2013年11月28日

千早・真「やっぱりお菓子を作る」

真、千早「お鍋を作る」の続きになります。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367229772/


真「おっはようございまーす!」

千早「おはよう、真。久しぶりね」

真「あれ、今日は他に誰もいないの?小鳥さんもいないけど」

千早「先ほど慌てて外へ行ったわ。すぐに帰ってくるとは言ってたけど」

真「そうなんだ。相変わらず小鳥さんはそそっかしいなぁ」

千早「それよりも、真は今日はオフじゃなかったかしら?」

真「うん。でも今日来ないとまたずっと千早に会えないと思って」

千早「そうね。今日会うのもかれこれ一週間ぶりだもの」

真「やよいが復帰したら途端にみんな忙しくなるなんて。これもやよいパワーなのかな」

千早「ええ、高槻さんの可愛さのおかげね」

千早「たk」

真「千早、まだ朝だから大声で叫ぶのはやめとこう」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367665528


千早「それで……今日はどうしたのかしら?」

真「実は千早にお願いがあって」

千早「引き受けましょう」

真「ボクなにも言ってないんだけど」

千早「前にも言ったと思うけど、真のことなら分かるわ」

真「一方的な以心伝心だよ……」

千早「本当にそうかしら」



千早「それで……今日は何を作るのかしら?」

真「クッキーを作るよ。前回はやっぱり失敗してたみたいだしね」

千早「あの後レシピ本を読んだら、確かに間違いだらけだったわね」

真「でも、今のボクと千早なら、絶対に成功できると思うんだ」

千早「ええ……クッキーリベンジね」

真「それに」

真「今日は失敗できないからね」



真「材料はボクが用意したよ」

千早「小麦粉、卵、砂糖、牛乳に……これはオレンジジュースかしら?」

真「伊織から貰ったんだ。P○Mジュース」

千早「不思議ね。まったく伏字になっていない気がするわ」

真「今回のクッキーは、牛乳の半分をこのジュースにしてみるよ」

千早「少しくらいのアレンジなら大きな被害は出そうにないわね」

真「ジュースは甘いから、砂糖も少なめにするよ」

千早「ちなみにそれで作った事はあるのかしら?」

真「え、ないよ?」

千早「えー」



真「さっそく作ろう」

千早「バターを溶かすわね。今回はきちんと湯煎するわ」

真「ボクはその間に小麦粉をふるいにかけるよ」

千早「そういえば……最近、真のプロフィールに料理が趣味って書いてあったわね」

真「あれ、そうなの?」

千早「ええ」

真「えへへ、これでまた一歩女の子らしさが伝わるといいな」

千早「きっとプロデューサーが更新したのね」

真「ちなみに千早も趣味に料理って書かれてあったの?」

千早「見てないけど……」

真「じゃあ春香は?」

千早「載ってなかったけど……愛してるわ」



千早「気づいたんだけど……この砂糖は少し黄色い気がするわね。ザラメかしら?」

真「違うよ、和三盆っていう砂糖なんだ」

千早「和三盆?」

真「よく知らないけど、美味しい砂糖みたいだよ」

千早「今日の真はいつもよりも力が入ってるわね」

真「本気でおいしいものを作るからには、材料から揃えようと思って」

千早「ふふ……それでは大丈夫そうだからバターと混ぜるわね」

真「はい、卵黄と小麦粉」

千早「ありがとう。残った卵白はどうするのかしら?」

真「折角だし、メレンゲのクッキーも合わせて作るよ」



貴音「真、千早、おはようございます」

真「貴音さん、おはよう」

千早「おはようございます」

貴音「二人とも、少しよろしいでしょうか?」

千早「なんでしょうか?」

貴音「実は小麦粉とお塩を少し分けていただきたいと」

真「たくさん用意してありますので好きなだけ持っていってください!」

貴音「感謝致します」



真「貴音さんも何か作るの?」

貴音「はい、うどんを作ろうかと」

真「うどん?」

貴音「先日、千早に頼まれてあらゆるうどんを食しました」

貴音「真、美味でした」

貴音「そこで、響にも是非同じ感動を共有したいと思い、作ろうと決心したのです」

真「同じものを買ってくるんじゃダメなの?」

貴音「どのお店に行っても売り切れのままでした」

真「それって……」

貴音「はい、つい箸が進んでしまいました」



千早「真、このジュースはどれくらい入れればいいのかしら?」

真「うーん……とりあえずちょっとずつ入れてみようか」つるっどばー

真「あ」

千早「……」

真「……」

千早「い、入れすぎじゃないかしら……」

真「そ、そうかも……ここに牛乳も入れたらホットケーキ行きだね」

千早「とりあえず材料を継ぎ足しましょう」

真「そ、そうだね……とりあえず小麦粉を……あれ、ない?」

貴音「二人とも、どうかしましたか?」どばっさーーこねこね

真「」

千早「」



真「(もうあれは塩を足したあとだ……)」チラッ

千早「(ええ、あれを入れたら前回の二の舞ね……)」チラッ

真「(小麦粉はもう無い……どうしたらいいかな?)」チラッ

千早「(牛乳は……私が飲むわ)」チラッ

真「(いつも飲んでるの?)」チラッ

千早「(可能性がある限り、私は諦めないわ)」チラッ

真「(千早はすごいね……)」チラッ

貴音「千早と真はすでに心で会話ができる関係なのですね」

真「えっ?」



千早「バニラエッセンスを入れて混ぜましょう」

真「予想外の展開だけど……案外、こっちの方がおいしいかもしれないよね」しゃかしゃか

千早「そっちのメレンゲの方はどうかしら?」

真「少し時間かかりそうかもしれないけど大丈夫」しゃかしゃか

千早「疲れたら交代するわ」

真「うん、ありがとう」しゃかしゃか



真「千早、訊きたいことがあるんだけどいい?」しゃかしゃか

千早「なにかしら?」

真「千早はプロデューサーのこと、どう想う?」しゃかしゃか

千早「……善い人よ」

真「だよね。ごめん、変なこと訊いちゃって」しゃかしゃか

千早「真は……このクッキーをどうするのかしら?」

真「プロデューサーに渡すよ」しゃかしゃか

千早「そう……」

真「本当はボク一人で作ったほうが良かったかもしれないんだけど」しゃかしゃか

真「千早と一緒なら、緊張せずに作れると思ったんだ」しゃかしゃか

千早「そう……私で良ければいつでも手伝うわ」

真「ありがとう」しゃかしゃか



真「メレンゲができたからこれを袋に入れて絞っていくよ」

千早「こっちはもう少しよ」

真「形は簡単に丸くしてみたよ」

千早「これもプロデューサーにあげるのかしら?」

真「ううん。これはみんなの分かな、いつもお世話になってることで」

千早「オフの日に来て作ってくれたって知ると、きっと喜んでくれるわね」

真「そうなら嬉しいかn」

貴音「ひびきぃぃぃぃ」

千早真「!?」



貴音「ひびきっ!ひびきっ!」

真「」

千早「」

貴音「ひびきっ♪ひびきっ♪」

真「た、た、貴音さんが壊れた」

千早「なぜ我那覇さんの名前を叫びながらうどんを練ってるのかしら」

真「もしかしたら……千早の春香的なやつ?」

千早「私の春香的なやつ?」

真「うん、よく愛情を入れるとかで叫んでるよね。今日はやってないけど」

千早「なんてこと……忘れていたわ」

真「え、やっぱりやるの?」

千早「春香、愛してるわーー」

貴音「ひびきーーー」

真「貴音さんもあっちの人だったかぁ」



千早「は・る・か!」

貴音「ひ・び・き!」

千早「は・る・か♪」

貴音「ひ・び・き♪」

千早「は・る・か!ぃぇぃ」

貴音「ひ・び・き!ぃぇぃ」

千早「はるか!」

貴音「ひびき!」

千早「は・る・か!」

貴音「ひ・び・き!」

小鳥「ごめんなさいね、ちょっと静かにして」

真「ご、ごめんなさい」

千早「はるかぁ……」

貴音「ひびきぃ……」



千早「クッキーの生地ができたわ。あとは麺棒で生地を伸ばしていきましょう」

真「ぺったんこになるまでやるね」

千早「くっ……」

真「どうかした、千早?」

千早「……なんでもないわ」

真「陶芸やったからか、こういうの結構得意になっちゃったなぁ」

千早「真は飲み込みが早いわね」

真「よし、これで真ッ平らになったよ」

千早「くっ……」



真「あとは型に取るだけだね。あ、先にメレンゲクッキーは焼いておくね」

千早「型はあるのかしら?」

真「ボクが持って来てるから大丈夫だよ」

千早「ありがとう。星型とハート型の二つね」

真「千早はどっち使う?」

千早「半々で使っていきましょう」

真「多く作りすぎちゃったかな……結構な数作れそう」

千早「ええ……」



真「じゃあ焼いていくよ」

千早「ええ……」

真「ちょっと味はドキドキだけど、それ以外は順調だったね」

千早「ええ……」

真「千早?」

千早「真、一つだけ訊いてもいいかしら?」

真「うん」

千早「プロデューサーには……渡すだけ、なの?」

真「……ボクの気持ちも一緒に渡すつもりだよ」

千早「そう……」

真「ごめんね、千早」

真「春香がプロデューサーのことを好きなのは知ってるよ」

真「でも、ボクも春香には負けないくらい好きなんだ」

真「いくら千早の頼みでも、やめるなんてことはできないよ」

千早「……」



千早「さっき質問のこと……私はプロデューサーのことを善い人って言ったわ」

真「うん……違うの?」

千早「……もしかすると私はプロデューサーのことが嫌いなのかもしれない」

真「どうして?」

千早「……私の好きな人を傷つけてしまうかもしれないからよ」

真「プロデューサーが?」

千早「私はみんながプロデューサーのことを好きなのを知ってるわ。律子や音無さんも含めて」

真「そう……だね」



千早「初めは春香が一緒になれば良いと思ってた」

千早「春香が一番好きなプロデューサーと結ばれれば、それが一番良いことだって信じてた」

千早「でも、真の一生懸命な姿を見ていると……誰も選ばれない今が一番いいんじゃないかって思えてきたの」

真「千早……」

千早「大切な絆が一つのきっかけで簡単に壊れることを、私は知っているわ」

千早「私は春香が、真が……みんなが好きだから……今のままが一番いい」

真「千早……それは違うよ」



真「ボクたちの絆は、そう簡単に壊れたりなんてしないよ」

真「ボクだってみんなが好きだよ」

真「たとえば、プロデューサーがボク以外の人を選んでも、ボクはその相手を祝福したい思う」

真「一番好きな人が選んだ人なら……それって素敵な人に違いないから」

真「ボクだけじゃない。みんなもきっと同じように考えてくれてると思うよ」

真「もちろん、ボクが選ばれたらそれが一番なんだけどね」



貴音「千早、わたくしからも少しよろしいでしょうか」

貴音「悩むことは大切なことです。しかし、そこから目を背けてはなりません」

貴音「今の千早はただ恐れているだけでしかありません」

貴音「逃げること、留まることはわたくし達には許されておりません」

貴音「どんなことにも最初の一歩を踏み出さねば終わってしまうのです」

貴音「わたくし達は、あの方と約束した通り、トップアイドルを目指しているのでしょう?」

真「プロデューサーはどんなことがあっても、ずっとボクたちを大切にしてくれるよ」

真「だから、嫌いになるなんてことは言わないでほしいな」



真「千早、クッキーできたよ」

千早「ええ……」

真「はい、半分こ」

真「春香に渡して、また元気をもらってきて」

千早「春香に……」

真「千早の元気がないと安心できないよ。それに、千早の泣き虫を叱るのは春香の方が良いし」

千早「ありがとう」

真「じゃあ……ボクは渡してくるね」

千早「真……頑張って……」

真「ありがとう、千早の応援は何よりのお守りになるよ」

貴音「御武運を」

真「貴音さんもありがとう」



会議室


真「プロデューサー!」

P「おはよう、真。あれ、今日休みじゃなかったか?」

真「はい!でもプロデューサーにお話したいことがあったので来ました!」

P「悩み事か?」

真「そうですね、でもそうじゃないです」

P「んーどういうことだ?」

真「プロデューサー、これ、受け取ってください」

P「クッキー、か。ありがとう、手作りか?」

真「はい!」

P「前に比べたら随分上達したよ。焼き色も良いし、星型にもちゃんとなってる」

真「これからのオーディションにも勝ち星を取れるように、星型にしてみました」

P「験担ぎか。なかなかいいアイディアだな。うん、おいしいよ。隠し味のオレンジがいいな」

真「それと……もう一つあります」


真「プロデューサー、あなたのことが好きです」



春香「千早ちゃん、おはよっ!」

千早「おはよう……春香、久しぶりね」

春香「うん、一週間ぶりくらいだよね」

春香「えっとその、相談したいことがあるんだけどいいかな?」

千早「ええ……」

春香「元気なさそうだけど大丈夫?」

千早「そんなことは……ないわ。それで相談したいことって?」

春香「プロデューサーさんのことなんだけど」

春香「先週のことなんだけど、プロデューサーさんに……えと、好きって告白されちゃった」

千早「っ!」



春香「すごく嬉しかった……でも、返事をする前に千早ちゃんに相談したかったんだ」

千早「まだ……返事をしていないの?」

春香「うん……」

千早「私は……私は……春香が好きよ」

千早「だから……春香が幸せになるのなら、応援するわ」

春香「ありがとう、千早ちゃん」

春香「最初は、すごく嬉しかったんだ」

春香「でも、考えてるうちに私なんかがプロデューサーさんと付き合うのっていいのかなって思っちゃって……」

千早「春香は誰よりも輝いているもの。『私なんか』なんて言葉は相応しくないわ」

千早「プロデューサーなら、春香をきっと大切に、幸せにしてくれると思うわ」



千早「プロデューサーは約束を守ってくれるから……春香を幸せにするという約束も必ず守ってくれるわよ」

春香「約束……」

春香「みんなは……私のこと、嫌いになっちゃうかな」

千早「プロデューサーが春香を選んだのなら、納得してくれるはずよ」

春香「……」

千早「真や四条さんも保証してくれてるわ」

春香「真と貴音さんも?」

千早「ええ。私も春香と同じ質問をしたから」

千早「だから、自信を持って、春香」



千早「あと……これ、今日、真と一緒に作ったの」

春香「クッキー……千早ちゃん、とっても上手になったね」

千早「いろいろ勉強した成果かしら」

春香「きちんと星型になってるね。前はちょっぴり大きかったけど」

春香「隠し味でオレンジが入ってるね」

春香「ありがとう……えへへ、おいしいよ、千早ちゃん」



P「……ごめん」

P「真が魅力的じゃないとか、そういうんじゃないんだ。ただ……」

真「春香、ですよね?」

P「……ああ」

真「いつから好きになってたんですか?」

P「気づいたのは……先週くらいかな」

真「先週かぁ……一週間遅かったですね」

P「思い切って告白してみた。まあ春香からはまだ返事は貰えてないんだけどな」

P「でも……ごめん、真の気持ちには応えられない」

真「いえ、ありがとうございます。きちんとふってくれて」

真「もしかすると誤魔化されるんじゃないかって冷や冷やしてました」

P「……できないよ。俺はその真剣なところが好きだからな」



真「プロデューサーは酷いです。ふった直後に好きだなんて」

P「……プロデューサーだからな」

真「その、お願いがあります」

P「なんだ?」

真「もし春香と付き合うのなら、絶対に幸せにしてください。そうでないと……千早が悲しみます」

P「ああ、もちろんだ」

真「あと、ボクとの約束も……ちゃんと叶えてくれますよね?」

P「真をトップアイドルにしない限りは死ねない。約束は必ず守るよ」

真「ありがとうございます。これからもボクのプロデュース、お願いしますね!」



真「千早」

千早「真……」

真「うん……プロデューサーに、ふられちゃった」

千早「そう……」

真「折角応援してくれたけど、ごめんね」

千早「真は……頑張ったわ」

真「ううん……ダメだよ。本気で行けなかったんだから」

真「どうしてかな。どうしてこっちのクッキーを渡さなかったんだろう」

真「一番好きな人に渡すのならハートの方なのに……どうして渡せなかったんだろう」

真「大切なときに怖がっちゃうなんて、さっき千早のことを注意したばかりなのに」



真「ボクは……ボクは……」

千早「真……これを受け取ってもらえるかしら」

真「それって春香に渡す……」

千早「春香にはもう一つの方を渡したわ……どうしてかはわからなかったわ」

千早「でも、これは真に渡したかったんだと思うの」

千早「だから……私のハートを受け取ってもらえるかしら?」

真「本当にもらっていいの?」

千早「ええ、春香じゃなく、真に受け取って欲しいの」

真「うん……ありがとう、喜んで……もらうよ」

真「少しだけ……泣いても大丈夫かな?」

千早「ええ、ここに……そぱにいるから、好きなだけ泣いて」



春香「プロデューサーさん」

P「春香……か」

春香「この前の返事をしたいと思います」

P「場所を変えようか。プライベートな話だからな」

春香「いえ、ここでいいです」

小鳥「律子さん、プライベートな話ってなんでしょうね」

律子「小鳥さん、聞き耳を立てるなんて失礼ですよ」

小鳥「でも、目の前でこんなこと言われたら気になりませんか?」

律子「ニヤニヤしながら言わないでください」

小鳥「律子さんも興味はありますよね?」

律子「ノーコメントで」

P「二人とも、黙ってください」

小鳥「ぴょぉ……」

律子「はぃ……」

真「……」

千早「……」



春香「私、天海春香は、先週プロデューサーさんから付き合って欲しいと言われました」

律子「!!」

小鳥「ぴよっ!!」

春香「すごく嬉しかったです」

春香「プロデューサーさんが私のことをとっても想ってくれてると知って」

春香「だから……」

春香「だから……」

春香「…………」


春香「ごめんなさい、私はプロデューサーさんとはお付き合いできません」



真「春香、どうして!春香はプロデューサーのこと好きじゃないの!」

春香「さっき千早ちゃんと話して……だから思ったのかな」

千早「私と……?」

春香「プロデューサーさんは、私達との約束を覚えてますか?」

P「あ……ああ。みんなをトップアイドルにする。それが約束だ」

春香「まだ誰もトップアイドルになれていないですよね。だから、独り占めは……できません」

P「春香、それが答えなのか?」

春香「はい……ごめんなさい」

春香「私じゃなくてもいいんです、千早ちゃんでも真でも、律子さんでも小鳥さんでも、誰でもいいんです」

春香「私達がトップアイドルになれたときに、プロデューサーさんが一番好きな人を、選んでほしいんです」



P「そうだった……な」

P「まだ春香たちの夢を叶えてもいないのにな」

P「みんなとの約束を、少しだけど軽く考えていたのかもしれない」

P「まだまだ考えが甘いな……アイドルをフォローする立場なのにな」

春香「そこが、プロデューサーさんのいいところですよ!」

P「嬉しいやら悲しいやら、だな……」

P「春香、みんながトップアイドルになったときに誰かを選ぶって話、約束してもいいか?」

春香「はい!」



定時


P「はぁ……」

律子「プロデューサー、今日はもう帰っていいですよ」

P「え?」

律子「仕事できないでしょう?」

P「はぁ……わかる?」

律子「真をふって、春香にふられたんですよね、今日」

P「あはははは……真のことも知ってたか」

律子「はい、小鳥さんから聞きました」

小鳥「私は真ちゃんからクッキーをもらったときに直接聞きました」

律子「今日早く帰ったくらいで何かあるわけではないですから、さっさと帰ってください」



P「はぁ……律子にも嫌われた?」

律子「ため息が鬱陶しいんですよ。あれからずっとため息しかしてないじゃないですか」

P「すまん……今日はもうなんかやっぱりダメだ」

小鳥「プロデューサーさん、雪歩ちゃんには気をつけてくださいね」

小鳥「真ちゃんをふったんですから、埋められる覚悟くらいはしておかないと」

P「雪歩には秘密でお願いします……覚悟はしていますけど」

P「今日はお言葉に甘えてお先に失礼します」

律子「お疲れ様でした」

小鳥「お疲れ様でした〜」



小鳥「意外でしたね」

律子「なにがです?」

小鳥「春香ちゃんがプロデューサーさんをふるなんて、びっくりしました」

律子「そうですね……春香らしい理由でしたけど」

小鳥「これで律子さんにもチャンスはできたんじゃないですか?」

律子「ど、どういう意味ですか?」

小鳥「みんながトップアイドルになるってことは、まだまだ先のことです」

小鳥「その間にアピールすれば……ぐっ!」



律子「そういう小鳥さんはどうなんですか?」

小鳥「私は春香ちゃんの次に立候補します」

律子「なぜ春香の次に?」

小鳥「最初に春香ちゃんが選ばれたのなら、春香ちゃんが最初に行くべきかなと」

小鳥「それに、私は益々春香ちゃんことが好きになりましたし」

律子「あの時の春香は、本当に引き寄せられるものがありましたね」

小鳥「そうですね……ふられたとは言え、少しプロデューサーさんが羨ましかったですね」

律子「じゃあ私も春香の次に立候補ということで」

小鳥「えー」



真「ねえ春香」

春香「ん?」

真「あれで良かったの?」

春香「うん……きっと間違ってないと思う……」

春香「でも、ちょっぴり後悔してるかも、えへへ」

真「春香は強いね……ボクだったら、きっとすぐにOK出したよ」

春香「真、ごめんね。真もプロデューサーさんに……」

真「ううん。プロデューサーが春香のことが一番好きって言ったから、ボクも引き下がれたんだ」

真「その春香が、ボクたちの約束を一番に考えてくれたんだから……」

真「ありがとう、春香」



春香「千早ちゃんのおかげだよ。直前までは受けるつもりだったもん」

千早「私じゃないわ。あれだけの決意は、春香がしたものよ」

春香「ううん。千早ちゃんの言葉と、このクッキーが勇気をくれたんだ」

千早「そう……春香の役に立てて嬉しいわ」

春香「あ、そういえば、オレンジの隠し味がもう少し利いたらもっと美味しくなるかも」

真「えっ?」

春香「ふぇ?」



千早「隠し味にしたつもりはないんだけど……」

真「うん……結構入れたよ。オレンジジュース」

春香「で、でもちょっと感じただけ……」

千早「一口もらってもいいかしら……」

春香「うん」

千早「……真」

真「どう?」

千早「特訓よ」

真「失敗してたんだ……」

春香「味見しないと……」



真「ところで、春香もクッキー作ってきてるよね?」

春香「え、えっ?」

真「久しぶりに春香からお菓子の香りがしたから」

春香「うっ……うん。実は久しぶりに作ったんだ……渡せなかったけど」

真「渡してきたらどう?まだ間に合うよ」

春香「でも、私プロデューサーさんに……」

真「千早はどう思う?」

千早「……良い考えね。そうするべきだわ」

真「春香はプロデューサーに好きって言ったの?」

春香「言ってない……かも」

真「ずるいよね。春香だって伝えるべきだよ」

春香「いいの……かな?」

千早「春香!」

真「頑張って!」

春香「私、行ってくる……!」

春香「千早ちゃん、あとでお家に行くね!」



千早「真……どうして?」

真「ボクも、千早みたいに一押しをしたくなった……っていうのはダメかな?」

千早「ううん……そんなことないわ」

真「はぁ……でも春香に全部持っていかれちゃった気がするなぁ」

千早「春香のああいうところが素敵だから」

真「でも、トップアイドルになってからってことは、ボクにもまだチャンスはあるってことだよね」

千早「そうね、私達全員にあるってことになるわね」

真「今度は……負けない」

千早「応援はするけど……春香は強いわ。真に春香のようなことができるかしら?」

真「ボクはボクらしくいくよ。春香の真似じゃダメだから」



千早「ところで……真の家はこっちだったかしら?」

真「今日は千早の家に泊まるよ?」

千早「そう、買い物をしてから帰りましょうか」

真「そうだね……っと。これ渡すの忘れてた」

千早「クッキー?」

真「千早からもらったからね。お返しだよ」

千早「ふふ……ありがとう」

千早「真」

真「なに?」

千早「好きよ」

真「ボクも好きだよ、千早」

千早「叫んでもいいかしら?」

真「……たまになら、いいよ」



P「はぁ……今日はいろいろと疲れた」

P「明日は気持ちを切り替えないとな……」

P「しかし……やっぱりふられるのは堪えるなぁ」

春香「プロデューサーーさーん!」

P「は、春香……先に帰ったんじゃないのか?」

春香「はい、でもプロデューサーさんに渡すものがあるのを忘れてました」

P「渡すもの?」

春香「真と一緒ですけど、クッキーです!」

P「はは……ありがとう」

春香「さっきは……ごめんなさい」

P「いいんだ。俺もちょっと気が早かったかなと思ってるんだ」

春香「違うんです、まだ、私の気持ちは伝えてませんでした」

春香「プロデューサーさんの気持ちだけ知ってるのはフェアじゃありませんから」

春香「その……ごめんなさい」ちゅっ

春香「私も、プロデューサーさんのことが一番大好きです」



おわり



以上になります。

これでちはまこ料理シリーズは終わりになります。
本当は続ける予定はなく、『お菓子を作る』だけで終わるつもりでした。(レパートリー的な意味で)
料理の内容は、自分自身が実際に作ったレシピですので、粗が目立つ部分がありました。すいません。
綺麗にまとまったかなーと感じていただければ幸いです。

引用した曲。
『お菓子を作る』→シュガー・シュガー/PARQUETS
『やっぱりお菓子を作る』→アミュレット/PARQUETS

御清覧、大変ありがとうございました。

06:30│如月千早 
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