2014年07月10日

やよい「雪歩さんの」真「ひざまくら」美希「なの!」

雪歩「ただいま帰りましたー」



小鳥「あら、お帰りなさい雪歩ちゃん」



P「おう、お疲れ雪歩」





雪歩「お疲れ様です。今日は褒められちゃいました」



P「おお、そうか!よくやったな雪歩!」



小鳥「がんばったわね雪歩ちゃん、評判も上々みたいよ」



P「来週は多分俺もついて行けるからな、次もその調子で頑張るんだぞ」



雪歩「はい!」



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小鳥「プロデューサーさん、そろそろ」



P「え?ああ、もうこんな時間か。



雪歩、今日の仕事はもう終わりだよな?」



雪歩「はい、今日はもうフリーですよ」



P「実はだな、雪歩とやよいに大きな仕事のオファーが来たんだ」



雪歩「えっ、本当ですか?」



P「ああ。だからこの後その話をしたいんだが、今から美希を迎えに行かなきゃいけないんだ。



だから、悪いけど俺が帰ってくるまで事務所で待っててくれないか?」



雪歩「大丈夫ですよ、特に早く帰る予定も無いので」



P「すまないな、そろそろやよいも帰ってくるはずだから……」





ガチャ



やよい「ただいま戻りましたー!」

P「おお、噂をすればか」



雪歩「やよいちゃん、お帰りなさい」



やよい「あっ、雪歩さん、プロデューサー!お疲れ様です!」



P「おうお疲れ、今日もよく頑張ったな。



俺はそろそろ行かなきゃ。雪歩、さっきの話やよいにも伝えておいてくれ」



やよい「?」



雪歩「はい、わかりました」



P「それじゃ」ガチャ



雪歩「行ってらっしゃーい」



やよい「雪歩さん、お話って何ですか?」



雪歩「実はね、私とやよいちゃんに大きなお仕事のオファーが来たらしいんだ」



やよい「えっ!本当ですか!?」



雪歩「うん、プロデューサーが言ってたんだ。



やよいちゃんはこの後の予定は?」



やよい「今日はもうおしまいですよ」



雪歩「それならよかった。

今プロデューサーは美希ちゃんを迎えに行ってるんだけど、帰って来てからそのオファーについてお話したいらしいんだ。

だからちょっと事務所で待っててほしいんだって」



やよい「わかりました!



大きなお仕事ですかー、どんなお仕事なんでしょうか!とっても楽しみですー!」



雪歩「ふふ、そうだね」

小鳥「はい、お茶どうぞ」コト



雪歩「あ、音無さんありがとうございます」



小鳥「雪歩ちゃんみたいに美味しく煎れられたかはわからないけどね。



それにしても、大きなオファーだなんてよかったわね2人とも」



やよい「はい!」



小鳥「プロデューサーさんも喜んでたわよ、やっと2人の頑張りが認められたーって」



雪歩「プロデューサー……」



小鳥「プロデューサーさんを待ってるのよね?暇つぶしでいいならそこに雑誌があるわよ」



雪歩「あ、ありがとうございます」



やよい「ありがとうございます!」

雪歩「わあ、春香ちゃんのシングルまた1位なんだ、すごいなぁ。



あっ、真ちゃん主演の舞台続編決まったんだ、見に行かなきゃ。



おお、美希ちゃんのインタビューが載ってる……あはは、美希ちゃんらしいなあ。



みんなすごいなぁ、私たちも負けてられないね、やよいちゃん」





やよい「……………」ウツラ



雪歩「……やよいちゃん?」



やよい「……はわっ!?ご、ごめんなさい雪歩さん!あの、何か言いましたか?」



雪歩「ううん、大したことじゃないよ。



やよいちゃん、ちょっと疲れてるみたいだね」



やよい「ごめんなさい、今日のお仕事すっごくハードで……」



雪歩「謝らなくてもいいよ。やよいちゃん最近忙しそうだもんね」



やよい「うー……」

雪歩「……そうだ」



やよい「?」



雪歩「やよいちゃん、ちょっとこっちに来て?」



やよい「は、はい」スス





雪歩「はい、どうぞ」ポンポン



やよい「え?」



雪歩「ひざまくら、どうぞ」



やよい「そ、そんな!悪いですよ!」



雪歩「いいのいいの。私がしてあげたいだけだし」



やよい「でも……」

雪歩「……小さい頃ね、お母さんのひざまくらが好きだったんだ」



やよい「え?」



雪歩「何だか温かくて、普通にお昼寝するよりも気持ち良く眠れたんだ。今でもよく覚えてるんだよ」



やよい「雪歩さん……」



雪歩「だからってわけじゃないけど、こっちの方がやよいちゃんもよく寝れるかなと思って。



と言っても、私じゃお母さんみたいな温かさはないと思うけどね。やよいちゃんが嫌なら、無理にとは言わないけど……」



やよい「……そ……それじゃあ……



ちょっと、甘えても……いいですか?」



雪歩「ふふ、どうぞ」ニコ

ぽふっ



やよい「わあ……」



雪歩「どうかな?」



やよい「………温かい……」



雪歩「そう?」



やよい「……なんだか、すっごく気持ちいいです……」



雪歩「よかったー、冷たかったりしたらどうしようかと……」



やよい「……………」



雪歩「……やよいちゃん?」





やよい「……すー……」



雪歩「あれ、もう寝ちゃった。よっぽど疲れてたのかな?」

やよい「……くー……」



雪歩「ふふ、よく寝てる」ナデ



雪歩(……やよいちゃん、アイドルのお仕事だけじゃなくて、家の用事も全部やってるんだよね……。



もっと疲れちゃってもおかしくないのに、いっつも元気で明るくて……)



雪歩(すごいなぁ、やよいちゃんは。年下なのに、私も色んなことを教えられちゃうよ)



雪歩(……それでも、こんな風に甘えたくなっちゃうことだって、あるよね)



雪歩(家じゃなかなか甘えられないみたいだし……私がこんな風にしてあげるのも、喜んでくれるかな)



雪歩(……何だか私まで眠くなって来ちゃった……)





雪歩「………すー……」





小鳥「……あら」

P「ただいま帰りましたー!」



美希「つ、疲れたのー……」





小鳥「シーッ」



二人「え?」



小鳥「……」チョンチョン



P「……?」





雪歩「……くー………」Zzz



やよい「……んむ……」Zzz





小鳥「……ね?」



P「なるほど」

美希「どうしたの?



……わぁ」



小鳥「天使の戯れですよこれは」



P「間違いない。



まぁ、こうなったら仕方ないですね。オファーの話は明日にしましょう。」



小鳥「その方がいいかもしれませんね」





美希「……………」ジー



P「?どうした美希」



美希「……何でもないの」



雪歩「……ん……



……あ、お帰りなさいプロデューサー、美希ちゃん」



P「あっ、雪歩。起こしちゃったか?」



雪歩「いえ、大丈夫です。オファーのお話でしたよね?」



P「そのつもりだったんだが……」



雪歩「?」





やよい「……すー………」Zzz



P「……な?」



雪歩「なるほど」

P「雪歩がいいなら、今日はもう起きるまで寝かせてあげてくれないか?最近忙しかったからな」



雪歩「わかりました、大丈夫ですよ」



P「2人の家には俺から連絡しとくよ。



それじゃ、ちょっと甘えさせてやってくれ」



雪歩「はい、了解です」



やよい「……えへ………」Zzz





美希「……………むー」ジー



翌日





やよい「あっ、雪歩さん」



雪歩「?」



やよい「昨日はありがとうございました。あんまり気持ちよかったから、つい寝入っちゃって……」



雪歩「そう?喜んでもらえたなら私も嬉しいよ」



やよい「それで……あの、雪歩さんがよかったらなんですけど……」



雪歩「なぁに?」



やよい「また時々、ひざまくらしてもらえたら、嬉しいかなーって……」



雪歩「うん、大丈夫だよ」



やよい「!」パァ



雪歩「またいつでも言ってね。私でよければまたしてあげるよ」



やよい「ほ、本当ですか!ありがとうございます!」ガルーン





美希「……………」

雪歩「それじゃ、プロデューサーのところに行こうか」



やよい「どんなお仕事のお話なのか楽しみです!」



雪歩「ふふ、そうだね」





美希「………むむむ」



美希「実にキョーミ深いの」



美希「あのやよいが時間も忘れて寝入っちゃう」



美希「しかもまたしてくれなんてお願いするぐらい気持ちいいなんて」



美希「雪歩のひざまくら、恐るべしなの」



美希「これは調査するしかないの!」



やよい「それじゃ、今日のお仕事行ってきます!」



雪歩「行ってらっしゃい、頑張ってねやよいちゃん」



P「それじゃ行こうかやよい」



やよい「はい!」





ガチャ

バタン



雪歩「……それにしても、テレビ局でライブイベントかぁ」



雪歩「プロデューサーは『ようやくお前たちの頑張りが認められた』なんて言ってくれてたけど」



雪歩「プロデューサーもきっと頑張って私達を営業してくれてたんだよね」



雪歩「……嬉しいな」エヘヘ



雪歩「さて、今日のお仕事まではまだ時間があるし、ちょっと資料に目を通しておこうかな」ペラ





美希「……………」コソコソ

雪歩「えーと、あれがそれでこうなって……」



美希「……………」コソコソ



雪歩「……?美希ちゃん何してるの?」



美希「ぎくっ」



雪歩「あっ、ごめんね?声かけちゃまずかったかな……」



美希「そ、そんなことはないの」



雪歩「そう?よかった」



美希「隣、座ってもいい?」



雪歩「うん、いいよ」



美希「ありがとうなの」トスッ



雪歩「えーとそれから……」ペラ



美希「それ何?」



雪歩「今度私とやよいちゃんでテレビ局のライブイベントに出ることになったんだ。その資料だよ」



美希「ふぅん……たしかそのライブイベントって、ミキ達よりも凄い人たちもいっぱい出るやつだったよね?」



雪歩「うん、そんな舞台に出るのはすごく緊張するけど……やるからには頑張らなきゃね」



美希「そーだね……



(今邪魔しちゃうのは悪いかな……



でも、誘惑が堪え難いの……!



ああ、ミキは一体どうしたらいいの!)」



雪歩「美希ちゃん、どうかした?」



美希「な、何でもないの!」



美希(うーん、どうしよう……そうだ!)

美希「……あふぅ」



雪歩「!」



美希「何だか眠くなってきちゃったの……」



雪歩「大丈夫?」



美希「うーん、横になって寝たい気分……」



雪歩「私向こうのソファに行こうか?」



美希「あ、いやそうじゃなくて」



雪歩「?」



美希「えっとね……それっ!」





ばふっ



雪歩「わっ!み、美希ちゃん?」」

美希「おおー、たしかにこれは……」



雪歩「ど、どうしたのいきなり?」



美希「んーん、昨日やよいが雪歩のひざですっごく気持ちよさそうに寝てたから」



雪歩「あ、見てたんだ」



美希「こんなに気持ちいい枕、やよいばっかりずるいの!独り占めにはさせないの!」



雪歩「そんなに慌てなくても、言ってくれたらしてあげたのに」アハハ



美希「……いい匂いがするの」モゾモゾ



雪歩「く、くすぐったいよ美希ちゃん」



美希「……………」



雪歩「……美希ちゃん?」





美希「………ぐぅ」



雪歩「もう寝ちゃった……」



美希「……………」Zzz



雪歩「あっという間だったなぁ……」



美希「……んー、気持ちいいのー……」



雪歩「あれ、やっぱり起きてる?」



美希「…………Zzz」



雪歩「ど、どっちなんだろう……」





小鳥「あら、今日は美希ちゃんにしてあげてるの?」



雪歩「あっ、音無さん」

雪歩「どうやら昨日のやよいちゃんのを見てたらしくて」



小鳥「それで自分もしてほしくなった、と」



雪歩「そんな感じだと思います」



小鳥「やよいちゃん、とっても幸せそうな顔してたものね。つい写真に撮っちゃったわ」



雪歩「えっ」



小鳥「雪歩ちゃんも一緒に寝てるところもね。可愛いわよー、プロデューサーさんに見せてあげたいぐらい」



雪歩「そ、そんなのダメですぅ!絶対見せちゃ……」



美希「んぅ………」モゾ



雪歩「あ……」



小鳥「あら、美希ちゃんが起きちゃうわよ?」



雪歩「うぅ、音無さんのいじわるぅ……」



小鳥「ふふふ、冗談よ。そんな写真は無いし、あっても許可なく見せたりしないわ」



雪歩「ほっ」



小鳥「(まぁ本当は写真はあるんだけどね)



それにしても美希ちゃん、気持ちよさそうねー。

雪歩ちゃんのひざまくら、何か不思議な力でもあるんじゃないかしら」



雪歩「そんな、大げさですよ」



小鳥「あら、私はそうは思わないわよ?私もしてほしいぐらいだもの」



雪歩「え?」



小鳥「また機会があったら、お願いしてもいいかしら?」



雪歩「あ、はい、大丈夫ですよ?」



小鳥「ありがとう雪歩ちゃん。それじゃあ私は仕事に戻るわね」



雪歩「はーい」

美希「…………」Zzz



雪歩「よく寝てるなあ……」



雪歩(……美希ちゃんって、美人で大人っぽいし、歌もダンスもすごいからたまに忘れちゃうけど……)



雪歩(こんな風に寝てる顔とか見ると、やっぱり中学生なんだなぁ)



雪歩(それでも、その美希ちゃんがこんな風に甘えてくれるのって、ちょっと嬉しいかも)





雪歩「……ふふ」ナデ



美希「んー……えへ……」

P「ただいま戻りましたー。



雪歩、準備はできて……」



雪歩「シーッ」



P「何?



……あれま」





美希「にゅー………」Zzz



雪歩「この通りです」



P「なるほど。



しかし今日は仕事があるし、このままってわけにも……」



雪歩「そうですね……」



P「おーい美希、起きろー、雪歩の仕事の時間だぞー」ユサユサ



美希「むにゅ……おにぎりなの……Zzz」



P「ダメだこりゃ」



雪歩「しょうがないなあ……よいしょっと」ヒョイ



P「えっ」



美希「んー……」



雪歩「ごめんね美希ちゃん、もうお仕事行かなきゃ。



えーと、ソファでいいかな」



P(こいつ、美希を軽々と……!?)

雪歩「毛布をかけて……これでよしと。



ちょっと待っててくださいプロデューサー、今準備してきます」



P「お、おう」





ガチャ



真「おっはよーございまーす!」



P「おっ、真か。おはよう」



真「おはようございますプロデューサー!」



美希「すぴー……」



真「あれ、また美希寝てるんですか?」



P「そうなんだよ。起こしても起きやしない」



真「やれやれ、相変わらずだなぁ美希は」

雪歩「お待たせしましたぁ……あっ、真ちゃん!おはよう」



真「おはよう雪歩。今から仕事?」



雪歩「そうだよ。真ちゃんは?」



真「今日はレッスンだけだよ。ちょっと事務所に寄り道にね」



雪歩「そっか。レッスン頑張ってね」



真「ありがとう、雪歩もお仕事頑張ってね!」



雪歩「うん!」





P「よし、そろそろ時間だな」



雪歩「行ってきまーす」



真「行ってらっしゃーい!



さてと、何して暇を潰そうか……」





美希「……んむ……あれ、真クン?」

真「あっ美希、起きたんだ」



美希「真クンおはようなのー……あふぅ」



真「おはよう美希、よく寝てたみたいだね」



美希「とっても気持ちよかったの。



……あれ、雪歩は?」



真「ついさっき仕事に行ったよ。プロデューサーと一緒にね」



美希「そっか……ちぇー、だから目が覚めちゃったのかな」



真「え?」



美希「さっきまで雪歩のひざまくらで寝てたの。すっごく気持ちいいんだよ」



真「ひざまくら?」



美希「何というか、ふわーってしてて」



真「ほう」



美希「程よくあったかくて」



真「ふむふむ」



美希「何だかいい匂いもして」



真「へぇ」



美希「とにかく凄いの」



真「なるほど」



美希「興味あるなら今度真クンもしてもらうといいの。真クンなら雪歩も快くやってくれると思うよ」



真「えー、そうかなぁ」



美希「きっとそうなの。それじゃ、ミキはもう一眠りするの」アフゥ



真「あ、ちょっと美希!」



美希「Zzz………」



真「もう寝ちゃったよ、さっきまで寝てたっていうのに……



……ひざまくらか………」

翌日





美希「行ってきますなのー」



雪歩「行ってらっしゃい美希ちゃん」



やよい「頑張ってください!」



真「頑張ってねー!」



美希「ほどほどに頑張るのー」



P「ちゃんと頑張らんかい。



じゃ、真もちゃんと準備しとくんだぞ」



真「わかりました!」

雪歩「二人とも、お茶入れてこようか?」



真「あっ、お願いしていいかな?」



やよい「ありがとうございます!」



雪歩「うん、ちょっと待っててねー」





真「………ねぇやよい」



やよい「はい?」



真「やよいも、雪歩にひざまくらしてもらったんだよね」



やよい「はい、してもらいました!」



真「どうだった?」



やよい「すっごく気持ちよかったです!その日は早く帰ろうと思ってたんですけど、つい寝入っちゃって……」



真「へぇー……」



真(美希はともかくとして、やよいにここまで言わしめるとは……)



真(これは本物なのかもしれない、すごく興味深い)



真(ボクもやってほしいな……ひざまくらってやってもらったことないし)



真(……でも、そういうの面と向かって頼むのってなんか恥ずかしいな……)





雪歩「お待たせ。緑茶でよかったかな?」



真「あ、ありがとう雪歩」



やよい「ありがとうございます!」



ズズッ



真「やっぱり雪歩のお茶は美味しいなぁ」



やよい「本当ですね」



雪歩「ふふ、ありがとう二人とも。



そういえば、さっき2人で何話してたの?」



真「あ、それはえっとその……」



やよい「雪歩さんのひざまくらのお話です!」



真(うわぁ)



雪歩「え、そんな話してたの?」



やよい「はい!とっても気持ちよかったなーって」



真(うわあああ)



雪歩「そっか、何だか照れるなぁ」



やよい「そうだ!真さんもやってもらったらどうですか?」



雪歩「え?」



真「えっ」



やよい「ダメですか?」



雪歩「ダメじゃないけど……どうする真ちゃん?」



真「あ、えっと……



……雪歩がいいなら、ボクもやってほしいかな、なんて……」



雪歩「な、何でそんなに照れてるの?」



真「だ、だって恥ずかしいじゃないか!面と向かってひざまくらしてくれなんて頼むとか……」



雪歩「そうかなぁ……?」



やよい「?」



真「うー………」

雪歩「ふふ、しょうがないなあ真ちゃんは。



はい」ポン



真「えっ、いいの?」



雪歩「ダメなわけないよ。真ちゃんのお願いなんだから」



真「そ、それじゃお邪魔して……」



ぽふっ



真「おー………」



雪歩「どうかな?」



真「……確かに美希の言ってた通りだ……何かふわふわしてて、あったかい……」



雪歩「そ、そうかな」



やよい「ですよね?」



真「………気持ちいい……」



雪歩「あ、あんまり褒められると恥ずかしいよぉ……」カアァ

真「……ボク、ひざまくらって初めてなんだ」



雪歩「え、そうなの?」



真「こんなに気持ちいいんだね、初めて知ったよ」



雪歩「もう、そんなに大層なものじゃないよ」



真「いやいや、これはきっとどんな枕でも敵わないよ」



雪歩「ま、真ちゃん……」カァ



真「……何だか眠くなってきちゃった……



雪歩、もしよかったら、仕事まで寝かせてもらってもいいかな……?」



雪歩「うん、大丈夫だよ」



真「ありがとう、それじゃ………



………すぅ」

やよい「寝ちゃいましたね」



雪歩「起こしちゃいけないから、ちょっと静かにしないとね」



やよい「そうですね。



それじゃあ、私ちょっとお掃除してきます」



雪歩「ありがとうやよいちゃん、いつもご苦労さま」



やよい「はい!」





真「くー………」



雪歩「真ちゃんもあっという間に寝ちゃったなぁ……真ちゃんも疲れてたのかな」



真「ん………」モゾ



雪歩「!」

雪歩(今の真ちゃんの寝顔……)



雪歩(……すごく綺麗……)



雪歩(……ズルいなぁ真ちゃんは。かわいいのにかっこいいなんて)



雪歩(私はかっこいい真ちゃんの方がちょっとだけ好きだけど……)



雪歩(かっこいいところとか、かわいいところとか、強くて足が速いところとか、意外と子供っぽいところとか)



雪歩(他にもいっぱいあるけど、全部まとめて、真ちゃんの魅力なんだよね)



雪歩(これからはかっこいいだけじゃなくて、もっと色んな真ちゃんも見てみたいかも……)





雪歩「ふふふ……」ナデ



真「あふ………」

P「真ー、そろそろ……」



雪歩「!真ちゃん、そろそろお仕事の時間だって」



真「んー……え?



あっ、準備全然してない!」



雪歩「真ちゃん……」アハハ



P「おいおい、今まで何してたんだ?」



真「ごめんなさいプロデューサー、思いっきり寝てました!」



P「寝てたってお前、美希じゃあるまいし」



真「どうにも雪歩のひざまくらの誘惑に耐え切れなくて……すぐ準備してきます!」ピュン



P「何?」



真「お待たせしましたプロデューサー!準備できましたよ!」



P「お、おうわかった、それじゃ行こうか。



雪歩もレッスン遅れないようにな」



雪歩「はーい。



真ちゃん、お仕事頑張ってね!」



真「うん、今日は雪歩のおかげで頑張れそうだよ!それじゃ行ってきます!」



雪歩「もう、真ちゃんてば大げさだよ」アハハ





小鳥(……やっぱり王道のゆきまこもいいですなぁピヨピヨピヨ)グヘヘ



やよい「小鳥さん何してるんですか?」



小鳥「ピヨッ!?」



翌日





P「雪歩」



雪歩「はい?」



P「単刀直入に言う」



雪歩「は、はい?」



雪歩(いきなり何だろう……ま、まさか……告……!?)ドキドキ



P「雪歩、俺にひざまくらをしてくれないか?」



雪歩「は、はい!私も……



……え?」

P「私も?」



雪歩「あ、いや、えっと……」



雪歩(危ない危ない……)



雪歩「な、何でもないですぅ!」



P「そうか、ならいいんだが……



いやぁ、ここ何日か雪歩ずっと誰かにひざまくらしてるだろ?」



雪歩「言われてみれば確かに……」



P「美希はともかく、やよいや真をオトしたそのひざを俺も味わってみたいんだ」



雪歩「オトしただなんてそんな……」

P「まあ無理にとは言わない、嫌なら断ってくれてもいいぞ。やよい達と違って俺は男だしな」



雪歩「……えっと……いいですよ?」



P「おっ、そうか!」



雪歩「はい。確かに男の人ですけど……プロデューサーはプロデューサーですから」



P「そうか、ありがとう雪歩」



雪歩「それに、出来れば私も……(ゴニョゴニョ)」



P「ん?何か言ったか?」



雪歩「何でもないですぅ!」



P「それじゃいいか?」



雪歩「は、はい、どうぞ」





ぽふっ



P「おー………」



雪歩「………///」



P「なるほど………



なるほど」



雪歩「ど、どうですか……?」



P「こりゃ皆オチるわけだ。雪歩、お前こんな武器も持ってたんだな」



雪歩「ぶ、武器だなんてそんな……」

P「あぁー、仕事さえなけりゃこのまま寝てしまいたい」



雪歩「えへへ、いつも私たちを支えてくださってありがとうございます」



P「なぁに、俺がやりたいからやってるのよ。お前たち皆をトップアイドルにするのが俺の夢だからな」



雪歩「プロデューサー……」



P「……あれ?」



雪歩「え?どうかしましたか?」



P「……今なんか、ふと物凄く懐かしい感覚に襲われた」



雪歩「はぁ」



P(……何だこれ……むかーしむかしの感覚が蘇って来る……



こ、これはもしかして……!)



雪歩「……あの、プロデューサー?」



P「……………」ポロポロ



雪歩「ええ!?ど、どうしたんですかプロデューサー!何で泣いて……」



P「いやすまん、ちょっとガキの頃を思い出してな……」



雪歩「子供の頃、ですか?」



P「ああ。ガキの頃よく母ちゃんにこうやって耳掃除してもらってたんだ。それを思い出しちまってな」



雪歩「そうなんですか……」



P「悪かったな、せっかく雪歩にひざまくらしてもらってるのに母ちゃんのことなんか思い出しちまって。気を悪くしたか……?」



雪歩「……そんなことないですよ」

P「何?」



雪歩「もともとやよいちゃんにひざまくらをしてあげたのも、私が子供の頃にお母さんにひざまくらしてもらってたのを思い出したからなんです」



P「へえ、雪歩もしてもらってたのか」



雪歩「はい。



その温かさとか、気持ちよさとかを思い出して、ちょっと疲れてたやよいちゃんが少しでも癒されてくれればいいなと思って」



P「そうだったのか」



雪歩「だから、私のひざまくらでプロデューサーがお母さんのことを思い出したって言うなら、私としてはむしろ光栄です」



P「ハハ、雪歩らしいな。やよいもすっかり元気になって、次の収録はいつも以上に頑張ってたぞ」



雪歩「そうなんですか?」



P「ああ。雪歩のおかげだーって喜んでたな」



雪歩「えへへ、嬉しいな……」

P「次の休みは久しぶりに実家帰るかな……」



雪歩「その方がいいかもしれませんね」



P「だな。それじゃ、もう少しだけお世話になって仕事に戻るとするか」



雪歩「ふふ、どうぞ」



P「……いかんな、気を抜くと寝てしまいそうだ」



雪歩「大丈夫ですよ、時間さえ教えてもらえばその時間に起こしてあげますから」



P「ん、そうか?それじゃあ少しだけ……」







美希「あーーーっ!!!」



2人「!?」ビクッ

真「ど、どうしたの美希?



……あらあらまあまあ」



やよい「あっ、プロデューサーも雪歩さんにひざまくらしてもらってますー!」



雪歩「あ、や、や、ち、違うの!これは誘ったとかじゃなくて……」



P「ああ、俺から頼んだ」



雪歩「」



美希「ハニーズルイの!ミキがいない間に抜け駆けするなんて!」



P「仕方ないだろ、お前達があんなに気持ちよさそうに寝てるんだ、興味がわかないはずもない」



真「まあ、気持ちはわかりますけどね。



はあ、これじゃ恥ずかしがってたボクがバカみたいじゃないか」

雪歩「」カアアアア



やよい「雪歩さんどうしたんですか?顔真っ赤ですよ?」



雪歩「ふぇ!?あいや、これはその……」



P「ハハ、随分と賑やかになっちまったな。これじゃ寝られるもんも寝られないか。



それじゃ、俺は仕事に戻るとしよう」



雪歩「あ………」



美希「次はミキの番なの!」バフッ



雪歩「うわっ!」



真「こら美希!雪歩が困ってるじゃないか!」



雪歩「だ、大丈夫だよ真ちゃん」

美希「やっぱりいい匂いなのー……Zzz」



真「はやっ」



やよい「もう寝ちゃいました」



雪歩「あはは、流石だなあ美希ちゃんは」





P「雪歩」



雪歩「はい?」



P「今日はありがとな。また機会があったらお願いしてもいいかな」



雪歩「……はい!」





やよい「はわわ、雪歩さんのおひざ予約でいっぱいですー!」



真「あはは、これは次にお願いできるのがいつになることやら」



雪歩「あはは……」

P「皆、今日のこの後の予定は全員なかったよな?」



真「はい、この後はオフです」



やよい「私もです!」



雪歩「私もオフですよ」



美希「ミキもなのー……Zzz」



P「今日は早く仕事が片付きそうなんだ。皆さえよければ、この後一緒に飯でも食いに行かないか?もちろん俺のおごりでな」



真「本当ですか!やーりぃ!」



やよい「えっと、じゃあお言葉に甘えて……」



雪歩「私も行きます!」



美希「ミキも行くのー……Zzz」

P「美希本当は起きてんじゃないのか?



まぁいいや。それじゃ仕事が終わるまでちょっと待っててくれ」



真「わかりました。



やよい、ちょっと暇つぶしに腕相撲でもしない?」



やよい「腕相撲ですか?うっうー!負けませんよー!」



雪歩「ふふ、どっちも頑張れー」



美希「………あふぅ」





小鳥「いい写真が撮れたわねぇ……」



律子「小鳥さんちょっとお話が」



小鳥「ピヨッ!?」





雪歩「それじゃいくよー!



はっけよーい、のこった!」











23:30│萩原雪歩 
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