2013年11月18日

幸子「世界で一番カワイイのはこのボクですからね!」伊織「はぁ!?」

―――数日前


やよい「うっうー!」


やよい「久しぶりに伊織ちゃんと一緒のお仕事嬉しいですー!」

伊織「ちょ、ちょっとやよい、あんまりはしゃいではねると春香みたいに転ぶわよ」

貴音「ふふ、微笑ましいものですね」

P「おっ、三人とも揃ってるな」

やよい「あっ、プロデューサー!」

P「よし、ちょうどいい、そのままで聞いてくれ」

P「今回みんなに出てもらう仕事の話だけど、これは主に765プロとしての仕事だ。
  ユニットや個人だけじゃなくて、事務所の看板を背負うからな」

やよい「は、はいっ!」

貴音「全力を尽くしましょう」

P「あー、とはいっても気負えって意味じゃないんだけど……いつも通りのみんなでいこう」

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P「それと、この日はモバプロと共演することになる」

伊織「モバプロ?」

P「そう」

貴音「新進気鋭、強烈な個性をもつ面々を多数抱えていると噂の、あのもばぷろですか?」

伊織「最近その名前、よく聞くけど……」

やよい「私、モバプロの方とお仕事するのは初めてかもー!」

貴音「私もです」

P「そうだったな。うちとは少し方向性の違うところだから、今まではぶつかることが少なかったんだよ」

やよい「ええと……強烈ってことは、強くて怖い人たち……ってことですか?」

P「いやいや、そんなことはないよ」

伊織「たしかこの前、春香たちが一緒に仕事をしていたわよね? そのモバプロと」

P「ああ。ニュージェネレーションとかって名前のトリオで……島村卯月って子と、渋谷凛って子と、
  あと……本田未央って子だったかな。割と普通の、礼儀正しい子たちだったよ」

やよい「普通?」

貴音「ということは、強烈な個性というのは……」

P「大所帯だからそういう広報戦略をとったんだろう。……それに、個性的っていうならうちも大概だし」

貴音「はて、そうなのですか?」

伊織「……貴音は筆頭だと思うわ」

P「いやあ、伊織も相当だよ」

伊織「ちょっと、この可愛い伊織ちゃんに向かって相当って何よ。失礼しちゃうわね」

やよい「とにかくそれなら、強烈な人はいないんですね! 安心して仲よくお仕事できそうですー!」

伊織「……ねえ」

P「ん?」

伊織「そこって、怪しい事務所じゃないんでしょ?」

P「ああ。新興事務所とは思えないほどしっかりしたところだったよ。だからまあ、信頼して大丈夫だと俺は思う」

貴音「なるほど、あなた様がそう仰るのであれば、きっとそうなのでしょう」

P「あと、当日のことでひとつ言っておきたいことがあるんだ。事務所としては一応こっちの方が先輩だから、
  向こうから挨拶に来てくれるだろうと思うけど、……くれぐれも、相手方に失礼のないようにしてくれ、頼むな」

やよい「はーい!」

伊織「当然よ!」

貴音「承知しております」

P「よし、期待してるからな!」

 ………………………… ◇ …………………………

―――昨日


蘭子「闇に飲まれよ!(お疲れさまです!)」

モバP「お、蘭子、やみのま。今日の仕事はどうだった?」

蘭子「これしきの疵で、我が漆黒の翼を折ることはできないわ(ちょっと疲れたけど、いい感じでした!)」

輝子「プロデューサー……か、帰ってきたよ」

モバP「おかえり。どうだ、仕事、無事に終わったか?」

輝子「わ、わからないけど……平気、たぶん……。フフ……キノコのおかげ」

幸子「プロデューサーさん、ボクもいますよ? さあどうぞ褒めてください」

モバP「待て、色々抜けてんぞ。何でそこにいるってだけで褒めなくちゃならないんだ」

幸子「それはもちろん、ボクはわざわざ言うまでもなく、お仕事をソツなくこなしたに決まっているからですよ!」

モバP「なあるほど、そりゃすんばらしい」

幸子「心がこもってないですね。それがこのボクに対する扱いですか?
   ほら、ボクにもっと言うことがあるんじゃないですか、プロデューサーさん」

モバP「さってと、ちょうど三人いることだし、明日の確認をしておこうか」

幸子「……」

蘭子「げ、現世の終末を知ってしまったかのような顔ね(げ、元気出して!)」

モバP「お前たちも知っての通り、明日は765プロとの仕事だ」

輝子「なめこ?」

モバP「なめこじゃない。なむこ」

幸子「……765プロって、あれですよね。少数精鋭のプロダクションで」

蘭子「その地に集いし者たちは皆、神の祝福を与えられた者たちという……
   (所属アイドルが全員売れっ子っていう、すごいところですよね)」

モバP「その通り。客観的に見ても、今のモバプロじゃ到底太刀打ちできる相手じゃないだろうな。
    明日はそんなところと共演するわけだが」

幸子「このメンバーでですか?」

蘭子「ククク……我が身に力が注がれていくのを感じるわ(緊張するかもしれないけど、頑張る!)」

輝子「み、見る……見られるなら、張り切っていきますよー……フヒヒッ」

モバP「……」

幸子「……」

モバP「……ま、まあ何とかなるよ。前にさ、卯月と凛と未央が向こうと仕事したことあるだろ?」

幸子「ああ、相手は天海春香さんと如月千早さんでしたね。ふふん、あの人たちよりボクの方が」

モバP「そん時ついてた奴の話を聞く限りじゃ、765のアイドルってのは立場を鼻にかけたりしない、
    いい子たちなんだそうだ。だからきっとお前らとトラブルになることはない、と思う」

幸子「ふーん……まあボクは誰が相手でも問題ないですけどね!」

蘭子「案ずることはないわ(いい子にします)」

輝子「キノコは……どうしよう……」

モバP(それでもこいつらは個性が強烈すぎるから、少し不安なんだよな……)

 ………………………… ◇ …………………………

―――当日


伊織「着いたわね」

やよい「到着ですー!」

P「みんなはぐれないで着いてきてるなー。控え室は……たしかこっちだ」

貴音「あの、あなた様」

P「貴音、どうした?」

貴音「恥ずかしながら……私はお腹がすいてしまいました。ラーメンの類いをお持ちではありませんか?」

P「ラーメンは持ち歩いてないな……。もうしばらく我慢してくれ、控え室に着いたら何か買ってくるよ」

貴音「あいすみません」

伊織「……ねえ、プロデューサー」

P「伊織はオレンジジュースでいいんだよな」

伊織「にひひっ♪ わかってるじゃない。ちゃんと100%のをお願いね」

やよい「プロデューサー、お使いなら私が行きますっ」

P「ん? ああ、いいよこれくらい。俺も時間あるし……。
  ……それにやよいが行くなら結局みんなで行くことになりそうだし」

やよい「う?」

伊織「そうね」

P「だからやよいは気にしなくていいんだ。それよりも、ついでに何か買ってきてほしいものはあるか?」

やよい「あっ、じゃあじゃあ、ポケモ○キッズが売ってたら買ってきてくれますか? 浩太郎が集めてるんです!」

P「ははは、わかった」

 ………………………… ◇ …………………………

モバP「着いたぞー」

輝子「……」

蘭子「……うわぁ」

幸子「……大きな建物ですね」

モバP「……なんだ? もしかして尻込みしてるのか、お前たち」

蘭子「な、何を言う!(し、してません!)」

幸子「そそそうですよ! ボクにかかれば、こんな、……こんな……」

輝子「フフ……全部キノコで埋め尽くして……フフフフフ……」

モバP「……」

モバP「お前たちって見かけの性格の割に小心だよな」

幸子「なっ!?」

モバP「あんまり経験させてこなかったから、仕方ないっちゃ仕方ないんだけどさ……、
    んーこういう大きな仕事は慣れてる奴かもっと堂々とした奴に任せるべきだったかなー」

蘭子「お、愚かな! この私の力を見誤るとは、瞳を失ったというのか、我が下僕よ!
   (そんなことありません! 私にだってできます!)」

モバP「本当に?」

蘭子「なっ……、何故疑うのだ!?(本当ですよ!)」

モバP「うん、その意気込みを大事にしろよ。じゃあ行くか」

輝子「と、飛ばしていけってことかな……全力で」

幸子「勘弁してください」

モバP「そうそう、控え室に着いたら、お前たちは765プロの人たちに挨拶してきてくれ」

蘭子「……我が下僕よ?(……あの、プロデューサー、は?)」

モバP「俺はちょっと先方に確認したいことがあってさ。時間かかりそうだから」

幸子「プロデューサーさんは一緒に来ないんですか?」

モバP「うん、悪いけど」

幸子「……そうですか」

モバP「なんだよ。……先輩アイドルたちを前にしてビビっちゃうか?」

幸子「ビビってませんよ!」

モバP「なら平気だろ、自信持っていけ。いつもの自分らしくいけば大丈夫」

幸子「……はい」

モバP「だけどな……仮にだけど、もし何かあったら、そのときはすぐ俺に言うんだ」

モバP「でもま、心配するようなことはなんもないと思うぞ」

蘭子「そ、そうね……」

幸子「わかりました。ボクにできないことなんかないってことを、プロデューサーさんに思い知らせてあげます!」

輝子「ぷ、プロデューサー……」

モバP「なんだ?」

輝子「これ……キノコ、どうしたらいい……かな」

モバP「控え室に置いといたらどうだ?」

輝子「う、うん」

モバP「それかまあ、一緒に挨拶に行ってもいいかもしれないな。友達なんだろ、キノコと」

輝子「……」

 ………………………… ◇ …………………………

貴音「……」ぐぎゅるぐるるるる…

やよい「はわっ!? 誰かのお腹の怪獣が鳴いてます!」

貴音「なんと。面妖な」

伊織「いや、面妖なって……今の、アンタでしょ」

貴音「ばれてしまいましたか」

伊織「バレバレよ」

貴音「ああ、弱りました……。お腹がすいて力が出ません」

やよい「貴音さん、大丈夫ですか?」

貴音「大丈夫、ええ、今のところは問題ありません。問題ありませんよ。
   ……ところでやよい、貴女はとても、美味しそうですね……うふふふふ」

やよい「た、貴音さん!? 私を食べちゃダメですよ!」

伊織「やめなさいよ貴音、やよいが本気にしてるでしょ」

貴音「申し訳ありません、やよい、冗談ですよ」

やよい「うう、冗談でよかったです……」

貴音「しかし、いつまでこのような冗談を言う余裕があるかわからないのもまた事実……。
   ああ、あなた様、早くお戻りになってくださいまし……」

伊織「もう自分で買いに行ったら?」

貴音「それもそうなのですが、その、もばぷろの方々がじきにおいでになると思うと……」

伊織「そうね……。じゃあ、こっちから先に挨拶に行っちゃえばいいんじゃない?」

やよい「そうだね伊織ちゃん! 挨拶は先手必勝! ですよ、貴音さん!」

貴音「なるほど。それはよい考えですね。では、こちらから出向くことと致しましょう――」


 コンコン


貴音「――はて? どなたでしょうか」

 ………………………… ◇ …………………………

輝子「きのこ、きのこ、のこのこのこのこ……」

幸子「あの、星さん、さっきから何をお経みたいに呟いているんですか?」

輝子「あっ、え、えっと、キノコの歌……この歌は、キノコのための歌だよ」

幸子「はあ……」

輝子「いい歌……だよね?」

幸子「いや、知りませんけど……」

輝子「……そ、そう……。私の好きな歌なんて、知ったことじゃない……」

幸子「ええと、そういう意味で言ったんじゃなくて」

蘭子「み、皆のもの! 魂の調べに耳を澄ますがよい!(ふ、二人とも、ちょっと聞いて!)」

幸子「何ですかもう、そんなに大きな声を出さなくても聞こえますよ」

蘭子「約束の地を目指す我らが集うは魔の祠! 悪魔の眷属にこの身を滅ぼされかねん!
   (765プロさんの控え室の前でおろおろしてるせいで、
    スタッフさんたちが不審そうにこっちを見てる! ど、どうしよう!)

幸子「そんなの、決まってるじゃないですか」

蘭子「まことか?(というと?)」

幸子「さっさとノックして、部屋に入っちゃえばいいんです」

蘭子「任せたぞ我が同胞よ!(幸子ちゃんお願い!)」

幸子「え? ……や、こ、ここはあなたたちに譲ってあげますよ! ボクは心が広いですからね!」

蘭子「……(えー……)」

幸子「な、何ですか! け、決して勇気が出ないから言っているわけじゃないですよ!
   ボクはただ、仲間に花を持たせてあげようと」

蘭子「……(じー……)」

幸子「な、何ですか! 何ですかもうっ! じゃあいいですよ、公平にじゃんけんにしましょう!
   それなら文句ないですよね?」

蘭子「構わないわ、私に宿る魔力を尽くしましょう(うん、負けないよ!)」

幸子「はぁ……」

輝子「ぼっちぼっちぼちホシショウコー……」

幸子「ほら、星さんも! ぶつぶつ言ってないでじゃんけんしますよ! せーの」

幸子「じゃんけん、ぽん!」


 幸子 パー

 蘭子 チョキ

 輝子 キノコ


幸子「真面目にやってください!」

輝子「ヒッ」

幸子「じゃんけんの手にキノコはないですよ!」

輝子「キノコは……ち、チョキって言ってる」

幸子「そんなのズルです! やり直しましょう! 次はちゃんと出してくださいよ!」

蘭子「……」

輝子「……」

幸子「……な、何ですかその目は」

蘭子「……魂の契約は絶対よ(幸子ちゃんって……そういうことするんですか?)」

幸子「違いますよ! ええっ、ボクは悪くないですよね今!? ボクが悪いんですか!?」

蘭子「……いや、よい。永久の月の光の下で、再び舞いましょう(……うん、そうだね、もう一回やろっか)」

輝子「キノコの言葉……伝わらなかった……ごめん……」

幸子「ああもう! いいですよ! ボクがやりますよ! でも、どうなっても知りませんからね!」


 コンコン―――

やよい「はーい! どちら様ですか?」

幸子「こ、こんにちは……」

伊織「あら? あなたたちってもしかして」

幸子「ご、ご挨拶に来ました……。その、モバマスプロダクション所属の輿水幸子です」

蘭子「私の名は神崎蘭子……遍く紅の世にいざ参らん!(私は神崎蘭子です! 今日はよろしくお願いします!)」

伊織「は?」

やよい「ふぇ?」

貴音「私は四条貴音と申します。こちらこそ、宜しくお願い致します」

輝子「……わ、私はホシショウコ……と、友達のキノコ……」ボソボソ

やよい「あまねくってなんですか?」

伊織「貴音、アンタこの人が何て言ったかわかるの?」

貴音「ええ、わかりますよ」

輝子「……って、誰も聞いてないよね……フフ……」

貴音「お待ち申し上げていましたよ皆のもの。まこと、良き名ですね。本日は共に頑張りましょう。
   では私はこれで」ぐるぐるる…

幸子「ご迷惑をおかけするかもしれませんが、今日は――って四条さん!? あっ、行っちゃった……」

伊織「ごめんなさい、貴音は急ぎの用事があるみたいで」

幸子「あ、そうなんですか……」

幸子「えっ、えっと、じゃあ改めて……」

伊織「水瀬伊織よ」

やよい「高槻やよいですっ!」

幸子「水瀬さん、高槻さん、今日はよろしくお願いします」

やよい「よろしくお願いしまーっす!」

幸子「は、はい……」

伊織「……」

やよい「……」

幸子「……」

蘭子「……」

輝子「……」

伊織「……ねえ」

幸子「はい!?」

伊織「別に取って食ったりしないから、そんなに緊張しなくたっていいわよ」

蘭子「う……」

輝子「……」

伊織「マリオネットみたいじゃない、あなたたち」

幸子「で、でも皆さん、この業界の先輩ですから……」

伊織「先輩だけど、私たちの方が偉いわけじゃないもの」

やよい「みんな仲よしライバルですよね!」

幸子「そう……ですか?」

やよい「はいっ!」

伊織「そういうことよ。遠慮なんていらないわ」

蘭子「……我が下僕の予言は正鵠を射ていたようね(プロデューサーの言ってた通り、いい人たちですね!)」

伊織「え? なに?」

幸子「いい人たちでよかったって言ってます」

やよい「私たち、いい人だって! やったね伊織ちゃん!」

伊織「べ、別に私は……」

伊織「ま、まあ、みんなライバルってことは、誰が相手でも手加減なんかしてあげないってことだけどね」

幸子「……はい、望むところです! 誰よりカワイイこのボクの実力を、あなたたちに見せてあげますよ!」

蘭子「禁呪が!?(幸子ちゃん!? そ、それは……)」

伊織「……あら、ずいぶん大きく出るのね」

幸子「ふふん、だって当然のことですから!」

伊織(へえ……凄い自信じゃない。だけど、可愛さにかけてはこの伊織ちゃんの方が上よ!)

蘭子(ああ……)オロオロ

伊織「その自信はどこから来るのか知らないけど……」

幸子「……」フフーン

伊織「でも覚悟しときなさい、いつだって、一番を取るのはこの伊織ちゃんなんだから!」

幸子「わかりました。まあ、カワイさではボクの方が上でしょうけどね!」

伊織「へーえ……言うじゃない……」

やよい「い、伊織ちゃん、その辺にしておこうよ」

蘭子「時には有限の夢に身をゆだねなさい……!
   (し、失礼だよ、ほどほどにしないと後でプロデューサーに怒られちゃうよ、幸子ちゃん!)」

伊織「いいわ、本番を楽しみにしてなさい。格の違いを思い知らせてやるんだから!」

幸子「はい、でも、あなたも油断しない方がいいですよ。
   なんてったって、世界で一番カワイイのはこのボクですからね!」

伊織「はぁ!?」

やよい「伊織ちゃん!」

伊織「ぐっ……。……ご、ゴホン。ま、いいわ。口では何とでも言えるもの」

幸子「……」フ、フフーン

伊織「……はぁ……もう、この子のプロデューサーは何なのかしら。一度会ってお顔を見てみたいものだわ」

幸子「………………」ピクン

伊織「とにかく、本番でまた会いましょ。そのときは――」

幸子「……ちょっと待ってください」

伊織「何?」

幸子「今、プロデューサーを馬鹿にしましたね」

伊織「え?」

幸子「何でボクのプロデューサーが出てくるんですか?」

伊織「何でって、それは、アンタをアイドルとして育てたのがアンタのプロデューサーでしょ?」

幸子「プロデューサーは関係ないじゃないですか。どうしてボクのプロデューサーの悪口を言うんですか?」

伊織「悪口なんて言ってないわよ。それに関係ないわけないじゃない」

幸子「……ボクのプロデューサーの方が絶対スゴイのに」

伊織「……今アンタ何て言ったの? 聞き捨てならないわね」

幸子「はい?」

伊織「そっちのプロデューサーの方がすごい? ふん、笑っちゃうわ」

やよい(あわわわわ……)

蘭子(うわわわわ……)

幸子「どうしてですか? ボクのプロデューサーは優秀だから、一度に何十人もプロデュースしているんですよ」

伊織「それで? 全員が売れっ子だったらすごいかもしれないけど、そうじゃないんでしょ?」

幸子「これから売れっ子になるんです! ……まったく、あなたのプロデューサーは、
   人のプロデューサーを貶すようなアイドルを育てるプロデューサーなんですね!」

伊織「……」イッラァ…

伊織「……ちょっと待ちなさいよ」

幸子「何ですか?」

伊織「何ですかじゃないわよ。今の、明らかに悪意あるじゃない!」

伊織「たしかに私はアンタのプロデューサーに失礼なことを言ったのかもしれない、それは謝るわ。
   でも、ちょっと呟いたくらいでそんな……」

幸子「……その言い逃れの仕方はプロデューサーさんに教えてもらったんですか?」

蘭子「凍てつく風が!(何てことを!?)」

伊織「いっ……いい加減にしなさいよ!」

やよい「伊織ちゃん! やめよう! ねっ!?」

伊織「やよいは黙ってて。……こんなにイライラさせられたのは久しぶりよ。
   あいつが私のとびっきりの服にオレンジジュースひっかけたとき以来だわ」

蘭子「も、亡者の怒りを解くは……その身の死をもってのみ!
   (もうやめようよ幸子ちゃん! 謝ろう! 謝って帰ろ!)」

やよい(死!?)

幸子「いえ、蘭子さん……すみません。ボクは、ボクが言われるだけならまだしも、
   プロデューサーさんのことを悪く言われるのは……」

蘭子「うぅぅ……(真昼の悪夢……)」

伊織「だから悪くなんて言ってないって言ってるでしょ! アンタのプロデューサーなんかどうでもいいわよ!」

幸子「どうでもいいって何ですか! ボクのプロデューサーに向かって! ふん、やっぱり程度が知れますね!」

伊織「何よ!」ムキ―

幸子「何ですか!」ワ―

やよい「うー……ケンカが始まっちゃいました……」

蘭子「漆黒の闇に溺れてゆく……(ああ、どうしよう……)」

やよい「……?」

やよい(溺れる? 泳ぐのがあんまり上手じゃないんでしょうか……)

蘭子「さ、最終の刻を我が魂が告げているのだ……(やめましょう二人とも、ケンカはよくないです……)」

やよい(最終の刻……告げて……溺れる……?)

やよい(最終の刻は、終わるとき……溺れて終わる…………ハッ、溺れて死ぬ!?)


やよい(溺れて死ねって意味ですか!?)


やよい「そ、そんなこと言っちゃダメですっ!」

蘭子「えっ!?」

やよい「死ねって言われた人は、心がズキズキってしちゃうんです!
    だから、嘘でもそんなこと言ったらめっ! です!」

蘭子「え……えっ?」

やよい「めっ!」

蘭子「私の使い魔は我が手中にあるわ……(私、死ねなんて言ってないですよ……?)」

やよい「何て言ってるのかわかりません!」

蘭子「ええ……」

蘭子(どうしよう、何だか誤解されて私まで怒られてる……誰か私の言葉をわかってくれる人……)キョロキョロ

蘭子(幸子ちゃんはケンカ中だから、早く止めないと、どうしようどうしよう、
   そうだ四条貴音さん……あっ! あの人は今いないんだった! うぅ〜……)

やよい「お説教のときはきょろきょろしちゃいけません!」

 ワーワー ギャーギャー


輝子「……」

輝子「……フフフ、フフ……蚊帳の外」

輝子「平気……キノコと一緒ですから」

輝子「……」


 ワーワー ギャーギャー


輝子「……か、帰っちゃおうかな……」

輝子「……」

輝子「帰っちゃいますよー……」


?「――本当にそれでいいの?」


輝子「! こ、この声は……」

?「本当に帰っちゃうの?」

輝子「……」

?「キミの仲間が困ってるのに?」

輝子「……」チラ


 ワーワー ギャーギャー


?「そういうとき、第一に助けてあげるのが、友達なんじゃない?」

輝子「……トモ……ダチ」

?「ほら、友達がキミの助けを待ってるよ」

輝子「……」

輝子「うん、……友達なら、仕方ない……フヒヒッ」


伊織「はっ! 悔しかったら今ここで証明してみせなさいよーだ!」

幸子「ふーんだっ、言われるまでもないですよ――」


輝子「ゴウットゥヘーーーーーッル! フヒヒヒフハハッハッハッハァ!」バーーーンッ!


伊織「 」ビクッ

幸子「 」ビクッ

蘭子「 」ビクッ

やよい「 」ビクッ

輝子「ハッハッハ! アッハッハッハッハ!」

輝子「せっかくの顔合わせでお互い角突き合わせて馬鹿じゃねぇのか!
   ヒャッハー! みんなまとめて地獄に落ちるってんなら協力してやるぜぇ!」

伊織「 」

やよい「 」

幸子「…………あ、あの、星さ」

輝子「分かってねぇなぁ! ウスヒラタケ! 本当に分かってねぇ! お前らはみんなキノコだ!
   シイタケ! エリンギ! ブナシメジ! アイフィーライッキイイィィィーーール!」

貴音「やかましい」

輝子「あ、ハイ……すいません」

………


貴音「いったいどういうつもりなのです? 余所の者の控え室であのような振る舞い、
   珍妙な衣装で茸の名を大声で叫ぶなど……無礼千万です」

輝子「……い、いや、その」

貴音「ただでさえ私は今、控え室を出たものの、売り屋の場所が分からず、こうして何も得ることなく帰ってきて、
   お腹が空いて気が立っているのです。どうかこれ以上私の心を荒立たさせないでくださいまし」

輝子「……アブラシメジモドキ」

貴音「何か?」

輝子「……い、いや、その」


幸子「よくそんなことが言えますね、星さんが叫んだ瞬間ビクッってなってたくせに!」

伊織「はぁ!? ビクッとなんてしてないわよ! ばっかじゃないの!?」

幸子「してましたー!」

伊織「してませんー!」


蘭子「……(輝子さんいつ着替えたのかな)」

やよい「うー! 私の話を聞いてくださいーっ!」

 ………………………… ◇ …………………………

モバP「なるほど、よく分かりました」

ディレクター「ええ、それでは、本番もよろしくお願いしますね」

モバP「はい、よろしくお願いします。ありがとうございました」

モバP「……ふう」

モバP「よし、戻るか。あいつらテンパってないかな。大丈夫だといいけど――」

モバP「――ん?」


P「ああ、あったあった。ポケモ○キッズってこれかー。食玩も進化してるんだな」

P(それにしても……参ったな、まさか売店を見つけるのにこんなに時間食うとは……。
  この分じゃ、きっと貴音が相当お腹を空かせてるぞ)

P「早く戻らないと……」

モバP「お、おい、そこのお前――」

P「え? 何ですか――って」

P「あーっ!」

モバP「P! 久しぶりだな!」

P「モバPじゃないか! どうしてお前こんなところに?」

モバP「こっちの台詞だよ! ええ!? 懐かしいなあ……卒業式以来じゃないか」

P「ああ、久しぶりだな……おっどろいた。まさかお前が、まともに就職してるとは……」

モバP「そっちかよ! 言ってくれんじゃねえか、なあ」

P「あの万年最下位と呼ばれたお前がねえ。で、ここの会社に入ったってわけか?」

モバP「いや? へへっ、聞いて驚くなよ、俺実はアイドルのプロデューサーやってるんだ」

P「ええーッ!?」

モバP「予想外だろ? 自分で言うのも何だが、かつての問題児が今や一介のプロデューサーだぜ?」

P「あ、いや、それもあるんだけど……そっか、お前プロデューサーなのか……」

モバP「そういうお前は? ここの人間じゃないのか?」

P「あー……実は俺もアイドルのプロデューサーを……」

モバP「ええーッ!?」

モバP「ちょ、ちょっと待てよ! もしかして……もしかしてお前、今日うちと共演する765プロの、
    敏腕プロデューサーとして散々噂されてた奴って……」

P「……俺、だと思う」

モバP「うっはー! マジかよ! あの765の!? いっや流石だなぁお前! 先輩!」

P「相変わらずテンション高いなあ。……ということは、うちと共演するモバプロのプロデューサーって」

モバP「俺だな」

P「はー……」

モバP「? 何だよP、いきなり遠い目になったりして」

P「何というか……世間って狭いんだなとつくづく思ってさ」

モバP「まーな。それよりお前、今から戻るんだろ! うちの自慢のアイドルを紹介してやるよ!
    765プロの方に挨拶に行くよう言っといたから、たぶんお前んのとこの控え室にいると思うぜ!」

P「……はは、お前は変わらないな」

 ………………………… ◇ …………………………

P「みんな、お待たせ」ガチャ


幸子「だから、何度言えばわかるんですか!?
   あなたのプロデューサーより、ずっとずっと、ボクのプロデューサーの方が――」

伊織「何言ってんのよ! そっちこそ何度も言わせないでよね!
   あんたのプロデューサーより、ぜーったい、私のプロデューサーの方が――」


P「……え?」

モバP「あれ?」


貴音「松茸のお吸い物。占地の豚肉炒め。榎茸のおみおつけ……」

輝子「エリンギのバター炒め。マジックマッシュルームの姿焼き……フヒヒ」

貴音「舞茸の……ああ、私はもう駄目かもしれません」

P「……どうなってるんだ」

やよい「あっ! プロデューサー!」

モバP「おいおい、何やってるんだお前ら?」

蘭子「わ、我が下僕よー! 混沌に彷徨える衆を汝の下へ導き給え!
   (プロデューサー会いたかったです! 助けてください!)」

………


P「――で、何があったのかと思えば……」

やよい「ほんっとーにごめんなさいっ!」

蘭子「うぅ……」

やよい「幸子さんと伊織ちゃんのケンカを止めてくれようとした人に向かって、私、
    いっぱい失礼なこと言っちゃいました! ごめんなさい!」

蘭子「さ、裁きは全ての者に、平等に下されるわ……
   (そんな……お互い様です、元はと言えば、私が変な喋り方なのがいけなくて……)」

やよい「……平等?」

やよい(何だろう……平等?)

蘭子「あ、そ、その……」

やよい(うーん……)

蘭子「えっと、お、おたが――」

やよい「あっ、ちょっとだけわかりました!」

蘭子「ふぁ!?」

やよい「平等って、一緒ってことですよね!
    だからきっと、お互い様ですよって、そう言ってくれたんですよね?」

蘭子「!」

蘭子「え……ええ、そうよ!(わかってもらえるなんて、嬉しいです!)」

やよい「えへへっ」

貴音「まさか、あのような行為に及んだ理由が、口喧嘩の仲裁だったとは……。
   それに比べて、私の行いの何と浅はかだったことでしょう。どうか、非礼をお許しください」

輝子「……」

貴音「あ……あの、もし?」

輝子「……」

貴音「…………貴女が怒るのも無理のない話。虫がいい頼みでしたね……」

輝子「アハッハッハッハッハァ!」

貴音「!?」

輝子「くっだらねぇ! 言ったはずだぜぇ! お前らはみんなキノコだと――」

モバP「輝子」

輝子「あ、ハイ、大丈夫です、全然気にしてないです」

貴音「……そうですか。それを聞いて安心致しました」ホッ

輝子「……」

輝子「……そ、それに」

貴音「はて。何か?」

輝子「キノコの話……誰かとできて、た、楽しかった」

貴音「……ふふっ。私もです」



貴音「…………ですがもう、限界です」ぐぎゅるるるる…

P「ああしまった貴音……待たせてごめんな、ほら、おにぎり買ってきたから」

貴音「あなた様ぁ……」

………


伊織「……」ツーン

幸子「……」プーイ

モバP「この度は、本当にご迷惑をおかけしまして……」

蘭子「溢れる力に身が保たなかったようね……(すいませんでした……)」

P「とんでもない、せっかく挨拶に来て頂いたのにこんな出迎えしかできず……」

やよい「ごめんなさい……」

モバP「何分、今日のような大舞台は、何から何まで経験させるのが初めてなもので……。
    こちらの方できつく言っておきますので、今回はどうか許してやってください」

P「こちらこそ、対応についてきちんと言い聞かせておきます。
  もう二度とこんなことがないようにしますので……頭を上げてください」

モバP「はは、頭を上げてくださいはそちらも同じことですよ」

P「……とりあえず、そろそろ準備をしないといけませんし……この続きは、また後で」

モバP「そうですね、では――」

モバP「(お互いのアイドル自慢は本番が始まってから……な)」

P「(ああ、そうだな)」

モバP「――一旦、失礼します」カチャン



P「……ふー」

やよい「……あの、プロデューサー」

P「ん、何だ?」

やよい「ごめんなさい、迷惑かけちゃって……」

P「うん……まあ、俺だけに迷惑がかかるなら、まだいいんだけどな」

P「何があったのか、詳しく教えてくれ」

伊織「……私が悪いの」

P「伊織?」

やよい「伊織ちゃん……」

伊織「モバプロの子に向かって、私が大人げない嫌味を言ったのがそもそもの原因よ。
   ……他のみんなは悪くないわ」

貴音「そんなことはありませんよ、伊織」

伊織「貴音……」

貴音「激情に駆られ、理性で抑えることができず、騒ぎを大きくしてしまった私にも責任があります。
   ならば私もまた、同様の責め苦に遭うべきです」

やよい「私も、勘違いで失礼なことをしちゃいました……」

P「うん。それなら、どうするべきかは分かってるよな?」

伊織「……ええ」

伊織「本番前にもう一度、あの人たちに会いに行って、ちゃんと謝るわ」

P「……伊織もだいぶ、素直になったな」

伊織「何よ、いきなり」

P「昔の伊織なら、相手が悪い、自分は悪くないの一点張りだったのにさ」

伊織「……」

伊織「……そうね。でも、そんな私を叱ってくれたのがアンタじゃない。
   私がいくら嫌だって言ってもアンタは聞かないで、一緒に頭を下げに行って……結構、容赦なかったわよ」

P「うーん、そうだったっけ」

伊織「それで……その、……今度も、アンタも……」

P「うん?」

伊織「だから……今度も、その……私と、あの人たちのところに……」

伊織「……お願い、一緒に来て」

P「……ああ、わかった。一緒に謝りに行こうな」

やよい「大丈夫だよ伊織ちゃん、私たちも一緒に謝るから!」

伊織「なっ、違っ、わ、私は別に、心細いとか、そういうこと言ってるんじゃないんだから! 勘違いしないでよね!」

貴音「ふふふっ」

………………………… ◇ …………………………

モバP「さてと」

モバP「歩きながらでいいか、何があったのか詳しいことを聞かせてくれ」

蘭子「えっと……」

幸子「……ボクが悪いんです」

モバP「幸子?」

蘭子「……(幸子ちゃん……)」

幸子「ボクがあの人に生意気なことをたくさん言ったから……。調子に乗り過ぎちゃって、それで」

モバP「あの大口論、と」

幸子「……」

モバP「……」

幸子「……ごめんなさい」

モバP「俺に謝ってもしょうがない」

幸子「……っ」

モバP「泣きそうな顔すんなって」

幸子「泣きそうな顔なんか、してないですよ!」

モバP「大丈夫だよ、向こうさんもそこまで怒ってないと思うし……誠意をこめて謝れば、許してくれるよ」

幸子「……だといいですけど……」

モバP「……」

幸子「……」

モバP「……ったく、何しょんぼりしちゃってんだおら幸子!」ワシャワシャ

幸子「わぷっ!? ちょ、ちょっとやめ、何するんですかプロデューサーさん!
   やめてください! 断りもなくボクの髪をかきまわすなんてひどいですよ!」

モバP「お前ら二人もだ!」ワシャワシャワシャワシャ

蘭子「ひゃん!?」

輝子「わぁ!?」


モバP「いいか三人とも。反省はいくらでもしろ。ただし引きずるな」

モバP「これから本番があるのに、そんな暗い顔のままでお客さんの前に出るつもりか?」

幸子「……」

蘭子「……」

輝子「……」

モバP「幸子なんか普段は憎らしいほど喋ってるくせに」

幸子「ちょっと待ってください! 憎らしいって何ですか! このカワイイボクに対して失礼ですよ!」

モバP「ほーら憎たらしい」

幸子「にっ……! ふ、ふーんだ! いいですよ別に、プロデューサーさんに褒めてもらわなくても!
   ボクはプロデューサーさんのことなんか、何とも思っていませんからね!」

モバP「……はは、そうですか」

モバP「……まあ、このメンツなら、必然的に相手と話すのは幸子の役目になるだろうから、
    きっと幸子は幸子なりに努力したんだろうなって俺は思ってるんだよ。……頑張ったな、幸子」ポンポン

幸子「……」

幸子「……」グスッ

モバP「だから泣くなって」

幸子「泣いてません!」

蘭子「我が下僕よ……(プロデューサー、あの……)」

モバP「どうした?」

蘭子「途切れることなき血の鎖で繋がれた魂は、この世の果てにて邂逅せん!
   (私、765プロの人たちと、もっと仲よくなりたいです!)」

モバP「お、そっか。仲よくなれそうか?」

蘭子「はい!」

モバP「輝子はどうだ?」

輝子「え、わ、私ですか……キノコの話は、したけど……」

モバP「仲よくなれそうな人はいたか?」

輝子「ど、どうだろ……キノコの話は、盛り上がったけど……」

モバP「判断基準はキノコだけなのか……」

モバP「じゃあ、幸子」

幸子「はい?」

モバP「お前は765の人たちと仲よくなりたいか?」

幸子「それは……まあ、できるものなら……」

モバP「なら何をしなきゃならないか、分かってるよな?」

幸子「もちろんです! 今度こそボクのカワイさを見せつけて――」

モバP「輿水幸子」

幸子「……本番前にもう一度あの人たちの控え室に行って、きちんと謝ります」

モバP「おう、頑張れ」

幸子「……」

幸子「あと、プロデューサーさんも来てください」

モバP「ああ。……ああ!?」

モバP「いや、俺は行かなくてもいいだろ?」

幸子「駄目です! 来てください」

モバP「なんでさ」

幸子「なんでって……まったく、呆れました。そんなことも分からないんですか?」

モバP「なんだよ」

幸子「初めての大きな仕事で、ボクたち3人だけで先輩アイドルのところに挨拶に行けって言われて、
   どんな気持ちだったか、プロデューサーさんには分からないんですか?」

モバP「……それは、ごめん」

幸子「……今回は特別に許してあげます。
   分かったら、次からはついてきて、ボクたちのことちゃんと見守っていてくださいね!」

モバP「はいはい、わかりました」


蘭子「……」チラッ

輝子「……」チラッ


蘭子「……」クスクス

輝子「……」フヒヒヒッ

 ………………………… ◇ …………………………


P「あ、ところで……」

伊織「何よ?」



モバP「あ、そういえば……」

幸子「何ですか?」




P&モバP「口喧嘩の最中にプロデューサーって聞こえたんだけど、何の話でケンカしてたんだ?」

伊織&幸子「……っ!」カアアッ



おしまい

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