2013年11月07日

亜美「ホ→ム!」真美「アロ→ン!」

〜12/23 早朝、765プロ事務所〜

ドタドタドタ…

亜美「とりゃ→!」バシッ!


真美「ムムム、やったな→!?」バシッ!


律子「こらぁー!事務所の中で遊ばないの、静かにする!」

亜美・真美「はーい」


真美「ちぇっ、また律っちゃんに怒られちった。チャンバラ面白いのに」

亜美「いーじゃん、また皆にイタズラしようZE!」

真美「そだね!」


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ガチャッ

響「はいさーい!」

小鳥「あら響ちゃん。おはよう、早いわね」

響「そりゃそうさー!今日は皆でおでかけだし、時間は守るぞ!」

律子「殊勝な心がけね」

響「ふふん、何たって自分完璧…」

ツツー…

響「うぎゃああああっ!!!」ビクッ!

響「な、何っ!?……うわ、冷たっ!」


亜美・真美「イェ→イ!」「おっは→!」

響「あっ、亜美と真美!」

真美「んっふっふ〜、実はひびきんの首筋から雪を入れたのでした→」

響「ゆ、雪っ!?」

亜美「窓に結構積もってたしね。やっぱひびきんは良いリアクションしてくれますな→」ウンウン

響「朝っぱらから何するさー!」ウガー!

亜美・真美「わ→い!」ドタドタ…


小鳥「まったくもう、あの子達ったら…」

小鳥「よっこいしょ」スッ

ブーッ!

小鳥「ピヨッ!?」ビクッ!

亜美「あー!ピヨちゃんがオナラした→!」

律子「こ、小鳥さん…?」

小鳥「ち、違います!ほら、臭いしないでしょ!?……ほら、しない!」スンスン

律子「必死過ぎますよ、小鳥さん」


真美「ねーねーピヨちゃん、そのクッション返してYO〜」

小鳥「へっ?クッション……あーっ!」

亜美「あはは、今頃ブーブークッションに気づいてる→」


小鳥「こぉらぁーっ!」ピヨーッ!

亜美・真美「わ→い!」ドタドタ…

ガチャッ

春香「おはようございまー…」

亜美「わき腹コチョコチョー!」コチョコチョ

春香「うわあぁっ!?」ビクッ!


P「さてと、書類をまとめないとな…」ガラッ

ビヨヨン!

P「うおおぉっ!?」ドテーン!

真美「ビックリ引き出し大成功ー!」


雪歩「真ちゃん、お茶淹れたよ」コトッ

真「ありがとう雪歩!へへっ、やっりぃ〜」

真「いただきまーす」ズズッ

真「ぐおああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ボーッ!

雪歩「ま、真ちゃん!?」

亜美「ハバネロを塗っておいたのさ!」キリッ

美希「あーんもう!ミキの下着返すのー!」ドタバタ

亜美「うおぉー、ミキミキのブラでかーい!」ドタドタ

真美「これを装備すれば、真美達もセクチ→なボデーに…!」


律子「なるかっ!」ゴツン ゴツン

亜美・真美「痛い!」


律子「全くもう!いい加減イタズラは禁止!分かったわね!?」

亜美「律っちゃん、怒ってばっかだとシワが増えるYO?」

律子「なんなら、あんた達だけ今日からここでお留守番でも良いのよ?」ギロッ

真美「そんなー!堪忍してくだせぇ、お代官様ぁ。後生だー、殺生だー」

亜美「亜美達良い子にするからさぁー、連れないこと言うなよセニョールぅ」

律子「だったらおとなしくする!」ドンッ!

亜美・真美「ひええぇぇぇぇ」

亜美「トホホ……ゆとり世代には辛い社会になってしまいましたなぁ」

やよい「うーん、あれはやっぱり亜美と真美が悪いよー」

真美「やよいっちまで……もうダメだ……おしまいだぁ…」

やよい「うぅ……」


伊織「やよい、こんな二人の言う事をマジメに聞いてちゃダメよ」

やよい「あっ、伊織ちゃん」

真美「こんな二人とは何だ!失礼だ!」

亜美「そ→だそ→だ!いおりんだってデコ広いじゃん!」

伊織「なっ……か、関係無いでしょ!ていうか広くないわよ!」


亜美「スキあり!携帯のライトを喰らえ!」ピカッ!

伊織「きゃっ!」ピカー

真美「うおっ、まぶしっ」


伊織「あんた達ねぇーっ!!」キィーッ!

亜美・真美「わ→い!」ドタドタ…

あずさ「あらあら〜、朝早くから賑やかねぇ〜」

真美「あっ、あずさお姉ちゃん!」

亜美「助けて、あずさお姉ちゃん!いおりんが亜美達をいじめるんだYO!」

伊織「でまかせ言うなー!」

あずさ「まぁ、それは大変ねぇ。こっちへいらっしゃい、亜美ちゃん、真美ちゃん」

伊織「ちょ、ちょっとあずさ!?真に受けないでよ!」

亜美・真美「んっふっふ〜」ドヤァ


貴音「どうしたのですか、あずさ?」

あずさ「あら〜、貴音ちゃん。かくかくしかじか」

亜美「Oh……765プロが誇るバインバインな二人が揃うと壮観ですなぁ」

真美「うらやましいなぁ…」


あずさ「……という訳なのよ〜」

貴音「なるほど、承知致しました」

亜美「分かってくれた?いやいやー、いおりんには困ったものだよ→」

〜5分後〜

亜美「ごめんなさい……亜美達が悪かったです…」

貴音「分かってくれて何よりです、亜美、真美」ニコッ

あずさ「あまり皆を困らせてはダメ。お姉さん達との約束よ?」ニコッ

亜美「すみません、もうしません、許して下さい……」

真美(うぅ……真美達、見ちゃいけないものを見ちゃった気がする…)

亜美(ふ、震えが止まらないよぉ…)カタカタカタ…


律子「まったく……ようやくおとなしくなったわね」

律子「さて、それじゃあプロデューサー、そろそろ出発します?」

P「あぁ、そうだな。おーい、皆集まれー」

一同「はーい!」

P「前々から言っていた通り、今日明日は長野のスキー場でのクリスマスイベントに参加する」

P「今日現地入りして、明日クリスマスイブの夕方にイベント。その間は、皆でスキーなりスノボーを楽しもう」

一同「わーい!」


雪歩「うぅ、スキーやった事ないよぅ……転んでケガしないかなぁ」

真「大丈夫さ、雪歩!ボクが教えてあげるよ!」

響「あっ、じゃあさ!自分にも教えてほしいぞ!スキーもスノボーもやった事ないんだよなー」

伊織「やよい、あんたもどうせやった事ないんでしょ?この伊織ちゃんが教えてあげるわ」

やよい「うわー!伊織ちゃんありがとう!」

美希「ミキ、ホテルで温泉入ってゆっくり寝てるのもアリだと思うの」

あずさ「あらあら〜、良いわねぇ、私もそうしようかしら〜」

貴音「ほてるの食事はばいきんぐ……ふふ…」

亜美「はるるんはスキーだと余計に転びそうだよね→」

春香「そ、そんな事ないよ!これでも私やった事あるんだからね!?」

真美「ゲレンデ転がって雪だるまになったりして、ニシシ」

千早「ふふ、そうね」

春香「ち、千早ちゃんまで!」ガーン


真美「そう言えば、千早お姉ちゃんはスキーやった事あるの?それかスノボー」

千早「いいえ、無いわ。あまり、そういう事に興味が無かったから」

亜美「じゃあさ!亜美達と一緒にスキーやらない?ちょっとは教えられるYO!」

春香「へぇー、亜美達がねぇー。言うほどの腕前なのかなぁ?」

真美「あー、言ったなーはるるん!じゃあ勝負だ勝負!」

春香「ふふん、望むところよ!」

千早「楽しそうで何よりだわ」

美希「それじゃ、ササッとハニーの車に乗り込むの!」ダッ!

春香「あ、美希ずるい!」ダッ!

響「自分の方が速いさー!」ダッ!


P「あーこらこら、今日は車移動じゃないぞ。前にも言ったけど」

一同「えっ?」

P「俺の車も律子のも、タイヤがスタッドレスじゃないし、チェーンも無いんだ。
  だから雪道は無理」

律子「他に車の手配もできなかったの。だから、ちょっと高くつくけど新幹線で行くわ」


P「そうこうしてる内に時間が迫ってきたな。よし、駅までダッシュで行くぞ」

美希「えー!?タクシーじゃないの!?」

律子「わがまま言わないで。新幹線のチケット代で使う分、節約しなきゃいけないのよ」

亜美「ケチ!」

真美「ケチンボ!」

律子「あーうるさい……小鳥さん、留守番お願いしますね」

小鳥「トホホ……私も行きたかったなぁ…」シュン…

〜東京駅〜

ダダダダ…!

律子「くぅ……こんな日に大雪で電車が遅れるなんて!」

P「皆急げ!そろそろ新幹線出るぞ!」

やよい「ま、待って下さいー!」

響「やよい、急ぐさー!プロデューサー達に置いてかれちゃうぞ!」


ドンッ!

律子「きゃっ!」

男「おっと失礼」

律子「す、すみません!」

P「律子、急げ!」

律子「は、はいっ!」ダッ!


真美「あれ……ちょっと、律っちゃーん!バッグ落としたよー!?」

律子「あぁもう、あんた達持っといてー!」

亜美「イエッサ→!……ってあぁ、バッグの中身が…!」アタフタ…

真美「ていうか、真美達も急がないと!」

亜美「げっ、やばっ!皆を見失っちゃったYO!」

ダダダ…!


プルルルルル…

「21番線から、あさま511号長野行き、まもなく発射致します…」

春香「うわああぁぁ、待ってぇー!!」

雪歩「ひぃぃぃ!もう、無理ぃぃ!」

P「うおぉぉぉ、間に合うか!?」

ダダダッ!


亜美「うわぁ、もう新幹線来てんじゃん!」

真美「急いで亜美!間に合うかぁーー!?」

ダダダッ!


「23番線から、やまびこ131号仙台行き、まもなく発射致します…」

プシューッ…

律子「ま、間に合った…」

P「すごい混みようだな……皆スキー客か?」

律子「皆乗れたかしら…」

P「うーむ……まずったな。メールで確認するしかないか」



亜美「ぜぇー、ぜぇー……ま、真美大丈夫?」

真美「な、何のこれしき……んっふっふ〜」

亜美「それにしても、すごい人混みだね……これじゃあ座れないよ」

真美「皆、無事に乗れたかなぁ」

ヴィー!… ヴィー!… 『コンドノ ドヨ-ビ! ミッカシカナイ トニカク ダイエット! ムリハショウチデ♪』

真美「おっ!携帯が……あ、兄ちゃんだ」

亜美「おっ、『Do-Dai』ってことはメールだね?」

真美「そうだよ。ていうか、亜美にはメール来てないの?」

亜美「亜美、今日携帯忘れてきちゃったみたい」

真美「え、えぇーっ!?それ、結構ヤバくない?」

亜美「いーじゃん、真美が持ってんだし。それより、兄ちゃんのメールは何て?」


真美「皆、無事に新幹線に乗れたか?……だって」

亜美「おー、そういう事かぁ!亜美達はモ→マンタイだよね!」

真美「んっふっふ〜、そだね!それじゃあ真美が返信しとくね!」

亜美「頼むぜ、マイスウィ→ト!」ビシッ!

真美「オッケェイ、マイエンジェ→!」ポパピプペ…

真美「送信、と……大体1時間半くらいで着くんだよね?」

亜美「兄ちゃんはそう言ってたよ」

真美「じゃあ真美、トイレに行ってくる。朝行けなかったし」

亜美「うん、いいよ。じゃあ、亜美ここで待ってるね」

真美「ほ→い」トテトテ


真美「あ、すいやせん……あっ、すいやせん、ちょっと通して下さい…」ズイ… ズイ…

亜美「あはは、真美なんかサラリーマンのオジサンみたい」



真美「〜〜〜〜〜〜♪」ゴジャー…

ガタン ゴトン

真美「あっ」グラッ

スルッ ボチャン


真美「あああぁぁぁぁぁぁっ!!け、携帯が……!」

亜美「真美、遅いなぁ。大きい方かなぁ」


真美「…………………」トボトボ…

亜美「あ、お帰り真美……真美、どったの?」

真美「携帯、トイレの中に落としちゃった…」

亜美「えっ!?」

真美「ボタン押しても、反応しなくなっちゃった…」グスッ…

亜美「ちょ、マジで!?貸して!」


亜美「……あぁ、こりゃダメだね」

真美「どうしよう…」

亜美「ま、まぁしょうがないYO!長野に着いたら兄ちゃんに相談しようね!」

真美「う、うん…」

〜約1時間半後、長野駅〜

P「無事、長野に着いたな。皆いるかー?」

春香「私と雪歩いますよー!」

美希「ミキと千早さんとでこちゃんもいるのー!」

伊織「でこちゃん言うな」

響「自分とやよいもいるぞー!」

真「ボクとあずささんもいまーす!」


律子「あれ、誰かが足りないような……」


貴音「お待たせ致しました」

P「貴音、駅の売店に行ってたのか」

響「た、貴音、それちょっと買いすぎだぞ…」


P「えぇっと、貴音が来たからこれで……あれ?」

律子「亜美と真美がいません!」

一同「えぇっ!?」「誰か見た?」「さ、さぁ……」ザワザワ…

P「……ダメだな、携帯に繋がらない」

律子「どうしましょう……まさか、東京駅で迷子になってるなんて…」

P「いや、メールは返信してくれたから、新幹線には乗ったはずだ」


あずさ「もしかしたら……乗る新幹線を間違えたんじゃ…」

P「!?」

律子「そ、そう言えば、もし隣のホームに行ってて……違う新幹線に乗ってたら……」


律子「あぁーーーーーっ!!!」

P「ど、どうした律子?」ビクッ

律子「わ、私のバッグ……事務所のクレジットカードや貴重品が諸々入ってた…」

律子「あ、あの子達が、私のバッグを…」


律子「」キュー コテン

P「律子!?おい、しっかりしろ!律子っ!」ユサユサ

「えー、仙台駅ー、仙台駅ー、終点です。お忘れ物の無いよう…」

真美「あ、あれ……終点?」

亜美「長野には行かないのかな……と、とにかく降りよっか」



真美「兄ちゃーん……はるるん、律っちゃぁーん……」

亜美「千早お姉ちゃん、ひびきん、ミキミキー…」

真美「やよいっちー……お姫ちん……あずさお姉ちゃーん…」

亜美・真美「でこちゃーん…」


亜美「でこちゃん言うな、って……いつもなら、いおりんの突っ込みが来るのに…」

真美「誰もいないね……」


真美「駅員さんに聞こっか」

亜美「そだね」

亜美・真美「すいませーん」

駅員「はい、何でしょう?」

真美「あの、真美……じゃなくて、私達、長野に行きたかったんですけど、ここって…」

駅員「えっ?ここは仙台駅ですよ。どちらから来られましたか?」

真美「え、えっと……東京」

駅員「あぁー…じゃあ、きっと乗る線を間違えちゃったんですね」

駅員「長野なら長野新幹線なので、一度大宮に戻っていただいてから、
   乗り換えで長野新幹線、というルートになろうかと思います」

亜美「ま、間違えちゃったの!?」ガーン!


駅員「とりあえず、降りられたホームの反対側から、東京方面に戻…」

真美「どうしよう、急いで戻らなきゃ!すみません、ありがとうございます!」ダッ!

亜美「あっ、ありがとうございましたー!」ダッ!


駅員「あ、あのぅ……今、東北新幹線が運休…」

真美「急いで反対側のホームへGO!」ダッ!

亜美「ら、ラジャ→!」ビシッ!


〜15分後〜

真美「……何でだろう、新幹線発車しないね」

亜美「んー、外が凄い吹雪だねぇ」


「えー、ホーム並びに車内でお待ちのお客様に申し上げます」

「ただいま東北新幹線は、架線の故障による送電トラブルの影響により、
 上り線下り線共に運転を見合わせております」

「運転再開の目処など、詳しい情報が入り次第、追ってお伝え致します。
 お客様にはご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません」


真美「う、運休っ!?」

亜美「新幹線出ないのー!?」

真美「どうしよう……戻れなくなっちゃった…」

亜美「携帯も、真美のが壊れてて、亜美は家に忘れてきちゃったし…」


真美「…………………………」

亜美「…………………………」


亜美「……ま→いっしょ!何とかなるって!」

亜美「それよりさ、せっかくの仙台だよ!仙台ライフ満喫しようZE!」

真美「……う、うん!そだね!」


真美「よしっ!まずお昼を食べYO!マックで作戦会議だ→!」ガッツ!

亜美「お→!」ガッツ!

〜駅前のマック〜

真美「とにかくね、今日中に戻れないって事はだよ?」

亜美「うんうん」

真美「ここで夜を明かすってことだよね?」

亜美「うんうん」


真美「泊まる所を探さないといけないのではないんでしょーか」

亜美「確かに!」

亜美「あるいは、家に電話して、パパかママから事務所に連絡してもらうとか…」

真美「パパとママ、今日と明日はおばさんの家に行くんじゃなかったっけ?
   真美達が長野に行くから…」

亜美「あっ……」


真美「……よ、よしっ、どこか泊まれる所を探そ→!」ガッツ!

亜美「お、お→!」ガッツ!

〜仙台駅周辺〜

ビュオォォォォォ…

亜美「こ、こっ……こんな、さぶ……」

真美「ふ、吹雪が……外い、いたら、死ぬ……駅ビルに戻ろ」


亜美「でもさー、泊まれる所ったって、どうやって探せばいいんだろうね?」

真美「んー……本屋さんとか行って、旅行雑誌か何かで探す?」

亜美「んー…」


亜美「おっ?」ピタッ

真美「どったの、亜美?」

亜美「見て、あの広告」


『仙台プラザホテルで素敵なクリスマスを。最上級のおもてなしをあなたに。』


真美「へぇー……いいね!何か見た目リッチなカンジ!」

亜美「とりあえずココにしよっか!外歩くのもシンドイしね!

真美「そだね!えぇと、公衆電話……電話番号、何番だっけ?」

亜美「あ、ちょっと待って、メモるね」

真美「な、何か電話するの緊張するね…」ドキドキ…

亜美「真美、ガンバ!」

真美「う、うん……」ガチャッ


プルルルルルルル…  プルルルルルルル…

ガチャッ

『お電話ありがとうございます、仙台プラザホテルでございます』

真美「あっ、あの!えっと、今日そこにお泊りしたいんですけどー…」

『ご宿泊のご予約ですね?本日、空き室はございますのでご案内できますが…』

『失礼ですが、お客様のご年齢をお伺いしてもよろしいでしょうか?』

真美「えっ、あう……あの、13歳、です…」

『申し訳ございません、当ホテルは18歳未満のお客様のみのご宿泊は
 ご遠慮させていただいております』

真美「あ、そっ……そうなん、ですか」

『はい、申し訳ございません。またのご利用をお待ちしております』

真美「はい……」ガチャッ


亜美「どう?……ダメ?」

真美「うん、18歳未満はダメだって…」シュン…

亜美「ムー……」


亜美「よしっ、じゃあさ!大人のフリして電話しよう!」

真美「えっ?」

亜美「律っちゃんのモノマネして電話すればいいんだYO!亜美に任せて!」ガチャッ

プルルルルルルル…  プルルルルルルル…

ガチャッ

『お電話ありがとうございます、仙台プラザホテルでございます』

亜美「あぁ、もしもし。本日そちらに泊まりたい秋月律子と申しますが」 ←低めの声

『ご宿泊のご予約ですね?本日、空き室はございますのでご案内できます。
 秋月様は保護者の方でしょうか?』

亜美「えぇ、そうです」

真美(亜美、モノマネの腕上げたなー)


『秋月様は何名様のご利用でしょう?』

亜美「えぇっと、子供2人……と大人1人です」

『かしこまりました。
 お支払いは、クレジットカードのご利用でよろしいでしょうか?』

亜美「クレジットカード?……あぁ、はい、あります」

『かしこまりました。
 チェックインは15時より承ります。秋月様のお越しをお待ちしております」

亜美「ありがとうございます、それではよろしくお願い致します」ガチャッ


真美「オッケー!?」

亜美「まっ、亜美にかかればザッとこんなもんYO!」ドヤッ

真美「うわー!亜美さんマジぱねぇっす!」


真美「でもさ、クレジットカードって言ってたけど、あるの?」

亜美「うん、あるよ!律っちゃんのバッグにあるの見っけたんだ→♪」

真美「えぇぇぇ……それ、勝手に使っていいのかなぁ」

亜美「大丈夫っしょ!それじゃ、ホテルに出発→!」ガッツ!

真美「お、おー…」

テクテクテク…

亜美「うぅ……さ、さぶ…」ガタガタ…

真美「頑張って、亜美……え、駅のすぐ近く、だ、だから…」ガチガチ…



テクテクテク…

渋澤「へっへっへ…」

悪徳「何ニヤついてんだ、シブ。気持ち悪い野郎だな」

渋澤「だってよ、アクさん。この記事見てみろよ」

渋澤「俺達の書いたゴシップ記事で、また一人アイドルが芸能界を去るんだぜ?
   すっげー興奮するじゃねぇか」

『西園寺プロ 小早川瑞樹、衝撃の引退!関係者が明かす男性Pとのキケンな情事』


悪徳「人聞きの悪い事を言うな。ゴシップじゃねぇ」

悪徳「より世間の皆様に真実を分かりやすく伝えようと、多少表現豊かな原稿に仕上げただけだ」

渋澤「ひひっ、違いねぇ。男性Pと仲良しだったのは事実だもんな」

悪徳「そうそう、そりゃあヨロシクやっててもおかしかねぇだろうよ」

悪徳・渋澤「へっへっへっへっ」

渋澤「それでアクさん。今日はどんなネタを求めて来てんだよ?」

悪徳「おう。お前、如月千早って知ってるな?」

渋澤「あぁ、あの765プロの」

悪徳「その如月千早の血縁者が、どうやらこの辺りにいるらしい」

悪徳「黒井社長によれば、複雑な家庭事情を抱えてるらしくてな。
   ちょっとばかしつついてやりゃあ、色々と面白くなるんじゃねぇかってよ」

渋澤「おぉー。そういやあの子、最近結構売れてきたけど、プライベートは全然オープンにしねぇよな」

渋澤「そこを俺達が、家庭の内情なりを明かして、世間を騒がしてやろうって事か」

悪徳「で、俺達は出版社の間で、腕利きのジャーナリストとして評判になるって訳よ」

渋澤「週刊誌が売れれば金もガッポリ」

悪徳・渋澤「へっへっへっへっ」

〜仙台プラザホテル〜

ガチャッ ビュオォォォォォ…

亜美「さ、さぶい……ってうわー!」

真美「中あったかーい!ていうかすっごい豪華ーっ!」


真美「えぇっと、フロントフロント…」キョロキョロ…

亜美「あっ、あっちだよ。行こっ、真美!」


亜美・真美「こんにちは→!」

フロント「いらっしゃいませ。どういったご用件でしょうか?」

亜美「さっき予約した双海……じゃなくて、秋月律子です!」

フロント「?……あなたが、ですか?」

真美「えっと、秋月さんはちょっとおシゴトがあるからって、真美、じゃなかった、
   私達だけ先に来たんです」

亜美「さっきまで、秋月さんの職場に一緒にいたんですけど、
   私達が“退屈→”って言ったら、“じゃあ先にホテルに行ってなさい”って」

亜美「あぁ、あとこれ、クレジットカードも預かってるんですYO!
   フロントにこれを渡して、部屋に入れてもらいなさいって」ビシッ

フロント「はい……お預かり致します」

ピッ カタカタ…


フロント「……カードをお返し致します。それでは、お部屋をお選び下さい」

真美「お部屋!?亜美、見て見て、こんなにいっぱいあるんだって!」

フロント「現在、こちらのエクセレントと、プレミアムスイートのお部屋が空いてございます」

亜美「うわー、すっごーい!じゃあさ、せっかくだしスイート行っちゃおうよ!」

真美「えぇぇぇ、それはさすがに…」

亜美「いいって!皆だって今頃スキーしてんだしさ!」

真美「そ、それもそうだね!」


真美「じゃあ、プレミアムスウィ→トでお願いします!」

フロント「かしこまりました。それでは、こちらにご住所と氏名、ご連絡先のご記入をお願い致します」

真美「えぇっと、秋月律子、っと……住所どうしよっか?」

亜美「事務所のでいいんじゃない?」

真美「そだね……って、真美自信無いんだけど…」

亜美「ちょ、ちょっと待って、思い出す!えーと、確か東京都大田区…」

真美(電話番号は…?)ゴニョゴニョ…

亜美(全っ然思い出せない…)ゴニョゴニョ…

フロント(怪しい……)


支配人「……ベルボーイ」

ベルボーイ「へい、何でしょう?」

支配人「あの子達がどうも気になる。くれぐれも用心するように」

ベルボーイ「は、はぁ……」


真美「書きましたー!(迫真)」

フロント「はい、ありがとうございます」

フロント「秋月様がお越しになられましたら、必要なサインをいただきたいので、フロントまでお声掛け下さい」

フロント「それでは、お部屋へご案内致します」

ベルボーイ「お荷物頂戴致します。どうぞこちらへ」

亜美「んっふっふ〜、何やらリッチになった気分ですな→」

真美「テンション上がりますな→」



チーン

ベルボーイ「こちらが当ホテル自慢の最高級スイートでございます」

ガチャ


亜美・真美「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」キラキラ


真美「部屋が広ーーいっ!!」ダダ-ッ

亜美「お風呂がチョ→きれーーいっ!!」ガチャッ

真美「ベッドがフカフカででかーーいっ!!」ボフン

亜美「あっ!亜美もそれやる→!」ダイビング ボフン


亜美・真美「うははははははは…」ボフン ボフン…

ベルボーイ「……こちらがルームサービスの一覧でございます」

ベルボーイ「裏面には、お部屋での注意事項も書いてございますので、お目通しいただければと思います」

ベルボーイ「何かございましたら、フロントまでお申し付け下さいませ」

亜美・真美「はぁーーいっ!!」

ベルボーイ「それでは、ごゆっくり」

ガチャッ バタン


亜美「いやー、こりゃあいいね!一時はどうなる事かと思ったYO!」

真美「ルームサービスもあるんだね!どれどれ…」

亜美「あ、亜美にも見して」

〜長野県警察署〜

警察「……確認しましたが、長野駅にも東京駅にもお子さんはいないようです」

律子「そ、そんな……」

P「お子さんっていうか、ウチの事務所のアイドルなんですけどね」


警察「貴重品は、その子達が全て持っているんですか?」

律子「えぇ、そうなんです。私のバッグなんですが、
   事務所のクレジットカードに、私の財布も……あぁ…」

P「律子、気を落とすなって」


警察「一応、盗難登録をするよう、カード会社に連絡をしておきましょう。
   もしその子達がカードを使ったら、居場所が分かります」

律子「あの子達、領収書の切り方も知らないんです。
   クレジットカードの使い方も分からないと思いますけど…」

ガチャッ

春香「あっ、プロデューサーさん、律子さん!あ、亜美達は…」

律子「……まだ行方不明よ」

雪歩「そんな……東京駅も長野駅にもいないんですか?」


P「とにかく、ここでジッとしてても仕方が無い。ホテルに向かおう」

P「皆、せっかくスキーを楽しみにしていたのに、連れて行けなくてごめんな」

真「何言ってるんですか!亜美と真美を放ってスキーを楽しむなんてできませんよ!」

響「自分達、そんなに薄情じゃないぞ!」

P「……あぁ、そうだな。すまん」


貴音「心配ですね…」

小鳥「えぇ…」

千早「音無さん、いつの間に」

〜仙台プラザホテル〜

給仕係「お待たせ致しました。こちら本日のケーキと、季節のフルーツ盛り合わせでございます」

亜美・真美「うわぁぁぁぁ!」「でっかーーい!」キラキラ


亜美「いやぁ、ホント、最っ高のバカンスだね!」

真美「でも、やっぱり皆に悪い気がするなぁ」

亜美「大丈夫だって!まったく、真美は心配性だなぁ」

亜美「明日、イベントに間に合うように長野に行けば問題ないっしょ!
   それまで楽しもうZE!」

真美「う、うん……そだね!うん!」


真美「よーし!それじゃあ真美、お風呂に入っちゃうぞ→!」

亜美「おぉー!夕方から優雅に長風呂!なんかセレブちっくですな→!」

真美「んっふっふ〜、でしょ?それじゃ!一番風呂、いただきま→す!」ドタドタ…

亜美「やっぱ亜美も→!」ドタドタ…

真美「えぇーーっ!?」

ジャバジャバジャバ…

真美「亜美、見て見て!泡風呂できた→!!」

亜美「うおぉぉぉぉっ!!」


真美「それじゃ、明日は朝イチで長野に行こうね」

亜美「えぇー?もうちょっとゆっくりしてたかったなー」

真美「さすがにこれ以上皆を心配させるのはまずいよ。明日の朝、新幹線で……」


真美「……ねぇ亜美、今お小遣いいくら持ってる?」

亜美「えっ?……んー、確か4千円くらいかなぁ」

真美「真美もたぶんそれくらい……で、新幹線のチケットっていくらくらいかな?」

亜美「えっ………」

亜美「ひぃ、ふぅ、みぃ……全部で8,667円であります、真美大佐殿!」ビシッ!

真美「うむ、よろしい」


真美「ってよろしくなぁーい!!」

真美「今、ロビーのインターネットで調べたら、長野まで片道1万5千円だよ!」

亜美「一人で!?」

真美「そう……り、律っちゃんのお財布にはいくら入ってるんだろ…」

亜美「ま、真美まさか律っちゃんのお金にまで手を出すなんて事は…」ドキドキ…

真美「し、しょうがないじゃん!帰れないんだもん…」


真美「……11,203円。真美達の全財産を足しても、大体2万円かぁ」

亜美「一応、一人は帰れるけど…」


真美「……クレジットカードって、新幹線のチケットも買えるっけ?」

亜美「真美、どんどん図々しくなってくね…」

支配人「…………」カタカタ…

支配人(やはり、あの子達の事が気になる……何か引っ掛かるんだが…)

支配人(ん?)


真美「うわー、インターネットの席が皆埋まってるYO!」

亜美「げっ、どうしよう。携帯も使えないしなぁ…」


支配人「何かお困りでしょうか?」

真美「あっ!す、すみません、えと、あの、調べたい事があって…!」

亜美「あの、新幹線のチケットって、クレジットカードでも買えますか!?」

支配人「えぇ、買えるはずです。窓口でも券売機でもご利用いただけると思いますよ」

亜美「本当っ!?真美、買えるって!」

真美「やった、良かった!ありがとうございます!」

支配人「いえいえ、どう致しまして。お夕食はどうなさいますか?」

真美「あっ、ルームサービス頼みます!後で注文しますね!」

支配人「かしこまりました。お待ちしております」

亜美「ありがとうございましたー!」

タタタ…


支配人「………………」

カタカタカタ…


支配人「これは……」


支配人(双子のアイドル……双海亜美と双海真美か)

支配人(どうりで何かと思ったはずだ。そうか、アイドルだったのだな)

支配人(だとすれば、一般の子供達との違和感を覚えたとしても、不思議ではないか…)


支配人「一応、クレジットカードの出所も調べておこう」カタカタ…

〜長野のホテル〜

律子「〜〜〜〜〜〜!」ソワソワソワ…

あずさ「律子さん、少し落ち着きましょう?ほら、お茶を」

律子「そうは言っても……あの子達にもしもの事があったらって思うと…」

律子「それに、あの子達のご両親にも顔向けできませんし…」

あずさ「それはそうですが…」



コンコン

P「律子、いるか!?」

律子「プロデューサー!?すみません、今開けます!」

ガチャッ

P「亜美達の居場所が分かったぞ!」

律子「えぇっ!?」

美希「居場所が分かったの!?」

やよい「本当ですかー!?」

P「あぁ、カード会社から連絡が入った。仙台のホテルに泊まっているそうだ」

春香「せ、仙台ぃ〜〜!?」

雪歩「何でそんな所に…」

伊織「乗る新幹線を間違えたのね。長野新幹線じゃなくて、東北新幹線に」

貴音「それに、今日は大層吹雪いていました。
   電車が止まり、戻ろうにも戻れなかったのではないでしょうか」


律子「急いで迎えに行かなきゃ……私、明日の朝仙台に行ってきます!」

P「すまない、よろしく頼む。ここは俺に任せてくれ」

律子「はい。それじゃあ、プロデューサー……」スッ

P「何だ?」

律子「お金……私、財布が無いので…」

P「あぁ、そうね」

〜翌朝、仙台プラザホテル〜

亜美「うーん、ムニャムニャ…」

真美「亜美ー、そろそろ起きてよー。荷造りしようよー」

亜美「もう昨日したよー……うーん、あと5時間…」

真美「ダメ!さっさと起きなきゃ」

亜美「あふぅ…」

真美「あふぅじゃなくて!」


ピンポーン

真美「あ、はーい」

「おはようございます。朝食をお持ち致しました」

亜美「朝食っ!!」バッ!

真美「着替えるの早っ!」

ガチャッ

真美「どうぞどう、ぞ……?」


支配人「お目覚めはいかがでしたかな?さぁ、警察に行きましょうか」

真美「えっ……?」ドキッ

亜美「真美ー、朝ごはんはー?」トテトテ


支配人「お客様がお持ちのクレジットカードが、盗難カードであることが分かりました。
    詳しい話は、警察に聞いていただくのがよろしいでしょう」

真美「えっ、そ、そんな……あれは、事務所の…」

支配人「ですから、それは私にではなく警察でね?」

亜美「真美ー、どったのさー?」

真美「わ、分かりました……でも、荷物は持って行っていいですか?」

支配人「いいでしょう。どのみち、警察に押収されると思いますがね」

真美「亜美、荷物持って」

亜美「えっ、う、うん?……朝ごはんは?」


ガシッ

亜美「えっ?きゃあっ!」グイッ!

支配人「あっ!待ちなさい!」

真美「亜美!走って!!」ダッ!

亜美「えぇっ!?ちょ、真美!マジでどったの!?」ダッ!

ダダダ…


支配人「待ちなさーーい!ベルボーイ、給仕係、その子達を止めろー!!」

ダダダ…

亜美「真美、何これ!?どうして亜美達逃げてるのさっ!!」

真美「真美にも分からないよ!でも、さっき盗難カードって言ってた…」

真美「たぶん、律っちゃんからカードを盗んで、悪いように使ってるって思われてる!」

亜美「えぇぇぇ!?そんなの変だよ!だってあれ事務所のカードじゃん!」


ザッ!

給仕係「止まりなさいっ!」

ベルボーイ「ここは通しませんよー!」


亜美「真美っ!」

真美「うん!」

亜美「あっ!」ビッ!

給仕係「ん?」キョロ


真美「あっ、あれ見て!」ビッ!

ベルボーイ「ん?」キョロ


給仕係・ベルボーイ「!?」ドキッ


めとめがあうー しゅんかーん すーきだとーきづーいたー♪


給仕係「な、何見てんだよ…///」モジモジ…

ベルボーイ「うるせぇそっちこそ…///」モジモジ…


支配人「馬鹿もーん!何やってんのー!!」

給仕係・ベルボーイ「あっ」


真美「それー、スタコラサッサだぜ→!」

亜美「んっふっふ〜」

ダダダ…

ダダダ…

真美「亜美、急いで!あの人達に追いつかれちゃうYO!」

亜美「ひぃぃ!そんな事言われても…!」


真美「くっ……あの家に逃げ込もう!」

亜美「ええぇぇぇ、家ぇ!?」

ガチャッ! バタンッ!


支配人「くっそー、どこに行ったー!?探せぇー!」

ダダダ…


真美「ふぅ……良かった、通り過ぎてったみたい」

亜美「それにしても、真美が全然知らない人んちに勝手に入るほど図々しくなるとは…」

真美「うわぁー、もう!言わないでよぉ!捕まりそうだったんだもん」


真美「それにしてもここ、家って言うよりかは…」

亜美「何か、廃墟ってカンジだね…」

ギィ…

謎の男「……誰かそこにいるのかね?」

亜美・真美「ひいぃっ!?」ビクッ!


謎の男「……女の子か。どうしてそこに?」

真美「あぁ、いや、その、あのっ!これには色々と事情が…」ドギマギ…

亜美「亜美達、決して怪しい者では…」オロオロ…


謎の男「……まぁいいだろう。ここは今空き家だよ」

謎の男「もし、私のお店をお探しならここじゃあない。案内しようか?」

亜美・真美「お店?」

テクテクテク…

亜美・真美「……………」オドオド…

謎の男「……まぁ、知らない男に連れられて、オドオドする気持ちも分かるが…」

真美「ち、違うYO!真美達、さっきまで怖い人達に追われてて…!」

謎の男「怖い人達?」

亜美「そう!捕まったら、一体どんな事をされるか…」

謎の男「……深い詮索はしないでおこう」


グゥゥゥゥゥ…

亜美・真美「あっ…///」

謎の男「おや、お腹が空いているのかね?」

亜美「朝ご飯、食べそびれちゃったからなぁ…」

真美「それに、朝から全力疾走しちゃったし……はぅぅ…」

〜謎の男の家〜

謎の男「さぁ、召し上がれ」

真美「うわぁー、すっごいおいしそうなトースト!」ホカホカ

亜美「いただきま→す!ん、んぐ……」モグモグ…


亜美・真美「んまいっ!!」テーレッテレー

謎の男「ははは……」


亜美「おじさん、一人暮らし?」

謎の男「うん、そうだよ」

真美「寂しくないの?」

謎の男「そりゃあ、ね……でも、君達みたいな子供にもたまに出会えるから、
    そこまで寂しくは無いよ」


真美「そういや、おじさんお店やってるって?」

謎の男「あぁ、そうだよ。この家の隣にある」

亜美「何のお店?」

謎の男「はは……この時期一番忙しいかなぁ」

亜美「ふ〜〜ん?」

謎の男「朝ごはんを食べ終わったら、招待しよう」

亜美・真美「ごちそうさまっ!!」

謎の男「良く噛んで食べなきゃダメだよ」

主人「ここが私のお店さ」

亜美「うわーぉ……素敵」

真美「これって、おもちゃ屋さん?」


ガチャッ

主人「どうぞ、好きに見ていきなさい」

亜美「うわぁぁぁ……これ、全部木だよ、木!」

真美「ホントだ。うーーん、良い匂いだねぇ」


主人「全て手作りで、釘は使わず、角も丸めておくんだ」

主人「私の作ったおもちゃで遊ぶ子供が、ケガをしてしまったら大変だからね」

亜美・真美「へぇ〜〜…」

真美「すっごいなぁ……こんなおっきな物まで作るんだぁ」

亜美「真美、見て見て!こっちのちっちゃいのもかわいいよ!」

真美「どれどれ?……おぉー、ホントだ!つがいの鳥、かわいい→!」

主人「ははは……そのハトのアイテムが気に入ったかい?」


亜美「真っ青でキレイ……千早お姉ちゃんの蒼い鳥って、こんなカンジかもね」

主人「………」

真美「そだね。この鳥、イメージピッタリかも」


主人「君達の言う、千早お姉ちゃんというのは、もしかしてアイドルの?」

亜美「おっ!おじさん知ってるの!?いやいやー、おじさんも好きですな→」コノコノ

主人「はは……いや、この歳にもなってお恥ずかしい」

真美「亜美、そうやってからかうのは止めようよ。せっかくのファンなんだから」

亜美「あっ、そだね……ごめんなさい、おじさん」

主人「いや、いいんだよ。それより、君達とその子との関係は一体…?」

真美「千早お姉ちゃんは、真美達の事務所のお姉ちゃんだYO!」

主人「えっ?」

亜美「亜美達も765プロ所属のアイドルなんだYO!おじさん、亜美達は知らないの!?」

主人「はは……いや、面目ない」

亜美「何だよそれー!亜美、これでも竜宮小町ってそこそこ有名な…」

真美「亜美っ!」


亜美「……うーん、それじゃあ千早お姉ちゃんだけは知ってるんだねぇ」

真美「何で千早お姉ちゃんだけ?」

主人「何でって……そうだな、何と言うか……」

亜美「歌チョ→上手いもんねー、千早お姉ちゃん。そこかなぁ?」

真美「なるほどー、おじさんは純粋に歌上手い人が好きなんだね」

主人「ははは……」

ガチャッ

亜美「ん?」


子供「おじさん、こんにちはー!」

主人「あぁ、いらっしゃい。待っていたよ」

子供「うん!早く!早くプレゼント見たいよ!」

主人「ははは、この間からずっと見ていたじゃないか」


主人「はい、どうぞ。落とさないよう、しっかり持って帰るんだよ」

子供「うわぁー……ありがとう、おじさん!」

主人「メリークリスマス」

子供「メリークリスマス、おじさん!」

ガチャッ

タタタ…

真美「ねーねーおじさん、あの子は?」

主人「ウチの常連さんだよ。かわいい子だろう?」

亜美「亜美達もかわいいけどねー」ドヤァ


主人「あの子はね、孤児なんだ」

亜美・真美「えっ」


主人「私にも子供はいたんだけどね……あまり大切にしてやれなかった反動、なのかなぁ」

主人「ああいう子に少しでも寂しい思いをさせないように、って思うようになってね」

主人「気がついたら、こんな商売をしてるのさ。もっとも、儲けなんて全然無いけどね」

亜美・真美「ふぅ〜〜ん……」

主人「亜美ちゃんと、真美ちゃんだったね。君達のご両親は元気かい?」

亜美「うん!でも、最近はパパとママ、ちょっとケンカしてるんだ」

主人「ほう?……そりゃあ心配だね、どうして?」

真美「パパの携帯にイタズラして、真美達の登録されてる名前を変えたの」

亜美「そしたら、パパの携帯に知らない女の人の着歴がいっぱいあるって、
   浮気してるんじゃないかってママがすごい怒って…」

主人「それは丸っきり君達が悪いんじゃないか…」


主人「何にせよ、家族は仲良くするのが一番……よろしい、それを持っていきなさい」

真美「えっ?」

主人「そのつがいのキジバトを、君達にあげよう」

亜美「キジバト……この蒼い鳥?2羽も!?」

主人「もちろんさ、つがいだからね」

主人「つがいのキジバト……これをどうするか教えてあげよう」

主人「一つは自分…」

主人「そしてもう一方を、誰か特別な人にあげるんだ」

亜美「ほうほう」


主人「キジバトは、愛と友情のシンボルなんだよ」

主人「お互いがこのキジバトを持っている限り、二人はずっと友達でいられるんだ」

真美「へぇー……何だか素敵だね!」


亜美「ウチの場合、パパとママに持たせてあげないとね!帰ったら渡そ」

主人「ははは、そうだね……家族は大切にしなさい」

主人「大切にする家族がいなくなってからでは、遅いからね」

真美「えっ?」

主人「あぁ、何でも無い。さぁ、もう行きなさい。おじさんの相手は退屈だろう」

亜美「えー、そんな事ないよ、意外と楽しかったYO!」

真美「意外とじゃないよ、すっごく楽しかったYO!ありがとうおじさん、また会おうね!」

主人「あぁ、メリークリスマス」

亜美・真美「メリークリスマ→ス!」

テクテクテク…

悪徳「うぅー、さびぃ…」

渋澤「アクさんよぉ。昨日から調べてっけど、如月千早ちゃんの血縁者なんて
   本当にここにいんのかよ?」

悪徳「黙ってろ、これは確かなスジからもらった情報だ」

渋澤「確かなスジってぇと、黒井社長お抱えの情報屋ってヤツ?」

悪徳「そうだ、そいつが仙台ってキーワードを出した」

渋澤「ならまぁ、当たってみる価値があるのは分かるけどよ……
   しかし、何が悲しくてイブの日にヤロー二人でおシゴト…」

悪徳「何か言ったか?」ギロッ

渋澤「いんや何も。ただ、その情報屋もちゃんと教えてくれりゃあ良いのに…」


悪徳「ん?」ピタッ


ガチャッ

真美「ありがとうおじさん、また会おうね!」

亜美・真美「メリークリスマ→ス!」

悪徳「おい、見ろよアレ」

渋澤「あれ?……あぁ、何か見たことあるな」

悪徳「見たことあるじゃねぇ。あれは765プロの双海亜美と双海真美だ」

渋澤「えぇっ?それじゃあ、あの如月千早ちゃんと同じ…」

悪徳「どうしてココにいるのかは分からんが、何かネタを掴めるかも知れん」

渋澤「ひひっ、そうだな。ちょっこし後をつけてみるか」


亜美「ところでさー真美ー。亜美達、ホテルの人から狙われてんだよね?」

真美「うん、そうだね」

亜美「これからどうしよう?たぶん、クレジットカードも使えないっぽいし」

真美「使ったら、また追われちゃいそうだもんね」


亜美「とりあえずマック行く?」

真美「うーん……そだね。ちょっとお昼ご飯には早いけど、作戦会議しよっか」

亜美「うん」

〜長野のホテル〜

P「………………」トントントン…

貴音「あなた様、大丈夫ですか?」

雪歩「お茶、淹れましたぁ」

P「あぁ、すまない」


ヴィー!… ヴィー!…

P「!……携帯が…」ピッ

P「もしもし、律子か!?」

『律子です。すみません、今大宮駅にいるんですが…』

『昨日の吹雪で架線が故障してしまったみたいで、足止め喰らってるんです』

P「何だって!?」

『今も復旧作業していて、今日のお昼には再開するって話だったみたいなんですが…
 それに人の混雑もすごくて、すぐに乗れないかも…』

P「そうか……亜美と真美は間に合わなくなりそうだな」

『はい…』

P「分かった。こっちは俺が何とかするから、律子は亜美と真美をくれぐれも頼む」

『分かりました。それじゃあ、切りますね』

P「あぁ」

プツ…


やよい「プロデューサー、もしかして亜美と真美は…」

P「あぁ、おそらく間に合わない」

真「そ、そんな…!」

P「そろそろ本番も近い。残念だが、割り切る事も必要だ」

P「イベントそのものは、トークを1時間ばかしやって全員で一曲やるだけだ。
  亜美達がいないと回らない、というものでもない」

響「ひどいぞ!そんな言い方は亜美達がかわいそうさー!」

春香「そうですよ!出来る限り皆でやりたいって…」

美希「ミキ的には、亜美達がいなくてもやんなきゃいけないって思うな」

春香「み、美希…」

美希「お客さん、待ってるんでしょ?
   亜美達がいないからって、イベントをナシにするのは失礼なの」

響「べ、別にナシにする訳じゃ…」

美希「亜美達の分までミキ達がキラキラすればノープロブレムなの!ねっ、頑張ろうよ!」


千早「私も美希に賛成です」

春香「千早ちゃん!」

千早「ただ、お願いがあります、プロデューサー」

P「ん、何だ?」


千早「今日のイベントが終わったら、そのまま皆で仙台へ行きませんか?」

P「お、おいおい…」

千早「亜美達は、きっと知らない街に取り残されて、寂しい思いをしています。
   私達皆で迎えに行きましょう」

千早「私は、亜美と真美からスキーを教わるのを楽しみにしていたんです。
   仙台にもスキー場はあるのでしょう?」


P「そうは言ってもだな、皆を連れて行くとなると金が…」

小鳥「そうですよ、旅費がもう…」

あずさ「小鳥さん、いつの間に」


春香「旅費なら自腹で出します!私達だって稼いでるんですよ!?」

P「春香……!?」

やよい「うぅ、でも……」

伊織「なんなら、皆の分私が水瀬家のお金使って立て替えてあげてもいいわよ。
   出世払いでね、にひひっ」

やよい「伊織ちゃぁーん!」ダキッ!

真「雪歩もスキーやりたいよね!?」

雪歩「うん!」

響「なんくるないさー!」

貴音「仙台……牛タン……ぜひ参りましょう、あなた様」キリッ

あずさ「ここではあまりゆっくり出来なかったものねぇ。
    亜美ちゃん達と一緒に、改めてゆっくりしたいわぁ」


春香「という訳で、イベント頑張ったら仙台ですよ!仙台!」

P「お、おうっ!……分かった、チケットは手配しておくよ」

〜仙台駅前のマック〜

真美「どうしよう……そろそろ帰らないと、イベントに間に合わないね…」

亜美「うん……」


亜美「ごめんね…」

真美「えっ?」

亜美「亜美のせいだよね……亜美が、律っちゃんのクレジットカードを勝手に使おうって…」ジワァ…

真美「えっ、ちょ……何言ってんのさ亜美!そんな事無いYO!」

亜美「そのせいで……えぐ…犯罪者に、なっちゃって……うえぇぇ…」ボロボロ…

真美「ちーがーうってば!止めなよ、ヤメヤメ!」

真美「ほ、ほらっ!止めないと、亜美のシェイク全部飲んじゃうぞ→!」ズゾゾゾ

亜美「………………」ボロボロ…

真美「………………あぅ…」

亜美「……真美だけ帰ってよ。一人分、あるんでしょ?」

真美「えっ……あ、亜美はどうすんの?」

亜美「亜美は、警察に行くよ」

真美「えっ!?」

亜美「亜美が、真美をそそのかしたんだし……一人だけでも帰れれば、皆だってきっと…」

真美「そんなん出来る訳ないじゃんっ!!」ガタンッ

亜美「真美…」

真美「誰が悪いとか、そんな話じゃないよ!二人でどうするか考えようよ!」

真美「真美はお姉さんだよ!?少しは頼りにしてよ!」

亜美「うん……そうだったね、ごめんね」


真美「あっ!」ティン!

亜美「?……真美、どったの?」

真美「1コだけ、アイデア浮かんだんだけどさ…」

〜大宮駅〜

「えー、駅構内でお待ちのお客様に申し上げます」

「東北新幹線の架線の故障による送電トラブルの影響につきまして、
 ただいま、復旧作業が完了致しました」

「ホームでお並びのお客様より、順次ご案内致しますので、押し合わず、
 ゆっくりとご乗車下さい」


律子「やっと動いた……でもすごい混雑だから、何本か見送らないとダメね」

律子「はぁ……大丈夫かしら、あの子達…」

〜おもちゃ屋さん〜

ガチャッ

主人「いらっしゃい……おや」


亜美・真美「………………」

主人「どうしたんだね?何か困った事でも」


亜美・真美「………………」

主人「黙ってちゃ分からないよ、君達らしくもない」


真美「おじさん、ごめんなさいっ!!」バッ!

亜美「お金貸して下さいっ!!」バッ!

主人「はっ?」

主人「なるほど、そういう話だったのか」

真美「ごめんなさい…」

主人「いいや、君達が謝る事ではない」

主人「ただ、君達の保護者……プロデューサーさんと言ったかな。
   その人に対しては、いささか憤りを感じている」

亜美「えっ…?」


主人「君達のような幼い子供を放って、正しい新幹線まで誘導せず、メールだけの確認で済ます…
   あまりにも杜撰な管理と言う他無い」

主人「君達にもしもの事があったらどうするか……最近は妙な事件も多いだろう」

主人「見知らぬ土地で、例えば事故に遭ったり、悪人に攫われたり…
   そうなった時、君達のご両親に対してどう責任を取るつもりなのか」

主人「いや、責任を取るつもりが無いからこそ、適当な管理で済まそうと
   したとも考えられるがね」


亜美「兄ちゃんを悪く言うなー!!」

主人「おっ?」

真美「兄ちゃんだって、はるるんとかミキミキとか、いーっぱいアイドルの面倒見なきゃいけないんだもん!」

真美「一回だけ、ただ真美達が乗り間違えただけなのに、それだけで
   兄ちゃんを悪く言うのはかわいそうだYO!」

亜美「そ→だそ→だ!悪いのは亜美達だもん!兄ちゃんは悪くないもん!」

真美「でも、マジで凹むから、あまり真美達が悪いって言い過ぎないようにね」

亜美「分かってるよ真美!実際、言ってる亜美が一番凹んでるし…」シュン…


主人「………………」

主人「すまないね、君達の尊敬する人物を悪く言ってしまって」

主人「ただね……こういう話があってねぇ…」


主人「ちょっと、昔話をしても良いかい?」

亜美「グスッ……昔話?」

主人「昔は、私にも妻がいてね……今はもう離婚してしまったが」

主人「それに、子供もいたんだよ。女の子と、男の子だ」


真美「何で離婚しちゃったの?」

主人「んー……男の子を亡くしてしまってねぇ」

亜美「えっ!?」

主人「交通事故さ。今にして思うと、私に責任があると思う」


主人「だが、当時の私は、妻に事故の責任をなすりつけてしまった。
   お前があの子から目を離してしまったからと…」

主人「気づけば、私と妻の間には喧嘩が絶えなくなった」

主人「私が作った妻との間の溝は、次第に修復不可能なまでに深く大きくなり…」

主人「ついには離婚……子供は妻が引き取った」

主人「養育費等の費用負担をこちらに一切求めない代わりに、子供には会わせないとのことだった」


主人「それで、私は実家のある仙台に越してきた…
   君達が入ったあのお屋敷は、私の両親の家だ。明日には取り壊すけどね」


主人「はは……我ながら馬鹿な話だよ」

主人「一家の主として、誰よりも家族を守らなければならないはずが、
   逆に壊してしまったのだから」

真美「……あのね、おじさん。真美達の事務所のお姉ちゃんにも、同じような人いるの」

真美「弟さんを事故で亡くしちゃって、両親が離婚したんだって、はるるんから聞いたんだ」

亜美「おじさんが、千早お姉ちゃんが好きなのだって、きっとおじさんが千早お姉ちゃんの…!」


主人「つまらない話をしてしまったね」

主人「私は、我が子から目を離してしまったが故にその子を亡くし、家庭を壊してしまった」

主人「だから、君達の保護者に対して、同じ過ちを繰り返して欲しくないと思ったんだ」

真美「うん……」


主人「それからは、はは……贖罪というか……こんな事してるんだよね」

亜美「おじさんは、優しい人だよね」

主人「ひどい男だよ」

亜美「うぅん、だって、こんなに素敵なおもちゃを作れるんだもん」

真美「さっきの子供だって、おじさんが優しいから懐いてるんだYO」

主人「ありがとうねぇ。でも、私は何も子供達に好かれたくておもちゃ屋をしてるんじゃないよ」

亜美「えっ?」


主人「こんな言葉を信じるかい?
   “悪い行いは、良い行いで消すことができる”」

主人「自分の過去の過ちを、残りの人生かけて消せるのかなぁ」

主人「なんてね、そんな事をいつも考えているんだ」

亜美「消せるYO!ていうか余裕で逆転できるよ、おじさんは!」

真美「そんな事言ったら、真美達もやばいよ!昨日今日と、すっごい悪い事しちゃったし」

主人「ははは、そりゃあ大変だね。でもね、子供にはまだビッグチャンスがあるんだ」

真美「ビッグチャンス?」

主人「今日はクリスマスイブ。イブの日は、何とポイントが2倍なんだよ?」

亜美「えー、何それー?電気屋さんじゃあるまいし」

主人「本当さ。騙されたと思って今日いっぱい良い事してごらん、きっと良い事あるから」

真美「良い事って、具体的に何すれば良いの?」

主人「それは自分にしか分からない。自分の胸に聞いてみるんだよ」

亜美「えー、うさんくさ」

真美「亜美、失礼だってば!」

主人「ははは、構わんよ。さて、長引かせてしまったね」


主人「新幹線のチケット代、確かに貸すよ。後でちゃんと返してくれよ?」

真美「えぇー、いいの!?おじさん、ホントにありがとう!!」

亜美「おじさん、うさんくさいって言ってごめんなさい!」

主人「君達のお仲間にもよろしく伝えておくれ。メリークリスマス」

亜美・真美「メリークリスマ→ス!」

ガチャッ バタン


真美「亜美、ダッシュで帰ろう!」

亜美「うん!」



ガシッ!

亜美・真美「えっ!?」


悪徳・渋澤「へっへっへっへっ」

亜美「だ、誰…?」

渋澤「こんにちは、双海亜美ちゃんに真美ちゃん」

悪徳「俺達はしがないフリーのジャーナリストよ。
   ちょっとオイシイ話がそこの家から聞こえたもんで、立ち聞きしてたのさ」


真美「真美達の話を盗み聞きしてたの!?」

悪徳「人聞きの悪い事を言うな。盗み聞きじゃねぇ」

悪徳「たまたま塀を乗り越えて、窓に機材を付けてたら、おたくらの声が聞こえただけだ」

渋澤「ひひっ、違いねぇ」


亜美「そんなん盗聴じゃん!ヘリクツだYO!」

悪徳「うるせぇな、カード詐欺の犯罪者が偉そうなクチきくんじゃねぇ」

悪徳「とりあえず、こいつらとっととホテルに連れて警察に連絡してやるか。
   スッパ抜かせてもらうぜ」

悪徳「そんで、その後はあのオヤジの近況を独占取材だ」

真美「……あのオヤジって、まさか、おじさん?」

渋澤「如月千早ちゃんの弟が交通事故死、で家庭崩壊か。やっと大当たりが出たぜ」

真美「そ、そんな……おじさんと千早お姉ちゃんをどうする気さ!」

渋澤「何もしねぇよ。ただ記事にして世間を騒がしてやろうってだけさ」


悪徳「余計な事言うな、シブ。とっととこのガキ連れてくぞ」

渋澤「へい、アクさん」


真美「くっ!」バッ!

渋澤「あっ」

真美「えーいっ!!」ブオッ

ちーん

渋澤「オウフッ!?」ガクッ

悪徳「あ、シブ!馬鹿っ!」

亜美「放せー!」バッ!

悪徳「あ、こらっ!」


真美「亜美、今だー!」ガシッ!

悪徳「あん?」

亜美「ゴッドハァンド!スマァッシュッ!!」グァッ

ずぶしっ

悪徳「アッーーー!!!」ガクッ

亜美「成敗ッ!!」キリッ


亜美「それ、逃げろ→!」ダッ!

真美「待って、亜美!」

亜美「えっ、何!?」ピタッ

真美「…………」ゴソゴソ…

悪徳「あ、おい!人の荷物を勝手に……いてて、ケツが…!」


真美「これがこの人のカメラだ…!」ピッ

真美「やっぱり……真美達もおじさんも撮られちゃってる!」

亜美「ええぇぇぇぇぇっ!?」

渋澤「そうそう、その写真を使って765プロアイドルを3人いっぺんに叩いちゃおうって…」

悪徳「余計な事を言うんじゃねぇ、シブ!」


亜美「それだけじゃないじゃん!えっ、ちょ、貸して!」

亜美「この間引退した西プロの小早川瑞樹……それに、色んな芸能人のプライベートが撮られてる…!」

渋澤「そうそう、プライベート盗撮して世間騒がすのが俺達のおシゴト…」

悪徳「余計な事を言うんじゃねぇっつってんだろ!」

真美「じゃあ、やっぱりこれは真美達がボッシュートしとくね」テレッテレッテーン

悪徳「おい!それこそ強盗じゃねぇか!」

亜美「先に盗撮したのはそっちじゃん!じゃーね→!」ダッ!

渋澤「あっ」

タタタ…


悪徳「くっそ、逃げやがった……おい、立てシブ!」

渋澤「ぐあぁぁ……ダメ、アクさん、俺のたまごっちが…」プルプル…


悪徳「あんのクソガキ、俺の商売道具を盗みやがって…」

悪徳「くっくっく……大人を舐めて、タダで済むと思うなよ」ポパピプペ…

〜長野のスキー場〜

司会「本日は素敵なゲストの方々にお越しいただいております!
   765プロの皆さんです、どうぞー!」

ワアァァァァァァ!

春香「今日はなんとなんと!雪歩の誕生日ですよ、誕生日!」

美希「だから、皆でハッピバースデー歌うの!お客さんもだよ?」

雪歩「そ、そんなの聞いてないよぅ。美希ちゃんもそういうのいいって…」オロオロ…

真「用意はいいですかぁ!?せぇーのっ!」

観衆「ハッピバースデートゥーユー!」

雪歩「ひぃーん……恥ずかしいので雪掘って埋まってますぅ…」ズゾゾゾゾ!

やよい「うわー!雪歩さんが雪の中に消えましたー!」

貴音「なんと!いりゅーじょんです!」

あずさ「あらあら〜、いつ見てもすごいわねぇ」

千早「まぁ、なんでも、いいですけれど」

伊織「良くないわよ!ゲレンデに穴掘るなー!」

響「雪歩ー!大丈夫かー、今助けるさー!」

ワハハハハハハ…


P「何とか始まったか……律子はまだ仙台に着かないのかな」

〜仙台駅〜

亜美「着いた!」

真美「さぁ、早くチケットを買って…!?」


ザワ… ザワ…


亜美「け、警官の人がいっぱいいるよ、真美…」ワナワナ…

真美「きっと誰かが警察に連絡したんだ……どうしよう、チケット買えないよ…」


チラッ

亜美「ひっ!こっちを見た……かも」

真美「怪しまれないように、こっそり、ダッシュで戻ろう…!」

亜美「どこに!?」

真美「いいから!」ダッ!

タタタ…

タタタ…

真美「1コだけ、隠れられる場所があるよ!」

亜美「どこさ!?」

真美「ここっ!」


亜美「ここって……今朝入ったお屋敷…?」

真美「そう、おじさんの実家。明日には取り壊すって言ってた」

真美「おじさんには悪いけど、ここに一旦隠れよう」

亜美「お、おー…」

ガチャッ バタン


亜美「それで、どうしよう?」

真美「……亜美、おじさんが言ってたこと、覚えてる?」

亜美「イブの日はポイント2倍?」

真美「そう。悪い行いは、良い行いで消せるって話」

真美「もう、夕方になってる。クリスマスイブももう終わっちゃう」

真美「それまでの間に、真美達ができる良い事を考えようよ」

亜美「うん……自分の胸に聞いてみろって、おじさん言ってたけど…」


真美「思ったんだけどさ……イタズラするのって、悪いことかな?」

亜美「えっ?」

真美「イタズラして、人を困らせるのって、悪いこと?」


亜美「……悪くはないと思うよ」

真美「だよね」

亜美「ましてや、イタズラする相手が悪い大人だったら…」

真美「真美達ならともかく、おじさんや千早お姉ちゃん、色々な人をいじめる人達にだったら…!」

亜美「悪いことじゃないよね!」

真美「むしろ悪い人達を懲らしめるんだから、チョ→良い事っしょ!」

亜美「だよねっ!!」


真美「いっちょやりますか、亜美殿」

亜美「やりましょう、真美殿」

・・・イタズラ準備中・・・


ろ〜おでぃんぐぅ ろ〜でぃんぐ〜♪

なーがいーのーイーヤーだー

ろ〜おでぃんぐぅ ろ〜でぃんぐ〜♪

みーじーかーめーきーぼーう

それっ♪

〜仙台プラザホテル〜

支配人「お、お客様には最上級のスイートをご用意致します。
    某国の首脳もご利用になられたお部屋でございまして…」オドオド…

律子「子供だけだと気づかずに部屋にチェックインさせるなんて…!」

フロント「それが実にお上手な作り話でして、どうにも…」

律子「子供に騙されるなんて、それでもあなた達プロなんですか!?」

律子「それに、あの子達をカード詐欺の現行犯で捕まえようとした!?」

支配人「あ、あの子達が逃げるもので…」

律子「大人に脅されてるんだから、怖がって逃げるのは当然よ!
   そもそも捕まえるためじゃなく、あの子達の居場所を突き止めるための盗難登録だったんです!」

支配人「は、はい……それにつきましては、情報の行き違いがあったとしか…」

律子「あなた達がホテルから追っ払ったおかげで、あの子達は知らない街で迷子に…!!」


律子「くっ!!」ダッ!

バァン!


支配人「そうだったのか……はぁ、何ということだ…」

律子「亜美……真美、どこにいるのよ…!」

タタタ…



ダダダ…

悪徳「くそ、いやがらねぇ!結構探してんのに、あのクソガキ共め」

渋澤「もう仙台を出ちまったんじゃねーの?」

悪徳「そんなはずはねぇ!さっき警察に電話したんだ。
   カード詐欺のガキ二人が仙台駅に向かってるから、張り付いてくれってな」

悪徳「仙台駅に警官が何人かいたから、ウソじゃねぇってのは警察も確認したはずだ」

渋澤「するってぇと、まだ仙台を出てねぇのか。だとしたらどこに?」

悪徳「知るか。もうちょい探すぞ、俺はここ、お前はあっちのブロックだ」

渋澤「うへぇ、しんどい…」


真美「……あっ、いた!」

渋澤「おっ?」

真美「うわー、逃げろー!」ダッ!

渋澤「あ、待ちやがれ!」

渋澤「アクさん、いたぞ!どっちか分かんねぇけど一人見つけた!」ダッ!

悪徳「何ぃ!?つ、捕まえろ!」ダッ!


ダダダ…

渋澤「ぜぇー……ぜぇー……くっそ、見失ったぜ」

悪徳「逃げ足速いな、一体どこに消えた…」


真美「ここだよん♪」ヒョコッ

悪徳・渋澤「おっ?」


亜美「やっほー、おじさん達→」

真美「真美達を捕まえたいんなら、このお屋敷に入っておいで→」

悪徳「いつの間にこんな屋敷の最上階に……3階建てか」

渋澤「舐めやがって……とっちめてヒーヒー言わしちゃる!」ダッ!

悪徳「待て、シブ。無駄に事を荒立てる必要はねぇ」

渋澤「な、何ぃ?でもよ…」

悪徳「俺に任せろ」


悪徳「おーい、お嬢ちゃん達ー!」

亜美・真美「なーに→?」

悪徳「さっきは悪かったなー。765プロを陥れるような事はもうしねぇ」

悪徳「だからよー、カメラだけでも返してくんねぇかな?こう見えて俺にも家族がいんだ」

悪徳「卑しい仕事だが、カメラがねぇとおまんまの食い上げだよ。なー、頼むよー。
   765プロには手ぇ出さないからさー」

真美「約束するー?」

悪徳「今日は聖夜だぜ?神に誓って約束するよー」


亜美「うん、分かったー。ちょっと待ってて、今投げるねー」


悪徳「へへ……ほれ見ろ、チョロイもんよ」ドヤッ

渋澤「へっへっへ、さすがアクさん」

ゴソゴソ…

亜美 つレンガ

真美「一思いにやっちゃって」

亜美「ウィームシュッ」キリッ


亜美「じゃあ、投げるよー!」

悪徳「おー」

ブン!

ヒューン…


渋澤「ん?」

レンガ「ヒューンwww」

ガンッ!

渋澤「」ドサッ


悪徳「!?……お、おいシブ!大丈夫か!?」

渋澤「グッ……あぉぉ…!」プルプル…

悪徳「シブ、この指何本に見える?」(3本指)

渋澤「へっ……は…8本……?」ピヨピヨ…

悪徳「……………」


悪徳「おーい!レンガじゃねぇよ、カメラ投げやがれ!」

亜美「ありゃ、本当だ、間違えちったー(迫真)」

真美「もう、亜美はおっちょこちょいだなー。真美に任せてYO(棒)」

真美 つレンガ


真美「行くよー!」

ブン!

ヒューン…


レンガ「ヒューンwww」

悪徳「!?うお、危ねぇっ!!」サッ

ゴッ!

渋澤「」ドサッ

渋澤「あへ……あへ………」ピクピク…


亜美・真美「イエ→イ!」ハイターッチ!

悪徳「あんのガキ共、舐めやがってぇー!!」

悪徳「シブ、いつまで寝てんだ、起きろ!」ゲシッ!

悪徳「俺は裏から回る!お前は正面から入って追い詰めろ!」ダッ!

タタタ…


渋澤「はへ……あ、アクさん……ひひ…」ピクピク…


真美「来るよ、亜美!それじゃあ作戦開始!」

亜美「ラジャ→!」ビシッ!

悪徳「畜生、ガキに振り回されるなんて、何てイブだ…」

悪徳「裏に回って…」チラッ


ハシゴ「…………」 → 窓


悪徳「……へっへっへ、おあつらえ向きに窓へ上れるハシゴがあるじゃねぇか」

悪徳「待ってろよガキ共め、ふん捕まえてギッタンギッタンに…」ギシッ ギシッ

ギシッ ヌルッ

悪徳「むっ?」


ハシゴ「油がヌルヌルして滑るよーww」ヌルッ

悪徳「う、うお……うおぉぉぉぉっ!?」ツルル-ッ

ドテーン!

悪徳「ぐふっ……うぅ……!」


グラッ

ハシゴ「倒れまーすwww」グラァ…

悪徳「」

ゴシャッ

渋澤「ひっ……へへっ……へぇ…」ヨロヨロ…

渋澤「ぬぅぅぅぅぅうっ!ぶっ殺してやる!!」ダッ!


ドア「…………」


渋澤「出てこいやコラァ!」ガシッ

プツッ

渋澤「……ぎゃあああああぁっ!!」

ドア「画鋲が付いてますよwww」


渋澤「うおおおぉぉ、ふざけんじゃねぇ!!」ベリッ!

ドア「あ、今ドア開けると…ww」

ガチャッ


ヒューン

こーん!

渋澤「」ドサッ

タライ「上から来ましたwww」

悪徳「ぐっ……ちっきしょ…」ガラッ…

悪徳「あん…?」チラッ


勝手口「…………」


悪徳「何だよ、勝手口があるんじゃねぇか」テクテク

ガシッ

ジュウゥゥゥ…

悪徳「あぎゃあああああぁっ!!」

勝手口「ドアノブすっげぇ熱いよww」

悪徳「ぐっ…こんの野郎っ!!」

バァン!

悪徳「へっ……最初から蹴破れば良いこった」

悪徳「おーい、嬢ちゃん達よー!どこにいるんだーい?」


悪徳「出てこないなら、こっちからぶっ潰しに…」スッ

カチッ

バーナー「ボボボーボボーボボォーーーwwww」

悪徳「オギャアアアアアアアァァァッ!!」ボボォーッ!


悪徳「頭が……頭があぁぁぁぁぁ!!!」バタバタ!

バーナー「外の雪で消せよ、バーローww」

悪徳「ひいぃぃぃぃぃぃぃ!!」ダイビング ボフン

じゅうぅぅぅぅぅ…


悪徳「く……くそったれ……」プスプス…

渋澤「うっ……うぐぐ…」プルプル…

渋澤「どこだオラァ!出てきやがれぇ!!」ガバッ!


廊下「…………」


渋澤「……あーそうかい!いいだろう!こっちから行ってやらぁ!!」

渋澤「てめぇら、生かしちゃおけ…」スッ

ツルッ

渋澤「うお、うおぉぉっ!?」ツルツルツル

廊下「すっごい滑るよww」


渋澤「うおぉぉぉぉおぉぉぉぉっ!!」ツルツル-

ツルツルー…


壁「青ペンキ塗り立てwww」

べちゃっ

渋澤「」

悪徳「フーッ…!……フーッ……!」イライラ

悪徳「殺すっ!絶対に殺すっ!!」


ギシッ… ギシッ…

悪徳「ようやく中に入れたぜ」

悪徳「おっ」


亜美「!……やべっ、見つかっちった!」ダッ!


悪徳「うおおあぁぁぁ!待ちやがれぇぇ!!」ダッ!

ダダダ… ギシギシ…

亜美「逃げろ→!」ダダダ…

廊下「…………」ギシギシ…


悪徳「待てぇー!!」ダダダ…

ギシギシ…

ズボォッ!

悪徳「うおおぉぉぉっ!?」

廊下「おっさん重いwww」


亜美「へへっ、やっりぃ〜!真美っ!」

真美「あいよ→」

ロープ「チョキン」


悪徳「!?」

雪「上からドサドサーーwwwww」

悪徳「」ズドドドド…

渋澤「ぐえぇ…!……ペッペッ…」ゲホッ

渋澤「ちきしょう、ペンキが……一張羅だったのに、あーあ真っ青…」

渋澤「んっ」チラッ


洗面所「…………」

渋澤「ちょっと洗っておくか…」


高圧電源「…………」

渋澤「蛇口をキュッとな」ガッ


高圧電源「ビリビリビリィーーーwww」

渋澤「あばばばばばばばば!!」


洗面所「蛇口に変なコード繋いであったじゃんwww」

高圧電源「気づかないとか馬鹿すぎワロタwwwww」

洗面所「ていうか出ねぇし、水wwww」

渋澤「あばばばばばばばばばばば!!!」

ズッ… ズズズ…

悪徳「うおおおおおぉぉぉ!!」ズボォッ!


悪徳「はぁ、はぁ……ガキ共はどこだ!?」

悪徳「んっ?……何だこの音は?」

ビリビリ-… アバババ…


高圧電源「ビリビリィーーーwww」

渋澤「あばばばばばばばばばばばばば!!!」


悪徳「!?おい、何やってんだシブ!!」

パチン

高圧電源「Zzzz…」

渋澤「あばばばばばばばばばばばばば!!!」

悪徳「落ち着け!もうスイッチ切ったぞ!」

渋澤「あばば……あ、アクさん…」パチッ

悪徳「大丈夫か?……何でお前そんなに真っ青になってるんだ?」

渋澤「何でアクさん頭ハゲてんの?」

ゴンッ

渋澤「痛いっ!」

悪徳「ちきしょー、俺の最後の砦がーっ!!」ブワァッ


亜美・真美「おっじさ→ん!」

悪徳・渋澤「んっ?」


亜美「亜美達は上にいるYO!」

真美「悔しかったらここまでおいで→!」

ダダダ…

渋澤「あんの野郎〜〜〜!!」

悪徳「シブ、階段だ!アイツら追い詰めるぞ!!」

渋澤「おうっ!!」


階段「…………」

ダダダ…

悪徳・渋澤「待てぇーーー!!」


ヒューン

悪徳「んっ?」


ペンキ缶「ヒューンwww」

ガンッ!

悪徳「!!………ぐぅぅぅ…!」ガクッ

渋澤「あ、アクさん!」

悪徳「は、鼻が……!」プルプル…

渋澤「野郎、もう勘弁ならねぇ!!」ダッ!

悪徳「お、おい……気をつけろ…」


ペンキ缶「ヒューンwww」

ガンッ!

渋澤「あがあぁっ!!さ、差し歯が取れたぁ!!」ガクッ


悪徳「あんのクソガキ……もう許さねぇ……」プルプル…

悪徳「シブ、立て!!」

悪徳・渋澤「うおおぉーーー!!」ダダダ…


亜美・真美「せ→の!」ヒョイッ

ヒューン


ドラム缶「ヒューンwww」

悪徳・渋澤「」

ゴキャッ

亜美・真美「いやった→!」ハイターッチ!


渋澤「おっ……あががっ……」ピクピク…

悪徳「ち、ちきしょう……ふざけ、やがって……」ヨロヨロ…


真美「それ、3階の屋根裏へ逃げろ→!」ダッ!

亜美「お→!」ダッ!


渋澤「アクさん……アイツら3階に…!」

悪徳「うるせぇ、聞こえてるよ……行くぞっ!殺す!!」ダッ!


亜美「ココをこうして…」

真美「うん、そんなカンジ」

ドア「おk」

悪徳「はぁ、はぁ……どこだ、3階への階段は!?」

渋澤「アクさん、あそこだ!行くぜ!」ダッ!

ガチャッ

ドア「あっ…ww」

悪徳・渋澤「ん?」


ズドドドドドドド…

悪徳「おい……何かやべぇぞ…」

渋澤「何の音?」


ズドドドドドドッ!

悪徳「!?……か、階段の上から…!」

渋澤「タンスが落ちてくるぞー!!」

タンス「ちょっと通りますよwww」


ズドドドドォッ!!

悪徳「ひっ!!ひでぶっ!!」

渋澤「あろ!!」

亜美「あはは、いやーユカイユカイ!」

真美「そろそろ逃げよう!このロープを使って…」


真美「よし、こんなカンジかな!」

亜美「うえぇぇ、ここを降りてくのかぁ……怖いね」

真美「しょうがないよ、中の階段はタンスでもう塞いじゃったもん」

亜美「そりゃそうだけどさ…」


真美「よし……じゃあ、真美から行くね…?」ドキドキ…

亜美「真美、ガンバ!」


ギリギリ…

真美「……………」ススッ… スッ…

亜美「ひええぇぇぇ…」ドキドキ…

真美「………ふぁっ、降りれた!」スタッ

亜美「や、やったね!」

真美「さぁ、次は亜美の番だよ!大丈夫、できるできる!」

亜美「う、うん……まぁヨユーっしょ…」ドキドキ…


ギリギリ…

亜美「……………」ススッ…


ギリギリ…

ロープ「ぶちん」

亜美「えっ」

真美「!?亜美っ!!」


ヒューン…

ドシンッ

真美「亜美ーーーっ!!!」


亜美「……………」

真美「亜美っ!大丈夫!?ねぇ、亜美っ!!」ペチペチ

亜美「う、うぅ〜ん………」モゾモゾ…

真美「亜美……!良かったぁ、ほら、起きて!!」ペチペチ

亜美「……うーん、あと5時間…」

真美「早く逃げないと!ねぇ、亜美ってば!!」ペチペチ


ザッ

真美「はっ!」バッ!


悪徳・渋澤「へっへっへっへっへっ」

真美「あ、あわわわ……」ガタガタ…

悪徳「鬼ごっこは終わりだ、お嬢ちゃん」

渋澤「次はおじさん達ともっと楽しいアソビをしましょうね〜」


真美「ひっ……」ガタガタ…

亜美「う〜ん?」ムニャムニャ…


悪徳「来い!」ガシッ!

真美「きゃあああっ!!」グイッ

亜美「あ、真美っ!」

渋澤「お前も来るんだよ、さぁ屋敷ん中入れ!」ガシッ!

亜美「うわあぁっ!?」グイッ

亜美「止めてよー、放せー!!縄をほどけー!!」ジタバタ

悪徳「そうは問屋が卸さねぇよタコ」

渋澤「大人をコケにした罰っつーモンを味わってもらわねぇとな」

真美「ま、真美達をどうするのさ…」ガタガタ…


悪徳「へっへっへっ、どうして欲しいよ?」

真美「へっ?」

渋澤「真美ちゃんはどんなプレイがお好み?ひひっ」


真美「な、何を……」ガタガタ…

亜美「馬鹿にするなー!亜美達はポケ毛ンもドラクヱもプレイした事あるもん!!」ジタバタ

渋澤「へへへ、こっちの方は俺達の言ってる意味を理解してねぇようだな」

亜美「何さ、こっちの方って……あーみー!亜美っていうんだYO!!」ジタバタ

悪徳「はっはっは、分かったよ亜美ちゃん。俺らも亜美ちゃんに教えてあげようか」

真美「や、止めて……お願い、止めてよ…」ガタガタ…


ガシッ!

亜美「あ、エッチ!」

悪徳「亜美ちゃんにオトコっつーモンを教えてやるよ!!」

渋澤「ヒャッハー!13歳とかマジやべぇっしょ!!」

亜美「う、うわ…」

真美「イヤアアァァァァァァッ!!!」


ブオッ!

ガンッ!

渋澤「ぐあっ!?」ドサッ

悪徳「!?」

主人「ここで何をしている」

悪徳「なっ……て、テメェは!!」

ガンッ!

悪徳「あだっ!!」ドサッ


主人「しばらくは起きんだろう……鉄製のスコップで叩いたし」

真美「おじさん!」

主人「危ない所だったね」


ブチッ

亜美「ふぅ……ありがとうおじさん!」

主人「いやいや、なんの。さて、外に出ようか」

真美「う、うん!」

ガチャッ

亜美「うわぁ……すっかり真夜中だね」

主人「そうだね……さて、亜美ちゃん、真美ちゃん」

真美「ん、何?」


主人「この柱に、ほら、出っ張りがあるよね?」

真美「えっ?……あぁ、うん、あるね」

主人「これを引き抜いてごらん。結構強い力じゃないと難しいが」

真美「えっ、う、うん……亜美、そっち持てる?」

亜美「うん、いいよ」


主人「あと、引き抜いたら急いで屋敷から離れるんだ。いいね?」

亜美「な、何が起きるのさ…?」

真美「まぁいいっしょ。行くよ、亜美」

亜美・真美「せ→の!えいっ!」グイッ!

すぽん

主人「はい、離れて!」

ダダダッ!



……ズゴゴゴゴゴゴゴ

亜美「……な、何の音?」

真美「さぁ…」

悪徳「うぅ、くそ……おいシブ、起きろ」クラクラ…

渋澤「うぅ〜ん……あれ、亜美ちゃん達は?」パチッ

悪徳「あのオヤジに殴られて邪魔された……くそ、逃げやがったな」

渋澤「えぇ、またかよ……ん?」


ズゴゴゴゴゴゴ…

渋澤「なぁ、アクさん……地震?」

悪徳「……そういや、結構揺れてるな…」


ズゴゴゴゴゴゴゴゴ…

悪徳「!?……お、おい!何かやべぇぞ、地震じゃねぇ!!」グラグラ

渋澤「ま、まさか!?や、屋敷が崩れてるっ!!」グラグラ

ズゴゴゴゴゴ!!

悪徳・渋澤「うおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉっ……!!!」


ズシャアァァァ…



亜美・真美「」ボーゼン…


主人「この屋敷は、さっきの部材を引き抜くと総崩れする仕組みになっていたんだ」

主人「私が今の商売を始めたのも、釘なしでこういう木造建築を建てられることを
   知ったのが一つのきっかけだね」

亜美・真美「」パクパク


主人「救急車を呼んどいてあげるか、かわいそうだし」ポパピプペ…

真美「おじさん、助けてくれて本当にありがとう」

亜美「あと、ごめんね。お屋敷の中にイタズラしちゃって…」

主人「なぁに、元々ああして壊す予定のものだったんだ。構わんよ」


真美「……あっ」ピタッ

亜美「えっ」ピタッ

主人「ん?」



律子「この子達を知りませんか!?……すみません、この子達を見ませんでしたか!?…」

真美「律っちゃん……」

律子「!?……亜美、真美っ!!」


亜美・真美「律っちゃあぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」ダッ!

律子「あぁ!良かった、無事で!!」


亜美「うえええぇぇぇぇ……ごめんなざいぃ……!」ボロボロ…

律子「まったくもう!心配したんだから……!」

真美「会いたかったよぉぉぉ……ひっく…」ボロボロ…



主人「良かったねぇ、事務所の人に会えて」

亜美「うん!ポイント2倍とか、絶対ウソだと思っててごめんね」

律子「本当にありがとうございます。ウチの子達がご迷惑をおかけ致しました」ペコ ペコ

主人「あぁいえ、とんでもない。とても良く出来たお子さん達ですね」

律子「滅相も無い!いっつも人様に迷惑かけてばっかりで!」ペコ ペコ

真美「そりゃないぜ〜律っちゃぁ〜ん、お手柔らかに頼むYO〜」

律子「おだまりっ!」ゴツン ゴツン

亜美・真美「痛い!」

主人「それでは私はこれで。くれぐれも目を離さないようにね」

律子「はい、肝に銘じます。本当にありがとうございました」

亜美「あっ、そうだ!」ティン!


主人「ん?」

亜美「おじさん、これ、新幹線のチケット代。もう大丈夫だから返すね」

主人「おぉ、そうだったね。いいのかい?」

真美「いいのいいの!律っちゃんともこうして合流できたしね!」

律子「あんた達、どこまで人様に迷惑かければ…」

亜美「うわわわ、律っちゃん抑えて抑えて!亜美達反省してるから!」


主人「それじゃあ、改めて。メリークリスマス」

亜美・真美「メリークリスマ→ス!!」フリフリ

律子「さ、て、と……すっかり夜ね。戻りましょうか」

亜美「戻るって、長野に?」

律子「今から長野には戻れないわよ。ホテルに行くのよ、ホテル」

真美「えぇーっ!?ほ、ホテルって、まさかプラザホテル…」

亜美「止めた方がいいって!あそこの人達、亜美達を捕まえようと…」


律子「あぁ、その辺は心配しなくて大丈夫よ。もう話はつけてきたから」

真美「えっ?」

律子「それにね、さっきプロデューサーから連絡があったの」

律子「今、皆を連れてこっちに向かってるんですって。そろそろ着く頃ね」

亜美「本当っ!?」

律子「えぇ、だからね。あそこの支配人に、皆で泊まれる最上級スイートへ案内してもらうわ」

律子「さっき、ご用意致しますとか言ってたし、いまさら嫌とは言えないはずよね」ギラッ

真美「さ、さすが律っちゃん……マジぱねぇっす」


律子「それじゃ行くわよ。あっ、亜美達のお父さんとお母さんには連絡しておいたわ」

亜美「やるぅ、律っちゃん」

〜仙台プラザホテル〜

チーン

ガチャッ

響「着いたぞー!」

亜美「あ、皆ー!」

真美「いらっしゃ→い!どうぞどうぞ」


春香「うわあぁぁぁ!でっかくて広ーい!」

真「じゅ、絨毯が……すごい、絵本の中みたいだ!」

美希「ベッドにはミキが寝るの!ゼーッタイ譲らないの!」


P「すげぇ……こんな所に二人で泊まってたのか!?」

律子「本当ですよ、もう呆れちゃうわ」

伊織「ふん、まぁまぁね」

やよい「」

あずさ「やよいちゃーん、起きてるー?」ペチペチ

亜美「皆さん、昨日と今日は、ご心配をおかけしまして、誠に申し訳ございません」

真美「という訳で、お詫びの印としまして、こんなものをご用意しました→!」

P「おっ?」

バサッ!


やよい「うわああぁぁぁぁ!おっきいケーキィー!!」キラキラ

貴音「なんと、凄まじい量のでぃなぁ……おぉ、面妖な…」キラキラ


亜美・真美「ゆきぴょん、お誕生日おめでと→!!」

雪歩「えぇっ!?」

亜美「さぁさぁ!食べたまえよゆきぴょん!」

真美「早くしないとケーキ冷めちゃうYO?」

千早「元から冷たいわね」

雪歩「うん……ありがとう、亜美ちゃん、真美ちゃん!」

響「やったぁー!自分達、夜ごはん食べてなかったからお腹ペコペコさー!」

あずさ「あら〜、でも、この時間から食べると太っちゃうかしら〜」

真「何言ってるんですか、あずささん!おいしいものは体に良いんですよ!?」

貴音「真の言う通りです。さぁ、あなた様もどうぞお召し上がり下さい」ズイッ

P「いや、取り分けてくれるのは嬉しいが……貴音お前それ盛り過ぎだ」

千早(太る……この時間に食べれば、太る……胸も…?)ドッサ-

春香「千早ちゃん、そ、そんなに食べるの!?」

やよい「うっうー!タッパーに入りきらないですー!」

律子「フロントに言えば、折り詰めにしてもらえるんじゃないかしら?」

小鳥「そうですね、ちょっと聞いてみます」ガチャッ

伊織「小鳥、いつの間に」

美希「雪歩もイチゴババロア食べるの!おいしいよ?」

雪歩「うぅぅ……美希ちゃんごめん、もうお腹いっぱい…」


真美「んっふっふ〜、皆に喜んでもらえて良かったね!」

亜美「そだね!」

アハハハハハハハ…

〜翌朝〜

チュンチュン ピヨッ

テレビ『崩壊した家屋から救出された男性2名は、常習的に盗聴・盗撮等の行為を
    行っていた可能性が高く、宮城県警は県迷惑防止条例違反での立件も視野に
    入れ、男性の回復を待って今後詳しく話を…』


P「さーて、今日はスキー場に行くんだったな。お前ら早く飯食えー」

一同「はーい」


真「雪歩と響はどっちやる?スキー、スノボー?どっちも教えてあげられるよ!」

響「自分スノボーがいいな!ジャンプとかしてみたいぞ!」

雪歩「えぇぇ、板が一本しかないのって怖いよぅ……私は、スキーかなぁ」


P「スノボーなら俺も教えられるな。一緒に滑るか、響?」

響「えーっ!ほ、本当か!?」パアァ-ッ

美希「ちょっと待つの!ハニーが滑るならミキも行くの!」

春香「楽しみだね千早ちゃん!私が一から教えてあげるからね!」

千早「えぇ、そうね。お願いするわ」


亜美「千早お姉ちゃん!」

千早「あら、亜美に真美。どうしたの?」


真美「真美達ね、仙台で素敵なおじさんに出会ったんだ」

千早「素敵なおじさん?」

亜美「千早お姉ちゃんには、絶対、ずぇーったいに会って欲しい人なんだYO!」


真美「これ、千早お姉ちゃんにあげる!」

千早「?……これは?」

亜美「どういう風に使うか、教えるね」

〜おもちゃ屋さん〜

ガチャッ

主人「ふわぁ……冷えるなぁ…」

主人「しかし、賑やかな子供達だった……もう仙台を離れたかな」



ザッ

主人「ん?」


千早「……………………」



主人「……あぁ………ははは、まだ店開いてないんですよ」

千早「………外にあるものを眺めていても?」

主人「えぇ、構いませんよ」

千早「………………」

主人「………………」イソイソ…


千早「……素敵な作品ですね」

主人「ははは……そうでしょうか。えぇ、ありがとう」

千早「いつからこのお店を?」

主人「んー……こっちに越してからですので、数年は経ちますねぇ」

千早「………………」

主人「ははは……」


主人「……あなたのお母さんは、お元気ですか?」

千早「えぇ……ちょっとやつれてはいるけれど、それなりには」

主人「そうですか……」

千早「昨日は…」

主人「ん?」

千早「昨日は、私の友人がお世話になったと」

主人「あぁ、亜美ちゃんと真美ちゃん。いえいえ、とんでもない」

千早「あの子達は、あなたに良く懐いていたようでした。すごく、優しい人だったと」

主人「そうですか」


千早「……昔も、優しい人でした。優が、亡くなるまでは」

主人「………………」

千早「ここから先は、私の独り言です」

主人「……はい」


千早「私の父は、家族思いの、優しい人でした」

千早「ただ、長男を……私の弟を亡くしてからは、変わってしまった。
   母と不仲になり、喧嘩ばかりするようになって…」

千早「弟が亡くなってからの父と母は、私は大嫌いでした」

主人「………そうでしょうね」

千早「でも、私の友人から色々聞きました」

千早「過去の事を悔いている事、親に恵まれない子供に夢を与える仕事をしている事」

千早「そして、娘のファンであるという事も」

主人「……ははは、いや、お恥ずかしい」

千早「でも、両親が離婚して、私と父は会う事ができません」

主人「えぇ……」


千早「だから、これをあなたに…」スッ

主人「………これは……」

千早「そして、もう一方は私が持っています」

千早「キジバトは、愛と友情のシンボル」

千早「お互いがこのキジバトを持っている限り、二人はずっと友達……でしょう?」

主人「お前……」


千早「私、これから“蒼い鳥”を歌う時は、これを付けて歌うわ」

千早「それが、私があなたにしてあげられる、今までくれた愛情への感謝の印…」


主人「千早ッ……!」

千早「……お父さんっ!!」



真美「……メリークリスマス、千早お姉ちゃん、おじさん」

亜美「亜美達、すっかりお邪魔虫だね」

真美「うん。そろそろホテルに戻ろっか」

亜美「そだね」

真美「家に帰ったら、パパとママに謝ろうね」

亜美「うん」



ベルボーイ「ルームサービスの請求書です」


P「亜美、真美!お前ら一昨日のルームサービスで5万も使ったのか!!」

律子「こら、待ちなさいっ!!」

亜美・真美「わ→い!」ドタドタ…


〜おしまい〜

以前、『アルジャーノンに花束を』を元ネタにした少し暗いSSを書いたので、
コメディ的なノリを目指しました。
元ネタは、洋画『ホーム・アローン2』です。

GW明けにクリスマスネタとか、時期外れも良いとこですが、
DVD借りて号泣したので書こうと思いました。

新幹線とかクレジットカードとか、普段あまり利用しないので、
矛盾があったり、こんな事ありえねぇよ、っていうのがあったらすみません。

イタズラのくだりとか、あれは目で見て楽しむものだと思うので、
ぜひ元ネタを見てお口直ししていただければと思います。

それでは、失礼致します。

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