2014年12月01日
川島瑞樹「もしもし?お母さん?」
モバマスの川島さんSSですん
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416578700
川島瑞樹「お母さん?またお見合いの写真送ってきて、もう送らないでって言ったでしょ?」
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川島瑞樹「お母さん?またお見合いの写真送ってきて、もう送らないでって言ったでしょ?」
『送るな言うたってアンタいい年してはよ結婚しいや』
瑞樹「あのね、今のお仕事じゃ結婚はタブーなのよ?こないだも言ったじゃない」
『あんた、テレビ局辞めてアイドルなんかやっとる場合ちゃうで?』
瑞樹「私の自由にさせてよ まったく」
『標準語しゃべるようになって母さん悲しいわ はよ結婚してコッチ戻ってきいな』
瑞樹「だから私の自由でしょ?もういい?電話切るわよ?」
『話聞いとるn』ガチャッ!
瑞樹「はぁー」
瑞樹(ここのところの母親とのいつもの電話)
瑞樹(頼んでもないのにお見合いの写真を送りつけては早く結婚しろと言ってくる)
瑞樹(そう言われる年齢になってしまったとはわかってはいるが、いつも母親とはこんな電話ばかりしている)
瑞樹「結婚言うてもなぁ...」
瑞樹(アナウンサー時代から身についた標準語ではなく、関西弁でつぶやく)
瑞樹「Pくん...か...」
瑞樹(ふと出てくるあの人の名前)
瑞樹(あの人、アナウンサーだった私をスカウトしてアイドルに誘ってくれたあの人)
瑞樹(今思い出すと、あの時の彼の言葉はまるでプロポーズみたいだったと思い出す)
瑞樹「でも、アイドルとプロデューサーってのは...」
瑞樹(口でそう言うも、それはほとんど形だけだとわかっている)
瑞樹(事務所でも上の年齢層ということもあり、年下のアイドル達から相談を受けることも多い)
瑞樹(彼女たちの事は後輩や同僚というより、妹のように思っている)
瑞樹(彼女たちの相談は様々だが、やはりお年頃の女の子だからか、恋愛の相談も多い)
瑞樹(そして、彼女たちの恋愛対象に挙げられる事が多いのがプロデューサー達)
瑞樹(四六時中仕事で一緒にいるし、仕事での信頼関係も築いている)
瑞樹(それが恋愛感情に変わることだって不思議ではない)
瑞樹(小学生や中学生の子のような憧れに似た感情から、それより年上の子たちの本気の恋愛感情まで様々)
瑞樹(そんな彼女たちからの相談を受ける)
瑞樹(彼女たちが想いを打ち明けるいい相談役になってるようだ)
瑞樹「だからってねぇ...」
瑞樹(もちろん中にはこっそりとではあるが自分の担当プロデューサーと付き合ってる子がいる事だって知ってる)
瑞樹(と、いうより彼女たちからそれを打ち明けられた上で相談された事だってある)
瑞樹(自由恋愛はなにも犯罪なんかじゃないし、私としてはむしろ応援してあげたいぐらいの気持ちだったりする)
瑞樹(それは事務所の事務員であるちひろさんも同じようで、彼女たちにアドバイスをしたり、時には世間にバレないように忠告したりしてる)
瑞樹(彼女らのプロデューサーもそこはわきまえてるようで、表沙汰になった事は今のところ無い)
瑞樹(時々彼女たちの積極的な所が羨ましくなる)
瑞樹(年齢を重ねるとどうしても慎重になってしまうからなのか)
瑞樹「はぁ...私だって...」
瑞樹(好きな人と幸せになりたい、と心の中で続ける)
ヴーヴー
瑞樹(ふと手元に置いた携帯電話が鳴る)
瑞樹(発信元の名前は...)
つづけます
モバP「で?酔いつぶれた川島さんを送ってけと?」
三船美優「その、すいません 抑えようと思ったんですけど...」
P「まぁ、川島さんがお酒のみ出したら止まらないことは知ってますから怒りませんけど」
P「ただ、あそこで酔いつぶれてる和久井さんはどう説明したらいいんですか?」
美優「あの、その、留美さんも瑞樹さんの飲むペースを抑えようとしたんです」
美優「ですけど、すっかり瑞樹さんのペースに飲み込まれたようで」
P「で、留美さんまで潰されたと」
美優「そうなんです…」
P「わかりました それじゃあ送ってきますよ」
美優「あのっ…留美さんは私が送ってきますから、Pさんは瑞樹さんを送っていってあげてください」
P「美優さんに迷惑はかけられませんよ」
美優「いえ、留美さんなら家も近いですし、私もPさんにご迷惑はかけられませんから」
P「そういうなら、すみませんがお願いします」
美優「わかりました…その…Pさん」
P「はい?」
美優「瑞樹さん、色々悩んでたみたいなんで、相談にのってあげてください」
P「何を悩んでたんですか?」
美優「それはその…本人から聞いたほうがいいと思います」
P(ようやく目が覚めた留美さんを連れて、美優さんは帰っていった)
P(それにしても瑞樹さんの悩みって何だったんだろ?)
P(すっかり眠ってしまっている瑞樹さんを車まで運び、家へ向かう)
瑞樹「うぅん…Pくん…」
P「にしても、普段しっかりしてる瑞樹さんがここまで酔うとは」
P「美優さんが言ってたけど、その悩みのせいなのかな」
P(瑞樹さんとは随分と長い仲だ)
P(普段からアイドル活動以外にもいろいろと世話になっている)
P(基がアナウンサーということもあり、芸能活動の基礎がしっかり出来てた瑞樹さんには、他のアイドルのレッスンにも付き合ってもらってる)
P(彼女たちにとってはいい手本になっているのではないかと思う)
P(本人の活動も、女優やナレーターなど、単純な歌手活動以外にも手を広げていて、まさに事務所の稼ぎ頭と言える)
P(最近は本人のセルフプロデュースに任せていて中々仕事に関われないことが多かったが)
P「悩んでるって…気付いてあげられなかったな…」
P「相談に乗ってあげたいけど…」
P(そんな事を思ってるうちに瑞樹さんの家につく)
P「よっこらせっと…」
P(瑞樹さんを背負って部屋まで運ぶ)
P「鍵出しますからね」
P(かばんの中から鍵を出して部屋に入る)
P(家事が趣味とのことだけあって部屋の中は綺麗だ)
P(ソファーの上に瑞樹さんを下ろす)
P「それじゃあ瑞樹さん、帰りますからね」
P(と、声をかけたものの、なんだか気になってソファーのそばに座る)
P(何気なく彼女の前髪をかきあげ、頭を撫でる)
P(その時)
瑞樹「あれ?…Pくん?」
P(瑞樹さんが目を覚ました)
P「起きましたか?酔って潰れてましたよ?」
瑞樹「ホント?…ごめんなさいPくん 迷惑かけちゃって」
P「別にそれぐらいどうってことないですって」
瑞樹「でも…」
P「あの、瑞樹さん?…」
P「悩んでることがあったらなんでも相談してください」
P「瑞樹さんのためだったら話にのりますから」
瑞樹「いいえ…そんな…」
P「…あの、美優さんから聞きました なんか悩んでるようだって」
P「だから、遠慮なんてしないでください」
瑞樹「そう…美優がそんなことを…」
P「最近は一緒にいれなくて気づいてあげれませんでした…すいません」
瑞樹「そんな、Pくんは謝らなくても…」
P(瑞樹さんは少し躊躇ったあと口を開いた)
瑞樹「あの…そのね?…」
瑞樹(その後私はPくんに今日の電話について打ち明けた)
瑞樹(私がPくんの事をどう思ってるかまでは口に出せなかったが)
瑞樹(Pくんは難しそうな顔をして少し考え込んだあと口を開いた)
P「瑞樹さん、プロデューサーとして言わせてもらうと、瑞樹さんの恋愛に口を出すつもりはありません」
P「十分一人の女性として認めてますし、問題なら自分がなんとかします」
P「瑞樹さんは瑞樹さんのままでいて欲しいですし」
瑞樹(Pくんは少し恥ずかしそうな顔をしながら続ける)
P「悩んでる瑞樹さんは、自分の好きな溌剌とした瑞樹さんじゃありませんし」
瑞樹(Pくんにそう言われた瞬間、私の中にせき止められていた想いが溢れ出した)
瑞樹(気づいたら、Pくんの事を抱き寄せていた)
P「ちょっと?!瑞樹さん?」
瑞樹(Pくんの驚いた顔をすぐ間近に感じる)
瑞樹「じゃあ、アイドルとプロデューサーとの恋愛も認めてくれる?」
瑞樹「Pくんと私とでも認めてくれる?」
瑞樹「君のことが、Pくんのことが好きなのっ!」
瑞樹(言ってしまった)
瑞樹(Pくんに拒まれてしまったら今までのすべてが終わってしまう)
瑞樹(口に出してからそう感じた)
瑞樹(でも、止められなかった)
瑞樹(時間が長く感じる)
瑞樹(ダメだったら、もう母親の言うとおり地元に帰って暮らそう)
瑞樹(そんな思いがふと…)
P「結婚しましょう」
瑞樹「え?」
瑞樹(頭の中がうまく噛み合わない)
瑞樹(Pくんは何を言ってるの?)
P「結婚しましょう」
P(瑞樹さんからの突然の告白)
P(真っ白になった頭の中から出てきた言葉に自分も驚いた)
P(目の前には同じく驚いた瑞樹さんの顔)
P(その顔を見てようやく自分が放った言葉と、その重大さに気づいた)
P「あっ!あのっ!結婚を前提にお付き合いしましょうっ!」
P(ようやく整理できた頭の中から次の言葉が絞り出させる)
P(また二人して顔を見合わせる)
瑞樹「ぷっ!」
P「ははは…」
P(どちらからともなく笑い出す二人)
瑞樹「もう、Pくんったら 焦りすぎよ」
P「この状況で落ち着くのが無理ですよ それに、瑞樹さんだって」
瑞樹「しょうがないでしょ?」
P「全くもう」
P(そしてもう一度瑞樹さんを抱きしめた)
一年後
P「はい、CGプロです はいっお世話になっております。」
P(自分は相変わらずアイドルプロデューサーを続けていた)
P(ひとつ変わったことといえば)
ガチャ
瑞樹「戻ったわよー」
P「おかえりなさい」
ちひろ「社長、お疲れ様です」
P(今は瑞樹さんがこのプロダクションの社長兼プロデューサーをやってることだ)
P(あの日のあと社長に交際を認めてくれるよう頭を下げに行った)
P(が、意外にも社長は交際をあっさり認めてくれた)
P(あっという間に瑞樹さんは芸能活動から引退)
P(プロダクションのみんなに囲まれながらの結婚式を経て二人は夫婦になった)
P(これで二人で暮らせると思った矢先)
P(社長がいきなり瑞樹に社長を任せたいといいだした)
P(なんでも、自分は社長から会長になって、世界に自分のところのアイドルを売り出す旅に出たいそうで)
P(いろいろ迷惑かけたこともあり渋々了解したのだが)
瑞樹「Pくん?今度のオーストラリアツアーの資料まとめた?」
P「えっ?!何その話」
瑞樹「こないだのイタリアツアーが好評だったから会長が仕事とってきたって言ったじゃない」
P「何それ聞いてない」
瑞樹「昨日現地から電話があったわよ?ほら急いで急いで」
P(もともと芸能界に人脈のあった瑞樹は今は我がプロダクションのやり手社長になっている)
瑞樹「それとさっき会長から、ラスベガスツアーのDVD出すのが決まったってアメリカから電話があったわよ」
P「待て、昨日はオーストラリアに居たって言ってたよね」
留美P,美優P「(・∀・)ニヤニヤ」
P「お前ら、俺の結婚式で留美さんと美優さんが二人でブーケ獲ってニンマリしてたのは知ってるんだからな!」
ちひろ「ほら、Pさん、仕事ですよ仕事」
P「へいへーい」
瑞樹「それが片付いたら今夜は、ね? わかるわよね?」
P「頑張らせていただきますとも ってお前らニヤニヤしてんじゃねぇよ」
P(奥様は元アイドルで今はやり手社長ですが)
P(それでも毎日幸せに生きてます、たぶん)
瑞樹「ほら、ファイトよあなたっ!」
おわり
23:30│川島瑞樹