2014年08月31日

モバP「繋留の手綱」

モバマスSSです。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404567883



事務所





菜々「あー、ありますよね」



楓「ですよね」



杏「ん?どしたの?」



菜々「えっと、知り合いだと思って声掛けたら知らない人だったってことありませんか?」



杏「んーないね。杏は知り合いに遭っても無視するし」



菜々「無視しちゃうんですか…」



楓「あ、私がたまにお酒を飲んだ次の日にお水と日本酒を間違えるのと似ていますね」



菜々「えっと…それは、酔っぱらってるだけじゃ…」



杏「あ、いい例えが見つかったよ」



菜々「なんですかー?」



杏「杏がレッスンの日を休みの日だと勘違いしちゃうのと同じだよね」ドヤ



P「少なくとも杏のはわざとだろ…。週休いくつで考えてるんだ?」



杏「勿論八日だよ」



P「お前はぶれないな…」



杏「菜々さんと違ってね」



菜々「んんっ!?」

杏「褒めるなら休みくれ」



P「印税生活の為に頑張れ」



杏「ちぇ」



菜々「は、話戻しますけど、Pさんはそういう経験ないですか?」



P「ありますねたまに」



杏「そこで間違えて話しかけた縁を使って、あの手この手でその子をスカウトするまで読めたよ」



P「流石にしないぞそんなこと。…多分」



楓「多分なんですね」



P「まぁ、そんな状況になったことありませんし…」



菜々「間違えたって気づいた時の気まずさったらないですよねー」



P「時が止まりますよね」



杏「杏が時を止めた…」ドヤ



P「はいはい」



杏「…む。ちょっと癪だね」



P「あ、そう言えばプリンだと思って茶碗蒸し食べた時は凄く微妙な味がしたのを覚えてます…」



楓「思い込みって凄いですねぇ…」

杏「……」



杏(……ん?)



杏(つまり…杏っぽい誰かを身代わりにすれば皆が、その人を杏だと思ってくれるんじゃ…?)



P「まぁ、アイドルを間違えるなんてそうそうないでしょうけどね」



杏「だよね。知ってた」



P「なにをだ?」



杏「別にー。杏の計画が一個破綻しただけだから気にしないで」



P「…そうか」



杏「安心していいのかな?第二第三の杏が休みを求めてやってくるよ?」



P「二代目の杏が働き者であることを期待するよ…」



杏「そんなわけないじゃん」



P「だよな…」

事務所



小梅「こ、こんにちは…」



杏「おっす」



楓「かみのみ」



小梅「か、かみのみ…」



P「おはよう」



小梅「な、なんの話をして…いたんですか?」



杏「菜々さんが年齢の割に言動が若くないっていう思い込みについてだよ」



小梅「な、なるほど…」



P「おいおい…」



杏「Pさんはどう思ってんの?」



P「…それも含めて菜々さんの魅力だと思う」



杏「模範解答だね。勉強になります」



楓「なるほど…」メモメモ



P「メモ取らなくていいですって…」



小梅「……爆発」ボソッ



P「しないって」



事務所



P「さてとそろそろ帰るか…」



P「……ん?」



P(なんの音だ…?)



P「誰かいるのか?」



小梅「ご、ごめんなさい…」ヒョイ



P「なんだ。小梅か」



小梅「こ、小梅です…」



P「なにしてたんだ?」



小梅「えっと、映画を見てました…」



P「一人でか?」



小梅「えっと…多分?」



P「なんでそこが疑問形なんだ…」



小梅「えっと、正確には――」



P「あぁ、無理に言わなくてもいいよ」



小梅「…はい」



P「そう言えば、もう事務所閉めるから小梅も帰る準備しておいてな」



小梅「あ、準備は平気です…」



P「もういいのか?」



小梅「…はい。丁度見終わった所でした…から」



P「そうか。それじゃ帰るか」



小梅「はい」

車内



小梅「ご、ごめんなさい…」



P「いや、いいって帰る方向同じだし」



小梅「なら…いいですけど…」



P「そう言えば、一つ質問していいか?」



小梅「…?」



P「たまに爆発しちゃえって言ってると思うんだけどどういう意味だ?」



小梅「っ!」



P「蘭子風の言葉にしては意味が通らなくてさ」



小梅「えっと…ですね…」



P「うん」



小梅「ひ、秘密です…。た、多分Pさんは気づかないと思う…から」



P「なぞなぞか?うーん…」



小梅「か、考えなくていいですから…!」



P「そうか?そこまで言うなら…」



小梅「…もう」ハァ



小梅「あ。ここで大丈夫です」



P「いいのか?」



小梅「…はい。車が入り辛いですから」



P「そうか。それじゃ歩いて送るよ」



小梅「え…?」



P「あ、不味かったか?」



小梅「えっと…その…、ありがとうございます…」カァァ

公園



小梅「こっちが…近道…です」



P「なるほどな」



小梅「……」ピタッ



P「ん?どうかしたのか?」



小梅「……?」



P「おーい。小梅ー?」



小梅「…はい?」



P「そっちになにかあるのか?」



小梅「…ないの?」



P「…さぁ?」

小梅「あ、えっと勘違いでした…」



P「いきなりなんだ?」



小梅「えっと…この木が…幽霊に見えました…」



P「なるほどな」



P(枯れ尾花ってか)



小梅「はい…多分」



P(多分…か)



P「それじゃ行こうか」



小梅「…はい」











小梅「……」



翌日



事務所



卯月「それでねー幸子ちゃんがさ――」



凛「そうなんだ」



卯月「うんうん。あ、これ昨日電話で話したっけ?」



凛「うん。聞いたけど気にしないで」



卯月「むー。それは優しさじゃないよ凛ちゃーん…」



凛「え?あ、ごめん」



卯月「別にいいけどね」



凛「卯月の話は面白いから何回でも聞きたいんだよね…」ポリポリ



卯月「ホントっ!?でも、これは幸子ちゃんが面白いだけだけどね」



凛「こ、今回に限らずだけど…」



卯月「も、もう、凛ちゃんったらプロデューサーさんに似て口上手くなって…」バシバシ



凛「そんなことないけど…」



卯月「あるってー。あ、それで、話の続きなんだけど」

卯月「――と言うことなんだよ」



凛「…ふふっ」



ガチャ



卯月「お、噂をすれば…幸子ちゃ…」



小梅「こ、小梅…です」



卯月「あ、ごめんね…」



凛「卯月ったら…。おはよう」



小梅「お、おはよう…ございます」



P(身長で判断したのか…?)

P「おはよう小梅」



小梅「おはよう…ございます」



P「今日はどこかに行くのか?」



小梅「え…えっと…べ、別にそういう訳じゃなくて…」



小梅「た、ただ、き、気分転換で…着ただけ…です」カァァ



卯月「可愛いねぇ…」



凛「なんでしみじみしてるの…」



卯月「だって、小梅ちゃん小っちゃくて可愛いもん」



凛「ま、まぁ…分からなくはないけど…」



小梅「え、えっと…ありがとうござい…ます」



P「今度ファッション雑誌とかのモデルでもやってみるか?」



小梅「えっと…その…」



小梅「Pさんが言うなら…頑張ります」

幸子「Pさん、Pさん」



P「どうした?」



幸子「小梅さんの恰好、撮影かなにかに使うんですか?」ヒソヒソ



P「いや、私服だぞ」



幸子「そうですか」



P「どうかしたか?」



幸子「いやですね、いつもとは違う恰好を見ると新鮮だなって思いまして」



P「確かにな」



幸子「ボクを始めとして制服の人が多いですからね」



幸子「今度機会があったら私服見せてあげましょうか?」



P「機会があればな」



幸子「機会は作るものです」



幸子「全く…しょうがないですねぇ…」



P「ん?どうした?」



幸子「ボクの私服が見たいって顔に書いてありますよ?」



幸子「今度着てきてあげますから待ってて下さいね?」ニコ



事務所



杏「あー、疲れたー。Pさん送って」



周子「送ってー♪」



P「しょうがないな…」



杏「やったー」



周子「言っといてアレだけど仕事とかは平気なの?」



P「丁度キリが付いたところだな」



杏「さっき書類纏め終わってたみたいだしね」



P「よく見てるな」



杏「送って貰えるかどうか確認するのは訳ないよね」

事務所



P「ただいま戻りました」



ちひろ「お疲れ様です」



小梅「お疲れ…さまです」



P「なにしてたんですか?」



ちひろ「お仕事も終わりましたし、普通に雑談してだけですよー」



小梅「…です」



P「なに話してたんです?」



ちひろ「えっと、最近のお仕事の話ですね」



小梅「…うん」



小梅「あ、あの…お願いが…」



P「うん?」



小梅「えっと……」



P「…分かった」



小梅「え?」



P「車で送るな」



小梅「…はい。すみません」



ちひろ「お疲れ様でーす…」



ちひろ(どういうことなんでしょうか…?)

車内



P「しかし…やっぱり何かあったのか?」



小梅「…多分」



P「まぁ、俺には分からないし、見えないんだけどな」



小梅「……」



小梅(そうなのかな?)チラッ



P「どこ向いて言ってるんだー?」



小梅「えっと…」



P「いや、なんでもない」



小梅「…うん」

公園



P「この辺りだったよな」



P(なんかあるって考えながら歩くとちょっと公園の雰囲気も変わるな…)



小梅「……」



P「何か見えるのか?」



P(と言うか何か見える前提で話を進めてるんだけどいいのかな…)



小梅「……」



P「もしもーし」



小梅「こっち」グイ



P「えっ!お、おい」

路地



小梅「…ここ」



P「どうしたんだいきなり…」



小梅「みんないる…」



P「皆って誰だ?」



小梅「誰でも…誰でも…ない」



P「小梅…?」



小梅「昔見たお人形さん。割れたテレビ、俯いたピエロ、壊れた傘。綿がはみ出したぬいぐるみ――」



P(何が見えてるんだ一体…)



小梅「…懐かしい」フフッ



P「懐かしいって一体…」





「小梅……小梅…」



P「誰の声だ…?」



小梅「あ…Pさん」ニコ



P「…ん?」



小梅「どうしたの…?」



小梅「えっ…そんな」



小梅「い、いやです…」



小梅「待って、行かないで…」フラッ



小梅「一人にしない――」



P「小梅!」ガシッ



小梅「ひゃっ!」ビクッ



小梅「あれ…Pさん?」キョトン



P「あれ?じゃないだろ…」



小梅「えっと…?」



P「体は何ともないか?」



小梅「た、多分…」



P「とりあえずここから離れよう」ギュッ



小梅「あっ……はい」

車内



P「ほら、コーヒーでいいか?」



小梅「…はい」



P「ミルクと砂糖な」



小梅「ありがとう…ございます」



小梅「Pさんは使いますか…?」



P「砂糖とミルクか?」



小梅「はい」



P「いや、俺はいいかな」



小梅「私も…平気です」



P「ん?そうか」



小梅「…はい」



小梅(お揃い…♪)

P「一体何が見えてたんだ?」



小梅「なんでしょう…?」



小梅「分かりません…」



P「分からないのか?」



小梅「……でも、何だか捨てられたモノが楽しそうに練り歩いてました…。」



P「モノ?」



小梅「…はい。そしてその中にPさんみたいな背丈の人がいました…」



P「それを見間違えたと」



小梅「…はい」



小梅「実際は壊れたマネキンでした」



P(マネキンかぁ…)



P「思い込みだったんだな」



小梅「…はい」



P「しかし、そんなものがあるんだな…」



P(付喪神の百鬼夜行かな…?)

小梅「…もう平気です」



P「本当か?」



小梅「…本当です」



P「俺は誰だ?」



小梅「P、Pさんです…」



P「うん」



小梅「……はい」



P「……」



P(えっと、どうすればいいかな)



小梅「……」ジワ



P「あっ…」



小梅「えっと…あと…とっても大切なひ、人です…」



小梅「ちゃ、ちゃんと…私を見てくれる人…です」



小梅「ずっと、一緒に…」グス



P「小梅。ありがとな」



小梅「怒って…ませんか?」



P「何をだ?」



小梅「間違えたことに…」



P「小梅が無事だったし、特には」



小梅「…良かった」ホッ



P「それじゃ、コーヒー飲んだら帰るか」



小梅「…はい」

P「帰れるか?」



小梅「…はい」



P「しかしまぁ、色々見えるってのも考え物だな」



小梅「そこまで…なにも見える訳じゃ…ないです」



P「まぁ、俺の見てない景色は見てるだろ?」



小梅「どっちにも…言えることですけどね…」



小梅「あ、あの…」



P「どうした?」



小梅「た、多分、あんな風に勘違いする…ことはない…と思うんですけど」



P「うん」



小梅「だ、だけど…もしかしたら…また、フラッとしちゃうかも…です」



P「それは大変だな」



小梅「だからその…えっと…手を…」



P「手を?」



小梅「お、お家に帰るまで…握っていてくれ…ませんか?」



P「なんだか幽霊が怖い子みたいだな」



小梅「だ、ダメです…か?」



P「構わないよ」



小梅「…良かった」



小梅「その…ありがとう…ござい…ます…♪」



おわり



23:30│白坂小梅 
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