2013年11月25日
P「ある物語」
!!!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!!!
1.当スレは元々、やる夫で学ぶスレとして書く事を考えていたネタを元にしています。
2.登場するキャラクターは某ゲームを参考としたオリジナルです。多分。
3.なんでやる夫スレにしなかったのかと言えば、AAの選定が思いのほか大変そうだったからです。
1.当スレは元々、やる夫で学ぶスレとして書く事を考えていたネタを元にしています。
2.登場するキャラクターは某ゲームを参考としたオリジナルです。多分。
3.なんでやる夫スレにしなかったのかと言えば、AAの選定が思いのほか大変そうだったからです。
4.>>1は某ゲームを遊んだ経験はなく、遊んだ方からするとおかしな表現も多々あると思われます。
5.でも、生暖かく見守って頂けると助かります。
6.>>1を特定する等の行為は禁則事項です。
7.色々と我慢できない時はそっ閉じを推奨します。
!!!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!!!
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Episode.1 「記憶」
今、午後10時半になろうとしている。
P「寒〜い」ブル
P「・・・・・・」ボリボリ
P「あ、このお菓子おいしいなァ」
TV「下町DX、続きましてはこちら!アイドル青春白書!」イエーイ!
TV「まず鉄子さんの10年前の写真!!」写真が出る
TV「!?写真で手に持ってるのは何?」
TV「それは72系970番台って言っt」
TV「ちょい待て、そんなん言われても誰も分からんから!!wwwwww」
TV「くっ」
TV「お前も反応すんなwwwwwwww」
・
・
・
・
・
P「10年前か・・・俺なにしてたっけ?」
P「・・・そっか、あの事がちょうど10年くらい前だな。もうそんなに昔か・・・」
これは、10年前から今日という日に至る、ある物語。
そう、11〜2年前くらい前だろうか。
当時、俺は765プロダクションに所属しプロデューサーをしていた。
所属アイドルと共にニューイヤーライブを成功させ、トップとまでは言えないものの、
世間一般にそれなりに知られた存在となった。
それからは毎日が忙しかった。それまでも暇ではなかったが、それまで以上の忙しさになった。
実際問題、休みなんてほとんどとった事なんてなかった。
今思えば、その頃からみんな変わり始めていたのかもしれない。
ライブから1年くらいたった頃、まずあずささんが結婚と同時に引退した。
相手は大手広告代理店である電報堂の社員だ。社員とは言っても、さえない窓際係長だとか。
今、あずささんは平凡な専業主婦をしているそうだ。
買い物に行った帰りに道に迷ったりしていないだろうか・・・?
次に千早が歌手として、ソロ活動するようになった。
それと同時に俺のもとを離れ、新しく雇った専属のPと共に活動するようになった。
元々、歌う才能は目を見張るものがあるだけに仕事が忙しいそうだ。
今でも歌手活動は続けていて、テレビで見かける事がよくある。
そんなに時間も経たずして、今度は雪歩と真、それから響の3人は芸能活動を引退して
共同でダンス教室を立ち上げた。765プロからもそれなりに出資しているらしい。
話題の元アイドルが立ち上げたダンス教室だ、連日予約が一杯だそうだ。
この間3人に会った時、結婚しないのか聞いてみたがまだその気は無いようだった。
貴音は、未だに芸能活動を続けている。
しかし、アイドルからアナウンサー?へとチェンジした。
アナウンサー?ではあるが不思議な発言と、食べ物を美味しそうに食べるので各世代から人気がある。
おかげで色々な番組に出演しているようだ。この間も、よい旅・夢気分に出演していた。
あ、そういえば貴音監修の「麺揚な」っていうラーメンが出たな。
亜美と真美は、看護師になるべく芸能活動を引退した。
さすがに、アイドルをしながら国家資格の勉強をするのは無理があると思った、と
本人たちは語っていた。
実家の病院の雑務を手伝いつつも、今年看護師になる為の試験を受けるらしい。
やよいは、アイドルから徐々に家事全般に関するコンサルタント業に転身した。
今では自分の料理番組や、お昼のワイドショーで家事に関するコーナーを受け持っている。
そういえばつい最近、実は既婚である事を明かして、ワイドショーを賑わせていたな。
コンサルタント業を始める時に知り合った、税理士と結婚していたのだ。
もう将来も安泰だな。
伊織は、今や世界的に有名な女優となった。
先日、国際電話がかかってきて、何処のどいつだと思って出てみたら伊織だった。
今は新作映画の撮影でドイツに滞在しているのだそうだ。
映画が公開されたら、真っ先に見に行く事としよう。
美希は、あるアパレルメーカーと共同で自分のファッションブランドを立ち上げた。
全く、人というのはどんな才能を持っているか分からない。
芸能活動を引退した訳ではなく、稀にドラマなどに出演している。
美希のブランドはまだそんなに知名度は高くないが、徐々に浸透してきているようで
この前、街を歩いている時に美希がデザインした洋服を着た人を見かけた。
なかなかかわいい洋服だったが、せっかくなら美希本人が着た状態で見てみたいものだ。
春香は、俺が765プロに入社した頃はアイドルそのものに強い憧れを抱いていたが
そう、ミュージカルの主役をやった後からだろうか、いろんな方面に活動の場を広げていった。
活躍の場が広がってもアイドルは続けていて、より輝きを増していった。
だが何を思ったのだろう、ついに今日限りでアイドルを引退するそうだ。
今後は舞台関係の手伝いをしていくという。
765プロも大きくなった。
アイドルだって候補生を含めればそれなりの人数を抱えるまでになっている。
新人プロデューサーも何人か入ったようだ。そうそう、律子はその新人君たちをまとめる立場にいる。
小鳥さんは、事務長として君臨している。
俺が育てたアイドルたちは引退したか、新しく中途採用したPの元で活動している。
新しく中途採用したPは、俺なんかよりも遥かにプロデューサーとしての実力があるし、
業界の流れにも敏感で、業界の流れに的確な対応をしている。
一方、俺は業界の流れに対応できていないと感じた。
このまま続けたとしても、意味のある結果を残せないだろう。
10年前、そう感じた俺は765プロを退職し、実家に戻ったのだ。
実家に戻った俺は、実家の家業を継ぐ事にした。
実家の家業は・・・設計事務所だ。そう、建物の設計事務所。
実は隠していたが765プロに入る前、3年程度ではあるが建築士として仕事をしていたのだ。
じゃあなんで765プロに入ったんだという声が聞こえてきそうだが、
自分のいる以外の世界も見ておきたかったのだ。
単なる興味本位かと問い詰められそうだが、一人の設計者として世界観を拡げたかったのだ。
世界観を拡げようとした時、他の、例えば某N設計のような大手組織系設計事務所に入ってもよかっただろう。
しかし、それではあくまで設計する人間からの視点しか見えてこない。
設計する人間の視点から離れて、いろんな世界の視点から、建築というものを見つめたい。
これが俺の願いだった。
ひょんなことから765プロがプロデューサーを募集している事と知り、ダメ元で応募してみた。
プロデューサーとして仕事をすれば、いろんな世界を知って、
いろんな視点を得られるだろうと考えたのだ。
とはいえ・・・いくら理想論を語ったところで異業界からの転職である、
やってはみたいが、たぶん採用されないだろうと思っていた。
だがあの時、社長は何かティンと来たのだろうか、あっさりと採用されてしまったのだ。
Episode.2 「再会」
設計の仕事を再開してみたのは良いものの、再開したばかりである、仕事はそんなにない。
幸い、親が現役だった頃に取引していた事務所から小さい物件の設計を回してもらったので、
食うのに困るほどではない。
しかし、先が思いやられる。
さて休憩もした事だし、そろそろ図面を起こすのをまた始めるか・・・と、思った矢先。
ピンポーン
ドアホンのチャイムが鳴った。
はて?誰だろう?
今日は打合せなんてないし、そもそも最近は電子メールというもののお蔭で
わざわざこの事務所に来てまで打合せすること自体少ないのだ。
図面だって、データを送れば相手のほうで処理できる訳で。
そんな事を頭の中に浮かべながら、俺は玄関を開ける事にした。
実は単なる宅配便かもしれないし。
P「どちら様ですか?」
???「あっ、プロデューサーさん!?」
P(おや?まさか??)
春香「私です、春香です!」
P「開けるからちょっと待って」
ガチャ・・・キィー・・・
春香「お久しぶりです、プロデューサーさん」
P「ちょおまwwなにしてんの」
春香「なにしてんのって会いに来たんですよ」
P「そうか、久しぶりだな。上がってくか?」
春香「はい!おじゃましま〜す」
なぜ急に春香が来たのか皆目理解できないが、とりあえず打合せスペースへ案内する事にする。
打合せスペースと言っても、ついたてで簡単に仕切ってあるだけだが。
とりあえずお茶を淹れて、春香に持っていく事にする。
765プロをやめる時、雪歩にお茶を淹れる時に極意を聞いておいたのでお茶の味には自信がある。
P「はいお茶どうぞ」
春香「ありがとうございます」
P「どっこいしょ」
春香「あはっ何かオジサンくさい」
P「悪いがもう立派なオッサンだ」
春香「そんな事ないですよ〜」
P「しかし・・・なんで、ここに来たの?」
春香「実は、近くでドラマの撮影があるんです。今日の午後はオフなんですけどね」
P「そうなの?春香の地元ほど、雄大な大自然がある訳じゃないけど」
P「新興住宅地という雰囲気であれば、ドラマの撮影に使えるかもな」
春香「なんですか、雄大な大自然って。そんなに田舎じゃありません!」
P「まぁ怒るなって。765プロまで2時間かかるのは変わってないんだろ?」
春香「確かにそうですけど」
P「しかしこの場所がよくわかったな」
春香「律子さんに聞いたんです」
P「律子に?」
春香「そうです。律子さんがプロデューサーさんの職場の近くだって言ってたものですから」
P「そうかそうなのか。律子も余計な事を言わんで良いものを」
春香「そんな事言わないで下さいよ〜」
P「あ、そうだ。週刊誌とか大丈夫だろうな?」
春香「ご心配なく。ちゃんと周りは見てますよ。それにプロデューサーさんだから平気じゃ」
P「と言って油断してると危ないからな。大体、俺自身が元プロデューサーだし」
P「元プロデューサーと熱愛発覚!とかなった日には目も当てられない」
春香「は〜い。気を付けます」(どちらかと言えば、熱愛したいんだけどな)
春香「プロデューサーさんって今は何のお仕事をされてるんですか?」
P「見ての通り」
春香「ちょww分からないから聞いてるのにww」
P「見て分からないなら、一生分からないな」
春香「ひど〜い!そんな事言うんですか!」
P「冗談だよ。てか、律子からは何にも聞いて無いの?」
春香「何も聞いてません」
P「そうなのか。今は建物の設計をやっているよ」
春香「すごい!全然業界違うのに。お家とか建てるんですか?」
P「プロデューサーやる前はこの仕事してたから。ちなみに家じゃないよ」
春香「では、なに建ててるんですか?」
P「メインは舞台とかライブハウス、スタジオとかそっち系だな」
春香「すごいじゃないですか〜」
春香「その内、私の家を建ててください!」(そして一緒に住みましょう///)
P「ん〜戸建の住宅はよく知らないんだよね」
春香「えっ・・・まさかプロデューサーさん・・・」
P「まてまて落ち着け。俺は別に何かの嘘をついている訳じゃないぞ?」
春香「・・・自首した方が良いと思います。私、待ってますから!」
P「うん取り敢えず話を聞こうか」
P「そうだな、どっから話せばいいのか」
P「まず、建設業をどんなイメージで思い浮かべる?」
春香「そうですね、大工さんがお家を建てるイメージ」
P「まぁそうだよな。テロ朝の『大改造!劇的改修前後』とか見てるとそういうイメージがつくよな」
春香「あれ見てますよ!」
P「見てるんかいww」
春香「匠が出てきてかっこいいな〜、とか思っちゃいます」
P「あぁそうすか」
P(俺、建築家気取りの連中嫌いだから、あんまり本気になって見てないんだよね)
P「じゃあ、あの番組の合間に『S水建設』のCMやってるの知ってるか」
春香「あ〜なぜか真と雪歩が出てるやつですよね?」
P「そうそれ。春香はあの会社が何やってるか知ってるか?」
春香「CMのイメージだとビルを作っているイメージがありますね」
P「あのCMだとそうだろうな」
P「実は、建設業界っておおまかに設計事務所と、施工業者に分かれるんだ」
春香「どういうことですか?」
P「『大改造!劇的改修前後』を見てるって言ったよな?」
春香「言いました」
P「大まかに、匠は設計事務所の人間、大工などの職人が施工業者と思ってもらっていい」
P「設計事務所の人間が施主との打合せ、設計と見積をして」
P「次に施工業者が実際に施工、つまり工事をしている訳なんだ」
春香「へぇ〜そうなんですか」
P「で、施工業者のうち総合的に工事をやってる業者をゼネコンというんだが」
P「『S水建設』は、まさにゼネコンだ。」
春香「へぇ〜・・・」(プロデューサーさん、正直つまんないです・・・)
春香「で、プロデューサーさんは設計をする立場の人だと?」
P「そういう事」
P「でだ、どこの設計事務所でも得意・不得意がある」
春香「なんでもできる訳じゃないんですか?」
P「法律上決められた範囲なら何でも出来るけど、なかなかね」
P「医療系が得意な所、集合住宅、事務所ビル、それに役所が得意な所とかいろいろある」
P「中には、テナントビルのテナントの内装を専門にやってる設計事務所もあるんだぜ?」
春香「奥が深いんですね」
P「俺が得意としてるのがホールとかそっち系だから、戸建住宅はあまり詳しくないていう話なんだ」
春香「そういう事だったんですね!」
春香「そういえば」
P「なんだ?」
春香「お役所の工事みてると、お給料返せー!って思うんですけど?」
P「なぜそうなるww」
春香「だって無駄なものばかり作ってるじゃないですか〜」
春香「そんなの作らないで、お給料の税金安くしてくださいよ」
P「俺に言うな」
P「無駄なものばかりって言っても、学校にエアコン入れたりするのも無d」
春香「それは必要です!」
P「全力で即答かよ」
春香「だって夏になると教室すごい熱いですもん。」
P「確かにな」
春香「教室が熱いからスカートをばっさばっさやりたくなります」
P「やめて!アイドルのイメージが崩れちゃう!」
春香「プロデューサーさんだけならスカートの中をお見せ出来ますよ///」(本当にやったりしませんよ)
P「春香さん大変、発言する事と本音が逆だよ」
P「まぁとりあえず必要な物もあるから、全てを否定するのは良くないぞ?」
春香「わかりました〜」
P「まぁ誰がどう見ても無駄なものっていうのも、あるんだけどな」
P「でも実は、そういうのって役所の中の人も作りたくないって思ってるんだぜ?」
春香「そうなんですか?じゃぁ、なんで作って・・・」
P「誰がどう見ても議会のゴリ押しです。本当にありがとうございました」
P「役所の中の人は、議会の決定を覆す程の抵抗はできないというこのジレンマ。何とも悲しい!」
春香「oh・・・」
P「話が大幅に脱線したが、俺もたまに他の設計事務所の下請けで役所の物件の設計するよ」
春香「お金を無駄遣いしないように設計してくださいね?」
P「うん当たり前だよね」
P「おや?もうこんな時間だ」
春香「あ、本当だ。そろそろホテルに戻らなきゃ」
P「いいねぇ〜売れっ子はスイートルームとかですか?」
春香「そんな訳ないじゃないですか」
P「知ってる」
春香「知ってるなら言わないで下さいよ」
春香(それを知ってるなら、私の気持ちも知ってて欲しいよ)
P「?」
P「急に黙ってどうした?とりあえず送っていこうか?」
春香「良いんですか?」
P「いやまぁなんかあっても困るし」
春香「プロデューサさんはやさしいんですね!」
P「今頃気付くなよ。じゃ車に乗って」
春香「お言葉に甘えて」
・
・
・
・
P「・・・じゃあ頑張ってな」
春香「ありがとうございました!」
ブロロロロロ・・・
こうして、妙なきっかけ?で春香と再会を果たしたのだった。
いま考えれば、この時から「物語」は始まって今のかもしれない。
Episode.3 「岐路」
春香がはじめてここに来てから数年。春香は、たまにココに来るようになった。
いまやトップアイドルというのに、こんな所に来る時間があるのが不思議でならない。
仕事が増えたのは良いのだが、ちょっと仕事量の調整に失敗してしまい、
一人でこなすのはなかなか厳しいものがある状態だ。
とはいえ、765プロにいた頃よりはずっとマシだが。
予定ではもう終わってないといけないはずの仕事を早いとこ片付けねば。
ふと時計を見る。
おや、もう昼過ぎか。昼も食べてなかったな。確か棚に置いてあるカップラーメンがあるはずだ。
ちなみに、棚に置いてあるカップラーメンは全て貴音のおすすめだ。
貴音に、お勧めを教えてくれとか言った訳ではない。
貴音から、なぜかカップラーメンが送られてくるのだ。
ここは田舎でコンビニに行くのも一苦労だから、送ってくれる事は素直にうれしいのだが・・・
なぜここの住所を知っているのだろう。
この間、電話で聞いてみたが、貴音には
「貴方様、それはとっぷしぃくれっとです」と返されてしまった。
さて今日はこれにしよう。
『カップラーメン・らぁめん二十朗』
さてと蓋を開けて・・・おっと、お湯がない。お湯を沸かしまs
ピンポーン
誰だか知らないが、ここは居留守を使うべきだな。常識的に考えて。
ピピピンポーン
???「居留守は良くないですよー!」
P「!?」
ピピピピピピピピピピピピンポーン
ドンドンドンドンドンドン!!
春香「プロデューサーさん!春香さんですよ!春香さん!」」
P「なんと!」
すみません。私が悪かったです。
だからドアを破壊しようとしないでください。
ガチャ・・・キィー・・・
春香「プロデューサーさん会いたかったです!」ガバッ
P「面妖なー!」
春香「プロデューサーさん、その言葉はヒドイです。」
P「春香、一体どうしたんだ?」
春香「上がらせてもらいまーす」
P「まてこら話を聞け」
P「春香、いきなり人の家に上がりこむな」
春香「固い事を言うのは良くないと思うな」
P「親しき仲にも礼儀ありと言ってだな」
春香「なんかハニーが冷たいの」
P「美希の真似をしてもダメです」
春香(のヮの)
P「で?どうしたの?」
春香「今日もまたオフなんで来ちゃいました」テヘペロ
P「ここ最近頻繁に来てないかい?」
春香(のヮの)
P「そんな顔しても誤魔化せません」
すみません、夕飯と風呂に行ってきます。
長らくお待たせしました、再開します。
P「まぁいい。取り敢えず暗くならないうちにお帰り」
春香「プロデューサーさん恥ずかしがらなくていいんですよ」
P「恥ずかしいんじゃなく邪魔なんだよ」
春香「プロデューサーさんって冷たいんですね」
P「早くしないと冷たさのあまり春香も凍っちゃうからお帰り」
春香「大丈夫!温めてあげます!」ダキッ
P「分かったから取り敢えず離そう。そして話そう。そしてナイフも仕舞おう」
春香「それなら、しばらく居ても良いですか?」
P「大人しくしてくれたら今日の午後だけ居てもいいぞ」
春香「分かりました///」スッ
P「よし良い子だ。お出掛けしてたハイライトさんも戻ってこようか」
春香「プロデューサーさんお仕事は良いんですか?」
P「春香が来たから止まってるよ」
春香「じゃあお手伝いさせてください。」
P「出来る事はない気もするんだけど」
春香「大丈夫ですって!」
また春香が訪ねてきた。
とりあえず、打合せコーナーに連れてきてお茶をだした。
以前に訪問してきて以来、何かしら理由をつけて乗り込んでくる。
本人はオフだから大丈夫とか言ってるが、そんなにオフがあるとも思えない・・・。
まぁしょうがない、適当になんか手伝わせて送り返そう。
春香「今日は何のお仕事をしてるんですか?」
P「今日は、図面を書いていたんだ。」
春香「へぇ〜。図面ってどんなこと書くんですか」
P「平面図とか断面とかだなんだがな・・・そうだ、ちょっとこっちにおいで」
春香「ついに秘密が明かされるんですね」
P「何の秘密だよww」
春香「・・・図面って言っても、机の上には図面なんてありませんよ?」
春香「あるのは・・・カタログとなんですか、この分厚い本?」
P「そりゃ法令集。図面は、今はCADで書いてるんだ」
春香「キャド?」
P「春香が思い浮かべたのは、紙にシャーペンで書いてある図面だと思う」
P「でも今は、パソコンの上で専用のソフトを使って図面を作るんだ」
P「某Aが付くCADとか、某Jが付くCADとかね」
春香「そうなんですか〜」
P「俺も大昔は手書きで図面書いたけどな」
春香「手書きだと大変なんですか?」
P「大変どころじゃないよ。A1の図面一枚書くのにどれほど手間がかかった事か」
春香「そんなに大変なんですか?」
P「A1っていうのはA4の8倍の大きさがある紙だからね」
春香「8倍・・・あ、結構大きい」
P「しかも普通紙じゃなくトレペだよ」
春香「えっあの薄いやつですか?すぐに破れませんか?」
P「ご名答」
P「トレペに書いてある図面を第二原図っていうんだけどさ」
P「新人のうちは図面のコピーとかの雑務をやる訳よ」
春香「ふーん」
P「でだ、コピーする時に第二原図を粗末に扱おうものなら、昔は本気で殴られたな」
P「いちばん最初はなんでそんなに怒るのか分からなかったが」
P「自分で書くようになってそれが分かったよww」
春香「大変だったんですね〜」
P「今はCADで簡単に打ち出せるから別に大した問題ではないし、大げさに怒られる事もないけどね」
P「そもそも第二原図をコピーするっていう事自体、昔ほどはやらないからね」
P「そういえばCADで書き始めたことろは、プロッターがヘボくてよく止まるから」
P「図面を成果物として提出する時は、図面を打ち出すのに徹夜したっけな」遠い目
春香「プロデューサーさん、完全におっさんになってます」
P「うわひどい、Pちゃん今のでヘコんじゃった」
春香「キモいです、多大なる精神的ダメージに対して謝罪と賠償を要求します」
P「大変申し訳ありませんでした。お詫びいたします」
P「でまぁそのうち図面が出来上がる訳だが」
春香「図面が出来上がったら、それを元に建てていくんですね」
P「それはそうなんだけど、まだ重要な事がある」
春香「まだ何かあるんですか?」
P「確認申請とかね」
春香「カクニンシンセイ?」
P「簡単に言えば、法律で定められた建築物、あるいは地域で建てる時は」
P「法律に定められた人から許可を受けないと建てちゃダメなんだ」
春香「へぇ〜」
P「むかし耐震偽装問題ってあっただろ。構造屋だった某A建築士がやらかしちゃったやつ」
春香「ありましたね、そんな事」
P「あれは確認申請の書類上では誤魔化してたのを」
P「施工業者が実際に工事する時に気付いて発覚したんだよ」
春香「誤魔化しちゃうなんていけませんね」
P「春香も結婚して旦那さんがお家を建てる時、気を付けるんだよ」
春香(結婚相手はプロデューサーさんだから大丈夫です///)
P「おーい春香?」
P「確認申請が終わって確認済証が貰えたら、積算をするわけだが・・・」
春香「セキサン?」
P「春香、お菓子を作るときどうしてる?」
春香「どうしてるって、レシピを見て材料買ってきて、それから作りますけど?」
P「レシピにはどんな材料がどのくらい必要って書いてあるよな?」
春香「書いてありますね」
P「レシピの作る手順->図面、レシピの材料がどれくらい必要か計算->積算だと思えばいい」
春香「何がどのくらいいるか数えるんですか?」
P「正解」
春香「あ〜なるほど〜」
P「積算の結果から、お金がどのくらいかかるかを計算すると見積書の出来上がり」
春香「なんか大変ですね」
P「大変なのに、みんな設計事務所にはやっすいお金しかくれないんだよー」
春香「よしよし」ナデナデ
P「ヒモになって良い?」
春香「もう喜んで///」
P「すみませんウソです勘弁してください。というか」
春香「なーんですか?///」
P「調教用の首輪つけようとしないでくださいマジで勘弁です」
P「まぁいい。とりあえずこの図面でこのAという記号とBという記号で」
P「何個ずつあるのか、個数を数えてくれ」
春香「はーい!やってみます」
P「それが終わったらおとなしくお帰り」
春香「謹んでお断りします///」
P「黙って帰れや」
数時間後
春香「プロデューサーさん数え終わりましたよ」
P「おお、そうか。どれどれ・・・うんあってそうだね」
春香「プロデューサーさん、この後は・・・///」
P「俺さっさと帰れって言わなかった?」
春香「」シュン
P「でも頑張ったご褒美だ、二人で夕飯食べに行こう」
春香「」パァッ
P「そうと決まれば車に乗るんだ」
レストラン
P「変装はバッチリだな」
春香「大丈夫です!」
カランカラン
ウェーター「いらっしゃいませ何名様でしょうかー」
P「二名」
ウェーター「畏まりましたこちらへどうぞー」
ウェーター「・・・お忍びですね」ボソッ
P「!?」
ウェーター「周りから見えにくい席にご案内します、この事は黙っておきますから」ボソッ
P「・・・ありがとうございます」ボソッ
春香「?」
ウェーター「メニューはこちらになりますごゆっくりどうぞー」
春香「プロデューサーさんは何を食べるんですか?」
P「どうしようかね」
春香「あっこれ、やよい監修のメニューですよ」
メニュー「もやしたくさんサラダセットだよ、うっうー!!」
P「おや本当だ。これにしてみるか」
春香「じゃわたしもこれで」
P「すいませーん」
春香「・・・もやしばっかりでしたね」
P「そうだね・・・でも春香は体型維持しないといけないから、ちょうどよかったんじゃない?」
春香「それもそうですね」
P「もっとも、しばらくもやし食べたくないけど」
春香「左に同じく・・・」
P「さて駅についたぞ。今日は楽しかったよ」
春香「今日はありがとうございました」
P「どういたまして」
春香「・・・・・・」
P「春香・・・?」
春香「・・・プロデューサーさん」
P「なんだ?」
春香「昔の事ですけど」
春香「ニューイヤーライブの本番前、プロデューサーさんが言ってくれた事、覚えてますか?」
・
・
・
P「ごめんな、肝心な時に役に立てなくて」
P「でも、春香はひとりで見つけたみたいだな」
P「あの時の答え」
春香「はい!」
P「そうか・・・がんばったな」
・
・
・
春香「私、あの時とてもうれしかったです」
春香「私の事もちゃんと見ててくれて、育ててくれてたんだなって」
P「育てたとは大げさだな。でも、ありがとう。うれしいよ」ウンウン
春香「それに、今もずっと仕事を頑張ってるプロデューサーもカッコ良いです」
春香「本当は、伝えないで心に仕舞っておこうって思ってったんですけど」
春香「さっき決めました。率直に言います」
P「・・・・・・」
春香「私・・・プロデューサーの事が好きです。付き合ってもらえませんか?」
P「えっと・・・」
春香「・・・・・・」
P「・・・・・・」ウーン
春香「答えはいつでもいいです。でも必ず答えてくださいね」
P「春香・・・」
春香「今日はありがとうございました。気を付けて帰ってくださいね?」
P「ありがとう。おやすみ」
・
・
・
・
・
その日の夜
当然の事ながら、春香のやっていったものは間違えまくっていたので今こうして見直している。
それは別に良い。はなから期待なんかしていない。
問題は、春香に告白された事だ。薄々、その気持ちに気付いてはいたが・・・
しかし困ったものである。春香はまだ人気の衰えないアイドルである。
何かあれば、即座に週刊誌が飛びつくだろう。
そうなれば、春香の未来を潰してしまうかもしれない。
俺にはそんな事はできない。どうしたものか。
P「・・・・・・」
P「あれ?昼飯食ってなくね?」
P「しかも、カップ麺の蓋あけちゃってるよ」
P「・・・まあ、なんでも、いいですけれど」
Episode.4 「結末」
春香に告白されてから、数年後。
あの日以降も、春香は何事も無かったかのように此処に来ていたのだが、ここ最近、姿を見ない。
何かあったのだろうか?
今日もまた仕事である。しかし、今日は午後から現場の監理に行く。
ああそうだ、施工業者に渡す書類の準備をしておかなくちゃ。
監理と言うのは設計が終了し実際に施工する段階になった時、
監理する立場に任命された人が、施工業者の工事内容をチェックする事を言う。
やる事は施工業者が提出してきた書類をチェックしたり、要所要所で現場の施工状況をチェックする。
間違っても「管理」、所謂タケカンではない。「監理」、所謂サラカンである。
管理では、職人や材料を手配したり工事日程を調整する現場監督を指す。
あくまでも、監査する立場の「監理」である。
そうそう、工程管理も重要だ。
施工業者が提出してきた予定と出来高をチェックして、
遅れていたりしたらなんとか遅れを取り戻さなくてはならない。
建設業では、複数の職種が複雑に絡み合いながら施工する。特に竣工間近の時は大変だ。
ホワイトボートにちょっと予定を書いたおいたぐらいでは、とても現場を管理しきれないのだ。
だからこそ、工程管理は重要なのだ。
余談だが765プロに居た時、あの人数のアイドルを辛うじて管理できてたのは、奇跡だと思う。
さて早めの昼食も食べた事だし出かけるとしよう。
今日の現場は遠い。
何せ、このサイタマー!から、キャナガワー!!県のニノミーーヤへ行かなくてはならない。
倒壊道本線を走る遭難新宿ラインに揺られる事、3時間以上である。
新幹線で3時間ならば、まだ許そう。
しかし、在来線の3時間である。
下手をすれば座る事ができない。これは拷問以外の何物でもない。
座れたとしても、今どきの電車は椅子がクソ固いので嫌いだ。
今日の現場はとある病院だ。
今回の病院は新築してから年数がたち、空調機をすべて入れ替える事になっている。
機器を入替えるだけであるならば楽なのであるが、空調機に付属する
配管とか、配線とか色々なものも同時にやりかえる。
その影響で、天井の下地と仕上げもやり直すのだ。
おかげで、建築工事、空調設備工事、電気設備工事の3工種が発生している。
それも、病院は通常の運営をしながら工事をする。なかなか難儀だ。
監理定例会議
元請事務所の人(進行役)「え〜と時間になりましたので・・・」
・
・
・
元請(ry「では、これ以降は分科会ということで・・・」
・
・
・
P「じゃあこれ、書類です。今回は特に修正箇所はありません」
工事屋「ありがとうございます。いやー、書類もすぐチェックしてくれますから助かりますよ」
P「はは、当たり前の事をしているだけですよ。工事が監理のせいで滞ったりしたらマズいですから」
監理する時、意味もなく施工業者に対して上から目線になる監理者がいる。
でも、そういうのはうまくない。
施工業者だって人間だ。意味もなく上から目線で物事を言われれば反発してしまう。
俺は、普段はニコニコしつつ、問題がある部分は問題がある事を示す根拠を突き付けて
笑顔を若干ひきつらせながら修正するよう迫る、というスタイルだ。
こうする事で大抵の施工業者はうまく操縦する事が出来る。
もっとも、施工業者が調子に乗っている時はこの限りではなく、圧力をかけるが。
この辺は、プロデューサーをしていた頃の経験だ。
※現場へ移動
工事屋「ここが、昨日施工した部分です」
P「ここですか・・・傷は無し・・・あれ?これだけ外れてませんか?何か理由でも?」
工事屋「ありゃ、これはミスです。直しておきます」
要領の悪い監理者は、結構バカにされる。
なぜか?
答えは簡単だ。そういう連中は例えば、生コンをこれから型枠に流すぞっていう時になって
鉄筋の配筋状態が悪いからコンクリートを打つのを中止して直せとか言い出す。
鉄筋を直せというのはチェックした結果だろうから、それ自体は職務に忠実で大変よろしい。
しかし、それはコンクリートを打つ直前に言う事ではない。
2〜3日くらい前までに、配筋状態の検査および修正が出来るよう段取りさせて、
問題なく実行させるのが監理する者の仕事である。
それと何かあった時、いきなり責めてはいけない。
施工業者なりに何らかの理由があるのかもしれないからだ。
指示を出すのは、言い訳を聞いてからでも遅くはない。
>>89さん
工事屋は上手に操縦しなきゃダメですよ〜ww
工事屋さんは、監理をうまく誘導出来るような言い訳と態度をしないとダメですよ〜wwwwww
工事屋「それに元の設計図、建築、電気、機械でちゃんと整合が取れてますから楽ですよ」
P「その辺はちゃんと事務所間で調整しましたからね」
工事屋「いや〜ちゃんと調整するのは他の先生方にも見習ってほしいものですなww」
施工業者は、設計事務所の人間の事を先生と呼んだりする事がある。
本来はそんなに特別な意味はないが、デザインしか知らないような人間に対しては
皮肉を込めて特別に「大先生」と呼ぶことがある。
それは大抵、施工が困難な図面を書いていることに由来する。
一見、見栄えが良くてもどのように施工するのか全く考えていないのだ。
考え無しに図面を書いていて万が一うまく施工できなければ、ただの絵に描いた餅だというのに。
考えがあったけど実際にはうまくいかなかくて問題になった、という方がまだマシである。
おまけに他工種との調整をしていなかったりする。
それでは施工業者も皮肉を込めて「大先生」と呼びたくもなるだろう。
P「今日はこれで」
工事屋「どーもどーもありがとうございました。次回もよろしくお願いします」
・
・
・
・
・
さて今日も無事終わった事だし帰るかな。
あ〜でも少し休憩していくか。
待合室にある自販機で缶コーヒーを買い、屋外に置いてある長椅子に腰かけた。
P「みんなはどうしているんだろうな・・・」
ふと、そんな言葉が漏れた。
飲み終わった空き缶をゴミ箱に入れ、車に戻ろうとしたその時。
???「・・・プロデューサー?」
P「?」
???「私です」
P「千早か」
千早「お久しぶりです、プロデューサー」
病院と言う場所で、なぜか千早と再会してしまった。
しかし、なぜ千早は花束を持っているのだろう?
だれかのお見舞いに来たのだろうか?
P「千早は最近どうだ?テレビにもよく出てるみたいだけど」
千早「ええ、おかげさまで」
P「順調で何よりだ」
千早「今度、全国ツアーをするんです」
P「えっそうなの?」
千早「ええ。来月にはサイタマー!でやるんで見に来てください」
P「おお、是非とも見させてもらうよ」
P「ところで千早はなんでここに?」
千早「ちょっとお見舞いに。プロデューサーもですか?」
P「いや仕事でな」
千早「仕事?」
P「話すと非常に長くなってしまうんだが」
P「この病院で工事をしててね。その関係で来たんだよ」
千早「そうでしたか」
千早「プロデューサーはご存じですか?」
P「ん?何を?」
千早「春香の事です」
P「?」
千早「春香、入院しているんです。この病院に」
P「まじで!?」
千早「私が嘘つくと思いますか?」
P「まさか」ブンブン
千早「春香、こんど舞台の主役をやるんですけど、舞台の練習中に捻挫してしまったらしくて」
千早「大事をとって一週間くらい入院するそうです」
P「捻挫って、入院が必要になる事あるの?」
千早「疲れが溜まってたみたいで、派手にコケて強く捻ってしまったみたいです」
P「疲れてたって・・・春香、そんなに忙しかったの?」
千早「プロデューサーは何も聞いていないんですか?」
P「春香が入院してること自体、知らなかったよ」
千早「春香、プロデューサーの所に通ってましたよね?」
P「」
千早「春香、プロデューサーの事が今でも好きって言ってましたから」
P「千早だけには、そういう事も言えたんだろうな」
千早「それで、ただ単にプロデューサーと話がしたいだけとか言って」
千早「春香ったら、ただでさえ忙しくて休む暇もほとんどなかったのに」
千早「次の日が仕事でも・・・というか仕事の合間を縫って」
千早「結構無理して、プロデューサーの元に行ってたみたいですよ。電話でもいいだろうに・・・」
P「そうだったのか。早く家に帰って休めとは注意してたんだけどな。春香のやつ無茶な事しやがって」
千早「それと、春香から告白されたんですか?」
P「oh・・・・・・」
千早「春香には、ちゃんと答えを伝えたんですか?」
P「いや、それが・・・告白された後から仕事が忙しくてなってな。結果的にはそのままだ」
千早「プロデューサー・・・それはちょっとヒドイですよ」
千早「きっと春香だって勇気を出していったんですよ?」
P「ん〜〜〜」アタマカカエル
千早「プロデューサーの答えがどちらだろうとも、ちゃんと春香に伝えるべきじゃありませんか?」
P「そうだよな・・・そのまま放置はやっぱり良くないよな」
千早「年齢的にも・・・その・・・結婚も考える始めるでしょうし。相手は誰だろうと」
P「・・・春香のお見舞い、一緒に行って良いか?」
千早「良いですよ」
スタスタ・・・・・・
P「・・・ここが病室か」
千早「そうです」
P「なにを話そうか・・・」
コンコン
ガラッ
千早「春香?」
春香「あっ千早ちゃん」
千早「失礼するわ」
春香「どうぞ」
千早「春香、今日はプロデューサーさんもいるの」
春香「えっ!?」
P「久しぶりだな、春香」
春香「プロデューサーさん・・・」
千早「春香、お花を持ってきたの。花瓶に水を入れてくるわ」
ガラッ
パタン
P「・・・・・・」
春香「・・・・・・」
P「春香、すまなかった」
春香「へ?」
P「春香、仕事の合間を縫って俺の所に来てたらしいな。ごめんな気付かなくて」
春香「そ、そんな・・・!頭あげてください!あれは私が勝手にした事で・・・」
P「俺ももうちょっと気を使えばよかったと後悔してるよ」
春香「プロデューサーさん・・・・・・」
P「・・・・・・」
春香「・・・・・・」
P「それと春香、あの・・・告白に対する答えの事なんだけど」
春香「!」
P「ずっと答えを言わなくて悪かった」
P「今日、その答えを伝えたら、帰るから」
春香「・・・・・・」コクッ
P「落ち着いて聞いてほしい」
春香「はい」
P「・・・・・・」
P「今の春香とは付き合えない」
春香「どうして・・・」
P「春香は、これから舞台の仕事もあるんだろ?」
春香「・・・・・・」コクッ
P「おれは春香の可能性を潰したくないんだ」
P「スキャンダルにでもなって、春香の未来を潰すような事はしたくないんだ」
春香「・・・そんなの関係ないです」
P「なあ春香、少し聞いてくれるか」
春香「はい」
P「俺は今、建物の設計をしている。それは知ってるな?」
春香「・・・・・・」
P「俺の・・・設計者としての思いなんだが」
P「建物が建てられる時、その建物は何かの『ステージ』だと思うんだ」
春香「ステージ?」
P「そう。そして『ステージ』上で色々な物語が創り出されていくってね」
P「例えば、一軒家の住宅を建てるとしよう」
P「わざわざ住宅を建てるからには、きっと家族が居るはずだ」
P「数ある土地の中から選ばれた一か所の土地に」
P「これまた数ある家族の中から、その土地に縁のあった一つの家族がいる」
春香「・・・・・・」
P「家族が居るからには、当然、その家族の生活があるだろう」
P「家族の生活や土地の風土に関するパーツを一つずつ組立てていくと、物語が見えてくる」
春香「・・・・・・」
P「その物語の『ステージ』として建物---今回の話だと住宅が必要になる、と考えているんだ」
P「住宅の出来次第で、家族の物語は大きく変わっていくだろう」
P「設計した住宅という『ステージ』の上で創り出された物語が最高だと、そこを使う家族に思わせたい」
春香「・・・・・・」
P「もちろん、ベストな『ステージ』を作る事はなかなか難しい」
P「だとしても、少しでもベストに近い『ステージ』を作る事により」
P「家族の中に感動できる物語が創り出される事を、目指したいんだ」
春香「・・・それがどう関係してるんですか・・・」
P「春香の物語をきちんと見届けたい。それは元プロデューサーとしてだけどね」
P「俺は、アイドルである天海春香をプロデュースした」
P「途中でプロデュースを別の人間に交代する事にはなったけど」
P「アイドルとしての天海春香を最後まで見届けたいんだ」
春香「だったら・・・私はプロデューサーさんと新しい物語を作りたいんです!」
P「春香・・・さっきも聞いたけど、舞台の仕事もあるんだろ?」
P「春香がプロとして活躍するのを、最後まで全うしてほしい」
P「そして、俺は春香のスキャンダルになりそうな事をしたくない」
春香「じゃあ私がアイドルを引退した後は、問題なく付き合えますね?」
P「引退する時の事は、考えないでほしい」
P「春香がプロとして輝いている姿を、これからもずっと見せてほしいんだ」
P「これは春香だけじゃなくて、みんなの笑顔の為にもなると俺は信じている」
春香「プロデューサーと一緒に居たって、みんなの笑顔は作れる・・・いえ、もっと笑顔を増やせます!」
P「さっきも言ったけど、スキャンダルになって春香を潰したくないんだ」
春香「私が引退する時まで、待っててもらえませんか?」
P「・・・・・・」
春香「そして、もう一度だけチャンスをください」
P「・・・引退した後に拘らないで、別の相手を探したほうが幸せになれるよ」
P「とにかく、春香とは・・・付き合えないんだ」
春香「どうして・・・どうしてなんですか・・・なんでそこまで拒絶するんですか!!」怒
春香「・・・もう帰ってください」
P「ああ、そうするよ」
春香「・・・それと、もう来ないでください」
P「そうか、分かった。この病室にはもう来ないよ」
P「じゃあな」
春香「・・・・・・」
ガラッ
千早「・・・・・・」部屋に入ろうとしたら72かを聞いてしまい、壁の様に直立不動なちーちゃん
P「あっ、悪い、用事出来たから帰るわ。それじゃ」
千早「そうですか。お気をつけて」
スタスタ・・・・・・
パタン
千早「・・・春香、大丈夫?」
春香「・・・なんでだろうね」グスッ
春香「千早ちゃん、ごめんね、ちょっと一人にしてもらえないかな?」
千早「春香・・・少ししたら、また戻ってくるわ」
ガラッ
パタン
春香「・・・・・・どうしてなの・・・ただ仲良く一緒に居たかっただけなのに・・・」涙
千早「・・・・・・うまくいかないものね」
千早(プロデューサー、本当は・・・)
???「あれ?もしかして千早お姉ちゃん?」
???「間違いないよ!」
千早「その声、亜美と真美?」
亜美「正解!」
真美「久しぶりだね、千早お姉ちゃん」
千早「そうね。二人とも久しぶり」
亜美「なんでこんなところに居るの?」
千早「春香のお見舞い」
真美「あ〜そういう事」
千早「ところでなんで二人もいるの?」
真美「なんでって・・・ここ真美たちの実家の病院だよ」
千早「そういう事ね」
亜美「いや〜しかし、はるるんが入院した時はびっくりしましたな〜」
真美「驚きのあまり、はるるんの身の回りの世話手伝いを志願しちゃったよ」
千早「そう」
亜美「今日の千早お姉ちゃん、なんだか悲しそう」
千早「ちょっとね。まぁ私の事じゃないんだけど」
真美「え〜なになに教えてよ」
千早「言えるわけないでしょう」
亜美「ケチ〜」
亜美と真美ー!どこいるのー!
真美「げっ!この声は看護師長!」
亜美「ヤバい!すぐ戻ろう!千早お姉ちゃん、また今度ね!」ノシ
千早「うん、バイバイ」ノシ
千早「・・・はぁ。どうしようかしら」
Episode.5 「未来」
P「あの時、春香には悪い事したよなァ・・・」
P「・・・・・・」
P「おっと、もうこんな時間だ」
時刻はもうすぐ午後11時になろうとしている。
もうかれこれ、30分も思い出に耽っていたのか。
P「さて仕事再開。早く片付けないと」
俺はあの事があった直後、春香にお詫びとプロとして頑張ってほしいとメールをしておいた。
もちろん、その返事が帰ってくることはなかった。
今、真たちに頼まれた新しいダンスホールの設計をしている。
先日、仕事帰りに真たちのダンス教室に寄った時の事だ。
真「ビルの一角を借りてやって来たけど、そろそろ移転したいよね」
雪歩「どこにしようか?」
響「そうだなー、もう少し静かで交通の便がいい所ぞ」
真「お金もたまったから、新しくダンスホール新築するのもいいかも」
雪歩「真くん、それいいよ!」
P「そうか、どこに設計を頼む気なんだ?」
真「プロデューサーに決まってるじゃないですか」
P「ぶっ!マジで?」
真「嘘なんて言いませんよ」
P「・・・分かったよ、やってやるよ」
真「やーりぃ!」
こんな風にして、真たちの「ダンス教室移転計画」に巻き込まれてしまった。
施工は、雪歩の実家に頼むつもりらしい。
美希からも「ハニィー!こんど新しいショップ開くんだけどデザインお願いしたいの!」とか言われたが、
さすがに仕事が追い付かないので、知合いの設計事務所を紹介しておいた。
そういえば春香はあの後、無事に回復して舞台に立った。
俺は合わせる顔がなかったので迷ったが、律子に頼み込んでこっそりチケットを貰って見に行った。
舞台にはプロとして輝く春香の姿があった。
病院で春香にあった時、本当は自分の気持ちに素直になって「好きだ」と伝えようかとも考えた。
しかし一歩間違えば「アイドルの天海春香」という物語を悪い意味で壊してしまうかもしれない。
そんな事になれば、アイドルとして輝きながら活動していた春香を傷つけてしまうだろう。
春香を傷つけたり、後悔させたりしたくなかった。
だから、俺は「付き合えない」とあの時は言ったのだ。
その後も順調に活動していた春香だが、どういう訳か
テロ朝の『大改造!劇的改修前後』で番組進行役になった。
あの大御所を一体どうやって説得したんだろうか。
進行役を奪った事が驚きであるが、それ以上に驚く事は
あの番組でたまにやる、「有名人の実家リフォームSP 」で
やよいの実家が大改造された事だな。
やよいの回に出演した「匠」は、珍しく誠実な人間だった。
意匠設計一筋の意匠屋でありながら、設備にも気を使える人で、
何よりも施主の意向を踏まえたうえでさらなる改善を目指していたのだ。
あの番組は、そういった誠実な人間が出演する事もあるから見逃せない。
やよいが「うっうー!すごいですー!うっうー!」って言いまくっていたのは、良い思い出だ。
そういえば、主題歌が千早の曲になったのはビビったなぁ。
おまけに、CMで『水瀬建機』『水瀬建設設計』とか『電報堂』とか出てくるし。
あれ?もしかして伊織のやつが番組の乗っ取りを仕組んだのか?
進行役の春香が、気に入った人間はベタ褒めしつつ、自分が嫌いなタイプの人間に対しては
驚きの黒さでバッサバッサ切り捨てるのは面白かった。
余りにそれをやりすぎたせいか、番組そのものが消滅してしまったがww
いま、春香はどうしているんだろうか?
〜〜さかのぼる事、数時間前〜〜
とある高級レストランのVIPルーム
律子「久しぶりに、そこそこ揃ったわね」
律子「それじゃみんなグラスを持って」
一同「はーい!」
律子「カンパーイ!」
一同「カンパーイ!!」
律子「結婚おめでとう、春香」
春香「律子さん、ありがとうございます」
律子「でも、寂しくなるわね」
春香「また、遊びにいってもいいですか?」
律子「いつでもいらっしゃい!」
ワイワイガヤガヤ
千早「これからは何処に住むのか決めたの?」
春香「え〜とね・・・まだ決めてないや」
千早「ふふっ大変ね。時間はあるからゆっくり決めたら?」
美希「春香、結婚式のドレスはミキが作ってあげるね」
春香「ありがとう、美希」
亜美「はるるん、子供出来たら是非ともうちの病院においでYO!」
春香「それはちょっと気が早いかな〜」
真美「とか言って〜ヤリまくりなんでしょ?」
律子「こーらそういう事言わない」
あずさ「春香ちゃん、家庭をうまくやっていくためにはね」
あずさ「相手への思いやりは忘れちゃだめよ〜」
春香「ご指導ありがとうございます」ニコッ
あずさ「そうしないと、大変なことになっちゃうわよ〜」
小鳥「そういうあずささんの所は未だにアツアツなの!?」ニヤニヤ
あずさ「あら〜音無さん、いつ結婚なさるのかしら」
小鳥「大変、攻撃したつもりが逆襲されてるよ」ピヨッ
律子「小鳥さん・・・ドンマイ」
小鳥「あずささんも、律子さんも、私が未婚だからって・・・ヒドイ」グスッ
ガチャ
ウェーター「VIPルームのお客様がご到着です」
真「いやーゴメン、電車が遅れちゃって」
雪歩「春香ちゃんごめんなさい」
響「春香ごめんだぞ」
春香「三人とも気にしないで」
真「あれ?これで全員?」
律子「そう。残念ながら、社長は業界の会合を欠席できなくて」
律子「貴音とやよいは番組の収録で、伊織は映画の撮影で・・・今はイギリスよ」
真「へぇ〜伊織すごいなぁ」
真「プロデューサーは誘ったの?」
律子「それが仕事が忙しくて行けないって連絡があったわ」
真「それは残念だなー」
律子「原因はあんた達だってぼやいてたけどね」
真「はは・・・」苦笑
律子「プロデューサーも春香の結婚式には来るんだから、その時まで楽しみにしておきなさい」
真「はーい」
・
・
・
〜〜お開きの時間〜〜
響「これみんなからのプレゼントだぞ」
春香「えっ!?」
春香「ありがとう!開けていい?」
響「どうぞどうぞ」
春香「これは・・・?」
美希「それはリングスタンドなの」
春香「リングスタンド?」
美希「そうだよ、ここにふたりのマジックリングを置くの!」
春香「え〜みんなありがとう、二人で大切にします!」
一同「どういたしまして(なの)(だぞ)」
律子「さて宴もたけなわですが、そろそろお開きの時間となってしまいます。」
律子「ですので、最後に一本締めをしたいと思います」
律子「それでは、お手を拝借」
一同「よぉ〜っ」パシッ
パチパチパチパチ
春香「今日はみんなありがとう」
雪歩「春香ちゃん、お幸せにね」
春香「うん、ありがとう」ニコッ
春香「それじゃぁみんな、また結婚式でね」
一同「ばいば〜い」ノシ
春香「ばいば〜い」ノシ
〜〜時間を戻して午後11時〜〜
Prrrrr・・・
おや?携帯に電話だ。一体、誰だろう。
あれ?この番号は見覚えあるような、無いような。
P「もしもし」
???「プロデューサーさん、こんばんはです」ピヨ
P「お掛けになった電話番号は現在使わr」
小鳥「ちょっとぉーーー!!!」
P「なんですかこんな時間に。旦那を紹介しろとか言われても、もう周りに候補は居ませんよ」
P「いいかげん諦めたらどうです?年齢的に考えて」
小鳥「」
小鳥「って、今日はその事で電話したんじゃないです」
小鳥「テレビを見てください。もうすぐアレを放送するんで」
P「テレビ?アレ?」
小鳥「チャンネルはジャポンテレビです」
この時間のジャポンテレビと言えば夜のニュースをやるはずだが、どうしたんだろうか?
P「ではチャンネルを変えましょう」ポチッ
TV「」パッ
TV「千と痴早の髪隠し」CM中
TV「11月31日(土)公開」CM中
TV「えっ禿げマス!?」CM中
TV「チャララ〜〜〜」ニュースオープニング中
P「」
P「・・・なんだ今のCM・・・」
TV「こんばんは。ジャポーンテレビの新水美由子です」
TV「今日正午過ぎ、765プロダクションに所属するアイドルである」
TV「天海春香さんの引退会見が行われました」
TV「会見の模様が映像で届いてますので、そちらの映像からどうぞ」
おや?
おやおや。
テレビには、律子と春香が映っていた。
・
・
・
律子「・・・当765プロダクションに所属しております天海春香につきまして」
律子「本日限りで芸能活動から引退する事になりましたので・・・」
・
・
・
春香「・・・これまで私を応援してくださいました全国の皆様に・・・」
・
・
・
春香「・・・婚約する事になりまして・・・」
ざわ・・・ざわ・・・
記者「・・・お相手の方はどんな・・・」
・
・
・
春香が引退するのは知っていたが、そうか、記者会見してたのか。
春香は、アイドルとして一番いい時期に引退できたと思う。
もう春香の世代は結婚するような歳だし、さすがにアイドルから次のステップへ踏み出す時だろう。
今まで忙しかっただろうけど、今度は幸せにな・・・
・
・
・
ガッガチャ
キィーパタン
P「玄関・・・?」
女「ただいまー」
P「あっお帰りなさい」
女「はぁー疲れたな」
P「お疲れ」
P「・・・突然だけど、その、本当に良かったのか?俺と結婚して仕事手伝うの」
女「どうしたの急に?」
P「ちょっと色々考え事してて、ふと思ったんだ」
女「大丈夫だよ。私の今までの仕事はちゃんと完結したよ?」
女「プロとして輝いて、みんなを笑顔にする事ができたからね」
女「だけど、さすがに何時までもあの仕事を続ける事は出来ないじゃない?年齢的に考えてさ」
女「だから、今までとは違う場所で、次の新しい物語をスタートさせて創りはじめたいの」
P「ならば、女優とか他の道があったんじゃないか?」
女「女優も考えたけど、自分がステージの上でいっぱい輝けたから---」
女「---今度は、後輩がステージで輝けるように何かしてあげたいと思ったの」
P「後輩の為に?」
女「うん。そう考えた時、プロデュースするのは律子さんがいるし、ダンスのレッスンは真たちがいる」
女「それならば、私は後輩たちがキラキラ輝ける『ステージ』を作りたいなって」
女「一人じゃできないから、貴方と一緒にね」
P「そうか・・・なぁ春香」
春香「なぁに?」
P「今度は2人で幸せになろうな!」
春香「ふふっそうだね、幸せになろうね」
---fin---
編集後記
>>1です。初SSで色々不慣れな事もあり、長い駄文失礼しました。以下に、本文中に登場した言葉の解説。
1、「下町DX」「アイドル青春白書」「よい旅・夢気分」
有名番組からパクってます。サーセンww
2、「72系970番台」
これは30年以上前に、宮城県にある仙石線で実際に走っていました。
戦時設計車である63系の流れをくむ、いわゆる「旧型国電」に属するグループで
劇的大改造した平べったい車体に青系統の塗装が特徴ですww
3、「電報堂」「さえない窓際係長」「ジャポンテレビ」「新水美由子」
どう見ても特命係長只○仁のパクリです。本当にありがとうございました。
4、「サイタマー!」「キャナガワー!!県」「ニノミーーヤ」「倒壊道本線」「遭難新宿ライン」
これはそのままです。はい。
5、「某Aが付くCAD」「某Jが付くCAD」
誰がどう見てもAut○CADとJ○CADです。
6、「耐震偽装問題」「構造屋だった某A建築士」
某A建築士は、確認申請時に虚偽の構造計算書を使って申請して、
結果的に確認済証を騙し取ったので、建築基準法違反で逮捕されたのです。
発覚当時、なぜ構造計算書をきちんとチェックしなかったのか騒いでましたが、
A4の紙が数千枚あるのに、いちいち全部の再計算とかやりたくても出来ませんよ・・・。
だから、法に則ったつじつま合わせが大事なんd(ry
7、「某N設計」「大改造!劇的改修前後」「S水建設」
建設業界な人ならお分かりですね!
某N設計と書きましたが、イニシャルがNの事務所ってたくさんありますねwwww
だからこそ、Nにしたんですけどねwwwwww
あと、スーパーゼネは「子どもたちに誇れるしごとを。」と「地図に残る仕事。」で迷いましたが、
某番組で、実際にCMを出してる方に決めますたwwww
8、「水瀬建機」「水瀬建設設計」
某ゲーム原作のアニメの中で流れたCMが、どうみても「この木なんの木」でしたので、
それに合わせて、実際にある「この木なんの木」の関連企業の名をパクってますwwwwww
9、「千と痴早の髪隠し」
色々とお察しくださいwwwwwwww
本編は以上になります。ご清聴?ありがとうございました。
おまけREST@RT
Title 「春閣下がクリスマスについてお怒りのようです」
!!!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!!!
1.元ネタは某映画の空耳とされる「総統閣下シリーズ」です。
2.登場するキャラクターは某ゲームを参考としたオリジナルです。多分。
3.各キャラのセリフは、某映画にある「総統閣下シリーズ」そっくりなシーンのセリフに敢えて近づけています。
4.春閣下、黒春香がお嫌いな方はそっ閉じを推奨します。
5.「総統閣下がクリスマスについてお怒りのようです」を一部参考にしています。
6.「やる夫がフューラーになるようです」を一部参考にしています。
7.>>1は春香さんと千早さんのファンです。多分。
!!!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!!!
このおまけは、本編で春香さんが結婚する前の物語です。
「総統閣下シリーズ」の映像を見ながら読むと、面白いかもしれません。
数年前、プロデューサーにフラれてしまった春香さん!
何の恨みか世の中のバカップルを粉砕するべく、春香軍を編成しバカップルへの攻撃を開始した!!
しかし粉砕しようとするも、バカップル軍に逆襲され徐々に追いつめられる春香軍!
ついに市街地郊外(765プロがある雑居ビルの前面道路)まで迫ったバカップル軍!
その時の総統閣下官邸(765プロ事務所)作戦室における、
春香軍の対策会議の様子をお届けしよう!!!
(作戦室には、アイドル12名プラス律子と小鳥が居る)
真「バカップルどもはクリスマスに向けて広範囲に進撃中です」
真「アホー知恵袋やカップル板では、デートスポットの質問が殺到」
真「アクセスランキングでは、夜景を紹介したサイトが上位を占め」
真「レストランやホテルのサイトでは、大好評予約受付中と宣伝しています」
春香「全国のサーバーにF5アタックをかける用意は出来ているだろうな?」
真「閣下...ネットワークが...」
美希「我々にはダイアルアップ回線しか残ってないの、もはや攻撃能力はないって思うな」
春香「......」プルプル...
春香「次の者だけ残れ。雪歩、美希、真それに千早ちゃん」
みんな部屋の外へぞろぞろ。
残っているメンバーは、雪歩、美希、真、千早、律子、小鳥。
律子と小鳥は自発的に残った。
ドアが閉まった所で説教開始。
春香「命令だったろうが!」
春香「クリスマス阻止攻撃は、命令だったろうがぁ!!」
春香「何処のどいつが、私の命令に背いた!?」
春香「毎年、潰せと命令しているのに...」
春香「なんでリア充どもに翻弄されっぱなしなんだよ!」
春香「毎回お前らは今回はクリスマスを潰して見せます、と宣言しながら」
春香「1か月後には潰せませんでしたと言い訳...あいたた、はっふん」(机に足をぶつけた)
春香「とにかくクリスマスなんて、大っ嫌いだ!」
千早「閣下だって、昔はクリスマスを楽しみにしてたじゃない!」
春香「プロデューサーがいないから大っ嫌いだ!」
春香「ヤリスマスなんて消えろバーカ!!」
千早「閣下、アイドルがそんなこと言っちゃダメよ!」
春香「プロデューサーとクリスマスを一緒に過ごせるならこんな事は言わない!」
鉛筆「ouch!」バキッ!(鉛筆が真っ二つ)
春香「畜生め!」
春香「いつの間にか恋人と過ごす日になってやがるが」
春香「キリスト教徒からすれば常識外れもいいとこだ」
春香「バカップルどもはいつもイチャイチャしやがって」
春香「私の視界を、邪魔し続ける」
春香「私もやるべきだった」
春香「バカップルどもの大粛清をスターリンのように!」
春香「まだプロデューサーがそばに居る時は、いつかプロデューサーを征服できると信じてた」
千早(駄目だこいつ)
真(早くなんとかしないと)
美希(もう寝たいの)
春香「出来る事は何でもしたさ」
春香「胸を使って誘惑もした。おっぱいぷるーんぷるん!」
千早(くっ!)
真(うわぁ72言っちゃってるの)
美希(もうメンドクサイから立ち寝なのzzz)
春香「でもプロデューサーは、私のもとから去って行った」
春香「私への恐るべき裏切りだ」
春香「その時、私は決意した」
雪歩(なっ何を...)
真(もうやだこの人)
美希(zzz...)
千早(単なるとばっちりね)
春香「世のバカップルどもを粉砕し---」
春香「---プロデューサーの代わりに世の男どもを私に跪かせるのだ!」
部屋の外
やよい「春香さんが...」えぐえぐ
伊織「やよい、落ち着いて。単に春香の表面が割れて中の人が漏れ出してるだけよ」
響(春香が壊れたぞ...)
貴音(なんと、面妖な...)
あずさ(春香ちゃん...)
春香「私だって本当はこんな事はしたくない」
千早(それならもうしちゃダメよ)
春香「プロデューサと、一緒に居れればそれで良い」
春香「プロデューサー...」うなだれる
千早(春香...)
雪歩(未練タラタラですぅ...)
真(これからどうするよ...?)
美希(zzz...)
春香「もうクリスマス阻止は、諦めよう」
律子(これ、いつか収拾つくんでしょうか?)
小鳥(つかないと思います。hi)
千早(ですよねー)
春香「だが言っておく」
春香「バレンタインデーは必ず、粉砕するからな」
春香「今度こそ見てろよ」
ALL(もうダメだぁ)
---fin---
再び>>1です。
おまけは本編を書き溜めしている時に思いつきました。
投下して後悔はしていません。
これにて完全に終了です。ありがとうございました。
5.でも、生暖かく見守って頂けると助かります。
6.>>1を特定する等の行為は禁則事項です。
7.色々と我慢できない時はそっ閉じを推奨します。
!!!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!!!
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Episode.1 「記憶」
今、午後10時半になろうとしている。
P「寒〜い」ブル
P「・・・・・・」ボリボリ
P「あ、このお菓子おいしいなァ」
TV「下町DX、続きましてはこちら!アイドル青春白書!」イエーイ!
TV「まず鉄子さんの10年前の写真!!」写真が出る
TV「!?写真で手に持ってるのは何?」
TV「それは72系970番台って言っt」
TV「ちょい待て、そんなん言われても誰も分からんから!!wwwwww」
TV「くっ」
TV「お前も反応すんなwwwwwwww」
・
・
・
・
・
P「10年前か・・・俺なにしてたっけ?」
P「・・・そっか、あの事がちょうど10年くらい前だな。もうそんなに昔か・・・」
これは、10年前から今日という日に至る、ある物語。
そう、11〜2年前くらい前だろうか。
当時、俺は765プロダクションに所属しプロデューサーをしていた。
所属アイドルと共にニューイヤーライブを成功させ、トップとまでは言えないものの、
世間一般にそれなりに知られた存在となった。
それからは毎日が忙しかった。それまでも暇ではなかったが、それまで以上の忙しさになった。
実際問題、休みなんてほとんどとった事なんてなかった。
今思えば、その頃からみんな変わり始めていたのかもしれない。
ライブから1年くらいたった頃、まずあずささんが結婚と同時に引退した。
相手は大手広告代理店である電報堂の社員だ。社員とは言っても、さえない窓際係長だとか。
今、あずささんは平凡な専業主婦をしているそうだ。
買い物に行った帰りに道に迷ったりしていないだろうか・・・?
次に千早が歌手として、ソロ活動するようになった。
それと同時に俺のもとを離れ、新しく雇った専属のPと共に活動するようになった。
元々、歌う才能は目を見張るものがあるだけに仕事が忙しいそうだ。
今でも歌手活動は続けていて、テレビで見かける事がよくある。
そんなに時間も経たずして、今度は雪歩と真、それから響の3人は芸能活動を引退して
共同でダンス教室を立ち上げた。765プロからもそれなりに出資しているらしい。
話題の元アイドルが立ち上げたダンス教室だ、連日予約が一杯だそうだ。
この間3人に会った時、結婚しないのか聞いてみたがまだその気は無いようだった。
貴音は、未だに芸能活動を続けている。
しかし、アイドルからアナウンサー?へとチェンジした。
アナウンサー?ではあるが不思議な発言と、食べ物を美味しそうに食べるので各世代から人気がある。
おかげで色々な番組に出演しているようだ。この間も、よい旅・夢気分に出演していた。
あ、そういえば貴音監修の「麺揚な」っていうラーメンが出たな。
亜美と真美は、看護師になるべく芸能活動を引退した。
さすがに、アイドルをしながら国家資格の勉強をするのは無理があると思った、と
本人たちは語っていた。
実家の病院の雑務を手伝いつつも、今年看護師になる為の試験を受けるらしい。
やよいは、アイドルから徐々に家事全般に関するコンサルタント業に転身した。
今では自分の料理番組や、お昼のワイドショーで家事に関するコーナーを受け持っている。
そういえばつい最近、実は既婚である事を明かして、ワイドショーを賑わせていたな。
コンサルタント業を始める時に知り合った、税理士と結婚していたのだ。
もう将来も安泰だな。
伊織は、今や世界的に有名な女優となった。
先日、国際電話がかかってきて、何処のどいつだと思って出てみたら伊織だった。
今は新作映画の撮影でドイツに滞在しているのだそうだ。
映画が公開されたら、真っ先に見に行く事としよう。
美希は、あるアパレルメーカーと共同で自分のファッションブランドを立ち上げた。
全く、人というのはどんな才能を持っているか分からない。
芸能活動を引退した訳ではなく、稀にドラマなどに出演している。
美希のブランドはまだそんなに知名度は高くないが、徐々に浸透してきているようで
この前、街を歩いている時に美希がデザインした洋服を着た人を見かけた。
なかなかかわいい洋服だったが、せっかくなら美希本人が着た状態で見てみたいものだ。
春香は、俺が765プロに入社した頃はアイドルそのものに強い憧れを抱いていたが
そう、ミュージカルの主役をやった後からだろうか、いろんな方面に活動の場を広げていった。
活躍の場が広がってもアイドルは続けていて、より輝きを増していった。
だが何を思ったのだろう、ついに今日限りでアイドルを引退するそうだ。
今後は舞台関係の手伝いをしていくという。
765プロも大きくなった。
アイドルだって候補生を含めればそれなりの人数を抱えるまでになっている。
新人プロデューサーも何人か入ったようだ。そうそう、律子はその新人君たちをまとめる立場にいる。
小鳥さんは、事務長として君臨している。
俺が育てたアイドルたちは引退したか、新しく中途採用したPの元で活動している。
新しく中途採用したPは、俺なんかよりも遥かにプロデューサーとしての実力があるし、
業界の流れにも敏感で、業界の流れに的確な対応をしている。
一方、俺は業界の流れに対応できていないと感じた。
このまま続けたとしても、意味のある結果を残せないだろう。
10年前、そう感じた俺は765プロを退職し、実家に戻ったのだ。
実家に戻った俺は、実家の家業を継ぐ事にした。
実家の家業は・・・設計事務所だ。そう、建物の設計事務所。
実は隠していたが765プロに入る前、3年程度ではあるが建築士として仕事をしていたのだ。
じゃあなんで765プロに入ったんだという声が聞こえてきそうだが、
自分のいる以外の世界も見ておきたかったのだ。
単なる興味本位かと問い詰められそうだが、一人の設計者として世界観を拡げたかったのだ。
世界観を拡げようとした時、他の、例えば某N設計のような大手組織系設計事務所に入ってもよかっただろう。
しかし、それではあくまで設計する人間からの視点しか見えてこない。
設計する人間の視点から離れて、いろんな世界の視点から、建築というものを見つめたい。
これが俺の願いだった。
ひょんなことから765プロがプロデューサーを募集している事と知り、ダメ元で応募してみた。
プロデューサーとして仕事をすれば、いろんな世界を知って、
いろんな視点を得られるだろうと考えたのだ。
とはいえ・・・いくら理想論を語ったところで異業界からの転職である、
やってはみたいが、たぶん採用されないだろうと思っていた。
だがあの時、社長は何かティンと来たのだろうか、あっさりと採用されてしまったのだ。
Episode.2 「再会」
設計の仕事を再開してみたのは良いものの、再開したばかりである、仕事はそんなにない。
幸い、親が現役だった頃に取引していた事務所から小さい物件の設計を回してもらったので、
食うのに困るほどではない。
しかし、先が思いやられる。
さて休憩もした事だし、そろそろ図面を起こすのをまた始めるか・・・と、思った矢先。
ピンポーン
ドアホンのチャイムが鳴った。
はて?誰だろう?
今日は打合せなんてないし、そもそも最近は電子メールというもののお蔭で
わざわざこの事務所に来てまで打合せすること自体少ないのだ。
図面だって、データを送れば相手のほうで処理できる訳で。
そんな事を頭の中に浮かべながら、俺は玄関を開ける事にした。
実は単なる宅配便かもしれないし。
P「どちら様ですか?」
???「あっ、プロデューサーさん!?」
P(おや?まさか??)
春香「私です、春香です!」
P「開けるからちょっと待って」
ガチャ・・・キィー・・・
春香「お久しぶりです、プロデューサーさん」
P「ちょおまwwなにしてんの」
春香「なにしてんのって会いに来たんですよ」
P「そうか、久しぶりだな。上がってくか?」
春香「はい!おじゃましま〜す」
なぜ急に春香が来たのか皆目理解できないが、とりあえず打合せスペースへ案内する事にする。
打合せスペースと言っても、ついたてで簡単に仕切ってあるだけだが。
とりあえずお茶を淹れて、春香に持っていく事にする。
765プロをやめる時、雪歩にお茶を淹れる時に極意を聞いておいたのでお茶の味には自信がある。
P「はいお茶どうぞ」
春香「ありがとうございます」
P「どっこいしょ」
春香「あはっ何かオジサンくさい」
P「悪いがもう立派なオッサンだ」
春香「そんな事ないですよ〜」
P「しかし・・・なんで、ここに来たの?」
春香「実は、近くでドラマの撮影があるんです。今日の午後はオフなんですけどね」
P「そうなの?春香の地元ほど、雄大な大自然がある訳じゃないけど」
P「新興住宅地という雰囲気であれば、ドラマの撮影に使えるかもな」
春香「なんですか、雄大な大自然って。そんなに田舎じゃありません!」
P「まぁ怒るなって。765プロまで2時間かかるのは変わってないんだろ?」
春香「確かにそうですけど」
P「しかしこの場所がよくわかったな」
春香「律子さんに聞いたんです」
P「律子に?」
春香「そうです。律子さんがプロデューサーさんの職場の近くだって言ってたものですから」
P「そうかそうなのか。律子も余計な事を言わんで良いものを」
春香「そんな事言わないで下さいよ〜」
P「あ、そうだ。週刊誌とか大丈夫だろうな?」
春香「ご心配なく。ちゃんと周りは見てますよ。それにプロデューサーさんだから平気じゃ」
P「と言って油断してると危ないからな。大体、俺自身が元プロデューサーだし」
P「元プロデューサーと熱愛発覚!とかなった日には目も当てられない」
春香「は〜い。気を付けます」(どちらかと言えば、熱愛したいんだけどな)
春香「プロデューサーさんって今は何のお仕事をされてるんですか?」
P「見ての通り」
春香「ちょww分からないから聞いてるのにww」
P「見て分からないなら、一生分からないな」
春香「ひど〜い!そんな事言うんですか!」
P「冗談だよ。てか、律子からは何にも聞いて無いの?」
春香「何も聞いてません」
P「そうなのか。今は建物の設計をやっているよ」
春香「すごい!全然業界違うのに。お家とか建てるんですか?」
P「プロデューサーやる前はこの仕事してたから。ちなみに家じゃないよ」
春香「では、なに建ててるんですか?」
P「メインは舞台とかライブハウス、スタジオとかそっち系だな」
春香「すごいじゃないですか〜」
春香「その内、私の家を建ててください!」(そして一緒に住みましょう///)
P「ん〜戸建の住宅はよく知らないんだよね」
春香「えっ・・・まさかプロデューサーさん・・・」
P「まてまて落ち着け。俺は別に何かの嘘をついている訳じゃないぞ?」
春香「・・・自首した方が良いと思います。私、待ってますから!」
P「うん取り敢えず話を聞こうか」
P「そうだな、どっから話せばいいのか」
P「まず、建設業をどんなイメージで思い浮かべる?」
春香「そうですね、大工さんがお家を建てるイメージ」
P「まぁそうだよな。テロ朝の『大改造!劇的改修前後』とか見てるとそういうイメージがつくよな」
春香「あれ見てますよ!」
P「見てるんかいww」
春香「匠が出てきてかっこいいな〜、とか思っちゃいます」
P「あぁそうすか」
P(俺、建築家気取りの連中嫌いだから、あんまり本気になって見てないんだよね)
P「じゃあ、あの番組の合間に『S水建設』のCMやってるの知ってるか」
春香「あ〜なぜか真と雪歩が出てるやつですよね?」
P「そうそれ。春香はあの会社が何やってるか知ってるか?」
春香「CMのイメージだとビルを作っているイメージがありますね」
P「あのCMだとそうだろうな」
P「実は、建設業界っておおまかに設計事務所と、施工業者に分かれるんだ」
春香「どういうことですか?」
P「『大改造!劇的改修前後』を見てるって言ったよな?」
春香「言いました」
P「大まかに、匠は設計事務所の人間、大工などの職人が施工業者と思ってもらっていい」
P「設計事務所の人間が施主との打合せ、設計と見積をして」
P「次に施工業者が実際に施工、つまり工事をしている訳なんだ」
春香「へぇ〜そうなんですか」
P「で、施工業者のうち総合的に工事をやってる業者をゼネコンというんだが」
P「『S水建設』は、まさにゼネコンだ。」
春香「へぇ〜・・・」(プロデューサーさん、正直つまんないです・・・)
春香「で、プロデューサーさんは設計をする立場の人だと?」
P「そういう事」
P「でだ、どこの設計事務所でも得意・不得意がある」
春香「なんでもできる訳じゃないんですか?」
P「法律上決められた範囲なら何でも出来るけど、なかなかね」
P「医療系が得意な所、集合住宅、事務所ビル、それに役所が得意な所とかいろいろある」
P「中には、テナントビルのテナントの内装を専門にやってる設計事務所もあるんだぜ?」
春香「奥が深いんですね」
P「俺が得意としてるのがホールとかそっち系だから、戸建住宅はあまり詳しくないていう話なんだ」
春香「そういう事だったんですね!」
春香「そういえば」
P「なんだ?」
春香「お役所の工事みてると、お給料返せー!って思うんですけど?」
P「なぜそうなるww」
春香「だって無駄なものばかり作ってるじゃないですか〜」
春香「そんなの作らないで、お給料の税金安くしてくださいよ」
P「俺に言うな」
P「無駄なものばかりって言っても、学校にエアコン入れたりするのも無d」
春香「それは必要です!」
P「全力で即答かよ」
春香「だって夏になると教室すごい熱いですもん。」
P「確かにな」
春香「教室が熱いからスカートをばっさばっさやりたくなります」
P「やめて!アイドルのイメージが崩れちゃう!」
春香「プロデューサーさんだけならスカートの中をお見せ出来ますよ///」(本当にやったりしませんよ)
P「春香さん大変、発言する事と本音が逆だよ」
P「まぁとりあえず必要な物もあるから、全てを否定するのは良くないぞ?」
春香「わかりました〜」
P「まぁ誰がどう見ても無駄なものっていうのも、あるんだけどな」
P「でも実は、そういうのって役所の中の人も作りたくないって思ってるんだぜ?」
春香「そうなんですか?じゃぁ、なんで作って・・・」
P「誰がどう見ても議会のゴリ押しです。本当にありがとうございました」
P「役所の中の人は、議会の決定を覆す程の抵抗はできないというこのジレンマ。何とも悲しい!」
春香「oh・・・」
P「話が大幅に脱線したが、俺もたまに他の設計事務所の下請けで役所の物件の設計するよ」
春香「お金を無駄遣いしないように設計してくださいね?」
P「うん当たり前だよね」
P「おや?もうこんな時間だ」
春香「あ、本当だ。そろそろホテルに戻らなきゃ」
P「いいねぇ〜売れっ子はスイートルームとかですか?」
春香「そんな訳ないじゃないですか」
P「知ってる」
春香「知ってるなら言わないで下さいよ」
春香(それを知ってるなら、私の気持ちも知ってて欲しいよ)
P「?」
P「急に黙ってどうした?とりあえず送っていこうか?」
春香「良いんですか?」
P「いやまぁなんかあっても困るし」
春香「プロデューサさんはやさしいんですね!」
P「今頃気付くなよ。じゃ車に乗って」
春香「お言葉に甘えて」
・
・
・
・
P「・・・じゃあ頑張ってな」
春香「ありがとうございました!」
ブロロロロロ・・・
こうして、妙なきっかけ?で春香と再会を果たしたのだった。
いま考えれば、この時から「物語」は始まって今のかもしれない。
Episode.3 「岐路」
春香がはじめてここに来てから数年。春香は、たまにココに来るようになった。
いまやトップアイドルというのに、こんな所に来る時間があるのが不思議でならない。
仕事が増えたのは良いのだが、ちょっと仕事量の調整に失敗してしまい、
一人でこなすのはなかなか厳しいものがある状態だ。
とはいえ、765プロにいた頃よりはずっとマシだが。
予定ではもう終わってないといけないはずの仕事を早いとこ片付けねば。
ふと時計を見る。
おや、もう昼過ぎか。昼も食べてなかったな。確か棚に置いてあるカップラーメンがあるはずだ。
ちなみに、棚に置いてあるカップラーメンは全て貴音のおすすめだ。
貴音に、お勧めを教えてくれとか言った訳ではない。
貴音から、なぜかカップラーメンが送られてくるのだ。
ここは田舎でコンビニに行くのも一苦労だから、送ってくれる事は素直にうれしいのだが・・・
なぜここの住所を知っているのだろう。
この間、電話で聞いてみたが、貴音には
「貴方様、それはとっぷしぃくれっとです」と返されてしまった。
さて今日はこれにしよう。
『カップラーメン・らぁめん二十朗』
さてと蓋を開けて・・・おっと、お湯がない。お湯を沸かしまs
ピンポーン
誰だか知らないが、ここは居留守を使うべきだな。常識的に考えて。
ピピピンポーン
???「居留守は良くないですよー!」
P「!?」
ピピピピピピピピピピピピンポーン
ドンドンドンドンドンドン!!
春香「プロデューサーさん!春香さんですよ!春香さん!」」
P「なんと!」
すみません。私が悪かったです。
だからドアを破壊しようとしないでください。
ガチャ・・・キィー・・・
春香「プロデューサーさん会いたかったです!」ガバッ
P「面妖なー!」
春香「プロデューサーさん、その言葉はヒドイです。」
P「春香、一体どうしたんだ?」
春香「上がらせてもらいまーす」
P「まてこら話を聞け」
P「春香、いきなり人の家に上がりこむな」
春香「固い事を言うのは良くないと思うな」
P「親しき仲にも礼儀ありと言ってだな」
春香「なんかハニーが冷たいの」
P「美希の真似をしてもダメです」
春香(のヮの)
P「で?どうしたの?」
春香「今日もまたオフなんで来ちゃいました」テヘペロ
P「ここ最近頻繁に来てないかい?」
春香(のヮの)
P「そんな顔しても誤魔化せません」
すみません、夕飯と風呂に行ってきます。
長らくお待たせしました、再開します。
P「まぁいい。取り敢えず暗くならないうちにお帰り」
春香「プロデューサーさん恥ずかしがらなくていいんですよ」
P「恥ずかしいんじゃなく邪魔なんだよ」
春香「プロデューサーさんって冷たいんですね」
P「早くしないと冷たさのあまり春香も凍っちゃうからお帰り」
春香「大丈夫!温めてあげます!」ダキッ
P「分かったから取り敢えず離そう。そして話そう。そしてナイフも仕舞おう」
春香「それなら、しばらく居ても良いですか?」
P「大人しくしてくれたら今日の午後だけ居てもいいぞ」
春香「分かりました///」スッ
P「よし良い子だ。お出掛けしてたハイライトさんも戻ってこようか」
春香「プロデューサーさんお仕事は良いんですか?」
P「春香が来たから止まってるよ」
春香「じゃあお手伝いさせてください。」
P「出来る事はない気もするんだけど」
春香「大丈夫ですって!」
また春香が訪ねてきた。
とりあえず、打合せコーナーに連れてきてお茶をだした。
以前に訪問してきて以来、何かしら理由をつけて乗り込んでくる。
本人はオフだから大丈夫とか言ってるが、そんなにオフがあるとも思えない・・・。
まぁしょうがない、適当になんか手伝わせて送り返そう。
春香「今日は何のお仕事をしてるんですか?」
P「今日は、図面を書いていたんだ。」
春香「へぇ〜。図面ってどんなこと書くんですか」
P「平面図とか断面とかだなんだがな・・・そうだ、ちょっとこっちにおいで」
春香「ついに秘密が明かされるんですね」
P「何の秘密だよww」
春香「・・・図面って言っても、机の上には図面なんてありませんよ?」
春香「あるのは・・・カタログとなんですか、この分厚い本?」
P「そりゃ法令集。図面は、今はCADで書いてるんだ」
春香「キャド?」
P「春香が思い浮かべたのは、紙にシャーペンで書いてある図面だと思う」
P「でも今は、パソコンの上で専用のソフトを使って図面を作るんだ」
P「某Aが付くCADとか、某Jが付くCADとかね」
春香「そうなんですか〜」
P「俺も大昔は手書きで図面書いたけどな」
春香「手書きだと大変なんですか?」
P「大変どころじゃないよ。A1の図面一枚書くのにどれほど手間がかかった事か」
春香「そんなに大変なんですか?」
P「A1っていうのはA4の8倍の大きさがある紙だからね」
春香「8倍・・・あ、結構大きい」
P「しかも普通紙じゃなくトレペだよ」
春香「えっあの薄いやつですか?すぐに破れませんか?」
P「ご名答」
P「トレペに書いてある図面を第二原図っていうんだけどさ」
P「新人のうちは図面のコピーとかの雑務をやる訳よ」
春香「ふーん」
P「でだ、コピーする時に第二原図を粗末に扱おうものなら、昔は本気で殴られたな」
P「いちばん最初はなんでそんなに怒るのか分からなかったが」
P「自分で書くようになってそれが分かったよww」
春香「大変だったんですね〜」
P「今はCADで簡単に打ち出せるから別に大した問題ではないし、大げさに怒られる事もないけどね」
P「そもそも第二原図をコピーするっていう事自体、昔ほどはやらないからね」
P「そういえばCADで書き始めたことろは、プロッターがヘボくてよく止まるから」
P「図面を成果物として提出する時は、図面を打ち出すのに徹夜したっけな」遠い目
春香「プロデューサーさん、完全におっさんになってます」
P「うわひどい、Pちゃん今のでヘコんじゃった」
春香「キモいです、多大なる精神的ダメージに対して謝罪と賠償を要求します」
P「大変申し訳ありませんでした。お詫びいたします」
P「でまぁそのうち図面が出来上がる訳だが」
春香「図面が出来上がったら、それを元に建てていくんですね」
P「それはそうなんだけど、まだ重要な事がある」
春香「まだ何かあるんですか?」
P「確認申請とかね」
春香「カクニンシンセイ?」
P「簡単に言えば、法律で定められた建築物、あるいは地域で建てる時は」
P「法律に定められた人から許可を受けないと建てちゃダメなんだ」
春香「へぇ〜」
P「むかし耐震偽装問題ってあっただろ。構造屋だった某A建築士がやらかしちゃったやつ」
春香「ありましたね、そんな事」
P「あれは確認申請の書類上では誤魔化してたのを」
P「施工業者が実際に工事する時に気付いて発覚したんだよ」
春香「誤魔化しちゃうなんていけませんね」
P「春香も結婚して旦那さんがお家を建てる時、気を付けるんだよ」
春香(結婚相手はプロデューサーさんだから大丈夫です///)
P「おーい春香?」
P「確認申請が終わって確認済証が貰えたら、積算をするわけだが・・・」
春香「セキサン?」
P「春香、お菓子を作るときどうしてる?」
春香「どうしてるって、レシピを見て材料買ってきて、それから作りますけど?」
P「レシピにはどんな材料がどのくらい必要って書いてあるよな?」
春香「書いてありますね」
P「レシピの作る手順->図面、レシピの材料がどれくらい必要か計算->積算だと思えばいい」
春香「何がどのくらいいるか数えるんですか?」
P「正解」
春香「あ〜なるほど〜」
P「積算の結果から、お金がどのくらいかかるかを計算すると見積書の出来上がり」
春香「なんか大変ですね」
P「大変なのに、みんな設計事務所にはやっすいお金しかくれないんだよー」
春香「よしよし」ナデナデ
P「ヒモになって良い?」
春香「もう喜んで///」
P「すみませんウソです勘弁してください。というか」
春香「なーんですか?///」
P「調教用の首輪つけようとしないでくださいマジで勘弁です」
P「まぁいい。とりあえずこの図面でこのAという記号とBという記号で」
P「何個ずつあるのか、個数を数えてくれ」
春香「はーい!やってみます」
P「それが終わったらおとなしくお帰り」
春香「謹んでお断りします///」
P「黙って帰れや」
数時間後
春香「プロデューサーさん数え終わりましたよ」
P「おお、そうか。どれどれ・・・うんあってそうだね」
春香「プロデューサーさん、この後は・・・///」
P「俺さっさと帰れって言わなかった?」
春香「」シュン
P「でも頑張ったご褒美だ、二人で夕飯食べに行こう」
春香「」パァッ
P「そうと決まれば車に乗るんだ」
レストラン
P「変装はバッチリだな」
春香「大丈夫です!」
カランカラン
ウェーター「いらっしゃいませ何名様でしょうかー」
P「二名」
ウェーター「畏まりましたこちらへどうぞー」
ウェーター「・・・お忍びですね」ボソッ
P「!?」
ウェーター「周りから見えにくい席にご案内します、この事は黙っておきますから」ボソッ
P「・・・ありがとうございます」ボソッ
春香「?」
ウェーター「メニューはこちらになりますごゆっくりどうぞー」
春香「プロデューサーさんは何を食べるんですか?」
P「どうしようかね」
春香「あっこれ、やよい監修のメニューですよ」
メニュー「もやしたくさんサラダセットだよ、うっうー!!」
P「おや本当だ。これにしてみるか」
春香「じゃわたしもこれで」
P「すいませーん」
春香「・・・もやしばっかりでしたね」
P「そうだね・・・でも春香は体型維持しないといけないから、ちょうどよかったんじゃない?」
春香「それもそうですね」
P「もっとも、しばらくもやし食べたくないけど」
春香「左に同じく・・・」
P「さて駅についたぞ。今日は楽しかったよ」
春香「今日はありがとうございました」
P「どういたまして」
春香「・・・・・・」
P「春香・・・?」
春香「・・・プロデューサーさん」
P「なんだ?」
春香「昔の事ですけど」
春香「ニューイヤーライブの本番前、プロデューサーさんが言ってくれた事、覚えてますか?」
・
・
・
P「ごめんな、肝心な時に役に立てなくて」
P「でも、春香はひとりで見つけたみたいだな」
P「あの時の答え」
春香「はい!」
P「そうか・・・がんばったな」
・
・
・
春香「私、あの時とてもうれしかったです」
春香「私の事もちゃんと見ててくれて、育ててくれてたんだなって」
P「育てたとは大げさだな。でも、ありがとう。うれしいよ」ウンウン
春香「それに、今もずっと仕事を頑張ってるプロデューサーもカッコ良いです」
春香「本当は、伝えないで心に仕舞っておこうって思ってったんですけど」
春香「さっき決めました。率直に言います」
P「・・・・・・」
春香「私・・・プロデューサーの事が好きです。付き合ってもらえませんか?」
P「えっと・・・」
春香「・・・・・・」
P「・・・・・・」ウーン
春香「答えはいつでもいいです。でも必ず答えてくださいね」
P「春香・・・」
春香「今日はありがとうございました。気を付けて帰ってくださいね?」
P「ありがとう。おやすみ」
・
・
・
・
・
その日の夜
当然の事ながら、春香のやっていったものは間違えまくっていたので今こうして見直している。
それは別に良い。はなから期待なんかしていない。
問題は、春香に告白された事だ。薄々、その気持ちに気付いてはいたが・・・
しかし困ったものである。春香はまだ人気の衰えないアイドルである。
何かあれば、即座に週刊誌が飛びつくだろう。
そうなれば、春香の未来を潰してしまうかもしれない。
俺にはそんな事はできない。どうしたものか。
P「・・・・・・」
P「あれ?昼飯食ってなくね?」
P「しかも、カップ麺の蓋あけちゃってるよ」
P「・・・まあ、なんでも、いいですけれど」
Episode.4 「結末」
春香に告白されてから、数年後。
あの日以降も、春香は何事も無かったかのように此処に来ていたのだが、ここ最近、姿を見ない。
何かあったのだろうか?
今日もまた仕事である。しかし、今日は午後から現場の監理に行く。
ああそうだ、施工業者に渡す書類の準備をしておかなくちゃ。
監理と言うのは設計が終了し実際に施工する段階になった時、
監理する立場に任命された人が、施工業者の工事内容をチェックする事を言う。
やる事は施工業者が提出してきた書類をチェックしたり、要所要所で現場の施工状況をチェックする。
間違っても「管理」、所謂タケカンではない。「監理」、所謂サラカンである。
管理では、職人や材料を手配したり工事日程を調整する現場監督を指す。
あくまでも、監査する立場の「監理」である。
そうそう、工程管理も重要だ。
施工業者が提出してきた予定と出来高をチェックして、
遅れていたりしたらなんとか遅れを取り戻さなくてはならない。
建設業では、複数の職種が複雑に絡み合いながら施工する。特に竣工間近の時は大変だ。
ホワイトボートにちょっと予定を書いたおいたぐらいでは、とても現場を管理しきれないのだ。
だからこそ、工程管理は重要なのだ。
余談だが765プロに居た時、あの人数のアイドルを辛うじて管理できてたのは、奇跡だと思う。
さて早めの昼食も食べた事だし出かけるとしよう。
今日の現場は遠い。
何せ、このサイタマー!から、キャナガワー!!県のニノミーーヤへ行かなくてはならない。
倒壊道本線を走る遭難新宿ラインに揺られる事、3時間以上である。
新幹線で3時間ならば、まだ許そう。
しかし、在来線の3時間である。
下手をすれば座る事ができない。これは拷問以外の何物でもない。
座れたとしても、今どきの電車は椅子がクソ固いので嫌いだ。
今日の現場はとある病院だ。
今回の病院は新築してから年数がたち、空調機をすべて入れ替える事になっている。
機器を入替えるだけであるならば楽なのであるが、空調機に付属する
配管とか、配線とか色々なものも同時にやりかえる。
その影響で、天井の下地と仕上げもやり直すのだ。
おかげで、建築工事、空調設備工事、電気設備工事の3工種が発生している。
それも、病院は通常の運営をしながら工事をする。なかなか難儀だ。
監理定例会議
元請事務所の人(進行役)「え〜と時間になりましたので・・・」
・
・
・
元請(ry「では、これ以降は分科会ということで・・・」
・
・
・
P「じゃあこれ、書類です。今回は特に修正箇所はありません」
工事屋「ありがとうございます。いやー、書類もすぐチェックしてくれますから助かりますよ」
P「はは、当たり前の事をしているだけですよ。工事が監理のせいで滞ったりしたらマズいですから」
監理する時、意味もなく施工業者に対して上から目線になる監理者がいる。
でも、そういうのはうまくない。
施工業者だって人間だ。意味もなく上から目線で物事を言われれば反発してしまう。
俺は、普段はニコニコしつつ、問題がある部分は問題がある事を示す根拠を突き付けて
笑顔を若干ひきつらせながら修正するよう迫る、というスタイルだ。
こうする事で大抵の施工業者はうまく操縦する事が出来る。
もっとも、施工業者が調子に乗っている時はこの限りではなく、圧力をかけるが。
この辺は、プロデューサーをしていた頃の経験だ。
※現場へ移動
工事屋「ここが、昨日施工した部分です」
P「ここですか・・・傷は無し・・・あれ?これだけ外れてませんか?何か理由でも?」
工事屋「ありゃ、これはミスです。直しておきます」
要領の悪い監理者は、結構バカにされる。
なぜか?
答えは簡単だ。そういう連中は例えば、生コンをこれから型枠に流すぞっていう時になって
鉄筋の配筋状態が悪いからコンクリートを打つのを中止して直せとか言い出す。
鉄筋を直せというのはチェックした結果だろうから、それ自体は職務に忠実で大変よろしい。
しかし、それはコンクリートを打つ直前に言う事ではない。
2〜3日くらい前までに、配筋状態の検査および修正が出来るよう段取りさせて、
問題なく実行させるのが監理する者の仕事である。
それと何かあった時、いきなり責めてはいけない。
施工業者なりに何らかの理由があるのかもしれないからだ。
指示を出すのは、言い訳を聞いてからでも遅くはない。
>>89さん
工事屋は上手に操縦しなきゃダメですよ〜ww
工事屋さんは、監理をうまく誘導出来るような言い訳と態度をしないとダメですよ〜wwwwww
工事屋「それに元の設計図、建築、電気、機械でちゃんと整合が取れてますから楽ですよ」
P「その辺はちゃんと事務所間で調整しましたからね」
工事屋「いや〜ちゃんと調整するのは他の先生方にも見習ってほしいものですなww」
施工業者は、設計事務所の人間の事を先生と呼んだりする事がある。
本来はそんなに特別な意味はないが、デザインしか知らないような人間に対しては
皮肉を込めて特別に「大先生」と呼ぶことがある。
それは大抵、施工が困難な図面を書いていることに由来する。
一見、見栄えが良くてもどのように施工するのか全く考えていないのだ。
考え無しに図面を書いていて万が一うまく施工できなければ、ただの絵に描いた餅だというのに。
考えがあったけど実際にはうまくいかなかくて問題になった、という方がまだマシである。
おまけに他工種との調整をしていなかったりする。
それでは施工業者も皮肉を込めて「大先生」と呼びたくもなるだろう。
P「今日はこれで」
工事屋「どーもどーもありがとうございました。次回もよろしくお願いします」
・
・
・
・
・
さて今日も無事終わった事だし帰るかな。
あ〜でも少し休憩していくか。
待合室にある自販機で缶コーヒーを買い、屋外に置いてある長椅子に腰かけた。
P「みんなはどうしているんだろうな・・・」
ふと、そんな言葉が漏れた。
飲み終わった空き缶をゴミ箱に入れ、車に戻ろうとしたその時。
???「・・・プロデューサー?」
P「?」
???「私です」
P「千早か」
千早「お久しぶりです、プロデューサー」
病院と言う場所で、なぜか千早と再会してしまった。
しかし、なぜ千早は花束を持っているのだろう?
だれかのお見舞いに来たのだろうか?
P「千早は最近どうだ?テレビにもよく出てるみたいだけど」
千早「ええ、おかげさまで」
P「順調で何よりだ」
千早「今度、全国ツアーをするんです」
P「えっそうなの?」
千早「ええ。来月にはサイタマー!でやるんで見に来てください」
P「おお、是非とも見させてもらうよ」
P「ところで千早はなんでここに?」
千早「ちょっとお見舞いに。プロデューサーもですか?」
P「いや仕事でな」
千早「仕事?」
P「話すと非常に長くなってしまうんだが」
P「この病院で工事をしててね。その関係で来たんだよ」
千早「そうでしたか」
千早「プロデューサーはご存じですか?」
P「ん?何を?」
千早「春香の事です」
P「?」
千早「春香、入院しているんです。この病院に」
P「まじで!?」
千早「私が嘘つくと思いますか?」
P「まさか」ブンブン
千早「春香、こんど舞台の主役をやるんですけど、舞台の練習中に捻挫してしまったらしくて」
千早「大事をとって一週間くらい入院するそうです」
P「捻挫って、入院が必要になる事あるの?」
千早「疲れが溜まってたみたいで、派手にコケて強く捻ってしまったみたいです」
P「疲れてたって・・・春香、そんなに忙しかったの?」
千早「プロデューサーは何も聞いていないんですか?」
P「春香が入院してること自体、知らなかったよ」
千早「春香、プロデューサーの所に通ってましたよね?」
P「」
千早「春香、プロデューサーの事が今でも好きって言ってましたから」
P「千早だけには、そういう事も言えたんだろうな」
千早「それで、ただ単にプロデューサーと話がしたいだけとか言って」
千早「春香ったら、ただでさえ忙しくて休む暇もほとんどなかったのに」
千早「次の日が仕事でも・・・というか仕事の合間を縫って」
千早「結構無理して、プロデューサーの元に行ってたみたいですよ。電話でもいいだろうに・・・」
P「そうだったのか。早く家に帰って休めとは注意してたんだけどな。春香のやつ無茶な事しやがって」
千早「それと、春香から告白されたんですか?」
P「oh・・・・・・」
千早「春香には、ちゃんと答えを伝えたんですか?」
P「いや、それが・・・告白された後から仕事が忙しくてなってな。結果的にはそのままだ」
千早「プロデューサー・・・それはちょっとヒドイですよ」
千早「きっと春香だって勇気を出していったんですよ?」
P「ん〜〜〜」アタマカカエル
千早「プロデューサーの答えがどちらだろうとも、ちゃんと春香に伝えるべきじゃありませんか?」
P「そうだよな・・・そのまま放置はやっぱり良くないよな」
千早「年齢的にも・・・その・・・結婚も考える始めるでしょうし。相手は誰だろうと」
P「・・・春香のお見舞い、一緒に行って良いか?」
千早「良いですよ」
スタスタ・・・・・・
P「・・・ここが病室か」
千早「そうです」
P「なにを話そうか・・・」
コンコン
ガラッ
千早「春香?」
春香「あっ千早ちゃん」
千早「失礼するわ」
春香「どうぞ」
千早「春香、今日はプロデューサーさんもいるの」
春香「えっ!?」
P「久しぶりだな、春香」
春香「プロデューサーさん・・・」
千早「春香、お花を持ってきたの。花瓶に水を入れてくるわ」
ガラッ
パタン
P「・・・・・・」
春香「・・・・・・」
P「春香、すまなかった」
春香「へ?」
P「春香、仕事の合間を縫って俺の所に来てたらしいな。ごめんな気付かなくて」
春香「そ、そんな・・・!頭あげてください!あれは私が勝手にした事で・・・」
P「俺ももうちょっと気を使えばよかったと後悔してるよ」
春香「プロデューサーさん・・・・・・」
P「・・・・・・」
春香「・・・・・・」
P「それと春香、あの・・・告白に対する答えの事なんだけど」
春香「!」
P「ずっと答えを言わなくて悪かった」
P「今日、その答えを伝えたら、帰るから」
春香「・・・・・・」コクッ
P「落ち着いて聞いてほしい」
春香「はい」
P「・・・・・・」
P「今の春香とは付き合えない」
春香「どうして・・・」
P「春香は、これから舞台の仕事もあるんだろ?」
春香「・・・・・・」コクッ
P「おれは春香の可能性を潰したくないんだ」
P「スキャンダルにでもなって、春香の未来を潰すような事はしたくないんだ」
春香「・・・そんなの関係ないです」
P「なあ春香、少し聞いてくれるか」
春香「はい」
P「俺は今、建物の設計をしている。それは知ってるな?」
春香「・・・・・・」
P「俺の・・・設計者としての思いなんだが」
P「建物が建てられる時、その建物は何かの『ステージ』だと思うんだ」
春香「ステージ?」
P「そう。そして『ステージ』上で色々な物語が創り出されていくってね」
P「例えば、一軒家の住宅を建てるとしよう」
P「わざわざ住宅を建てるからには、きっと家族が居るはずだ」
P「数ある土地の中から選ばれた一か所の土地に」
P「これまた数ある家族の中から、その土地に縁のあった一つの家族がいる」
春香「・・・・・・」
P「家族が居るからには、当然、その家族の生活があるだろう」
P「家族の生活や土地の風土に関するパーツを一つずつ組立てていくと、物語が見えてくる」
春香「・・・・・・」
P「その物語の『ステージ』として建物---今回の話だと住宅が必要になる、と考えているんだ」
P「住宅の出来次第で、家族の物語は大きく変わっていくだろう」
P「設計した住宅という『ステージ』の上で創り出された物語が最高だと、そこを使う家族に思わせたい」
春香「・・・・・・」
P「もちろん、ベストな『ステージ』を作る事はなかなか難しい」
P「だとしても、少しでもベストに近い『ステージ』を作る事により」
P「家族の中に感動できる物語が創り出される事を、目指したいんだ」
春香「・・・それがどう関係してるんですか・・・」
P「春香の物語をきちんと見届けたい。それは元プロデューサーとしてだけどね」
P「俺は、アイドルである天海春香をプロデュースした」
P「途中でプロデュースを別の人間に交代する事にはなったけど」
P「アイドルとしての天海春香を最後まで見届けたいんだ」
春香「だったら・・・私はプロデューサーさんと新しい物語を作りたいんです!」
P「春香・・・さっきも聞いたけど、舞台の仕事もあるんだろ?」
P「春香がプロとして活躍するのを、最後まで全うしてほしい」
P「そして、俺は春香のスキャンダルになりそうな事をしたくない」
春香「じゃあ私がアイドルを引退した後は、問題なく付き合えますね?」
P「引退する時の事は、考えないでほしい」
P「春香がプロとして輝いている姿を、これからもずっと見せてほしいんだ」
P「これは春香だけじゃなくて、みんなの笑顔の為にもなると俺は信じている」
春香「プロデューサーと一緒に居たって、みんなの笑顔は作れる・・・いえ、もっと笑顔を増やせます!」
P「さっきも言ったけど、スキャンダルになって春香を潰したくないんだ」
春香「私が引退する時まで、待っててもらえませんか?」
P「・・・・・・」
春香「そして、もう一度だけチャンスをください」
P「・・・引退した後に拘らないで、別の相手を探したほうが幸せになれるよ」
P「とにかく、春香とは・・・付き合えないんだ」
春香「どうして・・・どうしてなんですか・・・なんでそこまで拒絶するんですか!!」怒
春香「・・・もう帰ってください」
P「ああ、そうするよ」
春香「・・・それと、もう来ないでください」
P「そうか、分かった。この病室にはもう来ないよ」
P「じゃあな」
春香「・・・・・・」
ガラッ
千早「・・・・・・」部屋に入ろうとしたら72かを聞いてしまい、壁の様に直立不動なちーちゃん
P「あっ、悪い、用事出来たから帰るわ。それじゃ」
千早「そうですか。お気をつけて」
スタスタ・・・・・・
パタン
千早「・・・春香、大丈夫?」
春香「・・・なんでだろうね」グスッ
春香「千早ちゃん、ごめんね、ちょっと一人にしてもらえないかな?」
千早「春香・・・少ししたら、また戻ってくるわ」
ガラッ
パタン
春香「・・・・・・どうしてなの・・・ただ仲良く一緒に居たかっただけなのに・・・」涙
千早「・・・・・・うまくいかないものね」
千早(プロデューサー、本当は・・・)
???「あれ?もしかして千早お姉ちゃん?」
???「間違いないよ!」
千早「その声、亜美と真美?」
亜美「正解!」
真美「久しぶりだね、千早お姉ちゃん」
千早「そうね。二人とも久しぶり」
亜美「なんでこんなところに居るの?」
千早「春香のお見舞い」
真美「あ〜そういう事」
千早「ところでなんで二人もいるの?」
真美「なんでって・・・ここ真美たちの実家の病院だよ」
千早「そういう事ね」
亜美「いや〜しかし、はるるんが入院した時はびっくりしましたな〜」
真美「驚きのあまり、はるるんの身の回りの世話手伝いを志願しちゃったよ」
千早「そう」
亜美「今日の千早お姉ちゃん、なんだか悲しそう」
千早「ちょっとね。まぁ私の事じゃないんだけど」
真美「え〜なになに教えてよ」
千早「言えるわけないでしょう」
亜美「ケチ〜」
亜美と真美ー!どこいるのー!
真美「げっ!この声は看護師長!」
亜美「ヤバい!すぐ戻ろう!千早お姉ちゃん、また今度ね!」ノシ
千早「うん、バイバイ」ノシ
千早「・・・はぁ。どうしようかしら」
Episode.5 「未来」
P「あの時、春香には悪い事したよなァ・・・」
P「・・・・・・」
P「おっと、もうこんな時間だ」
時刻はもうすぐ午後11時になろうとしている。
もうかれこれ、30分も思い出に耽っていたのか。
P「さて仕事再開。早く片付けないと」
俺はあの事があった直後、春香にお詫びとプロとして頑張ってほしいとメールをしておいた。
もちろん、その返事が帰ってくることはなかった。
今、真たちに頼まれた新しいダンスホールの設計をしている。
先日、仕事帰りに真たちのダンス教室に寄った時の事だ。
真「ビルの一角を借りてやって来たけど、そろそろ移転したいよね」
雪歩「どこにしようか?」
響「そうだなー、もう少し静かで交通の便がいい所ぞ」
真「お金もたまったから、新しくダンスホール新築するのもいいかも」
雪歩「真くん、それいいよ!」
P「そうか、どこに設計を頼む気なんだ?」
真「プロデューサーに決まってるじゃないですか」
P「ぶっ!マジで?」
真「嘘なんて言いませんよ」
P「・・・分かったよ、やってやるよ」
真「やーりぃ!」
こんな風にして、真たちの「ダンス教室移転計画」に巻き込まれてしまった。
施工は、雪歩の実家に頼むつもりらしい。
美希からも「ハニィー!こんど新しいショップ開くんだけどデザインお願いしたいの!」とか言われたが、
さすがに仕事が追い付かないので、知合いの設計事務所を紹介しておいた。
そういえば春香はあの後、無事に回復して舞台に立った。
俺は合わせる顔がなかったので迷ったが、律子に頼み込んでこっそりチケットを貰って見に行った。
舞台にはプロとして輝く春香の姿があった。
病院で春香にあった時、本当は自分の気持ちに素直になって「好きだ」と伝えようかとも考えた。
しかし一歩間違えば「アイドルの天海春香」という物語を悪い意味で壊してしまうかもしれない。
そんな事になれば、アイドルとして輝きながら活動していた春香を傷つけてしまうだろう。
春香を傷つけたり、後悔させたりしたくなかった。
だから、俺は「付き合えない」とあの時は言ったのだ。
その後も順調に活動していた春香だが、どういう訳か
テロ朝の『大改造!劇的改修前後』で番組進行役になった。
あの大御所を一体どうやって説得したんだろうか。
進行役を奪った事が驚きであるが、それ以上に驚く事は
あの番組でたまにやる、「有名人の実家リフォームSP 」で
やよいの実家が大改造された事だな。
やよいの回に出演した「匠」は、珍しく誠実な人間だった。
意匠設計一筋の意匠屋でありながら、設備にも気を使える人で、
何よりも施主の意向を踏まえたうえでさらなる改善を目指していたのだ。
あの番組は、そういった誠実な人間が出演する事もあるから見逃せない。
やよいが「うっうー!すごいですー!うっうー!」って言いまくっていたのは、良い思い出だ。
そういえば、主題歌が千早の曲になったのはビビったなぁ。
おまけに、CMで『水瀬建機』『水瀬建設設計』とか『電報堂』とか出てくるし。
あれ?もしかして伊織のやつが番組の乗っ取りを仕組んだのか?
進行役の春香が、気に入った人間はベタ褒めしつつ、自分が嫌いなタイプの人間に対しては
驚きの黒さでバッサバッサ切り捨てるのは面白かった。
余りにそれをやりすぎたせいか、番組そのものが消滅してしまったがww
いま、春香はどうしているんだろうか?
〜〜さかのぼる事、数時間前〜〜
とある高級レストランのVIPルーム
律子「久しぶりに、そこそこ揃ったわね」
律子「それじゃみんなグラスを持って」
一同「はーい!」
律子「カンパーイ!」
一同「カンパーイ!!」
律子「結婚おめでとう、春香」
春香「律子さん、ありがとうございます」
律子「でも、寂しくなるわね」
春香「また、遊びにいってもいいですか?」
律子「いつでもいらっしゃい!」
ワイワイガヤガヤ
千早「これからは何処に住むのか決めたの?」
春香「え〜とね・・・まだ決めてないや」
千早「ふふっ大変ね。時間はあるからゆっくり決めたら?」
美希「春香、結婚式のドレスはミキが作ってあげるね」
春香「ありがとう、美希」
亜美「はるるん、子供出来たら是非ともうちの病院においでYO!」
春香「それはちょっと気が早いかな〜」
真美「とか言って〜ヤリまくりなんでしょ?」
律子「こーらそういう事言わない」
あずさ「春香ちゃん、家庭をうまくやっていくためにはね」
あずさ「相手への思いやりは忘れちゃだめよ〜」
春香「ご指導ありがとうございます」ニコッ
あずさ「そうしないと、大変なことになっちゃうわよ〜」
小鳥「そういうあずささんの所は未だにアツアツなの!?」ニヤニヤ
あずさ「あら〜音無さん、いつ結婚なさるのかしら」
小鳥「大変、攻撃したつもりが逆襲されてるよ」ピヨッ
律子「小鳥さん・・・ドンマイ」
小鳥「あずささんも、律子さんも、私が未婚だからって・・・ヒドイ」グスッ
ガチャ
ウェーター「VIPルームのお客様がご到着です」
真「いやーゴメン、電車が遅れちゃって」
雪歩「春香ちゃんごめんなさい」
響「春香ごめんだぞ」
春香「三人とも気にしないで」
真「あれ?これで全員?」
律子「そう。残念ながら、社長は業界の会合を欠席できなくて」
律子「貴音とやよいは番組の収録で、伊織は映画の撮影で・・・今はイギリスよ」
真「へぇ〜伊織すごいなぁ」
真「プロデューサーは誘ったの?」
律子「それが仕事が忙しくて行けないって連絡があったわ」
真「それは残念だなー」
律子「原因はあんた達だってぼやいてたけどね」
真「はは・・・」苦笑
律子「プロデューサーも春香の結婚式には来るんだから、その時まで楽しみにしておきなさい」
真「はーい」
・
・
・
〜〜お開きの時間〜〜
響「これみんなからのプレゼントだぞ」
春香「えっ!?」
春香「ありがとう!開けていい?」
響「どうぞどうぞ」
春香「これは・・・?」
美希「それはリングスタンドなの」
春香「リングスタンド?」
美希「そうだよ、ここにふたりのマジックリングを置くの!」
春香「え〜みんなありがとう、二人で大切にします!」
一同「どういたしまして(なの)(だぞ)」
律子「さて宴もたけなわですが、そろそろお開きの時間となってしまいます。」
律子「ですので、最後に一本締めをしたいと思います」
律子「それでは、お手を拝借」
一同「よぉ〜っ」パシッ
パチパチパチパチ
春香「今日はみんなありがとう」
雪歩「春香ちゃん、お幸せにね」
春香「うん、ありがとう」ニコッ
春香「それじゃぁみんな、また結婚式でね」
一同「ばいば〜い」ノシ
春香「ばいば〜い」ノシ
〜〜時間を戻して午後11時〜〜
Prrrrr・・・
おや?携帯に電話だ。一体、誰だろう。
あれ?この番号は見覚えあるような、無いような。
P「もしもし」
???「プロデューサーさん、こんばんはです」ピヨ
P「お掛けになった電話番号は現在使わr」
小鳥「ちょっとぉーーー!!!」
P「なんですかこんな時間に。旦那を紹介しろとか言われても、もう周りに候補は居ませんよ」
P「いいかげん諦めたらどうです?年齢的に考えて」
小鳥「」
小鳥「って、今日はその事で電話したんじゃないです」
小鳥「テレビを見てください。もうすぐアレを放送するんで」
P「テレビ?アレ?」
小鳥「チャンネルはジャポンテレビです」
この時間のジャポンテレビと言えば夜のニュースをやるはずだが、どうしたんだろうか?
P「ではチャンネルを変えましょう」ポチッ
TV「」パッ
TV「千と痴早の髪隠し」CM中
TV「11月31日(土)公開」CM中
TV「えっ禿げマス!?」CM中
TV「チャララ〜〜〜」ニュースオープニング中
P「」
P「・・・なんだ今のCM・・・」
TV「こんばんは。ジャポーンテレビの新水美由子です」
TV「今日正午過ぎ、765プロダクションに所属するアイドルである」
TV「天海春香さんの引退会見が行われました」
TV「会見の模様が映像で届いてますので、そちらの映像からどうぞ」
おや?
おやおや。
テレビには、律子と春香が映っていた。
・
・
・
律子「・・・当765プロダクションに所属しております天海春香につきまして」
律子「本日限りで芸能活動から引退する事になりましたので・・・」
・
・
・
春香「・・・これまで私を応援してくださいました全国の皆様に・・・」
・
・
・
春香「・・・婚約する事になりまして・・・」
ざわ・・・ざわ・・・
記者「・・・お相手の方はどんな・・・」
・
・
・
春香が引退するのは知っていたが、そうか、記者会見してたのか。
春香は、アイドルとして一番いい時期に引退できたと思う。
もう春香の世代は結婚するような歳だし、さすがにアイドルから次のステップへ踏み出す時だろう。
今まで忙しかっただろうけど、今度は幸せにな・・・
・
・
・
ガッガチャ
キィーパタン
P「玄関・・・?」
女「ただいまー」
P「あっお帰りなさい」
女「はぁー疲れたな」
P「お疲れ」
P「・・・突然だけど、その、本当に良かったのか?俺と結婚して仕事手伝うの」
女「どうしたの急に?」
P「ちょっと色々考え事してて、ふと思ったんだ」
女「大丈夫だよ。私の今までの仕事はちゃんと完結したよ?」
女「プロとして輝いて、みんなを笑顔にする事ができたからね」
女「だけど、さすがに何時までもあの仕事を続ける事は出来ないじゃない?年齢的に考えてさ」
女「だから、今までとは違う場所で、次の新しい物語をスタートさせて創りはじめたいの」
P「ならば、女優とか他の道があったんじゃないか?」
女「女優も考えたけど、自分がステージの上でいっぱい輝けたから---」
女「---今度は、後輩がステージで輝けるように何かしてあげたいと思ったの」
P「後輩の為に?」
女「うん。そう考えた時、プロデュースするのは律子さんがいるし、ダンスのレッスンは真たちがいる」
女「それならば、私は後輩たちがキラキラ輝ける『ステージ』を作りたいなって」
女「一人じゃできないから、貴方と一緒にね」
P「そうか・・・なぁ春香」
春香「なぁに?」
P「今度は2人で幸せになろうな!」
春香「ふふっそうだね、幸せになろうね」
---fin---
編集後記
>>1です。初SSで色々不慣れな事もあり、長い駄文失礼しました。以下に、本文中に登場した言葉の解説。
1、「下町DX」「アイドル青春白書」「よい旅・夢気分」
有名番組からパクってます。サーセンww
2、「72系970番台」
これは30年以上前に、宮城県にある仙石線で実際に走っていました。
戦時設計車である63系の流れをくむ、いわゆる「旧型国電」に属するグループで
劇的大改造した平べったい車体に青系統の塗装が特徴ですww
3、「電報堂」「さえない窓際係長」「ジャポンテレビ」「新水美由子」
どう見ても特命係長只○仁のパクリです。本当にありがとうございました。
4、「サイタマー!」「キャナガワー!!県」「ニノミーーヤ」「倒壊道本線」「遭難新宿ライン」
これはそのままです。はい。
5、「某Aが付くCAD」「某Jが付くCAD」
誰がどう見てもAut○CADとJ○CADです。
6、「耐震偽装問題」「構造屋だった某A建築士」
某A建築士は、確認申請時に虚偽の構造計算書を使って申請して、
結果的に確認済証を騙し取ったので、建築基準法違反で逮捕されたのです。
発覚当時、なぜ構造計算書をきちんとチェックしなかったのか騒いでましたが、
A4の紙が数千枚あるのに、いちいち全部の再計算とかやりたくても出来ませんよ・・・。
だから、法に則ったつじつま合わせが大事なんd(ry
7、「某N設計」「大改造!劇的改修前後」「S水建設」
建設業界な人ならお分かりですね!
某N設計と書きましたが、イニシャルがNの事務所ってたくさんありますねwwww
だからこそ、Nにしたんですけどねwwwwww
あと、スーパーゼネは「子どもたちに誇れるしごとを。」と「地図に残る仕事。」で迷いましたが、
某番組で、実際にCMを出してる方に決めますたwwww
8、「水瀬建機」「水瀬建設設計」
某ゲーム原作のアニメの中で流れたCMが、どうみても「この木なんの木」でしたので、
それに合わせて、実際にある「この木なんの木」の関連企業の名をパクってますwwwwww
9、「千と痴早の髪隠し」
色々とお察しくださいwwwwwwww
本編は以上になります。ご清聴?ありがとうございました。
おまけREST@RT
Title 「春閣下がクリスマスについてお怒りのようです」
!!!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!!!
1.元ネタは某映画の空耳とされる「総統閣下シリーズ」です。
2.登場するキャラクターは某ゲームを参考としたオリジナルです。多分。
3.各キャラのセリフは、某映画にある「総統閣下シリーズ」そっくりなシーンのセリフに敢えて近づけています。
4.春閣下、黒春香がお嫌いな方はそっ閉じを推奨します。
5.「総統閣下がクリスマスについてお怒りのようです」を一部参考にしています。
6.「やる夫がフューラーになるようです」を一部参考にしています。
7.>>1は春香さんと千早さんのファンです。多分。
!!!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!!!
このおまけは、本編で春香さんが結婚する前の物語です。
「総統閣下シリーズ」の映像を見ながら読むと、面白いかもしれません。
数年前、プロデューサーにフラれてしまった春香さん!
何の恨みか世の中のバカップルを粉砕するべく、春香軍を編成しバカップルへの攻撃を開始した!!
しかし粉砕しようとするも、バカップル軍に逆襲され徐々に追いつめられる春香軍!
ついに市街地郊外(765プロがある雑居ビルの前面道路)まで迫ったバカップル軍!
その時の総統閣下官邸(765プロ事務所)作戦室における、
春香軍の対策会議の様子をお届けしよう!!!
(作戦室には、アイドル12名プラス律子と小鳥が居る)
真「バカップルどもはクリスマスに向けて広範囲に進撃中です」
真「アホー知恵袋やカップル板では、デートスポットの質問が殺到」
真「アクセスランキングでは、夜景を紹介したサイトが上位を占め」
真「レストランやホテルのサイトでは、大好評予約受付中と宣伝しています」
春香「全国のサーバーにF5アタックをかける用意は出来ているだろうな?」
真「閣下...ネットワークが...」
美希「我々にはダイアルアップ回線しか残ってないの、もはや攻撃能力はないって思うな」
春香「......」プルプル...
春香「次の者だけ残れ。雪歩、美希、真それに千早ちゃん」
みんな部屋の外へぞろぞろ。
残っているメンバーは、雪歩、美希、真、千早、律子、小鳥。
律子と小鳥は自発的に残った。
ドアが閉まった所で説教開始。
春香「命令だったろうが!」
春香「クリスマス阻止攻撃は、命令だったろうがぁ!!」
春香「何処のどいつが、私の命令に背いた!?」
春香「毎年、潰せと命令しているのに...」
春香「なんでリア充どもに翻弄されっぱなしなんだよ!」
春香「毎回お前らは今回はクリスマスを潰して見せます、と宣言しながら」
春香「1か月後には潰せませんでしたと言い訳...あいたた、はっふん」(机に足をぶつけた)
春香「とにかくクリスマスなんて、大っ嫌いだ!」
千早「閣下だって、昔はクリスマスを楽しみにしてたじゃない!」
春香「プロデューサーがいないから大っ嫌いだ!」
春香「ヤリスマスなんて消えろバーカ!!」
千早「閣下、アイドルがそんなこと言っちゃダメよ!」
春香「プロデューサーとクリスマスを一緒に過ごせるならこんな事は言わない!」
鉛筆「ouch!」バキッ!(鉛筆が真っ二つ)
春香「畜生め!」
春香「いつの間にか恋人と過ごす日になってやがるが」
春香「キリスト教徒からすれば常識外れもいいとこだ」
春香「バカップルどもはいつもイチャイチャしやがって」
春香「私の視界を、邪魔し続ける」
春香「私もやるべきだった」
春香「バカップルどもの大粛清をスターリンのように!」
春香「まだプロデューサーがそばに居る時は、いつかプロデューサーを征服できると信じてた」
千早(駄目だこいつ)
真(早くなんとかしないと)
美希(もう寝たいの)
春香「出来る事は何でもしたさ」
春香「胸を使って誘惑もした。おっぱいぷるーんぷるん!」
千早(くっ!)
真(うわぁ72言っちゃってるの)
美希(もうメンドクサイから立ち寝なのzzz)
春香「でもプロデューサーは、私のもとから去って行った」
春香「私への恐るべき裏切りだ」
春香「その時、私は決意した」
雪歩(なっ何を...)
真(もうやだこの人)
美希(zzz...)
千早(単なるとばっちりね)
春香「世のバカップルどもを粉砕し---」
春香「---プロデューサーの代わりに世の男どもを私に跪かせるのだ!」
部屋の外
やよい「春香さんが...」えぐえぐ
伊織「やよい、落ち着いて。単に春香の表面が割れて中の人が漏れ出してるだけよ」
響(春香が壊れたぞ...)
貴音(なんと、面妖な...)
あずさ(春香ちゃん...)
春香「私だって本当はこんな事はしたくない」
千早(それならもうしちゃダメよ)
春香「プロデューサと、一緒に居れればそれで良い」
春香「プロデューサー...」うなだれる
千早(春香...)
雪歩(未練タラタラですぅ...)
真(これからどうするよ...?)
美希(zzz...)
春香「もうクリスマス阻止は、諦めよう」
律子(これ、いつか収拾つくんでしょうか?)
小鳥(つかないと思います。hi)
千早(ですよねー)
春香「だが言っておく」
春香「バレンタインデーは必ず、粉砕するからな」
春香「今度こそ見てろよ」
ALL(もうダメだぁ)
---fin---
再び>>1です。
おまけは本編を書き溜めしている時に思いつきました。
投下して後悔はしていません。
これにて完全に終了です。ありがとうございました。
02:30│天海春香