2013年11月08日

貴音「霧の都「ろんどん」……」

とある映画をモチーフにした、ミステ……ミステリー半分アクション半分のアイマスSSです。

モチーフは最後に書かれています。
なるべくモチーフに沿ってはいますが、多少のアレンジは加えられています。
そういうのが嫌な方はごめんなさい。


今回は「カタカナ」の表記が多いため、お姫ちんのカタカナセリフにはなるべく「」をつけています。
例:「ろんどん」

書き終わってるので、どんどん投下します。

では失礼します。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1346563941


――2009/02

遼「黒井のおじさん、今までありがとう!」タッ

黒井「おい、貴様!待て!」

遼「バイバ――――」

キキーー!!

――――――

――――

――

――2011/02/15 06:30 黒井自宅

黒井「はっ!」ガバッ

黒井「夢、か……」

黒井「ふん。今日という日にあの日の夢を見るとはな……」

――某月 とある密会

高木「……引き受けてくれないか」

P「……わかりました。ただし調べるだけです。得た情報は有力であっても使いません」

P「それでいいですか?」

高木「もちろんだ。それを使ったら黒井と同じだからね」

高木「ではよろしく頼むよ」

P「わかりました。失礼します」ペコリ


――2011/02/15 12:00 東都シティホール 【廊下】

P「みんなー、着いたぞー」

やよい「うわー。おおきな建物ですねー」

伊織「そうね。でも都会の中でならこんなもんじゃないかしら」

亜美「ねぇ、兄ちゃん。今日は確か新作ゲームの発表会なんだよね→?」

真美「ここあんまり大きくないよ?」

律子「あんたたちねぇ……今日の仕事内容くらいちゃんと聞いておきなさいよ」

律子「今日は万代会社と南無子会社が共同開発した新作アーケードゲームの発表会よ」

律子「その一個だけだから、幕張メッセとかの大きい会場じゃなくてここで十分なの」

千早「でもなんで私たちが招待されたのでしょうか?」

あずさ「みんなゲームが好きってわけじゃないものね〜。亜美ちゃんや真美ちゃんくらいかしら?」

真「僕はたまにゲームセンターで遊びますよ!でもストレス発散程度ですけど」

春香「私もそのくらいかな。ダンスゲームで遊んだりしますよ」

P「どうやらある程度ランクの高いアイドルたちを呼んでるみたいだな。うちのアイドルはみんなBランク以上だし」

美希「あふぅ……美希、なんでもいいからお昼寝したいな」

雪歩「美希ちゃん、寝ちゃダメだよぅ」

響「そういえば体感型ゲームって聞いたぞ。自分、体動かすの好きだからけっこー楽しみなんだ」

貴音「身体を動かすとなると、その後お腹も空きますね……」

P「んー……どうやらあんまり激しいゲームだけではないらしい」

P「企画書には、『ゲームの世界を体感できる!新しい体感型ゲーム【トランセル】!』って書いてあって5種類のゲーム内容があるらしい。中身はわからないが」

P「まぁ所詮ゲームだと思「ハーハッハッハッハ!」」

黒井「所詮ゲームだとぉ?舐めてもらっては困るな。弱小プロ諸君よ」

P「黒井社長!?あなたがなぜここに!」

黒井「私がいて、なにがおかしい?私はジュピターの上司なのだよ?」

律子「……まさか私たちに妨害を」

黒井「妨害?くだらん。私は【トランセル】のストーリー原案の一つに関わっているんだよ」

黒井「まぁ貴様らが遊ぶのには少し難しいかもしれないな。ハーハッハッハッハ!!」

律子(とりあえず何かしに来たってわけではなさそうね……)

冬馬「あ、いた。おい、おっさん」

春香「あ、ジュピターもやっぱり来てるんだ」

冬馬「ん?お前らもいたのか。まぁ有名なアイドルはだいたい呼ばれてるからな」

冬馬「ま、俺達も今日は招待されただけだしな。次のオークションでは負けねぇぜ」

伊織「あーら?次は私たち「竜宮小町」が勝つに決まってるんだから!」

冬馬「ふん。正々堂々と勝ってやるぜ!」

黒井「ウィ、ジュピターが弱小プロごときには負けるわけないだろう」

黒井「ところで冬馬。何か用事ではなかったのか?」

冬馬「あぁ、スタッフが呼んでたぞ。最終確認してくれってさ」

黒井「ウィ、わかった。すぐ行こう」

黒井「弱小プロ諸君。また会おう。ハーハッハッハッハ」

P「なんだったんだ……」

カンジワルイネー ツギハカツワヨ! アフゥ

P「……とりあえずパーティ会場に移動しようか」

――2011/02/15 12:30 東都シティホール【パーティ会場】

P「金属探知機まで設置してあるとは厳重だなぁ」

律子「まぁもしものことがあったら発表どこじゃないですから」

小鳥「あ、みんな。こっちよー」

美希「あれ?なんで小鳥がいるの?」

小鳥「あれ、みんな社長から聞いてない?」

小鳥「社長、なんだか急用ができて、事務所にいなきゃならないから私が社長代理で来たのよ」

真美「社長代理ってピヨちゃんに務まるの→?」

小鳥「他の事務所のお偉いさん達とお話するだけの簡単な仕事よ」ウフフ

亜美「……玉の輿」ボソッ

小鳥「亜美ちゃん?」ニコォ

亜美「な、なんでもないよ!!」アセアセ

律子「……社長からは聞いてますけど、ちゃんと仕事はしてくださいね」ハァ

小鳥「わ、わかってますよ!律子さん!」

小鳥「あ、さっき人数確認したとき、今日のゲーム参加バッジをもらいましたよ」

小鳥「みんな受け取ってね」

「「「「「はーい」」」」」

P「俺や律子の分はないよな」ハハハ

律子「あるわけないでしょう。今日は現役アイドルが対象みたいですから」

小鳥「そういえば小耳に挟んだんですが、なんだか黒井社長もストーリー原案に関わってるって聞きましたよ」

小鳥「確か100年くらい前のロンドンが舞台って聞きました」

千早「100年前のロンドン?100年前っていうと19世紀末かしら」

あずさ「その頃って何かあったわよね〜」

小鳥「まぁ私は知ってるんだけど、楽しみはとっとくものよね」フフン

小鳥「それにしてもさっきの人は格好良かったわー。あれで父親だなんて信じられないピヨ」

貴音「さっきの人?どなたでしょう?」

伊織「どうせ、妄想の一部よ。気にしないほうがいいわ」

小鳥「ち、違うピヨ!今回のゲームのメインストーリー原案者の「橘 玲(たちばな あきら)」さんよ!」

響「誰だ、それ?」

小鳥「有名な小説家よ。昔、事故で息子さんを亡くしたって話してたのが聞こえたのよ」

P「……!」

小鳥「プロデューサーさん?どうかしました?」

P「い、いえ。なんでもないですよ」

春香「あれ?でも黒井社長も作ったってさっき本人が」

小鳥「それはね。黒井社長が考えたのは一つだけで、橘さんは四つ考えたのよ」

小鳥「表向きは橘さんが全部作ったことになってるわ」

真美「よくわからないYO→」

雪歩「深くは考えなくていいと思うよ」アハハ

真「そ!とりあえず今日は僕達が体験して宣伝するってことなんですよね!プロデューサー!」

P「そうだな。ゲームの準備まで結構時間あるみたいだけど」

やよい「あー!ごちそうがいっぱいですー!」

春香「ゲーム開始までの時間つぶしかな」

貴音「あなた様。ここの料理はすべて頂いてよろしいのですか?」

P「まぁゲーム体験とはいえ腹ごしらえは必要か」

P「みんな食べ過ぎるなよ?……特に貴音」

「「「「「はーい」」」」」

貴音「あなた様はいけずです……」

――2011/02/15 13:00 東都シティホール【パーティ会場】

やよい「美味しかったですー!長介たちにも食べさせてあげたかったなぁ……」

伊織「今度、みんなで泊りにきなさいよ。ここに劣らない料理でもてなすわ」

やよい「ホント!?伊織ちゃん、ありがとー」ガルーン

伊織「い、いつものお礼よ///」

千早「くっ」

あずさ「それにしても、たくさん銅像がおいてあるわね〜」

律子「元からあったって感じじゃないですね」

小鳥「それは橘さんの物って聞いたわ」

律子「小鳥さん、いったいいつから……」

小鳥「さっき、直接話しちゃったのよ!今度、お時間があればお茶でもって///」

あずさ(社交辞令かしら〜)

小鳥「それで橘さん。今日の会場のセッティングと総合マネージャーを引き受けたそうよ。中々のやり手ね!」

律子「そうなんですか。ではあの銅像も……」

ドンガラガッシャーン!!

律子「!?」

春香「アイタタ……」

律子「春香!大丈夫?」

春香「あ、律子さん。大丈夫ですよ!」

春香「って、短刀が落ちちゃってる!どうしよう!」のヮの;アワワワ

春香「とりあえず戻さなきゃ」

春香「あ、思ってたより軽い」カチャ

P「おーい、大丈夫か?」

春香「あ、プロデューサーさん!大丈夫です!怪我ひとつありません!」

P「それならいいんだが……物壊してないよな?」

春香「大丈夫です。その短刀が落ちちゃいましたけど、なんか偽物っていうかプラスチックみたいに軽かったですから!」

P(まぁこんなところに本物持ってきても仕方ないか……)

P「また転ばないように気をつけろよ?」

春香「はい!」

あずさ「あら?会場が暗くなったわ〜」

律子「あずささん。手を離さないでくださいね」

あずさ「はい〜」

『皆様、ゲーム開始までの間、ジュピターによるミニライブをお楽しみください』

律子「……黒井社長のコネかしら」

――2011/02/15 13:15 東都シティホール【黒井特別室】

黒井「ふむ……」カタカタ

コンコン

黒井「ん?誰だ」

玲「失礼する」

黒井「……貴様か」

玲「時間もない。単刀直入に聞く」

玲「私の息子、遼を殺したのはお前か?」

黒井「……ふん。くだらん」

黒井「あれは事故死だ。警察も言ってただろう」

玲「…………」

玲「だがあなたは最後に遼に会った人物」

玲「そして遼から受け取っているはずだ」

玲「遼が開発したDNA探査プログラム、そして人工知能システム【アーク】」

黒井「……確かに私はその二つを持っている。だが渡す気はない」

玲「金はいくらでも出そう」

黒井「いくら積まれようが渡す気はない!」

黒井「……ひどい話だ。自分の名誉を守るために息子まで死に追いやるとは」

玲「私が殺したわけではない」

黒井「ふん!どうだか!」

玲「…………」

玲「わかった。もういい。あなたが公表でもなんでもすればいい」

玲「だが最後に見せてくれないか。遼があなたに託したDNA探査プログラムとやらを」

黒井「……ふん。いいだろう」カタカタ

玲(…………)グッ

玲(……今しかない!)スチャ

黒井「見るがいい。これこそ【アーク】が持ってきたロンドンからの亡霊……ハッ!?」クルッ

玲「…………!!!」ブスッ!

黒井「ッ!!」

玲「…………急所は外した。苦しみながら死ぬがいい」

黒井「貴様……!」

玲「データは消させてもらう」カチャ

『HDDの中身をすべて消去しました』

玲「よし」

玲(さて血を拭きとって……元に戻さねば……)スタスタ

扉「バタン」

黒井「くっ……」

黒井(意識が……よろめく……)フラフラ

黒井(何かメッセージだけでも……)ユラユラ

黒井(そうだ!あれを……)

黒井(…………)カタ カタ カタ

黒井「ぐっ!」パタ

『――――緊急パスワード承認しました』

『【アーク】起動いたします』

――――――

――――

――

――2011/02/15 13:30 東都シティホール【パーティ会場】

ワーワー キャーキャー

『ジュピターの皆様でした。ありがとうございましたー』

冬馬「ふっ」

翔太「イエーイ」

北斗「チャオ☆」

キャー!!

響「やっぱりジュピターの人気はすごいぞー……」

貴音「大丈夫です。「ふぇありー」も十分人気ですよ」

美希「ジュピターなんかに全然負けてないって思うな」

P「お、いたいた」

美希「あ、ハ……プロデューサー!」

P「そろそろゲーム準備終わるってさ。移動の準備してくれ」

美希「わかったの!」

響「わかったぞー」

貴音「では私はお手洗いに。先に行っててください」

P「わかった。会場は第二会場だからな。迷うなよー」

――――――

――――

――


【テラス】(パーティ会場の端)

貴音「さて、参りましょうか……おや?」

スタッフ「急がないと!」タッタッタ

貴音「何かあったのでしょうか……」

貴音「外に救急車?」

北斗「ん?あれは……」

北斗「チャオ☆」

貴音「おや、あなたは「じゅぴたー」の」

北斗「伊集院北斗ですよ。銀髪の王女さま☆」

貴音「他の二人は?」

北斗「もう会場に行ったよ。ちょっと俺は休憩に☆」

北斗「貴音ちゃんもかい?」

貴音「えぇ」

北斗「じゃ一緒に行こうか☆」

貴音「嬉しいお誘いですが、お断りさせていただきます」ペコ

北斗「あらら、ふられちゃった☆」

スタッフ「あ、伊集院さん!ちょっと来てください!」

北斗「おや?どうしたんですか☆」

スタッフ「それが、黒井社長が……」

北斗「?」

貴音「?」

スタッフ「とにかく来てください!」

北斗「オーケー☆」

貴音(私もついて行きましょう)

――2011/02/15 13:45 東都シティホール【黒井特別室】

北斗「社長が刺されたって!?」

警察官A「えぇ。今病院に搬送されました。今はここの従業員がついてます」

北斗「わかりました。俺も病院に行きます。どこの病院ですか?」

警察官A「はい。ここの…………」

貴音「…………」コッソリ

警察官B「どうやらナイフか何かで一突きされたみたいですね。急所は外れてたので、生きてはいましたが」

警察官B「凶器は無し。血を吹いたティッシュだけがありますね」

警察官B「黒井さんはいつもここに?」

スタッフ「はい。ここのほうが落ち着くと言ってまして……」

スタッフ「それであの……パソコンのデータがすべて消されているんです」

貴音(「でーた」が消されてる?)

警察官C「ライバル会社の工作か……?」

貴音「それは違いますね」

警察官B「って君は!アイドルの……」

貴音「北斗殿と一緒に来ました。それは今いいでしょう」

貴音「今更げーむが完成している時点ででーたを消すのは意味がないでしょう」

貴音「おや?「きーぼーど」にも血が……」

警察官C「え?これは……」

警察官C「J、R、T……?」

貴音(じぇい、あーる、てぃー?……あーる、てぃー、じぇい……じぇい、てぃー……!!)

警察官C「あ、ちょっと君!」

貴音「」タタタタッ

北斗「貴音ちゃん!?」

北斗(俺も行きますか)

北斗「じゃ警察のみなさん。またあとで。チャオ☆」タッタッタッタ

警察官C「っておい……行っちゃったよ……」

――2011/02/15 13:50 東都シティホール【パーティ会場】

律子「まったく……貴音ったらどこに行ったのよ?」

律子「そういえば警察らしき人を見かけたわね……何かあったのかしら」

北斗「」タッタッタッタッ!!

律子「あ!ちょっとあなた!」

北斗「おや?あなたは竜宮小町のプロデューサー、律子ちゃんでしたっけ?チャオ☆」

律子「覚えてもらってどうも。ジュピターの伊集院北斗くん」

律子「なんか慌ててるみたいね?まぁいいわ。貴音、見なかったかしら?」

北斗「あの王女様なら途中まで一緒だったよ☆もうゲーム会場に行ったんじゃないかな」

律子「あちゃー……すれ違いになっちゃったか……」

北斗「ところであなたはゲームに参加しないんですか?」

律子「え?えぇ、呼ばれてるのは現役アイドルだけみたいだし……私は今プロデューサーですからね」

北斗(ちょうど良かったかな☆)

北斗「実は俺、急用ができちゃいましてね☆代わりにゲームに参加してもらえませんか?」

律子「え!?そ、そんな突然!」

北斗「いいからバッジを受け取ってください。みんなを近くで見守るのもプロデューサーの役目でしょ?」

律子「そ、それは」

北斗「いいから、はい!それじゃ、チャオ☆」タタタタッ

律子「え、ちょ、ちょっと!」

律子「受け取ってしまった……」

prrrrr prrrrr

律子「あ、もしもしプロデューサー殿?」

P『どうだ?貴音は見つかったか?』

律子「えぇ、どうやらそっちに向かったそうです」

P『そうか、良かった。じゃ律子も戻ってきてくれ』

律子「あぁええと、プロデューサー殿。実はですね……」

――2011/02/15 14:00 東都シティホール【ゲーム会場】

P「えぇ!?わかった。じゃこっちに戻ってきてくれ。俺がそっちに行く」

P「じゃあとは頼むよ」ピッ

春香「貴音さん、見つかったんですか?」

P「あぁこっちに向かってるらしい。春香たちは【トランセル】に向かってくれ」

美希「ハ……プロデューサーは?」

P「俺はちょっと気になることができたから行ってくる。なに、俺は元々ゲームに参加できないからな。外で見守ってるよ」

『【トランセル】に入る準備が完了しました。参加される方々はゲート前にお集まりください』

P「ちょうどよく、アナウンスもはいったし……じゃあ春香、みんなを頼む」

春香「はい!わかりました!」

春香「それじゃみんな行こっ!」クルッ

春香「ってきゃあ!」ドンガラガッシャーン

千早「春香……」

美希「締まらないの……」

――2011/02/15 14:10 東都シティホール【パーティ会場】

P「なんか警官がウヨウヨしてるな……」

P(さて、さっきゲーム会場で冬馬と翔太の二人は見かけたな)

P(北斗だけがいないってのが変だ。電話してみよう)

prrrrr prrrrr

P(密かにジュピターと電話番号交換してたってバレたら怒られるかなぁ……)

prrrrr prrr

北斗『チャオ☆』

P「やぁ、北斗くん」

北斗『どうも、765プロのプロデューサーさん』

北斗『その様子だと秋月さんから話は聞いたみたいですね』

P「あぁ、何が起きたかはまだ知らないが」

北斗『じゃ俺が説明しますよ☆』

〜北斗説明中〜

P「なるほど。黒井社長が……」

P「そんで貴音はJ、R、Tの文字を見てゲーム会場に戻ったんだな」

北斗『えぇ、はい』

P「なるほど……その三文字と100年前のロンドンって単語を聞いてれば走るよな……」

北斗『いったいなんなんです?その三文字とロンドンの関係は?』

P「あぁ……J、R、T。並び替えてJ・T・R」

P「19世紀末のロンドンを恐怖に陥れた伝説の殺人鬼……」




P「ジャック・ザ・リッパーの略称だよ」




北斗『!』

北斗『切り裂きジャック……!』

P「あぁ最近、レンタルで見たらしいからな。それで覚えてたんだろう」

P(ホラー苦手なのに無茶をして)

P「じゃ俺は警察に詳しい話を聞いてみるよ」

P「たぶん向こうはなんで貴音が走ったのかわかってないだろうしな」

北斗『わかりました。ではまた。チャオ☆』

P「あぁまたな」ピッ

P「さて……怒られなきゃいいけど」

――2011/02/15 14:10 東都シティホール【ゲーム会場】

春香「はー……これが体感型ゲーム【トランセル】……」

亜美「なんか卵みたいだね→」

真美「なんか変なヘルメット!」

伊織「あれで脳波に電波を流して、催眠状態にするのね」

やよい「身体に害はないって言ってましたけど……ちょっとこわいです……」

雪歩「ゆりかごで眠るみたいな感じなのかな?」

美希「眠れるのは嬉しいの!律子もいないみたいだしー♪」

真「でも強制的に眠らされるんだよね……」

千早「とにかくやってみないとわからないわ」

あずさ「そうね。入ってみましょ」

響「貴音も後から来るって言ってたし、律子もプロデューサーと合流しただろうから、たぶんなんくるないさー!」

補助員「それでは皆様、【トランセル】の中に入って、装置をつけてお待ちください」

――2011/02/15 14:15 東都シティホール【ゲーム会場】

貴音「面妖な機会ですね……」

貴音(この中に犯人に繋がる糸口が必ずあるはず……)

――2011/02/15 14:20 東都シティホール【ゲーム会場】

律子「はぁ……まさか私まで体験することになるなんて……」

律子「プロデューサーは任せろって言ってたけど」

律子「ええい!もうどうにでもなれー!」



『参加者全員の準備、完了しました。これよりゲーム起動の準備をいたします』




――2011/02/15 14:30 東都シティホール【制御室】

オペレーター「ゲーム起動準備。完了しました」

橘「よし、ゲームスタート!」

――同時刻 東都シティホール【黒井特別室】

P「えぇ、だから彼女は急いでゲーム会場に向かったのです」

警察官A「そうでしたか!ならば一刻も早く、このゲームを中断させましょう!」

P「はい!制御室に行きましょう!」

――2011/02/15 14:35 東都シティホール【制御室】

警察官A「失礼します」

玲「ん?警察の方々が何か用ですか?」

警察官A「今すぐにゲームの一時中止をお願いしたい」

玲「もう始まった以上、すぐには……」

オペレーター「橘さん。ちょっと」

玲「どうした」

オペレーター「異常発生です。【トランセル】の制御が効きません」

玲「なんだと!」

玲「今すぐ本社に連絡を……おや。照明が?」

P(なんだ……?)

ガガ ピピピッ ピッ ザザザザザ……

アーク『我が名はアーク……』

玲「!」

アーク『我が名はアーク。ゲームはすべて僕が支配した』

警察官A「アーク?」

P「2年前に「橘 遼」くんが作成した人工知能システム【アーク】」

P「そう。事故死したあなたの息子さんが作ったものですね、橘さん」

玲「あぁ……これが完成してからすぐに事故が起きてしまったが……」

P「アーク。このゲームを乗っ取って何をするつもりだ!」

アーク『僕の目的は日本の希望を潰すことだ』

――――――

――――

――

――【トランセル】内部 電子空間 【ゲーム選択空間】

貴音「……ここが【とらんせる】の中」

響「おーい!貴音ー!」

貴音「響。それに皆も」

春香「よかった。貴音さんも間に合って」

貴音「えぇ。ご迷惑をお掛けしました」ペコ

美希「なーんか、変な感じなの」

美希「現実では眠ってるはずなのに、今ここで起きてるからなんか変な感じなの」

伊織「今私たちはコンピューターによって、すべての感覚を支配されてるってわけよね」

伊織「ゲームをクリアしない限り、現実には戻れないってゾッとするわね……」

美希「まぁよくわかんないことはいいの!律子もいないし、自由にやるの!」

律子「誰がいないって?」

美希「」

美希「律子、さん……?」

律子「遅い」バシッ

千早「律子。なんでここに?バッジ渡されてなかったわよね?」

律子「まぁ事情でね。説明は省くわ」


アーク『アイドルの皆様、ようこそ!【トランセル】へ!』

アーク『僕の名前はアーク。このゲームの支配人さ。よろしく』

アーク『今から舞台となるステージの説明をするよ』

アーク『自分が体感してみたいステージを選んでほしい』

アーク『けど一つだけ注意して欲しい』

アーク『これは単純なゲームじゃない。君たちの命をかけたゲームさ』

貴音(私たちの……命?)

アーク『全員がゲームオーバーになった場合、現実世界に戻れない』

アーク『だから真剣に選んでほしい』

アーク『誰か一人でもゲームをクリアすれば、全員が現実世界に戻れる』

アーク『これが僕の決めたルール。わかってくれたかな?』

やよい「どういうことですか?」

アーク『全員がゲームオーバーになった場合、特殊な電磁波を流して皆様の頭の中を破壊させてもらう』

アーク『つまり君たちの「希望」を潰すか、守れるかの勝負さ』

――東都シティホール【制御室】

P「希望を潰すとは?」

――【トランセル】内部 電子空間 【ゲーム選択空間】

アーク『今、現実世界の人から質問があったから答えるね』

アーク『希望を潰すとは、今が人気のアイドル達、それが一気に消滅するのさ』

アーク『最も輝いてる彼氏彼女を消滅させる。希望ある未来を潰すんだ』

アーク『それにアイドルがもつ希望の光、それがすべて消えるなんてまさに絶望じゃないか!』

小鳥「ふざけたことを言わないでください!人間の命をなんだと思ってるんですか!」

P(小鳥さん、いつの間に……)

アーク『そうだね。でも遼くんはすでに希望を失ったんだよ。希望を取り戻すこともできないんだ!』

アーク『さて皆様お待ちかねだし、そろそろゲームの説明を始めよう』

アーク『1つ目のゲームは【パリ・ダカール・ラリー】』

アーク『世界中の名ドライバーたちと走り、見事優勝してもらう』

アーク『2つ目のゲームは【コロセウム】』

アーク『優れた武器、防具を揃えて、手強い兵士たちと戦って勝っていくんだ』

アーク『3つ目は【学園メモリアル】』

アーク『一定期間の間に自分の恋愛を成就させるアドベンチャーゲームさ』

アーク『4つ目は【トレジャーハンター】』

アーク『世界中の遺跡や洞窟から宝を探すゲームだよ』

アーク『5つ目は【オールド・タイム・ロンドン】』

アーク『ホラーに近いサスペンスを体感するんだ。現実では迷宮入りとなった事件、ジャック・ザ・リッパーを捕まえるんだ』



貴音(やはりここに犯人の手がかりがあるはずです)

杏「くそっ、こんなことになるなら無理やり休めばよかった……」

蘭子「これが神の定めなのか……!(どうしてこんなことに……)」

卯月「どどど、どうしましょう!?」

ザワザワ ザワザワ……

雪歩「み、みなさん。落ち着いてください!」

春香「最初から諦めてたら、何にもできないよ!」

美希「そうなの。春香の言うとおりなの」

千早「とりあえず、自分でクリアできそうなステージを選びましょう!」

律子「そう!たった一人でもクリアできれば生き残れるのよ!」

冬馬「ふん、そうだな。アイツらの言うとおりだ」

冬馬「行くぞ、翔太」

翔太「はいはーい。気楽にクリアしちゃっおか♪」

――――――

――――

――


春香「大変なことになっちゃったね……」

律子「仕方ないわ。こうなった以上、誰か一人でもクリアしなければいけないんだから」

貴音「そうですね。皆でまとまって挑むよりも、多少バラけたほうがいいかもしれません」

真「そうだね。初めてのゲームだから自分の力で切り開いていかなきゃいけないし!」

響「自分、完璧だからな!何が来てもなんくるないさー!」

千早「じゃみんな、自分の行きたい場所に行くってことでいいかしら」

亜美真美「さんせ→!」

やよい「がんばります!」

真「じゃ僕は【コロセウム】に行くよ!身体動かすほうが向いてるし!」

美希「美希も【コロセウム】なの!勝って注目浴びてキラキラしたいかな!あはっ!」

亜美「んっふっふ〜、真美?もちろん決まってるよね?」

真美「もちろんですぞ、亜美隊長。我々は……」

亜美真美「「【パリ・ダカール・ラリー】だっ!」」

真美「日頃、マ◯カーで鍛えたこの腕!」

亜美「とくと味わってもらいましょう!」

やよい「私は高い所ダメだし……あまり運動も得意じゃないから【学園メモリアル】かなーって」

伊織「私も【学園メモリアル】ね。このスーパー美少女伊織ちゃんの手にかかれば、こんなゲーム余裕よ!にひひ♪」

あずさ「【トレジャーハンター】って面白そうね〜。どんな宝物があるのかしら。うふふ」

雪歩「私も【トレジャーハンター】にしますぅ……穴掘るのは得意ですし……」

春香「私は【オールド・タイム・ロンドン】かな。ロンドンの街並みを見てみたいかも。なーんて」テヘッ

千早「私も春香と同じにするわ。特に行きたいとこはないですし」

律子「私も【オールド・タイム・ロンドン】ね。昔、探偵小説はよく読んでたし、曖昧だけど覚えてるわ」

貴音「とある事情ゆえ私も【おーるどたいむ・ろんどん】に向かいます。ですが……ほらーらしいので、響、共についてきてくれませんか?」

響「え!?……まぁ自分完璧だからな!なんくるないさー!」

春香「みんな決まったね!よし!じゃみんなが無事に生き残れるようにいつものアレやろっか!みんな手を出して!」サッ

サッ!!

春香「準備はいい?765プロー!」

全員「「「「「おー!」」」」」

――――――

――――

――

貴音「おや?あれは……」

冬馬「ん、お前らも【オールド・タイム・ロンドン】か?」

春香「そうだよー」

翔太「まさか765プロと共同戦線とはね」

冬馬「足引っ張るなよ」

響「むっ、そっちこそだぞ」

冬馬「ところで北斗知らないか?さっきから見かけないんだが」

律子「!」

律子「え、えっとそう、彼は体調悪くなったから辞退したそうよ!そしたらなんか私に押し付けられちゃったけど!!」

律子(よくわかんない状況だったけど)

翔太「ふーん」

冬馬「そうか。ミニライブの時は平気そうだったけどな」

千早「さぁそろそろ行きましょう。時間がもったいないわ」

アーク『皆様準備は出来ましたか?』

アーク『各ステージにはお助けキャラがいます。上手に使ってくださいね』

アーク『それではゲームスタート!』

貴音「皆、参りましょう!」テクテク

――東都シティホール【制御室】

P「どうですか、オペレーターさん」

オペレーター「はい、確かに【トランセル】には強い電気装置が組み込まれています」

オペレーター「参加している50人程度でしたら十分に壊せる程の……」

――東都シティホール【客席】

モバP「ふざけるな!大事なアイドルを壊されてたまるか!」

普通P「付き合ってられん!連れて帰る!」

案内人「あ、あのお待ちください!」

モバP「失礼!」

オペレーター「まずい!早くその二人を離して!」

モバP「この!」

普通P「開け!」

ピカッ!

モバP普通P「「!?」」

モバP普通P「「ぎゃあああああ!!!」」ビリビリ

モバP普通P「「」」

キャアア ダイジョウブカー! ハヤクテアテヲ!

アーク『ゲームの邪魔はさせない!』

アーク『今は軽くしびれさせただけだけど、次は容赦しない!』

――東都シティホール【制御室】

小鳥「ひどい……」

警察官A「しかし橘さん。なんで今頃になって、遼くんの作った人工知能が暴走を始めたんですか?」

橘「そ、それは……」

P「それは俺が話しましょう」

P「遼くんは天才ゆえに友達がいなかった」

P「まぁ家庭環境の厳しさもあったのでしょう。その後、遼くんは友達が欲しくなり、自ら人工知能を作ることにしたのです」

P「人工知能を作った理由がこれですね」

P「そして人工知能【アーク】が暴走してるのは、おそらく遼くんの希望に応えなかった復讐として、暴走してるのでしょう」

P「それが今回の希望を潰すという結果になったんですかね」

警察官B「どうしてあなたがそんなに詳しいのです?」

P「……実はまぁウチの社長と黒井社長は因縁の中でして、黒井社長のことを調べるよう頼まれたんですよ。得た情報はまったく使わないとして」

P「まぁ結局大したことはわからなかったんですが、唯一黒井社長が表沙汰になったものが、遼くんの事故騒動だったんですよ」

P「その事故に関して、そして遼くんに関して調べてたんですよ」

玲「あの事故が他殺だったというのか!?」

P「いえ。あれは事故でしょう。前方不注意の」

P「俺が気になったのは、どうしてそこまで遼くんは追い詰められてたのか」

P「友達の一人くらいいいと思うんですけどね」

P「だから調べてたんですよ」チラッ

橘「…………」

小鳥「あ!みんながゲームの世界に入ったみたいですよ!」

――ホワイトチャペル街【貴音チーム】

貴音「ここが霧の都「ろんどん」……」

響「なんか想像と違うぞ……」

春香「それになんか変な空気……」

律子「この時代のロンドンの霧はいわばスモッグなの「きゃあああああ!!!」」

全員「「「「「!!」」」」」

貴音「切り裂きじゃっく!」タッ!!

律子「貴音!?一人は危ないわ!」

貴音「」タタタタタ!!

――――――

――――

――


貴音「お待ちなさい!」

ジャック「!」タッ

貴音(速い!)タタタタッ

ジャック「…………」タタタタッ

――――――

――――

――

貴音「くっ……」キョロキョロ

貴音「撒かれたようですね……」

春香「貴音さん、大丈夫!?」

貴音「申し訳ございません……逃がしてしまいました……」

モブ「Oh…my god…(なんてことだ……)」

モブ「Jack the Lipper appeared! (ジャック・ザ・リッパーが現れたぞ!!)」

春香「英語だね……」

モブ「Call the police!!(警察を呼べ!!)」

――東都シティホール【制御室】

P「日本語にしてください」

オペレーター「はい、ただいま」

――ホワイトチャペル街【貴音チーム】

モブ「また奴の犯行か……」

千早「あ、日本語になったわ」

春香「ホントにゲームだからすぐに変更できるけど、実際には現実世界みたいだね……」

警官「はい、どいてどいて!」

警官「おい、早くレストレード警部に連絡を」

貴音(れすとれーど警部?)

――東都シティホール【制御室】

P「彼女らと交信できますか?」

オペレーター「やってみます」

小鳥「私、最近このコナン・ドイルの小説にハマってますからアドバイスできます!」

P「ではアドバイスは小鳥さんにお願いします」

P(交信ができれば……の話だけど。アークはどこまで考えてる……?)

P「後はお願いします、俺はちょっと現場を見てきます」

――ホワイトチャペル街【貴音チーム】

冬馬「ったく、犯人を捕まえるって言っても手がかりもないじゃねぇか……」

小鳥『みんな!聞こえる!?』

全員「「「「!」」」」

春香「聞こえるよ!小鳥さん!」

小鳥『良かった。今みんなはイーストエンドのホワイトチャペル街にいるわ』

小鳥『そこから――に――』

律子「え?聞こえないわ、小鳥さん!」

ガタッ!!――ガラガラガラガラ!!!

翔太「あ、橋が!!」

貴音「皆、早く向こうに!!」

――東都シティホール【制御室】

アーク『まだわからないのか。このゲームは僕が支配している』

アーク『卑怯な手なんて使えないよ』

アーク『向こうの声だけは聞こえるようにしとくよ。苦しむ声をそこで黙って聞いてるといい』

――ホワイトチャペル街【貴音チーム】

律子「なんとか皆無事だったわね……」

千早「小鳥さんの声も聞こえなくなったわ……」

貴音「おそらく【あーく】により交信を切られたのでしょう」

響「どーするんだー!これじゃ何もできないぞー!」

貴音「大丈夫です。律子、「れすとれーど警部」に聞き覚えありませんか?」

律子「レストレード警部?ってあの小説の中の!?」

律子「でもこれって現実が基本じゃ?」

春香「もしかしたら、ごちゃ混ぜにしてるのかも。ゲームとして面白くするために」

千早「迷惑な話ね……」

律子「ってことはつまり……」

貴音「そう。ここにはあの人物……」



貴音「「しゃーろっく・ほーむず」がいるはずです」



響「ホームズが!?」

春香「それなら安心だね!」

律子「ホームズはベイカー街にいるはずよ!」

千早「じゃベイカー街に向かいましょう!」

冬馬「……ふん」

――――――

――――

――


――ベイカー街への道中【貴音チーム】

律子「ところで、貴音。あなた、シャーロック・ホームズとかわかる人なの?」

貴音「えぇ、ちょうどこの前、響と「でーぶいでー」を見たのです」

貴音「演技のためと見てましたが、中々興味深いお話でした」

響「途中、貴音が怖がってたのは面白かったぞ!」

貴音「響、それはとっぷしーくれっとです///」

春香「あはは、貴音さん。怖いの苦手だもんね」

千早「このゲームは雰囲気はホラーっぽいけれど、幽霊とかは出てこなそうね」

律子「まぁ、捕まえるのはロンドンの亡霊だけどね」

千早「ぷっ!///」

春香「相変わらずだねー。千早ちゃん」

冬馬「おい、あの時計。なんかおかしくねぇか?」

全員「「「「え?」」」」クルッ

カチッ

響「針が戻ったぞ!?」

カチッ

春香「また戻った!」

貴音「50から49、そして49から48……」

貴音「!」

貴音「あれはおそらくこの遊戯に参加しているあいどるの数です!」

律子「ってことは他のゲームで誰か二人が……」

――東都シティホール【制御室】

オペレーター「パリ・ダカール・ラリーで2名脱落!」

オペレーター「つづけてコロセウムで2名脱落!」

玲(そうだ……早くゲームが終われ……)

玲(ジャック・ザ・リッパーの正体に気づかれたら私は……)

オペレーター「トレジャーハンターで3名脱落!」

小鳥「残り43人ですか……」

――ベイカー街への道中【貴音チーム】

貴音「…………!」シッ

警官「またジャック・ザ・リッパーだってよ……」

警官「またか……これで四件目だな……まったく」

春香「嫌な時代だね……」

千早「この時代は英国としては最も栄えたって聞いてるけど、貧困の差も最も大きいとも聞いたわ」

響「最も荒れてたってことだな……」

律子「確かあの小説には……」

律子「シャーロック・ホームズが時代の光とするなら、ジャック・ザ・リッパーは暗い影って書いてあったわね」

貴音「では早く時代の光に会いに行きましょう。もうすぐ「べいかー街」みたいです」テクテク

貴音「……?」ピトッ

浮浪者「ジャック・ザ・リッパーに気をつけろ〜」テクテク

浮浪者「夜道でお前を待ってるぞ〜」テクテク

浮浪者「死にたくなけりゃどうするか〜」テクテク

浮浪者「お前も血まみれに、なるこった〜」テクテク

翔太「どういうことだろうね?」

冬馬「やられる前にやれってことだろ」

貴音(血まみれに……?)

――東都シティホール【パーティ会場】

P(入り口には金属探知機)

P(いたるところには監視カメラ)

P(犯人はどうやって凶器を持ち込んだんだ……?)

P(そういえば春香が)

春香『なんか偽物っていうかプラスチックみたいに軽かったですから!』

P(とか言ってたな)

P(ふむ……)


――パリ・ダカール・ラリー【亜美・真美】

亜美「ひゃっほ→!」バーン

真美「風が、気持ちいいぜ……」ブロロロ

真美「なーんちって♪」

亜美「いやー、実際やってみると面白いですなぁ♪」

真美「まだ順位的には真ん中だけど、とりあえず順調ですなぁ♪」

亜美「連絡取り合えるのがいいね〜」

真美「このまま行って、一番に勝っちゃうYO!」

――コロセウム【真・美希】

美希「ただいまなの〜」

真「あ、美希!お帰り!」

美希「なんとか勝ったけど、ちょっとつかれたの……」

真「お疲れ。さっき回復水、安く売ってたよ」

美希「あれ、あんまり美味しくなかったの。やっぱりおにぎりがいいな♪」

真「お米はたぶんないね……」

美希「仕方ないから、美希ちょっとお昼寝するの。あふぅ……」

真「こんな無防備で大丈夫かなぁ……」

真「あ、次は僕の試合だ。じゃ行ってくるね!」

美希「頑張ってなの〜」

――学園メモリアル【伊織・やよい】

伊織「思ったよりも難しいわね……このゲーム」

やよい「う〜……同年代の男の子の気持ちってわかんないよ〜」

伊織「なんとかこなしてるけど、正直やばいわね……」

伊織「どうすればいいのよ……」ズーン

伊織(小鳥ならうまくできそうな気がしてきたわ)

やよい「伊織ちゃん!まだ方法はたくさんあるよ!諦めちゃメッだよ!」

伊織「!」

伊織(そうね、やよいの言うとおりだわ)

伊織「この私が諦めるわけないじゃない!すぐクリアしてみせるわ!にひひ♪」

――トレジャーハンター【あずさ・雪歩】

あずさ「あら、またお宝見〜つけた♪」

あずさ「お宝はいっぱいあつまるわねぇ〜」

雪歩「でも出口が見つからないですぅ」

あずさ「そうねぇ……あっちかしら?」

あずさ「行ってみましょう、雪歩ちゃん」

雪歩「あ、はい。行きましょう」

雪歩(けど、さっきからずっとぐるぐる回ってるような気がしてきました……)

雪歩(あずささんに任せないほうがいいかなぁ……)

――ベイカー街【貴音チーム】

律子「えっと、221番地のB……ここね」トン トン

響「ここにシャーロック・ホームズがいるのか?」

律子「えぇ、ワトスン博士と一緒に借りてる下宿のはずよ」

ガチャ

ハドソン婦人「こんな時間にどなたかしら?」

律子「あ、私秋月律子と申しますが……」

律子「ホームズさんはいますか?」

ハドソン婦人「ホームズさんとワトスンさんは出張でいませんよ」

律子「出張?」キョトン

ハドソン婦人「えぇ、ダートムーアという田舎の方に」

律子「す、すみませんが今日は何日ですか?」

ハドソン婦人「今日は9月30日よ」

律子「えっと……ダートムーア……9月30日……」

律子「もしかして、『バスカヴィル家の犬事件』!?」

貴音「ばすかゔぃる家?」

律子「えぇ。詳細は省くけど、ちょうど二人がロンドンを離れてる時期なのよ」

春香「ってことはホームズさんいないの!?」

律子「……そういうことになるわね」

貴音「そんな……」

貴音(困ったことになりましたね……)

――東都シティホール【警備室】

P「すみませんが、犯行前後のビデオ映像のダビングを……」

警備員「はい、わかりました」

prrrrr prrrrr

P「はい。どうかしました?小鳥さん」

小鳥『ちょっとそれが、大変なことになりまして……』

P「大変なこと?」

小鳥『ホームズとワトソンがベイカー街にいなかったんです!』

P(そこまで読んでたか……)

小鳥『私も橘さんもまったく知らないキャラが出てきてるし、色々とおかしいんです!』

P「そうですか……」

P「じゃ橘さんに分かる範囲でいいから、どういう結末にしたかを聞いてみてくれませんか?」

小鳥『あ、はい。ちょっと待っててください』

――小鳥聞き込み中

小鳥『もしもし』

P「はい」

小鳥『橘さんがストーリー原案を読んだ分には、シャーロック・ホームズと協力して、ジャック・ザ・リッパーの正体を明かし、連続殺人鬼は不治の病に侵された貴族だった。という結末だったそうです』

アーク『ハハハ!』

P「!」

アーク『もっと面白いエンディングを用意しといたよ!』

P「…………」

P「小鳥さん。ありがとうございました」

P(みんな……頑張ってくれ……)

――ベイカー街【貴音チーム】

ハドソン婦人「あなたたち、二週間前、ホームズさんに協力して大手柄だったそうね」ニコ

全員「「「「「え?」」」」」

ハドソン婦人「さぁさぁおあがりなさい。温かいミルクティーでも淹れてさしあげますわ」

千早「誰かと人違いしてるのかしら?」

律子「たぶんベイカーストリート・イレギュラーズと間違えてるんじゃないかしら」

冬馬「なんだよ、それ」

貴音「たしか、「ほーむず」が雇った浮浪者の子どもだったと」

貴音「大人じゃいけない場所に潜入したり、情報を集めるのに役立った勇気ある子どもですね」

――ホームズ下宿先【貴音チーム】

貴音「ここが「ほーむず」の部屋……」

響「DVDで見たのとまったく一緒だぞ!」

響「貴音ー、あれやってみれば?」

貴音「あれですか?ちょっと恥ずかしいですね///」

春香「あれ?」

響「説明するより、見たほうがたぶんわかるぞ!な、貴音!」

貴音「わ、わかりました///」

貴音「よっと」

貴音「…………」(椅子に体育座りみたいに座り、手を顔の前で合わせてる)

全員(響以外)「「「「?」」」」

ハドソン婦人「まぁまぁ。ホームズさんにそっくりね」

ハドソン婦人「いつもそうやって物思いに耽っているのよ」

春香「あ、ホームズの真似だったのね」アハハ

貴音「///」

ハドソン婦人「それじゃお茶が入るまでくつろいでてね」

律子「ありがとうございます」ペコリ

千早「あら?この写真誰かに似てるわね……」

春香「え?どれどれ?ホームズとワトスンの写真みたいだけど……」

春香「あれ。ホントだ。私もワトスンのほう、見たことある」

春香「もしかして……社長!?」

律子「え!?」パタパタ

律子「……ホントだわ、ヒゲを取ったら社長よ」

律子「じゃ隣にいるのは……」

冬馬「黒井のおっさんだな」

冬馬「写真のはオールバックだけど、普通にしたら黒井のおっさんになるな」

貴音(そういえば黒井社長が原案でしたね……)

翔太「みんな、遊んでる時間はないんじゃない?」

春香「そ、そうだったね。次は何すればいいんだろ?」

貴音「おそらく「ほーむず」は「切り裂きじゃっく」についての資料を集めていたはずです」

貴音「それを探してみましょう」

翔太「じゃ僕このへんー♪」

響「でも探すのはいいけど、英語なんだよな?」ペラッ

響「えっと何々……犯罪における初動捜査……」

響「あれ!?自分英語スラスラ読めるぞ!」

春香「わ、わたしも!?なんで!?」

律子「たぶんゲームの配慮ね。英語が読めなきゃ話が進まないじゃ詰むもの」

春香「現実でもこのぐらい読めたらなぁ……」

千早「それは春香の努力次第ね」フフッ

冬馬「えーっと……ん?」ボトッ

冬馬「なんだ?この汚いボール」

冬馬「邪魔だな」ポイッ

貴音(おや?あれは確か……)

律子「あ!みんなー、これじゃない?」

つ【ジャック・ザ・リッパーに関する考察】

貴音「それですね」

貴音「一番最近起きた事件は……」ペラペラ

貴音「9月8日ですね」

貴音「二人目の犠牲者は「はにー・ちゃーるすとん」、一人暮らしの41歳の女性」

貴音「遺体発見場所は「ほわいとちゃぺる地区」の「せんと・まりー協会」に隣接する空き地。殺人現場の遺留品は二つの大きさの違う指輪」

貴音(大きさの違う指輪?)

貴音「「ろんどん」を恐怖のどん底に突き落とした「切り裂きじゃっく」は前代未聞の社会不安を引き起こした点から、悪の総本山」

貴音「「もりあーてぃ教授」に繋がっていると私は確信している……」

律子「モリアーティ教授!?」

貴音「まさかあやつまでいるのですか……」

冬馬「おい、そいつって誰なんだよ」

律子「モリアーティ教授はホームズの宿敵ね。ロンドンの暗黒街を支配下に置いてヨーロッパ全土に絶大な影響力を持っているとされている、いわば犯罪界のナポレオンよ」

響「でもモリアーティ教授は裏で色々考えるやつだから、確か表にはまったく出てこないって。どうやって会うんだ?」

律子「うーん、そうねぇ……手っ取り早いのはモリアーティ教授に繋がる人物に会うかしら」

律子「確か腹心はセバスチャン・モラン大佐だったかしら」

響「あぁそうか!でもそのモラン大佐にどーやって会うんだ?」

律子「うーん、どこだったかしら……」

千早「あ、もしかしてこれかしら」

千早「このメモ帳によると、モラン大佐はダウンタウンのトランプクラブを根城にしてるみたいよ」

律子「そうそう!モラン大佐って確かロンドン第二の危険人物らしいわ。気をつけなきゃね」

春香「あ!ここに銃があるよ!」

春香「ばーん!なんちゃって!」テヘッ

貴音「春香、私たちは争いに行くのではありません」

貴音「それにもしそのような事態になっても、使い慣れていない武器を持っていても役立ちません」

貴音「置いていったほうがいいでしょう」

春香「う……」

春香「貴音さんにそこまで言われちゃね……」アハハ

春香「うん!置いてくよ!」

貴音「それがいいと思います」

貴音「さぁ、遅くならないうちに向かいましょう」

貴音(一応、この写真は持って行きましょう)ペリッ

テクテク テクテク

冬馬「…………」

翔太「ん?冬馬くん、どうかしたの?」

冬馬「ちょっと待ってろ」

冬馬「…………」(銃を手に取る)

翔太「ちょっと冬馬くん!」

冬馬「ふん!女を守るのは男の役割だろ?」

冬馬「それに、自分の身も守らなきゃな」

――ベイカー街【貴音チーム】

貴音「…………」テクテク

貴音「…………」スッ

時計「30」

貴音「あと残り30人ですか……」

春香「だいぶ減っちゃったね……他のみんなは無事かな……」

千早「私たちからも、そろそろ脱落者が出てもおかしくないわね……」

響「ち、千早!そういう考えは良くないぞ!」

※補足(特に覚える必要はないけれど、一応の基準)

1・パリ・ダカール・ラリー 【亜美・真美】
クリア条件・一位になって優勝すること
敗北条件・レース中の事故・運転不能・優勝できなかった場合

2・コロセウム 【真・美希】
クリア条件・最強の兵士になること
敗北条件・闘技での敗北・棄権・その他の致命傷

3・学園メモリアル 【やよい・伊織】
クリア条件・一定期間内に彼氏彼女を作る
敗北条件・期間を過ぎる・フラれる・CPUに取られる・諦める・ある選択肢を間違えた場合・一定期間好感度がまったく変わらなかった場合

4・トレジャーハンター 【あずさ・雪歩】
クリア条件・最後の宝物を手に入れる
敗北条件・致命傷を負う・捕まる・洞窟ごとにある宝の最低取得ラインを下回る

5・オールド・タイム・ロンドン 【貴音・響・春香・千早・律子】【冬馬・翔太】
クリア条件・ジャック・ザ・リッパーを捕まえる。もしくは倒す
敗北条件・致命傷を負う・警官その他に捕まる

――学園メモリアル【やよい・伊織】

伊織(まずいわ……好感度が上がらない……)

伊織(こうなったら一か八か……)

伊織「ねぇ、ちょっと」

??「何?水瀬さん」

伊織「じ、実はちょっと話したいことがあるの」

伊織「時間あるかしら?」

??「いいよ、じゃ中庭で待ってる」

――中庭

伊織「きゅ、急に呼んで悪かったわね!」

??「大丈夫だよ。ところで何の用?」

伊織(お願い……!神様!)

伊織「あ、あの……実は私、あんたのことが!」

??「え?」

伊織「す、すすすす、好きなのよ!!!」

伊織(い、言っちゃったわ!)

伊織(さぁ返事は……?)

??「……………………」

??「気持ちは嬉しいよ。水瀬さん」

??「でも……ごめんなさい!」ペコ

伊織「……………………え?」

??「今は恋愛とかちょっとね……ホントにごめんなさい!」

伊織「そ、そう!仕方ないわね!」

伊織「じゃこれだけだから!バイバイ!」

伊織(…………やってしまった……)

伊織「身体が光り出した……」シュー

伊織「失格……ね」

『水瀬伊織。敗北条件を満たしたので、失格とします』

やよい「伊織ちゃん!?」タッタッタッタ!!

伊織「ごめんね……やよい」サァァァ……

やよい「いおりちゃーん!!!!!」

――パリ・ダカール・ラリー【亜美・真美】

真美「亜美!そっちはどう?」

真美「……亜美?」

亜美「真美」

亜美「……ごめん、失敗しちった」

真美「え!?何したの!?」

亜美「ガソリンがもうほとんどないんだ……」

亜美「給油ポイントまではまだまだ先……」

亜美「ちょっと無理っぽいしょ〜」

真美「待って!今真美が予備のガソリン渡すから!」

亜美「無理だよ……真美、けっこー前にいるじゃん」

亜美「戻ってたら、優勝なんて無理だし……」

亜美「ね、真美。みんなのために先に行って!」

亜美「そして亜美を助けてね!」

真美「真美……」

真美「わかった!必ず助けるから!待ってて!」

亜美「あーあ、こんなところで終わりかー……つまんなーいの」シュー

『双海亜美。敗北条件を満たしたので、失格とします』

――トランプクラブ【貴音チーム】

貴音「ここは少人数のほうがよさそうですね」

貴音「では私が裏口から様子を見て参ります」

貴音「皆はここで待っていてください」

響「気をつけるんだぞ……」

貴音「えぇ、もちろんです」

――トランプクラブ 店内【貴音チーム】

ガヤガヤ ガヤガヤ

貴音(あれが「もらん大佐」……)スッ

客A「一枚だ」

モラン「私は二枚だ」

猿「ウキッ ウキキ」

貴音(おや?あの後ろにいる猿)

キィ

冬馬「おい、四条。どんな感じだ」ヒソヒソ

貴音「「じゅぴたー」のお二人!なんでここに」ヒソヒソ

冬馬「お姫様は先頭に立つもんじゃねーだろ?」ヒソヒソ

貴音「まったく……」ヒソヒソ

客A「ストレート」

モラン「悪いな、フラッシュだ」

客A「なんだと!?」

モラン「今夜はついてるようだな」

客A「くっそー!」

モラン「ハッハッハッハ!」

冬馬「モランってポーカー強いんだな」ヒソヒソ

貴音「あれはズルをしているのです」ヒソヒソ

翔太「え?わかるの?」ヒソヒソ

貴音「あそこにいる猿が「もらん大佐」に相手の手を教えているのです」ヒソヒソ

貴音「「はーと」と「すぺーど」なら右手。「だいや」と「くろーばー」なら左手で、その色の実を数に応じて、食べるよう調教されているみたいです」ヒソヒソ

貴音「例えば「すぺーど」の3なら右手で三個の黒い実を食べるのです」ヒソヒソ

冬馬「ち!きたねぇ野郎だ」ヒソヒソ

貴音(おや?あの席、なぜあんなものが……)

冬馬「イカサマだ!」

貴音「!」

ザワ ザワ ザワザワ

冬馬「モランってやつはイカサマ野郎だ!」

モラン「小僧、口の聞き方に注意するんだな」

モラン「イカサマの証拠でもあるのか!」

冬馬「もちろんだ。あそこにいる猿、あんたと仲良しなんだろ?」

モラン「む……」

客A「なに!?」

冬馬「おっさんのカードを見て、スペードの3なら右手で黒い実を三個。ダイヤの5なら左手で赤い実を五個食べるんだろ?」

客A「きたねぇぞ!モラン!」

モラン「ふん、騙されるほうが悪い!」

客A「なんだと!!」

冬馬「おっと」カチャ

冬馬「そっちの揉め事はあとにしてくれ。モリアーティ教授はどこにいる」

モラン「!」

モラン「小僧!あのお方の名をどこで!!」カツカツカツ

冬馬「うわ、おい!来るな!」

バンッ!

モラン「う!」

冬馬「うわ!」

客B「おっと!」ガシッ!

モラン「ガキどもを捕まえろ!」

客CDEF 「「「「おう!」」」」

トリャー!!

冬馬「うわ!」サッ

翔太「おっと!」ソッ

貴音「くっ」サッ テイッ

貴音「それ!」ヒュッ

客C「このガキ!」

響「そりゃー!!」バシッ!

客C「グハ!」バタッ

響「大丈夫か、貴音!」

貴音「え、えぇ大丈夫です」

春香「貴音さーん!」

千早「私たちも加勢するわ!」

律子「まったく……えい!」バンッ!

客D「ぎゃあ!」

貴音「くっ、全員参加はまずいですね……」

春香「きゃあ!」タタタッ

千早「春香!」

千早「それっ!」(スライディング)

客E「おっとっと!」ガッシャーン

春香「ありがと!千早ちゃん!」

千早「いえ、よかったわ」

客C「ガキッ!」

春香「千早ちゃん!後ろ!」

千早「え?」

ガシャーン!!

千早「しまった!」

春香「千早ちゃん!」バーン!

客C「ぐはっ!!」バタッ!

千早「身体が光ってる……」

千早「どうやら……失格みたいね……」シュー

律子「千早!」

千早「みんな、後は頼むわ……」

千早「信じてるから……」ニコ

貴音「千早!」

『如月千早。敗北条件を満たしたので、失格とします』

貴音(このままでは、皆失格となってしまいます!)

モラン「…………」スッ(銃を取る)

モラン「S・H……」

モラン「シャーロック・ホームズ!」バキュン!!

春香「貴音さん!危ない!」バッ!

貴音「!」

春香「きゃあ!」バン!

貴音「春香!」

春香「あちゃー……失格かぁ……」シュー

春香「みんな、絶対ジャック・ザ・リッパー捕まえてね!」

春香「約束だよ!」

『天海春香。敗北条件を満たしたので、失格とします』

モラン「遊びは終わりだ!」スチャ

モラン「捕まえて誰の手先か白状させるつもりだったが、必要なくなったようだ!」

モラン「この銃はホームズのものだからな!」

貴音「くっ!」

貴音(どうすれば……どうすればこの状況を変えられる……?)

貴音(ん?)

貴音(あの男が持っている「わいん」)

貴音(確かあれは上座に置いてあったもの……)

貴音(!)

貴音(そういうことでしたか!)

モラン「さぁ誰が最初かな?」カチッ

貴音(隙は一瞬のみ!)

貴音「今!」タタタタッ!!

客B「うわ!」

モラン「ガキが!」スチャ!

モラン「!」

貴音「私を撃ったら、この「わいん」も割れてしまいますよ!」

モラン「ふん!それはどういう意味だ!」

貴音「先ほど「ぽーかー」をしていた場所での空席です」

貴音「綺麗に装飾された椅子と来たるべきもののために用意された「ぐらす」と「わいん」」

貴音「それらの品から導き出せる推理、すなわち」



貴音「ここに来るのは「もりあーてぃ教授」しかいないということです!」



モラン「!」

モラン「残念だが、その推理はハズレだ!」

貴音「では撃ってみなさい!教授の「わいん」が割れてもいいのならですが」

モラン「くっそ……このガキ……」

貴音「…………………」

モラン「…………………」

貴音「………………」

響(貴音……)ドキドキ

カララン

全員「「「「!」」」」

老人「…………」

老人「モリアーティ様が皆様にお会いしたいと申しております」

律子「え?モリアーティ教授が?」

老人「馬車でお待ちしております」テク テク

モラン「お、お待ちください!」

貴音「!」

老人「…………」ピト

老人「モリアーティ様に逆らうおつもりですか?」ギロッ

モラン「う!うぅ……」

――トランプクラブ裏通り【貴音チーム】

老人「皆様をお連れしました」

モリアーティ「ご苦労」

モリアーティ「さてそこの方、ワインをいただこうか」

貴音「はい」スッ

貴音(おや、この香り)

モリアーティ「モラン大佐と互角とやりあうとは、さすがホームズの弟子たち」

モリアーティ「で、私に用かな?」

貴音「……あなたは本当に「もりあーてぃ教授」ですか?」

モリアーティ「いかにも」

貴音「なるほど。試していられるのですね?私たちを」

全員「「「「へ?」」」」キョトン

モリアーティ?「どういう意味かな?」ギロッ

貴音「中々の演技ですが、私の目はごまかせません」

貴音「あなたは「もりあーてぃ教授」ではございませんね」

響「貴音!?何を言ってるさー!?」

貴音「つまり私は、そちらに立っておられる方が「もりあーてぃ教授」だと言っています!」

全員「「「「!」」」」

老人?「…………」

貴音「声はすべて腹話術によるものですね」

老人?「ふふふふふ…………」

老人?「そこまで見破られるとはな」スッ

モリアーティ「なぜわかった?」

貴音「先ほど「もらん大佐」があなたに向かって「お待ちください」と申してましたよ?」

律子「そっか!モラン大佐が敬語を使うのはモリアーティ教授だけね!」

貴音「えぇ、そうです」

モリアーティ「それだけかな?」

貴音「いえ、あとひとつ」

貴音「「もりあーてぃ教授」は「はーぶ」などの香水を使う、お洒落な方だと伺っております」

冬馬「へぇ、そうなのか」

冬馬「それがワインを渡したときに香りがしたってわけか」

モリアーティ「見事だ。まるで女のホームズだな」

貴音「ふふっ」

モリアーティ「ところで、私に何の用かな?」

貴音「「じゃっく・ざ・りっぱー」はこの「ろんどん」を恐怖の都に変えるために、あなたが放ったのでしょう?」

モリアーティ「当たらずといえども遠からずだ」

モリアーティ「ジャック・ザ・リッパーは貧民街で拾った浮浪児だ」

モリアーティ「母親に捨てられて路頭に迷っていた子どもだったがな。ひと目で才能を感じたよ」

モリアーティ「犯罪者としての才能をね」

モリアーティ「私が彼を一流の殺し屋に育て上げたのだよ」

響「じゃあどうして罪もない女性ばっか狙ってるんだ!?」

モリアーティ「ジャック・ザ・リッパーは私の想像を超える殺人鬼になってしまってね。一連の事件はあの子の暴走だよ」

全員「「「「…………………」」」」


モリアーティ「君たちがジャック・ザ・リッパーを逮捕しようとしているなら、私も協力しようじゃないか」

全員「「「「え!?」」」」

貴音「協力!?」

モリアーティ「ジャック・ザ・リッパーは確かに暴走し始めているが、私が命令を下せば、まだ従うはずだ。君たちがそこに先回りすればいい」

貴音「どのように?」

モリアーティ「明日のサンデー・タイムズの広告に彼へのメッセージを載せる」

貴音「誰を殺せと命じるのですか」

モリアーティ「明日の新聞を見ればわかる」

貴音「むぅ…………」

モリアーティ「…………ふっ」

冬馬「おい、四条。信じるのか?この爺さんの言葉を」

貴音「賭けてみるしかないですね」

モリアーティ「ふん。幸運を祈る」

貴音「三年後、「らいへんばっは」の滝に、ご注意を」

モリアーティ教授「?」

貴音「ふふ」

モリアーティ「…………出せ」

従者「はい」

――――――

――――

――

翔太「ライヘンバッハって何?」

律子「モリアーティ教授は三年後、スイスのライヘンバッハという滝でホームズと対決するのよ」

律子「二人で滝壺に落ちるんだけど、ホームズだけは奇跡的に生き残った」

律子「けどモリアーティ教授はそこで亡くなったって書いてあったわね」

翔太「へー、そうなんだ」

冬馬「な、なぁ、四条」

貴音「?」

冬馬「そ、その……悪かったな。俺たちのせいであいつらが……」

貴音「過ぎたことを悔いても仕方ありません」

響「そうだぞ!自分たちが生き残れれば、二人も助かるんだからな!」

律子「そういうこと。これからどうするかを考えていきましょう」

冬馬「あぁ……そうだな!」

翔太「なんとかしないとね!」

――ホワイトチャペル地区【貴音チーム】

貴音(ここが第二の被害者「はにー・ちゃーるすとん」の遺体が見つかった場所……)

貴音(おや、張り紙?)タッ

貴音(10月も第二土曜日に親子バザーを開催します?)

貴音(確か「はにー・ちゃーるすとん」が殺害されたのは……)

貴音(9月8日、土曜日!)

――――――

――――

――

貴音「お待たせいたしました」

律子「遅かったわね、どこに行ってたのよ?」

貴音「ふふ、散歩してただけですよ」

冬馬「お気楽なもんだな。今日は対決の日だってのに」

新聞売り「またジャック・ザ・リッパーが現れたよー!」

新聞売り「今度は犠牲者が二人もー!」

貴音「失礼。一部ください」

新聞売り「はいよー!」

貴音「えぇと……」

貴音(そういえばここは外国ですから、日本円ではない?)

貴音(困りましたね……)

新聞売り「はい、80円」

貴音「……面妖な」

貴音「さて……どこに……」ペラッ

貴音「む、ありました!」

響「『今夜、オペラ劇場の掃除をされたし。MからJへ』だぞ……」

律子「MからJへ。モリアーティ教授からジャック・ザ・リッパーへってことかしら」

翔太「舞台を掃除……これが指令?」

律子「たぶん舞台に出る役者を殺害しろっていう命令なら……」

貴音「今宵の舞台は……」ペラッ

響「あ、これじゃないか?」

響「『凱旋公演!ワルシャワ王室 オペラのマドンナ アイリーン・アドラー』」

律子「アイリーン・アドラーって、まさか!?」

貴音「「もりあーてぃ教授」は本物の悪党ですね……」

冬馬「誰だ?アイリーン・アドラーって?」

律子「ホームズが生涯で唯一愛した女性よ」

貴音「愛するものを殺害するように命じるとは……」

――――――

――――

――


――トレジャーハンター【あずさ・雪歩】

雪歩(こ、困ったことになりました……)

雪歩(あずささんが罠にひっかかってしまい、大勢の男の人が……)ガクブルガクブル

あずさ「雪歩ちゃん落ち着いて!」

あずさ「なんとか脱出方法を考えるから……」

あずさ(でもさすがに……この状況は無理かしら……)

グヒヒ ナカナカビジンジャネェカ オンナァ…

あずさ(それなら……)

あずさ「雪歩ちゃん……最後の手段を使いましょう」

雪歩「え、あずささん。最後の手段って……」ガクブルガクブル

あずさ「このまま襲われるくらいなら、潔く諦めましょう」

あずさ「みんなには申し訳ないけど……」

あずさ「雪歩ちゃんの男性恐怖症がひどくなるよりはずっといいわ」

雪歩「だ、ダメです!私のためにあずささんまで犠牲になるなんて!」

あずさ「大丈夫。きっとみんなが助けてくれる」

あずさ「私、信じる」

あずさ「だから雪歩ちゃんも……ね?」

雪歩「うぅ……」

あずさ「雪歩ちゃんはじゅうぶん頑張ったわ」

あずさ「あとでプロデューサーさんにちゃんと報告しましょうね?」

雪歩「あずささん……」グスッ

あずさ「それじゃ、爆弾に火をつけて……」ボッ

雪歩「ごめんなさい……あずささん……」

あずさ「いいのよ。私もごめんなさいね。最後まで頼りにならなくて」

雪歩「そんなことないです!あずささんがいなかったら、ここまで来れませんでした!」

あずさ「あら〜、ありがとう」

あずさ「じゃ雪歩ちゃん。また後で会いましょうね」

雪歩「……はい!また後で!」

ドーーーン!!!!!!

『三浦あずさ。萩原雪歩。敗北条件を満たしたので、失格とします』

――パリ・ダカール・ラリー【真美】

真美「待っててね、亜美……」

真美「絶対に生き返らせるんだから!」

ブロロロロ!!!!!

真美(ちょっとスピード出しすぎかな……?でも急ががないと!)

真美「!」

【この先急カーブ有り!注意!】

真美「や、やばい!ブレーキ!!」

キィィィィィ!!!!

真美「しまった!スピンした!」

真美「うわぁぁぁああああああ!!!!」

ガタッ!ドン!ゴロロロロ……

真美「亜美、ごめんね……」バタッ

真美「」

『双海真美。敗北条件を満たしたので、失格とします』

――学園メモリアル【やよい】

やよい「えーっと、今日はこうやって話してみて……」

やよい「お弁当を渡すのもいいって、お母さんからアドバイスありましたー」

やよい「そういえば最近は話すだけになってたかもしれません」

やよい「昨日はなんだか落ち込んでたみたいですし……」

やよい「今日は一緒に遊んでみようと思いますー!」

――学園

やよい「うっうー!おはようございます!」

やよい「えーっと、あれ?」

生徒「あ、高槻さん。おはよう」

やよい「おはようございます!えっと〇〇さんは今日お休みですかー?」

生徒「え?高槻さん、聞いてなかったの?」

やよい「何がですか?」

生徒「〇〇くん、昨日転校しちゃったのよ」

やよい「え?えー!?」

やよい「ど、どうしてですか!?」

生徒「なんだか両親が急に海外に行く事になったんだって」

生徒「それで両親についてくことにしたんだってさ」

やよい「そ、そんな……」

やよい「!」シュー

やよい「伊織ちゃんとおんなじ……」

やよい「身体が光り出しちゃいました……」

やよい「失敗しちゃったんですね……」

やよい「やっぱり伊織ちゃんが失格になってから、悩みすぎちゃったのかな」

やよい「春香さんに今度聞いてみましょう!」

やよい「それで……今度は成功できればいいかなーって」

やよい「伊織ちゃんと一緒に!」

『高槻やよい。敗北条件を満たしたので、失格とします』

――コロセウム【真・美希】

タッグマッチ

美希「はぁはぁ……」

美希(あともうちょっとで勝てるのに……)

真「美希!諦めちゃダメだ!」

美希「……でも真くん、まさか相手が美希たちの分身だとは思わなかったの」

分身(美希)「…………」

分身(真)「…………」

真「だね……でもここで勝たなきゃみんなが……」

真「そしてプロデューサーにも二度と会えなくなっちゃうんだ!」

美希「!」

真「美希は嫌だろう?そんなこと」

美希「絶対に嫌なの!!」

真(でもそろそろ体力も限界……)

真(こうなったら……)

真「美希、よく聞いて」

美希「?」

真「今から僕が囮になる。その間に、美希は二人に攻撃して」

美希「で、でもそんなことしたら!真くんが!」

真「そうだね……でも美希なら安心して、この先任せられるよ」

真「美希ならやってくれる。あのライブの時もそうだったじゃないか!」

美希「真くん……」

真「僕、美希のこと信じてるから」タッ!

美希「真くん!!」

真「うおおおおおおお!!!!!!」タタタ!!

分身(美希)「ムダナアガキナノ」バッ!

分身「イッシュンデカタヅケル!」バッ!

真「ハッ!」ドン!

分身(真・美希)「ハァ!」ブン!

真「ぐはっ!」ブスッ

真「ぐっ……美希、今だ!」

美希「やぁあああああなの!!!」ブン!

分身(美希)「カエリウチ!」

真「させない!」バッ!

分身(真・美希)(ウゴケナイ!?)

美希「真くんの仇!」ブスッ!

分身(真)「クッ!」スッ!

美希「!」

分身(真・美希)「ギャアアアア!!!!」

『勝者!菊地真・星井美希チーム!!』

真「美希……」シュー

美希「真くん、美希できたの!」

真「すごいよ!さすが美希だね!」

真「プロデューサーに自慢できるよ!」

美希「えへへなの」

美希「でも真くん。美希、ひとつ謝らなくちゃいけないの」

真「?」

美希「最後にね、ちょっとやられちゃったみたい……」シュー

真「!」

美希「でも、とーっても楽しかったの!」

真「美希……」

美希「現実世界でも、また真くんと一緒に戦いたくなっちゃった!あはっ!」

真「僕も楽しかったよ。ありがとう、美希」

美希「起きたらハニーにいーっぱい褒めてもらうの!」

真「あ、僕だって褒めてもらうよ!」

美希「えへへ……じゃ美希ちょっと疲れたから、寝るの!」

真「僕も疲れちゃった……おやすみ、美希」

美希「おやすみなさいなの!」

『菊地真。星井美希。敗北条件を満たしたので、失格とします』

――――――

――――

――

――オペラ劇場【貴音チーム】

翔太「時計の針は5分だね……」

冬馬「今、ここにいるのが5人。つまり俺たち以外は全滅……」

冬馬「アイドル50人の命が俺たちの手に懸かってるのか……」

――オペラ劇場 裏方【貴音チーム】

テクテク テクテク

警備員「こら!ここから先は関係者以外立入禁止だ!」

律子「あ、私たち。アイリーン・アドラーさんの知り合いでして、彼女を激励しに来たんです」

警備員「おや?そうなのかい。これは失礼した」

貴音「彼女の楽屋はどちらに」

警備員「ここをまっすぐ言った場所にあるよ。ポスターがあるからそれが目印だ」

――オペラ劇場 楽屋【貴音チーム】

響「どんな人なんだろーなー」ワクワク

律子(ホームズ役が黒井社長。ワトスン役が高木社長となってるなら……)

コンコン

アドラー「どうぞ」

貴音「失礼いたします」

アドラー「どなたかしら?」クルッ

響「あれ、小鳥!?」

律子(そんな気がしたわ……)

アドラー「小鳥?誰よ、それ」

アドラー「私はアイリーン・アドラー。ちゃんと覚えてね」

貴音「こちら、「ほーむず」殿から花束です」

アドラー「あら、ありがとう。ホームズさんはどちらに?」

律子「今夜の舞台を楽しみにしてたんですが、事件で来れなくなってしまって……」

アドラー「そう……それは残念だわ……」

貴音「それで……無礼を承知でお願いがございます」

貴音「今夜の舞台を中止してくださらないでしょうか?」

アドラー「え?」

貴音「「ほーむず」殿の宿敵「もりあーてぃ教授」があなたに殺し屋を差し向けたのです!」

アドラー「何のために私を?」

律子「あなたが死んでしまった時のホームズさんの悲しみを見たいからだと思います……」

アドラー「ふふ。私も見てみたいわ。ホームズさんがどのくらい悲しんでくれるか」

響「いいのか!?ジャック・ザ・リッパーの五人目の犠牲者になっても!」

アドラー「あなたたちが守ってくれるのでしょう?ホームズさんの代わりに」

律子「え、それは……」

冬馬(肝が据わってんなー……この人)

――オペラ劇場 ステージ【貴音チーム】

アドラー「〜♪ 〜♪」

アドラー「♪〜 ♪〜」

――オペラ劇場 二階席【貴音チーム】

モリアーティ「ふっふっふ。美しく死ぬのだぞ……アイリーン・アドラー……」

――オペラ劇場 舞台袖【貴音チーム】

アドラー『〜♪ 〜♪』

アドラー『♪〜 ♪〜』

貴音(いったいやつはどこに……)

チッチッチッ……

バーーーーン!!!バン!バン!

客「!?」

ドウシタ!! ナニガアッタ!! ニゲロー!

翔太「危ない!」タタタタッ!

アドラー「え?きゃあ!」

翔太(間に合って!)ドンッ!

冬馬「翔太!」タタタタッ

アドラー「うぅ……はっ!」

翔太「良かったー……お姉さんは助かったね……」シュー

翔太「でもここでゲームオーバーかぁ……悔しいなぁ!」

アドラー「ありがとう。お陰で助かったわ」

翔太「へへっ。なんだか照れちゃうよ」

翔太「冬馬くん。あとは頼んだよ」

冬馬「もちろんだ!」

『御手洗翔太。敗北条件を満たしたので、失格とします』

――東都シティホール【制御室】

小鳥「これで……貴音ちゃんたちを入れてあと4人……」

――オペラ劇場【貴音チーム】

ドン!ドン!バン!バーン!!

ハヤクニゲロー クズレルゾー キャアアア!!!

モリアーティ「いいぞ、ジャック・ザ・リッパー」

モリアーティ「この世を地獄に変えろ!!」

モリアーティ「ハーハッハッハッハ!!!」

――オペラ劇場 舞台裏【貴音チーム】

貴音「皆、早く!早く裏口に!」

貴音「律子嬢!急いで!」

グラッ

律子(貴音の後ろの像が!)

律子「貴音!危ない!」

貴音「!」

律子「くっ」ドンッ!

ガラガラガシャーン!!

貴音「きゃ!」

律子「くっ!」

貴音「律子嬢、お怪我は!?」

律子「ダメじゃない、周りに気をつけなきゃ……」シュー

貴音「そんな……」

律子「はは、少しはあなたたちの役に立てたかしら?」

貴音「律子嬢……」

律子「そんな顔しないの。美人が台なしよ?」

律子「ま、じゃ最後にアドバイスよ」

律子「絶対に諦めちゃダメ!」

律子「お助けキャラがいなくたって、ここまでやってこれたんだから!」

律子「貴音たちなら絶対にできるわ!」

律子「それだけのチカラはあるのよ!」

律子「じゃまた事務所で会いましょうね」

貴音「律子嬢!」

『伊集院北斗(秋月律子)。敗北条件を満たしたため、失格とします』

――東都シティホール【制御室】

小鳥「律子さん……」


――オペラ劇場 外【貴音チーム】

警官「早く早くー!避難するんだー!」

響「…………」タタタタッ

アドラー「…………」タタタタッ

冬馬「…………」タタタタッ

貴音「…………」タタタタッ

――街頭【貴音チーム】

響「あ!ジャック・ザ・リッパー!!」

響「みんな!後ろに!」

ジャック「…………」タタタタッ

響「はぁ!」シュッ!(回し蹴り)

ジャック「!」

ジャック「ふん!」ブワッ!!

響(宙返り!?)

ピー!

ジャック「ちっ」タタタ!!

響「待てー!!」タタタ!!

冬馬「くそっ!」タタタ!!

貴音「それでは!警官と一緒にいれば、安全だと思います!」タッ

アドラー「あ、待って。まだお名前を……」

貴音「名前……ですか?」ピタッ

貴音「ふふ。とっぷしーくれっとです」

貴音「それでは!」タタタ!!

アドラー「あ……行っちゃった……」

貴音(もう逃がしはしません!!)

――東都シティホール【制御室】

ガタッ

P「小鳥さん。皆は?」

小鳥「今、貴音ちゃんたちがジャック・ザ・リッパーと出会ったんだけど……」

P「?」

――チャリング・クロス駅【貴音チーム】

ポーーーー ポーーーーー

ジャック「…………」タタタ!!

冬馬「はっはっはっ!とりゃ!」

貴音「響、先に乗ってください!」

響「わかったぞ!とりゃ!」

貴音「私も!」タッ!

響「良かったー、全員なんとか乗れたぞ……」

貴音「では「切り裂きじゃっく」を探しましょう」

――東都シティホール【制御室】

小鳥「おそらく……最も悪い展開」

P「……と言うと」

小鳥「チャリング・クロス駅発最終列車……」

小鳥「とびっきり危険なクライマックスです!!」

――列車内【貴音チーム】

シュポシュポ シュポシュポ シュポシュポ

車掌「えぇ!?ジャック・ザ・リッパーがお客に変装して紛れ込んでる!?」

貴音「えぇ。なので乗客をひとつの車両に集めてください」

車掌「わ、わかりました!」


――列車内 客席【貴音チーム】

ガタンゴトンガタンゴトン

貴音「…………」

貴音「車掌殿、ひとつ頼みが」

貴音「…………」ヒソヒソ

車掌「わ、わかりました」

車掌「それではみなさん、両手を上げてください。凶器をもってないか確かめさせてもらいます」

ザワザワ ザワザワ

貴音「ふむ…………」

――東都シティホール【制御室】

P(聞かせてもらうか。貴音の『予想』を)

――列車内 客席【貴音チーム】

貴音「ではこれから「ほーむず」殿が調べていた資料に書かれていたことを説明いたします」

貴音「この中に紛れ込んでいる「切り裂きじゃっく」の第二の犠牲者「はにー・ちゃーるすとん」は「うぃんざー」という街で結婚していましたが、彼女は夢多き女性であり、10年前に夫と息子を捨てて、「ろんどん」に来ました」

貴音「この写真の二つの指輪は「はにー・ちゃーるすとん」殺害現場の遺留品です」サッ

貴音「ひとつは「はにー」の指輪。もう一つは同じ装飾が施されていましたが、「はにー」のどの指にも合いませんでした」

貴音「これを「ほーむず」殿はこう推理しております」

貴音「この二つの指輪は被害者「はにー・ちゃーるすとん」と「切り裂きじゃっく」との親子の絆を象徴してるのではないか、と」

冬馬「じゃその小さい指輪はジャック・ザ・リッパーのってことか!?」

貴音「そうです。「はにー」は自分の指輪と柄が同じものを、息子の指にはめて家を出たのです」

響「じゃジャック・ザ・リッパーは自分の母親を殺害したってことなのか!?」

貴音「えぇ。資料によれば「はにー・ちゃーるすとん」が殺害された9月8日。この第二土曜日に「ほわいとちゃぺる地区」の教会では月に一度、親子で作ったものを持ってくる「ばざー」が開かれていたのです」

貴音「それを「切り裂きじゃっく」は知っていたのではないか。と」

響「すごいぞ。そんな細かいことまで書いてあったのか」

冬馬「つまり、ジャック・ザ・リッパーは母親とバザーに参加したかったっていう気持ちを込めて、指輪を二個置いてったのか?」

貴音「えぇ、そういう意味です」

響「じゃあ殺人の動機は自分を捨てた母親への恨み……」

響「でもそれは……愛情の裏返しの殺意……」

貴音「最初の犠牲者に無関係な女性を選んだのは警察の目をごまかすのが目的だったようです」

響「でも犠牲者はどんどん増えていったぞ!?」

貴音「それは……「もりあーてぃ教授」の英才教育により、「切り裂きじゃっく」が異常性格犯罪者に育ててしまい、母親と似たような女性を次々と襲ったのでしょう」

冬馬「それで……どいつなんだ!ジャック・ザ・リッパーは!」

貴音「子どもの頃から、同じ大きさの指輪をはめ続けていたら、その指はどうなるでしょうか?」

冬馬「!」

貴音「おそらく10本の指の中で、その指だけが細いはずです!」

ザワザワ ザワザワ

ワタシジャナイ オレデモナイゾ!

貴音「「切り裂きじゃっく」は……あなたです!」

女「!」

響「!」

冬馬「!」

響「貴音!あの人は女性だぞ!」

女「…………」スッ

響「! 右手の薬指だけ細いぞ!」

ジャック「…………」シュタ

ビリリリリ!!(服を破る)

乗客「「「「うわぁぁぁあ!!!」」」」タタタタッ!!!

響「自分に任せろ!」

貴音「ダメです!響」

ジャック「ふん!」バン!

貴音「!」

貴音「煙幕!」

貴音「窓を!」

冬馬「あぁ!」ガタッ!

しゅううう…………

貴音「い、いない……」

冬馬「お、おい。四条!乗客が!」

貴音「!?」

貴音(全員消えてるとは……何故!?)

――東都シティホール【制御室】

P「さて、俺達も黒井社長殺人未遂の犯人を突き止めましょう」

警察官A「犯人がわかったんですか!?」

P「問題となるのが、犯人がどうやって凶器を用意したのか?」

P「この東都シティホール入り口には金属探知機があるので外から持ち込むことは不可能です」

P「考えられるのは、凶器が最初からここにあった物を使ったということです」

警察官B「けど、そんなものがどこに?」

P「パーティ会場にあった銅像です。あれには短刀を握っているのがありました」

玲「!」

警察官A「会場には大勢の客がいたんですよ?短刀を抜いていたら、すぐに気づかれるのでは?」

P「それは会場の照明が落ちた時に抜いたんです」

P「あらかじめタイムテーブルが決まってますからね」

警察官B「しかし短刀が抜かれていたら誰かが気づくのでは?」

P「偽物を置いといたんですよ。事前に準備しといたのでしょう」

警察官A「じゃ今銅像が持ってる短刀は犯行に使用された短刀ですか!?」

P「えぇ、そうなるでしょう。先ほど短刀のルミノール反応と指紋を調べてもらいましたが、黒井社長と同じ反応が出ました」

P「柄の部分から指紋も出ました」



P「あなたのでしたよ。橘 玲さん!」



警察官AB「「えぇ!?」」

小鳥「えぇ!?」

玲「当然でしょう。あの銅像は私が自宅から持ってきたんだ」

P「これは犯行時刻前後の監視カメラの映像テープです」スッ

P「監視カメラは会場の様々なところに置いてありましたからね」

P「自由なアングルでダビングできました」

P「お願いします」

オペレーター「はい」

映像

『ドンガラガッシャーン!!』

『律子「!?」』

『春香「アイタタ……」』

『律子「春香!大丈夫?」』

『春香「あ、律子さん。大丈夫ですよ!」』

『春香「って、短刀が落ちちゃってる!どうしよう!」のヮの;アワワワ』

『春香「とりあえず戻さなきゃ」』

P「これはウチの事務所のアイドル、天海春香です」

P「まぁ彼女はドジっ子といいますか、よく転びます」ハハ

P「ここで重要なのは、春香が転んだ時、銅像に置いてある短刀を落っことしています」

P「そして、それを拾い、元の場所に戻した」

警察官A「そうか!今写った短刀が本物なら、天海さんも指紋があるはず!」

警察官A「だけど、調べた短刀には橘さんの指紋だけ!」

玲「天海さんが触ったあとに私が触ったから、天海さんの指紋が消えたんだ!」

ガチャ!

警察官C「先輩、見つけました!そこの人が言ってたように、ダンボールとアルミでつくられた偽物の短刀が地下のゴミ集積場に!」

警察官A「指紋は!?」

警察官C「バッチリと橘さんと天海さんの指紋がついていました!」

玲「なに!」

P「偽物の短刀に春香以外の指紋があった場合、それは犯人以外考えられません」

玲「でっち上げだ!名誉毀損で訴えるぞ!」

玲「そもそも私には黒井を刺す動機がない!」

P「…………」


――列車内 先頭車両【貴音チーム】

冬馬「いねぇ!この先は機関室しかないぞ!」

貴音「ともかく列車を止めましょう!」

冬馬「あぁ、そうだな!」タッ

貴音「よっ」タッ

貴音「!」

貴音「運転手がいません!」

冬馬「ブレーキも壊されてやがる!」

貴音(しかも石炭が大量に燃えています……)

貴音「まずいですね。速度がどんどん加速してます……」

冬馬「おい、我那覇探さねぇとやばいんじゃないか!?」

貴音(響……いったいどこに……)

貴音(もしや!)タタタ!!

貴音「いました!屋根の上です!」

ジャック「…………」

響「はぁ、はぁ!」

貴音「響ー!」

響「貴音、来ちゃダメだぞー!」

タッタッタッタ!!

ジャック「この嬢ちゃんとはロープで繋がっている」

ジャック「俺が落ちたら、彼女も一緒にわけだ……」

ジャック「さぁどう戦う?」

貴音「くっ……」

貴音(しかも石炭が大量に燃えています……)

貴音「まずいですね。速度がどんどん加速してます……」

冬馬「おい、我那覇探さねぇとやばいんじゃないか!?」

貴音(響……いったいどこに……)

貴音(もしや!)タタタ!!

貴音「いました!屋根の上です!」

ジャック「ふん」

響「はぁ、はぁ!」

貴音「響ー!」

響「貴音、来ちゃダメだぞー!」

タッタッタッタ!!

ジャック「この嬢ちゃんとはロープで繋がっている」

ジャック「俺が落ちたら、彼女も一緒に落ちるというわけだ……」

ジャック「さぁどう戦う?」

貴音「くっ……」

――東都シティホール【制御室】

P「あの銅像の短刀は、あなたの祖先から伝わる由緒正しきものだそうですね」

P「そこにいる小鳥さんから聞きました」

玲「あぁ、そうだが」

P「そんな短刀をあなたはなんで凶器に使ったのか?」

P「しかし凶器は、あの短刀でなければならなかった。と仮定すれば?」

玲「何……?」

――列車 屋根上【貴音チーム】

貴音「あなたの望みはなんです!「切り裂きじゃっく」!」

ジャック「望みだと?」

貴音「母親を殺害し、積年の恨みを晴らした今!あなたは何を望むのです!」

ジャック「生き続けることだ!」

ジャック「俺に流れる凶悪な血を!箱舟に乗せて次の世代にな!」

ジャック「ハーハッハッハッハ!!!!!」

――東都シティホール【制御室】

『ジャック「ハーハッハッハッハ!!!!」』

P「これが黒井社長を刺した動機ですね?」

玲「…………!」

P「ジャック・ザ・リッパーの血は箱舟に乗り、まだ現代に流れている……」

P「そう、あなたはジャック・ザ・リッパーの子孫ですね」

全員「「「「なっ!?」」」」

P「おそらく遼くんはDNA探索プログラムでそれを知り、悟った」

P「自身の身体にもジャック・ザ・リッパーの血が流れている」

P「また父親は有名な小説家。また非常に高い地位を得ている」

P「そんな父親がジャック・ザ・リッパーの子孫だとわかれば、身の破滅……」

P「だからあなたは遼くんに友達の一人も作らせず、遼くんを精神的に追い詰めた」

P「こうなると、本当に事故死だったのかもわかりませんね」

玲「…………」

玲「……あれは遼が美術館で、過去の作品を学びたいと言った時だった……」


――とある美術館

玲「これがエジプトのクフ王が使ったとされる黄金の杯」

玲「次は鑑真和上の経典。そして江戸川乱歩の心理試験の自筆原稿」

遼「すごいね!ん?」

遼「この短刀は?」

玲「……!」

玲「いやそれはだな……」

玲「100年前の連続殺人鬼、ジャック・ザ・リッパーが愛用していた凶器だ」

玲「もっとも本物かどうかはわからないがな」

遼「ふーん……」

――東都シティホール【制御室】

玲「遼は実験のため、身の回りで集められるだけのデータを集め、コンピューターに入力した」

P「短刀から出てきたハニー・チャールストンのDNAがあなたのDNAと合致した」

P「あなたは恐怖した。いつか遼くんが、ジャック・ザ・リッパーはハニーの息子だと知ることを」

P「そしてあなたがジャック・ザ・リッパーの末裔だと知ってしまうことを」

玲「そう……私は怖かった……私の中に流れる恐ろしい血が……!」

P「殺人者の血がなんだ!世間の目がなんだって言うんだ!」

P「どうして戦おうとしなかった!?」

玲「うぅ……」

P「今、アイドルの命を賭けて戦っているあいつらのように……!」

警察官A「橘 玲。黒井崇生殺人未遂の現行犯で逮捕する!」カチャ

――列車 屋根上【貴音チーム】

ゴゴゴゴゴゴ……

ジャック「そぉれ!」シュ!

貴音「くっ……」スッ

ジャック「まだまだ!」サッ!

貴音「よっ!」ヒラリ

ジャック「ふん!」シャッ!

貴音「!」

貴音(大丈夫、かすった程度……)

ジャック「逃げてばかりでは俺を捕まえられんぞ!」

ジャック「あと10分で終着駅だ……」

ジャック「運転手のいないこの列車はどうなるかな?」

貴音「!」

冬馬「!」


ジャック「もっとも駅に着く前に、お前らとはおさらばのようだ」

貴音「え?」

響「貴音!後ろー!!」

貴音(トンネル……!)

貴音「む!」バッ!

冬馬「おぉっと!」バッ

――トンネル通過

ジャック「ここまでだ!ガキども!」

貴音「しまっ、グッ!」

響「貴音ー!!」

冬馬「四条から離れやがれ!」

ジャック「ふん」キック!

冬馬「ぐはっ!」

響「冬馬!」

冬馬「うわ!」

冬馬「ちっ!」ガシッ

冬馬「この!」

響「大丈夫か!?天ヶ瀬!」

冬馬「な、なんとかな……」

冬馬「けどしばらく動けねぇ……」

ジャック「さぁ!どこから切り刻んでやろうか!?」

貴音「うっ!」

貴音「こ、この……」

響(どうすればいいんだ……どうすれば……!?)

響(そういえばさっき律子が言ってたモリアーティの最後……)

『律子「二人で滝壺に落ちるんだけど、ホームズだけは奇跡的に生き残った」』

『律子「けどモリアーティ教授はそこで亡くなったって書いてあったわね」』

響「はっ!」

ジャック「終わりだ!」

冬馬「四条ー!!」

貴音(これまで……ですか……)







響「ライヘンバッハの滝だ!貴音!」



貴音「!?」

ジャック「!?」


響「貴音……」スチャ

貴音「まさか……!?」

響(ごめんだぞ……最後まで一緒にいられなくて)ニコ

響「…………」テク テク

貴音「やめなさい!響!!」

ジャック「くそっ!」

響「…………」スー

響「…………」ヒュー

シュルル!シュルル!

ジャック「くっ、まだ!」

ジャック「うわぁああああ!!!!!」ヒュー







響(貴音、自分……貴音のこと、信じてるぞ!)シュー







『我那覇響。敗北条件を満たしたので、失格とします』


ジャック「うわああああぁぁぁぁ――――」


貴音「ひびきーーーー!!!!!!」

冬馬「よっと」

冬馬「四条!列車を止めるぞ!」

貴音「…………」ウツムキ

冬馬「?」

貴音「…………」ウツムキ

冬馬「おい!列車を止めて俺たちが生き残らなきゃ、まだゲームに勝ったとは言えねぇぞ!」

貴音「…………」ウツムキ

冬馬「ちっ、立てよ!てめぇ!」ガシッ

冬馬「俺たちはなぁ!48人、てめぇらの仲間や翔太の命を背負ってるんだ!」

冬馬「今までに助けてくれた全員の!」

冬馬「お前を信じた奴らの全員の気持ちを、お前は踏みにじるのかよ!?」

貴音「そんなことはありません!」バッ!

貴音「ここまで来て、諦めるなど言語道断!」

貴音「ですが、考えてみてください」

貴音「この列車は未だに加速し続けている」

貴音「およそ「時速100きろ」と言ったところでしょうか……」

貴音「終着駅までは5分程度」

貴音「私達が助かるには、先頭車両と客席をつなぐ連結部分を切り離すしか方法が無かった……」

貴音「私達がいくら鍛えてるといえど、筋力はせいぜい普通の人より上程度……」

貴音「この二人だけでは切り離すまでに駅についてしまう……」

貴音「……そう。だから響が必要だったのです」

貴音「3人であれば、なんとか間に合ったかもしれない……」

貴音「そのつもりでした……」

貴音「【あーく】が乗客をすべて消したのは、私達を手伝わせないようにするためだったのですね……」

貴音「これではもう、打つ手がありません……」

貴音(私はここまでのようです。あなた様……)

――東都シティホール【制御室】

小鳥「あきらめないで!貴音ちゃん!」

小鳥「こんなところでみんなとサヨナラしたくないわ!」

P(貴音……!)

――列車 屋根上【貴音チーム】

ガガ……ピピ、ピピピピピ

貴音冬馬「「!?」」

浮浪者「ハーハッハッハッハ!」

浮浪者「お前たちはまだ血まみれになっていない……」

浮浪者「まだ生きてるじゃないか」

浮浪者「もう諦めるのか?」

貴音「!」

浮浪者「すでにお前らは、真実を解く結び目に両の手をかけているのに」

浮浪者「ハーハッハッハッハ!」

浮浪者?「人生という無色の糸の束には」ピカッ!

ホームズ「殺人という真っ赤な糸が混ざっている」






ホームズ「それを解きほぐすのが、我々の仕事ではないのかね?」






貴音「あなたは、ほーむず!」

ピシュルルル……

貴音「あの方は「だーと・むーあ」にいるはず……」

貴音「欠陥でしょうか……?」

冬馬「おい、ジャック・ザ・リッパーはもう死んだのに、どうして血まみれにならなきゃいけないんだ?」

貴音「それは……」

貴音(血?血からの連想されるもの……)

貴音(!)

貴音「わかりました!」

貴音「急いで貨物車へ!」タタタ!!

冬馬「おい、待てよ!どういうことだ!」

貴音「あとで説明します!今は一刻も早く!」

――列車内 貨物車【貴音チーム】

貴音「ここですね!」スチャ

貴音「そこにある斧で、赤わいんの樽を割るのです!急いで!」バン!!

冬馬「あぁわかった!」バン!!

貴音「てい!やぁ!」ドン!バン!

冬馬「それ!おら!」ドン!バン!

――2分後

貴音(これぐらいで平気ですね……)

貴音「私の合図で潜りなさい!」

冬馬「おう!」


――終着駅

貴音「今です!」

冬馬「グッ!」

ドドドドドドド!!!!!!

貴音(くっ…………)クルクルクルクル

冬馬(うおおお!!)クルクルクルクル

――――――

――――

――

――東都シティホール【ゲーム会場】

小鳥「貴音ちゃんたちは!?」

P「まだ何も反応がありませんね……」

小鳥「あぁ神様。お願いします、どうか貴音ちゃんを……」

――【トランセル】内部 電子空間 【ゲーム選択空間】

貴音「…………」

冬馬「…………」

貴音「…………!」ムクッ

貴音(ここは……最初の場所……)

貴音「「赤わいん」で衝撃を和らげる、ですか」

貴音(あなた様、感謝いたします……)

冬馬「おう、起きたか。四条」

冬馬「どうやら勝負はお前の勝ちみたいだな」

貴音「勝負?」

貴音(なるほど、やはりそういうことでしたか)

冬馬「お前を信じてよかったぜ……礼を言う」

貴音「お気になさらず」

貴音「【あーく】いえ、「橘 遼」のほうがよろしいですか?」クスッ

冬馬?「!」

貴音「天ヶ瀬冬馬のデータを借りて、この遊戯に参加していたのでしょう?」

冬馬?「……ふん」ピカッ

遼「いつからそれに?」

貴音「あ……」

遼「大丈夫だよ。現実世界との交信は切れてるから」

貴音「最初に違和感を感じたのは「びっぐべん」の時計でした」

貴音「あなたは針が動く前に気づきましたね?」

貴音「あれは私達に時間の意味を伝えたかったのでしょう?」

貴音「次に「ほーむず」の部屋を散策していた時」

貴音「あなたは落ちてきた「ぼーる」にまったく興味を示さなかった」

貴音「天ヶ瀬冬馬の趣味は「さっかー」」

貴音「それならば、見つけた時にあれが100年前の「さっかーぼーる」だとわかると思います」

貴音「あなたは私達を危険な目に合わせながらも、なんとか信頼しあって危機を乗り越えるのを期待してたでしょう」

貴音「希望を潰す。それは表の意思表示であり、裏である真意は希望を見失わないこと」

貴音「そう伝えたかったのではないのでしょうか?」

遼「…………」

貴音「あなたは非情になりきれなかった」

貴音「最後に出てきた「ほーむず」が最もわかりやすい例でしょう」

貴音「ちゃんと「お助けきゃら」を最後の最後で登場させていただけたのですから」

遼「…………」グスッ

遼「天ヶ瀬さんのデータを借りて、ゲームに参加したかったのは一度くらい友達とゲームで遊びたかったんだ」

遼「周りは大人ばっかだったし、いつも実験や仕事ばかりだったからね」

貴音「…………」

遼「ごめんなさい。危険な目にあわせてしまって」

遼「でも僕、とっても楽しかったよ!」

遼「それに羨ましかった。離れていても常に信頼できる仲間がいるあなたたちが」

遼「あなたの上司、プロデューサーさんだっけ?あの人が僕の思いを、仇を取ってくれた」

遼「お礼を言います。ありがとうございました」ペコリ

遼「じゃあ、お別れの時間かな?」ピッ

キュイーン……

貴音「遼殿の心はいつまでもこの【あーく】に存在し続けるのでしょう?」

遼「…………いいや。僕のような人工知能が生きていれば、きっと誰かが悪事を働いてしまう」

遼「人工知能なんて、まだ生まれるべきじゃなかったんだ」

貴音「…………」

遼「さぁ、あなたたちの住む現実世界に帰る時だ」

遼「目が覚めても、これだけはわかっていて欲しい」

遼「現実世界はゲームのように甘くないってね」

貴音「承知しました」ニコッ

貴音「では……」テクテク

貴音「あなたにこれから良きことがありますように……」

遼「……ありがとう。そしてさようなら」

――――――

――――

――


――東都シティホール【ゲーム会場】

ザワ ザワ

客「むぅ……」

ガチャ! ガチャ!

客「!」

『ゲーム終了。スタンバイモードに入ります』

『TOTAL RESULT』

『失格者:48名』

『クリア人数:2名』

『コングラッチュレーション!!』

小鳥「やった……やったわ、みんな!」

ウワァ! ヨクヤッタ!! アリガトウ!!


貴音「……ふぅ」

春香「貴音さん!」タタタ

千早「四条さん!」タタタ

春香「生き返らせてくれてありがとう!」

千早「本当に……感謝してるわ……」

春香「いやぁ、それにしても頑張ったね!私たち!」

律子「はぁ……ゲームはしばらくコリゴリね……」

冬馬「……?」

冬馬「いったい何があったんだ?」

響「貴音ー!!」

貴音「響!」

響「うわーん!良かった!また会えたぞー!」グス

響「貴音を信じて本当に、本当に良かったぞー!」ブワッ

貴音「まったく……響、奴と一緒に飛び降りるなんて無茶しすぎですよ」

響「ハハハ……あの時は必死だったんだぞー」

小鳥「響ちゃん!貴音ちゃん!」タタタタッ

響「あ、ぴよ子!」

小鳥「よかった……!ほんとにしんぱいしたんだから!!」グズグズ

小鳥「みんな、向こうで待ってるわ!早くいきましょ」ズビビビ

響「わかったぞ!」

オモシロカッタデスゥ イイアセ、カイタヨ! ミキ、キラキラデキタノ アミ、マタシュギョウダヨ! ガッテンショウチ!
ウフフ~ ナカナカタノシメタワ! ウッウー!


P「貴音」

貴音「おや、あなた様」

P「お疲れ様。名推理だったな」

貴音「ふふっ。ただの『予想』ですよ」

P「いったいどこにそんな頭脳があるんだろうな」

貴音「ふふ、それはとっぷしーくれっとです」ニコ

『深刻なエラーの発生により【アーク】システム・強制終了いたします』

『シャットダウン完了――』ブツン

貴音「!」

貴音「【あーく】が自らの命を絶ったのですね……」

貴音「安らかにお眠りください、遼殿」

                   【The Phantom of the Baker Street】――Fin.


――Extra story

――2009/02

仕事や実験に疲れていた僕は、ひっそりと抜け出し、街を歩いていた
しかし街を歩いていたら、次第に場所がわからなくなった
そこで僕は黒井社長に出会った

黒井「なんだ、貴様?迷子か?」

遼「えぇっと、はい……」

黒井「ふん!まったくこれだからガキは……」

僕はなんで突然けなされるかわからなかった

黒井「おい、ガキ!とりあえず住所を教えろ」

遼「え!はい」

黒井「ふむ。ここか」

黒井社長はそう言うと、スタスタと歩きはじめた

黒井「ここが我が961プロダクションだ。勘違いするでない。私は自分の会社に戻っただけだ」

遼「そんな……」

黒井「いいか、ガキ。人生なんて常に迷いだ。だがな力さえあれば、そんなもの吹き飛ばせる!」

遼「え?はぁ……」

黒井「ではセレブな私は車でドライブに行くとしよう。ついでだ、貴様もついてくるといい」

遼「え?」

これが黒井社長との出会いだった

そして僕はたまに抜け出して黒井社長に会いに行くことにしていた

黒井「なんだ貴様、また迷ったのか」

黒井社長はそう言いながら、自分の話ばかりして、僕は聞いてるだけだった
でもそれだけで嬉しかった
僕を特別扱いしないってだけで

そして僕は決心した

黒井「貴様、また迷子……いや、どうやら今日は違うようだな」

遼「はい、渡したいものがあってここに来ました」

黒井「ウィ、とりあえず中に入れ」

遼「いえ、入り口でいいです」

黒井「?」

遼「これは僕が開発したDNA探索プログラムと人工知能【アーク】のデータです」

遼「あなたに受け取って欲しい」

黒井「セレブな私に?なぜだ?」

遼「あなたなら、悪いことには使わないと思ったからです」

黒井「ふん!ガキの発想だな」

黒井「まぁいい。もらえるならいただこう。後悔しても遅いからな。ハーハッハッハッハ!!」

遼「ありがとう。それでね。僕、迷うのを止めたよ」

黒井「ウィ?どういう意味だ?」

遼「黒井社長と話しててわかったんだ」

黒井「?」

遼「僕は決心したんだ」

遼「そして最後にお礼が言いたかった」

黒井「最後?」

ブロロロロ……

遼「黒井のおじさん!今までありがとう」タッ!

黒井「おい、貴様!待て!」

遼「バイバ――」

キキー!!!

黒井「!!」

ナンダー!? ジコダ! コドモガキュウニ!
ハヤク キュウキュシャー!

黒井「…………」

黒井「…………馬鹿者……」グッ



――とある病院

黒井「!」

冬馬「やっと起きたか、おっさん」

北斗「チャオ☆」

翔太「まったく心配かけないでよねー」

黒井「貴様ら……」

黒井「あのゲームをクリアしたのか……?」

翔太「うん!765プロの四条ちゃんと冬馬君がね!」

翔太「でも聞いてよー、黒ちゃん。冬馬君、まったく記憶にないんだってさ」

冬馬「うるせぇ!ないもんはねぇんだよ!」

黒井「そうか……」

黒井「ふん!情けないな、貴様ら!」

ジュピター「「「!」」」

黒井「あんな弱小プロをゴールさせてしまうとはな!私もまだまだ甘かったようだ!」

翔太「それでこそ黒ちゃん!」

北斗「ヒュー☆」

冬馬「そうだな!」


黒井「とりあえず貴様らには仕事をやろう!」

冬馬「仕事?おいおい、普段は俺たちが仕事取ってきてるんじゃねーか」

冬馬「いったい何の仕事だよ?」

黒井「ふん!ではマーズ!」

「「「!」」」

冬馬「そっちの仕事かよ」

翔太「ちょっと久しぶりだね♪」

北斗「ふふ☆」

黒井「今度狙う宝は「レッドサファイア」だ」

黒井「期限は一ヶ月以内」

翔太「オーケー、黒ちゃん」

北斗「簡単に盗って来ますよ☆」

冬馬「俺たち「怪盗マーズ」に盗めないものはないぜ!」

               EXTRA Story―― Fin.

                     to be continued……?


これにて終了です。全キャラ動かすのって、難しいですね……

長文で、しかもなんか読みにくい表現もあったかもしれません;
ここまで読んで下さった方々に感謝します!

いまさらですがこのSSは個人的な妄想によって補完してます
題材ではベイカー街しかありませんでしたが、アイマスキャラ全員の場合、このゲームに参加するかなぁと妄想しますた


あと最後にチラッっと次回予告してますが、予定は未定です(ぉぃ


最後に、ここまで読んでくれてありがとうございました!
自分も読み返してきます! では ノシ
最後に蛇足です……

このSSは以前書いた
貴音「この事件、私が解決いたします」より以前の時系列としています

というより↑のSSが名探偵・四条貴音シリーズの最終話と考えています
構成を何も考えず、やったことを今後悔してるっす……

パラレルワールドという考えでも結構です

一応
ベイカー街→???→???→14番目のターゲット
という構成で今考えています

失礼いたしました

23:16│四条貴音 
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