2014年12月08日

あずさ「 駅 」




とある駅のホーム。







あずさ「やっと着いた……」ふぅ…





あずさ(もうっ夕方には止むって言ってたのに……)



あずさ(ホントに天気予報ってアテにならないのねっ)





あずさ(まっいっかな…もう止みそうだし、今日はもうお仕事ないから…早く事務所に帰っt―――――)







あずさ「えっ!?」ドキッ―――







あずさ(あのレインコート…あれは昔、私があの人に…………)





?「………………………」



スタスタ――――





 



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あずさ(それにあの速足の歩き方……もしかして―――――)トクン…トクン……



あずさ(ううん間違いない…あの人は―――――――――)







あずさ(私が…昔…愛していた人―――――――)







あずさ(あのレインコート…まだ着てくれていたんだ…………)





あずさ「あっプッ――――――――――」さっ



ぐぐっ…



あずさ(…………ダメ…懐かしいと思う。そのたった一歩の手前で―――――)





あずさ(あの時の苦い思い出が―――――――――)





 





あの時―――――





?『あずささん…俺と別れて下さい―――――』



あずさ『……えっ!?』



あずさ『………プロデューサーさん……いきなりどうして……どうしてなんですか……』



P『……少し前なんですが、あるタレント事務所から、ウチでやらないか?ってお誘いを受けましてね』



P『それで、もし元事務所の所属タレントのあなたと関係を持っていた。なんて事が先方にバレてしまったらコトですから』



あずさ『そんな――――それでしたら私はアイドルなんて辞めて――――――』



P『そんな事をしても無駄ですよ。これから売り出していく商品(アイドル)にイキナリ辞められたら、それこそ誰も得になる事はないですから』



あずさ『―――――――!!』



P『それに…これからアイドルとして歌手として女優として羽ばたき、そして必ず大きく羽ばたいていくだろう、三浦 あずさなら尚更ですよ―――

―――』



あずさ『そんな――――――』



P『ですから。あなたには…俺の置き土産として、これから売れていって貰わないと困るんですよ。事務所的にも…もちろん俺的にも』



あずさ『プロデューサーさん……」





P『では。成功を祈って。ここでさよならです―――――――』



スタスタ





あずさ『あっ待って――――プロd―――――』





――――



あずさ『――――――どうして…どうしてイキナリ…こんな事って……こんな事って――――――』



あずさ『ああっ……ああ…ああああああ―――――――――』







 





――――――





あずさ(そう――――――)



あずさ(あの時の事を思い出させて……)



あずさ(心も想いも締め付けられて―――――)



あずさ(あなたに掛ける言葉を…見付からなくさせる―――――――)





あずさ(あなたががいなくてもこうして……)



あずさ(私が元気にやっている事を―――――)





あずさ(さりげなく笑顔で伝えたい…ただ、それだけの事なのに―――――――)





 











――――――……電車が到着します――――――白線の内側に―――――――







あずさ(あなたと別れてから二年――――――)



あずさ(私は変わる為に長かった髪を切った――――――)





あずさ(そして私を見詰めていてくれた、あなたのその眼差しは……)



あずさ(もう…私に向けられる事はない――――――)





あずさ(それがあなたの…答え……だから―――――――)





あずさ(私とあなたはこれから―――――)



あずさ(それぞれに待っている人のもとへ戻っていく……)





あずさ(あなたは私になんか気付こうともしないで――――――)







あずさ(あなたの…その一つの方しか見ようとしない視線は、あなたの私に向けていた一方的な想いと同じみたい――――)







 







ガタン…ゴトン……





電車内。





P「…………………………」







あずさ(……ここなら隣の車両からでも…あの人の顔がよく見える――――――)



あずさ(――――って…とっくに終わった事なのに、私ったら一体…何をしてるんだか…………)



あずさ(…………でも――――――)



あずさ(あの人の俯いてる横顔を見ていると……)



じわ…





あずさ(どうしてなの……どうしても…涙が溢れてきそうになる―――――――)







 





あずさ(私は…運命の人を探す為に、この世界に飛び込んだ……)



あずさ(そして見付けたと思った…私の運命の人を―――――)





あずさ(私にはもう…この人しかいないって思っていた)



あずさ(でも…それは私の勝手な思い込みだった)





あずさ(だからあの時は…あなたを憎み恨み…止まない雨の様に泣き腫らして…哀しみに打ちひしがれた……)





あずさ(だからあの時の私は――――)





あずさ(私だけがあなたを愛していたのだと思っていた――――――)





あずさ(でも――――――)





あずさ(今になって…今の私だからこそ、初めてわかるの…痛い程に……)



あずさ(あなたが私にどうして、あの時…別れを告げたのかも――――――)







あずさ(あなたが―――――――私だけ愛していた事も―――――――)







 







――――――――……駅に到着します――――







あずさ(あっ…立ち上がった…そう…この駅で降りるのね……私と一駅違いのこの駅で……)





あずさ(たった一駅なのに…………こんなにも遠く感じるなんて……)





あずさ(そう…決して手の届かない、一駅分の距離――――――)





あずさ(あなたが望んだ…もう決して交わる事の無い、私との距離とあなたが選んだ選択―――――)





あずさ(でも…どうしてなの……)





あずさ(ラッシュの人波にのまれて…私の視界から消えていくあなたの後ろ姿が……その背中が――――)







あずさ(私の瞳に…やけに哀しげに見えて……私の心を締め付け刻まれるかの様に…心に残るんです――――――)







 







――――――ドアが開きます―――――







あずさ(あっ降りないと――――――)









改札口。





あずさ「…………………………」







あずさ(この改札口を出る頃には・……)





あずさ(もう…雨も止みそうなこの街に――――――)





あずさ(またいつもと同じ…私とあのヒト…いつもと変わらない…それぞれのありふれた夜がやってくるのね――――――)









 







あずさ(プロデューサーさん……知っていますか?)





あずさ(あれから私はアイドルとして…芸能人として頑張っています―――――)







あずさ(だからもう……私は大丈夫です)









あずさ(そう…あなたがいなくても―――――――)









あずさ(でもね…プロデューサーさん……)





あずさ(それでも…それでも私は……)











あずさ(今でも――――――――――――)











 

おしまい。





 



21:30│三浦あずさ 
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