰じゃろうとスジは通せ、おのれも村上の娘ならそれくらい分かるじゃろうが」



巴「行く先行く先で『あそこにゃあ気をつけぇよ』じゃの言われとりゃあ嫌気もさすわい」



P「それでもじゃ、こっちがスジを通しとりゃあ後々なんかあろうがどうとでもできる」



巴「気が進まんのぉ…」コンコン



ハーイ、イマアケマース

A子「どちらさま…ひっ!」



P「どうも、今回ライブでご一緒させていただく村上巴とそのプロデューサーです」



巴「…どうも」ペコリ



A子「ぷ、プロデューサー!ヤクザ!ヤクザが来た!」バタバタ



巴「失礼な奴じゃの…」ボソ



P「おのれがいっつもワシに同じこと言うとるじゃろうが」ボソ



悪徳P「なんの御用ですか」



P「いえ、共演させていただく身として今日はご挨拶をと…」



悪徳P「あーあーはいはい、ご苦労さま。

村上さんだっけ?たしか方言で売り出してるイロモノアイドルの」



巴「…口の利き方を知らんようじゃの」



P「おのれは黙っとれ。

まあ今日はリハーサルってことですんで、よろしゅうお願いしますよ」



悪徳P「どーも、せいぜいウチのアイドルの足引っ張らんようにお願いしますよ」ニヤニヤ



巴「人が黙って聞いとりゃペラペラと…」

P「巴…」ギロッ



巴「……」キッ



A子「巴ちゃんだっけ?よろしくね!」ニコ



巴「…おお」



A子「…あと、そっちの顔が怖いプロデューサーさんも」オソルオソル



P「いや、こりゃご丁寧に…すいませんね」ペコリ



悪徳P「用事が済んだならとっとと出て行ってください、こっちはお宅と違って忙しいんですから」





巴「おどれに言われんでもいぬるわい、胸クソ悪い」



P「失礼します」バタン



巴「…ようこらえたのぉ、Pよ…腹立たんのかおのれは」



P「あがなこまい人間、相手にするだけ無駄じゃ」



巴「あれだけ言われたんじゃ、借りはステージで返さにゃあいけまあよ」



P「おう、その意気よ。

ワシも舐められっぱなしは性に合わんけぇの、目に物見せちゃれ」



巴「売られた喧嘩は絶対に負けん、それがうちのモットーじゃ。

心配すな、うちがビシッと決めてきちゃるけぇ」



P「ただ、それをしてええのは今日だけじゃ。

明日の本番は、ファンのために全力でやれ…ええな?」



巴「わかっとる、うちについて来てくれとるもんの期待は裏切れんけえの」



P「そうじゃの、それが一番大事なことじゃ。

アイドルでも、人生でも」



巴「…おのれがそがあな事言うのも珍しいのぉ」



P「…ほれ、そろそろ始まるで、行って来い」



巴「わかった、よう見とれよP!うちの勇姿をの!」



P「怪我だけはすなよー」



ワカットルー!



P(…つい、ガラにもない事を言うてしもうた)



P(いかんの、イライラしとるんが自分でもよぉ分かるわ)



P(頼むで巴…口先だけのアイドルとは違う、いうことを見せつけちゃれ)



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〜舞台裏にて〜



悪徳P「…CGプロか、忌々しい」



悪徳P「実力もなく、事務所の金だけでデビューしたアイドルなんぞにウチが負けてなるものか…」



悪徳P「くくく…見てろよ」カチャカチャ



D(あれは…悪徳Pさん?こんな所で一体何を…)



D(声をかけておくか)

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スタッフA「音響スタンバイOKでーす!」



スタッフB「あーライトもうちょっとこっち!そうそう!」



スタッフC「アイドルのお二人も、準備オーケーですかー?」



巴「うちは完璧じゃ、いつでもええ」



A子「こっちも大丈夫でーす!」



巴「…おたくにゃあ、負けんからな」ギロッ

A子「あはは…ごめんなさい、ウチのPさんが」



巴「…おのれはちいたあマシのようじゃの」



A子「あはは…」ニガワライ



巴「今回はファンがおらん、つまりうちとおのれの一騎討ちじゃ」



A子「…そうだね、負けないよ!」



巴「よう言うた、うちも全力でいかしてもらうけぇの!覚悟せぇよ!」



ソレジャアリハハジメマース!

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巴「〜〜♪〜♪」



A子「〜♪〜〜♪」



P(ともかく無事に始まったのぉ…あとは巴のお手並み拝見じゃ)



D「村上さんのプロデューサーさんですね?」



P「おお、あんたはさっきの…Dさんじゃったか」



D「ええ、ちょっと今よろしいですか?」



P「巴からしっかり見といてくれと頼まれたんじゃ、ここでもええなら話くらいは聞こう」



D「すみません、実はさっき舞台裏で不届き者を捕まえましてね」



P「不届き者じゃと…?」



D「こいつですよ」



悪徳P「わ、私は何もしていない!言いがかりをつけるのはやめていただこうか!」



P「こいつぁ…」



D「舞台装置に細工をしようとしていた所を運よく私が見つけなかったら大事故でしたよ」



P「ほぉ…」ジロリ



悪徳P「ひっ!?

…わ、私に何かあったら事務所が黙ってないぞ!」



P「…Dさんよ、よぉ知らせてくれたの」



D「いえ、我々としてもライブがこんな形で中断されたくはないですから」



P「警察にでも突き出すんか」



D「そうですね、それも考えていますよ」



悪徳P「わ、私は何も」



P「おどりゃ少しは黙っとられんのか!」



悪徳P「……っ」

P「…大声出して悪かったの」



D「…は、はい」



P「それともう一つ、虫のええ事を言うようで悪いんじゃが」



D「なんでしょう」



P「今回の件はうちとこいつのトコで話つけるけえ、出来ればワシにいっぺん預けてもらえんじゃろうか」



悪徳P「…じ、事務所どうしで話し合いとでも言いたいのか!私を脅す気か!」



P「……」ギロ



悪徳P「ひっ…」



P「…どうかいの?」



D「まぁ、CGプロさんがそうおっしゃるならこちらとしては構いませんが…」



P「恩に着ますわ」ペコリ



D「…いいえ、とんでもない。

では私はこれで失礼します」



P「……さて、と」クルリ



悪徳P「ぼ、暴力か!私はそんなものには…!」



P「見てみぃ、あのステージを」



悪徳P「は…?」



巴「楽しいのぉ!ええステージじゃと思わんか!」



A子「はい!とっても!」



巴「〜〜♪」



A子「〜〜♪」



悪徳P「……」



P「おどれはあれを台無しにしようとしたんじゃ、プロデューサーとしてなんも思わんのか」



悪徳P「…っ」



P「勝ち負けいうんももちろん大事じゃが…それ以上に大事にせにゃいけんもんが、あるじゃろうが」



悪徳P「……」



P「…ようわかっとるみたいじゃの、それならワシが言う事もはぁありゃせんわ」



悪徳P「ぐ……」



P「これだけ贅沢なライブじゃ、楽しまにゃあ損じゃろう」



悪徳P「……謝罪は後日、事務所のほうから改めて出させていただきます」



P「…ほうか」



巴「P−っ!ちゃんと見とるんかー!?」



P「しっかり見とるわい!ええけえライブに集中せえ!」



悪徳P「……失礼します」



P「見ていかんのか」



悪徳P「今は、あの子に合わせる顔がありませんので」



P「きっちり反省せえよ」



悪徳P「……では」スタスタ



P「やれやれ…ほんま、芸能界っちゅうのはよう分からんトコじゃのぉ…」

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巴「おう、見とったかP!うちがきっちり勝ったで!」



P「おお、ようやった…カッコえかったで」



巴「当たり前じゃ、Pの見とる前で不甲斐ないことはできんけぇの」



P「本番も、あれくらいビシッとしてくれえよ」



巴「なーにを言うとるんじゃ、そがあなん当たり前よ!もっと凄いライブにしちゃるわ!」



P「そりゃあ楽しみじゃの…ほいじゃあ、着替えてどっかで飯でも食うて帰るか」



巴「うちは久しぶりにお好みが食いたいわ」



P「ちいと遠うなるがええとこを知っとる、そこに連れてっちゃろう」



巴「ほんまか!今から楽しみじゃのぉ!」ニコニコ



P「のぉ、巴…」



巴「なんじゃ?」



P「アイドル、楽しいか?」



















巴「Pと一緒にやる言うんじゃったらまぁ…悪くないかの…ええい、ニヤニヤすな!」



















おわり



17:30│村上巴 
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