2014年09月11日

P「伊織にくっつかれる日々」

多分短い

書き溜めないです



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410144239



ガチャ





P「お、伊織、お疲れ」



伊織「あら?アンタ一人なの?」



P「おう、今みんな出ててな」



伊織「ふーん……で、アンタはソファに座って何してるわけ?」



P「ちょっと、休憩しようと思ってな」



伊織「随分余裕なのね」



P「仕事を効率よくやるためには適度な休憩も必要なんだよ」



伊織「ふーん」スタスタ



P「ん?」



伊織「ちょっと、もう少しそっちに寄ってよ」

P「え?お、おう」スッ



伊織「ふん」ストン



P「……」



伊織「……」



P「……伊織」



伊織「何よ」



P「何故隣に?」



伊織「何か文句あるわけ?」

P「いや、そういうわけじゃないけどさ……」



伊織「だったら別にいいじゃない」



P「まぁ……伊織がいいなら構わないけど……」



伊織「このスーパーアイドル伊織ちゃんの近くに居られるんだから感謝しなさいよね」



P「どうかしたのか?」



伊織「別に、何もないわよ」



P「……そうか」



伊織「ふん」



P「……」



伊織「……」



P「そ、そろそろ仕事を再開しようかな!」スクッ

伊織「……」



P「よーし!残りもがんばるぞー!」スタスタ



伊織「……」スクッ



P「さてさて……」ストン



伊織「……」スタスタ



P「あの企画をまとめて……」カチャカチャ



伊織「……」ピト



P「……」



伊織「……」



P「……伊織」



伊織「何よ」



P「何故後ろに?」



伊織「文句あるわけ?」

P「なぁ、どうかしたのか?」



伊織「何もないって言ったじゃない」



P「うーん……」



伊織「何よ?」



P「ちょっとごめんな」スッ、ピト



伊織「な!?」



P「んー……熱はないみたいだな」スッ



伊織「い、いきなり何すんのよ!この変態!」



P「い、いや、もしかしたら熱があるのかもと思ってだな……いたっ、ちょ、やめろ伊織!」



伊織「うるさい!変態!」ビシビシッ



P「わ、悪かったって!」



―――

――



伊織「全く、アンタって本当馬鹿ね」



P「いてて……でも、熱がないなら一体どうしたんだ伊織?」



伊織「別に……そういう気分だっただけよ」



P「え?」



伊織「……」



P「……俺にくっつきたい気分だったのか?」



伊織「へ、変な言い方すんじゃないわよ!」



P「ご、ごめん、いたっ!」



伊織「……何よ、悪いわけ……?」



P「いや、悪くはないけど……」



伊織「いいじゃない……たまにはアンタの近くに居たいって思っても……」

P「……」



伊織「……」



P「……」



伊織「な、なにか言いなさいよ……」



P「伊織」



伊織「な、何?」



P「病院へ行こう」



伊織「……この……」プルプル



P「あれ……?伊織さん?」



伊織「馬鹿プロデューサぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



―――

――



〜数日後〜



P「うん、だいたいこんな感じだな、大丈夫そうか?」



伊織「ふん、誰に言ってると思ってるのよ」



P「はは、そうだな、伊織なら問題ないか」



伊織「このスーパーアイドル伊織ちゃんに任せときなさい!にひひ♪」



P「ははは、……ところで伊織?」



伊織「ん?何?」



P「何で隣に座ってるんだ?」



伊織「別にいいじゃない」



P「いや、まぁいいけどさ、打ち合わせなんだから向かいあって座ったほうが……」



伊織「あー!もう、いちいちうっさいわね!」

P「えぇ……」



伊織「私がこうしたいんだからアンタは黙って従えばいいのよ!」



P「……」ジー



伊織「な、何よ?」



P「本当に何もないのか?」



伊織「え?」



P「ここ最近、やたらとくっついてくるからさ」



伊織「く、くっついてなんか……」



P「何かあったんじゃないのか?」



伊織「……」



P「伊織が話したくないことなら別にいいんだ、たださ……」

伊織「……」



P「心配なんだよ」



伊織「……そう」



P「俺は伊織のプロデューサーなんだからさ」



伊織「プロデューサー……」



P「ま、ちょっと頼りないかもしれないけどな」



伊織「そんなこと……」



P「やっぱり、俺には話せないことなのか?」



伊織「……うん」



P「……そうか」

伊織「今は……」



P「ん?」



伊織「今はまだ話せない」



P「……」



伊織「でも……この、次のライブが終わったら、その時ちゃんと話すわ」



P「……そうか、待ってるよ」



伊織「プロデューサー」



P「何だ?」



伊織「……次のライブは、最高のライブにしてみせるわ」



P「……」

伊織「だから、だからアンタも、それまで私をしっかりプロデュースしなさいよね」



P「……ああ、まかせとけ」



伊織「きっと、忘れられないライブにしてあげるんだから!」



P「はは、それは楽しみだな」



伊織「にひひ♪期待しときなさい」



P「うん、よし、それじゃあもう一回チェックしとくか」



伊織「ええ」



P「えーと、まずは衣装だけど……」



―――

――



〜ライブ当日〜



P「さーて、いよいよだな、伊織」



伊織「ええ、そうね」



P「気合は入ってるか?」



伊織「もっちろん!当たり前じゃない!」



P「うんうん、絶好調みたいだな」



伊織「今日のライブは失敗するわけにはいかないもの」



P「……そうか」



伊織「アンタはしっかり私を見とくのよ?」



P「はは、言われなくても見てるよ」



伊織「そう……そうよね」

P「伊織……?」



伊織「ねぇ、お願いがあるんだけど」



P「……何だ?」



伊織「……い、一度だけ……」



P「……」



伊織「い、一度だけでいいから……抱きしめて……くれない?」



P「え?」



伊織「……ダメ?」

P「い、いや……ダメというか……」



伊織「お願い……」



P「……抱きしめればいいのか?」



伊織「うん……」



P「……」スッ



伊織「……」



P「……いいか?」



伊織「ええ……」



P「……」ギュ



伊織「……」



――――

――



伊織「ありがと、もう大丈夫」スッ



P「そうか……」スッ



伊織「ふぅ……はぁ、よし!これでいけるわ!」



P「……そろそろ時間だな」



伊織「それじゃあ、行って来るわ」



P「ああ、ちゃんと見てるからな」



伊織「にひひ♪当然よ!」



―――

――





きっとこれが、アイツに……プロデューサーに、プロデュースしてもらえる最後のライブ

……絶対に忘れさせないわ、絶対に……

〜ある日の765プロ〜



伊織「ただいまー」ガチャ



伊織「あら?誰もいないのかしら……」



……最近の……彼は……

ふふ……そうですね……



伊織「あら、社長と小鳥の声……社長室にいるみたいね」



伊織「何を話しているのかしら?」ソー



高木《うむうむ、彼は本当に優秀な人材だなぁ、やはり私の目に狂いはなかったよ》



小鳥《ふふ、そうですね》



高木《うむ……しかし……》

小鳥《……引き抜きのお話ですか》



高木《ああ、うちよりもずっと大きな事務所からだ》



小鳥《プロデューサーさんには、もう話してあるんですよね?》



高木《もちろんだとも》



小鳥《……どうなさるおつもりですか?》



高木《それを決めるのは私じゃないさ……》



小鳥《……》



高木《……彼にとって、これはとてもいい話だ、うちなどとは比べ物にならないほど大手の事務所だからね》



小鳥《そうですね……》

伊織「……」



高木《私はね、彼はこの話を受けたほうがいいと思っている》



小鳥《社長……》



高木《彼を失うのは……少々、いやかなり惜しいがね、仕方ないさ》



小鳥《もし、プロデューサーさんがこのお話を受けたら……いつごろ事務所を移るんでしょうか?》



高木《そうだな……まだ詳しくはわからないが、おそらく、次の水瀬君のライブが終わり次第、ということになるかな……》



小鳥《そうですか……》



伊織「……そんな……」



―――

――



〜ライブ終了後〜



 ―公園―



P「最高のライブだったよ、伊織」



伊織「にひひ♪当たり前よ!スーパーアイドル伊織ちゃんのライブなんだから!」



P「はは、そうだな」



伊織「どう?これは忘れられないでしょ?」



P「ああ、それぐらい良いライブだったよ」



伊織「ふふ、それなら……よかったわ」



P「……」



伊織「ねぇ、プロデューサー」

P「……何だ?」



伊織「この間の話だけど……」



P「ああ……」



伊織「アンタ……事務所やめるんでしょ……?」



P「え?」



伊織「大手の事務所から……引き抜きの話がきてるのよね?」



P「伊織……何でそのことを……」



伊織「……社長と小鳥が話してるのを聞いたのよ」

P「まいったな……」



伊織「今日の、私のライブが最後の仕事だったんでしょ?」



P「えーとだな……」



伊織「だから、私は今日のライブ精一杯やったわ……悔いを残さないように」



P「伊織……」



伊織「……最高だったでしょ?もう、私は、あのレベルのライブができる」



P「……」



伊織「きっと……アンタがいなくても、やっていける」

P「……」



伊織「だから……だから、アンタはさっさと大手の事務所にでもどこにでもいっちゃいなさい」



P「……いいのか?」



伊織「……問題ないわ、もう、アンタが、プロデューサーがいなくても……私はスーパーアイドルなんだから……」



P「……そうか」



伊織「!…っ…」



P「あのな……」



伊織「……ない……」



P「伊織……?」



伊織「いいわけないじゃない!!」

P「!伊織……」



伊織「何がそうか、よ……本当に私がそう思ってるわけないじゃない!!」



P「……」



伊織「私にはアンタが必要なの!!傍にいたいの!!」



P「……」



伊織「本当は……!本当はどこにもいってほしくなんかないわよ!!」



P「……」



伊織「でも……でも!これはアンタにとって大切なことで!……だから私は……っ」



P「伊織……」



伊織「っ……ぁ……どこにもいかないでよ……」

P「……」



伊織「お願い……お願いだから……っ」



P「……いかないよ」



伊織「……え……?」



P「どこにもいかないさ」



伊織「で、でも……」



P「引き抜きの話な、あれ、断ったんだ」



伊織「ど、どうして……」



P「俺は伊織のプロデューサーだからな」



伊織「…ぅぅ……」

P「だからな、これからも、伊織のプロデュースを続ける、どこにもいかない」



伊織「……ほん……と?」



P「ああ、伊織がアイドルを引退するまで、付き合うつもりだぞ」



伊織「……ぅ…ぁ……」



P「……不安にさせてごめんな」ポンポン



伊織「っ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ギュゥ



P「……本当にすまなかったな」ナデナデ

―――

――





伊織「全く、それならそうとさっさと言いなさいよね」



P「いや、伊織が知ってるとは思わなかったからさ」



伊織「まぁ……今回は特別に許してあげるわ」



P「はは、ありがとな。……ところで伊織」



伊織「何かしら?」



P「そろそろ離れないか」



伊織「嫌よ」



P「そうですか……」



伊織「私を泣かせた罰よ、しばらくこうさせなさい」



P「はは……それなら仕方ないな」



伊織「それから、これからも定期的にこうさせること」



P「えっ」



伊織「何か文句あるわけ?」



P「……いえ、ありません……」



伊織「うん、そうやって、素直に私の言うことを聞けばいいのよ」



P「さいですか……」



伊織「そうよ、だってあんたは……私のプロデューサーなんだから!」



―――

――



〜数年後〜



P「なぁ伊織」



伊織「何?」



P「今日はやたら回数が多くないか?」



伊織「そういう気分なんだから仕方ないじゃない」ギュゥ



P「いや、でも昨日だって、その前だって……あれ?考えてみたらずっとだな……」



伊織「ずっとこうしてたって飽きないんだからしかたないわ」ギュゥ



P「はは……まぁそうだな」



伊織「ねぇ?」



P「ん?どうした?」



伊織「ふふ……幸せだなって」



―――

――









P「これからもずっと、伊織にくっつかれる幸せな日々が続きますように」





                                 おしまい



21:30│水瀬伊織 
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