2014年07月26日
モバP「嵐の中の来客」
―夏美のマンション・PM10:00―
ザアアアアアアア…… ガラガラピシャーン!!
夏美「すごい雨と雷ね。明日のランニングは中止かしら」
夏美「ルームランナー買おうかな。でもあれ場所取るし、この部屋に置くのは狭いかも。
真奈美のマンションくらい広かったらいいんだけど」
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<ソラニナリタイ ジユウナソラヘ〜♪
夏美「あら?こんな時間に電話?」スタスタ
夏美「Pさん?仕事の話かしら?」ピッ
夏美「はいもしもし?どうしたのPさん?」
P『夜分遅くにすみません夏美さん。今どちらにおられますか?』
夏美「自分のマンションだけど。今日は激しい雷雨になるって天気予報で言ってたから、
寄り道しないでまっすぐに帰ったわ」
P『さすが元CAさん、天気予報のチェックはバッチリですね』フフッ
夏美「まあね。それで用件は何かしら?」
P『おっとそうでした。実は今○△駅にいるんですが、この大雨で電車がストップして
帰宅難民になってしまったんですよ』
夏美「あらま、それは大変ね。○△駅ってウチの最寄の駅じゃない。近くにビジネス
ホテルがあるでしょ。そこに泊まったら?」
P『俺も電話してみましたが、既に満員になってまして。それで急なお願いで申し訳
ありませんが、夏美さんのマンションに泊めて戴けないかと……』
夏美「え?」ピタ
夏美(P、Pさんが私のマンションに泊まる!? いやいや!ありえないわよ夏美!いくら
プロデューサーでも彼氏でもない男の人を家に泊めるのはナシでしょ!)
夏美(でもPさんにはいつもお世話になってるし、わざわざ私を頼ってくれたんだから
何とかしてあげたいわ。それにもしこのままPさんが駅で一泊して、チンピラや
ホームレスに襲われてケガでもしたら私のせいに……)
夏美(……一晩くらい泊めても大丈夫じゃないかしら?Pさんはバスト90オーバーの
女の人をあれだけいっぱいスカウトしてるんだし、巨乳が大好きに違いないわ。
私も小さくないけどPさんの眼中に…… って、何の心配をしてるのよ!)ブンブン!!
P『夏美さん?もしもし?』
夏美「あーもうわかったわよ!私も覚悟を決めたわ!その代わり、もしナニかがあって
ナニかがデキちゃったら責任取ってもらうからね!」グワッ!!
P『せ、責任?何の事かわかりませんが了解しました…… では夏美さんのマンションに
行くように楓さんに伝えますね』サラリ
夏美「は?楓?」キョトン
P『あれ?言ってませんでしたっけ?楓さんが○△駅で帰宅難民になってしまったので、
夏美さんのマンションに泊めて戴けないかとお電話させてもらったんですが……』
夏美「でっすよねええええええええええええっっっ!! !! !! ええもちろん知ってましたよっ!!
楓のひとりやふたり泊めるくらいまったく問題ありませんからっ!! 」アハハハハッ!!
P『楓さんはおひとりですが…… では後ほど楓さんから電話があると思いますので、
彼女のことをよろしくお願いしますね。それでは他にも帰宅難民のアイドルが
何人かいて宿の手配をしなければいけませんので、失礼します』ピッ
夏美「……」ツー…ツー…
夏美「ふぅ……」ピッ
夏美「すうぅぅ……」
夏美「私の覚悟を返せアホ――――――――――ッ!! !! !! 」
***
ピーンポーン♪
夏美「お、やっと来たわね。はいは〜い」パタパタ
夏美「待ってたわよ楓。思ったより時間かかって……」ガチャ
楓「もしもし私メープルさん。今あなたの部屋の前にいるの……」ビッショリ ←貞子風
夏美「ギャ――――――――――ッッッ!? !? !? 」ガタタッ!!
楓「夏美さん?どうかしましたか?」ブルブルブルブルッ
夏美「タクシー使いなさいよっ!! 歩いて来るならせめてカサ差しなさいよっ!! 」グワッ!!
楓「タクシーは行列が出来ていたので。さっきまでコンビニで買ったビニールの傘を
差していましたけど風にさらわれました。カサがかっさらわれる……ふふっ」
夏美「ああもう、こんなにずぶ濡れになっちゃって…… とりあえず先にお風呂に入って
来なさい。着替えは後で持って行ってあげるから」ハア
楓「ありがとうございます。あ、これバッグです。駅中のコンビニで大きめのレジ袋を
もらって入れていたので、ほとんど濡れずに済みました」サッ
夏美「袋の中にスルメとピスタチオも入ってるんだけど……」ガサガサ
楓「えへへ」
夏美「言っとくけど今夜は飲まないわよ。もう遅いし」ジロリ
楓「えー」
夏美「えーじゃないの。いいからさっさとお風呂に入って来なさい」グイグイ
楓「あ〜れ〜」グイグイ
バタン
夏美「なんだかどっと疲れたわ。ほんとにマイペースねあの子……」グッタリ
***
―PM11:00―
ザアアアアア…… ビュオオオオオ…… ピシャーン!!
夏美「なかなか勢いが落ちないわね。明日の仕事大丈夫かしら……」
楓「お風呂あがりました夏美さん。着替えもありがとうございます」パタパタ
夏美「…………」ジー
楓「どうかしましたか?」キョトン
夏美「……いや、バーゲンで買った安シャツとジャージをそこまでスタイリッシュに
着こなせるなんて、さすが元モデルだなって思って」
楓「そうですか?誰が着ても同じだと思いますけど」クルリ
夏美「少なくとも私が着るより3000円は価値が上がった気がするわ。おかしいわね、
同じ歳のはずなのにどうしてここまで差が出るのかしら?」ブツブツ…
楓「あ、そうだ夏美さん」
夏美「何よ?」
楓「遅くなりましたけど、お誕生日おめでとうございます」ニッコリ
夏美「知ってたの?」キョトン
楓「夏美さんの誕生日は憶えやすいですから。7月23日で7(な)2(つ)3(み)。
ご両親も狙っていたんでしょうね」クスッ
夏美「狙ってないわよ。人の名前を勝手にダジャレにしないで。昔からそのネタで
周りから何度もいじられたからもう聞き飽きたわ」フン
楓「でもCAさんの面接の時に自己PRで言ってみたり?」ジロリ
夏美「…………言ってないわよ」メソラシ
楓(言ったんだ)
夏美「ま、まあこの歳になって誕生日を祝われても素直に喜べないわよね!ましてや
今はアイドルやってるんだし、若い方がいいし!」アセアセ
楓「そうですか?私はお祝いしてもらったら普通に嬉しいですけど」
夏美「それはあんたが変わってるだけよ。事務所全体のクリスマスパーティーの時に
聖ちゃんと一緒にお祝いされて、微妙な顔してた志乃さんを忘れたの?」
楓「それは気が付きませんでした。礼子さんがいつもより楽しそうだったのは憶えて
いますけど」
夏美(うわぁ…… )
楓「というわけで、夏美さんの誕生日をお祝いしましょう飲みましょう」
夏美「だから飲まないって言ったでしょ。大体私自分の家ではあまりお酒飲まないから、
缶ビールの一本もないわよ」
楓「あれ?夏美さん今日芽衣子ちゃんから梅酒もらいませんでしたか?」サラリ
夏美「ど、どうしてあんたがそれを知ってるの!? 」ギョッ!!
楓「だってあの梅酒選んだの私ですから♪ 芽衣子ちゃんに相談されて、和歌山で一番
美味しいやつにしたんですよ」エッヘン
夏美「そういえばあんたも芽衣子と同郷だったわね。すっかり忘れてたわ……」
楓「一杯だけでいいですから飲みましょうよ。梅酒なら明日にも残らないですし、
ジュース感覚ですっきり飲めますよ」
夏美「わかったわよ。どのみちこの雨じゃ明日のランニングは中止になりそうだし、
一杯だけなら付き合ってあげるわ。ただし一杯だけだからね?アルコールは
太りやすいんだから」ハア
楓「もし夏美さんが太っちゃったら、その時はダイエットお付き合いしますよ」クス
夏美「言ったわね?その言葉忘れるんじゃないわよ」ジロリ
楓「はい。(脂肪が)デキちゃったら責任はきっちり取ります」キリッ
夏美「……やっぱりいいわ。あんたに付き合ってもらうと疲れそうだし」ゲンナリ
楓「えー」
夏美「えーじゃないの。さあ、さっさと飲んで寝るわよ」ゴトン
楓「わーい♪ 」
夏美「あ、それから芽衣子にも言ったけどプレゼントありがとね」クス
おわり
―おまけ・その他の帰宅難民の皆さん―
―早苗のアパート―
早苗「あ〜気持ちいいわ〜…… 悪いわね清良ちゃん」ダラーン
清良「いえいえ、泊めさせて戴いてるんですからマッサージくらいは」モミモミ
早苗「極楽極楽〜♪」ノビー
菜々「清良ちゃん、後でナナにも……」
清良「ええもちろん。菜々さんはいつも通り腰と右肩ですね」ニッコリ
菜々「そうなんですよ〜最近レッスンがハードで若い子達について行けなくて……」
早苗「菜々ちゃん、設定設定」
菜々「ハッ!? ナ、ナナは元気でーす!ウサミン星のメルヘンナッツ(落花生)を食べれば
24時間365日戦えますから!」ウーサミン☆
清良「あら?では私のマッサージは必要ないと?」サラリ
菜々「えっ」
早苗「メルヘンナッツ(笑)なら台所の戸棚にいっぱいあるわよ。おつまみのストックは
欠かさないようにしてるから、好きなだけ食べていいわよ」ニヤニヤ
菜々「う、ううぅ……」ウルウル
早苗「冗談よ。仙豆じゃあるまいし、そんな食べ物があるなら私が欲しいくらいだわ。
現実はマッサージと湿布で疲労回復しないとね」コキコキ
菜々「も、もう、いじめないでくださいよ……」ホッ
清良「ふふ、早苗さんのマッサージはもうすぐ終わりますから、菜々さんも横になって
準備しておいてくださいね」グニグニ
早苗(P君に帰宅難民になった子を泊めてあげて欲しいって言われた時は誰が来るかと
思ったけど、清良ちゃんと菜々ちゃんで良かったわ。2人共マッサージや部屋の
片付けもしてくれたし、ウチは大当たりだったみたいね♪)ホクホク
―レナのマンション―
ガラガラピシャーンッ!!
礼「きゃあああああっ!! 」バタバタッ!!
レナ「うるさいわよ!雷が鳴るたびにいちいち暴れないでよ!」グワッ!!
礼「ううぅ、もうダメ…… しのはらはベッドの下で寝ます……」グス
レナ「乃々ちゃんならともかく、あんたみたいな色々大きい女は入らないわよ。
噂には聞いていたけどホントに怖がりなのね」ヤレヤレ
志乃「うふふ、礼ちゃんこっちにいらっしゃい。今夜は私と一緒に寝ましょう」クスクス
礼「ありがとう志乃さん…… 手をつないでくれるだけでいいから……」ビクビク
志乃「それじゃレナちゃん、私達はベッドで寝るからよろしく」サラリ
レナ「え?ちょ、ちょっと!どうして家主の私がソファーに……」
ガラガラドーン!!
礼「いやあああああっ!! 」ギュッ
志乃「よしよし、大丈夫よ怖くないから……」ナデナデ
レナ「……わかったわよ。とりあえず礼が静かに大人しくしてくれればそれでいいわ。
それじゃ志乃さん、後はよろしく」ゲンナリ
レナ(どうやらウチはハズレだったみたいね。でも礼はともかく、志乃さんに高そうな
ラム酒を何本かもらったからプラスマイナスゼロってところかしら。私にしては
ツイてるの……?)ウ〜ン…
―真奈美のマンション―
時子「アーハッハッハッ!愚かな豚共が雨に打たれて地べたを這いずり回っているわ!
滑稽なくらい無様で愚鈍で醜悪ね!」
心「うるさいぞそこのバカ女☆ お前もさっきまで同じだっただろうが☆」
時子「アァン?誰に言ってるのかしら。冗談は格好だけにしてくれない?」ギロリ
心「お、やんのか?ちょっと表に出ろ☆」ギロリ
時子「…………」ゴゴゴゴゴ…
心「…………」ゴゴゴゴゴ…
真奈美「ケンカをするなら追い出すからな」ギロリ
時子「……チッ」プイ
心「いや〜ん真奈美ちゃ〜ん、 冗談だって☆ はぁとと時子ちゃんはとっても仲良し
なんだから〜♪ ねー時子ちゃん☆」ウィンク☆
時子「反吐が出るわ」サラリ
心「あぁん?」イラッ
真奈美「時子もいちいちつっかかるな。心さんも大人らしく余裕を持ってだな……」
心「しんさんじゃなくて、しゅがーはぁとって呼べよ☆」キャルーン☆
真奈美「……」イラッ
真奈美(私はPに試されているのか?帰宅難民になった彼女達を泊めてやってくれと
頼まれたから了承したが、どう考えても私の精神にダメージを与えに来たと
しか思えん。しかし2人と同じグループの夏美や早苗さんは日頃から耐えて
いるわけだから、私にも耐えられないはずが……)ギリギリ…
時子「真奈美、明日の朝は小倉トーストにして頂戴。それ以外は食べないから」フン
心「コンビニであんぱんでも買って食ってろよ☆ 真奈美ちゃん、はぁとははちみつが
た〜っぷりのったあま〜いフレンチトーストでお・ね・が・い☆ 」キャハ☆
真奈美「」ブチッ
真奈美「自分で作れ――――――――――っっっ!! !! !! 」
END
17:30│相馬夏美