2014年09月19日
智香「将来何になるのっ?」芳乃「こーむいーんでしてー」
モバP(以下P)(おや? あそこにいるのは……智香と芳乃だ。少し意外な組み合わせだな)
智香「ねぇねぇ芳乃ちゃん、芳乃ちゃんは将来何になるのっ?」
芳乃「こーむいーん、でしてー」
智香「ねぇねぇ芳乃ちゃん、芳乃ちゃんは将来何になるのっ?」
芳乃「こーむいーん、でしてー」
P(こーむいーん……公務員!? アイドルじゃないのか!?)
P(……もしかして芳乃は嫌々アイドルをやっているのだろうか?)
P(そもそも芳乃はアイドルになることを良しとしてくれていただろうか? 正直スカウトした時は必死だったからよく覚えていない)
P(でもレッスンや仕事に向かう時の芳乃は楽しそうだし……いや、16歳とはいえ芳乃はとても大人びている。自分の本心を胸の奥に隠しているのかもしれない)
P(とにかく今ならまだ間に合う、芳乃と話をしなくては!)
P「芳乃! ってあれ、いない……」
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P(結局その後は芳乃に会うことは出来なかった)
P(携帯で連絡を取ろうかとも思ったがやはり直接話すべきだと思ったのでそれは控えた)
P(芳乃がアイドル以外に夢があったという事実に動揺している、ということもある)
P(芳乃だけではない。俺は夢がある女の子達を無理やりこの道に引きずり込んでしまったのではないだろうか……)
ちひろ「えいっ」デコピン
P「わあっ!?」ガタガタッ
ちひろ「もう、全然聞いてないんですから。もう事務所閉めちゃいますよ?」
P「あっ……すいません、もうそんな時間ですか……」
ちひろ「……どうかしたんですか? なんだか心ここにあらず、ですよ」
P「実は……」
P「……ということなんです」
ちひろ「……確かに、重要な問題ですね。実際に他の夢を持っていた娘もいると思います」
P「やっぱり……俺はとんでもないことをしているのでしょうか」
ちひろ「でも、事務所に所属している娘は皆、納得してくれていると思いますよ」
ちひろ「自分の意志でないとハードなレッスンには耐えられません。それにあんなに楽しそうに過ごしている娘たちが乗り気でない、とは考えられませんよ」
P「そう、でしょうか。そうだといいんですけど」
ちひろ「大丈夫ですよ。さ、戸締りは私がしておきますから、今日は帰って明日直接聞いてみてください」
P「……そうですね、ちゃんと話をしてみます。では、お疲れ様です」
ちひろ「はい、お疲れ様です」
ちひろ(厳しい世界ですから、その辺の確認は何回もしています。そんなことも忘れているなんて相当ショックだったみたいですね)
ちひろ(それなら、私が言うより直接聞いた方がいいでしょう)
次の日
P「芳乃、少しいいかな」
芳乃「おやー、そなたではありませんかー。なんのごようでしょうー」
P「……単刀直入に聞こう。芳乃、公務員になりたいのか?」
芳乃「はてー、なんのことでしてー?」
P「ごめんな、昨日、智香と話しているところを聞いてしまったんだ」
芳乃「あぁー、そのことでしてー」
P「ああ。アイドル、楽しいか? 嫌々やってないか?」
芳乃「そんなことはー」
「ごっ、ごめんなさいっ!」
P「智香?」
智香「ごめんなさいプロデューサーさんっ! それ、違うんですっ!」
P「えっ、違う?」
芳乃「そのとおりでしてー。アイドルとしての生活は楽しいですー」
P「じゃあ、あれは……」
智香「あれ、鹿児島で流れてるCMなんですっ。 芳乃ちゃんが鹿児島出身って聞いたからつい……紛らわしいことしてごめんなさいっ!」
P(……そうか、珍しい組み合わせだと思ったら二人とも鹿児島出身なのか!)
P「いや、なんというか……こちらこそ、すまない。早とちりしちゃったな」
芳乃「お気になさらずー。わたくしはそなたに必要とされてアイドルとなりましたがー、わたくし、そなた、そしてみんなで幸せになるのが今の夢でしてー」
芳乃「先ほども言いましたがー、アイドルとしての生活は楽しいですー。そなたに感謝しているぐらいですー」
P「芳乃……ありがとう。皆で幸せになれるように、俺もしっかり芳乃をプロデュースするよ! もちろん、智香も!」
智香「はいっ! それでは早速レッスン行ってきますっ☆」
智香「芳乃ちゃん、またお話しようねっ! 」
芳乃「はいー。さよならでしてー」
P(智香、笑顔がいつもより眩しかったな……)
P(智香はウチの事務所が出来てすぐにスカウトした子だが、芳乃が来るまで長い間、同郷の子は一人もいなかった)
P(いつも明るく振る舞っているが、やはり多少の寂しさはあったのかもしれない)
P「なぁ、芳乃」
芳乃「なんでしょうー?」
P「俺が言うことじゃないが、智香と仲良くしてやってくれ」
芳乃「はいー。智香さんはわたくしの素敵なお友達ですからー」
P「……そうか。安心したよ」
P(心配するだけ無駄だったようだ)
P(智香と芳乃……なんだかいまいち想像のつかないコンビだが、それぐらいの方が逆にいいのかもしれないな)
P(鹿児島出身コンビという道も出てきた。これはプロデュースの幅が広がった)
P(でもやはり二人というのも少し物寂しいかもしれない。早く三人目の仲間を連れてきてあげたいな)
智香「……っていうことがあったんだ☆」
茄子「そうなんですか。うふふっ」
芳乃「おやー、智香さんー。こんにちわでしてー」
智香「あっ芳乃ちゃん!こんにちわっ☆」
芳乃「おやー? そちらの方はー……」
智香「あっ、芳乃ちゃん茄子さんと会うのは初めてなんだねっ! じゃあ茄子さん、自己紹介お願いしますっ!」
茄子「はい。初めまして、鷹富士茄子です。趣味は隠し芸の練習です」
芳乃「ご丁寧にありがとうございますー。わたくし依田は芳乃でしてー、趣味は石を集めることと失せ物を探すことでしてー。何か失せ物がありましたらぜひわたくしにお任せをー」
茄子「はい、分かりました。その時はお願いしますね」
芳乃「……」ジーッ
茄子「あら? 何か顔についていました?」
芳乃「いえー。そなたから何か良きものを感じましてー」
茄子「あら、分かります? 実は私、とても運がいいんですよ」
芳乃「おおー、そうでしたかー。どおりでー」
茄子「……あっ、もうこんな時間。二人とも、また今度ゆっくりお話ししましょうね」
智香「はいっ☆ お仕事頑張ってくださいっ!」ブンブン
芳乃「さよならでしてー」フリフリ
智香「芳乃ちゃんすごいねっ! 茄子さんが運がいいってどうして分かったのっ?」
芳乃「あの方からはー、わたくしのお友達と同じ匂いがしたのでー」
智香「そうなんだっ! じゃあそのお友達もきっと運がいいんだねっ☆」
芳乃「はいー。大阪の方にいるのですがー、とても足が大きい方でしてー、撫でると運が良くなるなどと言われていますー」
智香「へーっ、そんな凄い人とお友達なんて芳乃ちゃんすごいねっ!」
芳乃「そんなことはないのでしてー。今度、智香さんにも紹介してさしあげませー」
智香「ホントっ? ありがとう芳乃ちゃん、楽しみだよっ☆」
芳乃「みなに幸多きことがわたくしの希望ですからー」
P(ビリケンさん……?)
芳乃「ぶおー♪ぶおおー♪」
P「ほらがいがお気に入りみたいだな」
芳乃「はいー。ですが……意外と、重いのでしてー……」
智香「へーっ、私にも貸してっ☆」
智香「すぅーっ……ぶおおおー!」
P「おお! 迫力があるな!」
芳乃「お見事でしてー」パチパチ
智香「……ふぅっ。あははっ、思ったより音が大きくてびっくりしちゃいました」
芳乃「あんなに重いほらがいを片手で吹くとは凄いのでしてー」
P「音も凄かったなぁ」
智香「んー、やっぱりチアで鍛えてるからだと思いますっ。肺活量も筋肉も必要だからねっ☆」
P「なるほどな。智香が他の娘と比べてレッスンに余裕が見えるのは、そういうことなんだな」
智香「はいっ。バランス感覚を鍛える練習とかもしてましたし、チアで得たものがかなり生きてると思いますっ☆」
芳乃「なるほどー、チアですかー……わたくしもやってみたいのでしてー」
P「えっ」
芳乃「チアというものをやることはアイドルに繋がるのでしょうー? ならばわたくしも新たな1歩を踏み出したいのでしてー」
智香「……芳乃ちゃんっ! うん、やろう! 一緒にチアやろうっ!」
P「……怪我しないようにやるんだぞ」
智香「はいっ!」
智香「じゃあ芳乃ちゃん、簡単な動きだけ教えるねっ! 準備体操から、ここに座って。私が背中を押すから、ゆっくり息を吐きながら背中を曲げていってね!」
芳乃「お願いするのでしてー」
智香「じゃあ行くよっ! 背中を曲げてー」
芳乃「う、う、う、う、うう……」
智香「……ま、曲げてー」
芳乃「うー、うぅ……これ以上は……痛いのでして……」
P(全然曲がってない……)
P(こうして芳乃チアリーディング計画はぽしゃったそうだ)
智香「ねぇ芳乃ちゃん、黒板消しのこと何て言ってたっ?」
芳乃「ラーフル、でしょうかー?」
智香「そうそうっ。あれ、鹿児島だけらしいよっ!」
芳乃「それは初耳でしてー。そうなのですかー」
亜季「ライフルでありますか!?」
芳乃「ラーフルでしてー」
亜季「ライフルでありますね! ライフルとは一般的に小銃を指す言葉であります。そもそも小銃とは兵士が個人で用いるーーー」
光「あっ! 悪の女幹部大和亜季め、また罪のない人々によく分からない講釈をしているな!」
亜季「むっ! 来たのでありますか南条光。今この二人を洗脳するのに忙しいので、邪魔するなであります!」
智香「私達洗脳されてたのっ!?」
光「なんてことを! そんなことアタシがさせないぞっ! とうっ!」
亜季「かかってくるであります!」
亜季光「「キャッキャッ」」
芳乃「仲がよろしいのですねー」
智香「そうだねっ☆」
亜季「ハーッハーッハッ! そんなものでありますか南条光!」
光「くぅっ……このままではあいつに勝てない……女神様、アタシに力をくれっ!」
芳乃「……わたくしでしょうかー?」
光「女神様っ!」
智香(芳乃ちゃんに振っちゃった!? 芳乃ちゃん、どうでるのっ……?)ゴクリ
芳乃「……よいでしょうー、勇者光、貴女に力を授けましてー。はーーーっ」
智香(乗った、芳乃ちゃんが乗った! 棒読み気味だけど!)
光「うおーっ! 力がみなぎってきたっ! 止めてみなっ!」ダッ
亜季「な、なにぃっ! この力は……ぬわーーーっ!」バタリコ
光「悪は滅びた……」ポーズキメ
芳乃「よくやりましてー、勇者光。これからも平和を守るのでしてー」
光「もちろん! アタシはどんな敵にも負けないぜっ!」グッ
芳乃「こうしてー世界の平和は守られるのでしてー」ニッコリ
智香(意外とノリノリだっ!)
こずえ「……」ジーッ
芳乃「……」ニコニコ
P(ずっと見つめあってる……)
こずえ「……」ジーッ
芳乃「……」ニコニコ
こずえ「……こずえとー……みんながー……しあわせでありますようにー」
P(拝みだした!?)
智香「芳乃ちゃんはなんで岡山にいたのっ?」
芳乃「わたくしの力を必要とする人がやってくるような気がしたのでー。困っている人には力を貸しなさい、というのがばばさまのお言葉でしてー」
智香「それがプロデューサーだったんだねっ。でも芳乃ちゃん、そんなことまで分かっちゃうなんて凄いねっ! エスパーみたいっ!」
裕子「エスパーですかっ!? エスパーアイドルユッコにお任せっ!」
芳乃「違うのでしてー」
裕子「でもビビッと来たんですよね!? エスパーですよ!」
芳乃「違うのでしてー」
奈々「ビビッと来たならそれはウサミンパワーです!」
芳乃「違うのでしてー」
P(ウチってほんといろいろいるなぁ……)
芳乃「その通りでしてー」
P「!?」
亜季「それではこれよりCGプロ九州会議を始めます! 私は福岡代表の大和亜季であります!」
真奈美「長崎代表……という体で来たんだが、これは一体何の集まりなんだい?」
蘭子「破壊獣が秘められし地の使者である。今宵の集いにより、九つの力が雌雄を決するのだ(私は熊本代表です! 九州のどの県がナンバーワンか決めるんですよ!)」
智香「えと、九州は7県だよねっ? あっ、鹿児島出身、若林智香ですっ!」
瞳子「私は九州出身の交流会と聞いているのだけど……あぁ、出身は大分よ」
友紀「やっぱり宮崎がナンバーワン! 何せキャッツがキャンプに来るからね!」
小春「佐賀は田舎ですけどぉ、いいところですよ〜。ヒョウくんのお友達がいっぱいいますから〜」
智香「イグアナがっ!?」
真奈美「そうと聞いては黙っている訳にはいかないな。長崎はポルトガル貿易で栄え、鎖国中にもオランダ貿易が行われていた、日本と海外を結ぶ玄関口だ」
亜季「一般的に九州で一番栄えているのは福岡であります!」
ギャーギャーギャー
智香「ああっ、みんな落ち着いてっ! 落ち着いて話し合おうよっ!」
智香(もう収集がつきません、私の話も誰も聞いてくれませんっ! その時でした!)
ぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
〜〜〜〜〜♪(神々しいBGM)
真奈美「あ、あれは……?」
智香(眩しく光る何かが空から舞い降りてきましたのですっ!)
智香「あれは………………芳乃ちゃん!?」
芳乃「みなのものー、争ってはなりませんー。わたくし達は皆、平等の名のもとに生きているのでしてー」
一同「ははっー!」
智香「えぇ……えぇー?」
友紀「〜〜という訳で、やっぱりキャッツがナンバーワンなんだよ! って、あれ?」
芳乃「平等なのでしてー」
友紀「ええ? でもスターのチームは」
芳乃「平等なのでしてー」
友紀「あっはい」
智香(洗脳された!?)
チュンチュン、チュンチュン
ガバッ
智香「……夢かあっ☆」テヘッ
おわり
23:30│モバマス