2013年11月10日

モバP「杏が部屋から出てこない」

ちひろ「は?」

P「いや、杏が部屋から出てこないんですよ」

ちひろ「……え、いや」


ちひろ「それ風邪とか、何か病気引いてるとかじゃないんですか?」

P「いや、そうじゃなく」

P「元気なはずなんですけど……なぜかプロデューサーがいるなら開けない、って」

ちひろ「痴話げんかじゃないですか」

P「いやいやいやいや」

P「考えても見てくださいよ」

P「あの杏が、あの杏が、あの杏が」

P「俺と痴話げんかなんか起こすと思いますか?」

ちひろ「給料とか印税とかの問題でけんかはしそうですよね」

P「それは否定できませんけど、痴話げんかとは別じゃないですか」

ちひろ「まあ、そうですね」



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P「まあ、その辺は置いておいて」

P「何はともあれ、杏が部屋から出てこないんですよね」

ちひろ「はぁ……」

ちひろ「仕事とかは大丈夫なんですか?」

P「いや、そこは大丈夫です、この事務所ですから」

ちひろ「Pさん」

P「冗談です」

P「一応ひと段落ついて、今空いてるので、3,4日休ませてるわけですけど」

P「休まなかったら杏は本気でストライキしますからね」

ちひろ「……するんですかね?」

P「するんじゃないでしょうか」

ちひろ「……いや、ちょっと待ってください」

ちひろ「休ませてるんなら、別に部屋から出てこなくても問題なくないですか?」

P「それはそうなんですけど」

P「でも、遊びに行った俺を入れてくれないなんてどうかと思いません?」

ちひろ「Pさん」

P「冗談じゃないんです」

P「いや、俺わりと杏と――アイドルのみんなと遊んだりするんですよ」

P「もちろん、暇なときですが」

ちひろ「まあ、Pさん気さくですし、みんなとよく遊んでいるのも知ってますけど」

ちひろ「まさか家にまで押しかけてるとは」

P「押しかけとはひどい」

ちひろ「間違ってないでしょう?」

P「間違ってないですけど」
P「で、まあ気になるのは、俺がいるから開けないということなんですよ」

ちひろ「つまりPさんじゃなかったら開けるということですからね」

P「さすがちひろさん、話が早い」

ちひろ「……」

P「……」

ちひろ「……休日献上しろと」

P「そこをなんとか」

ちひろ「別に私じゃなくてもいいじゃないですか」

P「ちひろさんじゃなきゃだめなんです!」

ちひろ「どうしてですか?」

P「えっ」

ちひろ「……」

P「……」

ちひろ「それでは、後はがんばってくださいねー」

P「ああ、待ってください、待ってください!」


P「いや、お願いします、ちひろさんしかいないんです」

ちひろ「私以外にも変わりはいっぱいいるじゃないですか、アイドルとかアイドルとか」

P「彼女たちにだって休日はあるんですよ……?」

ちひろ「今私の心の中でPさんがタコ殴りにされてるんですけど」

P「イッツアモバピアンジョークです」

ちひろ「お疲れ様でした、後の仕事よろしくお願いしますね」

P「ストーップ!」

P「待って下さい、俺の知ってるちひろさんはもっと優しい人のはずです!」

ちひろ「いや、だって私何も関係ないじゃないですか、どう考えても杏ちゃんとPさんの問題じゃないですか」

ちひろ「馬に蹴られたくありませんし」

P「いや、そんな感情微塵もないですからね」
………………………………………………………………


P「――というわけで、杏討伐作戦遂行です」

ちひろ「討伐してどうするんですか、討伐して」

P「ちゃんと来てくれるんですね」

ちひろ「……あれだけ頼まれたら断れませんって」

P「さすがちひろさん、優しいですね」

ちひろ「ほめてもドリンクしか出ませんよ?」

P「出るんですか」

ちひろ「今日は暑いですからね、ほら、一本どうぞ」

P「ああ、ありがとうございます……スタドリなんですね」

ちひろ「試作品のぶどう味です」

P「んくっ……おいしいですね」

ちひろ「それはよかった……あ、皆さんもどうぞ」
まゆ「うふ、ありがとうございます」

乃々「……ありがと、なんですけど」

ちひろ「いえいえ、どういたしまして」

ちひろ「……さて」

ちひろ「Pさん、彼女たちにも休日はあるといいましたよね?」

P「いいましたね」

ちひろ「だから私を誘ったんですよね」

P「そうですね」

ちひろ「なるほど」チラッ

乃々「?」

まゆ「……どうかしましたか?」

ちひろ「Pさん」

P「誤解だ」

乃々「……杏さんの家は、確かに五階……ですけど」

P「そうじゃなく」

まゆ「うふ……ずっと立ってても暑いですし、歩きながら話しませんか?」

ちひろ「……まあ、いいですけど」

P「で、この二人を連れてきたのは……二人がついてきたのは」

P「乃々は杏と似たような精神を持っている」

P「まゆは杏と同じでキュートだ」

P「以上、なにか質問は?」

ちひろ「じゃあ、私は?」

P「ちひろさんって頼めば何でもしてくれそうですよね」

ちひろ「今私の心の中でPさんの上履きに両面テープはっつけてます」

P「地味!」

まゆ「……じゃあ、まゆは心の中でちひろさんの服の後ろに値札シールをはっつけておき

ますねぇ」

ちひろ「あれ、私に被害来るの!?」
まゆ「……冗談はともかく」

まゆ「無理に来させるのはどうかと思いますよぉ……?」

P「……まあ、それはそうなんだけどさ」

P「女性目線でなにかわかるんじゃないかなって」

P「仕事についてきたりはしなくても、事務員として俺と一緒にアイドルをずっと見続け

ていたちひろさんだから」

P「まゆや乃々とも違った目線で、見てくれるんじゃないかなって」

P「そう思ったから誘いました、ちひろさん」

ちひろ「……ええと、あ、ありがとうございます」

ちひろ「でも、さっき言った頼めば何でもしてくれそうって言うのも本心ですよね?」

P「滅相もございません」

まゆ「……むぅ」
ちひろ「第一、ここまで来た時点でもう帰りませんよ」

ちひろ「あー、もう、私暇だからなー、頼めば何でもやっちゃうからなー」

P「……あの」

P「ちょっと根に持ってます?」

ちひろ「まさか、私がそんな大人気ないわけないじゃないですかー」

P「……」

まゆ「……ま」

まゆ「まゆもPさんのが頼めばなんだってしますよぉ?」

ちひろ「いや、私はしないからね、まゆちゃん」

まゆ「うふ……まゆにアドバンテージ1です」

ちひろ「何と張り合ってるの!?」

まゆ「うふ、聞いてましたかPさん?」

P「あー、うん、ありがとな、何かあったら頼むよ」

まゆ「うふ」

乃々「あ……私は、帰れと頼むんなら喜んで帰りますけど」

P「ついて来てくれないか?」

乃々「あぅ……」

乃々「……まあ、行き先は杏さんの家ですから、別にいいんですけど……たまに行きますし」
P「ついたな」

ちひろ「つきましたね」

乃々「……はやくお家に入りたいんですけど」

P「いや、まあ俺がいると入れてくれないから入れないんだけどな」

乃々「……あぅぅ」

まゆ「……Pさんが帰ればいいんじゃないですかぁ?」

まゆ「私と一緒に、ね?」

P「待って」

まゆ「私はかまいませんよぉ……?」

P「それ俺がここに来た意味がなくなるからな?」

ちひろ「……で、どうするんですか?」

ちひろ「扉の前に大勢でいたって邪魔なだけですよ?」

P「わかってますよ」

P「……ということで、まずはどう断られるかを実践してみようかと思います」ピンポーン

乃々「……あ、あの、あの、あのあの」

まゆ「知り合いに会うだけなんですから、そんなおびえなくてもいいと思うわ、乃々ちゃ

ん」

乃々「いや……でも、ほら……親とか出てきたら……怖いんですけど」

乃々「怖すぎて帰りたいんですけど……」

P「安心しろ、杏は一人暮らしだ」

乃々「そう……ですか」

まゆ「……」

ちひろ(まゆちゃんが渋い顔してる!)
『……あー、あー、あー』

『ただいま留守にしております、ご用のある方はピーっという音の後に留守電残してって



『ピー』

P「呼んだか?」

『うげ』

P「よう、俺だ」

『……プロデューサーかぁ』

P「そうそう、プロデューサーだよ、お前のな」

『いわれなくてもわかってるけどさ』

『あーっと、んじゃご用件は?』

P「遊びに来た」

『忙しくて無理、んじゃ』プツッ

P「……」
P「……と、まあこんな風に」

ちひろ「あんたら同級生か何かですか」

P「友人であることは間違いないな」

まゆ「あんな会話ゆ・う・じ・んにしかできませんからねぇ」

P(なんかまゆがいい顔してる)

P「……と、まあそういうわけで、俺を中に入れてくれないんですよ」

まゆ「……普通に忙しいんじゃないですか?」

P「あの杏がか?」

ちひろ「めちゃくちゃ失礼なこと言ってますよね」

P「ゲームとか堕落で忙しいにしたって、いままでも俺と一緒にやってましたし」

P「いきなりこう一方的に避けるのはおかしいと思うんですよね」

まゆ「はぁ……」

乃々「……あの、早く中に入りたいんですけど」
P「なら乃々、行ってみてくれ」

乃々「えっ?」

ちひろ「……つまり、乃々ちゃんで試すと」

乃々「私実験台か何かなんですか……いやなんですけど」

P「クーラーががんがんに聞いた部屋に入りたいだろ」

乃々「入りたいです」

P「それが、目の前にあるんだ、さあ、レッツゴー」

乃々「あぅぅ……」

ちひろ「……あのー、Pさん、乃々ちゃんも嫌がってることだし」

P「乃々はこういう風に見えて実はノリ気だったりしますから」

乃々「……そんな芸人気質じゃないんですけど」

P「頼む、乃々」

乃々「あぅ……」
乃々「……うぅ」ピンポーン

『だーかーらー、忙しいんだってば』

乃々「いや、あの……私なんですけど」

『……乃々?』

乃々「はい……えっと、あの……」

乃々「暑いので、中に入れてほしいんですけど……」

『……んー』

『いいよ』

乃々「……やた」

P「えっ」

『あ、Pは入れちゃだめだからね、乃々だけ』

乃々「あ、はい」

『……ん、鍵あけたよ』

乃々「……えと、それじゃ、お邪魔するんですけど」ガチャ
P「……」

ちひろ「……」

まゆ「……普通に入っていきましたねぇ」

P「えっ?」

P「えっ」

P「え」

ちひろ「落ち着いてください、Pさん」

P「いや、落ち着けないですよ、これは割りと落ち着けないですよ?」

P「ものすごくはぶられてるじゃないですか、完全に俺仲間はずれじゃないですか」

ちひろ(否定できない)

まゆ(まゆははぶらない……って、ここでは言うべきじゃない……かな)

まゆ(んー……まゆがすることは……)

P「杏に嫌われた……やっぱり俺は杏に嫌われてるんだ……」

ちひろ「落ち着いてください、Pさん」

P「おかしい……何がいけなかったんだ……杏の飴を食おうとしたことか……?」

P「それとも、対戦中にくすぐったことか……それとも香美を思いっきりぐしゃぐしゃに

したことか……それとも――」

ちひろ「何ですかその友達以上恋人未満の距離」

P「強いて言うなら親友ですね」

まゆ(……)

P「あぁ……こんなに仲良かったのになぁ……」

ちひろ「聞いている限りわりと愛想尽かしても仕方ないと思うんですけどね」


まゆ「……あの、Pさん」

P「ん、どうしたまゆ」

まゆ「まゆが中の様子見てきましょうか?」

まゆ「乃々ちゃんが入れたなら、きっとまゆも入れると思いますし」

まゆ「いつも杏ちゃんとは仲良くしてますからね……うふ」

P「……ふむ」

ちひろ「できれば私も一緒に入りたいんですけど」

P「一人にしないでください、本当に寂しいんですから」

まゆ「……大丈夫ですよぉ」

まゆ「理由を聞いたらすぐに戻ってきますから」

まゆ「それじゃ、いってみますねぇ」ピンポーン

『また、プロデューサー?』

まゆ「そう間違えられると一心同体みたいでうれしいですね……うふ」

『あー、まゆかー』

『いいよいいよ、入って入って、大歓迎』

まゆ「うふ、それじゃお邪魔します」

P「……普通に入っていきましたね」

ちひろ「入っていきましたね」

P「……」

ちひろ「Pさん、自分を見失わないでいください」

P「いや、見失いますって」

P「本格的に自分が嫌われてるとしか考えられないんですけど」

ちひろ「……や、でも、ほら」

ちひろ「まゆちゃんすぐに帰ってくるって言いましたし」

ちひろ「嫌われてるか嫌われてないかとは別にして、なんで入れてくれないのかはわかりますよ、すぐに」

P「……」


P「来ないんですけど」

ちひろ「乃々ちゃんの真似ですか?」

P「いや、本当に、そろそろ10分は経ってるんですけど」

ちひろ(スルーされた……)

P「さすがに遅すぎると思うんですけど」

ちひろ「……まあ、そうですよねぇ」

ちひろ「何かあったんでしょうか……聞いてみます?」

P「どうやってですか?」

ちひろ「そこにインターホンがあるじゃないですか」

P「……なるほど」

P「……」ピンポーン

『……プロデューサーとみせかけて、またプロデューサーじゃないんだよね?』

P「残念、P君でしたー!」

『……』

P「ごめん、杏、中にまゆがいるだろ?」

P「ちょっとかわってくれないか?」

『……あー』

『まゆー』

『……はい、何ですかぁ?』

『悪いけど、Pさんがかわってほしいんだって』

『……』

『……もしもし?』

P「おう、まゆか、なぜだ、なぜ俺は入れてもらえないんだ?」

『……えっとぉ』

『まゆ、Pさんのことは大好きですよぉ?』

P「いや、そうじゃなくて」

『でも……ごめんなさい、教えられないです』

P「えっ」

『うふ、大好きですからね』プツッ

P「」

ちひろ(うわぁ……)


ちひろ「……あ、あの、Pさん」

ちひろ「元気出しましょう……大好きって言ってるんだから、嫌われているわけじゃない

ですし、ね?」

P「」

P「……はぁ」

P「俺……何が間違ってたんだろうなぁ……」

ちひろ「や、だから、あの、えっと……」

P「なんかもう……なんかもう……はぁ」

ちひろ「……」

ちひろ「……え、ええい、じれったい!」

ちひろ「わかりました、私が確認してきますから!」

ちひろ「ちゃんと説明します、ちゃんと教えます!」

ちひろ「だから、ほら、元気出してください!」

P「……どうせちひろさんもまゆの二の舞に――」

ちひろ「なりません、この目を見てください!」

P「……」

ちひろ「……」

ちひろ「……み、見つめられるとちょっと恥ずかしいですね」

P「見ろって言ったのはあなたですよね」



ちひろ「とにもかくにも、ちゃんと伝えますから、教えますから!」

ちひろ「だから元気出してください、ね、ね!」

P「……」

P「……信じてますからね?」

ちひろ(うわぁ……なんかすごい重いんですけど)

ちひろ「ま、任せてください、えへっ!」

ちひろ「……」ピンポーン

『……あのさー』

ちひろ「あ、Pさんじゃないです、私です」

『いや、そうじゃなく』

『うちの前にたむろってるなら、みんなでいっせいに入ればいいじゃん』

ちひろ「Pさんもですか?」

『……うー』

『プロデューサーはだめ』

P「」

ちひろ(……もうこれ致命傷よね)

『ほら、ちひろさんも入るなら入って』プツッ

ちひろ「あ、えっと……失礼します……」

P「」

ちひろ「……えっと……Pさん、また後で」

ちひろ「お邪魔します……っと」

乃々「……あ、ちひろさんも来たんですね」

ちひろ「理由を探りにね……っと」

ちひろ「そうそう、杏ちゃ――」

杏「うー……むー……うがー」

ちひろ「――ん?」

まゆ「ちひろさん」

ちひろ「あ、まゆちゃん」

ちひろ「えっと……こ、これは……?」

まゆ「うふ……実はですねぇ――」

まゆ「こしょこしょ……」

まゆ「……ということなんですよぉ」

ちひろ「……あぁ」

ちひろ「それはPさんに話せないですね」

まゆ「ですよねぇ……」
ちひろ「どうしましょうか」

まゆ「まだ外にいるんですか?」

ちひろ「放心中です」

乃々「……あの、さすがに放置はかわいそうだと思うんですけど」

ちひろ「それはわかってるんですけど……」

ちひろ「……うー」

まゆ「……連絡するしかないですねぇ」

ちひろ「あと、どのくらいかかりそうなの?」

乃々「たぶん、日中は終わらないと思いますけど」

ちひろ「……あー」

ちひろ「まだ結構かかりそうですね……今日はやっぱいったん帰ってもらったほうがいいでしょうか」

まゆ「……ですねぇ」

ちひろ「……それじゃ、私、伝えてきますね」

まゆ「お願いします」

ちひろ「え、えっと……Pさん……?」

P「理由は!?」

ちひろ「ひっ!?」

P「理由は、理由は何なんですか!?」

P「教えてください、ちひろさん、どうして俺は入れないんですか!?」

ちひろ「え、えっと……」

ちひろ「……あの、ごめんなさい、今日のうちは教えられそうにないんです」

P「えっ」

ちひろ「明日、明日にはわかりますから!」

ちひろ「だから……あの、今日はちょっと……」

ちひろ「申し訳ないですけど、この家には入れないので……お引取りいただく形に……」

P「」

ちひろ「あの、決してPさんが嫌いとかじゃないんですよ!」

ちひろ「でも……あの、はい、ごめんなさい……」

P「」

ちひろ「……ほ、本当にごめんなさい」

P「」

ちひろ「あの……熱中症になる前に……言い方は悪いですけど、か、帰ってくださいね……?」

P「」

ちひろ「……そ、それじゃ、あの……ごめんなさい」

P「」

ちひろ(……大丈夫かな)

ちひろ「一応、言ってきました……けど」

まゆ「どうしでした?」

ちひろ「魂が抜けきってました」

まゆ「……」

まゆ(……今、Pさんの元に戻って……教えれば……でも)

まゆ(Pさんも皆も……より喜ぶのは、きっと……)

乃々「……プロデューサーさん、大丈夫でしょうか」

ちひろ「そればっかりは……」

杏「……いや、杏だって悪いとは思ってるけどさ」

杏「でも……ここまでやったんだし、後ちょっとだし」

杏「最後までやり遂げてから、知らせたいんだよね、サプライズサプライズ」

杏「……あー、杏なにやってるんだろ」

杏「はぁ……変なこと思いつかないでプロデューサーとゲーム三昧でもよかったかも」

ちひろ「……手伝いましょうか?」

杏「んにゃ、私一人でやる、面倒だけど、面倒くさいけど」

杏「帰りたければ帰ってもいいよ、三人とも。

杏「今日は遊べそうにないから」

杏「……うあー」

ちひろ「……」

杏「……っと」

杏「よっし、終わったーっ!」

まゆ「うふ……お疲れ様」

乃々「……杏さんって、そんな集中力もって、すごいと思うんですけど」

杏「今日がんばれば明日がんばらなくてもいいからね」

杏「あー、疲れた、本当に疲れた」

ちひろ「勝手にですけど、お茶を入れさせていただきました……どうぞ」

杏「あ、ありがと、ちひろさん」

杏「……やー、みんな残ってるなんて、暇なんだね」

乃々「炎天下の中帰るくらいならここに入り浸りますけど」

杏「一理あるね」

まゆ「それに……どういう作品になるかも気になりますし」

杏「こんなのだよ、不恰好でしょ?」

ちひろ「ふふ、心がこもってて素敵な作品だと思いますよ?」

杏「お世辞ありがと」
杏「あー、飴食べたい」

杏「……んでも、今切らしちゃってるんだよねー」

ちひろ「……買ってきましょうか?」

杏「んにゃ、いいよ、私が買いにいく」

まゆ「うふ……それなら、いっそ皆で買いにいきませんかぁ?」

ちひろ「あ、それいいですね」

乃々「……」

杏「いやだったら残っててもいいよ、乃々」

乃々「……別に、いやじゃない……です」

杏「ふーん」

杏「……んじゃ、ま、いこっか」

杏「近くにコンビニがあるからそこでいいよね?」

まゆ「はい」

杏「んじゃ、レッツゴー……っと」
杏「……あれ、扉が開かない?」

ちひろ「鍵閉めたままとかじゃないんですか?」

杏「いや、ちゃんとあいてるし……ここまではあくんだけど」

杏「……何かが邪魔してるの――」

乃々「ど……どうしたんですか、固まって」

まゆ「杏ちゃん……?」

杏「……あのさ、だれか私のほっぺつねってくれない?」

まゆ「むにー」

杏「うにゅー」

杏「……痛い、夢じゃないや」

ちひろ「な、何があるんですか……?」

杏「……」

杏「……」

杏「……プロデューサー」

ちま乃「えっ」

P「」

ちひろ「……うわ、本当だ……帰ってなかったんですかね」

乃々「服もそのままですし……そうだと思いますけど」

まゆ「ぴ、Pさんっ!」

杏「わっ、ちょ、まゆ、押さないで……!」

まゆ「Pさん、大丈夫ですか、Pさんっ!」ガクガク

P「」グラグラ

まゆ「Pさん、Pさんっ、Pさんっ!」ガクガク

P「」グラグラ

まゆ「……おきませんね」

まゆ「こうなったらお姫様のキスで王子様を……」

P「おれは しょうきに もどった!」

まゆ「……」ショボン
P「……っは!」

P「まゆ、乃々……それにちひろさん!」

杏「杏はスルー?」

P「あ、あ、ああ……杏ううううぅぅっ!」

杏「うわあぁっ!?」

杏「ちょっ、いきなり抱きつかないでよプロデューサー!」

P「杏、悪かった、俺が悪かったから許してくれ!」

P「頼む、このとおり、このとおりだ!」

杏「あー、もう、わかったから、離れてってばぁ!」

まゆ「」

ちひろ(……今度はまゆちゃんがやばい)


杏「……っていうか、許すって何を」

P「何かわかんないけど、何かを!」

杏「あのさ、杏別に何も怒ってないよ?」

P「……へ?」

杏「ね?」

乃々「あ……はい」

乃々「杏さんは、怒ってなんかないですけど……むしろ、その逆ですけど」

P「…………えっ?」

杏「……あー、言っちゃった」

乃々「……あっ」

乃々「え、えっと、その……あの、許してほしいんですけど、あの、あの、悪気はなくて……」

杏「別に怒ってないけどさ、どうせ言うつもりだったし」

P「………………はい?」

まゆ「杏ちゃん、Pさんが困ってますよ?」

杏「あー、うん」

杏「起きたばっかりで悪いけど、もうちょっと待ってて、取ってくる」

杏「……んしょ」

杏「取ってきたよ」

ちひろ「おかえり、杏ちゃん」

ちひろ「ほら、Pさんに」

杏「言われなくても……プロデューサー」

P「お、おう」

杏「ん」

P「……何これ?」

杏「うげ……そんな下手だったかぁ……」

P「いや、人形って言うのはわかるんだけど……」

杏「プロデューサーの人形だよ」

P「えっ」

杏「プロデューサーの人形」
杏「あれ……なんていうかさ、いつも絡んで……いや、そうじゃなくて……遊んでくれて……とかじゃなくて……あー」

杏「何でもいいや、ともかく、私からプロデューサーへのプレゼント」

P「……」

P「……なぁ、変なキノコ食ったか?」

杏「失礼だなぁ、私もそう思うけど」

杏「突発的に思っちゃったんだよ、何かプレゼントしたいって」

杏「……本当、突発的に」

P「……」

杏「あーあ、時間外労働疲れた、明日休も」

P「……」

杏「ん、無言の肯定?」

P「あ、いや、明日は普通にレッスンあるぞ」

杏「ちぇ」
P「……ええと、いえなかったのは」

杏「サプライズ」

杏「プロデューサーには悪いことしたと思うけどね」

まゆ「……ごめんなさい」

ちひろ「杏ちゃんがそういってたから、伝えられませんでした」

P「……」

杏「……ねぇ」

杏「うれしい?」

P「……」

P「……ああ、本当にうれしいよ」

P「嬉しいし、安心した……ありがとう、杏」

杏「うん、どいたしまして」

P「はぁ……本当に嫌ってないんだな」

杏「Pにはそれが藁人形にでも見えるの?」

P「杏の思いがこもったかわいい人形に見えるよ」

杏「……うるさいなー」

P「はぁ、本当によかった……嫌われてなくてよかった……」

ちひろ「……放心するほど、嫌われたくなかったみたいでしたしね」

杏「別に杏はプロデューサーを嫌ったりなんかしないよ」

杏「むしろ好きでいる自信はあるね、遊んでくれるんだから」

P「……杏らしからぬ台詞だな」

杏「信用できない?」

P「……あー」

杏「んじゃ証拠、おでこ出して」

P「ん、ああ」

杏「……ちゅ」
P「……えっ」

まゆ「」

ちひろ(まゆちゃんがすごい顔に!?)

杏「おでこにちゅーは友情の証なんだってさ」

杏「ほら、証拠、これで信じた?」

まゆ「友情……友情ならセーフ……友情ならセーフ……」ブツブツ

P「……あのさ」

杏「突発的、思いついたから」

杏「あー……ほんと、何かおかしいや」

P「……」

杏「……ね」

杏「嬉しかった?」

P「……」

P「……ああ」

杏「ん、よかった」

杏「ありがとね、P……へへっ」

まゆ「……ね、Pさぁん」

まゆ「ちょっと腕を出してくださいぃ……」グイッ

P「へっ?」

まゆ「……ちゅ」

まゆ「腕へのキスは恋慕の証です……うふ」

まゆ「Pさん、大好きですよぉ……世界で一番、Pさんのことが……」

杏「あー、別に杏プロデューサーを恋愛的に好きってわけじゃないから」

まゆ「うふ……杏ちゃんはそうでもPさんはそうとは限らないじゃない……」

P「俺もそんな気持ちないからな」

まゆ「まゆにはありますかぁ……?」

P「……ノーコメントで」

まゆ「うふ……脈ありの可能性があるみたいでよかったです」
ちひろ「……ずいぶんと慕われてるんですね」

P「あはは……」

杏「んで」

杏「どうするの、帰るの?」

乃々「……なんで私を見るんですか」

杏「や、なんとなく」

乃々「……プロデューサー」

P「俺か」

杏「プロデューサーだね」

P「あー……」

P「……そろそろ夕飯の時間だし、皆さえよければ一緒に飯食うか」

杏「Pさんのおごりでね」

P「安心しろよ、そのくらいはわきまえてる」

乃々「……さすがプロデューサー……やさしいんですけど」

まゆ「うふ……そんなやさしいところも好きです」

ちひろ「ありがとうございます、Pさん!」

P「待ちましょうか」

ちひろ「いやいやいや、いいじゃないですか、完全に流れに乗るところじゃないですか!



ちひろ「第一私、今日無理やり連れられてきたんですから!」

P「……わかりましたよ」

ちひろ「さすがPさんっ!」



おわり
杏が好意と小さな恋心を持ち始めたらこんな感じにマフラーを編むんじゃないかなと思って、季節はずれだったことに気がついて人形に変えた

口調、改行等ミスしたところは申し訳ございません
ここまで読んでいただきありがとうございました

08:39│双葉杏 
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