2013年11月10日

P「俺は今、小鳥さんに拷問されている。……らしい」

小鳥「……………………」ギューッ

P「…………あの、小鳥さ」

小鳥「どうですプロデューサーさん!」


小鳥「好きでもない女に延々と抱きしめられる!」

小鳥「これ以上ない拷問でしょう!!」ドーン

P「いや、あ」

小鳥「おおっとぉ!」ギュギューッ

小鳥「気軽にお喋りしてはダメなのです!」

小鳥「これは拷問なのですから!」ドドーン

P「あ、あの……………………はい」


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P「あのー、小鳥さん。……酔ってます?」

小鳥「いえ!ぜーんぜん!」

P「……シラフですか?」

小鳥「はい!」

P「顔真っ赤ですけど……」

小鳥「……………………」

小鳥「あっ、やっぱり酔ってました!」

P「やっぱりって……」
小鳥「どうです!好きでもない女に部屋でくつろがれる!」

小鳥「背筋が凍る用な拷問です!」ドーン

P「あの」

小鳥「いい座布団ですね!それを思うがままに使い倒してあげましょう!」

P「あ、ありがとうございます」

P「ていうか小鳥さんめっちゃ正座してるじゃないですか。もっと楽にしてくださいよ」

小鳥「あ、はい。では……」スッ

P「いやいや背筋伸びすぎ!姿勢良すぎ!もっと崩してくださいって!」

小鳥「あ、そうですか?では……」サッ

小鳥「ど、どうです!好きでもない女が部屋で……」

P「ゆっくりしてください。なんか飲みます?」
小鳥「どうです!好きでもない女の手料理を無理やり食べさせられる!」

小鳥「なんて残虐な拷問でしょう!」ドーン

P「いや、好きで」

小鳥「おっとと、お茶をどうぞっ!」

P「あ、どうもどうも」

P「……それにしてもこれ、美味しいですね」

小鳥「そ、そんな風におだてても、拷問の手は緩まないんですよ!」

P「あ、そうですか?そりゃー有難いです」
P「あ、片付けはちゃんと手伝いますよ。ていうか俺がやりますって」

小鳥「あ、そんなそんな。私に任せ……」

小鳥「や、やりたい事なんてやらせません!これは拷問なのですから!」

P「あ、そこの布巾とってくれますか?」

小鳥「あ、はい。これですか?」

P「そうそう。どうもです」

小鳥「いえいえ」

小鳥「…………あっ!」

小鳥「え、えと。ご、拷問が……えと……」

P「小鳥さん、そこの皿取ってください」

小鳥「あ、はい」
小鳥「あららら。プロデューサーさん。この辺なんか散らかってません?」カタカタ

P「あっ、すいません小鳥さん……」

小鳥「どうです!好きでもない女に部屋を勝手に片付けられる!」

小鳥「中世ヨーロッパの人々もびっくりの拷問です!」ドーン

P「いやいや、助かりますよ」

小鳥「ふふふ。虚勢を張ったって無駄なんですよ!」ヅケヅケ

P「ああタイム!ストップ!そこはダメ!ホントに拷問になる!」

小鳥「えっ?あっ、そうですか?」

小鳥「今日はもう帰ります!」

P「送っていきますよ」

小鳥「いえいえそんなお構いなく!」

P「いやいや構いますって。行きましょう」

小鳥「どうです!好きでもない女をわざわざ送って行かされる!」

小鳥「眼を覆いたくなるような拷問ですね!」ドーン

P「や、あの……好」

小鳥「見てくださいプロデューサーさん!今日は満月ですよ!」

P「あ、そうですね」

小鳥「実は私、狼女なんです!なので、こんな夜は危険ですよ!」

P「…………え?」

小鳥「なんでもないです!」

P「…………え?」

小鳥「忘れてください!」
小鳥「あ、ここまでで大丈夫ですよー!」

P「家もう近いんですか?」

小鳥「はい。この信号を渡ってちょこっと歩けば」

P「まだちょこっと歩くじゃないですか。ここまで来たら最後までお供させてくださいよ」

小鳥「そ、そうですか?……あ」

小鳥「ど、どうです!好きでもない女の家までわざわざ……」

P「どこまでも送っていきますよ。好きですし」

小鳥「他人を送っていくのが好きだなんて変わってますね!」

P「いやいやいやいや」
(翌日)

P「おはようございます」

小鳥「あっ、プロデューサーさん。おはようございます」

小鳥「ふふふ……。どうです!好きでもない女に皆が見ている前でベタベタされる!」

小鳥「倫理観など全く無視した拷問です!」ドーン

P「挨拶しただけじゃないですか。しかも俺からだし」

P「……あ、あと、好きで」

小鳥「あー!あー!あーららら!なんだか急に喉が渇いてきちゃいましたー!」タタタタッ

P「あっ……。……はぁ」

律子「相変わらずですね、小鳥さん」

P「うん。あの調子で、かれこれもう一週間」

律子「酔いの勢いでプロデューサーに飲み屋で告白したのが二週間前」

P「いやー。あれは驚いた」

律子「翌日我に返った小鳥さんはあまりの事に告白を無かったことにしようと決断」

律子「それから一週間、プロデューサーを避けに避ける」

P「いやー……。あれには正直傷ついた」

律子「で、今現在は何を思ったかあのキャラに変貌……と」

P「いやー…………。あれには正直戸惑った」
律子「ワケの分からない事言いながら、二人でイチャイチャしてるだけですよね。結局は」

P「な……なんか怒ってます?」

律子「当然です。さっさとオーケーして下さい。そろそろ私も我慢の限界ですよ」

P「いや、俺も好きですって言ったよちゃんと。何回も。……最近は言う前に封殺されるようになってきたけど」

律子「結局は怖いんでしょうねあの人も。今までの関係が変わるのが」

律子「と言っても、現状の二人は既にカップルと言ってもいい関係だと思いますけど。やっぱりはっきりとした結果があるのと無いのとでは」

P「いやでもあの……。まあ、小鳥さんは俺が好き。俺は小鳥さんが好き」

P「これで……その、恋人同士になるってのは、えー……嬉しいことではないのですか?」

律子「嬉しいことですよ。もちろん」

律子「でもあの人って……。その……」

律子「……まあはっきり言ってしまえば、男性経験が全く無いわけなので」

P「……ふぅ〜ん。律子さんがそれを言いますか」ニヤニヤ

律子「殴りますよ」

P「今日の律子さんはいつもよりバイオレンスですね」


P「……で、無いわけなので?」

律子「どうしたらいいか分からないんでしょう。その……。そういう関係になって」

P「いつも通りでいいじゃないそんなの」

律子「良くないんですよ多分。本人にとっては。で、上手く出来なくて、プロデューサーさんに失望されるかも……と」

P「失望なんかしないよ。むしろ予想通りって感じだろ?そこが可愛いんじゃない!」

律子「ノロケ話なら社長にでもどうぞ」

P「あ、結構怒ってます……?」

律子「……まあ、そういうワケだろうと思うので」

律子「いい加減にさっさと話つけて、くっついちゃって下さい」

P「そんな簡単に言うけどさ……。小鳥さん話全然聞いてくれないんだよね」

律子「押しが弱いんですよプロデューサーは。もっと強引に。男らしく。パッと舞ってガッとやってチュッと吸えばオッケーですよ」

P「……パッと舞う必要、ある?」

律子「細かいことはいいから。それくらいの気概で行けって事です。ささ、早く行ってください。行きなさい」シッシッ

P「あ、はい。分かりました……」
P「小鳥さん!」

小鳥「うぇっ!……ぷ、プロデューサーさん!?」

P「うぇって……」

小鳥「す、すいません……」

P「は、話が……あります!」

小鳥「は、話……?」

小鳥「……ふ、ふふ……。分かってます。分かってますよ」

小鳥「好きでもない女にアプローチをかけられ続けるというこの人類史上類を見ない拷問」

小鳥「さすがのプロデューサーさんも音を上げたみたいですね?」フフーン

P「いや、だから……」

小鳥「わ、分かりました!ここは一つ情けをかけてあげましょう!」ドーン

小鳥「私はもう……」

P「小鳥さん!!」
P「好きです!何度でも言います!好きです小鳥さん!」

小鳥「っ……。えっ……と……」

小鳥「そ、それは拷問返しですか?」

P「なんですか拷問返しって。……ていうか拷問って……」

小鳥「あっ、違うんです!そういうのじゃなくって……というわけでもなくって……。ああもう」

P「お、落ち着いてくださいって」

小鳥「…………あ!」

小鳥「あ、甘いんですよプロデューサーさん!そんなんじゃ私は……」

P「ま、また始まった……」
P「……………………」

P「小鳥さんは」

P「俺の事が嫌い……なんですか?」

小鳥「そんなわけないじゃないですか!私はプロデューサーさんが大好きです!」

小鳥「……………………」

P「……………………」ニッ

小鳥「……………………はっ!」

小鳥「……だ、だったら良かったですねプロデューサーさん!」

P「…………小鳥さん」

小鳥「…………な、なんですか?」

P「…………好きです」

小鳥「……………………」

小鳥「…………あー……」

小鳥「……………………」

小鳥「あの…………その……」

P「俺は、小鳥さんのことが、好き」

P「…………小鳥さんは……どうですか?」

小鳥「…………たしも」

P「……聞こえないです」

小鳥「わ、わたしも!」

P「わたしも…………何ですか?」

小鳥「……………………!!」カアァァァ



小鳥「私もっ、プロデューサーさんがっ、好きですっ!!」


小鳥「出来れば!……そのっ、出来ればっ!」


小鳥「私とっ、お付き合いしてくれるとっ、嬉しいです!」


小鳥「でっ!……えとっ……その…………」


小鳥「……お、お願いしまぁす!!」バッ



P「……………………」




P「こちらこそっ!」



終わりです。

ありがとうございました!

08:18│音無小鳥 
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