2013年11月10日

まゆ「ぎゅって」

事務所にて…

佐久間まゆ「ねぇ幸子ちゃん?」


輿水幸子「なんですか?」

まゆ「なんだか最近Pさんの反応が素っ気ない気がするんです」

幸子「素っ気ない、ですか」

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まゆ「朝、事務所の前で待ってても『あまり無理して早起きするな』って言うだけだったり」

まゆ「一緒にお弁当食べようとしても『忙しいから後で一緒に食べよう』って言うんです!」

幸子「……普通の反応じゃないですか?」

まゆ「まゆはもっとPさんになでてもらったり、ぎゅってしてもらいたいんです!」バンッ

幸子「知りませんよ!」
まゆ「もしかしたらこのままPさんに嫌われちゃうんじゃないかと……」オロオロ

幸子「むしろさんはまゆさんを気遣ってると思いますよ?」

幸子「心配しすぎですよまゆさん!」

まゆ「で、でも……」

幸子「ああ、じゃあ分かりました! ボクも一緒にその事について考えてあげます!」

まゆ「本当ですかぁ?」

幸子「ええ、ただ少し待っててください!」

ちょっとして…

多田李衣菜「で、私たちも呼んだってわけかー」

幸子「一人だとなんだか疲れそうだったので……」

緒方智絵里「それで、まゆちゃんはどうしたいの?」

まゆ「Pさんに、少なくともこれ以上嫌われないようにしたいんです……」

李衣菜「話聞いたらそんな心配しなくてもいいと思うんだけどな」

幸子「ボクも言ったんですけどね」
李衣菜「じゃあプロデューサーに何かアピールしてみるとかどう?」

まゆ「アピールですかぁ……」

智絵里「でもまゆちゃんはもうやってるみたいだよ?」

李衣菜「そこは変化を入れてさ! 今までとは違うアプローチをしてみればいいんだよ!」

幸子「例えばどんなものですか?」

李衣菜「あー……そこはまあその……みんなで考えよっか!」

智絵里「はいっ」ピシッ

幸子「はい、緒方さん!」

まゆ「どんなアイデアでしょうか?」

智絵里「えっと、何かプレゼントするとかどう……かな?」

李衣菜「なるほど、プレゼントかぁ」

幸子「ちょっとベタな感じがしますけど、いいかもしれませんね」

智絵里「前、Pさんにクローバーのしおりを渡したらとっても喜んでくれて……」

智絵里「今も使ってくれてるみたいでわたしも嬉しいし……」

李衣菜「やっぱり手作りのものだと気持ちがこもってる! って感じやすいのかもね」

まゆ「手作りで……気持ちが……」

まゆ「なるほど分かりました! まゆ、行ってきます!」タタッ

幸子「ど、どこに行くんですか!?」

まゆ「Pさぁん」

P「おお、どうしたんだまゆ」

まゆ「えっとですね……」



幸子(どこに行くのかと思ったら……)コソッ

李衣菜(プロデューサーさんの所だったんだね)

智絵里(でもまゆちゃん何するつもりなんだろう……)

李衣菜(さっきの話聞いてプレゼントあげに行ったんじゃない?)

幸子(こんなにすぐ用意できるとは思えませんが……)

智絵里(あっ、まゆちゃん何か渡すみたいだよ!)



まゆ「これ、まゆの気持ちです!」スッ

P「これは……」



李衣菜(んーよく見えない……あれ何?)

智絵里(折り紙で作ったハート……かな?)

李衣菜(折り紙?)

幸子(だからこんなにすぐ用意出来たんですね……)

―――――
―――


まゆ「自分なりに手作りで気持ちのこもったプレゼントを考えてみたんですけど」

まゆ「皆さんから見てどうでしたか?」

幸子「条件は確か満たしてますけど……」

智絵里「うん、まゆちゃんらしくてかわいかったよ!」

李衣菜「プロデューサーも『まゆはかわいいなぁ』って喜んでたし、いいんじゃない?」

まゆ「そうですかぁ、少し安心しました」

まゆ「それで次は何をすればいいでしょうか?」

幸子「まだやるんですか!?」

まゆ「一回だけではやっぱり心配です」

まゆ「それにまゆからPさんにアピールするのではなく……」

まゆ「Pさんの方からまゆにあれこれやってくれるような状況が……!」

まゆ「まゆにとってのゴールなんです!」バンッ

幸子「だから知りませんよ!」

智絵里「一生懸命なんだね」

幸子「わがままの間違いですよ!」

幸子「仕方ないですね……また考えましょうか」

李衣菜「じゃあはい!」バッ

まゆ「はい、李衣菜さん」

李衣菜「ここはひとつロックな、つまり硬派な自分を見せるのはどう?」

智絵里「硬派なまゆちゃんって……どんなのだろう」

幸子「というかロックは硬派って意味じゃないと思うんですが」

李衣菜「あれ? 違うの?」

李衣菜「なつきちとか見てると硬派だぜー! って感じがするんだけどな」

幸子「ああ、硬派の方を履き違えてるんですね」

まゆ「硬派な自分を見せる……一体どんな?」

李衣菜「さっきまゆちゃんPさんの方からなんとかーって言ってたでしょ?」

李衣菜「だからプロデューサーに自分は簡単になびかない、流されないぞ!」

李衣菜「っていう態度で話しかけてみるんだよ」

まゆ「そ、それでいいんですか? 自分からそんな……」

李衣菜「いやいや、むしろこうすることによってプロデューサーの気持ちが」

李衣菜「『まゆがこっちを向いてくれないから俺から口説いてやるぞ! 』」

李衣菜「って燃え上がってくれるんだよ!」

まゆ「なるほど……それなら上手くいきそうですね!」

智絵里「おぉー」

幸子「おーじゃないですよ緒方さん」

まゆ「ロックに……硬派に……」ブツブツ

まゆ「分かりました、行ってきますねぇ」タタッ

智絵里「まゆちゃん頑張ってねー」

幸子「まゆさんは今の話から一体何を掴んだんでしょうか……」

李衣菜「どう? 私の案なかなか良かったんじゃないかな?」

幸子「今のところボクは不安しか感じません」

李衣菜「実はさっきの日菜子ちゃんから聞いた話を参考にしたんだよ!」フンス

幸子「なおさら心配になってきましたよ!」

まゆ「……」トコトコ



智絵里(Pさんの方に近づいていったね)コソッ

幸子(今回はどう解釈したんですかね)

りーな(お、Pさん気づいた)



P「ん? 今度はどうしたんだ?」

まゆ「……」ジー

まゆ「……」クルッ



智絵里(あれ? どうしたんだろ)

幸子(プロデューサーさんに背中を向けましたね)



まゆ「まゆはPさんのことなんか好きじゃないんですよ〜」

P「?」

まゆ「まゆは別になんでもいいんですけど」

まゆ「もし好きになって欲しいんでしたら……」

まゆ「まゆをなでてもいいんですよ〜?」チラッ



幸子(何ですかあれ……)

―――――
―――


まゆ「李衣菜さんのアドバイスの通り、あえてPさんのこと見ないで」

まゆ「そして硬派なまゆをさりげなくアピールしてみました!」

まゆ「上手くいったと思うんですけど、どうでしたか?」

幸子「硬派のかけらも見当たらなかったんですが……」

智絵里「背中を向けるのは思いつかなかったなぁ、すごいねまゆちゃん!」

李衣菜「プロデューサーも『まゆはかわいいなぁ』って言いながらすっごいなでてたしね、オッケーだよ!」グッ

まゆ「ですよね? ですよね!」

智絵里「じゃあ次は……」

李衣菜「幸子ちゃんに案出してもらおっか? まだ言ってないし」

幸子「ええっ!? ボクがまゆさんに言えることなんてないですよ!」

まゆ「大丈夫ですよぉ幸子ちゃん」

幸子「ま、まゆさん?」

まゆ「今度は自分で考えてPさんに話しかけたいと思います」

幸子「あ、そうですか。よかった……」

智絵里「平気なの? まゆちゃん」

まゆ「はい、今までのでなんとなくですけどコツが掴めた気がします」

李衣菜「おーさすがだね」

まゆ「ですから、皆さんにも見ててもらってもいいですか?」

幸子「むぅ、仕方ないですね! ここまで来ましたし見守っててあげますよ!」

智絵里「うん、わたしも!」

李衣菜「もち! ここで行かなきゃロックじゃないでしょ!」

まゆ「皆さんありがとうございます……早速行ってきます!」タタッ



幸子「まゆさん自身でですか……一体どうす……」

まゆ「……」ヒョコッ

智絵里「あれ? どうしたの?」

まゆ「あの……やっぱり恥ずかしいかもしれないので、見ないでくれますかぁ……?」

李衣菜(ああ言われたけど結局見にいっちゃうんだよねー)コソッ

幸子(もうこれで最後だと思いますしどうせなら、ですよ)

智絵里(ファイト、まゆちゃん!)



まゆ「Pさん、ちょっといいですか?」

P「ん? なんだ?」

まゆ「聞きたいことがあるんです」

まゆ「Pさんはまゆのことを……」

まゆ「嫌いになったり、してませんか?」



李衣菜(おお、直球だね)

幸子(でも消えちゃいそうな声ですね)



P「おいおい、いきなり何言うんだ」

まゆ「だって……最近Pさんがまゆを見てくれてない気がして……」ジワッ

まゆ「もしかして……き、嫌われるようなことしちゃったんじゃないかって心配で……」ポロポロ

P「ははっ、大丈夫だ。まゆは何もしてないし俺がまゆを嫌いなんてならないぞ」

まゆ「ほんと、ですか?」

P「ああ、本当だ」

まゆ「本当に……ほんとですか?」

P「本当に本当だ」

まゆ「本当ですよね? まゆのこと嫌いじゃないんですよね?」

P「当然。俺はまゆが大好きだ」

P「だからな? 大丈夫、泣くなって」

まゆ「は、はいっ……」グスッ

まゆ「Pさんはまゆが好きなんですよね?」

まゆ「じゃあその……お願いしてもいいですか?」

P「もちろん。何でもいいぞ」

まゆ「それじゃあ……」



まゆ「まゆを ぎゅ ってしてください」

まゆ「Pさんの音が聞こえるくらい強く、ぎゅーって」



幸子(おお……)

智絵里(……)パチパチ

P「それだけでいいのか?」

まゆ「いいんです。まゆにとっては『だけ』って言えるものじゃないですから」

P「ははは、まゆは可愛いな」

まゆ「……してくれないんですか?」

P「心配しなくてもやるって」

P「ほらこっちおいで」

まゆ「はぁい」トコトコ



P「……これで大丈夫か? 痛くないか?」ギュッ

まゆ「はい、これでいいです」

幸子「……あまり邪魔しちゃいけない雰囲気ですね」

智絵里「まゆちゃん、とっても嬉しそうだもんね」

李衣菜「じゃあ私たちはどうする?」

幸子「このまま静かに退散しましょうか」

李衣菜「そだね、そうしよう」

智絵里「お幸せにねまゆちゃん!」フリフリ





まゆ「ふふ、Pさん♪」



おしまい

ままゆSSでした

まゆちゃんがなんだかコレジャナくてすみません……



まゆちゃんPの皆さんごめんね

08:20│佐久間まゆ 
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