2014年11月26日

律子「美希には勝てる気がしない」

律子「お疲れ様です、ただいま戻りましたー」



美希「あ、律子、おかえりなさいなのー」



律子「あんたね……何回同じこと言わせるのよ……『さん』をつけなさいって……あら?」





律子「ひょっとして、美希一人?」



美希「そうだよー」



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律子「まぁ確かに他の皆は今日は早めに終わる予定だったしね……というか、あんたもそうじゃなかった?」



美希「うん、でも、律子……さんが帰って来た時に誰もいなかったら寂しいよねって思ったから待ってたの」



律子「……それだけのために?」



美希「? うん」



律子「……まぁ、そう言ってくれるのはちょっと有難いけど」

美希「あ、でもちょっと違うかな、よーっく考えてみたら、それだけじゃなかったの」



律子「何?他にも用事でもあったの?」



美希「最近律子に会えなかったから……律子に会いたくて、待ってたんだよ」



律子「………………そう」



美希「律子、顔赤い」



律子「うるさい」



美希「むぅ、逆ギレってやつなの」

律子「はいはい私が悪かったわ、私も帰る準備するから一緒に帰りましょう」



美希「え、いいの?」



律子「私がお願いしたわけではないけど散々待ってくれたからね、それくらいはいいわよ」



美希「やったー!美希もすぐ準備するね!」



律子「そんなに慌てないでいいわよ、また待たせることになっちゃうから……」

律子「って全然聞いてないし……」



律子「しかし、まぁ嬉しそうな顔しちゃって……美希ったら」



美希「あ!律子今すっごいニコニコしてた!何か嬉しいことでもあったの!?」



律子「うるさいこっち見るな」



美希「何で!?」



……



美希「〜♪」



律子「嬉しそうね」



美希「律子さんと会うのも久しぶりだし、こうやって帰るのはもっと久しぶりだもん」



律子「そうね、お互い昔より仕事が増えたし、最近特に忙しかったものね」

律子「……っと、戸締まりもしたし、それじゃ帰りますか」



美希「うん!」



律子「……何、その手は」



美希「?」



律子「いや不思議そうにされても」



美希「……」

律子「……わかったわよ、はい……って、何で恋人繋ぎにするのよ!」



美希「律子さん、また顔赤い」



律子「うるっさい!」



美希「ねえ、ミキと手を繋ぐのは、嫌?」



律子「……嫌では、ないけど」



美希「そっか、良かった」

律子「……あんた、本当ずるい」



美希「? 何か言った?」



律子「何も」



美希「変な律子さん」



……



律子「ちょっと待って」



美希「今度はどうしたの?」



律子「美希が我先に歩き出すから引っ張られるような形になってたけど、美希の家の方向じゃないじゃない」



美希「そうだよ?」



律子「ていうか、私の家の方よね」

美希「? だから、そうだよ?」



美希「だってミキ、今日は律子さんの家にお泊まりするんだもん」



律子「なにそれ私聞いてない」



美希「あれ?言ってなかった?」



律子「美希は言ってないし私は聞いてない」



美希「じゃあ今言ったから、早く行こ?」

律子「いやあのね、美希。美希はまだ中学生なんだからご家族の了承なく……」



美希「律子さんなら安心だーって言ってたの」



律子「ああもう許可はとってあるのね……えらいわね、美希……」



美希「えへへ〜、律子さんに誉められちゃったの〜」

律子「…………」



美希「……ごめんなさい、駄目だった?」



律子「まぁ、いいわよ別に。とは言ってもこの時間だと、帰って寝るだけになっちゃうだろうけど」



美希「うん!ありがとう律子さん!」



律子「……何でいちいちそんなに嬉しそうな顔するかなこの子は」



……



律子「はい、急に来るもんだから散らかって……って、何?どうしたの?」



美希「いや、律子さんの匂いがするなーって」



律子「は!?」



美希「あう、違うの。臭いとかじゃなくて、律子さんのいい匂いがするなーって」

律子「そういう問題じゃない!」



美希「律子……もう遅い時間なんだから、大きい声出したらお隣さんにめーわくなの」



律子「誰のせいだと思って……あ、ちょっと!」



美希「お邪魔しますなの」



律子「くっ、何て自由な……」



美希「千早さんの真似?」

律子「ああもう勝手にして……」



美希「言われなくてもするよ、あっ」



律子「? 美希、電気もつけずに何ぼーっとしてるのよ」



美希「…………」



律子「何ぼーっと………… !?」

美希「あ、かわいかったのに」



律子「何じーっと人の下着眺めてるのよ!」



美希「いや、律子随分かわいいの着けてるんだなーって」



美希「それにやっぱり胸おっきいの」



律子「感想を述べなくていい!」



美希「誉めてるのに」



……



美希「律子、随分疲れた顔してるね、大丈夫?」



律子「……心配してくれてありがとう」



美希「だって、律子は真面目すぎるんだもん」



律子「……」

美希「律子は真面目すぎて手が抜けないから、いっつもすごい頑張ってて、あ、でもそれは律子のいいとこなんだけど」



律子「……うん」



美希「でもミキからしたら心配だよ。律子は765プロのために皆のためにーって言うけど、律子は律子のことは忘れてるんだもん」



美希「ミキは、お仕事より律子の方が大事」



律子「……そんなこと言ってたら、他のアイドルに出番とられてキラキラできなくなっちゃうわよ」



美希「それは嫌だけど……でも、律子に何かあったらもっと嫌」

律子「あー……美希に心配されるくらい私余裕なかったかー」



美希「むっ、律子さんちょっとそれはひどいの。ミキは確かに律子さんより年下だしおバカだけどミキなりに……きゃっ」



律子「……」



美希「り、律子、さん?急にどうしたの?」



律子「ごめん美希、ちょっとだけこのままでいていい?」



美希「……うん、ぎゅーってして、ナデナデしてあげる」

律子「うん、嬉しい」



美希「律子だって、たまにはそうやって素直に甘えればいいの」



律子「うん、ありがと」



美希「ミキがおバカでも、こうやって律子のこと甘えさせるくらいはできるんだからね」



律子「そういうこと言わないの」

美希「んー?何が?」



律子「美希は、私が誰かに馬鹿にされてたらどう思う?」



美希「……やだ、その人に文句言ってやるの」



律子「それと同じことよ、私は、美希が悪く言われたりするのは嫌なの」



律子「だから美希も、自分のことを馬鹿だなんて言わないで」

美希「…………ありがと」



律子「美希、今顔真っ赤でしょ?」



美希「うっさいの」



律子「ドキドキしてるの、わかるわよ」



美希「律子しつこい」

律子「さっきのお返しよ」



美希「むむむ……」



律子(多分私の方がもっと顔赤いだろうけど、それは言わない)



美希「……律子、あったかいね」



律子「美希もね」



……



律子「あーすっごい落ち着いた」



美希「ん、もういいの?」



律子「ありがとう、充分よ」



美希「甘える律子、かわいかったからもっと甘えてても良かったのに」

律子「……他の皆には言わないでよ」



美希「んー、どーしよっかなー」



律子「ちょっと」



美希「嘘、言わないよ」



美希「しっかりしてる律子は皆のものだけど、甘えん坊な律子はミキのだもん」



美希「だから、他の人には教えてあげない」

律子「……あーっ!もう!」



美希「な、なに?ミキ変なこと言った?ってうわっ、また?」



美希「本当に律子は、甘えん坊さんだね」



律子(あーもう、あーもう本当にこの子は……!)

美希「〜♪」



律子(あ、私の歌)



美希「〜♪」



律子(歌詞はちゃんとは覚えてないんだろうな、それも美希らしいけど)

美希「〜♪」



律子(……ねぇ、美希、直接聞いたりしないけど)



美希「〜♪」



律子(私の眼鏡……じゃないんだけど、いちいちあんたに口うるさいばっかりの私のこと、さ……)



律子(好き?嫌い?)

美希「…………大好き」



美希「あはっ、顔、上げてくれたね」



美希「律子、今ね、今まで見たことないようなすっごい顔してるよ?」



美希「やっぱり、こんな律子、他の人には教えてあげられないな〜」



律子(駄目だ……美希には一生勝てる気がしない)



おわり



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