2013年11月08日

モバP「うちのトナカイがご迷惑を…」美嘉「…」

関裕美「プロデューサーさんの日記…?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365341652/

のおまけにしようと思ったが書き方変わりすぎてて諦めたなにか。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1366816816

「…トナカイ?」

この人は何を言ってるんだろう。

ふと、隣を見てみると四本足で歩く鼻水を垂らした生き物が居た。

「ブリッツェンって言うんですよ」

ブリッツェンって由緒正しいサンタクロースのトナカイの名前じゃないのか。

酷く名前負けしている気がした。

そんなことはどうでもいい。

今は妹の話だ。
「うちの妹をどうしたいの?」

酷く曖昧な質問だけど、今のアタシの一番聞きたいこと。

「もちろんいずれはトップアイドルにっ……!」

すると、目を輝かせて彼は楽しそうに語りだす。いきなり話が飛びすぎである。

「妹はまだ十二歳なん…」

そこまで言った所で彼がふと真剣な目をする。

最初から分かっていたかの様に妹の学校のことや、アタシの家のことについて話しだす。

正直な話驚いた。

うちの両親の説得にアタシの家にも一度訪ねたことがあったらしい。

……知らなかった。
でも分かった、この人は本気だ。

本気で莉嘉をアイドルにしようとしている。

「プロデューサー、お客さん?」

振り返るとそこには莉嘉を両脇から持ち上げるように抱える女の子。

「も、もうちょっと小さい子じゃないと無理かな……」

腕がプルプルしている。当たり前だ。もう莉嘉は中学生だ。

……莉嘉が小学生の頃はアタシでもまだ持ち上がったのになぁ…。

そんな益体もないことを考える。

「あ、お姉ちゃんっ!」

あ、気づかれた。
「莉嘉、今アタシこの人と真剣な話してるから」

女の子は察してくれたのか、莉嘉を抱えて出て行こうとする。

「うん‥やっぱり重い…」

もはや、若干引きずっている。

「ひどーい!凛ちゃん、女の子に重いとか言っちゃダメなんだよぉーっ!」

なるほど、凛ちゃんって名前らしい。

「莉嘉を宜しくね!凛チャンチャン★」

「チャンチャンってパンダみたいだからやめてよ!」

ボケれば律儀に突っ込んでくれる娘らしい。
凛ちゃんが出て行ったのを見計らってか、彼が口を開く。

「いい娘だろう?うちの凛」

なんか凄く嬉しそう。そして、いつの間にか敬語が崩れてる。

「悪い娘じゃないのは分かるよ★」

だけど気は抜かない。妹を預けるだけの信頼に足る人なのか見極めなくては。

「今はあれだけど、最初は大分俺も手を焼いて…」

彼女の話題になった瞬間に彼は饒舌に語りだす。

初対面、彼女がデビューするまでのレッスンの日々、初めてのLiveバトル。

移籍してきた二人目のアイドルの話。
どのくらい話が続いただろうか。

ふと、思い出したかのように彼は口を止める。

「ごめんな、夢中になって話しちゃったな」

残念もう少し聞きたかった。

なんでアタシは時間を忘れるほどに、彼の話を夢中で聞いていたんだろう。

いずれ莉嘉も彼の話に出てきた、凛ちゃんや話に出てきたアイドル達の様になるのだろうか。

レッスンをして、初めてのLiveバトルをして、きっといずれ莉嘉にもファンが……。

「…アタシ、羨ましいのかな…?」

「なにがだ?」

ふと、口を衝いて出た言葉に自分でも驚いた。
「な、なんでもないよっ!」

「そ、そうか…?」

彼は首をかしげながらも

「まぁ、暗くなる前に莉嘉と一緒に帰れ」

……マズイ。

決めろ。アタシ。

アタシはアイドルに興味を持ってしまっているのか。

「莉嘉〜!そろそろ……」

「ねっ、ねぇっ!」

彼が莉嘉を呼ぶ言葉が終わる前に彼の袖を引く。

「どうした…?」

彼は、不思議そうな顔をしてこちらを向く。

「あ、あのさっ!」

きっと、今言わないと言えないだろうから。
「アタシをプロデュースしてみる気……ないかな…?」

彼の不思議そうな顔が一瞬でにこやかになる。

「ち、違うよっ!莉嘉が心配だからっ!」

「アタシがアナタと莉嘉を見ててあげるよっ!」

そんなこと言わなくてもいいのに、先回りして予防線を張ってしまう自分が嫌になる。

「そっか…でも嬉しいよ」

それでも嬉しそうにする彼に少しの罪悪感を感じる。

「よっし、じゃあ認めて貰えるように頑張らないとな」

でも、言えないよりは言えて良かったと思う。

「あっ、あのさっ!」

このままアナタ呼びでは格好が付かないだろう。
「宜しくねっ、『プロデューサー』★」

プロデューサーは子供みたいな笑顔を見せた後に

「こちらこそ宜しくなっ!『美嘉』!」





初めて名前を呼んでくれた。

一旦切ります。
こんな感じでアイドル達の視点を転々としながら日記を追いかけて書いていこうかと。
日記はプロデューサーの主観なのでこっちで起きた出来事とズレているかもしれませんね。
―――


私がアイドルだなんて夢のようだ。

「はじめまして、プロデューサーさん! 島村卯月、十七歳です。私、精一杯頑張りますから、一緒に夢叶えましょうね♪よろしくお願いしますっ!」

余計なことまで話してしまった気がします。

だけど、嘘偽りない私の本音です。

「私、何だかやれそうな気がしてきたよー!」

私の同期、本田未央ちゃんです。

私たち二人が選ばれたことに意味があるのでしょうか…?

オーディションには沢山の人たちが居たのに…。
そんな考えから私を現実に引き戻したのは

「二人に提案があるんだ」





悪戯を思いついた子供のような表情を浮かべるプロデューサーからの突然の提案だった。
靴の爪先が軽快に床を叩く音が響く。

「ここまでっ!」

「休憩に入ってよしっ!」

トレーナーさんの一言で私たちの動きが止まる。

……プロデューサーさんを含めた。

「なっ、なんで俺まで……!?」

ガクリとその場にへたり込むプロデューサーさん。

肩で息をして相当に辛そうだ。
「二人には、渋谷凛という先輩と仮ユニットを組んで活動して貰うことになる」

いきなりユニットなのかともちろん驚きました。

「もちろん、ユニットに向かないと思えば、個別でプロデュースさせてもらうよ」

続けたその一言に頬が緩む。

私たちがただ、その娘のユニットの一人として選ばれた訳ではないと少し誇らしげな気分になりました。

「だから……」

「今はまだ凛には及ばないでもいい、でも、本人に会う前に少し力をつけて驚かせてやらないか?」

私たちの秘密のレッスンの始まりだった。
「よーし、再開するぞーっ!」

トレーナーさんの両手の掌をパンパンと打ち合わせる音。

「ほら〜、次いくよーっ、プロデューサー、肩貸してあげよっか?」

そう言って未央ちゃんがプロデューサーさんを立ち上がるよう促す。

「歳下の女の子の手を借りて立ち上がるなど男の子としてのプライドが……」

プロデューサーさんは男の子っていう歳でもないような気がします。
「…っ!『ブリッツェン』!」

突然プロデューサーさんが大声を出す。

それに一拍遅れてモフモフした羊みたいな生き物がこちらに走ってくる。

「よく来てくれた」

そう言ってプロデューサーさんは、ブリッツェンと彼が呼んでいる生き物に寄りかかるように乗る。

ブリッツェンはちらりとこちらを向いて会釈をするかのように頭を下げる。

「あっ、ご丁寧にありがとうございます」

条件反射でこちらも挨拶をしてしまう。
「じゃあ二人とも頑張ってくれな!」

そういうと小声でブリッツェンに何かを囁くと、ブリッツェンが走りだす。

トレーナーさんがポカーンとした顔をしている。

「未央ちゃん未央ちゃん!あれ、なんていう動物なんだろうね!」

私も欲しい。

「いやいや、おかしいでしょ、卯月、今絶対こっちに挨拶してたよあれ!?」

きっと親愛度MAXになるときっとあのくらい出来るのかもしれない。
「夢が膨らみますよねっ!」

未央ちゃんが呆れた顔で私を見る。

「卯月って天然……?」

失礼な、きちんとお父さんとお母さんに育てられた養殖物だ。

そう言うと未央ちゃんはため息を吐く。

「いや、ごめん、忘れて……」

……何なんだろう…?
「よぉし、次のレッスンだぁ☆」

ニコニコ笑顔のトレーナーさんの一言。

「が、頑張りますっ!」

改めて気を引き締める。

「プロデューサーを捕まえてこい」

そういえばプロデューサー逃げたまま帰ってきてない。

ニコニコ笑顔のままなのに威圧感が凄い。
「は、はっ!わたくし、本田未央!上官殿のご命令に従いますっ!」

笑顔のトレーナーさんに早くも屈する未央ちゃん。

「卯月、お前はどうだ?」

……。

「わ、わたちも頑張りまひゅっ!」



私たちの一日目のレッスンの時間の殆どは、プロデューサーを捕まえることだけで消費された。
一旦切ります。
本編より長くなりそうな予感。
>>23
△そういうと小声でブリッツェンに何かを囁くと、ブリッツェンが走りだす。
○そう言って今度は、小声でブリッツェンに何かを囁くと、ブリッツェンが走りだす。

>>25
△そういえばプロデューサー逃げたまま帰ってきてない。
○そういえばプロデューサーさん逃げたまま帰ってきてない。

>>26
△プロデューサーを捕まえることだけで消費された。
○プロデューサーさんを捕まえることだけで消費された。

盛大なさんの付け忘れ。

画像さんと日記から見てくれてる人はありがとうね。
関ちゃんが完走SR化したので満足した。
「お前たちにはどんな夢がある?」

いきなりの質問に面食らった顔をする二人。

……普通の反応だろうな。

「若いんだ。夢の一つや二つ持ってた方が健全だろう。まして…‥」

そんな私の言葉を遮って

「わ、私たち、デビューもまだだしっ、まだまだアイドルらしくないかもですけどっ!」

「今はっ、一人前のアイドルになるのが夢ですっ!」

こらこら島村、まだ私が話してる最中だろうが。
「夢はおっきく!トップアイドルかなっ!」

お前もか本田、まぁ、大変結構、夢は大きくなくちゃな。

「そうだ。お前らのそういう芯の強さを私は買っている」

今の私は、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべているかもしれない。

「私が昔鍛えていたやつらにはそういうのが無かったんだ」

「……無かったっていうのも失礼な話かもしれないな。無くなってしまった…か?」

「無くなったって……夢が?」

キョトンとした顔をする本田。

まだ彼女たちにはまだ分からないかもしれない。それが分かった時、どうするかきっと彼女たちの命運を分けるのだろう。
「プロデューサーのやつの事務所は残念ながらまだ小さい方だ」

「そうかもしれないですね!」

自信満々に断言する島村。そこ威張るところじゃないだろ。

「私の前居た所はそこそこ大きかったんだ」

何の話なんだかと、不思議そうな顔をする二人。

「お前らアイドルの夢ってやつは大体最終的にはトップアイドルだ」

難しい顔をするな、島村、お前が控え気味だからって別に責めてる訳じゃない。

「昔、私が育てたやつらも、皆最終的にはトップアイドルを目指してたよ」

「だけどな、なんだろうな…夢に潰されてしまったといえばいいのか…」

「同じ事務所の中でも壁があるんだ。それは技術的なものだったり、恐ろしく優秀な同じ事務所のアイドルたちだったりな」

「きっとそこで諦めちゃったんだろうな」

「あぁ、私じゃ彼女に勝てないんだろうなって…」

「結局殆どダメだったよ」

苦笑いを共に肺に溜まった空気と共に吐き出す。

「日に日に彼女たちの夢が小さくまとまっていって最後に私に頭を下げて言うんだ」

「『今までありがとうございました』なんてな…」


二人の笑顔が引っ込む。いかんいかん、こんな重い話がしたい訳でもなかった。

「そんな時に出会ったのがプロデューサーだったんだよ」
「友人とファミレスで食事してた時だったな」

そんなに驚くな。失礼な。私にだって友人くらい居る。

「まぁ、女二人だ、仕事の愚痴になる訳だ。多分それで私がアイドルのトレーナーだって分かったんだろうな」

「こちらの会話が聞こえたのか隣の席の男が話しかけてきたんだよ」

「…それって相当怪しい人じゃないかな?」

…お前の言う怪しい人がプロデューサーなんだがな。

そう言うと、本田はそれより続きを!と私に催促する。誤魔化したな。

「私だって怪しいと思って逃げようと思ったんだがな」

「そいつがいきなり名刺を…とかいいながら手をポケットに突っ込もうとしたんだろうな。手を自分のハンバーグのホットプレートに突っ込んだ」
「その後あぢぢぢぢとか言いながらトイレに駆け込んで行ってな…」

「そいつがトボトボと帰ってくるのを見たら警察に通報する気も無くなってたよ」

「なんでですか?」

頭にはてなマークを浮かべている島村。

「凄くアホっぽかったからだ」

凄く単純だろう?

あはは、と誤魔化す島村。お前も誤魔化すの下手だな。

その時の光景を思い出してしまってつい口元がゆるむ。
「戻ってきた男は言う訳だ、『俺の事務所で働いてみませんかっ!』ってな」

「決めるのはうちのアイドルたちを見てからでいいのでって名刺を押し付けて帰っていったよ」

そんなに前の話でもないのに、自然と懐かしく思える。

「結局見に行ったのは、少しアホの顔を拝みにでも行こうかという気まぐれでだったよ」

「プロデューサーずだぼろだね…」

本当にプロデューサーただの阿呆だったならこの事務所はとっくに潰れているだろうけどな。

そして、そんな歪んだ思いからだったが、ここに来ることを決めた自分を褒めてやりたいくらいだった。
「実際来てみてどうだったと思う…‥?」

「……ははっ、そうだった、お前らはまだ先輩たちに会ってないんだったな?」

「変なやつらばっかだが、みんないい娘たちだ。そこは保証する」

本当に変なやつらばっかだがな、と念を押しておく。

「そっ、そんなになんですかっ!?」

まぁ、キャラが立っているって意味ではそうだろうな。

「あぁ、最初に会ったのが寝泊まりでもしてるのか、パジャマで歯ブラシくわえた自称サンタの女の子だったよ」

「その後会ったのが、ネコミミ、ネコシッポを付けた女の子…」
「ふふ、特に自称サンタのインパクトは凄かったな」

「入ったらいきなり『あ、おはようございましゅ…』ってパジャマのままショボショボさせた目で歯ブラシくわえながら言ってくるんだ」

「お、おはようございましゅって…」

「私をプロデューサーか誰かと勘違いしてたんだろうな」

今思い出しても笑いがこみ上げてくる。

「私がその頃仕事のことで死ぬほど悩んでいたのが馬鹿みたいだったよ」

「ふざけているのかと思えばネコミミ娘は『お仕事はマジメなのっ!』って言ってたしな」
「そんな私を見たプロデューサーの一言がだな……」





『凄いでしょっ!うちの事務所!』

「あはは…確かに凄いですね……」

島村、その凄いのがお前の先輩なんだぞ。
「でもな、彼女たちは輝いて見えた」

「みんな楽しそうで、彼女たちのことを全く知らない私でも、不思議と惹きつけられる魅力があった」

「そして、プロデューサーはお世辞にも敏腕とは言えなかったが、彼は間違いなく彼女たちのプロデューサーだったよ」

「……そしてそれを見た私も彼女たちに混ざってみたいと思った。羨ましかったんだろうな」

「…子供っぽい理由だと思うだろう?でも彼女たちのこれからを見てみたいとも思ったよ」

「結局私はこの事務所の世話になることにした訳だ」

「そのことを伝えた時のプロデューサーの喜びようったらなかったよ」

「プロデューサー変に素直だから…」

十五歳の本田にこんなこと言われてるぞプロデューサー。
「契約書類についての説明を聞いてる時だったかな」

「『今回は紙飛行機にしないので大丈夫ですよ』だったか」

その時はこいつは何を言っているんだと思ったんだがな。

「ネコミミの娘の契約書類は実際に紙飛行機にして投げたらしい」

『何でっ!?』

息ピッタリだな二人共…。

「落ち着きのないやつだからな」

だからほっとけない。
「そこで初めてだ。そこまで来てやっと初めてだ」

『そういえば俺、トレーナーさんのお名前聞いてませんでしたっ!』

「契約の段階になって初めて名前を聞かれたんだぞ?」

「流石に私も今更かっ!と小突いてしまったよ」

「それとこいつは私が見ててやらないと心配だとも思ったよ」

「結局私の名前を聞いた後のプロデューサーの一言は」


『宜しくお願いしますねっ!『トレーナーさん』』
「たった今名前を聞いておいてそれはないと思わないか?」

「でも、プロデューサーさんらしいです!」

「島村、分かってるじゃないか。私もそう思うよ」

「絶対にこいつにいつか私の名前を呼ばせてやるっていうのが今の私の夢なのかもしれないな」

トレーナーをやっててこんなにへんてこな夢を持つとは思わなかった。


「さて、そろそろ再開するぞ!」

「二人共!さっさと隣の部屋でぐったりしてるプロデューサーを連れてこい!」

『は、はいっ!』

どのくらい掛かるか分からない。それにどれだけ掛かってもいいとも思っている。

このへんてこな夢が叶ってもきっと、目の前の彼女たちが私を休ませてくれないだろうから。
トレーナーさん一段落したので一旦切ります。
正直ちょろちょろ変わる視点とか今誰が喋ってるか伝わってるのか不安でしょうがないです。
>>78
うごご…申し訳ない…。
せっかくなので時系列的に日記終了後で書こうかずっと悩んでたことを少しだけ…
「お久しぶりですね」

私はアクセサリー作りに精を出していたので事務所の扉を開いて、彼女がやって来たことに少し遅れて気づく。

「……どなたで…」

彼女は私の言葉を遮るように

「…覚えてませんか?」

この真面目そうな…、綺麗に整った顔、確かにどこかで見たような気がします。

「あーっ!あぁっ!」

プロデューサーさんは左手に右手をポンと置く。
「あの時の…」

と相槌を打つ。

……そこまで言ったなら名前まで言って欲しい。

「はぁ…仕方ないかもしれませんね…私は貴方たちに負けましたし…」

…貴方たち…?

「アイドルサバイバルの…」

プロデューサーさんが腰を曲げて私の耳に小さく囁く。

そこまで来てやっと私も思い出せました。

私がプロデューサーさんに向けて歌った後にLiveバトルしてくれた人…?

「岡崎……さん…?」

ごめんなさい、フルネームは思い出せませんでした!

「…岡崎泰葉です。お久しぶりです」

少し呆れた目で見られてる気がします。
「そうですか。自分が負かした相手は覚えてませんか」

私はプロデューサーさんの首を掴んで無理やり下ろします。

「っとっと……」

「……なんだ?」

「プロデューサーさん!この人拗ねてます、かわいい!」

呆れた顔をするプロデューサーさん。

「……この娘お前より年上じゃなかったか…?」

かわいいのに年齢は関係ないと思う。
>>85
そうだったのかパトラッシュ…
こんなこと普段しないから知らなかったよ…
これ書き終わってからどうするか考えなおすよ‥・
「……続けていいですか?」

ジト目でこちらを見てくる岡崎さん。

『ど、どうぞ…』

さっきからまともなことを話していない自覚はあったので岡崎さんの話の先を促す。

「事務所…辞めて来ました」

『……え‥?』

「だから、こちらでお世話になれませんか…?」

ちょっと待って欲しい。
「岡崎さん…なんで前の事務所…」

「あの時…貴方たちは皆楽しそうだったから」

アイドルサバイバルの時のことかな。

「あはは、身内でずっと勝負してたり、変なイベントだった気もするけど」

プロデューサーさんがなんとも言えない顔をする。

…何だろう?

「貴方たちはきっとあの会場の誰よりも楽しんでた」

あの時私は、一日中柚ちゃんに振り回されたりして必死だったからそう考える余裕もなかったなぁ。

……そっか、周りから私、楽しそうに見えてたんだ。

さっきの変な顔からプロデューサーさんが笑顔になる。

…本当に何なんだろう。
「貴方たちは私をワクワクさせてくれる?」

プロデューサーはその一言にピクリと反応する。

「久しぶりにそういう台詞聞いたなぁ…」

…久しぶり?

「柚をスカウトした時も面白いコト面白いコトって言われたよ」

「うーん、アイドル楽しいって言わせてやることくらいは出来るかもしれないな」

心底嬉しそうな笑みを岡崎さんに向けるプロデューサーさん。

「宜しくな、『泰葉』」

私の新しい後輩?の生まれた瞬間でした。



ある日突然訪ねてきたのは年齢も芸能界に居た時間も彼女も長い、へんてこな後輩さんでした。
っていう感じのお話を挟もうと思ったけど

加入してすぐ終了っていうのもむしろ可哀想なんじゃないかって最後まで悩んでやめたっていう…。

今度こそ見てくれてありがとうね。

08:19│城ヶ崎美嘉 
相互RSS
Twitter
更新情報をつぶやきます。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: