2014年09月14日
P「小鳥さんは今日、高熱が出たから休むそうだ…」
P「みんな…すまない」
春香「…」
千早「…」
春香「…」
千早「…」
雪歩「…」
真「…」
やよい「…」
あずさ「…」
伊織「…」
律子「…」
亜美「…」
真美「…」
響「…」
美希「…」
貴音「…」
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P「せっかく…せっかくここまで用意したのに…徹夜で飾り付けもしたのに…グスッ…」
春香「プロデューサーさん…」
P「…思い返せば一年前のこの日…小鳥さん2X歳の誕生日…」
P「サプライズの段取りがグダグダだったせいで小鳥さんにバレてしまい、逆に気を遣わせてしまった…」
P「その日から…俺はリベンジを誓ったんだ…構想1年!準備期間1ヶ月!」
P「それが…どうしてこんなことに…」 ガクッ
千早「プロデューサー…」
P「みんなも…巻き込んで悪かった…俺の勝手な暴走に付き合わせてしまって…」
真「そ、そんなことないですよ!みんなも同じ思いでやってきたんですから!」
P「真…お前には一番迷惑をかけた。この計画の準備のせいで…」
P「お前の…お前の誕生日をちゃんと祝ってやれなかったんだ…すまない…すまない…!」 ポロポロ
真「え…あ、いやそんなこと…」
春香「…」
千早「…」
雪歩「…」
やよい「…」
あずさ「…」
伊織「…」
亜美「…」
真美「…」
響「…」
美希「…」
貴音「…」
律子「や、やっぱりこんなのないですよ!電話して多少無理にでも出てきて貰って…」
P「律子!!」
律子「!」
P「もういい…もういいんだ…」
律子「プロデューサー殿…」
P「パーティ イズ エンドだ…鼻眼鏡を外せ…」
律子「…」
P「…」
律子「…」 スッ
P「みんなも…三角帽子を脱ぐんだ…千早も胸の詰め物を出せ。これ以上は虚しいだけ…」
春香「…ま、待ってください!」
P「春香…」
春香「今日は小鳥さんの誕生日なんですよ!? もっと明るく楽しく祝ってあげましょうよ!」
伊織「そうよ! こんなお通夜みたいな雰囲気…小鳥がかわいそうよ!」
亜美「せっかくこんだけ飾り付けもしたんだからパーっとしなきゃソンだよ!」
P「…本人不在でか?」
春香「そ、それは…その…」
伊織「…」
亜美「…」
P「考えてみるんだ。今日は自分の誕生日。なのに体調不良。かたわら仲間たちは別の場所でパーティ…」
真美「…い、いいじゃんそれでも!」
P「…真美」
真美「だいたい兄ちゃん計画がポシャったくらいで落ち込みすぎなんだYO!」
あずさ「そうですよ!祝い方は一つじゃないはずです!」
やよい「また小鳥さんが治ったときに回復祝いもかねて盛大に祝っちゃいましょうよ!」
美希「プレゼントは別の日でも間に合うと思うな!」
P「…ケーキはどうする?」
あずさ「ケ…ケーキ…」
P「もし明日来れるならまだ間に合うだろうが…まだ2〜3日休むようなら…」
美希「あ…」
P「春香たちが…うぅ…長時間かけて作った力作なのに…ホテル顔負けの2段ケーキを作って貰ったのに…グスッ…」
春香「…」
響「…」
やよい「…」
P「ハハ…なにやってんだろうな俺…」
春香「ま、またそれくらい作ってやりますよ!」
響「そうだぞプロデューサー!」
やよい「うっうー!やってやります!」
P「お前たち…」
貴音「あなた様…皆の言うとおりです」
P「貴音…」
貴音「大切なのは形ではなく気持ち…私たちの想いはきっと小鳥嬢の元へと届くはずです」
P「……そうか…そうだな。その通りだ!」
春香「プロデューサーさん…!」
P「みんな、暗い気持ちにさせて悪かった! 今日は小鳥さんの誕生日…盛大に祝ってあげようじゃないか!」
一同「おー!」
P「よーし、まずは大量のクラッカーで小鳥さんをお出迎えだ!」
亜美「イエーイ!!」 スパパーン!!
真美「ヒャッホー!」 スパパパーン!!
あずさ「誕生日おめでとうございまーす!」 スパパーン!!
伊織「ハッピーバースデイ小鳥!」 スパパーン!!
律子「おめでとうございます小鳥さん!」 スパパーン!!
P「そして迎えられた小鳥さんが座る席にはなんとブーブークッションが!」
貴音「あぁっ!」 ブビィーッ!!
響「って貴音が引っかかってどうするさー!」
美希「アッハハハハハ傑作なの!」
貴音「ふふふ…やってしまいました///」
P「そして奥から登場してくる巨大な誕生日ケーキ!」
雪歩「ハッピバースデイトゥーユー♪」 ガラガラ
真「ハッピバースデイテゥーユー♪」 ガラガラ
千早「さ、点火するわよ…ってロウソクの数多すぎですよ!50本はあるじゃないですか!」
真美『わたしまだピチピチの20代ですー!』
春香「アハハハハ真美の声マネそっくり!」
P「もうやめろォォォ!!もうやめだウオオオオオオオッ!」 ガシャァァン!!
雪歩「ヒィィ!!」 ガタタンッ
千早「ちょ…プロデューサー落ち着いて!」
P「何が楽しいんだよコレなんなんだよ!」
P「いねぇじゃねぇか!主役がよォォ!誰が消すんだよロウソク!」
律子「そ、そこはまたアドリブでどうにか…!」
P「なんねぇよォ!この後くじで順番にプレゼント引いていくヤツどうするんだよ!誰が引くんだよ!」 ドゴォ!!
やよい「ぷ、ぷろでゅーさー怖いです…」 ビクビク
P「虚しいだけだろうがよォォ!![5番:たわし]とかハズレ引いたらそれ持って帰んのかよ!!」 ビリビリーッ!!
あずさ「! いけない! 飾り付けを破壊し始めたわ!」
伊織「みんな、取り押さえるのよ!!」 ダッ
・
・
・
P「ハァ…ハァ…」 ゼェゼェ
春香「お、落ち着きましたかプロデューサーさん?」
P「…あぁ」 ゼェゼェ
律子「…少し、あっちの部屋で休みましょうか。肩貸します」
P「…すまない」 ハァハァ
ガチャ
バタン
春香「…」
千早「…」
雪歩「…」
真「…」
やよい「…」
あずさ「…」
亜美「…あのさ」
伊織「…なによ」
亜美「…飾り付け…壊れちゃったけど」
真美「…どうしよう」
伊織「…」
貴音「…とりあえず、壊れた分だけ片付けることに致しましょう…」
美希「…りょーかいなの」
響「…なんくるないさー…」
千早「…」
雪歩「…」
真「…」
やよい「…」
あずさ「…」
春香「…なんくるあるよ」
・
・
・
春香「なんだか…すごくシンプルになっちゃったね」
雪歩「うん…でもまだなんとか誕生日会の体裁は保ってるよ!」
美希「風船もまだ予備があって助かったの」
ガチャ
律子「…」
千早「あ…律子、プロデューサーの容体は?」
律子「ええ、大丈夫。一回吐いたら落ち着いたみたい」
亜美「一回吐いたんだ…」
貴音「面妖な…」
真美「ショック受けすぎっしょ…」
伊織「で…これからどうするの?」
律子「とりあえず今日はもうお開きね…明日来れる人だけでも集まってお祝いしましょう」
律子「…もちろん今日のことは秘密で」
真「明日…か。小鳥さんが来れたらいいんだけどね…」
雪歩「…」
あずさ「…」
亜美「…」
真美「…」
美希「…」
やよい「あ、あの…! ケーキ、せっかくなんで食べちゃいませんか?」
千早「…そうね、せっかく作ってきてくれたんですもの」
貴音「ええ…とても美味しそうです」
響「じゃ、切り分けるぞー」
春香「あ、一応プロデューサーさんの分と小鳥さんの分も…」
響「うん!わかってるぞ!」
・
・
・
千早「…おいしいわ!」 モッシャモッシャ
あすざ「ええ、本当に」 モッシャモッシャ
美希「さすが765の料理上手が集っただけのことはあるの!」 モッシャモッシャ
伊織「うちのパティシエにも見習ってもらいたいくらいだわ!」 モッシャモッシャ
やよい「えへへー、ありがとうございます!」 モッシャモッシャ
亜美「やっぱりケーキはみんなで食べたら格別だね!」 モッシャモッシャ
真「そうだね! みんなで…みんなで…」 モッシャ…モッシャ…
雪歩「…」
春香「…」
真美「…みんなで、食べたかったね」 ボソッ
律子「…」
響「…」
貴音「…」
春香「…」 ムシャムシャ…
千早「…」 ムシャムシャ…
雪歩「…」 ムシャムシャ…
真「…」 ムシャムシャ…
やよい「…」 ムシャムシャ…
あずさ「…」 ムシャムシャ…
伊織「…」 ムシャムシャ…
律子「…」 ムシャムシャ…
亜美「…」 ムシャムシャ…
真美「…」 ムシャムシャ…
響「…」 ムシャムシャ…
美希「…」 ムシャムシャ…
貴音「…」 ムシャムシャ…
コンコン
伊織「…誰かしら?」
律子「今日は誰も来ないはずなんだけど…ちょっと見てくるわね」
ガチャ
小鳥「あ…」
律子「こ、小鳥さん!!?」
小鳥「こ、こんにちは…あはは」
律子「大丈夫なんですか…体の方は…!」
小鳥「あ、はい…病院で点滴してもらったら大分楽になったので…」
律子「でも安静にしてないと…!」
小鳥「その…片付けたい仕事だけ持って帰ろうかと思って…やっぱり不味かったですかね?」
律子「そ、そりゃあ…でも…」
伊織「ことりぃ…」 ジワッ
あずさ「おとなしさぁん…」 ジワッ
亜美真美「「ピヨちゃぁん…」」 ジワッ
美希「ことりぃ…」 ジワッ
小鳥「え?え?どうしたのみんな…なんで泣いて…」
春香「ことりさぁん…」 ジワッ
響「ぴよこぉ…」 ジワッ
千早「おとなしさん…」 ジワッ
小鳥「どうしたの!?なんでみんな泣いてるの!?何があったの!?」
貴音「た…たんじょおび…」 グスッ
やよい「おめで…ヒグッ…」
雪歩「おめでどうございますぅ…ううぅえーん…!」
真「うあーん!おめでとうございますぅうあぁーん…!」
小鳥「へ…? あ、ありが…とう……?」
こうして、プロデューサーさんの企画したサプライズは結局不発に終わりました。
みんなで泣きながらハッピーバースデイを歌い
それを見た小鳥さんまで何故かもらい泣き
感極まったプロデューサーさんがもう一度吐くという
異様な誕生日パーティとなってしまいましたが
小鳥さんはとても喜んでくれました。
P「もう二度とサプライズなんて企画しない」
…その方がいいと思います。
おわり
21:30│音無小鳥