2013年11月09日

千早「萩原さんのひどい攻撃に平気な顔をしてみる」

前作

雪歩「千早ちゃんをつかまえてひどい目にあわせる」

の続きになります。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368605438

千早(うう……この間はひどい目にあったわ……)

千早(しかも萩原さん、新しいネタを思いついたらまた試すって……)

千早(今度あんなことされたら、本当に笑い死んでしまうかも……)

千早(何とか、対策を考えないと)
千早(……対策、か)

千早(耳をふさいで、ダジャレを聞こえないようにすればいいのかしら?)

千早(……いいえ、これはダメね)

千早(萩原さん、わざわざ私を羽交い締めにしてくるし)

千早(萩原さんは、押さえ方のコツを知っているみたいだわ)

千早(一度萩原さんにつかまったら、私の力じゃ振りほどけないわね……)
千早(つかまっても平気でいるためには、どうすればいいのかしら)

千早(……うーん……)

千早(……)

千早(…………)

千早(………………)

千早「!」ピコーン
千早(そうよ、その手があったわ!)

千早(これなら、萩原さんのひどい攻撃にも平気な顔をしていられるはずよ!)

千早(ふふふ……萩原さんの驚く顔が、目に浮かぶわ)

千早(善は急げね。さっそく買いに行きましょう)

千早(えーっと、アレはどこに売っているのかしら……?)
   数日後

雪歩「ねえねえ千早ちゃん、聞いて聞いて!」

千早「……来たわね」サッ

雪歩「また、新しいダジャレをたくさん思いついちゃったんだ!」

千早「…………」

雪歩「だから今日も、千早ちゃんをひどい目にあわせてもいいかなぁ?」

千早「…………」ニコニコ

雪歩「あ、ダメって言っても、ムリヤリ試しちゃうつもりだけど」

千早「…………」ニコニコ

雪歩「あれぇ……?」
雪歩「何だか今日の千早ちゃん、随分余裕だね?」

千早「…………」ニコニコ

雪歩「これから、私にひどいことされちゃうんだよ? もっと慌てないの?」

千早「……ふふ」ニコニコ

雪歩「うぅ、何だかちょっとペースが狂うけど……」

千早「…………」ニコニコ

雪歩「と、とりあえず逃げられないように羽交い締めぇ!」ガシッ

千早「…………」ニヤニヤ
雪歩「い、いくよ千早ちゃん!」

千早「…………」

雪歩「アイスを愛す!」

千早「…………」

雪歩「……えっ?」

千早「…………」

雪歩「あ、アイスを愛すぅ!」

千早「…………」

雪歩「ア、アイスを――」

千早「ふっ」

雪歩「!?」
雪歩「ど、どどどどうして?」

千早「…………」

雪歩「千早ちゃんなら、絶対に笑うと思ったのに!?」

千早「…………」

雪歩「で、でもレパートリーはまだまだあるからね!」

千早「ふふふ」

雪歩「うくっ……! そ、倉庫があそうこにあるよ!」

千早「…………」

雪歩「あ、あれ?」
雪歩「あれれれ?」

千早「ふーん」

雪歩「な、何で! 何でぇ!?」

千早「…………」

雪歩「お、斧をなくして、オーノ―!」

千早「…………」

雪歩「ち、千早ちゃんにダジャレが効かない……!?」

千早「…………」

雪歩「そ……そんな……こんなハズじゃあ……?」
雪歩「こ、こんなこと、絶対にあるわけないよ!」

千早「…………」

雪歩「こ、こ、この焼肉は焼きにくいですぅ!」

千早「…………」

雪歩「う、ううううううっ!?」

千早「…………」

雪歩「そ、それならっ――」

千早「もう終わりかしら?」

雪歩「!!」
雪歩「ま、まだ終わりなんかじゃないよ!」ギリギリ

千早「萩原さん、あんまり強く押さえつけないで。少し痛いわ」

雪歩「あっ!? ご、ごめん千早ちゃん!」

千早「それぐらいの力なら大丈夫よ」

雪歩「うううっ……」

千早「…………」ニヤニヤ

雪歩「わ、ワープロが上手! わあぁプロみたい!」

千早「…………」ニヤニヤ

雪歩「う、う、う……」
雪歩「どうして……はうううぅぅぅ……」

千早「…………」ニコニコ

雪歩「ううぅ……今日も千早ちゃんの可愛い笑い声が聞けると思ったのに――」

千早「萩原さん、驚いてるかしら? 驚いてるわよね?」

雪歩「……うん、とっても驚いたよ――」

千早「私だって、やられっぱなしじゃいられないわ」

雪歩「でも、急にこんなに平気になるなんてビックリ――」

千早「だから、ちゃんと対策を立てたのよ」

雪歩「え?」
雪歩「対策? それってどういう――」

千早「萩原さんのダジャレをまともに聞いたら、確実に耐えられないのはわかっていたわ」

雪歩「ふぇ?」

千早「だから、ね……ふふっ」

雪歩「……?」

千早「萩原さんに羽交い締めにされる前に、耳栓をさせてもらったのよ!」

雪歩「み、耳栓!?」
雪歩「……そうか。千早ちゃん、耳栓してたんだ」

千早「どんなに面白いダジャレでも、聞こえなければなんてことないわ」

雪歩「だから笑わなかったんだ……」

千早「今回は私の勝ちね、萩原さん」

雪歩「ふーん、そうだったんだぁ!」

千早「ふふふ、考えたでしょう?」

雪歩「どれどれ……」
千早「さあ、早く私を解放してくれないかしら?」

雪歩「本当だ。両耳にしっかりとはまってるよ」

千早「ムダな事はやめて――」

雪歩「よいしょっと」ポロポロン

千早「え?」

雪歩「千早ちゃん。耳栓、取ってあげたよ?」

千早「…………」

雪歩「…………」

千早「あ、あら?」
千早「え……っと」

雪歩「ふーっ」

千早「きゃあっ!?」ビクンッ

雪歩「えへへへぇ」

千早「は、萩原さん! きゅ、急に耳に息を吹き込まないで!」

雪歩「千早ちゃん、ずいぶんお耳の風通しがよくなったみたいだね」

千早「……う……」

雪歩「まさか、耳栓をしてるとは思わなかったよ! さすが千早ちゃん!」ニコニコ

千早「そ、それ程でもないけど……」

雪歩「……でもちょっとだけ、種明かしが早かったんじゃないかなぁ?」ニヤ
雪歩「私の声が聞こえないのに、もうバラしても大丈夫かな、って思っちゃたんだね」

千早「あ、え、う……」

雪歩「わざわざ自分から言わなければ、最後まで気づかなかったのに」

千早「く、くっ!」

雪歩「それも、あんなに得意げに……ふふっ」

千早「うぅ……わ、私としたことが……」
雪歩「千早ちゃん、意外とおっちょこちょいなんだね……ふーっ」

千早「きゃあああっ!」ビクン

雪歩「えへへ、くすぐったかった?」

千早「あ、当たり前よ! だから、それは本当にやめて!」

雪歩「千早ちゃん、耳が弱いんだね。首筋とかどうかなぁ?」コチョコチョ

千早「ひあっ!?」ビクビクン
千早「ちょ、や、は、萩原さん、そこはダメっ……」

雪歩「こちょこちょこちょ〜」コチョコチョ

千早「はふっ、く、くすぐらないでっ……ひひっ」ジタバタ

雪歩「千早ちゃんって、笑わされることには何でも弱いよね」コチョコチョ

千早「は、萩原さんだって、くすぐられるのには弱いはずよっ……」

雪歩「でも私、千早ちゃんほどダジャレには弱くないよ?」コチョコチョ

千早「それはっ……そうかもしれないけど……うくっ……」
千早「あ、あの、萩原さん……も、もうこのぐらいで許してくれないかし――」

雪歩「そうだ!」

千早「え?」

雪歩「くすぐりながらダジャレを言うのも、面白いかも」

千早「!!」ギクリ

雪歩「千早ちゃん、いいアイデアだと思わない?」

千早「や、やめて萩原さん! お願いだからやめてちょうだい!」
千早「そんなことされたら、私おかしくなっちゃうわ!」

雪歩「小細工なんかするからいけないんだよ、千早ちゃん」

千早「そ、そんな! だって、だって……」

雪歩「そんなにおびえなくても大丈夫だよぉ。怖くない怖くない」ニコニコ

千早「だ、誰か……助け――」

雪歩「ふーっ」

千早「ひあっ!?」ビクン

雪歩「それじゃあ改めて、アイスを愛す!」

千早「はうあっ!?」
千早「や、やめ、やめへへへへへへへへへへ!」

雪歩「やったぁ! 千早ちゃんが笑ってくれた!」

千早「はひ、はひ、はひひひはひひひひぃ!」

雪歩「やっぱり、千早ちゃんは千早ちゃんのままだったんだぁ!」コチョコチョ

千早「やめて、首はひゃめてぇ! あひぇひぇひぇひぇひぇ!」ビクビクン

雪歩「倉庫があそうこにあるよ!」

千早「んぐひゅう!? きゃひひひひひいいひひひひひひひ!」
千早「しゅとっぷ! お願い、一回ストップしてぇ!」

雪歩「ダメですよぉ。もっともーっといーっぱい聞かせてあげるからね!」

千早「もう、もういい! もういいから、やめて――」

雪歩「ふーっ」

千早「んきゃはひえぇ!?」ビクン

雪歩「えへへ、こちょこちょ……」コチョコチョ

千早「あっ、ひいあ! やめ、萩原しゃん、やめへぇぇ!」

雪歩「朝に麻美さんと浅倉さんに出会ったぁ!」

千早「うぶう! ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! ひーっ!」
千早「もうらめぇ! ひゃぎわらしゃん、もうらめだってばぁ!」

雪歩「秘書のひしょひしょ話ぃ!」

千早「ぺぐぅ!? ぴきゃひゃひゃはははははやめてえ!」

雪歩「千早ちゃんって本当に、本っ当に可愛いよね!」

千早「死んじゃううううう! ふきゃひゃひゃひゃひゃ!」

雪歩「こんなに可愛い千早ちゃんと一緒にいれて、私は幸せですぅ! こちょこちょ」コチョコチョ

千早「ひぃあぁ! たしゅ、たしゅけてえええええええええっ!」ビクンビクンビクン



しばしの後、雪歩の腕の中には、涙を流してヒクヒク痙攣する千早の姿があったという。

おしまい
以上になります。

読んでくれた方、ありがとうございました。
>>21
千早は自分がもう大丈夫だろうというタイミングで、勝手に話し始めた感じです。
基本的に雪歩の言葉を遮っているので、会話になってるようでなってません。

ただ、かなりわかりずらくなってしまったかと思います。
大変失礼しました。

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