2013年11月14日
モバP「プロダクションが合併してアイドルサバイバルへ……」
※続きものになります
モバP「プロダクションが合併して……」
モバP「プロダクションが合併して……」
モバP「プロダクションが合併して一か月……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362849464/
モバP「プロダクションが合併して二か月……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363467332/
モバP「プロダクションが合併して三か月……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364140487/
長くなるのでのんびりと書いていきます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367558525
白坂小梅(所属している……プロダクションが……合併した………)
小梅(私の所属するEグループは浜川愛結奈さんと道明寺歌鈴さんの三人……)
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小梅「……あっ……」ポチポチ
P『小梅、明日はいよいよアイドルサバイバルだね。頑張っていこう』
小梅「………」
------ レッスン場
ガチャ
小梅「…………」
松永涼「よっす、小梅」
クラリス「おはようございます。小梅さん」
小梅「あ、あれっ……なんで……」
涼「何でも何も明日からサバイバルに出るんだろ? 応援だよ、応援!」
クラリス「ふふっ、小梅さんが頑張れるよう神様にお祈りしてきました」
小梅「あ、あ、ありがとう……ございます……」
涼「頑張ってきなよ、アタシ達も会場に行くからさ」
小梅「涼さん達は……フェス……ど、どうでした……?」
涼「なんだ、見てなかったの?」
小梅「う、うん……レッスンの時間だったから……」
涼「……惨敗だったよ」
小梅「えっ……!?」
クラリス「皆様のお声に応えられない自分を不甲斐なく感じますわ……」
涼「ま、主力がアタシとクラリスしかいなかったからね」
涼「うちの方針はサバイバルに全部賭けてるから頑張ってきなよ!」
小梅「そ、そうなん……ですか……」
クラリス「ふふっ、そう固くならずとも小梅さんならきっと大丈夫ですわ」
小梅「う、うん……」
白坂小梅(13)
http://i.imgur.com/lToZVi4.jpg
浜川愛結奈(22)
http://i.imgur.com/Bqg7Fv1.jpg
道明寺歌鈴(17)
http://i.imgur.com/W9HImn1.jpg
綾瀬穂乃香(17)
http://i.imgur.com/MvOWg4i.jpg
松永涼(18)
http://i.imgur.com/sqtY08T.jpg
クラリス(20)
http://i.imgur.com/orOqCBu.jpg
ガチャッ
P「おはよう。涼とクラリスもフェスから帰ってきたんだね」
小梅「Pさん……お、おはよう……ございます……」
クラリス「おはようございます。P様」
涼「おはよっ、Pサン! やっぱフェスは凄かったよ」
P「……みたいだね、結構荒れた結果にはなったみたいだけど」
P「でも、二人ともしっかりとファンの声援には答えてくれてお疲れ様だったね」
涼「負けはしたけど楽しかったよ、優勝するのはPサン達に任せたからね」
クラリス「当日は私達も会場に参ります。一緒に応援させて下さい」
P「わかった、手配はしておくよ」
小梅「P、Pさん……」
P「…………」
小梅(涼さんと……クラリスさんでも……か、敵わない人達が…いるなんて……)
------
歌鈴「い、いよいよ明日なんですね!」
小梅「が、頑張り……ます……」
愛結奈「今更グダグダ言っても仕方ないわ。気楽に行きましょ」
綾瀬穂乃香「そうですね、大舞台ですけど緊張しない事が大事だと思います」
P「今日、集まって貰ったのは連絡事項を伝えるだけだからすぐに終わらせようか」
P「皆は明日に向けて英気を養って欲しい」
涼「にしても、綾瀬もメンバーに入ってるなんて驚きだね」
穂乃香「そうでしょうか?」
愛結奈「良いんじゃない? 穂乃香が味方ならワタシは楽で良いわ」
クラリス「そうですわね、綾瀬さんはAグループですから頼もしい味方だと思いますわ」
涼「そりゃそうだけどさ……」
小梅「…………」
歌鈴「あれっ? 小梅ちゃん、どうしたんですか?」
小梅「う、ううん……なんでもないです……」
P「じゃあ、まずは分かってると思うけどルールのおさらいだ」
・10分1試合のLIVEバトルを3回行う
・各試合には規定のファン投票数が設定されている
・先に規定のファン投票数を超えるか3回行った結果のファン投票数が多い方を勝ちとする
・バックメンバーはサポートのみ
P「こんなもんかな、サバイバルだからちょっと変則ルールになってるよ」
クラリス「P様、お恥ずかしい話なのですが規定ファン投票数とは何なのでしょうか?」
P「バトル前に決まるボーダーラインことさ」
P「例えば10万と決められているなら先に10万のファン投票数を稼いだ方が勝ちだ」
歌鈴「はうぅ……このルール、何だか嫌なんですよね」
涼「バックメンバーはサポートのみって事は愛結奈さん達は前に出れないの?」
P「歌う事を禁止されているくらいで前に出れないわけじゃないね」
P「得意な事でのサポートはできるけど、メインの小梅より注目は集めれないだろう」
小梅「わ、私が……メイン……」
愛結奈「前から思ってたけど、よくこんなめんどくさいのを考えつくわね」
P「まぁ、フェスとは違う事をアピールして行かないといけないから仕方ないさ」
P「……それと後一つ重要な事がある」
穂乃香「重要な事ってなんですか?」
P「知ってると思うけどサバイバルは勝ち抜き戦だ。負けたらそこで終わりだよ」
小梅「お、終わり……」
穂乃香「…………」
クラリス「それは厳しいですね……」
P「全部で4勝すれば優勝だ、もちろん簡単には勝てないから気をつけて欲しい」
愛結奈「ま、どうせ優勝するからあんまり気にする事も無いわよ」
歌鈴「愛結奈さん、すす凄い自信です!」
涼「何言ってんの、逆に愛結奈サンくらいの自信を持って行かないと」
P「連絡事項はこんなもんだね、後は明日の集合時間に遅れないように頼むよ」
穂乃香「わかりました」
愛結奈「さ、じゃあワタシは遊びにでも行こうかしら」
涼「お、愛結奈サン! アタシも一緒に行って良い?」
歌鈴「私も行きたいですっ!」
クラリス「私もご一緒させて宜しいでしょうか?」
愛結奈「別にそんな面白い事するわけじゃないんだけど……」
小梅「…………」
小梅「あ、綾瀬……さん……」
穂乃香「どうしました?」
小梅「何で……あ、綾瀬さんはEグループに……?」
穂乃香「白坂さんに優勝してもらわないと困る理由ができたんです」
小梅「優勝……わ、私が……?」
穂乃香「はい、白坂さんは目指してますよね優勝を」
小梅「う、うん……」
穂乃香「それなら良いんです。一緒に頑張りましょうね」
小梅「は、は、はい……が、頑張る……」
------ そして、アイドルサバイバル当日…… 正門エリア
P「ここが1戦目の会場か」
歌鈴「わわっ、大きな門ですねぇ!」
愛結奈「わざわざこんなセットを用意するなんて手が込んでるわね……」
穂乃香「今回は雛祭りを題材にしているみたいですね」
小梅「ひ、雛祭り……」
歌鈴「Pさん! 一戦目の相手は誰なんですか?」
P「それはギリギリまで分からないんだよ」
穂乃香「ライブが始まる少し前に抽選でマッチングが行われるみたいです」
小梅「そ、そうなん……ですか……?」
愛結奈「小梅と歌鈴は何も知らないのね……」
小梅「ご、ご、ごめんなさい……」
歌鈴「うぅ……勉強不足でした……」
愛結奈「別に怒ってるわけじゃないから良いわよ」
小梅「す、凄い……ひ、人がいっぱい……」
穂乃香「大きなイベントですから観客の数も凄いですね」
愛結奈「…………」
歌鈴「あれっ? 愛結奈さん、何見てるんですか?」
P「……Coolプロの人達か……愛結奈、分かってると思うけど」
愛結奈「……分かってるわよ」
小梅「ど、どうしたんですか……」
穂乃香「あの人達には私達も浅からず縁があるんです」
歌鈴「ふぇっ! そそそうなんですか?」
小梅「う、恨み……?」
P「違うよ小梅。二人は気にする必要はない、そもそも当たるか分からないしね」
P(Coolプロか……)
歌鈴「そう言えば涼さん達はどうしたんですか?」
P「涼達は社長と一緒にSプロの観客席に居るよ」
P「登録されているチームメンバー以外は控室とかには入れないからね」
愛結奈「社長と一緒なんて涼も可哀想ね……」
P「ははっ、あの人は見た目はオカマだけど面倒見の良い人だから大丈夫だよ」
小梅「Pさん……い、いつきさんは来てくれてるんですか?」
P「…………」
穂乃香「……真鍋さんは敵ですよ」
小梅「えっ……!?」
愛結奈「……Sプロからは2チーム出てるのよ」
愛結奈「一つはワタシ達、もう一つはいつきをリーダーにしたSプロ選抜ってとこかしら」
歌鈴「そそそそれじゃあ、Sプロ同士の戦いも……」
愛結奈「アイドルサバイバルは同門対決もありだからあり得るでしょうね」
小梅「そ、そ、そんな……」
穂乃香「白坂さん、真鍋さんと戦うのは嫌ですか?」
小梅「い、いや……です……いつきさんはお、お世話になった人だから……」
穂乃香「……そうですか」
歌鈴「小梅ちゃん……」
愛結奈(当たらない事を祈るしかないわね……)
P(いずれは当たる壁だけど、小梅がこれを乗り越えられるかはまだ分からないな……)
------ Sプロダクション 仮設控室
ガチャッ
P「ここが控室か」
穂乃香「試合までゆっくりできそうですね」
愛結奈「仮設にしてはまぁまぁね」
歌鈴「見て下さい! このお茶菓子すっごく高級な物ですよ!」
小梅「ソファー……ふ、ふかふか……」
P「みんなは試合の時間までここでゆっくりしてくれると良い」
穂乃香「Pさんは抽選会場に行くんでしょうか?」
P「うん、初戦の抽選がそろそろ始まるからね」
歌鈴「はぅぅ……なな何だか緊張してきました!」
愛結奈「歌鈴、お茶入れてもらって良いかしら?」
P「小梅は僕と一緒に来てくれるかい?」
小梅「わ、私……ですか……?」
P「うん、抽選にはリーダーと一緒に行く必要があるからね」
小梅「う、うん……」
------ マッチング抽選会場
小梅「ゆ、有名な人が……いっぱい……」
P「名の売れたアイドルが集まってるね」
小梅「わ、私……大丈夫かな……」
P「小梅ももうBランクアイドルだから見劣りはしていないよ」
小梅「う、うん……」
P「じゃあ、僕はそろそろ抽選に行ってくるよ」
小梅「わかりました……」
P「多分20分程度で終わるはずだからここで待っててね」
小梅「はい……」
小梅「…………」
小梅(人が……いっぱい……き、緊張する……)キョロキョロ
ドンッ
小梅「あっ……」
女の人「あらっ……大丈夫ですか?」
小梅「す、す、すいません……大丈夫……」
女の人「良かった……迷子かしら?」
小梅「う、うん……Pさんとはぐれて……」
女の人「じゃあ同じですね……私もはぐれてしまったんです」
小梅「そ、そうなん……ですか……」
女の人「えぇ、あなたも参加者なんですか?」
小梅「は、はい……」
女の人「ふふっ、私もそうなんです。お互い頑張りましょうね」
小梅「う、うん……」
男の人「おーい、こんなとこにいたのかよ」
女の人「あっ……すいません。ちょっとボーッとしてて……」
男の人「いや、別にいいけどよ。そこのガキンチョは確か……」
小梅「あっ……」
男の人「お前も参加者なの?」
小梅「は、はい……」
女の人「ふふっ……私と同じではぐれちゃったみたいです」
P「小梅、ここにいたのかい?」
小梅「P、Pさん……」
男の人「お迎えが来たみたいだな」
女の人「良かったですね」
P(この人達……)
小梅「Pさん……ど、どうしたんですか……?」
P「いや……すみません、ご迷惑をおかけしたみたいで」
男の人「気にすんな、オレは何もしてねぇーよ」
女の人「大丈夫ですよ、合流できて良かったです」
男の人「アンタがこのガキンチョの保護者なの?」
P「えぇ……そうですね」
男の人「……ふーん、まぁお互い頑張ろうや」
女の人「また……会えると良いですね」
小梅「う、うん……」
P(まずいな……想像以上に厄介だぞ、このアイドルサバイバル……)
------ Sプロダクション 仮設控室
ガチャッ
穂乃香「白坂さん、Pさん。お帰りなさい」
愛結奈「どうだったの、プロデューサー」
P「……うん、一戦目はさほど有名じゃないプロダクションのチームだね」
歌鈴「だだだ大丈夫、そうですか?」
P「うん、いつも通り行けば大丈夫な相手だと思う」
小梅「Pさん……わ、私…頑張ります……」
P「その意気だ、期待しているよ」
歌鈴「そう言えばメンバーはどうするんですか?」
P「基本的には小梅、歌鈴、愛結奈の3人で行くつもりだね」
愛結奈「穂乃香はどのタイミングで入るの?」
P「穂乃香に関しては自分の判断で動いてもらおうと思っている」
小梅「ど、どういう……事なんですか……?」
P「穂乃香が自分で助けたいと思った時、その時は力を貸してほしい」
穂乃香「……わかりました」
歌鈴「な、何だか良くわかりませんけど一緒に頑張りましょうね!」
小梅「あ、綾瀬さん……よ、宜しくお願いします……」
穂乃香「えぇ、頑張りましょう」
愛結奈(穂乃香と小梅の関係を考えたら無理に出すよりはマシよね……)
------ 初戦開始前 Sプロダクション ステージ裏
P「みんな、準備はできたかい?」
歌鈴「は、はいっ! この鈴はこんな感じですか?」
P「そうだね、それであってるよ」
歌鈴「いやぁ、私がこんなステージに立てるだなんてそんな恐れ多いですよぉっ!」
歌鈴「で、でもっ、私を選んでくれた人たちのために、精一杯、歌鈴スマイルで頑張りますからね!」
P「うん、歌鈴ならきっと大丈夫だよ」
P(小梅、歌鈴の二人の実力は充分だ……後は……)
愛結奈「……どうしたの、プロデューサー。さっきからジロジロ見て」
愛結奈「それだけワタシが魅力的ってことかしら? 悪い気はしないわね」
P「愛結奈、二人を頼んだよ」
愛結奈「……あんまり期待されても困るわ」
P「ははっ、ごめんごめん」
愛結奈「ま、あの二人なら大丈夫だと思うけど、プロデューサーが心配ならフォローはしとく」
P「ありがとう、助かるよ」
P(実力、精神面共に強い愛結奈がいてくれて助かったな……)
穂乃香「始まりましたね……」
P「うん、ここから僕達の声は小梅達に届かない。後は見守るだけさ」
穂乃香「…………」
P「じゃあ、僕は観客席に移動するよ」
穂乃香「この試合はすぐに終わりそうですけど、移動するんですか?」
P「試合が始まったら参加メンバー以外はここにいちゃいけない事になっている。僕も例外じゃない」
穂乃香「わかりました、また後でそちらに向かいますね」
P「うん、わかった。待ってるとするよ」
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます
ちょっと用事ができたのと
一戦目終了なのでここでいったん区切ります
書き溜めしていませんが
ちょくちょくと更新して行くつもりです
P(Coolプロに勝つためにはみんなが団結して全力を出せる事が大前提だ……)
P「……とりあえず今から自由時間にしよう。試合までは時間があるから各自リフレッシュして欲しい」
愛結奈「ちょっと、外の風に当たってくるわ……」
バタン
小梅「あ、愛結奈さん……」
穂乃香「Pさん、愛結奈さんは……」
P「わかってる、何とかするつもりだよ。みんなは今は気にしなくてかまわないよ」
歌鈴「はぅぅ……じゃあPさん、ちょっと会場を一緒に回りませんか?」
P「かまわないけど、何かあるのかい?」
歌鈴「私、まだ道がよくわからなくて迷子になりそうなんですっ!」
P「わかった、一緒に行こうか」
P「二人はどうするんだい?」
小梅「わ、私……ちょっと行きたい所が……」
穂乃香「私は特に何もなければここに居ます」
P「……じゃあ、穂乃香。小梅と一緒に行動してもらって良いかい?」
穂乃香「私がですか?」
P「ここは人が多いし道も複雑だからね、できたら複数人で行動してほしいんだ」
小梅「綾瀬さんがいてくれると……あ、安心です……」
穂乃香「わかりました。白坂さんと一緒に行くようにします」
P「すまないね。じゃあまた後で集合しようか」
------ 廊下エリア 裏口
愛結奈(はぁ……あんな事で取り乱すなんてどうかしてるわ……)
愛結奈(久々にプロデューサーに怒鳴られたな……)
聖來「こんにちわっ! 久しぶりだねっ!」
愛結奈「…………」
聖來「どうかしたの?」
愛結奈「アナタのそういう性格が羨ましくなっただけよ」
聖來「ん? どういう事?」
愛結奈「独り言よ、気にしなくて良いわ」
聖來「何か含みのある言い方するね……」
愛結奈「で、こんな所で何してるの? ワタシと同じでブラブラしてたのかしら?」
聖來「アタシはちょっと身体を動かそうかなって! ライブまで待ちきれないよっ!」
愛結奈「相変わらず元気ね、本番でバテ無いことを祈るわ」
聖來「レッスンのお陰で以前よりスタミナもついたよ!」
愛結奈「前々からスタミナは結構あったんじゃないの?」
聖來「ううん、アタシはダンス以外はからっきしだったんだよっ!」
愛結奈(とてもそうは見えないわ……)
聖來「それにしてもこの会場は広くて大きな道がいっぱいあるねっ!」
愛結奈「そうね、よくこれだけのスペースを使えたものね」
聖來「わんこと散歩するには最適の道だよね」
愛結奈「ワタシは馬に乗って走りたいわ」
聖來「あぁ……わんこに会いたいな……」
愛結奈「連れてきてないの?」
聖來「わんこも連れて来たかったーっ!」
愛結奈「……アナタのイヌ好きは知ってるけど、そこまで行くと中々のものね」
聖來「あっ、そうだ! 浜川さんも一緒にダンスして行かない?」
愛結奈「ワタシが? 何のために?」
聖來「ふふっ、こういうのって相手がいると燃えるでしょ?」
愛結奈「あまり気が乗らないわね……」
聖來「そう? じゃあ一人でやろうかなっ! 浜川さん達に負けられないからね!」
愛結奈「…………」
聖來「トップに立つのはアタシだよっ!」
愛結奈「……やっぱりやるわ」
聖來「ふふっ、じゃあ早速始めようよっ!」
愛結奈「腕はなまってないわよね? 手加減はしないわよ?」
------ 会場 売店付近
歌鈴「うわぁー、凄い数の出店ですねっ!」
P「お祭りと変わらないからライブステージ以外の場所はこういうのが多いみたいだね」
?「うぅ……」 キョロキョロ
歌鈴「あれっ? あんな所に女の子が一人でいますけど迷子ですかね?」
P「あの子は確か……」
歌鈴「Coolプロの子ですけど助けた方が良いですよねっ! あ、でも接触は禁止されてるんでしたっけ?」
P「いや、もう試合開始が近いから大丈夫だよ。とりあえず声をかけてみようか」
P「君は成宮由愛ちゃんだね、道に迷ったのかい?」
由愛「だ、誰ですか……?」
P「僕はSプロダクションのP、そしてこの子がうちのアイドルの道明寺歌鈴だよ」
歌鈴「えへへっ、初めましてっ!」
由愛「Sプロダクションって言うと……次の……」
P「そうだね、対戦相手になるかな」
由愛「お、お願いします……!」
歌鈴「こちらこそですよっ! 私もいっぱいLIVEを楽しんじゃいます!」
P「君の所のプロデューサーさんは来ていないのかい?」
由愛「うん……CoPさんはフェスの後始末でこれないって……」
歌鈴「そうなんですか、でも偉いですね! 一人だけでここに来るなんて」
由愛「ひとりでも、頑張るの……!」
P(大人しい性格みたいだけど、芯の強さを感じるな……)
P「……それにしても、君はこんな所でどうしたんだい?」
由愛「えっと……出店が楽しそうだなって」
歌鈴「はぅぅ……何かPさんについて来てもらった自分が恥ずかしいですっ!」
P「ははっ、良かったら一緒に回るかい?」
由愛「良いん……ですか」
P「かまわないよ、人が多くて危ないから大人と一緒に回った方が良い」
由愛「うん……じゃあ、お願いします」
歌鈴「こういうのはみんなでワイワイやるのが楽しいですよねっ!」
歌鈴「えへへっ、甘くて美味しいですね!」
由愛「りんご飴……食べるの、初めてです……」
P「へぇー、そうなんだ」
由愛「昔から人がいっぱいいるところ苦手で……お祭り来たことなかったから……」
歌鈴「でも、今日は一人で来てましたよね?」
由愛「うん……一人でもちゃんと頑張れるって、聖來さん達に見せたかったから」
P「……君は何でアイドルになったんだい?」
由愛「な、なんでですか?」
P「ちょっとした興味本位さ、答えたくなければ言わなくても大丈夫だよ」
由愛「えっと……私はアイドルとか……するつもりないのに……マ、ママが勝手に応募して……」
歌鈴「か、勝手に応募されたんですかっ!?」
由愛「うん……最初は嫌だったけど……ずっと私を見てくれた……CoPさんのためにも……頑張りたい」
由愛「それに……アイドルを続けて、絵以外にも……楽しいこと……見つかりました」
P「……なるほどね、ありがとう。君の夢が叶うよう応援してるよ」
由愛「ありがとう……ございます」
歌鈴「私はスカウトされたんですけど、そういう経緯でアイドルになった子もいるんですねぇ……」
P「まぁ、今はオーディションなりスカウトなり色々窓口はあるからね」
P「これで一通り回ったかな」
歌鈴「ふぇぇ……ちょっとお腹が重たいです……」
由愛「えへへ……歌鈴さん、凄く食べてましたから」
歌鈴「そそそんなに食べて無いですよっ!」
P「ライブの時間も近づいてきたし、君もそろそろ戻った方が良い」
由愛「はい……ありがとうございました」
歌鈴「こちらこそ、楽しかったですっ!」
由愛「ステージ、楽しみです……」
P「そうだね、僕達も楽しみにしているよ」
由愛「全力でお願いします……!」
歌鈴「えへへっ、私達は負けませんよっ!」
タッタッタッタッ
歌鈴「何だかステージの上とは全然雰囲気が違いましたね」
P「アイドルといっても普段は普通の女の子だから」
歌鈴「あの子とLIVEバトルをするんですよね……何だか変な感じです……」
P「うん……ステージの上じゃ対戦相手になるのか……」
------ 廊下エリア 休憩所
穂乃香「白坂さん、行きたい所ってここだったんですか?」
小梅「う、うん……ここ何か出そうだから……」
穂乃香「本当に好きなんですね……」
小梅「綾瀬さんは……な、何が好きなんですか……?」
穂乃香「私は趣味も特技もバレエですね」
小梅「そうなん……ですか……う、羨ましい……」
穂乃香「そうですか?」
小梅「うん……真剣にお、お仕事考えてるんだなって……」
穂乃香「真面目とよく言われます……」
小梅「で、で、でも……やっぱり綾瀬さんはす、凄いです……」
穂乃香「ふふっ、褒められるのは素直に嬉しいです。ありがとう」
佐々木千枝「あ、あのっ! もしかしてSプロの人達でしょうか?」
小梅「あっ……」
穂乃香「あなたはCoolプロの……」
千枝「は、はじめまして、佐々木千枝です」
穂乃香「初めまして、綾瀬穂乃香です」
小梅「し、白坂……小梅……」
千枝「よ、よかったぁ〜。怖い人だったらどうしようって、ちょっと泣きそうでした」
千枝「やさしそうな人達で安心ですっ!」
穂乃香(こうやって会うのは初めてだけど、礼儀正しい子なんだな……)
千枝「千枝と……LIVEバトルをしてくれるんですよね……? よ、よろしくお願いします!」
穂乃香「はい、お互い頑張りましょう!」
小梅「よろしく……お、お願いします……」
穂乃香「千枝さんも、休憩中ですか?」
千枝「はいっ、一回目のLIVEが終わって……少しホッとして……」
千枝「小梅さん達もそうなんですか?」
小梅「わ、私達は……ムグッ!」
穂乃香「え、えぇ……そうですよ! 少し休憩です!」
穂乃香「初対面の人を怖がらせちゃ駄目ですよ……」 ヒソヒソ
小梅「ご、ご、ごめんなさい……!」 ヒソヒソ
千枝「どうかしたんですか?」
穂乃香「い、いえっ!? な、何でもないです……」
千枝「あの、Sプロさんにはすっごくセクシーな人がいましたよね?」
穂乃香「愛結奈さんの事ですか?」
千枝「あっ、そうです。千枝もあんな風に大人になりたいです!」
小梅「お、大人……?」
千枝「はいっ! 早くオトナになってCoPさんにふさわしくなりたいな!」
穂乃香「……白坂さんの周りってこんな感じの子が多いんですか?」
小梅「わ、わかんない……ど、どうしてですか……?」
穂乃香「いえ、最近のこの歳頃の子ってこんな積極的なのかなって……」
千枝「綾瀬さんも大人になる秘訣があったら千枝にいっぱい教えてください!」
穂乃香「わ、私ですか!? えっと……千枝さんは今のままでも充分魅力的だと思いますけど……」
千枝「今のままの千枝でも、魅力的……ですか?」
小梅「う、うん……わ、私もそうだとお、思う……」
千枝「あの……ありがとうございます。て、照れちゃいます……」
千枝「あっ、そろそろ千枝は行かないといけないです」
小梅「そう言えば……時間が……」
穂乃香「私達もそろそろ戻りましょうか」
千枝「えっと……LIVEバトルでは宜しくお願いします!」
小梅「こ、こちらこそ……よろしく……」
千枝「CoPさんに応援してもらったから千枝はいっぱいいっぱい頑張れるんです!」
小梅「応援……」
千枝「千枝は全力の全力でLIVEバトルします!! ま、負けませんよっ!」
穂乃香「ふふっ、私達も負けませんよ」
小梅「…………」
千枝「じゃあ、千枝はもう行きますね! 楽しみにしてます!」
------
穂乃香「……白坂さん、あの子に勝てますか?」
小梅「わ、わ、わからない……」
穂乃香「次に戦うのはあの子のチームですよ?」
小梅「で、でも……」
穂乃香(まだ、勝った負けたの勝負事には迷いがあるか……)
------ 廊下エリア 裏口
P「歌鈴、お腹の調子はもう大丈夫かい?」
歌鈴「だ、だからそんなに食べてませんってば!」
P「そ、そっか……まぁもう少しで本番だから身体は本調子にしとかないとね」
歌鈴「次はCoolプロなんですよね?」
P「そうだね、このサバイバルでも屈指の強敵だよ」
歌鈴「き、緊張してましゅ……はぅぅ……」
P「…………」
歌鈴「Pさん?」
ダッ
歌鈴「はわわっ! ま、待って下さいよ!」
聖來「ね、言った通りでしょ? たくさん練習したんだから!」
愛結奈「はぁ……はぁ……」
愛結奈(まさかここまで成長しているなんて……)
聖來「この調子でLIVEバトルも勝たせてもらうからね!」
愛結奈「まだよ……」
聖來「?」
愛結奈「後1回分くらいは時間はあるわ」
聖來「よぉし、やろう! やろう!」
P「そこまでだよ!」
愛結奈「!?」
聖來「わわっと、Pさん!?」
歌鈴「こ、これ、どどどうなってるんですか!?」
P「お楽しみのところ悪いけど、これ以上は許可できないな」
聖來「あー、それなら仕方ないね。続きはLIVEバトルでねっ!」
愛結奈「……良いタイミングで出てきたのね」
P「愛結奈……彼女の言うとおり続きはLIVEバトルでだ」
愛結奈「わかったわよ……」
歌鈴「あぅぅ……もう何が何だかわかりませんよっ!」
愛結奈(どうせもう1回やっても結果は同じだったしね……)
------ そして、2回戦開始前 Sプロダクション ステージ裏
P「さて、いよいよCoolプロとの対決だね」
小梅「うん……がんばってくる……!」
歌鈴「Pさんに恥ずかしいところ見せられませんから。えへへ、私のステージ見ててください!」
愛結奈「さぁ、もう負けないわよ!」
穂乃香「みなさん、頑張ってきて下さい」
小梅「あ、綾瀬さんは……ま、まだ出ないんですか……?」
穂乃香「そうですね……私は補欠みたいな役割ですから」
愛結奈「穂乃香には状況を見てもらう役割もあるし、控えでも心強いわ」
歌鈴「そうですね、Pさんもいないし私達も相手のステージばっかり見てられませんからねっ!」
小梅「な、なるほどです……」
P「そろそろだね、ステージに出る準備を始めてくれ」
P「……小梅」
小梅「は、はい……どうしたんですか……?」
P「この勝負は君に全てがかかっている」
小梅「わ、わ、私……!?」
P「そうだね、チームのリーダーとしてみんなを引っ張っていってくれ」
小梅「そんなこと……で、できません……」
P「なに、難しく考える必要は無いさ」
P「普段からみんなをよく見てる小梅なら、みんなの事をよくわかっているはずだ」
小梅「みんなの事……ですか……?」
P「それを教えてあげれば良い」
小梅「…………」
P「……小梅ならきっとできる」
小梅「Pさんが……き、期待してくれるなら…が、がんばる……」
P「あぁ、僕も観客席から応援しているよ」
P(小梅には僕の持てる全てを教えてきたつもりだ……頼んだよ……)
------ Coolプロダクション ステージ裏
聖來「ふふっ、どうかな? セクシー?」
千枝「はわぁー、聖來さんすごい……」
由愛「わわわ……新しい衣装ですか?」
聖來「へへー、いつまでもファンやCoPさんを飽きさせない存在でいないとねっ!」
聖來「さってと、二人とも準備は良いかな?」
由愛「緊張するけど……が、頑張る……」
千枝「ほんきのほんきですっ!」
聖來「ま、今日はCoPさんいないけど……」
聖來「みんなで頑張って優勝トロフィーお土産にしちゃおっか!」
千枝「CoPさんとの練習思い出しました……。うん、千枝は絶対大丈夫ですっ!」
由愛「ドキドキして……でもワクワクします……」
聖來「よしっ! シビれるLIVEにするよ!」
------ Sプロダクション 観客席
試合開始1分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :72619
ハートビートピクシー :71029
P「始まったね……」
涼「なぁ、Pサン。勝算はあるの?」
P「実力で言えば五分五分だからね、勝敗を分けるとしたらどう動くかかな」
クラリス「先程と違って緊迫した空気ですわね……」
社長「まぁじっくりと見させてもらいましょ。どこまで通用するかをね」
P(落ち着いていけば負けてないんだ……今はそれを信じるしかない……)
------ Sプロダクション ステージ
試合開始2分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :82912
ハートビートピクシー :80291
歌鈴「滑り出しは順調みたいですねっ!」
愛結奈(さてっと、さっきの借りを返させてもらおうかしら)
愛結奈「小梅、歌鈴! ダンスでアピールするわよ!」
小梅「えっ……!?」
歌鈴(愛結奈さん、もしかしてさっきのこと……)
愛結奈「二人ともしっかりとついてきなさいよ!」
小梅(そ、そ、そんな……愛結奈さんのダ、ダンスに……)
------ Coolプロダクション ステージ
試合開始3分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :90281
ハートビートピクシー :87621
聖來「今日はみんな絶好調だね!」
由愛「みんな……喜んでくれるかな……」
千枝「はりきっちゃいます!」
由愛「でも……あの人凄いです……」
聖來「ふふっ、じゃあ私に任せてよっ!」
聖來(でも、あんなの初めてみたかも……創作ダンスかな?)
聖來(……ちょっと拝借させてもらおっかな!)
聖來「いっくよぉーっ!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション ステージ
試合開始4分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :99837
ハートビートピクシー :95039
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
愛結奈「なっ!?」
愛結奈(ワタシのダンスを真似て……)
歌鈴(あ、あの人……一瞬見ただけで覚えて……)
小梅「や、や、やっぱり……歌で……」
愛結奈「水木聖來との対決……もちろんするわよね? LIVEでファンに認められるのは私よ!」
小梅「で、でもこのままじゃ……」
歌鈴(小梅ちゃんの言うとおり……抜かれるのは時間の問題……)
愛結奈「もっとアピールすればいいのよ! ついてこれないくらいにね!」
小梅(ど、ど、どうすれば……いいの……)
------ Coolプロダクション ステージ
試合開始5分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :107281
ハートビートピクシー :104039
聖來「悪いけど、ステップはカンペキに覚えたよっ!」
由愛「聖來さん……凄い完璧です……!」
千枝「あわわっ……。千枝……まだまだでした……」
聖來「ふふっ、ダンスはばっちり!」
聖來(じゃ、これにオリジナル要素もちょっと足していこうかな!)
聖來「由愛ちゃん、千枝ちゃん! 盛り上げて行こうねっ!」
由愛「が、頑張ります……」
千枝「千枝もせいいっぱいLIVEバトルします!」
聖來「アタシの真骨頂見せてあげる!」
------ Sプロダクション 観客席
試合開始6分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :115049
ハートビートピクシー :113293
P「…………」
涼「流石、愛結奈サンだな、Coolプロにも見劣りしてないよ!」
クラリス「でも、何だか小梅さん達の様子がおかしいですわ……」
社長「あらあら、これは酷いわねぇ。このままじゃ負けるわよ」
涼「何言ってんだよカマサン。小梅達のアピールが凄いじゃない?」
社長「へ、変なあだ名付けないでちょうだいよ!」
クラリス「P様、どういうことでしょうか?」
P「愛結奈のアピールは確かに凄い、水木聖來に引けをとってはいない」
P「逆に言うと愛結奈しか凄くない。メインの小梅と愛結奈に合わせてる歌鈴は完全においてけぼりだ」
P「それに水木聖來の動きは徐々に愛結奈を上回っていってる」
社長「それに比べてCoolプロはバックメンバーの二人が歌でメインをサポートしてるのよ」
社長「バックとメインの役割分担がハッキリしている分、乱れを感じないわね」
涼「た、確かに小梅達の動きはそんな感じがするな……」
クラリス「何か打開策はあるのでしょうか?」
P(元より1回目は捨てるつもりだ……1回目が終わった時が勝負だ……)
------ Coolプロダクション ステージ裏
試合開始7分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :119273
ハートビートピクシー :122782
聖來「おっ、やっと追い抜けたね!」
千枝「千枝、がんばりますよ!」
由愛(ファンのみんな……笑顔で……嬉しい)
聖來「ここからは自前のダンスで勝つからね!」
聖來(ふふっ、浜川さんはやっぱり凄いな、アタシについてこれるなんて早々いないからね!)
聖來(でも、アタシも最高にクールなダンスで、みんなを盛り上げちゃうから!)
聖來「アタシは止められないよー!!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション ステージ
試合開始8分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :124937
ハートビートピクシー :136382
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
愛結奈(ま、またペースを上げてきたの!?)
愛結奈「小梅! もっとダンスでアピールしていくわよっ!」
歌鈴(ま、まだダンスをするんですかっ!?)
歌鈴「わわっ……愛結奈さん! は、早いですよっ!」
小梅「あ、愛結奈さん……」
小梅(い、い、今は……あ、愛結奈さんに合わせてダンスを……)
------ Coolプロダクション ステージ
試合開始9分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :130297
ハートビートピクシー :142012
聖來(アタシ達のパフォーマンスが通用するってとこ、見せつけちゃうよ!)
由愛(えがお……えがお……)
聖來「千枝ちゃん! 勢いを止めずにこのままいくよっ!」
千枝「はいっ!」
千枝(ドキドキするけど……楽しみです)
千枝「千枝の魔法で、今日はみなさんを夢の世界に連れてっちゃいます! いっぱい楽しんでいってください!」
千枝「千枝の魔法で笑顔になぁれっ!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ 休憩タイム Sプロダクション ステージ裏
試合開始10分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :139120
ハートビートピクシー :153648
穂乃香(千枝さんの駄目押しでさらに差を広げられた……)
愛結奈「はぁ……はぁ……」
穂乃香「みなさん、お疲れ様です! 今から5分間身体を休めて下さい」
歌鈴「うぅ……こ、このままじゃ……」
小梅(駄目……全然か、敵わない……)
穂乃香(愛結奈さんの動きに二人がついていけなくてちぐはぐになっていますね……)
歌鈴「どどどうしましょう! おされてますよ!?」
愛結奈「どうするも何も、もっとハイペースでアピールしていくしかないわ」
小梅「そ、それだと……つ、つ、ついていけない……」
穂乃香(これ以上ペースを上げても自滅するのが目に見えるのに……)
歌鈴「わ、わかりました……私、頑張りますっ!」
小梅(P、Pさん……ど、どうしたら……良いんですか……)
穂乃香「……愛結奈さん、交代しませんか?」
愛結奈「なに? ワタシのせいで負けてるって言いたいの?」
穂乃香(本当はこんな事言いたくないんですけど、ごめんなさい愛結奈さん……)
穂乃香「嫌われる覚悟でハッキリ言わせてもらいます。その通りです!」
愛結奈「ワタシはまだやれるわ、次はこっちのペースに持ち込んでやるんだからっ!」
穂乃香「それが駄目だと言ってるんです! 一人でライブしてるんじゃないんですよ!?」
歌鈴「ふふ二人とも! や、やめてくださいよぉっ!」
小梅「あっ……」
小梅(綾瀬さんと……愛結奈さん……な、仲良いのにけ、喧嘩して……)
愛結奈「穂乃香……ワタシに指図するなんて偉くなったわね」
穂乃香「今の愛結奈さんは尊敬できませんから」
小梅(い、い、嫌……こ、こ、こんなの……)
ペチン
愛結奈「!?」
穂乃香「えっ?」
小梅「あ、あ、愛結奈さん……だ、だ、駄目っ……!」
歌鈴「こここ小梅ちゃん!?」
愛結奈「小梅……?」
小梅「わ、わ、私……愛結奈さんの事だ、大好きです……」
小梅「い、いつも格好良くて……わ、私の事し、心配してくれて……」
小梅「私、こ、こんな事言うの……い、嫌だけど……」
小梅「今の愛結奈さんは……き、き、嫌いですっ……!!」
穂乃香「白坂さん……」
歌鈴「うぅ……」
愛結奈「…………」
愛結奈(そっか……ワタシ一人のせいで……みんなに迷惑をかけてたのね……)
愛結奈「……ふぅ、まさか小梅に平手打ちを食らう日がくるなんてね」
小梅「ご、ご、ごめんなさい……!」
愛結奈「ありがと、今の一発で目が覚めたわ」
歌鈴「あ、愛結奈さん……お、怒ってませんよね?」
愛結奈「怒ってないわよ。ごめんなさいね、小梅、歌鈴、穂乃香」
小梅「…………」
穂乃香「私の方こそすみません。生意気言ってしまって……」
愛結奈「かまわないわよ。ちょっと熱くなりすぎたわ、ワタシもまだまだね……」
小梅「じゃ、じゃあ……!」
愛結奈「諦めたなんて言わせないわよ? この勝負、3人で勝ちに行くんだから!」
歌鈴「は、はいっ! ここから3人で逆転しちゃいましょう!」
穂乃香「でも、今から逆転となるとやはり相手の勢いを抑えないといけませんね」
愛結奈「……冷静になったら良い方法を思いついたわ」
小梅「い、良い方法……?」
愛結奈「ワタシの考えを聞いてくれる?」
歌鈴「もちろんですっ! 何でも言って下さい!」
小梅「は、はいっ……」
----- 説明中 -----
歌鈴「なるほど……いけるかもしれませんね!」
穂乃香「こっちに司令塔がいないということは相手にも司令塔がいませんから」
穂乃香「その作戦は有効だと思います」
愛結奈「ちょっと小梅の負担が大きいけど大丈夫かしら?」
小梅「う、うん……がんばる……!!」
愛結奈「そ、じゃあワタシ達の実力を見せつけちゃいましょう!」
小梅(Pさん……わ、私…ち、ちゃんとリーダーらしくできたかな……?)
------ Sプロダクション ステージ
2回目試合開始1分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :145398
ハートビートピクシー :158698
小梅「…………」
小梅(Pさん……わ、私、がんばるから見てて……)
愛結奈「じゃあ作戦通り動いて行くわよっ!」
歌鈴「はいっ、私から行きますねっ!」
愛結奈「歌鈴、緊張して無いかしら?」
歌鈴「だ、大丈夫……。全力でファンのみなさんにお届けします!」
小梅「歌鈴さん……サポートお、お願いします……!」
歌鈴「笑顔が基本ですよね! 任せて!」
歌鈴(私だって、イロイロ成長したハズ……)
歌鈴「もうステージの上ではドジしないっ……!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Coolプロダクション ステージ
2回目試合開始2分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :153271
ハートビートピクシー :164029
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
千枝「あれっ? さっきと動きが変わってきました!」
聖來「次はあの子がサポートの軸になるってことなのかな?」
由愛「歌鈴さん……綺麗です……」
聖來「だったらこっちは歌かな……由愛ちゃん!」
由愛「う、うん……!」
由愛(私……CoPさんが……誇れるような……仕事をしてみせます!)
由愛「私の歌……聴いてほしい」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション ステージ
2回目試合開始3分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :160931
ハートビートピクシー :174039
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
小梅(あの子が……う、動いて……)
歌鈴(い、今はまだ……私と小梅ちゃんだけの力でっ!)
小梅「うぅ……」
愛結奈「大丈夫よ、小梅。自信を持ちなさい!」
小梅「愛結奈さん……」
愛結奈(ま、ダンスでやりあうにはちょっと分が悪いわね)
愛結奈(でもワタシってワガママなのよねぇ……)
愛結奈(だから、別の手段でアナタにも勝負にも勝たせてもらうわ!)
小梅(うん……大丈夫……)
小梅(私には……愛結奈さんと歌鈴さんがい、いてくれるから……)
------ Sプロダクション ステージ裏
2回目試合開始4分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :167462
ハートビートピクシー :178271
穂乃香(ここまではおおよそ作戦通り……)
穂乃香「この調子なら、愛結奈さんの言ってた通りの展開になりそう……」
穂乃香(だったら、この時点で気付けなかったCoolプロの負けはもう決定してる)
穂乃香「白坂さんはあの時の私達には無かった武器を持ってたんだ……」
穂乃香(もし、あの時に白坂さんが本気で私とリハーサルをしていたらどうなっていたんだろう……)
穂乃香「…………」
------ Sプロダクション ステージ
2回目試合開始5分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :172736
ハートビートピクシー :183726
歌鈴「よしっ、票数は目標まで行きましたよっ!」
小梅「あ、愛結奈さんっ……!」
愛結奈「わかってるわ、小梅! いくわよっ!」
愛結奈(小梅に合わせてバラードだけど……熱いバラードも、いいわよね?)
小梅(あの時……雪の中で歌った歌……)
小梅(Pさん、私……あの時と同じように……精一杯……歌うから……!)
愛結奈(……大人に憧れてるのって佐々木千枝ちゃんって子だったかしら?)
愛結奈「ふふっ、ワタシが本当の大人のオンナの魅力をみんなに伝えて、トリコにしてあげるわ!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Coolプロダクション ステージ
2回目試合開始6分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :182038
ハートビートピクシー :185473
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
聖來(浜川さんが歌のアピール!?)
由愛「わわ……あの人の歌、すごく大きく響いて……」
千枝「バ、バラードをあんなセクシーに歌えるなんて凄いです!」
千枝「でも、ち、千枝、負けませんから!」
聖來(浜川さんが目立っているけど……本当に厄介なのはあの白坂さんって子かな……)
聖來(由愛ちゃんと千枝ちゃんがあの子一人に抑えられてる……)
聖來(こんな子がいるなんて、やっぱりトップアイドルへの道は険しいんだろうね)
聖來(だから……負ける訳にはいかないよねっ!)
聖來「魅せ方教えてあげる!」
------ 観客席
2回目試合開始7分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :187632
ハートビートピクシー :188723
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
真鍋いつき「やっぱりPさんのチームは凄いですねっ!」
?「ふふっ、こんなの見せられちゃ私達も負けられないよねっ!」
いつき「そうですね、身体、動かしたくなるね!」
?「ねぇ、いつきさん。次に私達があの子達に勝つっていうのも、盛り上がると思わない?」
いつき「盛り上がりですか?」
?「見せ場は必要でしょ?」
いつき「あははっ、そうですね! 私も凄く楽しみですっ!」
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始8分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :192819
ハートビートピクシー :191029
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
P「よしっ! 抜き返した!」
クラリス「愛結奈さんと小梅さんの歌声が凄く響いてますわ……」
社長「ハートビートピクシーの票数が伸びないのは小梅ちんの影響ね」
社長「小梅ちんの透き通るような歌声は完全に相手の歌を食ってるわ」
涼「その隙に愛結奈サンがアピールし続けてるってわけなんだね!」
P「この勝負はもう決まったね……」
P(小梅、愛結奈、歌鈴……良くやってくれた……)
涼「さっすが小梅達! ヤルじゃん!」
社長(でもまだあなたの才能は全て見せてもらって無いわよ小梅ちん……)
------ Sプロダクション ステージ
『そこまで! 試合終了です!!』
『ただいま、Nightmare of pure whiteが既定の200000票を超えたため』
『この勝負202938 対 198726で、Nightmare of pure whiteの勝利です!』
小梅「か、勝った……?」
愛結奈「何とか巻き返せたわね……」
歌鈴「あ、愛結奈さん、小梅ちゃん! 凄かったです!」
小梅「わ、私は……何も……」
ポンッ
愛結奈「胸を張りなさい、小梅がいなければ勝てなかったわ」
小梅「あっ……」
愛結奈「あなたは立派なリーダーよ」
歌鈴「そうですよっ! 小梅ちゃんのおかげでみんなが団結できたんですからっ!」
愛結奈「ふふっ、歌鈴の頑張りも凄かったわ」
歌鈴「えへへっ! みんなで頑張ったから勝てたんです!」
小梅「うん……」
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます
寝るので今日はここまでです
------ Coolプロダクション ステージ
聖來「…………」
千枝「負けちゃいました……。おねえちゃんたちすごいですね……」
由愛「聖來……さん?」
聖來「くっやしーっ! いけると思ったんだけどなぁ……」
由愛「CoPさん……ご褒美くれないかな……」
聖來「ふふっ、それは大丈夫だと思うよっ! あの人はそういう人じゃないから」
千枝「千枝、次はもっとがんばりますからっ……!」
聖來「じゃあ、あっちのステージ裏に行こっか」
由愛「なんでなんですか?」
聖來「へへー、楽しかったからお礼を言いにかな!」
------ Sプロダクション ステージ裏
愛結奈「……で、わざわざこっちまで来たってわけ?」
聖來「うん! 今回は負けちゃったけど、次はそうはいかないからねっ!」
小梅「でも……水木さん達はす、凄かったです……」
由愛「力……出し切ってきました……でも、あの歓声は……私だけの力じゃないです……」
千枝「おねえちゃんたちも凄かったです! 千枝もいっぱい気をつけるとこが見つかったかなって思うんです!」
歌鈴「な、何だかLIVEバトルの後にこんな風に話すのって変な感じですねっ!」
穂乃香「ふふっ、良いと思います。本来はみんなで仲良くしたいですから」
聖來「頑張ってね、後2勝して絶対優勝してよ!」
愛結奈「小梅。ちゃんと返事してやりなさい」
小梅「は、はいっ!」
------
歌鈴「えへへっ! じゃあPさん達の所に戻りましょう!」
穂乃香「そうですね、次の試合の事もありますし」
愛結奈「残り4チームなのよね、いつきは残ってるでしょうね……」
小梅(いつきさん……た、た、戦わないといけないのかな……)
小梅「あっ……!」 フラッ
愛結奈「小梅!」
ガシッ
愛結奈「!?」
歌鈴「わわっ、大丈夫ですか!?」
愛結奈「……LIVEが終わって気が抜けてるかもしれないけど、気をつけなさいよ」
小梅「ご、ごめんなさい……」
穂乃香「…………」
------ Sプロダクション 観客席
穂乃香「みなさん、お疲れ様です。今、戻りました」
涼「へへっ、すげーじゃん! Coolプロに勝っちまうなんて!」
クラリス「皆様、お疲れ様でしたわ」
社長「良くやってくれたわ、Sプロは両チームとも準決勝進出よ!」
小梅「じ、じゃあ……いつきさん達も……」
P「そうだね、いつき達も一足先に勝利している」
愛結奈「ま、このサバイバルのレベルを考えるといつき達なら負ける事はないでしょうしね」
歌鈴「そろそろ、当たってしまうんですかね……」
小梅「…………」
P「……小梅」
小梅「えっ……」
P「良くやってくれた、君の頑張りは本当に素晴らしい物だったよ」
小梅「わ、私だけじゃな、ないです……」
小梅「愛結奈さんや……歌鈴さんがい、いてくれたから……」
P「そうだね、でも二人を動かしたのは紛れもなく小梅の力だ」
小梅「私の……」
P「後2回、ここからも厳しい戦いになると思うけど小梅達ならきっと大丈夫だよ」
小梅「う、うん……あ、あのPさんはお、お、応援……してくれますか……?」
P「もちろんさ」
小梅「えっと……わ、私頑張ります……えへへっ……」
P(そうだ、君はこれからもっと成長できる……)
------ Sプロダクション 仮設控室
『さぁ、このアイドルサバイバルも準決勝となりいよいよ佳境に入ってきました!』
小梅「私が……じ、準決勝……」
歌鈴「ななな何だかこんなとこまで来れるなんて夢みたいですっ!」
P「Coolプロは優勝候補だったけど、僕達も優勝候補だからね」
穂乃香「確かに、今のSプロに敵う相手はほぼいませんでしたからね」
P「…………」
穂乃香「Pさん、どうしたんですか?」
P「いや、何でもないよ……」
P(やっぱり、彼らも勝ち上がってきているか……)
愛結奈「……ワタシはちょっと休ませてもらうわ」
歌鈴「あれっ? 愛結奈さん、寝そべってどうしたんですか?」
愛結奈「……少し、ダンスをしすぎて疲れただけよ」
P「…………」
穂乃香(愛結奈さん……もしかして……)
小梅「Pさん……」
P「どうしたんだい?」
小梅「そろそろ抽選い、行かないと……」
P「あぁ、そうだね。じゃあ僕らは抽選に行ってくるよ」
歌鈴「はいっ! いってらっしゃい!」
------ 大広間エリア マッチング抽選会場
P「うわっ、何だこれ……凄いな……」
小梅「お人形……い、いっぱい……」
P「大雛壇か、こんなものまで用意してたんだね」
小梅「夜になると……動きだすかな……」
P「流石にこの数が動きだすとホラーと言うよりコメディじゃないかな」
小梅「そう……」 シュン
P「にしても雛祭りLIVEか、何だか忘れそうになっていたよ」
小梅「あんまり……関係はな、無いから……」
P「ははっ、イベント事と結び付けるのはこの業界の癖みたいなもんだよ」
小梅「あっ……わかります……」
P「……さて、そろそろ抽選に行ってくるよ」
小梅「…………」
P「…………」
小梅「あ、あのっ……つ、つ、次の相手は……」
P「……これだね」
フレッシュスターズ(Sプロダクション) オーダー表
リーダー:
真鍋いつき
バックメンバー:
若林智香
松山久美子
小梅「い、い、いつきさんの……チーム……!?」
P「ここで同門対決か、また厄介な相手が来たね」
小梅「ど、ど、どうしよう……」
P(一番まずいのは小梅の気持ちか……)
真鍋いつき(22)
http://i.imgur.com/c6KzRWr.jpg
松山久美子(21)
http://i.imgur.com/tHWi8Yu.jpg
若林智香(17)
http://i.imgur.com/xDxPgfx.jpg
いつき「プロデューサー! 小梅ちゃん! お疲れさまです!」
小梅「あっ……い、いつきさん……」
P「お疲れ様、いつき。次は宜しく頼むよ」
いつき「あははっ! 私はもう準備万端ですよ!」
小梅「…………」
いつき「どうしたの、小梅ちゃん?」
小梅「わ、私……い、い、いつきさんとLIVEバトルし、したくないです……」
P「小梅……」
小梅「い、いつきさんには……た、沢山の大切な事お、教えてもらいました……」
小梅「だから……わ、私……こ、こ、こんな事……」
いつき「……そっか、じゃあ私達の勝ちだね!」
小梅「えっ……!?」
いつき「だって小梅ちゃんはやる気が無いんでしょ? でも私は全力で行くから!」
いつき「張り合いが無いってのは残念だけど……」
小梅「ち、ちがっ……!」
P「小梅、止めるんだ。いつきもいきなりすまないね」
いつき「良いんですよ、じゃあ準決勝楽しみにしてますねっ!」
P「あぁ、また後で会おう」
------
P「…………」
小梅「P、Pさん……」
P「小梅、確かにいつきに色んな事を教えてもらったかも知れない」
P「だからこそ、彼女は小梅とのLIVEバトルを本当に楽しみにしているんだよ」
小梅「わ、わ、私と……ですか……」
P「そうだね、全力を出さないという事はいつきに失礼になるんだ」
小梅「そ、そ、そんな……でも……わ、わ、私が勝ったらい、いつきさんは……」
P「……ここで終わりだね」
小梅「わ、わからないです……ど、どうしたらい、良いんですか……?」
P「それは小梅自身が自分で見つけ出すんだ。どうしたら良いのかを」
P(こればかりは口で言ってもどうしようもない……、小梅自身が変わらないと……)
P(時間は……ギリギリ間に合うか……?)
------ Sプロダクション 仮設控室
歌鈴「言ったそばからいつきさん達と当たるなんて……」
穂乃香「真鍋さん、若林さん、松山さん……みんなA、Bグループの人ですね」
愛結奈「いつき以外は会った事ないけどその二人も結構有名よ」
P「選抜メンバーだからね、僕達とは違って優勝を期待されているチームだよ」
小梅「…………」
愛結奈「どうしたの、小梅。浮かない顔してるじゃない?」
小梅「な、なんでも……ないです……」
穂乃香「…………」
歌鈴「えっと、さっきみたいに試合前まで自由時間にしても良いんですか?」
P「……そうだね、自由時間にしよう。僕は行く所があるからみんなはゆっくりしていてよ」
愛結奈「ワタシはここでゆっくりしてるわ」
穂乃香「では少し外の風に当たってきます」
歌鈴「はわわ……こ、小梅ちゃん! 私達も一緒に散歩にでも行きましょう!」
小梅「うん……」
P「時間には遅れないように頼むよ。それと今回の試合前は僕はステージ裏に行けないから」
小梅「えっ……そ、そうなんですか……」
P「うん、少し用事があるからね……電話はかけるけど、後は皆の力で頑張ってほしい」
歌鈴「だだだ大丈夫……かな」
穂乃香「……わかりました」
バタン
P「……愛結奈、足を出してもらえるかい?」
愛結奈「二人きりになった途端にそう言う事言うのやめてくれるかしら?」
P「普段ならこんな事は言わないんだけどね」
愛結奈「……いつから気づいてたの?」
P「伊達に付き合いが長いわけじゃない、片足をかばって歩いているくらいはすぐにわかるさ」
P「穂乃香にもばれてるんじゃないかな……くじいたの?」
愛結奈「さっきのLIVEが終わった後、小梅がこけそうになったのを庇った時ね」
P「……これは、酷いな。次の試合は穂乃香に変わった方が良い」
愛結奈「……プロデューサー、テーピングしてもらえる?」
P「こんな足でまだ出るつもりかい?」
愛結奈「今はまだね、そう思うでしょ……?」
P「……わかったよ、そのかわり最初の1回目のLIVEだけだ。それ以上は許可しない」
P「それが終わったら医務室に引っ張っていくからね」
愛結奈「感謝するわ……」
------ 大広間エリア 休憩所
穂乃香(準決勝、真鍋さん達との試合か……)
穂乃香(でも今の白坂さんじゃ真鍋さんには勝てない……)
穂乃香「どうすれば……」
いつき「綾瀬さん!」
穂乃香「真鍋さん……」
いつき「こんにちわっ! 休憩ですか?」
穂乃香「えぇ、そうですね。ちょっと外の風に当たりに来たんです」
いつき「そうなんですか、私はちょっと身体を動かしたくて走ってました!」
穂乃香「す、凄いですね……ライブ前なのに」
いつき「いっつもこうやって出番までは身体を温めてるんで!」
いつき「そう言えば、もう準決勝なんですね」
穂乃香「はい、残り4チーム。もう大分と減りましたね」
いつき「綾瀬さん達も凄いですよ! Coolプロを破って準決勝に来るなんて!」
穂乃香「ふふっ、これで強豪はSプロのみになりましたね」
いつき「あー……いや、そうじゃないと思いますよ……」
穂乃香「他にどこかいましたか?」
いつき「あれっ? Pさんからは何も聞いて無いんですか?」
穂乃香「はい、いつきさんの所とCoolプロの情報以外は特に……」
いつき「んー、じゃあ私の気のせいだと思います! すみません、今の事は忘れて下さい!」
穂乃香「え……は、はい……」
いつき「そう言えば、綾瀬さんは試合には出ないんですか?」
穂乃香「はい、私は自分の意思で試合に出るように言われてますから」
いつき「自分の意思……何か珍しいですね?」
穂乃香「真鍋さん……」
いつき「はい?」
穂乃香「白坂さんがどう思おうと私は負けるつもりはありませんから」
穂乃香「白坂さんが戦いたくないって言うなら私が全力で相手になります」
いつき「ど、どうしたんですか?」
穂乃香「あっ、いえ……すいません」
いつき「まぁ、何にせよLIVEバトルは楽しみにしてますね!」
いつき「PさんのチームとLIVEできるなんてこんな時くらいしかありませんから!」
穂乃香「そうですね、うちはリハーサルはあまりやりませんから」
いつき「じゃあ、私はもうちょっと身体を温めてきますね!」
穂乃香「どこかに行くんですか?」
いつき「並木道を走ってきます!」
穂乃香「ふふっ、相変わらず元気ですね。また、後で会いましょう」
いつき「あははっ、そうですね。またステージの上で!」
穂乃香(私達以外に他に誰が……)
------ Sプロダクション 仮設控室
バンッ
若林智香「しっつれいしまーっす!!」
愛結奈「…………」
智香「あれっ? 元気が足りなーいっ!」
愛結奈「っていうか、アナタ誰?」
智香「あっ、申し遅れました! チアリーダー若林智香、がんばる人の姿を見るのが大好きですっ!」
愛結奈「そ、そう……アナタがいつきのチームのメンバーなのね……」
智香「えへへっ、そうです! Pさんとは初めてなので挨拶に来ました!」
愛結奈「ワタシは浜川愛結奈、よろしく」
智香「はいっ! 宜しくお願いします!」
智香「でも、浜川さん以外は留守にしてるんですね?」
愛結奈「ま、うちのメンバーはプロデューサーの方針で自由気ままにやってるしいつもこんな感じよ」
智香「せっかくみんなに次のLIVEがんばろうって応援しに来たのに……」
愛結奈「敵をわざわざ応援しに来たの?」
智香「敵じゃ無くてSプロの仲間じゃないですかっ! みんなを応援したいんですっ☆」
愛結奈「ふふっ、面白いわね若林さん」
智香「あっ、智香で良いですよ!」
愛結奈「じゃあアタシの事も愛結奈で良いわ」
智香「えへへっ! じゃあ愛結奈さん、改めて宜しくお願いします!」
愛結奈「智香達は順調に勝ち上がっているみたいね」
智香「いつも頑張ってる人を応援してるアタシですけど、自分で頑張るのもとっても気持ちがいいですねっ☆」
愛結奈(タイプ的にはいつきに似てるわね……)
智香「次の試合の振り付けも完璧です! 鍛えたカラダも魅せちゃうんですからっ☆」
愛結奈(ハンデを背負ったまま勝てる程甘くないってわけか……)
智香「あれっ? どうしたんですか?」
愛結奈「なんでもないわ、それよりその格好でライブに出るの?」
智香「えへへっ! アタシ、チアリーダーですからっ!」
愛結奈「チアリーダーね……」
智香「愛結奈さんもイケイケゴーゴー☆ファイトー! オー!」
愛結奈「あ、ありがとう……」
智香「愛結奈さんも一緒にどうですか?」
愛結奈(くっ……またとんでもないのが出てきたわね……)
------ 大広間エリア LIVE会場付近
松山久美子「…………」
歌鈴「…………」
小梅「…………」
久美子「へぇ、こんな所で会えるなんてね」
小梅「こ、この人……」
歌鈴「ままま松山……久美子さんです!」
久美子「そんな驚かなくても大丈夫だよ」
久美子「白坂小梅ちゃんと道明寺歌鈴ちゃんだったかな?」
久美子「いつきから話は聞いてるよ、次は宜しくね!」
小梅「は、はいっ……が、が、頑張ります……」
歌鈴「よよよろしゅく……」
久美子(二人揃って緊張しいなのかな……)
久美子「私、この日のためにいっぱい特訓してきたの」
小梅「なんか……す、凄いです……」
久美子「あなた達で試させてもらうわね?」
歌鈴「おっ、おてやわらかに……」
久美子「私の見せ場盛り上げてよね」
小梅「…………」
歌鈴「はぅぅ……緊張してい足がプルプル震えちゃってますぅ……で、でもっ!」
小梅(こ、この人も……勝つために……)
小梅「な、なんでなんですか……?」
久美子「?」
小梅「なんで……お、お、同じプロダクションなのに……」
小梅「勝つとか……そ、そ、そんな事を……」
歌鈴「小梅ちゃん?」
久美子「ふふっ、面白い事言うね。勝負に勝ちたくないの?」
小梅「いつきさんや……ま、松山さんとLIVEバトルなんて……」
歌鈴「…………」
久美子「私はもっともっとたくさんの人に見られて綺麗になりたいの!」
久美子「だから誰が相手だろうと手は抜かないよ!」
小梅「そ、そ、そんな……」
歌鈴「私も……負けませんよ!」
小梅「か、歌鈴さん……!?」
久美子「ふふっ、じゃあまたね! 素敵なLIVEにするよっ!」
歌鈴「…………」
小梅「な、なんで……あんな事……」
歌鈴「小梅ちゃん……私のドジばっかりでホントにダメダメですよね」
小梅「そんなことな、ないです……」
歌鈴「でも、こんな私を信じてくれるPさん」
歌鈴「一緒に居てくれる愛結奈さんや小梅ちゃん……」
歌鈴「それにいつきさんに見せてあげたいんです、私はこんなに成長したって!」
小梅「…………」
歌鈴「えへへっ、小梅ちゃん。スマイルですよ! 笑っていれば何とかなります!」
小梅(わ、私は……)
歌鈴「頑張らなきゃ……優勝するために……」
小梅(私は……歌鈴さんみ、みたいに……)
------ そして、準決勝開始前 Sプロダクション いつき側 ステージ裏
いつき「みんな、準備はOKですか?」
智香「どんと来いってカンジですよいつきさん!」
久美子「私も大丈夫! でも準決勝で同門対決なんて何かついてないね……」
いつき「あははっ、でも私は小梅ちゃん達と早くライブしたかったですから!」
久美子「ふふっ、私も誰が来ようと魅せる努力は負けないよ!」
智香「よしよし乗ってきたよーっ!」
いつき「……さってと、そろそろですね!」
久美子「さぁ、LIVEスタートだよっ♪」
智香「温まっていこう☆」
いつき「広いステージだって狭く感じるくらい踊っちゃいましょう!」
------ Sプロダクション 小梅側 ステージ裏
愛結奈「いよいよね……」
穂乃香「このLIVEバトルに勝てば決勝です。みなさん、頑張って下さい!」
歌鈴「私一人ならきっと不安で仕方がないけど、みんなが一緒ならやりとげられます!」
小梅「うん……」
穂乃香「若林さんと松山さん、そして真鍋さん。Coolプロにも引けを取らない強敵です」
穂乃香「相手のペースに飲まれないように落ち着いて行きましょう」
小梅「いつきさん……」
歌鈴「た、ただ全力でLIVEするのみでしっ……! ふえぇ……もー! 歌鈴ふぁいとっ!」
愛結奈「なにやってるのよ……」
prrrrr……
小梅(Pさんから……電話……)
小梅「も、もしもし……」
P『もしもし小梅』
小梅「P、Pさん……」
P『いよいよ準決勝だね。気持ちの整理はついたかい?』
小梅「う、ううん……まだ……」
P『……そっか』
小梅「Pさん……ど、どうしてもや、やらなきゃいけないんですか?」
P『そうだね、もうここまで来たんだ。後はライブをするだけだ』
小梅「…………」
P『小梅、いつも君に言っている通りにファンやみんなのために歌ってあげてくれ』
小梅「う、うん……がんばってみる……」
P『小梅のステージを期待しているよ』
P『……じゃあ少し穂乃香に代わってくれるかい?』
小梅「は、はい……」
P『穂乃香かい?』
穂乃香「もしもし、どうしたんですか?」
P『穂乃香、このLIVEバトルは2回目から君に出てもらう事になると思う』
穂乃香「愛結奈さんの事ですか?」
P『そうだね、愛結奈は隠しているが小梅を庇った時に足を痛めている』
P『本人はバレないようにしているけど、1回のLIVEバトルが限度だろうね』
穂乃香「Pさん……私は……」
P『……強制はしない。でも、小梅達を助けてあげて欲しい』
穂乃香「……わかりました」
P『すまないね、穂乃香には迷惑をかけているのはわかっているんだけど……』
穂乃香「ふふっ、良いんですよ。私、頑張りますね!」
P『僕も2回目のLIVEバトルから観戦にいけると思う』
P『久々に見れる穂乃香のライブを楽しみにしているよ』
穂乃香「ちゃんと見てて下さいね?」
ピッ
穂乃香「白坂さん、ありがとうございます」
小梅「う、うん……Pさんは何てい、言ってたんですか?」
穂乃香「みんなに頑張ってほしいって言ってましたよ」
愛結奈「プロデューサーらしいわね、もうちょっと気の利いた事が言えないのかしら?」
歌鈴「えへへっ、でもPさんが言ってくれるならがんばれますよっ!」
小梅(私も……か、覚悟…決めないと……)
穂乃香「……そろそろ始まりですね」
歌鈴「ファンの声援がここまで届いて……ド、ドドド、ドキドキしちゃいます!」
愛結奈「さぁ、こうなったら後はやるだけよ!」
小梅「…………」
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます
今日はここまで
続きはまた明日にでも書きます
NP「珍しいな、あんなこと言うなんて」
美優「…………」
NP「あの白坂って子となんかあったの?」
美優「いえ……私……一人ではここに立てなかった……NPさんがいたから……」
美優「だから……もう少しだけ、あと少しだけで良いから夢を見ていたいんです……」
美優「あの子……とっても強い眼をして。でも、私も負けたくは無いです……」
NP「んで強気に言ったわけだ」
美優「はい……争いは苦手ですが……」
NP「知ってるよ、まぁ当たっちゃたんもんはしょうがねぇしな」
美優「わかってます」
NP「じゃあさっさとあいつら呼び戻して準備しないとな」
美優「どこへ行ったんでしょうか?」
NP「知らない、好きにしてろって言ったし」
P「あの人、流石に一人で勝ち抜いてきただけはあるね」
小梅「う、う、うん……凄いふ、雰囲気でした……」
P「でも、僕達も決勝戦まで来たんだ。ここで負けるわけにはいかないよ」
小梅「……P、Pさん」
P「どうしたんだい?」
小梅「わ、私……まだ迷ってます」
P「…………」
小梅「アイドルって……何なのか……こうやって争う意味がわ、わからなくて」
P「そっか……」
小梅「でも……わ、わ、私…頑張るから……」
小梅「自分に何ができるかわからないけど、い、いっぱいき、気持ちを込めて歌うから!」
小梅「だから……Pさん……お、お、応援…してくれますか……?」
P「……もちろんさ! 小梅のステージでみんなを驚かせてやってくれ!」
小梅「えへへ……うん……」
小梅「Pさん……」
P「どうしたんだい?」
小梅「ずっと……み、見たかったものがあるんです……」
P「それは社長の言っていたやつかい?」
小梅「うん……ほ、ホラー映画より……楽しい……」
小梅「アイドルにだけ……見える…と、特別な景色……」
P「それが小梅のアイドルを続ける理由か……」
小梅「はい……一度でいいからみ、み、見てみたい……」
P「…………」
小梅「ど、どうしたんですか……?」
P「……良い事を聞けたよ。僕に任せてくれ」
小梅「えっ……は、はいっ……」
------ Sプロダクション 仮設控室
穂乃香「三船……美優さんですか!?」
フレデリカ「へー、そんな人いたんだ」
小梅「凄く……き、綺麗な人でした……」
P「フレデリカが知らないのも当然かな」
P「デビューしたのはフレデリカがフランスに行った後だよ」
フレデリカ「あははっ、それは守備範囲外だよ〜」
小梅「穂乃香さんは……し、知ってるんですか……?」
穂乃香「えぇ、そうですね」
穂乃香「メディアの露出こそほとんど無いものの、業界での知名度は上がっています」
穂乃香「癒しの女神ってキャッチコピーもついてますしね」
フレデリカ「癒しの……女神?」
小梅「な、なんか……凄いです……」
フレデリカ「というより、小梅ちゃんは知らなかったの?」
小梅「は、はい……」
小梅「家ではいつも……え、映画ばっかり見てるから……」
P「小梅は直接会う機会も無かったし仕方ないよ」
穂乃香「所属はNプロなのは知ってましたけど、サバイバルに出てくるなんて……」
P「それと、他に後二人いるみたいだね」
フレデリカ「やっぱり他にもいるんだ」
穂乃香「他にNプロ所属のアイドルなら誰になるんでしょうか」
P「それはわからないね、Nプロの人なら何人か知ってる人はいるけど」
P「今日会ったNPっていうプロデューサーは初めてみたよ」
小梅「私も……は、初めて……」
フレデリカ「フフフーン♪ でもアタシ達が優勝は貰っちゃうし大丈夫だよ」
穂乃香「そうですね、誰が相手でも私達は負けませんから!」
P「とりあえず試合までは休憩時間にしようか」
小梅「Pさん……ま、またどこかにい、行くんですか……?」
P「うん、僕は愛結奈達に会いに行ってくるよ」
フレデリカ「あっ、アタシも行くよ! 一緒に行こっ」
穂乃香「……私は少し気持ちを落ち着かせてきます」
小梅「わ、私は……ど、ど、どうしよう……」
P「小梅達は誰かと一緒に居た方がいいね」
小梅「でも、み、みんな別々だから……」
P「……そうだ、丁度良い相手がいるから呼んでくるよ」
------ 医務室
愛結奈「改めてお帰りなさい、フレデリカ」
歌鈴「お帰りなさいですっ! フレデリカさん!」
フレデリカ「うん、ただいま〜」
P「二人とも、調子は大丈夫かい?」
愛結奈「これくらい問題ないわ、明日になれば治るわよ」
歌鈴「えへへっ! 私も足がガクガクきてますけど大丈夫です!」
フレデリカ「あははっ、やっぱり涼ちゃんの言った通りだね」
愛結奈「涼が何か言ってたの?」
P「二人とも明日になればケロっとしてるからほっといても大丈夫だってさ」
歌鈴「ひひひ酷いです!」
愛結奈「……見事に言い当てられたわね」
フレデリカ「そうそう、ちゃーんと二人にもフランスのお土産買ってきてるよ」
歌鈴「ふぇっ!? 本当ですか、嬉しいですよっ!」
愛結奈「へぇ、珍しく気が利くじゃない」
フレデリカ「今回はちょっと遠出だったからね〜」
フレデリカ「えーっと、凱旋門せんべいにピサの斜塔饅頭っと……」
歌鈴「おせんべいとお饅頭っておもいっきり日本だと思うんですけど……」
愛結奈「それ以前にピサの斜塔はイタリアよ!」
愛結奈「プロデューサーも何か貰ったの?」
P「……アメリカンクラッカーだね」
歌鈴「…………」
フレデリカ「あははっ、プロデューサーってそういうの好きかなって」
P「とりあえず元気そうだし、僕達は行くとするよ」
歌鈴「はいっ! 決勝戦、お願いしますね!」
愛結奈「フレデリカ、プロデューサー。負けたら承知しないんだからね」
フレデリカ「……うん」
P「……フレデリカ?」
歌鈴「ど、どうしたんですかっ!?」
フレデリカ「やっぱりこの空気良いなぁ〜って」
愛結奈「…………」
フレデリカ「アタシ、みんなとまた会えてホントによかった!」
フレデリカ「帰ってきてもちゃんと居場所があったんだなって」
歌鈴「もちろんですよっ! フレデリカさんはずっとEグループの仲間です!」
愛結奈「……バカな事言うわね、アナタの居場所がなくなるわけないじゃない」
フレデリカ「あははっ、でもプロダクションでは最低ランクのチームだけどね〜」
愛結奈「……頑張ってきなさいよ。フレデリカが帰ってきてくれて、アタシ安心してるんだから」
歌鈴「えへへっ! フレデリカさん! 私達の分まで頼みますっ!」
フレデリカ「うんっ! アタシに任せてよっ!」
------ 庭園エリア 屋外
フレデリカ「プロデューサー、ありがとっ!」
P「珍しいね、フレデリカがそんな事言うなんて」
フレデリカ「ちょっとくらいいいじゃーん! むう……せっかく帰ってきたのに!」
P「あははっ、そうだね。どういたしまして」
フレデリカ「いっぱいお返ししてあげるからねっ! これからもプロデュースよろしくーっ!!」
P「うん、こちらこそよろしく」
フレデリカ「にしても広いエリアだね〜」
P「そうだね、このアイドルサバイバルのためだけに用意されたってのも驚きだよ」
フレデリカ「…………」
P「どうしたんだい?」
フレデリカ「ね、あそこにいるのって……」
P「……あれは」
聖來「決めは……うん、この角度っ!」
?「お疲れ様です。はい、ドリンクの差し入れです」
聖來「ありがと! これがあると元気出るよ!」
フレデリカ「やっほー、久しぶりだね〜」
聖來「あれ? Pさんに……フレちゃん! サバイバルに出てたの?」
P「いや、フレデリカは今までフランスに居て、準決勝に戻ってきたんだよ」
聖來「なるほど、それでいなかったんだね」
フレデリカ「聖來さんともLIVEしたかったけどちょっち間にあわなかったなぁ〜」
聖來「ふふっ、凄く楽しかったからまた今度勝負しようね!」
?「あの、水木さん。この方達は?」
聖來「あっ、そっか。知らないよね」
P「知り合いだったのかい?」
?「はい、水木さんとはプロダクションは違いますけど仲良くさせてもらってます」
聖來「この子の作るドリンクすっごく美味しいんだよっ!」
フレデリカ(……誰だろ)
P(なるほど……もう一人は彼女か……)
フレデリカ「アタシは初めて会ったけど……プロデューサーは知ってる子なの?」
P「……栗原ネネちゃんだよね?」
聖來「Pさんも知り合いだったんだ?」
P「いや、こうして会うのは初めてだよ」
栗原ネネ「私の事知ってるんですか?」
P「そうだね、噂程度だけど」
フレデリカ「アタシはSプロダクションの宮本フレデリカ、んでこっちがプロデューサーだよ〜」
ネネ「決勝の相手の方たちですね」
ネネ「今日のLIVEは自信ありますよ! 宜しくお願いします!」
聖來「これは楽しみな対決になりそうだね、二人とも頑張ってよね!」
栗原ネネ(15)
http://i.imgur.com/ZqnuWox.jpg
P「聖來が飲んでいるジュースは彼女が作ったのかい?」
聖來「うん、そうだね。お手製の栄養ドリンクだよ!」
ネネ「運動の後に効果的なハチミツレモンジュースです」
P「それは良いね。うちでも飲ませるようにした方が良かったかな」
フレデリカ「へーっ、アタシはそういうの苦手だから」
P「フレデリカの作ったのはドリンクとは言えないよ……」
聖來「何入れたの?」
フレデリカ「とりあえず、健康そうなものを片っ端から……」
フレデリカ「愛結奈さんも走って逃げる事無いと思うんだけどなぁ〜」
P「もったいないから僕が飲んだんだけど三日程目が冴えて寝れなかったよ」
ネネ「凄い物を作ったんですね……」
フレデリカ「こういうの毎日作ってるの?」
ネネ「はい、みなさんやプロデューサーのためにお弁当なんかも作ってますよ」
聖來「ネネちゃんはそういうのも得意なんだよ!」
ネネ「よくテレビ番組なんかで見て真似してるんです」
P「へー、それ以外にもなにかやってるんだ?」
ネネ「他にも色々と早寝早起きやジョギングしたりなんかしてます」
P「健康思考なんだね、なにかそこまでこだわる理由はあるのかい?」
ネネ「あっ………」
聖來「ストップ! それ以上は聞かないで貰っていいかな?」
フレデリカ「……プロデューサー、止めといた方がよさげだよ」
P「そうだね、失礼な事を聞いてしまったようで申し訳ない」
ネネ「い、いえっ……こちらこそ急に済みません」
ネネ「あっ、そろそろ戻らないと……」
聖來「そうだね、私も由愛ちゃん達の所にいこうかな」
フレデリカ「じゃあ、また決勝の舞台でだね〜」
P「決勝では宜しく頼むよ」
ネネ「はい! 見た人が皆、元気になれるようなステージにしましょうね!」
タッタッタッ
フレデリカ「さっきの顔……何かあったのかな」
P「三船美優もこのサバイバルに対しては凄い気迫を見せていた」
P「彼女も……何かあるんだろうね」
フレデリカ「ん〜、何か釈然としないなぁ〜」
P「分からない事を勘ぐってても仕方ないよ、僕らは僕らでやるだけだ」
フレデリカ「そうだね……」
P(あのNPって人の秘密兵器か……)
ネネ「水木さん、すみません……」
聖來「ううん、かまわないよ」
聖來「でも、Pさん達の事は悪く思わないでね。知らないから聞いちゃっただけだし」
ネネ「そ、それはもちろんです!」
聖來「うん、それじゃあ私も行こうかな。ネネちゃんの事も応援してるね!」
ネネ「頑張ってきます!」
タッタッタッ
ネネ「…………」
prrrrr……
ネネ(あっ、メールだ)
NP『そろそろ出番、帰ってきて』
ネネ「私の出番……」
ネネ(NPさん、私の活躍……あの子はちゃんと見てくれますかね?)
------ 庭園エリア 休憩所
智香「ひゃっほーぅ☆ いよいよ決勝だね! 穂乃香ちゃんを応援しちゃうぞ☆」
穂乃香「…………」
智香「あれっ? 元気ないぞぉ?」
穂乃香「い、いえ……済みません」
智香「えへへっ、穂乃香ちゃんも元気に声を出せば楽しいぞっ☆」
穂乃香「ふふっ、若林さんの元気には勝てませんよ」
智香「あっ、智香で良いよ! こうやって話すのは初めてだけど仲間だもん!」
穂乃香「そうですね、ずっといたのに会わなかったのは何だか変な話ですね」
智香「うーん、グループ分けされちゃったからなぁ」
智香「穂乃香ちゃん達の知り合いならいつきさんやクラリスさんが仲良いかな!」
由愛「あれっ……?」
穂乃香「あなたは……」
由愛「こ…こんばんわ……」
智香「こんばんわ! この子って確かCoolプロの子だよね?」
穂乃香「こんばんわ。えぇ、二回戦でLIVEバトルをした成宮由愛ちゃんですね」
智香「一人でどうしたのかな?」
由愛「こ…ここは人が少なくて…落ちつくんです…」
由愛「それに…ここからだと…よく見えます、ステージ……」
智香「そっか、関係者用の休憩所だから空いてるもんね!」
穂乃香「確かに、最後のステージの近くにありますからね……」
由愛「今日は…お絵かきびより…みなさんもよかったら…いっしょにどうですか……?」
穂乃香「ふふっ、本格的な道具ですね。絵が好きなんですか?」
由愛「うん……水彩画が…好きです……」
由愛「今日は…絵の具を……持ってきたんです……。使い慣れたのが…いいから……」
智香「へぇー、こんな上手く描けるなんて出来上がりが楽しみだねっ!」
由愛「綾瀬さん……」
穂乃香「どうしたんですか?」
由愛「決勝…頑張って下さい……私、応援してます……」
智香「おっ、ここにも応援団がいたんだね!」
穂乃香「どうして私を……」
由愛「綾瀬さん達と…LIVEして……私…とっても楽しかったです……」
由愛「負けちゃったけど……聖來さんや千枝ちゃんも……楽しそうで……」
穂乃香「…………」
由愛「どんなに危なくても……諦めない気持ち……みなさんのステージを見て…思いました」
由愛「私…ひとりじゃないです……綾瀬さん達は…それを……教えてくれました」
智香「し、しっかりした子だなぁ……」
穂乃香「…………」
智香「穂乃香ちゃん?」
由愛「綾瀬さん……?」
穂乃香「二人ともありがとうございます! 私、精一杯やってきますね!」
由愛「……はい…ステージ……楽しみにしてます……」 ニコッ
智香「えへへっ、アタシもだよっ!」
穂乃香(Pさん……私、みんなのためにも優勝します……)
穂乃香(だから、あと少し力を貸して下さい……)
?「やっほー! これは面白そうな人達が集まってるね!」
由愛「あっ……」
穂乃香「あなたは……」
智香「あれ? 誰ですか、この人は?」
?「えーっと……Sプロダクションの綾瀬穂乃香ちゃんだよね。決勝はよろしく!」
?「隣の二人も参加者だよね? 若林智香ちゃんと成宮由愛ちゃんかな?」
由愛「Nプロダクションの…斉藤洋子さんです……」
穂乃香(まさか、こんな所で会うなんて……)
智香「わー、綺麗な人ですね!」
洋子「んー? なになに、私の美肌の秘訣? ん〜やっぱりたくさん運動して、の〜んびり半身浴! コレに限るよね!」
穂乃香「そ、そうですか……」
智香「久美子さんと話がはずみそう……」
由愛「半身浴……」
斉藤洋子(20)
http://i.imgur.com/XTsj5bX.jpg
洋子「まっ、それはともかく楽しいライブにしよう。一緒にいい汗流そうよ!」
智香「アタシは出ないけど……Sプロは負けませんよっ!」
由愛(なんだか……騒がしく…なってきました……)
穂乃香「……一つ良いですか?」
洋子「どうしたの?」
穂乃香「今の言い方からすると決勝戦……出るんですか?」
洋子「あっ……」
由愛「どういうこと…ですか……?」
智香「あれっ? もともとは出ない予定だったの穂乃香ちゃん?」
穂乃香「えぇ、決勝戦の最初のオーダーは三船美優さん1人だけと聞いてます」
穂乃香「つまり、斉藤さんが2回目、3回目のどちらかから出てくるという事になりますね」
洋子「ありゃー……NPさん、ごめんなさい……」
洋子「バレたら仕方ないね! 私も出るから一緒に楽しもうよっ!」
穂乃香「……わかりました」
由愛「綾瀬……さん……?」
穂乃香「もう、Nプロに変な疑問を持つ事はしません」
穂乃香「全力で来るって分かってるなら、全力で迎え撃つだけです」
智香「おー、穂乃香ちゃんが燃えてるね! ファイト!」
prrrr……
智香「あれっ、誰のかな?」
由愛「私…持ってません……」
穂乃香「私も違います」
洋子「私だね……」
洋子「……集合命令、というわけで私は行くね!」
由愛「はい……」
智香「また後で会いましょうね! Sプロは負けませんよっ!」
洋子「決勝で登場なんて、テンション上がっちゃいますね!」
洋子「もう早くLIVEしたくてウズウズしちゃいますよ!」
穂乃香「…………」
智香「すっごく元気な人だったね、アタシもしっかり応援しないとっ!」
由愛「綾瀬さん……どうしたんですか…?」
穂乃香「…………」
穂乃香(斉藤洋子さんに、三船美優さん……)
穂乃香(あと一人は分からないけど、きっと実力のある人なのかな……)
穂乃香(今まで必死で頑張ってきたんだ、ここで負けるわけには……)
穂乃香(負けたら……Pさんが……)
穂乃香「なんでも無いです、なんでも……」
------ 庭園エリア ステージ前
美優「…………」
小梅「あっ……」
久美子「ん? Nプロの三船さんじゃない」
美優「あなた達は……」
久美子「初めまして、私はSプロの松山久美子」
久美子「試合は見させてもらったけど、一人で勝ちあがってくるなんて凄いね」
美優「私は精一杯歌っただけです……」
小梅「み、三船さん……」
美優「小梅ちゃん……さっきは少し感情的になってしまいましたね……ごめんなさい」
小梅「ううん……だ、大丈夫……」
久美子「あれ、小梅ちゃんはもう顔見知りなの?」
小梅「うん……さっき、抽選所で会いました」
久美子「そっか……」
久美子「そういえば三船さんの歌ってる歌。とっても綺麗だったね」
美優「ふふっ、ありがとう……まだちょっとぎこちないですけど……」
久美子「CD出すの? 私あの曲引いてみたいな!」
小梅「久美子さん……楽器で、できるんですか?」
久美子「失礼ね、これでもピアノはちょっとしたもんだよ」
美優「それで、爪を伸ばしてないんですね……」
久美子「…………」
小梅「ど、どうしたんですか?」
久美子「ううん……」
久美子(さっき会ったばっかりなのにそんなとこまで見られてたなんてね……)
美優「小梅ちゃんは……このアイドルサバイバルで優勝したいの?」
小梅「う、うん……」
美優「ふふっ、そうですか……じゃあ、お互い頑張りましょうね」
小梅「み、三船さんは何でNプロダクションに……?」
美優「……心地いいんです……Nプロダクションが……」
久美子「心地いい? 気に入ってるの?」
美優「えぇ、小梅ちゃんや松山さんがSプロに居る理由と同じ理由だと思います……」
美優「好きなんです……みんながいて…あったかくて……」
美優「世間的にはあまり評判はよくないですけど……」
久美子「そう言われたらそうなのかもね……」
美優「小梅ちゃんは……Sプロダクションのみんなは好きかしら?」
小梅「は、は、はい……みんな優しくて、楽しくて……だ、大好きです……」
美優「そう……松山さんはどうですか?」
久美子「ふふっ、プロダクションも色々あるけど私はやっぱりSプロかな」
久美子「その様子だとNプロで色々あったのかな?」
美優「……私は……アイドルになって…新しい私に出会えました……」
美優「ステージに立ったり……他のアイドルの人達と仲良くなったり……」
美優「モノクロだった私の日々が……色づいて……」
美優「だから……この世界を見せてくれたNPさんやみんなのために……私は負けられません」
小梅「…………」
小梅(この人は……み、見つけたんだ……わ、わ、私の見えないもの……)
ポンッ
小梅「久美子さん……?」
久美子「キラキラしてて、とってもキレイだね。三船さん」
美優「…………」
久美子「だけどさ、ここにいる小梅ちゃんも結構凄いよ?」
美優「ふふっ、そうですね……二人とも素晴らしいアイドルなんだなって感じます」
小梅「…………」
久美子「さってと、そろそろ私達も行こうか。小梅ちゃん」
小梅「う、うん……」
美優「また、決勝の舞台で会いましょう……」
小梅「は、は、はいっ……わ、私頑張ります……」
美優「えぇ……お互いに」
タッタッタッ
美優「小梅ちゃんが決勝に……」
美優(あの子の姿……私がまだアイドルを続けるか迷っていたころによく似て……)
美優「そんな相手とLIVEバトルするんだな……」
美優(でも今の私なら出来るって……信じています……)
美優(NPさんも信じて、見守っていて下さいね……)
小梅「く、久美子さん……」
久美子「どうしたの?」
小梅「久美子さんから……見ても…三船さんはす、凄いですか……?」
久美子「そうだね、キレイだし、歌も上手いし……」
久美子「あと何て言ったらいいか、自信に満ち溢れた目をしてるね」
小梅「自信……?」
久美子「うん、アイドルが楽しそうみたいな感じかな……」
久美子「ふふっ、やっぱり生で見ると違うね。あんなキレイな人がいるなんて」
小梅(私は……あ、あの人みたいになれるのかな……)
小梅(アイドルが……楽しくて……みんなのためにが、頑張れて……)
小梅(どうなんだろう……)
------ Sプロダクション ステージ
試合開始1分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :75271
snow drop :62930
穂乃香(最初から1万も票差をリードしている……)
フレデリカ(何か企んでるんだろうけど……なんだろうな〜)
小梅(三船さん……私……ま、まだ答えは見つけられてないけど……)
小梅(精一杯……こ、こ、このステージをやり遂げます……)
穂乃香「迷っている暇は無いですね、最初から全力で行きましょう!」
フレデリカ「フフーン♪ 小梅ちゃん、後ろは大船に乗ったつもりで良いよ〜!」
小梅「う、うん……!」
小梅(みんな……み、見てて下さい……)
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Nプロダクション ステージ
試合開始2分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :82371
snow drop :68302
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
美優「…………」
美優(あんなにしっかりと……力強く歌って……)
美優(やっぱりあの子は凄いな……凄い才能を持ってる……)
美優(少し……小梅ちゃんとLIVEバトルする自分に戸惑いがあったけど……)
美優(ふふ……目が覚めたみたい……)
美優「それなら私も……精一杯…頑張ります!」
------ Nプロダクション 観客席
試合開始3分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :90182
snow drop :75372
NP「…………」
洋子「わーお! 美優さん相手に一歩も引かないなんてやりますね!」
NP「最初に会った時はオドオドしてるなとは思ったけど、大分と顔つきが変わってんな」
ネネ「緊張してきちゃった……NPさん、本当に私で大丈夫なんですか?」
NP「俺と一番付き合い長い癖に毎回それ聞くよね」
ネネ「し、しょうがないですよ!」
洋子「大丈夫ですよ、ネネちゃん! 一緒にいい汗かこう!」
NP「ま、そういうわけだからそろそろ準備頼むわ」
洋子「飾らない自分で、LIVEに挑みます! 全力でぶつかっていきますからね!」
ネネ「NPさん……」
NP「どした?」
ネネ「私、こんなLIVEが出来て本当に嬉しいです」
NP「……頑張ってこいよ」
ネネ「きっと、NPさんも笑顔になるようなLIVEにして見せますね!」
NP「あいよ、行ってらっしゃい」
NP(さーて、どう動いてくるか見せてもらうか……)
------ Sプロダクション ステージ
試合開始4分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :98271
snow drop :82917
小梅「み、三船さん……や、やっぱり凄い……」
穂乃香「一人で歌っているのに全然突き放せない、まさかここまでなんて……」
フレデリカ「だったらこっちが仕掛けていけば突き放せるはずだよっ!」
小梅「わ、わかりました……!」
穂乃香「フレデリカさん、行きましょう!」
フレデリカ「よぉし、小手調べと行こっか〜」
小梅(だ、大丈夫……私には…フレデリカさん達がい、いてくれるから……)
小梅(で、でも……なんで三船さんは…ひ、ひとりなんだろう……?)
小梅(なんで三船さんは…ひとりでも……あんなにた、楽しそうに歌えるんだろう……?)
フレデリカ「フンフンフフーン♪ スカートチラッ♪ なーんて!」
穂乃香「フ、フレデリカさん!!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション 観客席 いつき側
試合開始5分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :115029
snow drop : 90278
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
智香「えへへっ、勢いは完全に小梅ちゃん達にありますね!!」
いつき「はい、会場もだんだん盛り上がってきましたね!」
久美子「ねぇ、なんだかおかしくない……?」
智香「ど、どういう事ですか久美子さん?」
久美子「三船さんは確かに凄いけど……やっぱり一人で出る意味が分からないよ」
いつき「うーん、あるとしたら……会場のボルテージがMAXになる瞬間を待ってるんですかね……」
久美子「それでも1人で出る意味は特にないと思うけど……」
智香「アタシ、そういう難しい事は良く分かりませんけど……」
智香「Pさんに任せとけば、全部オッケーって気がしますっ♪」
いつき「多分、みなさんもそこは警戒してるはずですよ」
いつき「今は小梅ちゃん達を応援しましょう!」
久美子「…………」
久美子(気をつけてね、みんな……)
------ Nプロダクション ステージ
試合開始6分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :122617
snow drop : 98293
美優(やはり……あなた達の熱い想いには……負けるわ……)
美優「あんまり離されると……後が苦しくなるかな……」
美優(どうしてだろう……こんな状況なのに凄く落ち着いてる……)
美優(きっと……NPさんが大丈夫って言ってくれるからなんですね……)
美優(だったら……私も…全力で答えますから……)
美優(これ以上は……)
美優「……させません!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション ステージ
試合開始7分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :130192
snow drop :115019
穂乃香「一気に票数が上がった!?」
フレデリカ「やっぱり普通に歌ってるだけじゃ無かったみたいだね……」
小梅「…………」
小梅(きっと……み、三船さんの影響かな……)
穂乃香「やっぱり手ごわいですね……」
小梅「わ、私が……!」
フレデリカ「うん、小梅ちゃん! 頼んだよ!!」
小梅(うん……大丈夫……ち、ちゃんと歌える……)
小梅(いつきさん達と……LIVEバトルして……わ、私…自信がつきました……)
小梅「聴いて……ください……」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Nプロダクション 観客席
試合開始8分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :155273
snow drop :124721
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
NP「……やっぱりすげえな、惚れ込むやつが多いのも頷けるわ」
兵藤レナ「NPさんお待たせっ! みんなはもうステージに向かったのかしら?」
NP「おっ、来てくれたか。2人とももう行ってるよ」
レナ「そっ、じゃあ私もゆっくり観戦させてもらおうかな」
NP「呑気だね、まぁ出るわけじゃないからかまわないけど」
レナ「あら? 私がそばにいた方が良いでしょ?」
NP「なんで?」
レナ「NPさんにとっての勝利の女神ってヤツ?」
NP「オレの周りには女神が多くて幸せもんだよ」
レナ「ふふっ、まぁ勝負は最後までわからないから面白いんだけどね」
NP「そういえばあっちの方はもう大丈夫なの?」
レナ「頼まれごとならいつでも準備OKよ」
NP「そっか、じゃあ後は待つだけだな」
レナ「状況を見るに……まだ序盤なのに相手は切り札を使っちゃったのね」
NP「あれは初見だったら俺もビビってたかもな……」
兵藤レナ(27)
http://i.imgur.com/SaPMtfu.jpg
------ Sプロダクション ステージ
試合開始9分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :162918
snow drop :131382
小梅「うん……うん……」
小梅(良かった……ち、ちゃんと歌えてる……)
小梅(みんなのき、期待に……こ、答えれてるかな……?)
フレデリカ「思った以上に何にもないね〜」
穂乃香「……多分2回目のLIVEバトルから一気に来るはずです気を抜かないで行きましょう!」
小梅(えっ……じ、じゃあ……み、三船さんはまだほ、本気じゃないのかな……)
フレデリカ(ま、来るとしたらやっぱりそうだろうね……)
穂乃香(この状況でも三船さんは全然動揺していない……)
穂乃香(あれだけ落ち着いていられるのは勝てる自信があるからなんだろうな)
------ Nプロダクション ステージ
美優(もうすぐ……一回目が終わる……)
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
美優「…………」
美優(私の歌で……みんなが喜んでくれて……)
美優(やっぱり……アイドルになって良かったな……)
美優(この楽しい気持ち……大切にしたい……)
美優「後少し……頑張ろう」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ 休憩タイム Sプロダクション ステージ裏
試合開始10分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :168917
snow drop :139871
穂乃香「何とか大量リードで一回目は終われましたね」
フレデリカ「次からあの2人が出てくるんだっけ?」
穂乃香「はい、多分そうだと思います」
小梅「だ、大丈夫……かな……」
フレデリカ「あははっ、大丈夫だよ、小梅ちゃん」
穂乃香「私達3人ならこのままリードを守りきっていけます!」
フレデリカ「そだね、アタシもそう思うな」
小梅「う、うん……」
穂乃香「でも、三船さんのあの落ち着いた振る舞いは気になりますね」
フレデリカ「……会場が盛り上がってるから、次から反撃に来るんじゃないかな〜」
小梅「は、反撃……?」
フレデリカ「うん、気を抜かないようにしないとね……」
小梅(フ、フレデリカさんが……こんな真剣な顔をして……や、やっぱり何かあるのかな……)
小梅(三船さん……わ、私、今は負けたくないって……き、気持ちが凄く強いです……)
小梅(でも……それは……)
小梅「…………」
フレデリカ「どしたの、小梅ちゃん?」
小梅「フ、フレデリカさん……アイドルは…た、楽しいですか……?」
フレデリカ「……アイドルか、アタシは楽しいよ?」
小梅「は、はい……」
フレデリカ「みんなの前で歌って踊って、こんな楽しい事は他にないかな〜」
小梅「そ、そうです……か」
フレデリカ「……ねっ、小梅ちゃん」
小梅「は、はい……」
フレデリカ「困った時や辛い時があるだろうけどね……そんな時はちゃんと前を向くんだよ?」
小梅「ま、前を……ですか……?」
フレデリカ「小梅ちゃんはアタシ達に出会った頃からいっぱい成長してるからさ」
フレデリカ「答えはきっと目の前にあるよ」
小梅「こ、答え……」
穂乃香「そうですね、今の小梅さんは気づいてないだけだと思います」
小梅「…………」
穂乃香「でも、私もそれに気づくのには時間がかかりましたから仕方ありませんよ」
小梅「穂乃香さん……」
小梅(今度はちゃんと答えられるのかな……み、三船さんの質問に……)
『まもなくLIVEバトルを再開します』
穂乃香「時間ですね、この勢いを保ったまま行きましょう」
フレデリカ「よしっ、行くとしよっか〜」
小梅「は、はい……」
小梅(Pさん……わ、私…アイドルサバイバルに出れて……本当に良かった……)
小梅(今まで……見れなかったものがい、いっぱい見れるようになったから……)
小梅(だから…後少しだけ…見守っていてく、ください……)
------ 休憩タイム Nプロダクション ステージ裏
洋子「美優さん! 1回目お疲れ様でした!」
美優「あっ……来てくれたんですね」
ネネ「準備バッチリですよ、張り切っていきましょう!」
美優「ごめんなさい……少し…差を広げられすぎてしまいました」
洋子「これくらいまだまだですよ、充分取り返しがつきますから!」
ネネ「……美優さん」
美優「えっ……?」
ネネ「いよいよ本番ですね! 私も全力で弾けます!」
ネネ「ファンの皆さんがみんな元気になっちゃうような、笑顔の溢れるLIVEにしましょうね!」
ネネ「私、このLIVEは絶対成功させたいから!」
美優「ネネちゃん……」
美優(こんな私でも……大勢の素晴らしい人達がそばにいてくれるんだな……)
美優「行きましょう……みんなで優勝するために……」
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始1分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :177628
snow drop :150127
クラリス「相手のメンバーが増えましたわ……」
涼「今の投票数の差なら誰が出てきても小梅達には追いつけないね!」
社長「まぁ、あんまり楽観視はできないけど確かに安全圏ではあるわね」
P「このまま最後までいってくれたら良いですね」
P(それにしても、栗原ネネ……斉藤洋子……この二人を選んだ理由はなんなんだろう……)
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
涼「みなよ、小梅達のステージにファンのボルテージも最高潮だね!」
P(会場の盛り上がり……それを待ってるのはわかるけど……)
P「!?」
P「し、しまった……!!」
クラリス「ど、どうなされたのですか? P様?」
P「みんな、気を抜かないで全力で行くんだ! 一気に追い上げてくるよ!!」
------ Nプロダクション 観客席
NP「こーも想定通りだとなんだかあっけないな」
レナ「あんまり感心しないわね。勝負相手にあんなにヒントを与えるなんて」
NP「遊びでやってるんじゃないってのは主張しとかないといけねーしな」
レナ「もう、それで負けたら単なるダメ男じゃないの?」
NP「その割にはあんまり心配して無いよな」
レナ「アイドルとしての運命、NPさんに掛けてるもの♪」
NP「そりゃどうも、まぁボチボチ頑張るわ」
レナ「まぁ、メンバーがあの子達って時点で大勝負ってのは気づいてるから」
NP「それ、カンってやつ?」
レナ「カンじゃなくて考えてる事くらい大体わかるだけよ」
NP「……じゃ、そろそろ反撃に移させてもらうとするか」
------ Nプロダクション ステージ
2回目試合開始2分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :191182
snow drop :163120
美優「…………」
洋子「美優さんお待たせしました! この大舞台でダンス出来るんですね! 私、がんばります!」
ネネ「ここからは私達もお手伝いしますね!」
美優「はい……お願いしますね!」
洋子「ボルテージは最高潮です! 逆転しますよー!!」
ネネ「みなさんにも元気分けちゃいます! 一緒に頑張りましょう!」
美優(やっと……ここまで来たんです……今はみんなが居てくれるから……)
美優(小梅ちゃん…この道を……私も行きたいの……私の我侭……聞いてはくれないかしら……?)
美優「……ここからが本当の勝負、です!」
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始3分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :204817
snow drop :190189
小梅「えっ……!?」
穂乃香「お、追い上げられてる!?」
フレデリカ「そっか……そういうわけだったんだね……」
小梅「ふ、フレデリカさん……どういう…こと……?」
フレデリカ「…………」
穂乃香「とにかく、今はステージに集中して行きましょう!」
小梅「う、うん……!」
フレデリカ(あっちはアタシ達に無いものをもってるってことか……)
フレデリカ(ごめん、二人とも……)
------ 医務室
2回目試合開始4分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :220192
snow drop :208716
『snow dropが怒涛の追い上げを見せています!!』
歌鈴「はわわわ、な、なんで追い上げられて!?」
愛結奈「なに……やってるのよ!?」
歌鈴「バックメンバーが追加されただけでこここんなに変わるんですか!?」
愛結奈「あの栗原ネネって子と斉藤洋子って子の二人の影響はかなり大きいわね」
歌鈴「でも……それならこっちには綾瀬さんとフレデリカさんがいますよ?」
愛結奈「……まぁ、二人の実力的には負けてはいないでしょうけどね」
歌鈴「だだだだったら、何で追い上げられて……」
愛結奈「相性の問題よ」
歌鈴「相……性……?」
愛結奈「あっちはバックの二人がメインの力を押し上げてるけど……」
愛結奈「こっちは小梅の力を押し上げれないわ、タイプが違うのよ……」
歌鈴「そ、そんな……じゃあこの勝負は……」
愛結奈「…………」
歌鈴「はぅぅ……み、みなさん負けないでっ!」
愛結奈(そんな事で腑抜けた顔してる場合じゃないわよ、フレデリカ!)
愛結奈(今、小梅を助けられるのはアナタと穂乃香だけなんだからしっかりしなさい!)
------ Nプロダクション ステージ
2回目試合開始5分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :235094
snow drop :226273
洋子「さぁ、まだまだいきますよっ!」
ネネ「もっと声を聞かせてください!!」
美優「頑張りましょう……もう少しで追い抜けます!」
洋子「動きやすい衣装でよかった♪ 気にせず踊れますね!」
ネネ「よ、洋子さんすっごくセクシーです!」
美優(こういうきわどい衣装って……NPさんの趣味なのかな……)
ネネ「どうしたんですか?」
美優「い、いえっ……」
洋子(日もだんだん落ちてきましたね……)
洋子「一夜限りのビューティーナイト、今華麗に幕開けよ! 魅せられちゃって目が離せないかも。ふふん!!」
洋子「さぁ、私のダンスで熱くなってください!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Coolプロダクション 観客席
千枝「ま、まだです……。おねえちゃんたちはみんなで一緒にがんばってるから、負けません!」
由愛「で、でも……勢いが……」
聖來「…………」
千枝「聖來さん?」
聖來「どうしたの?」
由愛「なんで……いきなりこんなに……」
聖來「会場の熱気もそうだけど……Nプロは凄くまとまってるね……」
聖來(いきなり上がったあっちの勢いに小梅ちゃん達が気持ち負けしてるな……)
聖來(とは言え……あれほどまでなんて私も予想外だったけど……)
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始6分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :250281
snow drop :241827
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
フレデリカ「…………」
小梅「こ、こ、このままじゃ……」
穂乃香「くっ! 今の勢いだと一回抜かれると厄介ですね……」
フレデリカ「……みんな、切り替えていこっか!」
穂乃香「フレデリカさん?」
フレデリカ「相手は相手、こっちはこっち、気にしてても仕方ないよ〜」
小梅「…………」
フレデリカ「小梅ちゃん、行こう! アタシも手伝うよっ!」
小梅「は、はいっ!」
フレデリカ(アタシが動いても小梅ちゃんの力にはなれないけど……)
フレデリカ(アタシも負けるわけにはいかないんだよね……)
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始7分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :265391
snow drop :258734
社長「……まずいわね」
涼「3人チーム……これがNプロの本気だっていうのかよ!?」
クラリス「小梅さん達も頑張っていますが、票差が少しづつ……」
P「…………」
P(ここまでだなんて……)
涼「Pサン、何とかならないのか!」
社長「突っ立ってるだけじゃ状況は変わらなさそうよ?」
P「…………」
クラリス「P様……」
P「涼、クラリス……」
涼「どうしたんだよ、Pサン?」
クラリス「何か、あったのでしょうか?」
P「少し……大変な事を頼むけど聞いてくれるかい?」
クラリス「今のみなさんの力になれるのであれば……なんでも問題ありませんわ」
涼「Pサンが考えてるより、アタシはアンタを頼りにしてるよ」
P「ありがとう……今から急いで準備するよ!」
社長(今、この状況を打破できるのはあなただけよ、頼んだわよ……)
------ Nプロダクション 観客席
2回目試合開始8分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :281527
snow drop :278371
NP「さーて、このままほっときゃ勝てるかな?」
レナ「今の調子ならそうでしょうね」
NP「良かったな、今回も予想が当たって」
レナ「私の勝負勘も鈍ってなかったってコトかしら? それとも貴方の眼が良かったってコトかしら」
レナ「ま、まだまだ勝負はわからないわ」
NP「……だろうな」
レナ「あら? まだ何か心配事があるの?」
NP「このままで終わるとは思えないけどね、レナさんもそう思うだろ?」
レナ「ふふっ、どんなに負けてても女には引けない勝負もあるのよ、NPさん!」
レナ「あの諦めていない目、最後のカードはまで切ってないはずよ……」
NP「…………」
------ Nプロダクション ステージ
2回目試合開始9分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :295918
snow drop :295082
ネネ「やった、やりましたよ! 並びました!!」
美優「えぇ……何とか目標は達成ですね……」
洋子「このまま楽しんで勝つっ! これぞ健康の秘訣かもだねっ!」
ネネ「はい! みなさんに元気になって貰いましょう!」
美優「最後は……ネネちゃん…お願いしますね」
ネネ「任せて下さいっ!」
洋子「よぉーし、私も負けてられないですねっ!」
美優「行きましょう……」
ネネ(私の目標は皆を元気にするアイドルですけど……)
ネネ(今日は衣装に負けないよう乙姫らしくNPさんだって歌や踊りで元気づけちゃいますからね!)
ネネ「さぁ、私とLIVEバトルです!」
------ 休憩タイム Sプロダクション ステージ裏
2回目試合開始10分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :311927
snow drop :320293
穂乃香「最後の最後で追い抜かれるなんて……」
フレデリカ「熱気は少し落ち着いてきたけど……何とか相手を出し抜かないとね……」
小梅「は、はいっ……きっと……大丈夫です……!!」
穂乃香「小梅さん?」
フレデリカ「……珍しく強気だね、こんなしっかりした小梅ちゃん初めてみたなぁ〜」
小梅「…………」
穂乃香(なんだろう、小梅さんの凄く真剣な目……)
小梅「フレデリカさん……なんで…悲しそうな顔……す、するんですか?」
フレデリカ「えっ……」
小梅「……じ、自分が力不足だとかお、お、思って無い…ですよね……?」
フレデリカ「…………」
穂乃香「小梅さん……何を言って……」
小梅「答えて……く、くれませんか……?」
フレデリカ「……ま、今の状況じゃアタシは2人のサポートはできて無いかな」
小梅「フレデリカさん……わ、私…本当に何も無かったんです……」
小梅「言われるままにあ、アイドルになって……でも、何もできなくて……」
穂乃香「そ、そんな事はないですよ!」
フレデリカ「なんでそんな話を……」
小梅「そんな時に……Pさんやみ、みんなに出会えて……凄くう、嬉しくて……」
小梅「……ずっとみ、みんなのその背中だけ……お、追いかけてここまできました……」
小梅「う、羨ましかったんです……私だけにで、できること…が……無かったから……」
穂乃香(確かに……最初の小梅さんはそんな感じだったな……)
小梅「私……ほ、ほんとはあ、あ、諦めてたんです……アイドル…サバイバル……」
フレデリカ「えっ……!?」
穂乃香「…………」
小梅「最初は……Pさんに言われたからが、頑張ろうって……そ、それだけだったから……」
小梅「い、いざ出場すると……水木さんやいつきさん……あ、憧れの人達に……お、お、押しつぶされそうで……」
フレデリカ「…………」
小梅「わ、私のために……応援してくれるひ、人がいっぱいいるって……知らないで………」
フレデリカ「小梅ちゃん……」
小梅「でも…今はもう……大丈夫……フレデリカさん、穂乃香さん、歌鈴さん、愛結奈さんが……」
小梅「ステージでは……私のそばにい、いてくれるから……」
小梅「やっと……気づけたこの気持ちが……今でもわ、私の胸の中にいますから……」
穂乃香(これがあの小梅さんなんて……)
小梅「だから……ふ、フレデリカさんも……一緒に……」
フレデリカ「もちろんだよ……」
小梅「私は……ま、まだアイドルが楽しいか……わ、わからないけど……」
小梅「きっと……ぜ、全力でやれば…わ、わかるかなって……」
穂乃香「ふふっ、そうですね……」
フレデリカ「うん……見つかるよ。きっとね」
小梅「だから……私…あの人に……三船さんにか、か、勝ちたい……!!」
小梅「わ、私の周りにも……Sプロダクションにも…いっぱいいっぱい……い、良い人達がいるんだって……!」
小梅「見せてあげたい……です……」
ポンッ
小梅「あっ……」
フレデリカ「ごめんね……でも、おかげ様で気合い入ったよっ!」
穂乃香「そう思ってるのは小梅さんだけじゃないです、私にもお手伝いさせて下さいね……」
小梅「うん……うん……!」
穂乃香「じゃあ、最後のLIVEバトル開始は小梅さんの掛け声で飛び出しましょうか」
小梅「わ、私の……!?」
フレデリカ「小梅ちゃんがリーダーだからね、しっかりとアタシ達を引っ張って欲しいな〜」
小梅「…………」
フレデリカ「ささっ、パーっと勝利宣言しちゃってね」
穂乃香「最初は心配でしたけど、今なら小梅さんと同じチームで良かったと私は思ってます」
小梅「……うん」
小梅「い、行きましょう!……最後の最後……絶対……勝ちます!!」
穂乃香「もう、これ以上好き勝手はさせませんよ!」
フレデリカ「さっきのお返しをさせてもらうからね〜!」
小梅(これが……最後…私……後悔だけはし、したくない……)
>>314
ダチャーンの話は一回書きましたがお蔵入りしました
>>315
ありがとうございます
そう言ってもらえると凄くうれしいです
------ エピローグ レッスン場
ガチャ
小梅「おはよう…ございます……」
愛結奈「おはよっ、小梅」
フレデリカ「おはよ〜」
歌鈴「おはようございますっ! 小梅ちゃん!」
小梅「えへへっ……」
愛結奈「なにニヤついてるのよ?」
小梅「なんだか……いつもに戻ってきたなって……」
フレデリカ「そだね〜、相変わらずのEグループだからね」
歌鈴「あうぅ……私達、頑張ったのに昇格は無しなんですね……」
愛結奈「昨日の今日ってのもあるし、そもそも歌鈴以外は望んでここにいるしね」
小梅「歌鈴さんは……い、いやですか?」
歌鈴「そそそそんなことないですよっ!」
ガチャッ
社長「さぁ、あなた達。ミーティングを始めるわよー!」
小梅「あれ? オカマさん……?」
愛結奈「なんでカマ社長がここに来るの?」
フレデリカ「カマちゃんは嫌みでも言いに来たのかな〜」
歌鈴「あわわ、みなさん……カーマさんに失礼ですよっ!」
社長「変なあだ名を付けてる道明寺が一番失礼よっ!」
愛結奈「で、なんなの? ワタシ達は今日は連絡のために集められただけだと思うけど?」
社長「……まぁ、その連絡事項を私自ら言いに来たのよ」
小梅「な、なにか……あ、あるんですか?」
社長「……コホン、聞いて驚きなさいよ?」
フレデリカ「はしゃいでるね〜、いつもの事だけど……」
歌鈴「何があるんでしょう……」
社長「あなた達はアメリカライブツアーのメンバーに選ばれたわ!!」
小梅「ア、アメリカ……」
歌鈴「ラララライブツアー……!?」
フレデリカ「そんなイベントもあったんだね〜」
愛結奈「へぇー、アメリカライブツアーね……」
歌鈴「知ってるんですか、愛結奈さん?」
愛結奈「フェスやアイドルサバイバルよりも大きなライブイベントね」
愛結奈「10人1組でアイドルサバイバルみたいにLIVEバトルをしていくのよ」
社長「さすが浜川は物知りね」
愛結奈「というか周りが知らなさすぎるのもあると思うけど……」
フレデリカ「アタシは愛結奈さんが知っててくれるならいいかなーって」
歌鈴「わ、私もそう思ってました……」
愛結奈「…………」
小梅「で、でも……10人なら誰が……」
ガチャッ
涼「へへっ、小梅。アタシ達の事を忘れて無いよね!」
いつき「今回は私達も一緒ですよ! 一緒に頑張りましょう!!」
クラリス「私もみなさまと共に行く事になりましたわ」
智香「えへへっ! アメリカでも全力でファンのみんなを元気にしましょうね!!」
久美子「ち、ちょっとみんな押さないでよ!!」
愛結奈「いつき、クラリス、智香、久美子、涼……」
歌鈴「私、愛結奈さん、フレデリカさん、小梅ちゃん……」
フレデリカ「あれっ? あと一人は誰なの?」
社長「綾瀬よ、今日はオフだから来てないだけ」
小梅「す、凄い……10人います……」
社長「さぁ、この10人でアメリカに殴り込みに行くわよ!!」
社長「この前やってくれたNプロもきっと出てくるわ、Sプロのみんなでリベンジよ!!」
小梅「う、うん……うん……!」
智香「オー!! アタシ、燃えてきましたよー!!」
涼「アタシが出るなら好き勝手はさせないよ! 撃ち落としてやるからね!」
愛結奈「また、騒がしいメンツが集まったわね……」
フレデリカ「あははっ、でもやっぱりこうじゃないとね〜」
クラリス「そうですわ。Sプロダクションらしい感じがしてとても良いと思います」
久美子「私はもうちょっと穏やかに行きたいんだけどね……」
いつき「久美子ちゃんもそんな事言わずに、いっぱいレッスンしましょう!」
小梅「そ、そう言えば…Pさんは……?」
フレデリカ「んー、事務所にいるんじゃないかな?」
愛結奈「ミーティングは社長がやっちゃったしね、まぁのんびりしてるんじゃないの?」
歌鈴「えへへっ、きっと忙しいんですよ」
小梅「わ、私…行ってきます……ら、ライブツアーの事言いたいから……」
フレデリカ「うん、アタシ達も後で行くね〜」
社長「…………」
------ 事務所
ガチャッ
小梅「P……Pさん……?」
シーン
小梅「あれっ……?」
小梅(Pさんの机……何も…ない……)
社長「そこの男は退職したわよ」
小梅「えっ……」
社長「彼はもういないわ、そういう約束だったからね」
小梅「い、いない……?」
社長「そう、あなたがアイドルサバイバルで優勝できなかったらクビってね」
小梅「そ、そ、そんな……そんなこと聞いて無いです……」
社長「あら? 聞いて無かったの……」
社長「あなたがそれを聞けばもう少しやる気が出ると思って言ったのに」
社長「結局、誰にも言わないままにしたのね」
小梅「…………」
社長「まぁ、彼はプロダクションが合併してやる気を失くしていたしね」
社長「そこまで優れてるわけでもないし、今までいれただけでも幸運かしら」
小梅「な、なんで……そんな、いじわる言うんですか……?」
社長「いじわるじゃないわ、ホントの事よ」
小梅「う、嘘……Pさんは私とや、や、約束したから……」
小梅「きっと……わ、私をび、びっくりさせようとして……」
社長「そっ、じゃああの男は嘘つきね」
小梅「う、嘘つきって……言うなッ……!!」
社長「…………」
小梅「ふー……ふー……」
社長「……白坂、私はあなたの事をかってるのよ?」
社長「あのプロデューサーではあなたは上には行けないわ」
社長「あなたはもっと自分の才能に自信を持って良い環境で頑張るべきよ」
小梅「うるさいッ!……そ、そんなもの……いらないッ……!!」
社長(こんなに敵意を剥き出しにする白坂は初めてね……)
小梅「こ、こ、こんな酷い事するなら……わ、私…あ、あ、アイドル……や、止めます……!」
社長「あなたも約束を破るの?」
小梅「う、うぅ……」
社長「やっぱりあの男が育てたアイドルはそんなものなのね」
小梅「…………」
ダッ!
社長(やっぱりこういうのは慣れないわね……)
------ 廊下
タッタッタッタッ
小梅(なんで……あ、あんな酷いこと……)
小梅(でも……わ、わ、私が勝てなかったから……)
小梅(ごめんなさい……Pさん…私…が、頑張るから……)
小梅(い、行かないで……!!)
ドンッ!
歌鈴「ふぇっ!?」 ドテッ
愛結奈「か、歌鈴! 大丈夫?」
フレデリカ「今のは小梅ちゃん……?」
歌鈴「あうぅ……いたいです……」
フレデリカ「派手に突き飛ばされたからね〜、気をつけなよ?」
愛結奈「でも、一体何かあったのかしら……?」
------ 商店街
ドンッ!
小梅「!?」
穂乃香「きゃっ!?」
小梅「あっ……ご、ご、ごめんなさい……」
穂乃香「んぐっ……ゴホッ! ゴホッ! 小梅さん、急にどうしたんですか?」
小梅「ほ、穂乃香さん……」
穂乃香「あっ……こ、これですか?」
穂乃香「あの、その……たい焼きが好きですから、ちょっと買い食いを……」
穂乃香「き、今日はオフだし良いかなって……」
小梅「……グスッ……」 ボロボロ
穂乃香「え、えっと……どうしたんですか?」
ダキッ
穂乃香「えっ!?」
小梅「ほ、穂乃香さん……!」
穂乃香「……はい、落ち着きましたか?」
小梅「うん……ご、ごめんなさい……」
穂乃香「でも、いきなりどうしたんですか? 前を見ないで走ると危ないですよ?」
小梅「穂乃香さん……Pさんや、やめるって本当ですか……?」
穂乃香「……もう、行ってしまったんですね」
小梅「し、知ってたの……?」
穂乃香「ごめんなさい、私はアイドルサバイバルの前に聞いていましたから……」
小梅「な、な、何で……教えて……くれなかったんですか……?」
穂乃香「それは、私自身も気持ちの整理がついて無かったからです」
小梅「…………」
穂乃香「……よかったら小梅さんも食べませんか?」
小梅「えっ……」
穂乃香「たい焼き……美味しいですよ?」
小梅「う、うん……」
穂乃香「本当はプロダクションが合併して少ししたらPさんは辞めるつもりだったみたいです」
小梅「P、Pさんが……?」
穂乃香「えぇ、自信が無かったんらしいんです。おかしな話ですよね……」
小梅「…………」
穂乃香「でも、小梅さんに出会ってPさんはもう少し頑張ってみようと思えたらしいですよ?」
小梅「わ、わ、私に……なんで……?」
穂乃香「さぁ……それは私にも教えてくれませんでしたから」
穂乃香「小梅さんが本人の口から聞くのが一番だと思います」
小梅「穂乃香さんは……さ、寂しくないん…ですか……?」
穂乃香「……私はPさんが約束してくれましたから」
小梅「…………」
穂乃香「きっと、また一緒に頑張れる日が来ますよ」
小梅「うん……」
穂乃香「さて、私はそろそろ行きますね。食べた分を少し歩いて運動してきます」
小梅「穂乃香さん……」
穂乃香「どうしたんですか?」
小梅「あ、ありがとう……私……」
穂乃香「ふふっ、良いんですよ。アメリカツアー、頑張りましょうね」
小梅「う、うん……」
トボトボ
小梅「…………」
小梅(Pさん……帰って…来てくれますよね……)
小梅(わ、わ、私……それまでが、頑張るから……)
小梅「…………」
小梅(でも……やっぱり…さ、寂しいです……)
小梅(そ、そんな事……隠してたなんて……)
小梅(いっつも……わ、私の事ばっかり……)
小梅(なんで……そ、そんなに……)
P「……アイドルがそんなに暗い顔をしてちゃ駄目だよ?」
小梅「…………」
P「こんなところでどうしたんだい?」
小梅「…………」
ダキッ
P「小梅?」
小梅「Pさん……わ、わ、私…お、怒ってる……」
P「ははっ、何で怒ってるんだい?」
小梅「勝手に……い、いっちゃうなんて……ひ、酷いから……」
P「すまなかったね、社長との約束を破るわけにはいかなかったから」
小梅「で、でも……!」
P「大丈夫だよ、小梅がこんなに凄いアイドルになったんだ」
P「僕も今は心の底からプロデューサーとして頑張っていきたいと思ってる」
小梅「…………」
P「今はまだ……戻るわけにはいかないけど」
小梅「なんで……な、なんですか……?」
P「……少し、気持ちの整理をつけたいと思ってたからね」
P「今ちょうどその事を話そうとみんなのところに行こうとしてたところさ」
小梅「じ、じゃあ……」
P「社長はいつでも帰ってこいって言ってくれている」
小梅「…………」
P「……待たせてしまう事になってみんなには申し訳ないけど、また一緒に頑張っていくつもりだよ」
小梅「うん……」
P「社長がそんな事言ってたんだ」
小梅「ひ、酷いです……あんなこと…言わなくても……」
P「そう言わないであげてくれないか、社長も考えがあっての事さ」
小梅「考え……なんて…無いです……」
P「多分ね、社長は小梅を僕にけしかけるためにそう言ったんだろうね」
小梅「私……を?」
P「うん、社長には何だかんだで引きとめられたからね……」
小梅「…………」
P「それでも、意志は変わらなかったからきっとまた会わせるように仕向けたんだろうね」
P「僕がプロデューサーを続ける気持ちをくれた小梅にね」
小梅「えっ……わ、わ、私…そんな事してません……」
P「小梅は僕と初めて会った時の事、覚えてるかい?」
小梅「はい……確か…み、道案内したとおもいます……」
P「そうだね……」
小梅『…………』
P『あの、Sプロダクションはこっちであってるかな?』
小梅『は、はい……』
P『君はSプロダクションのアイドルかい?』
小梅『えっ……そ、そうですけど……』
P『そっか、僕もこれからSプロダクションで働くんだ、宜しくね』
小梅『そ、そうなんですか……』
P『うん、しばらくはプロデューサーをさせてもらうつもりだよ』
小梅『プ、プロデューサー……』
P『どうかしたのかい?』
小梅『す、す、凄いです……』
P『えっ?』
小梅『きっと……凄いアイドルをい、いっぱい……プロデュース…するんですね……』
P『…………』
P「あの時、僕は何気ない君の言葉に後少しだけ頑張ってみようと思えたんだよ」
P「だって、自信が無くて迷ってたのに凄いって言ってくれたら答えないわけにはいかないからね」
小梅「…………」
P「小梅や愛結奈、フレデリカに穂乃香、涼」
P「みんなが力を合わせて頑張れるように……せめて、そこまでは僕も頑張ろうって」
P「だから、アイドルサバイバルは良い区切りだったと思うよ」
小梅「そんなこと……な、ないです……」
P「小梅……君は変わったね」
小梅「私が……か、変われたのは……Pさんのおかげだから……」
P「小梅は色んなものを見てきて周りも変わっただろう?」
P「一人で泣いてた君はもうここにはいない」
小梅「…………」
P「だから、前を向いて進むんだ。今の君なら大丈夫さ」
小梅「う、うん……」
P「じゃあ、ここで少しお別れだね」
小梅「や、やっぱり……だ、だめ……!!」
P「小梅……」
小梅「どこでも……ついてく……」
おわり
------ おまけ
フレデリカ「ふーん、やっぱりプロデューサー続けるんだね」
歌鈴「私達、Pさんが帰ってくるまでプロデューサー無しなんですね……」
愛結奈「ま、しょうがないわよ。ワタシ達をまとめれる人がいないし」
小梅「……な、なんでみんなそ、そんなに……落ち着いて……」
フレデリカ「えっ? だって会えないわけじゃないしね〜」
愛結奈「昔のドラマじゃあるまいし、今時連絡をとる手段なんていくらでもあるわ」
歌鈴「でもでも、そういうのって憧れますよねっ!」
愛結奈「そうはいっても、プロデューサーの家ってここから1駅だしそんな感動も無いわよ」
フレデリカ「あははっ、メールでいつでも遊びに来ていいって言ってたし」
フレデリカ「また、みんなでいこっか!」
歌鈴「えへへっ、そうですね! 楽しみにしてます!」
小梅「…………」
歌鈴「あれ? 小梅ちゃん、どうしたんですか?」
小梅(い、い、言えない……忘れてたなんて……) ガーン
ガチャッ
社長「オハロー!!」
フレデリカ「…………」
愛結奈「……誰か反応してあげなさいよ!」
歌鈴「ふぇっ!? むむむ無理ですよあんなの!」
社長「道明寺! 前から思ってたけどあんたサラッと失礼よ!」
小梅「今日は……なんなんですか……?」
社長「あら、小梅ちん。その顔だと気持ちの整理はついたのかしら?」
小梅「うん……Pさんがいつ帰ってきても…だ、大丈夫なように……頑張る……」
社長「ふふっ、そんな小梅ちんに私からアイドルサバイバルを頑張ったで賞よ!」
小梅「えっ……な、何か…あるんですか……?」
社長「ホラー映画好きだったわよね、私の秘蔵をプレゼントするわ」
小梅(こ、こ、このパターンって……)
社長「はいっ、どうぞ!」
ソウデスカ ファイナル
小梅「わっ……ず、ずっと見たかったやつです……!」
社長「ふふっ、手に入れるの苦労したんだから」
小梅「う、う、嬉しい……」
社長「ん? あぁ、ごめんなさい。こっちは私のプライベート用だったわ」
小梅「えっ……?」
社長「はい、本当のプレゼントはこっちよ」
死霊の盆踊り
小梅「あっ……あっ……」
小梅(つ、つ、ついに……私の手に……)
社長「嬉しくて声も出ないのかしら?」
小梅「……ば、爆発しろ……このオカマ……!!」
社長「ひ、酷いわ小梅ちん!!」
愛結奈「初めて本気で怒ってる小梅を見たわ……」
フレデリカ「あははっ、言うね〜小梅ちゃんも」
歌鈴「あの映画、何かあったんですか?」
小梅「…………」ジー
愛結奈「…………」ジー
フレデリカ「…………」ジー
歌鈴「…………」ジー
穂乃香「…………」ジー
愛結奈「勢いで見ようっていったのはいいけど……」
小梅「…………」
歌鈴「ななななんなんですか! この映画!」
穂乃香(なんで私まで付き合わされてるんだろう……)
小梅(やっぱり……み、みんな…そう思うんだ……)
フレデリカ「あははっ、この映画面白いねっ!」
小梅「えっ!?」
おわり
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます
ちらほらと矛盾が見える所があって恥ずかしい限りですが
なんとか書きあげる事ができました
稚拙な文章ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです
このスレはHTML化依頼を出しておきます
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362849464/
モバP「プロダクションが合併して二か月……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363467332/
モバP「プロダクションが合併して三か月……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364140487/
長くなるのでのんびりと書いていきます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367558525
白坂小梅(所属している……プロダクションが……合併した………)
小梅(私の所属するEグループは浜川愛結奈さんと道明寺歌鈴さんの三人……)
小梅「………」ポチポチ
新着メール:1件
小梅「……あっ……」ポチポチ
P『小梅、明日はいよいよアイドルサバイバルだね。頑張っていこう』
小梅「………」
------ レッスン場
ガチャ
小梅「…………」
松永涼「よっす、小梅」
クラリス「おはようございます。小梅さん」
小梅「あ、あれっ……なんで……」
涼「何でも何も明日からサバイバルに出るんだろ? 応援だよ、応援!」
クラリス「ふふっ、小梅さんが頑張れるよう神様にお祈りしてきました」
小梅「あ、あ、ありがとう……ございます……」
涼「頑張ってきなよ、アタシ達も会場に行くからさ」
小梅「涼さん達は……フェス……ど、どうでした……?」
涼「なんだ、見てなかったの?」
小梅「う、うん……レッスンの時間だったから……」
涼「……惨敗だったよ」
小梅「えっ……!?」
クラリス「皆様のお声に応えられない自分を不甲斐なく感じますわ……」
涼「ま、主力がアタシとクラリスしかいなかったからね」
涼「うちの方針はサバイバルに全部賭けてるから頑張ってきなよ!」
小梅「そ、そうなん……ですか……」
クラリス「ふふっ、そう固くならずとも小梅さんならきっと大丈夫ですわ」
小梅「う、うん……」
白坂小梅(13)
http://i.imgur.com/lToZVi4.jpg
浜川愛結奈(22)
http://i.imgur.com/Bqg7Fv1.jpg
道明寺歌鈴(17)
http://i.imgur.com/W9HImn1.jpg
綾瀬穂乃香(17)
http://i.imgur.com/MvOWg4i.jpg
松永涼(18)
http://i.imgur.com/sqtY08T.jpg
クラリス(20)
http://i.imgur.com/orOqCBu.jpg
ガチャッ
P「おはよう。涼とクラリスもフェスから帰ってきたんだね」
小梅「Pさん……お、おはよう……ございます……」
クラリス「おはようございます。P様」
涼「おはよっ、Pサン! やっぱフェスは凄かったよ」
P「……みたいだね、結構荒れた結果にはなったみたいだけど」
P「でも、二人ともしっかりとファンの声援には答えてくれてお疲れ様だったね」
涼「負けはしたけど楽しかったよ、優勝するのはPサン達に任せたからね」
クラリス「当日は私達も会場に参ります。一緒に応援させて下さい」
P「わかった、手配はしておくよ」
小梅「P、Pさん……」
P「…………」
小梅(涼さんと……クラリスさんでも……か、敵わない人達が…いるなんて……)
------
歌鈴「い、いよいよ明日なんですね!」
小梅「が、頑張り……ます……」
愛結奈「今更グダグダ言っても仕方ないわ。気楽に行きましょ」
綾瀬穂乃香「そうですね、大舞台ですけど緊張しない事が大事だと思います」
P「今日、集まって貰ったのは連絡事項を伝えるだけだからすぐに終わらせようか」
P「皆は明日に向けて英気を養って欲しい」
涼「にしても、綾瀬もメンバーに入ってるなんて驚きだね」
穂乃香「そうでしょうか?」
愛結奈「良いんじゃない? 穂乃香が味方ならワタシは楽で良いわ」
クラリス「そうですわね、綾瀬さんはAグループですから頼もしい味方だと思いますわ」
涼「そりゃそうだけどさ……」
小梅「…………」
歌鈴「あれっ? 小梅ちゃん、どうしたんですか?」
小梅「う、ううん……なんでもないです……」
P「じゃあ、まずは分かってると思うけどルールのおさらいだ」
・10分1試合のLIVEバトルを3回行う
・各試合には規定のファン投票数が設定されている
・先に規定のファン投票数を超えるか3回行った結果のファン投票数が多い方を勝ちとする
・バックメンバーはサポートのみ
P「こんなもんかな、サバイバルだからちょっと変則ルールになってるよ」
クラリス「P様、お恥ずかしい話なのですが規定ファン投票数とは何なのでしょうか?」
P「バトル前に決まるボーダーラインことさ」
P「例えば10万と決められているなら先に10万のファン投票数を稼いだ方が勝ちだ」
歌鈴「はうぅ……このルール、何だか嫌なんですよね」
涼「バックメンバーはサポートのみって事は愛結奈さん達は前に出れないの?」
P「歌う事を禁止されているくらいで前に出れないわけじゃないね」
P「得意な事でのサポートはできるけど、メインの小梅より注目は集めれないだろう」
小梅「わ、私が……メイン……」
愛結奈「前から思ってたけど、よくこんなめんどくさいのを考えつくわね」
P「まぁ、フェスとは違う事をアピールして行かないといけないから仕方ないさ」
P「……それと後一つ重要な事がある」
穂乃香「重要な事ってなんですか?」
P「知ってると思うけどサバイバルは勝ち抜き戦だ。負けたらそこで終わりだよ」
小梅「お、終わり……」
穂乃香「…………」
クラリス「それは厳しいですね……」
P「全部で4勝すれば優勝だ、もちろん簡単には勝てないから気をつけて欲しい」
愛結奈「ま、どうせ優勝するからあんまり気にする事も無いわよ」
歌鈴「愛結奈さん、すす凄い自信です!」
涼「何言ってんの、逆に愛結奈サンくらいの自信を持って行かないと」
P「連絡事項はこんなもんだね、後は明日の集合時間に遅れないように頼むよ」
穂乃香「わかりました」
愛結奈「さ、じゃあワタシは遊びにでも行こうかしら」
涼「お、愛結奈サン! アタシも一緒に行って良い?」
歌鈴「私も行きたいですっ!」
クラリス「私もご一緒させて宜しいでしょうか?」
愛結奈「別にそんな面白い事するわけじゃないんだけど……」
小梅「…………」
小梅「あ、綾瀬……さん……」
穂乃香「どうしました?」
小梅「何で……あ、綾瀬さんはEグループに……?」
穂乃香「白坂さんに優勝してもらわないと困る理由ができたんです」
小梅「優勝……わ、私が……?」
穂乃香「はい、白坂さんは目指してますよね優勝を」
小梅「う、うん……」
穂乃香「それなら良いんです。一緒に頑張りましょうね」
小梅「は、は、はい……が、頑張る……」
------ そして、アイドルサバイバル当日…… 正門エリア
P「ここが1戦目の会場か」
歌鈴「わわっ、大きな門ですねぇ!」
愛結奈「わざわざこんなセットを用意するなんて手が込んでるわね……」
穂乃香「今回は雛祭りを題材にしているみたいですね」
小梅「ひ、雛祭り……」
歌鈴「Pさん! 一戦目の相手は誰なんですか?」
P「それはギリギリまで分からないんだよ」
穂乃香「ライブが始まる少し前に抽選でマッチングが行われるみたいです」
小梅「そ、そうなん……ですか……?」
愛結奈「小梅と歌鈴は何も知らないのね……」
小梅「ご、ご、ごめんなさい……」
歌鈴「うぅ……勉強不足でした……」
愛結奈「別に怒ってるわけじゃないから良いわよ」
小梅「す、凄い……ひ、人がいっぱい……」
穂乃香「大きなイベントですから観客の数も凄いですね」
愛結奈「…………」
歌鈴「あれっ? 愛結奈さん、何見てるんですか?」
P「……Coolプロの人達か……愛結奈、分かってると思うけど」
愛結奈「……分かってるわよ」
小梅「ど、どうしたんですか……」
穂乃香「あの人達には私達も浅からず縁があるんです」
歌鈴「ふぇっ! そそそうなんですか?」
小梅「う、恨み……?」
P「違うよ小梅。二人は気にする必要はない、そもそも当たるか分からないしね」
P(Coolプロか……)
歌鈴「そう言えば涼さん達はどうしたんですか?」
P「涼達は社長と一緒にSプロの観客席に居るよ」
P「登録されているチームメンバー以外は控室とかには入れないからね」
愛結奈「社長と一緒なんて涼も可哀想ね……」
P「ははっ、あの人は見た目はオカマだけど面倒見の良い人だから大丈夫だよ」
小梅「Pさん……い、いつきさんは来てくれてるんですか?」
P「…………」
穂乃香「……真鍋さんは敵ですよ」
小梅「えっ……!?」
愛結奈「……Sプロからは2チーム出てるのよ」
愛結奈「一つはワタシ達、もう一つはいつきをリーダーにしたSプロ選抜ってとこかしら」
歌鈴「そそそそれじゃあ、Sプロ同士の戦いも……」
愛結奈「アイドルサバイバルは同門対決もありだからあり得るでしょうね」
小梅「そ、そ、そんな……」
穂乃香「白坂さん、真鍋さんと戦うのは嫌ですか?」
小梅「い、いや……です……いつきさんはお、お世話になった人だから……」
穂乃香「……そうですか」
歌鈴「小梅ちゃん……」
愛結奈(当たらない事を祈るしかないわね……)
P(いずれは当たる壁だけど、小梅がこれを乗り越えられるかはまだ分からないな……)
------ Sプロダクション 仮設控室
ガチャッ
P「ここが控室か」
穂乃香「試合までゆっくりできそうですね」
愛結奈「仮設にしてはまぁまぁね」
歌鈴「見て下さい! このお茶菓子すっごく高級な物ですよ!」
小梅「ソファー……ふ、ふかふか……」
P「みんなは試合の時間までここでゆっくりしてくれると良い」
穂乃香「Pさんは抽選会場に行くんでしょうか?」
P「うん、初戦の抽選がそろそろ始まるからね」
歌鈴「はぅぅ……なな何だか緊張してきました!」
愛結奈「歌鈴、お茶入れてもらって良いかしら?」
P「小梅は僕と一緒に来てくれるかい?」
小梅「わ、私……ですか……?」
P「うん、抽選にはリーダーと一緒に行く必要があるからね」
小梅「う、うん……」
------ マッチング抽選会場
小梅「ゆ、有名な人が……いっぱい……」
P「名の売れたアイドルが集まってるね」
小梅「わ、私……大丈夫かな……」
P「小梅ももうBランクアイドルだから見劣りはしていないよ」
小梅「う、うん……」
P「じゃあ、僕はそろそろ抽選に行ってくるよ」
小梅「わかりました……」
P「多分20分程度で終わるはずだからここで待っててね」
小梅「はい……」
小梅「…………」
小梅(人が……いっぱい……き、緊張する……)キョロキョロ
ドンッ
小梅「あっ……」
女の人「あらっ……大丈夫ですか?」
小梅「す、す、すいません……大丈夫……」
女の人「良かった……迷子かしら?」
小梅「う、うん……Pさんとはぐれて……」
女の人「じゃあ同じですね……私もはぐれてしまったんです」
小梅「そ、そうなん……ですか……」
女の人「えぇ、あなたも参加者なんですか?」
小梅「は、はい……」
女の人「ふふっ、私もそうなんです。お互い頑張りましょうね」
小梅「う、うん……」
男の人「おーい、こんなとこにいたのかよ」
女の人「あっ……すいません。ちょっとボーッとしてて……」
男の人「いや、別にいいけどよ。そこのガキンチョは確か……」
小梅「あっ……」
男の人「お前も参加者なの?」
小梅「は、はい……」
女の人「ふふっ……私と同じではぐれちゃったみたいです」
P「小梅、ここにいたのかい?」
小梅「P、Pさん……」
男の人「お迎えが来たみたいだな」
女の人「良かったですね」
P(この人達……)
小梅「Pさん……ど、どうしたんですか……?」
P「いや……すみません、ご迷惑をおかけしたみたいで」
男の人「気にすんな、オレは何もしてねぇーよ」
女の人「大丈夫ですよ、合流できて良かったです」
男の人「アンタがこのガキンチョの保護者なの?」
P「えぇ……そうですね」
男の人「……ふーん、まぁお互い頑張ろうや」
女の人「また……会えると良いですね」
小梅「う、うん……」
P(まずいな……想像以上に厄介だぞ、このアイドルサバイバル……)
------ Sプロダクション 仮設控室
ガチャッ
穂乃香「白坂さん、Pさん。お帰りなさい」
愛結奈「どうだったの、プロデューサー」
P「……うん、一戦目はさほど有名じゃないプロダクションのチームだね」
歌鈴「だだだ大丈夫、そうですか?」
P「うん、いつも通り行けば大丈夫な相手だと思う」
小梅「Pさん……わ、私…頑張ります……」
P「その意気だ、期待しているよ」
歌鈴「そう言えばメンバーはどうするんですか?」
P「基本的には小梅、歌鈴、愛結奈の3人で行くつもりだね」
愛結奈「穂乃香はどのタイミングで入るの?」
P「穂乃香に関しては自分の判断で動いてもらおうと思っている」
小梅「ど、どういう……事なんですか……?」
P「穂乃香が自分で助けたいと思った時、その時は力を貸してほしい」
穂乃香「……わかりました」
歌鈴「な、何だか良くわかりませんけど一緒に頑張りましょうね!」
小梅「あ、綾瀬さん……よ、宜しくお願いします……」
穂乃香「えぇ、頑張りましょう」
愛結奈(穂乃香と小梅の関係を考えたら無理に出すよりはマシよね……)
------ 初戦開始前 Sプロダクション ステージ裏
P「みんな、準備はできたかい?」
歌鈴「は、はいっ! この鈴はこんな感じですか?」
P「そうだね、それであってるよ」
歌鈴「いやぁ、私がこんなステージに立てるだなんてそんな恐れ多いですよぉっ!」
歌鈴「で、でもっ、私を選んでくれた人たちのために、精一杯、歌鈴スマイルで頑張りますからね!」
P「うん、歌鈴ならきっと大丈夫だよ」
P(小梅、歌鈴の二人の実力は充分だ……後は……)
愛結奈「……どうしたの、プロデューサー。さっきからジロジロ見て」
愛結奈「それだけワタシが魅力的ってことかしら? 悪い気はしないわね」
P「愛結奈、二人を頼んだよ」
愛結奈「……あんまり期待されても困るわ」
P「ははっ、ごめんごめん」
愛結奈「ま、あの二人なら大丈夫だと思うけど、プロデューサーが心配ならフォローはしとく」
P「ありがとう、助かるよ」
P(実力、精神面共に強い愛結奈がいてくれて助かったな……)
穂乃香「始まりましたね……」
P「うん、ここから僕達の声は小梅達に届かない。後は見守るだけさ」
穂乃香「…………」
P「じゃあ、僕は観客席に移動するよ」
穂乃香「この試合はすぐに終わりそうですけど、移動するんですか?」
P「試合が始まったら参加メンバー以外はここにいちゃいけない事になっている。僕も例外じゃない」
穂乃香「わかりました、また後でそちらに向かいますね」
P「うん、わかった。待ってるとするよ」
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます
ちょっと用事ができたのと
一戦目終了なのでここでいったん区切ります
書き溜めしていませんが
ちょくちょくと更新して行くつもりです
P(Coolプロに勝つためにはみんなが団結して全力を出せる事が大前提だ……)
P「……とりあえず今から自由時間にしよう。試合までは時間があるから各自リフレッシュして欲しい」
愛結奈「ちょっと、外の風に当たってくるわ……」
バタン
小梅「あ、愛結奈さん……」
穂乃香「Pさん、愛結奈さんは……」
P「わかってる、何とかするつもりだよ。みんなは今は気にしなくてかまわないよ」
歌鈴「はぅぅ……じゃあPさん、ちょっと会場を一緒に回りませんか?」
P「かまわないけど、何かあるのかい?」
歌鈴「私、まだ道がよくわからなくて迷子になりそうなんですっ!」
P「わかった、一緒に行こうか」
P「二人はどうするんだい?」
小梅「わ、私……ちょっと行きたい所が……」
穂乃香「私は特に何もなければここに居ます」
P「……じゃあ、穂乃香。小梅と一緒に行動してもらって良いかい?」
穂乃香「私がですか?」
P「ここは人が多いし道も複雑だからね、できたら複数人で行動してほしいんだ」
小梅「綾瀬さんがいてくれると……あ、安心です……」
穂乃香「わかりました。白坂さんと一緒に行くようにします」
P「すまないね。じゃあまた後で集合しようか」
------ 廊下エリア 裏口
愛結奈(はぁ……あんな事で取り乱すなんてどうかしてるわ……)
愛結奈(久々にプロデューサーに怒鳴られたな……)
聖來「こんにちわっ! 久しぶりだねっ!」
愛結奈「…………」
聖來「どうかしたの?」
愛結奈「アナタのそういう性格が羨ましくなっただけよ」
聖來「ん? どういう事?」
愛結奈「独り言よ、気にしなくて良いわ」
聖來「何か含みのある言い方するね……」
愛結奈「で、こんな所で何してるの? ワタシと同じでブラブラしてたのかしら?」
聖來「アタシはちょっと身体を動かそうかなって! ライブまで待ちきれないよっ!」
愛結奈「相変わらず元気ね、本番でバテ無いことを祈るわ」
聖來「レッスンのお陰で以前よりスタミナもついたよ!」
愛結奈「前々からスタミナは結構あったんじゃないの?」
聖來「ううん、アタシはダンス以外はからっきしだったんだよっ!」
愛結奈(とてもそうは見えないわ……)
聖來「それにしてもこの会場は広くて大きな道がいっぱいあるねっ!」
愛結奈「そうね、よくこれだけのスペースを使えたものね」
聖來「わんこと散歩するには最適の道だよね」
愛結奈「ワタシは馬に乗って走りたいわ」
聖來「あぁ……わんこに会いたいな……」
愛結奈「連れてきてないの?」
聖來「わんこも連れて来たかったーっ!」
愛結奈「……アナタのイヌ好きは知ってるけど、そこまで行くと中々のものね」
聖來「あっ、そうだ! 浜川さんも一緒にダンスして行かない?」
愛結奈「ワタシが? 何のために?」
聖來「ふふっ、こういうのって相手がいると燃えるでしょ?」
愛結奈「あまり気が乗らないわね……」
聖來「そう? じゃあ一人でやろうかなっ! 浜川さん達に負けられないからね!」
愛結奈「…………」
聖來「トップに立つのはアタシだよっ!」
愛結奈「……やっぱりやるわ」
聖來「ふふっ、じゃあ早速始めようよっ!」
愛結奈「腕はなまってないわよね? 手加減はしないわよ?」
------ 会場 売店付近
歌鈴「うわぁー、凄い数の出店ですねっ!」
P「お祭りと変わらないからライブステージ以外の場所はこういうのが多いみたいだね」
?「うぅ……」 キョロキョロ
歌鈴「あれっ? あんな所に女の子が一人でいますけど迷子ですかね?」
P「あの子は確か……」
歌鈴「Coolプロの子ですけど助けた方が良いですよねっ! あ、でも接触は禁止されてるんでしたっけ?」
P「いや、もう試合開始が近いから大丈夫だよ。とりあえず声をかけてみようか」
P「君は成宮由愛ちゃんだね、道に迷ったのかい?」
由愛「だ、誰ですか……?」
P「僕はSプロダクションのP、そしてこの子がうちのアイドルの道明寺歌鈴だよ」
歌鈴「えへへっ、初めましてっ!」
由愛「Sプロダクションって言うと……次の……」
P「そうだね、対戦相手になるかな」
由愛「お、お願いします……!」
歌鈴「こちらこそですよっ! 私もいっぱいLIVEを楽しんじゃいます!」
P「君の所のプロデューサーさんは来ていないのかい?」
由愛「うん……CoPさんはフェスの後始末でこれないって……」
歌鈴「そうなんですか、でも偉いですね! 一人だけでここに来るなんて」
由愛「ひとりでも、頑張るの……!」
P(大人しい性格みたいだけど、芯の強さを感じるな……)
P「……それにしても、君はこんな所でどうしたんだい?」
由愛「えっと……出店が楽しそうだなって」
歌鈴「はぅぅ……何かPさんについて来てもらった自分が恥ずかしいですっ!」
P「ははっ、良かったら一緒に回るかい?」
由愛「良いん……ですか」
P「かまわないよ、人が多くて危ないから大人と一緒に回った方が良い」
由愛「うん……じゃあ、お願いします」
歌鈴「こういうのはみんなでワイワイやるのが楽しいですよねっ!」
歌鈴「えへへっ、甘くて美味しいですね!」
由愛「りんご飴……食べるの、初めてです……」
P「へぇー、そうなんだ」
由愛「昔から人がいっぱいいるところ苦手で……お祭り来たことなかったから……」
歌鈴「でも、今日は一人で来てましたよね?」
由愛「うん……一人でもちゃんと頑張れるって、聖來さん達に見せたかったから」
P「……君は何でアイドルになったんだい?」
由愛「な、なんでですか?」
P「ちょっとした興味本位さ、答えたくなければ言わなくても大丈夫だよ」
由愛「えっと……私はアイドルとか……するつもりないのに……マ、ママが勝手に応募して……」
歌鈴「か、勝手に応募されたんですかっ!?」
由愛「うん……最初は嫌だったけど……ずっと私を見てくれた……CoPさんのためにも……頑張りたい」
由愛「それに……アイドルを続けて、絵以外にも……楽しいこと……見つかりました」
P「……なるほどね、ありがとう。君の夢が叶うよう応援してるよ」
由愛「ありがとう……ございます」
歌鈴「私はスカウトされたんですけど、そういう経緯でアイドルになった子もいるんですねぇ……」
P「まぁ、今はオーディションなりスカウトなり色々窓口はあるからね」
P「これで一通り回ったかな」
歌鈴「ふぇぇ……ちょっとお腹が重たいです……」
由愛「えへへ……歌鈴さん、凄く食べてましたから」
歌鈴「そそそんなに食べて無いですよっ!」
P「ライブの時間も近づいてきたし、君もそろそろ戻った方が良い」
由愛「はい……ありがとうございました」
歌鈴「こちらこそ、楽しかったですっ!」
由愛「ステージ、楽しみです……」
P「そうだね、僕達も楽しみにしているよ」
由愛「全力でお願いします……!」
歌鈴「えへへっ、私達は負けませんよっ!」
タッタッタッタッ
歌鈴「何だかステージの上とは全然雰囲気が違いましたね」
P「アイドルといっても普段は普通の女の子だから」
歌鈴「あの子とLIVEバトルをするんですよね……何だか変な感じです……」
P「うん……ステージの上じゃ対戦相手になるのか……」
------ 廊下エリア 休憩所
穂乃香「白坂さん、行きたい所ってここだったんですか?」
小梅「う、うん……ここ何か出そうだから……」
穂乃香「本当に好きなんですね……」
小梅「綾瀬さんは……な、何が好きなんですか……?」
穂乃香「私は趣味も特技もバレエですね」
小梅「そうなん……ですか……う、羨ましい……」
穂乃香「そうですか?」
小梅「うん……真剣にお、お仕事考えてるんだなって……」
穂乃香「真面目とよく言われます……」
小梅「で、で、でも……やっぱり綾瀬さんはす、凄いです……」
穂乃香「ふふっ、褒められるのは素直に嬉しいです。ありがとう」
佐々木千枝「あ、あのっ! もしかしてSプロの人達でしょうか?」
小梅「あっ……」
穂乃香「あなたはCoolプロの……」
千枝「は、はじめまして、佐々木千枝です」
穂乃香「初めまして、綾瀬穂乃香です」
小梅「し、白坂……小梅……」
千枝「よ、よかったぁ〜。怖い人だったらどうしようって、ちょっと泣きそうでした」
千枝「やさしそうな人達で安心ですっ!」
穂乃香(こうやって会うのは初めてだけど、礼儀正しい子なんだな……)
千枝「千枝と……LIVEバトルをしてくれるんですよね……? よ、よろしくお願いします!」
穂乃香「はい、お互い頑張りましょう!」
小梅「よろしく……お、お願いします……」
穂乃香「千枝さんも、休憩中ですか?」
千枝「はいっ、一回目のLIVEが終わって……少しホッとして……」
千枝「小梅さん達もそうなんですか?」
小梅「わ、私達は……ムグッ!」
穂乃香「え、えぇ……そうですよ! 少し休憩です!」
穂乃香「初対面の人を怖がらせちゃ駄目ですよ……」 ヒソヒソ
小梅「ご、ご、ごめんなさい……!」 ヒソヒソ
千枝「どうかしたんですか?」
穂乃香「い、いえっ!? な、何でもないです……」
千枝「あの、Sプロさんにはすっごくセクシーな人がいましたよね?」
穂乃香「愛結奈さんの事ですか?」
千枝「あっ、そうです。千枝もあんな風に大人になりたいです!」
小梅「お、大人……?」
千枝「はいっ! 早くオトナになってCoPさんにふさわしくなりたいな!」
穂乃香「……白坂さんの周りってこんな感じの子が多いんですか?」
小梅「わ、わかんない……ど、どうしてですか……?」
穂乃香「いえ、最近のこの歳頃の子ってこんな積極的なのかなって……」
千枝「綾瀬さんも大人になる秘訣があったら千枝にいっぱい教えてください!」
穂乃香「わ、私ですか!? えっと……千枝さんは今のままでも充分魅力的だと思いますけど……」
千枝「今のままの千枝でも、魅力的……ですか?」
小梅「う、うん……わ、私もそうだとお、思う……」
千枝「あの……ありがとうございます。て、照れちゃいます……」
千枝「あっ、そろそろ千枝は行かないといけないです」
小梅「そう言えば……時間が……」
穂乃香「私達もそろそろ戻りましょうか」
千枝「えっと……LIVEバトルでは宜しくお願いします!」
小梅「こ、こちらこそ……よろしく……」
千枝「CoPさんに応援してもらったから千枝はいっぱいいっぱい頑張れるんです!」
小梅「応援……」
千枝「千枝は全力の全力でLIVEバトルします!! ま、負けませんよっ!」
穂乃香「ふふっ、私達も負けませんよ」
小梅「…………」
千枝「じゃあ、千枝はもう行きますね! 楽しみにしてます!」
------
穂乃香「……白坂さん、あの子に勝てますか?」
小梅「わ、わ、わからない……」
穂乃香「次に戦うのはあの子のチームですよ?」
小梅「で、でも……」
穂乃香(まだ、勝った負けたの勝負事には迷いがあるか……)
------ 廊下エリア 裏口
P「歌鈴、お腹の調子はもう大丈夫かい?」
歌鈴「だ、だからそんなに食べてませんってば!」
P「そ、そっか……まぁもう少しで本番だから身体は本調子にしとかないとね」
歌鈴「次はCoolプロなんですよね?」
P「そうだね、このサバイバルでも屈指の強敵だよ」
歌鈴「き、緊張してましゅ……はぅぅ……」
P「…………」
歌鈴「Pさん?」
ダッ
歌鈴「はわわっ! ま、待って下さいよ!」
聖來「ね、言った通りでしょ? たくさん練習したんだから!」
愛結奈「はぁ……はぁ……」
愛結奈(まさかここまで成長しているなんて……)
聖來「この調子でLIVEバトルも勝たせてもらうからね!」
愛結奈「まだよ……」
聖來「?」
愛結奈「後1回分くらいは時間はあるわ」
聖來「よぉし、やろう! やろう!」
P「そこまでだよ!」
愛結奈「!?」
聖來「わわっと、Pさん!?」
歌鈴「こ、これ、どどどうなってるんですか!?」
P「お楽しみのところ悪いけど、これ以上は許可できないな」
聖來「あー、それなら仕方ないね。続きはLIVEバトルでねっ!」
愛結奈「……良いタイミングで出てきたのね」
P「愛結奈……彼女の言うとおり続きはLIVEバトルでだ」
愛結奈「わかったわよ……」
歌鈴「あぅぅ……もう何が何だかわかりませんよっ!」
愛結奈(どうせもう1回やっても結果は同じだったしね……)
------ そして、2回戦開始前 Sプロダクション ステージ裏
P「さて、いよいよCoolプロとの対決だね」
小梅「うん……がんばってくる……!」
歌鈴「Pさんに恥ずかしいところ見せられませんから。えへへ、私のステージ見ててください!」
愛結奈「さぁ、もう負けないわよ!」
穂乃香「みなさん、頑張ってきて下さい」
小梅「あ、綾瀬さんは……ま、まだ出ないんですか……?」
穂乃香「そうですね……私は補欠みたいな役割ですから」
愛結奈「穂乃香には状況を見てもらう役割もあるし、控えでも心強いわ」
歌鈴「そうですね、Pさんもいないし私達も相手のステージばっかり見てられませんからねっ!」
小梅「な、なるほどです……」
P「そろそろだね、ステージに出る準備を始めてくれ」
P「……小梅」
小梅「は、はい……どうしたんですか……?」
P「この勝負は君に全てがかかっている」
小梅「わ、わ、私……!?」
P「そうだね、チームのリーダーとしてみんなを引っ張っていってくれ」
小梅「そんなこと……で、できません……」
P「なに、難しく考える必要は無いさ」
P「普段からみんなをよく見てる小梅なら、みんなの事をよくわかっているはずだ」
小梅「みんなの事……ですか……?」
P「それを教えてあげれば良い」
小梅「…………」
P「……小梅ならきっとできる」
小梅「Pさんが……き、期待してくれるなら…が、がんばる……」
P「あぁ、僕も観客席から応援しているよ」
P(小梅には僕の持てる全てを教えてきたつもりだ……頼んだよ……)
------ Coolプロダクション ステージ裏
聖來「ふふっ、どうかな? セクシー?」
千枝「はわぁー、聖來さんすごい……」
由愛「わわわ……新しい衣装ですか?」
聖來「へへー、いつまでもファンやCoPさんを飽きさせない存在でいないとねっ!」
聖來「さってと、二人とも準備は良いかな?」
由愛「緊張するけど……が、頑張る……」
千枝「ほんきのほんきですっ!」
聖來「ま、今日はCoPさんいないけど……」
聖來「みんなで頑張って優勝トロフィーお土産にしちゃおっか!」
千枝「CoPさんとの練習思い出しました……。うん、千枝は絶対大丈夫ですっ!」
由愛「ドキドキして……でもワクワクします……」
聖來「よしっ! シビれるLIVEにするよ!」
------ Sプロダクション 観客席
試合開始1分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :72619
ハートビートピクシー :71029
P「始まったね……」
涼「なぁ、Pサン。勝算はあるの?」
P「実力で言えば五分五分だからね、勝敗を分けるとしたらどう動くかかな」
クラリス「先程と違って緊迫した空気ですわね……」
社長「まぁじっくりと見させてもらいましょ。どこまで通用するかをね」
P(落ち着いていけば負けてないんだ……今はそれを信じるしかない……)
------ Sプロダクション ステージ
試合開始2分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :82912
ハートビートピクシー :80291
歌鈴「滑り出しは順調みたいですねっ!」
愛結奈(さてっと、さっきの借りを返させてもらおうかしら)
愛結奈「小梅、歌鈴! ダンスでアピールするわよ!」
小梅「えっ……!?」
歌鈴(愛結奈さん、もしかしてさっきのこと……)
愛結奈「二人ともしっかりとついてきなさいよ!」
小梅(そ、そ、そんな……愛結奈さんのダ、ダンスに……)
------ Coolプロダクション ステージ
試合開始3分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :90281
ハートビートピクシー :87621
聖來「今日はみんな絶好調だね!」
由愛「みんな……喜んでくれるかな……」
千枝「はりきっちゃいます!」
由愛「でも……あの人凄いです……」
聖來「ふふっ、じゃあ私に任せてよっ!」
聖來(でも、あんなの初めてみたかも……創作ダンスかな?)
聖來(……ちょっと拝借させてもらおっかな!)
聖來「いっくよぉーっ!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション ステージ
試合開始4分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :99837
ハートビートピクシー :95039
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
愛結奈「なっ!?」
愛結奈(ワタシのダンスを真似て……)
歌鈴(あ、あの人……一瞬見ただけで覚えて……)
小梅「や、や、やっぱり……歌で……」
愛結奈「水木聖來との対決……もちろんするわよね? LIVEでファンに認められるのは私よ!」
小梅「で、でもこのままじゃ……」
歌鈴(小梅ちゃんの言うとおり……抜かれるのは時間の問題……)
愛結奈「もっとアピールすればいいのよ! ついてこれないくらいにね!」
小梅(ど、ど、どうすれば……いいの……)
------ Coolプロダクション ステージ
試合開始5分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :107281
ハートビートピクシー :104039
聖來「悪いけど、ステップはカンペキに覚えたよっ!」
由愛「聖來さん……凄い完璧です……!」
千枝「あわわっ……。千枝……まだまだでした……」
聖來「ふふっ、ダンスはばっちり!」
聖來(じゃ、これにオリジナル要素もちょっと足していこうかな!)
聖來「由愛ちゃん、千枝ちゃん! 盛り上げて行こうねっ!」
由愛「が、頑張ります……」
千枝「千枝もせいいっぱいLIVEバトルします!」
聖來「アタシの真骨頂見せてあげる!」
------ Sプロダクション 観客席
試合開始6分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :115049
ハートビートピクシー :113293
P「…………」
涼「流石、愛結奈サンだな、Coolプロにも見劣りしてないよ!」
クラリス「でも、何だか小梅さん達の様子がおかしいですわ……」
社長「あらあら、これは酷いわねぇ。このままじゃ負けるわよ」
涼「何言ってんだよカマサン。小梅達のアピールが凄いじゃない?」
社長「へ、変なあだ名付けないでちょうだいよ!」
クラリス「P様、どういうことでしょうか?」
P「愛結奈のアピールは確かに凄い、水木聖來に引けをとってはいない」
P「逆に言うと愛結奈しか凄くない。メインの小梅と愛結奈に合わせてる歌鈴は完全においてけぼりだ」
P「それに水木聖來の動きは徐々に愛結奈を上回っていってる」
社長「それに比べてCoolプロはバックメンバーの二人が歌でメインをサポートしてるのよ」
社長「バックとメインの役割分担がハッキリしている分、乱れを感じないわね」
涼「た、確かに小梅達の動きはそんな感じがするな……」
クラリス「何か打開策はあるのでしょうか?」
P(元より1回目は捨てるつもりだ……1回目が終わった時が勝負だ……)
------ Coolプロダクション ステージ裏
試合開始7分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :119273
ハートビートピクシー :122782
聖來「おっ、やっと追い抜けたね!」
千枝「千枝、がんばりますよ!」
由愛(ファンのみんな……笑顔で……嬉しい)
聖來「ここからは自前のダンスで勝つからね!」
聖來(ふふっ、浜川さんはやっぱり凄いな、アタシについてこれるなんて早々いないからね!)
聖來(でも、アタシも最高にクールなダンスで、みんなを盛り上げちゃうから!)
聖來「アタシは止められないよー!!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション ステージ
試合開始8分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :124937
ハートビートピクシー :136382
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
愛結奈(ま、またペースを上げてきたの!?)
愛結奈「小梅! もっとダンスでアピールしていくわよっ!」
歌鈴(ま、まだダンスをするんですかっ!?)
歌鈴「わわっ……愛結奈さん! は、早いですよっ!」
小梅「あ、愛結奈さん……」
小梅(い、い、今は……あ、愛結奈さんに合わせてダンスを……)
------ Coolプロダクション ステージ
試合開始9分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :130297
ハートビートピクシー :142012
聖來(アタシ達のパフォーマンスが通用するってとこ、見せつけちゃうよ!)
由愛(えがお……えがお……)
聖來「千枝ちゃん! 勢いを止めずにこのままいくよっ!」
千枝「はいっ!」
千枝(ドキドキするけど……楽しみです)
千枝「千枝の魔法で、今日はみなさんを夢の世界に連れてっちゃいます! いっぱい楽しんでいってください!」
千枝「千枝の魔法で笑顔になぁれっ!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ 休憩タイム Sプロダクション ステージ裏
試合開始10分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :139120
ハートビートピクシー :153648
穂乃香(千枝さんの駄目押しでさらに差を広げられた……)
愛結奈「はぁ……はぁ……」
穂乃香「みなさん、お疲れ様です! 今から5分間身体を休めて下さい」
歌鈴「うぅ……こ、このままじゃ……」
小梅(駄目……全然か、敵わない……)
穂乃香(愛結奈さんの動きに二人がついていけなくてちぐはぐになっていますね……)
歌鈴「どどどうしましょう! おされてますよ!?」
愛結奈「どうするも何も、もっとハイペースでアピールしていくしかないわ」
小梅「そ、それだと……つ、つ、ついていけない……」
穂乃香(これ以上ペースを上げても自滅するのが目に見えるのに……)
歌鈴「わ、わかりました……私、頑張りますっ!」
小梅(P、Pさん……ど、どうしたら……良いんですか……)
穂乃香「……愛結奈さん、交代しませんか?」
愛結奈「なに? ワタシのせいで負けてるって言いたいの?」
穂乃香(本当はこんな事言いたくないんですけど、ごめんなさい愛結奈さん……)
穂乃香「嫌われる覚悟でハッキリ言わせてもらいます。その通りです!」
愛結奈「ワタシはまだやれるわ、次はこっちのペースに持ち込んでやるんだからっ!」
穂乃香「それが駄目だと言ってるんです! 一人でライブしてるんじゃないんですよ!?」
歌鈴「ふふ二人とも! や、やめてくださいよぉっ!」
小梅「あっ……」
小梅(綾瀬さんと……愛結奈さん……な、仲良いのにけ、喧嘩して……)
愛結奈「穂乃香……ワタシに指図するなんて偉くなったわね」
穂乃香「今の愛結奈さんは尊敬できませんから」
小梅(い、い、嫌……こ、こ、こんなの……)
ペチン
愛結奈「!?」
穂乃香「えっ?」
小梅「あ、あ、愛結奈さん……だ、だ、駄目っ……!」
歌鈴「こここ小梅ちゃん!?」
愛結奈「小梅……?」
小梅「わ、わ、私……愛結奈さんの事だ、大好きです……」
小梅「い、いつも格好良くて……わ、私の事し、心配してくれて……」
小梅「私、こ、こんな事言うの……い、嫌だけど……」
小梅「今の愛結奈さんは……き、き、嫌いですっ……!!」
穂乃香「白坂さん……」
歌鈴「うぅ……」
愛結奈「…………」
愛結奈(そっか……ワタシ一人のせいで……みんなに迷惑をかけてたのね……)
愛結奈「……ふぅ、まさか小梅に平手打ちを食らう日がくるなんてね」
小梅「ご、ご、ごめんなさい……!」
愛結奈「ありがと、今の一発で目が覚めたわ」
歌鈴「あ、愛結奈さん……お、怒ってませんよね?」
愛結奈「怒ってないわよ。ごめんなさいね、小梅、歌鈴、穂乃香」
小梅「…………」
穂乃香「私の方こそすみません。生意気言ってしまって……」
愛結奈「かまわないわよ。ちょっと熱くなりすぎたわ、ワタシもまだまだね……」
小梅「じゃ、じゃあ……!」
愛結奈「諦めたなんて言わせないわよ? この勝負、3人で勝ちに行くんだから!」
歌鈴「は、はいっ! ここから3人で逆転しちゃいましょう!」
穂乃香「でも、今から逆転となるとやはり相手の勢いを抑えないといけませんね」
愛結奈「……冷静になったら良い方法を思いついたわ」
小梅「い、良い方法……?」
愛結奈「ワタシの考えを聞いてくれる?」
歌鈴「もちろんですっ! 何でも言って下さい!」
小梅「は、はいっ……」
----- 説明中 -----
歌鈴「なるほど……いけるかもしれませんね!」
穂乃香「こっちに司令塔がいないということは相手にも司令塔がいませんから」
穂乃香「その作戦は有効だと思います」
愛結奈「ちょっと小梅の負担が大きいけど大丈夫かしら?」
小梅「う、うん……がんばる……!!」
愛結奈「そ、じゃあワタシ達の実力を見せつけちゃいましょう!」
小梅(Pさん……わ、私…ち、ちゃんとリーダーらしくできたかな……?)
------ Sプロダクション ステージ
2回目試合開始1分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :145398
ハートビートピクシー :158698
小梅「…………」
小梅(Pさん……わ、私、がんばるから見てて……)
愛結奈「じゃあ作戦通り動いて行くわよっ!」
歌鈴「はいっ、私から行きますねっ!」
愛結奈「歌鈴、緊張して無いかしら?」
歌鈴「だ、大丈夫……。全力でファンのみなさんにお届けします!」
小梅「歌鈴さん……サポートお、お願いします……!」
歌鈴「笑顔が基本ですよね! 任せて!」
歌鈴(私だって、イロイロ成長したハズ……)
歌鈴「もうステージの上ではドジしないっ……!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Coolプロダクション ステージ
2回目試合開始2分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :153271
ハートビートピクシー :164029
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
千枝「あれっ? さっきと動きが変わってきました!」
聖來「次はあの子がサポートの軸になるってことなのかな?」
由愛「歌鈴さん……綺麗です……」
聖來「だったらこっちは歌かな……由愛ちゃん!」
由愛「う、うん……!」
由愛(私……CoPさんが……誇れるような……仕事をしてみせます!)
由愛「私の歌……聴いてほしい」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション ステージ
2回目試合開始3分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :160931
ハートビートピクシー :174039
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
小梅(あの子が……う、動いて……)
歌鈴(い、今はまだ……私と小梅ちゃんだけの力でっ!)
小梅「うぅ……」
愛結奈「大丈夫よ、小梅。自信を持ちなさい!」
小梅「愛結奈さん……」
愛結奈(ま、ダンスでやりあうにはちょっと分が悪いわね)
愛結奈(でもワタシってワガママなのよねぇ……)
愛結奈(だから、別の手段でアナタにも勝負にも勝たせてもらうわ!)
小梅(うん……大丈夫……)
小梅(私には……愛結奈さんと歌鈴さんがい、いてくれるから……)
------ Sプロダクション ステージ裏
2回目試合開始4分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :167462
ハートビートピクシー :178271
穂乃香(ここまではおおよそ作戦通り……)
穂乃香「この調子なら、愛結奈さんの言ってた通りの展開になりそう……」
穂乃香(だったら、この時点で気付けなかったCoolプロの負けはもう決定してる)
穂乃香「白坂さんはあの時の私達には無かった武器を持ってたんだ……」
穂乃香(もし、あの時に白坂さんが本気で私とリハーサルをしていたらどうなっていたんだろう……)
穂乃香「…………」
------ Sプロダクション ステージ
2回目試合開始5分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :172736
ハートビートピクシー :183726
歌鈴「よしっ、票数は目標まで行きましたよっ!」
小梅「あ、愛結奈さんっ……!」
愛結奈「わかってるわ、小梅! いくわよっ!」
愛結奈(小梅に合わせてバラードだけど……熱いバラードも、いいわよね?)
小梅(あの時……雪の中で歌った歌……)
小梅(Pさん、私……あの時と同じように……精一杯……歌うから……!)
愛結奈(……大人に憧れてるのって佐々木千枝ちゃんって子だったかしら?)
愛結奈「ふふっ、ワタシが本当の大人のオンナの魅力をみんなに伝えて、トリコにしてあげるわ!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Coolプロダクション ステージ
2回目試合開始6分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :182038
ハートビートピクシー :185473
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
聖來(浜川さんが歌のアピール!?)
由愛「わわ……あの人の歌、すごく大きく響いて……」
千枝「バ、バラードをあんなセクシーに歌えるなんて凄いです!」
千枝「でも、ち、千枝、負けませんから!」
聖來(浜川さんが目立っているけど……本当に厄介なのはあの白坂さんって子かな……)
聖來(由愛ちゃんと千枝ちゃんがあの子一人に抑えられてる……)
聖來(こんな子がいるなんて、やっぱりトップアイドルへの道は険しいんだろうね)
聖來(だから……負ける訳にはいかないよねっ!)
聖來「魅せ方教えてあげる!」
------ 観客席
2回目試合開始7分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :187632
ハートビートピクシー :188723
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
真鍋いつき「やっぱりPさんのチームは凄いですねっ!」
?「ふふっ、こんなの見せられちゃ私達も負けられないよねっ!」
いつき「そうですね、身体、動かしたくなるね!」
?「ねぇ、いつきさん。次に私達があの子達に勝つっていうのも、盛り上がると思わない?」
いつき「盛り上がりですか?」
?「見せ場は必要でしょ?」
いつき「あははっ、そうですね! 私も凄く楽しみですっ!」
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始8分経過 ファン投票数(ボーダー:200000)
Nightmare of pure white :192819
ハートビートピクシー :191029
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
P「よしっ! 抜き返した!」
クラリス「愛結奈さんと小梅さんの歌声が凄く響いてますわ……」
社長「ハートビートピクシーの票数が伸びないのは小梅ちんの影響ね」
社長「小梅ちんの透き通るような歌声は完全に相手の歌を食ってるわ」
涼「その隙に愛結奈サンがアピールし続けてるってわけなんだね!」
P「この勝負はもう決まったね……」
P(小梅、愛結奈、歌鈴……良くやってくれた……)
涼「さっすが小梅達! ヤルじゃん!」
社長(でもまだあなたの才能は全て見せてもらって無いわよ小梅ちん……)
------ Sプロダクション ステージ
『そこまで! 試合終了です!!』
『ただいま、Nightmare of pure whiteが既定の200000票を超えたため』
『この勝負202938 対 198726で、Nightmare of pure whiteの勝利です!』
小梅「か、勝った……?」
愛結奈「何とか巻き返せたわね……」
歌鈴「あ、愛結奈さん、小梅ちゃん! 凄かったです!」
小梅「わ、私は……何も……」
ポンッ
愛結奈「胸を張りなさい、小梅がいなければ勝てなかったわ」
小梅「あっ……」
愛結奈「あなたは立派なリーダーよ」
歌鈴「そうですよっ! 小梅ちゃんのおかげでみんなが団結できたんですからっ!」
愛結奈「ふふっ、歌鈴の頑張りも凄かったわ」
歌鈴「えへへっ! みんなで頑張ったから勝てたんです!」
小梅「うん……」
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます
寝るので今日はここまでです
------ Coolプロダクション ステージ
聖來「…………」
千枝「負けちゃいました……。おねえちゃんたちすごいですね……」
由愛「聖來……さん?」
聖來「くっやしーっ! いけると思ったんだけどなぁ……」
由愛「CoPさん……ご褒美くれないかな……」
聖來「ふふっ、それは大丈夫だと思うよっ! あの人はそういう人じゃないから」
千枝「千枝、次はもっとがんばりますからっ……!」
聖來「じゃあ、あっちのステージ裏に行こっか」
由愛「なんでなんですか?」
聖來「へへー、楽しかったからお礼を言いにかな!」
------ Sプロダクション ステージ裏
愛結奈「……で、わざわざこっちまで来たってわけ?」
聖來「うん! 今回は負けちゃったけど、次はそうはいかないからねっ!」
小梅「でも……水木さん達はす、凄かったです……」
由愛「力……出し切ってきました……でも、あの歓声は……私だけの力じゃないです……」
千枝「おねえちゃんたちも凄かったです! 千枝もいっぱい気をつけるとこが見つかったかなって思うんです!」
歌鈴「な、何だかLIVEバトルの後にこんな風に話すのって変な感じですねっ!」
穂乃香「ふふっ、良いと思います。本来はみんなで仲良くしたいですから」
聖來「頑張ってね、後2勝して絶対優勝してよ!」
愛結奈「小梅。ちゃんと返事してやりなさい」
小梅「は、はいっ!」
------
歌鈴「えへへっ! じゃあPさん達の所に戻りましょう!」
穂乃香「そうですね、次の試合の事もありますし」
愛結奈「残り4チームなのよね、いつきは残ってるでしょうね……」
小梅(いつきさん……た、た、戦わないといけないのかな……)
小梅「あっ……!」 フラッ
愛結奈「小梅!」
ガシッ
愛結奈「!?」
歌鈴「わわっ、大丈夫ですか!?」
愛結奈「……LIVEが終わって気が抜けてるかもしれないけど、気をつけなさいよ」
小梅「ご、ごめんなさい……」
穂乃香「…………」
------ Sプロダクション 観客席
穂乃香「みなさん、お疲れ様です。今、戻りました」
涼「へへっ、すげーじゃん! Coolプロに勝っちまうなんて!」
クラリス「皆様、お疲れ様でしたわ」
社長「良くやってくれたわ、Sプロは両チームとも準決勝進出よ!」
小梅「じ、じゃあ……いつきさん達も……」
P「そうだね、いつき達も一足先に勝利している」
愛結奈「ま、このサバイバルのレベルを考えるといつき達なら負ける事はないでしょうしね」
歌鈴「そろそろ、当たってしまうんですかね……」
小梅「…………」
P「……小梅」
小梅「えっ……」
P「良くやってくれた、君の頑張りは本当に素晴らしい物だったよ」
小梅「わ、私だけじゃな、ないです……」
小梅「愛結奈さんや……歌鈴さんがい、いてくれたから……」
P「そうだね、でも二人を動かしたのは紛れもなく小梅の力だ」
小梅「私の……」
P「後2回、ここからも厳しい戦いになると思うけど小梅達ならきっと大丈夫だよ」
小梅「う、うん……あ、あのPさんはお、お、応援……してくれますか……?」
P「もちろんさ」
小梅「えっと……わ、私頑張ります……えへへっ……」
P(そうだ、君はこれからもっと成長できる……)
------ Sプロダクション 仮設控室
『さぁ、このアイドルサバイバルも準決勝となりいよいよ佳境に入ってきました!』
小梅「私が……じ、準決勝……」
歌鈴「ななな何だかこんなとこまで来れるなんて夢みたいですっ!」
P「Coolプロは優勝候補だったけど、僕達も優勝候補だからね」
穂乃香「確かに、今のSプロに敵う相手はほぼいませんでしたからね」
P「…………」
穂乃香「Pさん、どうしたんですか?」
P「いや、何でもないよ……」
P(やっぱり、彼らも勝ち上がってきているか……)
愛結奈「……ワタシはちょっと休ませてもらうわ」
歌鈴「あれっ? 愛結奈さん、寝そべってどうしたんですか?」
愛結奈「……少し、ダンスをしすぎて疲れただけよ」
P「…………」
穂乃香(愛結奈さん……もしかして……)
小梅「Pさん……」
P「どうしたんだい?」
小梅「そろそろ抽選い、行かないと……」
P「あぁ、そうだね。じゃあ僕らは抽選に行ってくるよ」
歌鈴「はいっ! いってらっしゃい!」
------ 大広間エリア マッチング抽選会場
P「うわっ、何だこれ……凄いな……」
小梅「お人形……い、いっぱい……」
P「大雛壇か、こんなものまで用意してたんだね」
小梅「夜になると……動きだすかな……」
P「流石にこの数が動きだすとホラーと言うよりコメディじゃないかな」
小梅「そう……」 シュン
P「にしても雛祭りLIVEか、何だか忘れそうになっていたよ」
小梅「あんまり……関係はな、無いから……」
P「ははっ、イベント事と結び付けるのはこの業界の癖みたいなもんだよ」
小梅「あっ……わかります……」
P「……さて、そろそろ抽選に行ってくるよ」
小梅「…………」
P「…………」
小梅「あ、あのっ……つ、つ、次の相手は……」
P「……これだね」
フレッシュスターズ(Sプロダクション) オーダー表
リーダー:
真鍋いつき
バックメンバー:
若林智香
松山久美子
小梅「い、い、いつきさんの……チーム……!?」
P「ここで同門対決か、また厄介な相手が来たね」
小梅「ど、ど、どうしよう……」
P(一番まずいのは小梅の気持ちか……)
真鍋いつき(22)
http://i.imgur.com/c6KzRWr.jpg
松山久美子(21)
http://i.imgur.com/tHWi8Yu.jpg
若林智香(17)
http://i.imgur.com/xDxPgfx.jpg
いつき「プロデューサー! 小梅ちゃん! お疲れさまです!」
小梅「あっ……い、いつきさん……」
P「お疲れ様、いつき。次は宜しく頼むよ」
いつき「あははっ! 私はもう準備万端ですよ!」
小梅「…………」
いつき「どうしたの、小梅ちゃん?」
小梅「わ、私……い、い、いつきさんとLIVEバトルし、したくないです……」
P「小梅……」
小梅「い、いつきさんには……た、沢山の大切な事お、教えてもらいました……」
小梅「だから……わ、私……こ、こ、こんな事……」
いつき「……そっか、じゃあ私達の勝ちだね!」
小梅「えっ……!?」
いつき「だって小梅ちゃんはやる気が無いんでしょ? でも私は全力で行くから!」
いつき「張り合いが無いってのは残念だけど……」
小梅「ち、ちがっ……!」
P「小梅、止めるんだ。いつきもいきなりすまないね」
いつき「良いんですよ、じゃあ準決勝楽しみにしてますねっ!」
P「あぁ、また後で会おう」
------
P「…………」
小梅「P、Pさん……」
P「小梅、確かにいつきに色んな事を教えてもらったかも知れない」
P「だからこそ、彼女は小梅とのLIVEバトルを本当に楽しみにしているんだよ」
小梅「わ、わ、私と……ですか……」
P「そうだね、全力を出さないという事はいつきに失礼になるんだ」
小梅「そ、そ、そんな……でも……わ、わ、私が勝ったらい、いつきさんは……」
P「……ここで終わりだね」
小梅「わ、わからないです……ど、どうしたらい、良いんですか……?」
P「それは小梅自身が自分で見つけ出すんだ。どうしたら良いのかを」
P(こればかりは口で言ってもどうしようもない……、小梅自身が変わらないと……)
P(時間は……ギリギリ間に合うか……?)
------ Sプロダクション 仮設控室
歌鈴「言ったそばからいつきさん達と当たるなんて……」
穂乃香「真鍋さん、若林さん、松山さん……みんなA、Bグループの人ですね」
愛結奈「いつき以外は会った事ないけどその二人も結構有名よ」
P「選抜メンバーだからね、僕達とは違って優勝を期待されているチームだよ」
小梅「…………」
愛結奈「どうしたの、小梅。浮かない顔してるじゃない?」
小梅「な、なんでも……ないです……」
穂乃香「…………」
歌鈴「えっと、さっきみたいに試合前まで自由時間にしても良いんですか?」
P「……そうだね、自由時間にしよう。僕は行く所があるからみんなはゆっくりしていてよ」
愛結奈「ワタシはここでゆっくりしてるわ」
穂乃香「では少し外の風に当たってきます」
歌鈴「はわわ……こ、小梅ちゃん! 私達も一緒に散歩にでも行きましょう!」
小梅「うん……」
P「時間には遅れないように頼むよ。それと今回の試合前は僕はステージ裏に行けないから」
小梅「えっ……そ、そうなんですか……」
P「うん、少し用事があるからね……電話はかけるけど、後は皆の力で頑張ってほしい」
歌鈴「だだだ大丈夫……かな」
穂乃香「……わかりました」
バタン
P「……愛結奈、足を出してもらえるかい?」
愛結奈「二人きりになった途端にそう言う事言うのやめてくれるかしら?」
P「普段ならこんな事は言わないんだけどね」
愛結奈「……いつから気づいてたの?」
P「伊達に付き合いが長いわけじゃない、片足をかばって歩いているくらいはすぐにわかるさ」
P「穂乃香にもばれてるんじゃないかな……くじいたの?」
愛結奈「さっきのLIVEが終わった後、小梅がこけそうになったのを庇った時ね」
P「……これは、酷いな。次の試合は穂乃香に変わった方が良い」
愛結奈「……プロデューサー、テーピングしてもらえる?」
P「こんな足でまだ出るつもりかい?」
愛結奈「今はまだね、そう思うでしょ……?」
P「……わかったよ、そのかわり最初の1回目のLIVEだけだ。それ以上は許可しない」
P「それが終わったら医務室に引っ張っていくからね」
愛結奈「感謝するわ……」
------ 大広間エリア 休憩所
穂乃香(準決勝、真鍋さん達との試合か……)
穂乃香(でも今の白坂さんじゃ真鍋さんには勝てない……)
穂乃香「どうすれば……」
いつき「綾瀬さん!」
穂乃香「真鍋さん……」
いつき「こんにちわっ! 休憩ですか?」
穂乃香「えぇ、そうですね。ちょっと外の風に当たりに来たんです」
いつき「そうなんですか、私はちょっと身体を動かしたくて走ってました!」
穂乃香「す、凄いですね……ライブ前なのに」
いつき「いっつもこうやって出番までは身体を温めてるんで!」
いつき「そう言えば、もう準決勝なんですね」
穂乃香「はい、残り4チーム。もう大分と減りましたね」
いつき「綾瀬さん達も凄いですよ! Coolプロを破って準決勝に来るなんて!」
穂乃香「ふふっ、これで強豪はSプロのみになりましたね」
いつき「あー……いや、そうじゃないと思いますよ……」
穂乃香「他にどこかいましたか?」
いつき「あれっ? Pさんからは何も聞いて無いんですか?」
穂乃香「はい、いつきさんの所とCoolプロの情報以外は特に……」
いつき「んー、じゃあ私の気のせいだと思います! すみません、今の事は忘れて下さい!」
穂乃香「え……は、はい……」
いつき「そう言えば、綾瀬さんは試合には出ないんですか?」
穂乃香「はい、私は自分の意思で試合に出るように言われてますから」
いつき「自分の意思……何か珍しいですね?」
穂乃香「真鍋さん……」
いつき「はい?」
穂乃香「白坂さんがどう思おうと私は負けるつもりはありませんから」
穂乃香「白坂さんが戦いたくないって言うなら私が全力で相手になります」
いつき「ど、どうしたんですか?」
穂乃香「あっ、いえ……すいません」
いつき「まぁ、何にせよLIVEバトルは楽しみにしてますね!」
いつき「PさんのチームとLIVEできるなんてこんな時くらいしかありませんから!」
穂乃香「そうですね、うちはリハーサルはあまりやりませんから」
いつき「じゃあ、私はもうちょっと身体を温めてきますね!」
穂乃香「どこかに行くんですか?」
いつき「並木道を走ってきます!」
穂乃香「ふふっ、相変わらず元気ですね。また、後で会いましょう」
いつき「あははっ、そうですね。またステージの上で!」
穂乃香(私達以外に他に誰が……)
------ Sプロダクション 仮設控室
バンッ
若林智香「しっつれいしまーっす!!」
愛結奈「…………」
智香「あれっ? 元気が足りなーいっ!」
愛結奈「っていうか、アナタ誰?」
智香「あっ、申し遅れました! チアリーダー若林智香、がんばる人の姿を見るのが大好きですっ!」
愛結奈「そ、そう……アナタがいつきのチームのメンバーなのね……」
智香「えへへっ、そうです! Pさんとは初めてなので挨拶に来ました!」
愛結奈「ワタシは浜川愛結奈、よろしく」
智香「はいっ! 宜しくお願いします!」
智香「でも、浜川さん以外は留守にしてるんですね?」
愛結奈「ま、うちのメンバーはプロデューサーの方針で自由気ままにやってるしいつもこんな感じよ」
智香「せっかくみんなに次のLIVEがんばろうって応援しに来たのに……」
愛結奈「敵をわざわざ応援しに来たの?」
智香「敵じゃ無くてSプロの仲間じゃないですかっ! みんなを応援したいんですっ☆」
愛結奈「ふふっ、面白いわね若林さん」
智香「あっ、智香で良いですよ!」
愛結奈「じゃあアタシの事も愛結奈で良いわ」
智香「えへへっ! じゃあ愛結奈さん、改めて宜しくお願いします!」
愛結奈「智香達は順調に勝ち上がっているみたいね」
智香「いつも頑張ってる人を応援してるアタシですけど、自分で頑張るのもとっても気持ちがいいですねっ☆」
愛結奈(タイプ的にはいつきに似てるわね……)
智香「次の試合の振り付けも完璧です! 鍛えたカラダも魅せちゃうんですからっ☆」
愛結奈(ハンデを背負ったまま勝てる程甘くないってわけか……)
智香「あれっ? どうしたんですか?」
愛結奈「なんでもないわ、それよりその格好でライブに出るの?」
智香「えへへっ! アタシ、チアリーダーですからっ!」
愛結奈「チアリーダーね……」
智香「愛結奈さんもイケイケゴーゴー☆ファイトー! オー!」
愛結奈「あ、ありがとう……」
智香「愛結奈さんも一緒にどうですか?」
愛結奈(くっ……またとんでもないのが出てきたわね……)
------ 大広間エリア LIVE会場付近
松山久美子「…………」
歌鈴「…………」
小梅「…………」
久美子「へぇ、こんな所で会えるなんてね」
小梅「こ、この人……」
歌鈴「ままま松山……久美子さんです!」
久美子「そんな驚かなくても大丈夫だよ」
久美子「白坂小梅ちゃんと道明寺歌鈴ちゃんだったかな?」
久美子「いつきから話は聞いてるよ、次は宜しくね!」
小梅「は、はいっ……が、が、頑張ります……」
歌鈴「よよよろしゅく……」
久美子(二人揃って緊張しいなのかな……)
久美子「私、この日のためにいっぱい特訓してきたの」
小梅「なんか……す、凄いです……」
久美子「あなた達で試させてもらうわね?」
歌鈴「おっ、おてやわらかに……」
久美子「私の見せ場盛り上げてよね」
小梅「…………」
歌鈴「はぅぅ……緊張してい足がプルプル震えちゃってますぅ……で、でもっ!」
小梅(こ、この人も……勝つために……)
小梅「な、なんでなんですか……?」
久美子「?」
小梅「なんで……お、お、同じプロダクションなのに……」
小梅「勝つとか……そ、そ、そんな事を……」
歌鈴「小梅ちゃん?」
久美子「ふふっ、面白い事言うね。勝負に勝ちたくないの?」
小梅「いつきさんや……ま、松山さんとLIVEバトルなんて……」
歌鈴「…………」
久美子「私はもっともっとたくさんの人に見られて綺麗になりたいの!」
久美子「だから誰が相手だろうと手は抜かないよ!」
小梅「そ、そ、そんな……」
歌鈴「私も……負けませんよ!」
小梅「か、歌鈴さん……!?」
久美子「ふふっ、じゃあまたね! 素敵なLIVEにするよっ!」
歌鈴「…………」
小梅「な、なんで……あんな事……」
歌鈴「小梅ちゃん……私のドジばっかりでホントにダメダメですよね」
小梅「そんなことな、ないです……」
歌鈴「でも、こんな私を信じてくれるPさん」
歌鈴「一緒に居てくれる愛結奈さんや小梅ちゃん……」
歌鈴「それにいつきさんに見せてあげたいんです、私はこんなに成長したって!」
小梅「…………」
歌鈴「えへへっ、小梅ちゃん。スマイルですよ! 笑っていれば何とかなります!」
小梅(わ、私は……)
歌鈴「頑張らなきゃ……優勝するために……」
小梅(私は……歌鈴さんみ、みたいに……)
------ そして、準決勝開始前 Sプロダクション いつき側 ステージ裏
いつき「みんな、準備はOKですか?」
智香「どんと来いってカンジですよいつきさん!」
久美子「私も大丈夫! でも準決勝で同門対決なんて何かついてないね……」
いつき「あははっ、でも私は小梅ちゃん達と早くライブしたかったですから!」
久美子「ふふっ、私も誰が来ようと魅せる努力は負けないよ!」
智香「よしよし乗ってきたよーっ!」
いつき「……さってと、そろそろですね!」
久美子「さぁ、LIVEスタートだよっ♪」
智香「温まっていこう☆」
いつき「広いステージだって狭く感じるくらい踊っちゃいましょう!」
------ Sプロダクション 小梅側 ステージ裏
愛結奈「いよいよね……」
穂乃香「このLIVEバトルに勝てば決勝です。みなさん、頑張って下さい!」
歌鈴「私一人ならきっと不安で仕方がないけど、みんなが一緒ならやりとげられます!」
小梅「うん……」
穂乃香「若林さんと松山さん、そして真鍋さん。Coolプロにも引けを取らない強敵です」
穂乃香「相手のペースに飲まれないように落ち着いて行きましょう」
小梅「いつきさん……」
歌鈴「た、ただ全力でLIVEするのみでしっ……! ふえぇ……もー! 歌鈴ふぁいとっ!」
愛結奈「なにやってるのよ……」
prrrrr……
小梅(Pさんから……電話……)
小梅「も、もしもし……」
P『もしもし小梅』
小梅「P、Pさん……」
P『いよいよ準決勝だね。気持ちの整理はついたかい?』
小梅「う、ううん……まだ……」
P『……そっか』
小梅「Pさん……ど、どうしてもや、やらなきゃいけないんですか?」
P『そうだね、もうここまで来たんだ。後はライブをするだけだ』
小梅「…………」
P『小梅、いつも君に言っている通りにファンやみんなのために歌ってあげてくれ』
小梅「う、うん……がんばってみる……」
P『小梅のステージを期待しているよ』
P『……じゃあ少し穂乃香に代わってくれるかい?』
小梅「は、はい……」
P『穂乃香かい?』
穂乃香「もしもし、どうしたんですか?」
P『穂乃香、このLIVEバトルは2回目から君に出てもらう事になると思う』
穂乃香「愛結奈さんの事ですか?」
P『そうだね、愛結奈は隠しているが小梅を庇った時に足を痛めている』
P『本人はバレないようにしているけど、1回のLIVEバトルが限度だろうね』
穂乃香「Pさん……私は……」
P『……強制はしない。でも、小梅達を助けてあげて欲しい』
穂乃香「……わかりました」
P『すまないね、穂乃香には迷惑をかけているのはわかっているんだけど……』
穂乃香「ふふっ、良いんですよ。私、頑張りますね!」
P『僕も2回目のLIVEバトルから観戦にいけると思う』
P『久々に見れる穂乃香のライブを楽しみにしているよ』
穂乃香「ちゃんと見てて下さいね?」
ピッ
穂乃香「白坂さん、ありがとうございます」
小梅「う、うん……Pさんは何てい、言ってたんですか?」
穂乃香「みんなに頑張ってほしいって言ってましたよ」
愛結奈「プロデューサーらしいわね、もうちょっと気の利いた事が言えないのかしら?」
歌鈴「えへへっ、でもPさんが言ってくれるならがんばれますよっ!」
小梅(私も……か、覚悟…決めないと……)
穂乃香「……そろそろ始まりですね」
歌鈴「ファンの声援がここまで届いて……ド、ドドド、ドキドキしちゃいます!」
愛結奈「さぁ、こうなったら後はやるだけよ!」
小梅「…………」
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます
今日はここまで
続きはまた明日にでも書きます
NP「珍しいな、あんなこと言うなんて」
美優「…………」
NP「あの白坂って子となんかあったの?」
美優「いえ……私……一人ではここに立てなかった……NPさんがいたから……」
美優「だから……もう少しだけ、あと少しだけで良いから夢を見ていたいんです……」
美優「あの子……とっても強い眼をして。でも、私も負けたくは無いです……」
NP「んで強気に言ったわけだ」
美優「はい……争いは苦手ですが……」
NP「知ってるよ、まぁ当たっちゃたんもんはしょうがねぇしな」
美優「わかってます」
NP「じゃあさっさとあいつら呼び戻して準備しないとな」
美優「どこへ行ったんでしょうか?」
NP「知らない、好きにしてろって言ったし」
P「あの人、流石に一人で勝ち抜いてきただけはあるね」
小梅「う、う、うん……凄いふ、雰囲気でした……」
P「でも、僕達も決勝戦まで来たんだ。ここで負けるわけにはいかないよ」
小梅「……P、Pさん」
P「どうしたんだい?」
小梅「わ、私……まだ迷ってます」
P「…………」
小梅「アイドルって……何なのか……こうやって争う意味がわ、わからなくて」
P「そっか……」
小梅「でも……わ、わ、私…頑張るから……」
小梅「自分に何ができるかわからないけど、い、いっぱいき、気持ちを込めて歌うから!」
小梅「だから……Pさん……お、お、応援…してくれますか……?」
P「……もちろんさ! 小梅のステージでみんなを驚かせてやってくれ!」
小梅「えへへ……うん……」
小梅「Pさん……」
P「どうしたんだい?」
小梅「ずっと……み、見たかったものがあるんです……」
P「それは社長の言っていたやつかい?」
小梅「うん……ほ、ホラー映画より……楽しい……」
小梅「アイドルにだけ……見える…と、特別な景色……」
P「それが小梅のアイドルを続ける理由か……」
小梅「はい……一度でいいからみ、み、見てみたい……」
P「…………」
小梅「ど、どうしたんですか……?」
P「……良い事を聞けたよ。僕に任せてくれ」
小梅「えっ……は、はいっ……」
------ Sプロダクション 仮設控室
穂乃香「三船……美優さんですか!?」
フレデリカ「へー、そんな人いたんだ」
小梅「凄く……き、綺麗な人でした……」
P「フレデリカが知らないのも当然かな」
P「デビューしたのはフレデリカがフランスに行った後だよ」
フレデリカ「あははっ、それは守備範囲外だよ〜」
小梅「穂乃香さんは……し、知ってるんですか……?」
穂乃香「えぇ、そうですね」
穂乃香「メディアの露出こそほとんど無いものの、業界での知名度は上がっています」
穂乃香「癒しの女神ってキャッチコピーもついてますしね」
フレデリカ「癒しの……女神?」
小梅「な、なんか……凄いです……」
フレデリカ「というより、小梅ちゃんは知らなかったの?」
小梅「は、はい……」
小梅「家ではいつも……え、映画ばっかり見てるから……」
P「小梅は直接会う機会も無かったし仕方ないよ」
穂乃香「所属はNプロなのは知ってましたけど、サバイバルに出てくるなんて……」
P「それと、他に後二人いるみたいだね」
フレデリカ「やっぱり他にもいるんだ」
穂乃香「他にNプロ所属のアイドルなら誰になるんでしょうか」
P「それはわからないね、Nプロの人なら何人か知ってる人はいるけど」
P「今日会ったNPっていうプロデューサーは初めてみたよ」
小梅「私も……は、初めて……」
フレデリカ「フフフーン♪ でもアタシ達が優勝は貰っちゃうし大丈夫だよ」
穂乃香「そうですね、誰が相手でも私達は負けませんから!」
P「とりあえず試合までは休憩時間にしようか」
小梅「Pさん……ま、またどこかにい、行くんですか……?」
P「うん、僕は愛結奈達に会いに行ってくるよ」
フレデリカ「あっ、アタシも行くよ! 一緒に行こっ」
穂乃香「……私は少し気持ちを落ち着かせてきます」
小梅「わ、私は……ど、ど、どうしよう……」
P「小梅達は誰かと一緒に居た方がいいね」
小梅「でも、み、みんな別々だから……」
P「……そうだ、丁度良い相手がいるから呼んでくるよ」
------ 医務室
愛結奈「改めてお帰りなさい、フレデリカ」
歌鈴「お帰りなさいですっ! フレデリカさん!」
フレデリカ「うん、ただいま〜」
P「二人とも、調子は大丈夫かい?」
愛結奈「これくらい問題ないわ、明日になれば治るわよ」
歌鈴「えへへっ! 私も足がガクガクきてますけど大丈夫です!」
フレデリカ「あははっ、やっぱり涼ちゃんの言った通りだね」
愛結奈「涼が何か言ってたの?」
P「二人とも明日になればケロっとしてるからほっといても大丈夫だってさ」
歌鈴「ひひひ酷いです!」
愛結奈「……見事に言い当てられたわね」
フレデリカ「そうそう、ちゃーんと二人にもフランスのお土産買ってきてるよ」
歌鈴「ふぇっ!? 本当ですか、嬉しいですよっ!」
愛結奈「へぇ、珍しく気が利くじゃない」
フレデリカ「今回はちょっと遠出だったからね〜」
フレデリカ「えーっと、凱旋門せんべいにピサの斜塔饅頭っと……」
歌鈴「おせんべいとお饅頭っておもいっきり日本だと思うんですけど……」
愛結奈「それ以前にピサの斜塔はイタリアよ!」
愛結奈「プロデューサーも何か貰ったの?」
P「……アメリカンクラッカーだね」
歌鈴「…………」
フレデリカ「あははっ、プロデューサーってそういうの好きかなって」
P「とりあえず元気そうだし、僕達は行くとするよ」
歌鈴「はいっ! 決勝戦、お願いしますね!」
愛結奈「フレデリカ、プロデューサー。負けたら承知しないんだからね」
フレデリカ「……うん」
P「……フレデリカ?」
歌鈴「ど、どうしたんですかっ!?」
フレデリカ「やっぱりこの空気良いなぁ〜って」
愛結奈「…………」
フレデリカ「アタシ、みんなとまた会えてホントによかった!」
フレデリカ「帰ってきてもちゃんと居場所があったんだなって」
歌鈴「もちろんですよっ! フレデリカさんはずっとEグループの仲間です!」
愛結奈「……バカな事言うわね、アナタの居場所がなくなるわけないじゃない」
フレデリカ「あははっ、でもプロダクションでは最低ランクのチームだけどね〜」
愛結奈「……頑張ってきなさいよ。フレデリカが帰ってきてくれて、アタシ安心してるんだから」
歌鈴「えへへっ! フレデリカさん! 私達の分まで頼みますっ!」
フレデリカ「うんっ! アタシに任せてよっ!」
------ 庭園エリア 屋外
フレデリカ「プロデューサー、ありがとっ!」
P「珍しいね、フレデリカがそんな事言うなんて」
フレデリカ「ちょっとくらいいいじゃーん! むう……せっかく帰ってきたのに!」
P「あははっ、そうだね。どういたしまして」
フレデリカ「いっぱいお返ししてあげるからねっ! これからもプロデュースよろしくーっ!!」
P「うん、こちらこそよろしく」
フレデリカ「にしても広いエリアだね〜」
P「そうだね、このアイドルサバイバルのためだけに用意されたってのも驚きだよ」
フレデリカ「…………」
P「どうしたんだい?」
フレデリカ「ね、あそこにいるのって……」
P「……あれは」
聖來「決めは……うん、この角度っ!」
?「お疲れ様です。はい、ドリンクの差し入れです」
聖來「ありがと! これがあると元気出るよ!」
フレデリカ「やっほー、久しぶりだね〜」
聖來「あれ? Pさんに……フレちゃん! サバイバルに出てたの?」
P「いや、フレデリカは今までフランスに居て、準決勝に戻ってきたんだよ」
聖來「なるほど、それでいなかったんだね」
フレデリカ「聖來さんともLIVEしたかったけどちょっち間にあわなかったなぁ〜」
聖來「ふふっ、凄く楽しかったからまた今度勝負しようね!」
?「あの、水木さん。この方達は?」
聖來「あっ、そっか。知らないよね」
P「知り合いだったのかい?」
?「はい、水木さんとはプロダクションは違いますけど仲良くさせてもらってます」
聖來「この子の作るドリンクすっごく美味しいんだよっ!」
フレデリカ(……誰だろ)
P(なるほど……もう一人は彼女か……)
フレデリカ「アタシは初めて会ったけど……プロデューサーは知ってる子なの?」
P「……栗原ネネちゃんだよね?」
聖來「Pさんも知り合いだったんだ?」
P「いや、こうして会うのは初めてだよ」
栗原ネネ「私の事知ってるんですか?」
P「そうだね、噂程度だけど」
フレデリカ「アタシはSプロダクションの宮本フレデリカ、んでこっちがプロデューサーだよ〜」
ネネ「決勝の相手の方たちですね」
ネネ「今日のLIVEは自信ありますよ! 宜しくお願いします!」
聖來「これは楽しみな対決になりそうだね、二人とも頑張ってよね!」
栗原ネネ(15)
http://i.imgur.com/ZqnuWox.jpg
P「聖來が飲んでいるジュースは彼女が作ったのかい?」
聖來「うん、そうだね。お手製の栄養ドリンクだよ!」
ネネ「運動の後に効果的なハチミツレモンジュースです」
P「それは良いね。うちでも飲ませるようにした方が良かったかな」
フレデリカ「へーっ、アタシはそういうの苦手だから」
P「フレデリカの作ったのはドリンクとは言えないよ……」
聖來「何入れたの?」
フレデリカ「とりあえず、健康そうなものを片っ端から……」
フレデリカ「愛結奈さんも走って逃げる事無いと思うんだけどなぁ〜」
P「もったいないから僕が飲んだんだけど三日程目が冴えて寝れなかったよ」
ネネ「凄い物を作ったんですね……」
フレデリカ「こういうの毎日作ってるの?」
ネネ「はい、みなさんやプロデューサーのためにお弁当なんかも作ってますよ」
聖來「ネネちゃんはそういうのも得意なんだよ!」
ネネ「よくテレビ番組なんかで見て真似してるんです」
P「へー、それ以外にもなにかやってるんだ?」
ネネ「他にも色々と早寝早起きやジョギングしたりなんかしてます」
P「健康思考なんだね、なにかそこまでこだわる理由はあるのかい?」
ネネ「あっ………」
聖來「ストップ! それ以上は聞かないで貰っていいかな?」
フレデリカ「……プロデューサー、止めといた方がよさげだよ」
P「そうだね、失礼な事を聞いてしまったようで申し訳ない」
ネネ「い、いえっ……こちらこそ急に済みません」
ネネ「あっ、そろそろ戻らないと……」
聖來「そうだね、私も由愛ちゃん達の所にいこうかな」
フレデリカ「じゃあ、また決勝の舞台でだね〜」
P「決勝では宜しく頼むよ」
ネネ「はい! 見た人が皆、元気になれるようなステージにしましょうね!」
タッタッタッ
フレデリカ「さっきの顔……何かあったのかな」
P「三船美優もこのサバイバルに対しては凄い気迫を見せていた」
P「彼女も……何かあるんだろうね」
フレデリカ「ん〜、何か釈然としないなぁ〜」
P「分からない事を勘ぐってても仕方ないよ、僕らは僕らでやるだけだ」
フレデリカ「そうだね……」
P(あのNPって人の秘密兵器か……)
ネネ「水木さん、すみません……」
聖來「ううん、かまわないよ」
聖來「でも、Pさん達の事は悪く思わないでね。知らないから聞いちゃっただけだし」
ネネ「そ、それはもちろんです!」
聖來「うん、それじゃあ私も行こうかな。ネネちゃんの事も応援してるね!」
ネネ「頑張ってきます!」
タッタッタッ
ネネ「…………」
prrrrr……
ネネ(あっ、メールだ)
NP『そろそろ出番、帰ってきて』
ネネ「私の出番……」
ネネ(NPさん、私の活躍……あの子はちゃんと見てくれますかね?)
------ 庭園エリア 休憩所
智香「ひゃっほーぅ☆ いよいよ決勝だね! 穂乃香ちゃんを応援しちゃうぞ☆」
穂乃香「…………」
智香「あれっ? 元気ないぞぉ?」
穂乃香「い、いえ……済みません」
智香「えへへっ、穂乃香ちゃんも元気に声を出せば楽しいぞっ☆」
穂乃香「ふふっ、若林さんの元気には勝てませんよ」
智香「あっ、智香で良いよ! こうやって話すのは初めてだけど仲間だもん!」
穂乃香「そうですね、ずっといたのに会わなかったのは何だか変な話ですね」
智香「うーん、グループ分けされちゃったからなぁ」
智香「穂乃香ちゃん達の知り合いならいつきさんやクラリスさんが仲良いかな!」
由愛「あれっ……?」
穂乃香「あなたは……」
由愛「こ…こんばんわ……」
智香「こんばんわ! この子って確かCoolプロの子だよね?」
穂乃香「こんばんわ。えぇ、二回戦でLIVEバトルをした成宮由愛ちゃんですね」
智香「一人でどうしたのかな?」
由愛「こ…ここは人が少なくて…落ちつくんです…」
由愛「それに…ここからだと…よく見えます、ステージ……」
智香「そっか、関係者用の休憩所だから空いてるもんね!」
穂乃香「確かに、最後のステージの近くにありますからね……」
由愛「今日は…お絵かきびより…みなさんもよかったら…いっしょにどうですか……?」
穂乃香「ふふっ、本格的な道具ですね。絵が好きなんですか?」
由愛「うん……水彩画が…好きです……」
由愛「今日は…絵の具を……持ってきたんです……。使い慣れたのが…いいから……」
智香「へぇー、こんな上手く描けるなんて出来上がりが楽しみだねっ!」
由愛「綾瀬さん……」
穂乃香「どうしたんですか?」
由愛「決勝…頑張って下さい……私、応援してます……」
智香「おっ、ここにも応援団がいたんだね!」
穂乃香「どうして私を……」
由愛「綾瀬さん達と…LIVEして……私…とっても楽しかったです……」
由愛「負けちゃったけど……聖來さんや千枝ちゃんも……楽しそうで……」
穂乃香「…………」
由愛「どんなに危なくても……諦めない気持ち……みなさんのステージを見て…思いました」
由愛「私…ひとりじゃないです……綾瀬さん達は…それを……教えてくれました」
智香「し、しっかりした子だなぁ……」
穂乃香「…………」
智香「穂乃香ちゃん?」
由愛「綾瀬さん……?」
穂乃香「二人ともありがとうございます! 私、精一杯やってきますね!」
由愛「……はい…ステージ……楽しみにしてます……」 ニコッ
智香「えへへっ、アタシもだよっ!」
穂乃香(Pさん……私、みんなのためにも優勝します……)
穂乃香(だから、あと少し力を貸して下さい……)
?「やっほー! これは面白そうな人達が集まってるね!」
由愛「あっ……」
穂乃香「あなたは……」
智香「あれ? 誰ですか、この人は?」
?「えーっと……Sプロダクションの綾瀬穂乃香ちゃんだよね。決勝はよろしく!」
?「隣の二人も参加者だよね? 若林智香ちゃんと成宮由愛ちゃんかな?」
由愛「Nプロダクションの…斉藤洋子さんです……」
穂乃香(まさか、こんな所で会うなんて……)
智香「わー、綺麗な人ですね!」
洋子「んー? なになに、私の美肌の秘訣? ん〜やっぱりたくさん運動して、の〜んびり半身浴! コレに限るよね!」
穂乃香「そ、そうですか……」
智香「久美子さんと話がはずみそう……」
由愛「半身浴……」
斉藤洋子(20)
http://i.imgur.com/XTsj5bX.jpg
洋子「まっ、それはともかく楽しいライブにしよう。一緒にいい汗流そうよ!」
智香「アタシは出ないけど……Sプロは負けませんよっ!」
由愛(なんだか……騒がしく…なってきました……)
穂乃香「……一つ良いですか?」
洋子「どうしたの?」
穂乃香「今の言い方からすると決勝戦……出るんですか?」
洋子「あっ……」
由愛「どういうこと…ですか……?」
智香「あれっ? もともとは出ない予定だったの穂乃香ちゃん?」
穂乃香「えぇ、決勝戦の最初のオーダーは三船美優さん1人だけと聞いてます」
穂乃香「つまり、斉藤さんが2回目、3回目のどちらかから出てくるという事になりますね」
洋子「ありゃー……NPさん、ごめんなさい……」
洋子「バレたら仕方ないね! 私も出るから一緒に楽しもうよっ!」
穂乃香「……わかりました」
由愛「綾瀬……さん……?」
穂乃香「もう、Nプロに変な疑問を持つ事はしません」
穂乃香「全力で来るって分かってるなら、全力で迎え撃つだけです」
智香「おー、穂乃香ちゃんが燃えてるね! ファイト!」
prrrr……
智香「あれっ、誰のかな?」
由愛「私…持ってません……」
穂乃香「私も違います」
洋子「私だね……」
洋子「……集合命令、というわけで私は行くね!」
由愛「はい……」
智香「また後で会いましょうね! Sプロは負けませんよっ!」
洋子「決勝で登場なんて、テンション上がっちゃいますね!」
洋子「もう早くLIVEしたくてウズウズしちゃいますよ!」
穂乃香「…………」
智香「すっごく元気な人だったね、アタシもしっかり応援しないとっ!」
由愛「綾瀬さん……どうしたんですか…?」
穂乃香「…………」
穂乃香(斉藤洋子さんに、三船美優さん……)
穂乃香(あと一人は分からないけど、きっと実力のある人なのかな……)
穂乃香(今まで必死で頑張ってきたんだ、ここで負けるわけには……)
穂乃香(負けたら……Pさんが……)
穂乃香「なんでも無いです、なんでも……」
------ 庭園エリア ステージ前
美優「…………」
小梅「あっ……」
久美子「ん? Nプロの三船さんじゃない」
美優「あなた達は……」
久美子「初めまして、私はSプロの松山久美子」
久美子「試合は見させてもらったけど、一人で勝ちあがってくるなんて凄いね」
美優「私は精一杯歌っただけです……」
小梅「み、三船さん……」
美優「小梅ちゃん……さっきは少し感情的になってしまいましたね……ごめんなさい」
小梅「ううん……だ、大丈夫……」
久美子「あれ、小梅ちゃんはもう顔見知りなの?」
小梅「うん……さっき、抽選所で会いました」
久美子「そっか……」
久美子「そういえば三船さんの歌ってる歌。とっても綺麗だったね」
美優「ふふっ、ありがとう……まだちょっとぎこちないですけど……」
久美子「CD出すの? 私あの曲引いてみたいな!」
小梅「久美子さん……楽器で、できるんですか?」
久美子「失礼ね、これでもピアノはちょっとしたもんだよ」
美優「それで、爪を伸ばしてないんですね……」
久美子「…………」
小梅「ど、どうしたんですか?」
久美子「ううん……」
久美子(さっき会ったばっかりなのにそんなとこまで見られてたなんてね……)
美優「小梅ちゃんは……このアイドルサバイバルで優勝したいの?」
小梅「う、うん……」
美優「ふふっ、そうですか……じゃあ、お互い頑張りましょうね」
小梅「み、三船さんは何でNプロダクションに……?」
美優「……心地いいんです……Nプロダクションが……」
久美子「心地いい? 気に入ってるの?」
美優「えぇ、小梅ちゃんや松山さんがSプロに居る理由と同じ理由だと思います……」
美優「好きなんです……みんながいて…あったかくて……」
美優「世間的にはあまり評判はよくないですけど……」
久美子「そう言われたらそうなのかもね……」
美優「小梅ちゃんは……Sプロダクションのみんなは好きかしら?」
小梅「は、は、はい……みんな優しくて、楽しくて……だ、大好きです……」
美優「そう……松山さんはどうですか?」
久美子「ふふっ、プロダクションも色々あるけど私はやっぱりSプロかな」
久美子「その様子だとNプロで色々あったのかな?」
美優「……私は……アイドルになって…新しい私に出会えました……」
美優「ステージに立ったり……他のアイドルの人達と仲良くなったり……」
美優「モノクロだった私の日々が……色づいて……」
美優「だから……この世界を見せてくれたNPさんやみんなのために……私は負けられません」
小梅「…………」
小梅(この人は……み、見つけたんだ……わ、わ、私の見えないもの……)
ポンッ
小梅「久美子さん……?」
久美子「キラキラしてて、とってもキレイだね。三船さん」
美優「…………」
久美子「だけどさ、ここにいる小梅ちゃんも結構凄いよ?」
美優「ふふっ、そうですね……二人とも素晴らしいアイドルなんだなって感じます」
小梅「…………」
久美子「さってと、そろそろ私達も行こうか。小梅ちゃん」
小梅「う、うん……」
美優「また、決勝の舞台で会いましょう……」
小梅「は、は、はいっ……わ、私頑張ります……」
美優「えぇ……お互いに」
タッタッタッ
美優「小梅ちゃんが決勝に……」
美優(あの子の姿……私がまだアイドルを続けるか迷っていたころによく似て……)
美優「そんな相手とLIVEバトルするんだな……」
美優(でも今の私なら出来るって……信じています……)
美優(NPさんも信じて、見守っていて下さいね……)
小梅「く、久美子さん……」
久美子「どうしたの?」
小梅「久美子さんから……見ても…三船さんはす、凄いですか……?」
久美子「そうだね、キレイだし、歌も上手いし……」
久美子「あと何て言ったらいいか、自信に満ち溢れた目をしてるね」
小梅「自信……?」
久美子「うん、アイドルが楽しそうみたいな感じかな……」
久美子「ふふっ、やっぱり生で見ると違うね。あんなキレイな人がいるなんて」
小梅(私は……あ、あの人みたいになれるのかな……)
小梅(アイドルが……楽しくて……みんなのためにが、頑張れて……)
小梅(どうなんだろう……)
------ Sプロダクション ステージ
試合開始1分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :75271
snow drop :62930
穂乃香(最初から1万も票差をリードしている……)
フレデリカ(何か企んでるんだろうけど……なんだろうな〜)
小梅(三船さん……私……ま、まだ答えは見つけられてないけど……)
小梅(精一杯……こ、こ、このステージをやり遂げます……)
穂乃香「迷っている暇は無いですね、最初から全力で行きましょう!」
フレデリカ「フフーン♪ 小梅ちゃん、後ろは大船に乗ったつもりで良いよ〜!」
小梅「う、うん……!」
小梅(みんな……み、見てて下さい……)
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Nプロダクション ステージ
試合開始2分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :82371
snow drop :68302
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
美優「…………」
美優(あんなにしっかりと……力強く歌って……)
美優(やっぱりあの子は凄いな……凄い才能を持ってる……)
美優(少し……小梅ちゃんとLIVEバトルする自分に戸惑いがあったけど……)
美優(ふふ……目が覚めたみたい……)
美優「それなら私も……精一杯…頑張ります!」
------ Nプロダクション 観客席
試合開始3分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :90182
snow drop :75372
NP「…………」
洋子「わーお! 美優さん相手に一歩も引かないなんてやりますね!」
NP「最初に会った時はオドオドしてるなとは思ったけど、大分と顔つきが変わってんな」
ネネ「緊張してきちゃった……NPさん、本当に私で大丈夫なんですか?」
NP「俺と一番付き合い長い癖に毎回それ聞くよね」
ネネ「し、しょうがないですよ!」
洋子「大丈夫ですよ、ネネちゃん! 一緒にいい汗かこう!」
NP「ま、そういうわけだからそろそろ準備頼むわ」
洋子「飾らない自分で、LIVEに挑みます! 全力でぶつかっていきますからね!」
ネネ「NPさん……」
NP「どした?」
ネネ「私、こんなLIVEが出来て本当に嬉しいです」
NP「……頑張ってこいよ」
ネネ「きっと、NPさんも笑顔になるようなLIVEにして見せますね!」
NP「あいよ、行ってらっしゃい」
NP(さーて、どう動いてくるか見せてもらうか……)
------ Sプロダクション ステージ
試合開始4分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :98271
snow drop :82917
小梅「み、三船さん……や、やっぱり凄い……」
穂乃香「一人で歌っているのに全然突き放せない、まさかここまでなんて……」
フレデリカ「だったらこっちが仕掛けていけば突き放せるはずだよっ!」
小梅「わ、わかりました……!」
穂乃香「フレデリカさん、行きましょう!」
フレデリカ「よぉし、小手調べと行こっか〜」
小梅(だ、大丈夫……私には…フレデリカさん達がい、いてくれるから……)
小梅(で、でも……なんで三船さんは…ひ、ひとりなんだろう……?)
小梅(なんで三船さんは…ひとりでも……あんなにた、楽しそうに歌えるんだろう……?)
フレデリカ「フンフンフフーン♪ スカートチラッ♪ なーんて!」
穂乃香「フ、フレデリカさん!!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション 観客席 いつき側
試合開始5分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :115029
snow drop : 90278
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
智香「えへへっ、勢いは完全に小梅ちゃん達にありますね!!」
いつき「はい、会場もだんだん盛り上がってきましたね!」
久美子「ねぇ、なんだかおかしくない……?」
智香「ど、どういう事ですか久美子さん?」
久美子「三船さんは確かに凄いけど……やっぱり一人で出る意味が分からないよ」
いつき「うーん、あるとしたら……会場のボルテージがMAXになる瞬間を待ってるんですかね……」
久美子「それでも1人で出る意味は特にないと思うけど……」
智香「アタシ、そういう難しい事は良く分かりませんけど……」
智香「Pさんに任せとけば、全部オッケーって気がしますっ♪」
いつき「多分、みなさんもそこは警戒してるはずですよ」
いつき「今は小梅ちゃん達を応援しましょう!」
久美子「…………」
久美子(気をつけてね、みんな……)
------ Nプロダクション ステージ
試合開始6分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :122617
snow drop : 98293
美優(やはり……あなた達の熱い想いには……負けるわ……)
美優「あんまり離されると……後が苦しくなるかな……」
美優(どうしてだろう……こんな状況なのに凄く落ち着いてる……)
美優(きっと……NPさんが大丈夫って言ってくれるからなんですね……)
美優(だったら……私も…全力で答えますから……)
美優(これ以上は……)
美優「……させません!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Sプロダクション ステージ
試合開始7分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :130192
snow drop :115019
穂乃香「一気に票数が上がった!?」
フレデリカ「やっぱり普通に歌ってるだけじゃ無かったみたいだね……」
小梅「…………」
小梅(きっと……み、三船さんの影響かな……)
穂乃香「やっぱり手ごわいですね……」
小梅「わ、私が……!」
フレデリカ「うん、小梅ちゃん! 頼んだよ!!」
小梅(うん……大丈夫……ち、ちゃんと歌える……)
小梅(いつきさん達と……LIVEバトルして……わ、私…自信がつきました……)
小梅「聴いて……ください……」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Nプロダクション 観客席
試合開始8分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :155273
snow drop :124721
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
NP「……やっぱりすげえな、惚れ込むやつが多いのも頷けるわ」
兵藤レナ「NPさんお待たせっ! みんなはもうステージに向かったのかしら?」
NP「おっ、来てくれたか。2人とももう行ってるよ」
レナ「そっ、じゃあ私もゆっくり観戦させてもらおうかな」
NP「呑気だね、まぁ出るわけじゃないからかまわないけど」
レナ「あら? 私がそばにいた方が良いでしょ?」
NP「なんで?」
レナ「NPさんにとっての勝利の女神ってヤツ?」
NP「オレの周りには女神が多くて幸せもんだよ」
レナ「ふふっ、まぁ勝負は最後までわからないから面白いんだけどね」
NP「そういえばあっちの方はもう大丈夫なの?」
レナ「頼まれごとならいつでも準備OKよ」
NP「そっか、じゃあ後は待つだけだな」
レナ「状況を見るに……まだ序盤なのに相手は切り札を使っちゃったのね」
NP「あれは初見だったら俺もビビってたかもな……」
兵藤レナ(27)
http://i.imgur.com/SaPMtfu.jpg
------ Sプロダクション ステージ
試合開始9分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :162918
snow drop :131382
小梅「うん……うん……」
小梅(良かった……ち、ちゃんと歌えてる……)
小梅(みんなのき、期待に……こ、答えれてるかな……?)
フレデリカ「思った以上に何にもないね〜」
穂乃香「……多分2回目のLIVEバトルから一気に来るはずです気を抜かないで行きましょう!」
小梅(えっ……じ、じゃあ……み、三船さんはまだほ、本気じゃないのかな……)
フレデリカ(ま、来るとしたらやっぱりそうだろうね……)
穂乃香(この状況でも三船さんは全然動揺していない……)
穂乃香(あれだけ落ち着いていられるのは勝てる自信があるからなんだろうな)
------ Nプロダクション ステージ
美優(もうすぐ……一回目が終わる……)
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
美優「…………」
美優(私の歌で……みんなが喜んでくれて……)
美優(やっぱり……アイドルになって良かったな……)
美優(この楽しい気持ち……大切にしたい……)
美優「後少し……頑張ろう」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ 休憩タイム Sプロダクション ステージ裏
試合開始10分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :168917
snow drop :139871
穂乃香「何とか大量リードで一回目は終われましたね」
フレデリカ「次からあの2人が出てくるんだっけ?」
穂乃香「はい、多分そうだと思います」
小梅「だ、大丈夫……かな……」
フレデリカ「あははっ、大丈夫だよ、小梅ちゃん」
穂乃香「私達3人ならこのままリードを守りきっていけます!」
フレデリカ「そだね、アタシもそう思うな」
小梅「う、うん……」
穂乃香「でも、三船さんのあの落ち着いた振る舞いは気になりますね」
フレデリカ「……会場が盛り上がってるから、次から反撃に来るんじゃないかな〜」
小梅「は、反撃……?」
フレデリカ「うん、気を抜かないようにしないとね……」
小梅(フ、フレデリカさんが……こんな真剣な顔をして……や、やっぱり何かあるのかな……)
小梅(三船さん……わ、私、今は負けたくないって……き、気持ちが凄く強いです……)
小梅(でも……それは……)
小梅「…………」
フレデリカ「どしたの、小梅ちゃん?」
小梅「フ、フレデリカさん……アイドルは…た、楽しいですか……?」
フレデリカ「……アイドルか、アタシは楽しいよ?」
小梅「は、はい……」
フレデリカ「みんなの前で歌って踊って、こんな楽しい事は他にないかな〜」
小梅「そ、そうです……か」
フレデリカ「……ねっ、小梅ちゃん」
小梅「は、はい……」
フレデリカ「困った時や辛い時があるだろうけどね……そんな時はちゃんと前を向くんだよ?」
小梅「ま、前を……ですか……?」
フレデリカ「小梅ちゃんはアタシ達に出会った頃からいっぱい成長してるからさ」
フレデリカ「答えはきっと目の前にあるよ」
小梅「こ、答え……」
穂乃香「そうですね、今の小梅さんは気づいてないだけだと思います」
小梅「…………」
穂乃香「でも、私もそれに気づくのには時間がかかりましたから仕方ありませんよ」
小梅「穂乃香さん……」
小梅(今度はちゃんと答えられるのかな……み、三船さんの質問に……)
『まもなくLIVEバトルを再開します』
穂乃香「時間ですね、この勢いを保ったまま行きましょう」
フレデリカ「よしっ、行くとしよっか〜」
小梅「は、はい……」
小梅(Pさん……わ、私…アイドルサバイバルに出れて……本当に良かった……)
小梅(今まで……見れなかったものがい、いっぱい見れるようになったから……)
小梅(だから…後少しだけ…見守っていてく、ください……)
------ 休憩タイム Nプロダクション ステージ裏
洋子「美優さん! 1回目お疲れ様でした!」
美優「あっ……来てくれたんですね」
ネネ「準備バッチリですよ、張り切っていきましょう!」
美優「ごめんなさい……少し…差を広げられすぎてしまいました」
洋子「これくらいまだまだですよ、充分取り返しがつきますから!」
ネネ「……美優さん」
美優「えっ……?」
ネネ「いよいよ本番ですね! 私も全力で弾けます!」
ネネ「ファンの皆さんがみんな元気になっちゃうような、笑顔の溢れるLIVEにしましょうね!」
ネネ「私、このLIVEは絶対成功させたいから!」
美優「ネネちゃん……」
美優(こんな私でも……大勢の素晴らしい人達がそばにいてくれるんだな……)
美優「行きましょう……みんなで優勝するために……」
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始1分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :177628
snow drop :150127
クラリス「相手のメンバーが増えましたわ……」
涼「今の投票数の差なら誰が出てきても小梅達には追いつけないね!」
社長「まぁ、あんまり楽観視はできないけど確かに安全圏ではあるわね」
P「このまま最後までいってくれたら良いですね」
P(それにしても、栗原ネネ……斉藤洋子……この二人を選んだ理由はなんなんだろう……)
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
涼「みなよ、小梅達のステージにファンのボルテージも最高潮だね!」
P(会場の盛り上がり……それを待ってるのはわかるけど……)
P「!?」
P「し、しまった……!!」
クラリス「ど、どうなされたのですか? P様?」
P「みんな、気を抜かないで全力で行くんだ! 一気に追い上げてくるよ!!」
------ Nプロダクション 観客席
NP「こーも想定通りだとなんだかあっけないな」
レナ「あんまり感心しないわね。勝負相手にあんなにヒントを与えるなんて」
NP「遊びでやってるんじゃないってのは主張しとかないといけねーしな」
レナ「もう、それで負けたら単なるダメ男じゃないの?」
NP「その割にはあんまり心配して無いよな」
レナ「アイドルとしての運命、NPさんに掛けてるもの♪」
NP「そりゃどうも、まぁボチボチ頑張るわ」
レナ「まぁ、メンバーがあの子達って時点で大勝負ってのは気づいてるから」
NP「それ、カンってやつ?」
レナ「カンじゃなくて考えてる事くらい大体わかるだけよ」
NP「……じゃ、そろそろ反撃に移させてもらうとするか」
------ Nプロダクション ステージ
2回目試合開始2分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :191182
snow drop :163120
美優「…………」
洋子「美優さんお待たせしました! この大舞台でダンス出来るんですね! 私、がんばります!」
ネネ「ここからは私達もお手伝いしますね!」
美優「はい……お願いしますね!」
洋子「ボルテージは最高潮です! 逆転しますよー!!」
ネネ「みなさんにも元気分けちゃいます! 一緒に頑張りましょう!」
美優(やっと……ここまで来たんです……今はみんなが居てくれるから……)
美優(小梅ちゃん…この道を……私も行きたいの……私の我侭……聞いてはくれないかしら……?)
美優「……ここからが本当の勝負、です!」
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始3分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :204817
snow drop :190189
小梅「えっ……!?」
穂乃香「お、追い上げられてる!?」
フレデリカ「そっか……そういうわけだったんだね……」
小梅「ふ、フレデリカさん……どういう…こと……?」
フレデリカ「…………」
穂乃香「とにかく、今はステージに集中して行きましょう!」
小梅「う、うん……!」
フレデリカ(あっちはアタシ達に無いものをもってるってことか……)
フレデリカ(ごめん、二人とも……)
------ 医務室
2回目試合開始4分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :220192
snow drop :208716
『snow dropが怒涛の追い上げを見せています!!』
歌鈴「はわわわ、な、なんで追い上げられて!?」
愛結奈「なに……やってるのよ!?」
歌鈴「バックメンバーが追加されただけでこここんなに変わるんですか!?」
愛結奈「あの栗原ネネって子と斉藤洋子って子の二人の影響はかなり大きいわね」
歌鈴「でも……それならこっちには綾瀬さんとフレデリカさんがいますよ?」
愛結奈「……まぁ、二人の実力的には負けてはいないでしょうけどね」
歌鈴「だだだだったら、何で追い上げられて……」
愛結奈「相性の問題よ」
歌鈴「相……性……?」
愛結奈「あっちはバックの二人がメインの力を押し上げてるけど……」
愛結奈「こっちは小梅の力を押し上げれないわ、タイプが違うのよ……」
歌鈴「そ、そんな……じゃあこの勝負は……」
愛結奈「…………」
歌鈴「はぅぅ……み、みなさん負けないでっ!」
愛結奈(そんな事で腑抜けた顔してる場合じゃないわよ、フレデリカ!)
愛結奈(今、小梅を助けられるのはアナタと穂乃香だけなんだからしっかりしなさい!)
------ Nプロダクション ステージ
2回目試合開始5分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :235094
snow drop :226273
洋子「さぁ、まだまだいきますよっ!」
ネネ「もっと声を聞かせてください!!」
美優「頑張りましょう……もう少しで追い抜けます!」
洋子「動きやすい衣装でよかった♪ 気にせず踊れますね!」
ネネ「よ、洋子さんすっごくセクシーです!」
美優(こういうきわどい衣装って……NPさんの趣味なのかな……)
ネネ「どうしたんですか?」
美優「い、いえっ……」
洋子(日もだんだん落ちてきましたね……)
洋子「一夜限りのビューティーナイト、今華麗に幕開けよ! 魅せられちゃって目が離せないかも。ふふん!!」
洋子「さぁ、私のダンスで熱くなってください!」
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
------ Coolプロダクション 観客席
千枝「ま、まだです……。おねえちゃんたちはみんなで一緒にがんばってるから、負けません!」
由愛「で、でも……勢いが……」
聖來「…………」
千枝「聖來さん?」
聖來「どうしたの?」
由愛「なんで……いきなりこんなに……」
聖來「会場の熱気もそうだけど……Nプロは凄くまとまってるね……」
聖來(いきなり上がったあっちの勢いに小梅ちゃん達が気持ち負けしてるな……)
聖來(とは言え……あれほどまでなんて私も予想外だったけど……)
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始6分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :250281
snow drop :241827
ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!
フレデリカ「…………」
小梅「こ、こ、このままじゃ……」
穂乃香「くっ! 今の勢いだと一回抜かれると厄介ですね……」
フレデリカ「……みんな、切り替えていこっか!」
穂乃香「フレデリカさん?」
フレデリカ「相手は相手、こっちはこっち、気にしてても仕方ないよ〜」
小梅「…………」
フレデリカ「小梅ちゃん、行こう! アタシも手伝うよっ!」
小梅「は、はいっ!」
フレデリカ(アタシが動いても小梅ちゃんの力にはなれないけど……)
フレデリカ(アタシも負けるわけにはいかないんだよね……)
------ Sプロダクション 観客席
2回目試合開始7分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :265391
snow drop :258734
社長「……まずいわね」
涼「3人チーム……これがNプロの本気だっていうのかよ!?」
クラリス「小梅さん達も頑張っていますが、票差が少しづつ……」
P「…………」
P(ここまでだなんて……)
涼「Pサン、何とかならないのか!」
社長「突っ立ってるだけじゃ状況は変わらなさそうよ?」
P「…………」
クラリス「P様……」
P「涼、クラリス……」
涼「どうしたんだよ、Pサン?」
クラリス「何か、あったのでしょうか?」
P「少し……大変な事を頼むけど聞いてくれるかい?」
クラリス「今のみなさんの力になれるのであれば……なんでも問題ありませんわ」
涼「Pサンが考えてるより、アタシはアンタを頼りにしてるよ」
P「ありがとう……今から急いで準備するよ!」
社長(今、この状況を打破できるのはあなただけよ、頼んだわよ……)
------ Nプロダクション 観客席
2回目試合開始8分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :281527
snow drop :278371
NP「さーて、このままほっときゃ勝てるかな?」
レナ「今の調子ならそうでしょうね」
NP「良かったな、今回も予想が当たって」
レナ「私の勝負勘も鈍ってなかったってコトかしら? それとも貴方の眼が良かったってコトかしら」
レナ「ま、まだまだ勝負はわからないわ」
NP「……だろうな」
レナ「あら? まだ何か心配事があるの?」
NP「このままで終わるとは思えないけどね、レナさんもそう思うだろ?」
レナ「ふふっ、どんなに負けてても女には引けない勝負もあるのよ、NPさん!」
レナ「あの諦めていない目、最後のカードはまで切ってないはずよ……」
NP「…………」
------ Nプロダクション ステージ
2回目試合開始9分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :295918
snow drop :295082
ネネ「やった、やりましたよ! 並びました!!」
美優「えぇ……何とか目標は達成ですね……」
洋子「このまま楽しんで勝つっ! これぞ健康の秘訣かもだねっ!」
ネネ「はい! みなさんに元気になって貰いましょう!」
美優「最後は……ネネちゃん…お願いしますね」
ネネ「任せて下さいっ!」
洋子「よぉーし、私も負けてられないですねっ!」
美優「行きましょう……」
ネネ(私の目標は皆を元気にするアイドルですけど……)
ネネ(今日は衣装に負けないよう乙姫らしくNPさんだって歌や踊りで元気づけちゃいますからね!)
ネネ「さぁ、私とLIVEバトルです!」
------ 休憩タイム Sプロダクション ステージ裏
2回目試合開始10分経過 ファン投票数(ボーダー:400000)
Nightmare of pure white :311927
snow drop :320293
穂乃香「最後の最後で追い抜かれるなんて……」
フレデリカ「熱気は少し落ち着いてきたけど……何とか相手を出し抜かないとね……」
小梅「は、はいっ……きっと……大丈夫です……!!」
穂乃香「小梅さん?」
フレデリカ「……珍しく強気だね、こんなしっかりした小梅ちゃん初めてみたなぁ〜」
小梅「…………」
穂乃香(なんだろう、小梅さんの凄く真剣な目……)
小梅「フレデリカさん……なんで…悲しそうな顔……す、するんですか?」
フレデリカ「えっ……」
小梅「……じ、自分が力不足だとかお、お、思って無い…ですよね……?」
フレデリカ「…………」
穂乃香「小梅さん……何を言って……」
小梅「答えて……く、くれませんか……?」
フレデリカ「……ま、今の状況じゃアタシは2人のサポートはできて無いかな」
小梅「フレデリカさん……わ、私…本当に何も無かったんです……」
小梅「言われるままにあ、アイドルになって……でも、何もできなくて……」
穂乃香「そ、そんな事はないですよ!」
フレデリカ「なんでそんな話を……」
小梅「そんな時に……Pさんやみ、みんなに出会えて……凄くう、嬉しくて……」
小梅「……ずっとみ、みんなのその背中だけ……お、追いかけてここまできました……」
小梅「う、羨ましかったんです……私だけにで、できること…が……無かったから……」
穂乃香(確かに……最初の小梅さんはそんな感じだったな……)
小梅「私……ほ、ほんとはあ、あ、諦めてたんです……アイドル…サバイバル……」
フレデリカ「えっ……!?」
穂乃香「…………」
小梅「最初は……Pさんに言われたからが、頑張ろうって……そ、それだけだったから……」
小梅「い、いざ出場すると……水木さんやいつきさん……あ、憧れの人達に……お、お、押しつぶされそうで……」
フレデリカ「…………」
小梅「わ、私のために……応援してくれるひ、人がいっぱいいるって……知らないで………」
フレデリカ「小梅ちゃん……」
小梅「でも…今はもう……大丈夫……フレデリカさん、穂乃香さん、歌鈴さん、愛結奈さんが……」
小梅「ステージでは……私のそばにい、いてくれるから……」
小梅「やっと……気づけたこの気持ちが……今でもわ、私の胸の中にいますから……」
穂乃香(これがあの小梅さんなんて……)
小梅「だから……ふ、フレデリカさんも……一緒に……」
フレデリカ「もちろんだよ……」
小梅「私は……ま、まだアイドルが楽しいか……わ、わからないけど……」
小梅「きっと……ぜ、全力でやれば…わ、わかるかなって……」
穂乃香「ふふっ、そうですね……」
フレデリカ「うん……見つかるよ。きっとね」
小梅「だから……私…あの人に……三船さんにか、か、勝ちたい……!!」
小梅「わ、私の周りにも……Sプロダクションにも…いっぱいいっぱい……い、良い人達がいるんだって……!」
小梅「見せてあげたい……です……」
ポンッ
小梅「あっ……」
フレデリカ「ごめんね……でも、おかげ様で気合い入ったよっ!」
穂乃香「そう思ってるのは小梅さんだけじゃないです、私にもお手伝いさせて下さいね……」
小梅「うん……うん……!」
穂乃香「じゃあ、最後のLIVEバトル開始は小梅さんの掛け声で飛び出しましょうか」
小梅「わ、私の……!?」
フレデリカ「小梅ちゃんがリーダーだからね、しっかりとアタシ達を引っ張って欲しいな〜」
小梅「…………」
フレデリカ「ささっ、パーっと勝利宣言しちゃってね」
穂乃香「最初は心配でしたけど、今なら小梅さんと同じチームで良かったと私は思ってます」
小梅「……うん」
小梅「い、行きましょう!……最後の最後……絶対……勝ちます!!」
穂乃香「もう、これ以上好き勝手はさせませんよ!」
フレデリカ「さっきのお返しをさせてもらうからね〜!」
小梅(これが……最後…私……後悔だけはし、したくない……)
>>314
ダチャーンの話は一回書きましたがお蔵入りしました
>>315
ありがとうございます
そう言ってもらえると凄くうれしいです
------ エピローグ レッスン場
ガチャ
小梅「おはよう…ございます……」
愛結奈「おはよっ、小梅」
フレデリカ「おはよ〜」
歌鈴「おはようございますっ! 小梅ちゃん!」
小梅「えへへっ……」
愛結奈「なにニヤついてるのよ?」
小梅「なんだか……いつもに戻ってきたなって……」
フレデリカ「そだね〜、相変わらずのEグループだからね」
歌鈴「あうぅ……私達、頑張ったのに昇格は無しなんですね……」
愛結奈「昨日の今日ってのもあるし、そもそも歌鈴以外は望んでここにいるしね」
小梅「歌鈴さんは……い、いやですか?」
歌鈴「そそそそんなことないですよっ!」
ガチャッ
社長「さぁ、あなた達。ミーティングを始めるわよー!」
小梅「あれ? オカマさん……?」
愛結奈「なんでカマ社長がここに来るの?」
フレデリカ「カマちゃんは嫌みでも言いに来たのかな〜」
歌鈴「あわわ、みなさん……カーマさんに失礼ですよっ!」
社長「変なあだ名を付けてる道明寺が一番失礼よっ!」
愛結奈「で、なんなの? ワタシ達は今日は連絡のために集められただけだと思うけど?」
社長「……まぁ、その連絡事項を私自ら言いに来たのよ」
小梅「な、なにか……あ、あるんですか?」
社長「……コホン、聞いて驚きなさいよ?」
フレデリカ「はしゃいでるね〜、いつもの事だけど……」
歌鈴「何があるんでしょう……」
社長「あなた達はアメリカライブツアーのメンバーに選ばれたわ!!」
小梅「ア、アメリカ……」
歌鈴「ラララライブツアー……!?」
フレデリカ「そんなイベントもあったんだね〜」
愛結奈「へぇー、アメリカライブツアーね……」
歌鈴「知ってるんですか、愛結奈さん?」
愛結奈「フェスやアイドルサバイバルよりも大きなライブイベントね」
愛結奈「10人1組でアイドルサバイバルみたいにLIVEバトルをしていくのよ」
社長「さすが浜川は物知りね」
愛結奈「というか周りが知らなさすぎるのもあると思うけど……」
フレデリカ「アタシは愛結奈さんが知っててくれるならいいかなーって」
歌鈴「わ、私もそう思ってました……」
愛結奈「…………」
小梅「で、でも……10人なら誰が……」
ガチャッ
涼「へへっ、小梅。アタシ達の事を忘れて無いよね!」
いつき「今回は私達も一緒ですよ! 一緒に頑張りましょう!!」
クラリス「私もみなさまと共に行く事になりましたわ」
智香「えへへっ! アメリカでも全力でファンのみんなを元気にしましょうね!!」
久美子「ち、ちょっとみんな押さないでよ!!」
愛結奈「いつき、クラリス、智香、久美子、涼……」
歌鈴「私、愛結奈さん、フレデリカさん、小梅ちゃん……」
フレデリカ「あれっ? あと一人は誰なの?」
社長「綾瀬よ、今日はオフだから来てないだけ」
小梅「す、凄い……10人います……」
社長「さぁ、この10人でアメリカに殴り込みに行くわよ!!」
社長「この前やってくれたNプロもきっと出てくるわ、Sプロのみんなでリベンジよ!!」
小梅「う、うん……うん……!」
智香「オー!! アタシ、燃えてきましたよー!!」
涼「アタシが出るなら好き勝手はさせないよ! 撃ち落としてやるからね!」
愛結奈「また、騒がしいメンツが集まったわね……」
フレデリカ「あははっ、でもやっぱりこうじゃないとね〜」
クラリス「そうですわ。Sプロダクションらしい感じがしてとても良いと思います」
久美子「私はもうちょっと穏やかに行きたいんだけどね……」
いつき「久美子ちゃんもそんな事言わずに、いっぱいレッスンしましょう!」
小梅「そ、そう言えば…Pさんは……?」
フレデリカ「んー、事務所にいるんじゃないかな?」
愛結奈「ミーティングは社長がやっちゃったしね、まぁのんびりしてるんじゃないの?」
歌鈴「えへへっ、きっと忙しいんですよ」
小梅「わ、私…行ってきます……ら、ライブツアーの事言いたいから……」
フレデリカ「うん、アタシ達も後で行くね〜」
社長「…………」
------ 事務所
ガチャッ
小梅「P……Pさん……?」
シーン
小梅「あれっ……?」
小梅(Pさんの机……何も…ない……)
社長「そこの男は退職したわよ」
小梅「えっ……」
社長「彼はもういないわ、そういう約束だったからね」
小梅「い、いない……?」
社長「そう、あなたがアイドルサバイバルで優勝できなかったらクビってね」
小梅「そ、そ、そんな……そんなこと聞いて無いです……」
社長「あら? 聞いて無かったの……」
社長「あなたがそれを聞けばもう少しやる気が出ると思って言ったのに」
社長「結局、誰にも言わないままにしたのね」
小梅「…………」
社長「まぁ、彼はプロダクションが合併してやる気を失くしていたしね」
社長「そこまで優れてるわけでもないし、今までいれただけでも幸運かしら」
小梅「な、なんで……そんな、いじわる言うんですか……?」
社長「いじわるじゃないわ、ホントの事よ」
小梅「う、嘘……Pさんは私とや、や、約束したから……」
小梅「きっと……わ、私をび、びっくりさせようとして……」
社長「そっ、じゃああの男は嘘つきね」
小梅「う、嘘つきって……言うなッ……!!」
社長「…………」
小梅「ふー……ふー……」
社長「……白坂、私はあなたの事をかってるのよ?」
社長「あのプロデューサーではあなたは上には行けないわ」
社長「あなたはもっと自分の才能に自信を持って良い環境で頑張るべきよ」
小梅「うるさいッ!……そ、そんなもの……いらないッ……!!」
社長(こんなに敵意を剥き出しにする白坂は初めてね……)
小梅「こ、こ、こんな酷い事するなら……わ、私…あ、あ、アイドル……や、止めます……!」
社長「あなたも約束を破るの?」
小梅「う、うぅ……」
社長「やっぱりあの男が育てたアイドルはそんなものなのね」
小梅「…………」
ダッ!
社長(やっぱりこういうのは慣れないわね……)
------ 廊下
タッタッタッタッ
小梅(なんで……あ、あんな酷いこと……)
小梅(でも……わ、わ、私が勝てなかったから……)
小梅(ごめんなさい……Pさん…私…が、頑張るから……)
小梅(い、行かないで……!!)
ドンッ!
歌鈴「ふぇっ!?」 ドテッ
愛結奈「か、歌鈴! 大丈夫?」
フレデリカ「今のは小梅ちゃん……?」
歌鈴「あうぅ……いたいです……」
フレデリカ「派手に突き飛ばされたからね〜、気をつけなよ?」
愛結奈「でも、一体何かあったのかしら……?」
------ 商店街
ドンッ!
小梅「!?」
穂乃香「きゃっ!?」
小梅「あっ……ご、ご、ごめんなさい……」
穂乃香「んぐっ……ゴホッ! ゴホッ! 小梅さん、急にどうしたんですか?」
小梅「ほ、穂乃香さん……」
穂乃香「あっ……こ、これですか?」
穂乃香「あの、その……たい焼きが好きですから、ちょっと買い食いを……」
穂乃香「き、今日はオフだし良いかなって……」
小梅「……グスッ……」 ボロボロ
穂乃香「え、えっと……どうしたんですか?」
ダキッ
穂乃香「えっ!?」
小梅「ほ、穂乃香さん……!」
穂乃香「……はい、落ち着きましたか?」
小梅「うん……ご、ごめんなさい……」
穂乃香「でも、いきなりどうしたんですか? 前を見ないで走ると危ないですよ?」
小梅「穂乃香さん……Pさんや、やめるって本当ですか……?」
穂乃香「……もう、行ってしまったんですね」
小梅「し、知ってたの……?」
穂乃香「ごめんなさい、私はアイドルサバイバルの前に聞いていましたから……」
小梅「な、な、何で……教えて……くれなかったんですか……?」
穂乃香「それは、私自身も気持ちの整理がついて無かったからです」
小梅「…………」
穂乃香「……よかったら小梅さんも食べませんか?」
小梅「えっ……」
穂乃香「たい焼き……美味しいですよ?」
小梅「う、うん……」
穂乃香「本当はプロダクションが合併して少ししたらPさんは辞めるつもりだったみたいです」
小梅「P、Pさんが……?」
穂乃香「えぇ、自信が無かったんらしいんです。おかしな話ですよね……」
小梅「…………」
穂乃香「でも、小梅さんに出会ってPさんはもう少し頑張ってみようと思えたらしいですよ?」
小梅「わ、わ、私に……なんで……?」
穂乃香「さぁ……それは私にも教えてくれませんでしたから」
穂乃香「小梅さんが本人の口から聞くのが一番だと思います」
小梅「穂乃香さんは……さ、寂しくないん…ですか……?」
穂乃香「……私はPさんが約束してくれましたから」
小梅「…………」
穂乃香「きっと、また一緒に頑張れる日が来ますよ」
小梅「うん……」
穂乃香「さて、私はそろそろ行きますね。食べた分を少し歩いて運動してきます」
小梅「穂乃香さん……」
穂乃香「どうしたんですか?」
小梅「あ、ありがとう……私……」
穂乃香「ふふっ、良いんですよ。アメリカツアー、頑張りましょうね」
小梅「う、うん……」
トボトボ
小梅「…………」
小梅(Pさん……帰って…来てくれますよね……)
小梅(わ、わ、私……それまでが、頑張るから……)
小梅「…………」
小梅(でも……やっぱり…さ、寂しいです……)
小梅(そ、そんな事……隠してたなんて……)
小梅(いっつも……わ、私の事ばっかり……)
小梅(なんで……そ、そんなに……)
P「……アイドルがそんなに暗い顔をしてちゃ駄目だよ?」
小梅「…………」
P「こんなところでどうしたんだい?」
小梅「…………」
ダキッ
P「小梅?」
小梅「Pさん……わ、わ、私…お、怒ってる……」
P「ははっ、何で怒ってるんだい?」
小梅「勝手に……い、いっちゃうなんて……ひ、酷いから……」
P「すまなかったね、社長との約束を破るわけにはいかなかったから」
小梅「で、でも……!」
P「大丈夫だよ、小梅がこんなに凄いアイドルになったんだ」
P「僕も今は心の底からプロデューサーとして頑張っていきたいと思ってる」
小梅「…………」
P「今はまだ……戻るわけにはいかないけど」
小梅「なんで……な、なんですか……?」
P「……少し、気持ちの整理をつけたいと思ってたからね」
P「今ちょうどその事を話そうとみんなのところに行こうとしてたところさ」
小梅「じ、じゃあ……」
P「社長はいつでも帰ってこいって言ってくれている」
小梅「…………」
P「……待たせてしまう事になってみんなには申し訳ないけど、また一緒に頑張っていくつもりだよ」
小梅「うん……」
P「社長がそんな事言ってたんだ」
小梅「ひ、酷いです……あんなこと…言わなくても……」
P「そう言わないであげてくれないか、社長も考えがあっての事さ」
小梅「考え……なんて…無いです……」
P「多分ね、社長は小梅を僕にけしかけるためにそう言ったんだろうね」
小梅「私……を?」
P「うん、社長には何だかんだで引きとめられたからね……」
小梅「…………」
P「それでも、意志は変わらなかったからきっとまた会わせるように仕向けたんだろうね」
P「僕がプロデューサーを続ける気持ちをくれた小梅にね」
小梅「えっ……わ、わ、私…そんな事してません……」
P「小梅は僕と初めて会った時の事、覚えてるかい?」
小梅「はい……確か…み、道案内したとおもいます……」
P「そうだね……」
小梅『…………』
P『あの、Sプロダクションはこっちであってるかな?』
小梅『は、はい……』
P『君はSプロダクションのアイドルかい?』
小梅『えっ……そ、そうですけど……』
P『そっか、僕もこれからSプロダクションで働くんだ、宜しくね』
小梅『そ、そうなんですか……』
P『うん、しばらくはプロデューサーをさせてもらうつもりだよ』
小梅『プ、プロデューサー……』
P『どうかしたのかい?』
小梅『す、す、凄いです……』
P『えっ?』
小梅『きっと……凄いアイドルをい、いっぱい……プロデュース…するんですね……』
P『…………』
P「あの時、僕は何気ない君の言葉に後少しだけ頑張ってみようと思えたんだよ」
P「だって、自信が無くて迷ってたのに凄いって言ってくれたら答えないわけにはいかないからね」
小梅「…………」
P「小梅や愛結奈、フレデリカに穂乃香、涼」
P「みんなが力を合わせて頑張れるように……せめて、そこまでは僕も頑張ろうって」
P「だから、アイドルサバイバルは良い区切りだったと思うよ」
小梅「そんなこと……な、ないです……」
P「小梅……君は変わったね」
小梅「私が……か、変われたのは……Pさんのおかげだから……」
P「小梅は色んなものを見てきて周りも変わっただろう?」
P「一人で泣いてた君はもうここにはいない」
小梅「…………」
P「だから、前を向いて進むんだ。今の君なら大丈夫さ」
小梅「う、うん……」
P「じゃあ、ここで少しお別れだね」
小梅「や、やっぱり……だ、だめ……!!」
P「小梅……」
小梅「どこでも……ついてく……」
おわり
------ おまけ
フレデリカ「ふーん、やっぱりプロデューサー続けるんだね」
歌鈴「私達、Pさんが帰ってくるまでプロデューサー無しなんですね……」
愛結奈「ま、しょうがないわよ。ワタシ達をまとめれる人がいないし」
小梅「……な、なんでみんなそ、そんなに……落ち着いて……」
フレデリカ「えっ? だって会えないわけじゃないしね〜」
愛結奈「昔のドラマじゃあるまいし、今時連絡をとる手段なんていくらでもあるわ」
歌鈴「でもでも、そういうのって憧れますよねっ!」
愛結奈「そうはいっても、プロデューサーの家ってここから1駅だしそんな感動も無いわよ」
フレデリカ「あははっ、メールでいつでも遊びに来ていいって言ってたし」
フレデリカ「また、みんなでいこっか!」
歌鈴「えへへっ、そうですね! 楽しみにしてます!」
小梅「…………」
歌鈴「あれ? 小梅ちゃん、どうしたんですか?」
小梅(い、い、言えない……忘れてたなんて……) ガーン
ガチャッ
社長「オハロー!!」
フレデリカ「…………」
愛結奈「……誰か反応してあげなさいよ!」
歌鈴「ふぇっ!? むむむ無理ですよあんなの!」
社長「道明寺! 前から思ってたけどあんたサラッと失礼よ!」
小梅「今日は……なんなんですか……?」
社長「あら、小梅ちん。その顔だと気持ちの整理はついたのかしら?」
小梅「うん……Pさんがいつ帰ってきても…だ、大丈夫なように……頑張る……」
社長「ふふっ、そんな小梅ちんに私からアイドルサバイバルを頑張ったで賞よ!」
小梅「えっ……な、何か…あるんですか……?」
社長「ホラー映画好きだったわよね、私の秘蔵をプレゼントするわ」
小梅(こ、こ、このパターンって……)
社長「はいっ、どうぞ!」
ソウデスカ ファイナル
小梅「わっ……ず、ずっと見たかったやつです……!」
社長「ふふっ、手に入れるの苦労したんだから」
小梅「う、う、嬉しい……」
社長「ん? あぁ、ごめんなさい。こっちは私のプライベート用だったわ」
小梅「えっ……?」
社長「はい、本当のプレゼントはこっちよ」
死霊の盆踊り
小梅「あっ……あっ……」
小梅(つ、つ、ついに……私の手に……)
社長「嬉しくて声も出ないのかしら?」
小梅「……ば、爆発しろ……このオカマ……!!」
社長「ひ、酷いわ小梅ちん!!」
愛結奈「初めて本気で怒ってる小梅を見たわ……」
フレデリカ「あははっ、言うね〜小梅ちゃんも」
歌鈴「あの映画、何かあったんですか?」
小梅「…………」ジー
愛結奈「…………」ジー
フレデリカ「…………」ジー
歌鈴「…………」ジー
穂乃香「…………」ジー
愛結奈「勢いで見ようっていったのはいいけど……」
小梅「…………」
歌鈴「ななななんなんですか! この映画!」
穂乃香(なんで私まで付き合わされてるんだろう……)
小梅(やっぱり……み、みんな…そう思うんだ……)
フレデリカ「あははっ、この映画面白いねっ!」
小梅「えっ!?」
おわり
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます
ちらほらと矛盾が見える所があって恥ずかしい限りですが
なんとか書きあげる事ができました
稚拙な文章ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです
このスレはHTML化依頼を出しておきます
08:10│白坂小梅