2015年01月16日

モバP「メタモルフォーゼ」






―事務所―









P「話はわかりました」



ちひろ「さっすがプロデューサーさん!理解が早くて助かります!」



P「ですが承諾しかねます」



ちひろ「どうしてですか!プロデューサーさんにとっても悪い話じゃないでしょう?」



P「良い悪いの話じゃなくてですね、どうして男の俺がアイドル達みたいにメイクを

  しなくちゃいけないんですか」







SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420942501







ちひろ「芸能界なら珍しい話じゃないでしょう?テレビに出る人はいかつい顔をした

    おじさんでも専属のメイクさんにお化粧してもらってるんですよ」



P「いや、芸能人はテレビ映りもありますからある程度はメイクの必要性もあるのは

  わかりますけど、裏方の人間の俺がメイクをしても……」



ちひろ「アニメに登場する限りはプロデューサーさんも芸能界の人間と同じです!

    第一プロデューサーさんのキャラによって武内俊輔君(17歳)の今後の

    声優生命が大きく左右されるんですよ!」



P「メタな発言をしないで下さい。そりゃ俺だって若い新人声優さんを応援したい

  気持ちはありますが、でもなあ……」















ちひろ「つべこべ言わない!もうプロデューサーさん専属のメイクさんもドアの

    向こうでスタンバイしてるんです!サクサク進めますよ!」







P「いつの間に呼んだんですか。男性専門のメイクさんなんて業界でも少ないし、

  なかなかつかまらないのに……」















雪菜「おはようございまぁ〜す♪」ガチャ







P「雪菜か。お前男のメイクなんて出来るのか?」



雪菜「やったことはないですけど、Pさんなら出来るかな〜って♪」



P「『出来るかな〜』ってなあ……」

















ちひろ「プロデューサーさんも知らないメイクさんにお化粧してもらうより、

    雪菜ちゃんにしてもらった方がいいでしょう?それに雪菜ちゃんの

    メイクの腕は本職のメイクさんも太鼓判を押してます!」



雪菜「自分のメイクは自分でやってますから♪ 最近は一緒にお仕事に入った子の

   メイクもお手伝いさせてもらってるんですよぉ」



ちひろ「雪菜ちゃんオフなのにわざわざ来てくれたんですよ。可愛いアイドルの

    心遣いを無駄にしない為にもやってもらったらどうですか?」



P「それじゃあ試しにお願いするか。お手柔らかに頼むぞ」



雪菜「は〜い。それじゃあメイク室に準備してますからどうぞ〜♪」

















―メイク室―







沙理奈「あ、来た来た。やっほプロデューサー♪」



櫂「こんなに沢山の道具使うの?あたし10分の1も持ってないなあ……」



P「沙理奈?櫂?どうしてお前達までいるんだ?」



雪菜「私1人でメイクしたらどうしても私の好みになっちゃいますから、2人にも

   アドバイスをもらおうと思いましてぇ」

















沙理奈「プロデューサーメイクするんだって?オトコの流行もバッチリ調べてる

    アタシが女の子にモテるカオにしてあ・げ・る♪」



櫂「あたしは雪菜と沙理奈さんほどメイクとか詳しくないけど、逆に詳しくない

  女の意見も聞きたいって言われちゃってさ。まあ見てて面白そうだし、一応

  手伝わせてもらうよ」



雪菜「頼もしいですぅ。ふたりともよろしくお願いしますね〜♪」



P「沙理奈がアドバイザーって不安になってきたぞ。俺はもう若くないんだから、

  渋谷とかにうろついてるチャラ男みたいにしてくれるなよ?」













沙理奈「あはは、それも面白そうだけど、アタシのプロデューサーがそんなダサい

    オトコだったらイヤだからマジメにやるって。今回のメイクはアタシ達の

    イメージにも関わってくるんだからね!」



P「お、おうそうか……」



P(意外と真面目に考えてくれているんだな……)



櫂「あたしは体がガッシリした人がタイプだから、今のプロデューサーのままでも

  いいけどな。プロデューサー脱いだらスゴいし」



P「待て櫂、その言い方は色々と誤解を招く」



櫂「?」













沙理奈「櫂どうしてハダカのプロデューサー知ってるの?やらしー♪」ニヤニヤ



櫂「そ、そういう話じゃなくて!こ、この前仕事で海に行った時プロデューサーと

  一緒に泳いだからで……」カアア



雪菜「Pさんいつもスーツなのに泳いだんですか?」



沙理奈「だよねえ?アタシもスーツじゃないプロデューサー見た事ないけど?」



P「文香が沖に流されたから助けに飛び込んだんだよ。スーツが乾くまで久々に海で

  遊ぶかって話になって、海の家で海パン買って泳いだんだ」











櫂「そ、そういうこと!そういうことだから!わかった?」



沙理奈「プロデューサー、櫂をオトすならスーツ脱げばいいよ。櫂は元水泳部だから

    ハダカのプロデューサーにコーフンするみたい♪」



櫂「ち、ちちちち違うから!そんなんじゃないから!」アタフタ



P「いいからさっさと始めてくれないか?雪菜頼む」



雪菜「はぁ〜い、それじゃあ始めまぁ〜す」

















―――







雪菜「ええと、Pさんの外見的な特徴はぁ……」



沙理奈「確か目元は穂乃香ちゃんが持ってるブサイクなぬいぐるみに似てるのよね?

    じゃああのブサイクに合わせたメイクをしなくちゃね」



P「おい待て、そこは変えて欲しいんだが。どうして俺の方があのブサイクに合わせ

  ないといけないんだ?」



雪菜「大丈夫ですよぉ。全体のバランスはちゃんと考えますから♪」



沙理奈「ブサイクって言ってもほどほどにブサイクだし、そんなに気にしなくても

    大丈夫だって。あんまりキラキラした目にしてもヘンだしねえ?」















P「いや、このメイクは俺のイメージをアップする為にするんだろ?あのブサイクに

  合わせたらむしろイメージダウンじゃないか」



櫂「いいんじゃない?あたしのスカウトに来た時はてっきり水着マニアの盗撮犯か

  変質者だと思ったし、それよりはマシでしょ」



P「確かにそんなこともあったが、はっきり言われると泣くぞ?」



雪菜「Pさん、それに今はあまりメイクで顔を変えるわけにはいけないんですよぉ」



P「変えられない?どうしてだ?」













雪菜「今のイベント、誰が出てるか知ってますよねぇ?」



P「もちろん知ってるぞ。拓海と清良さんとフリルドの4人だ。それがどうした?」



沙理奈「フリルドには穂乃香がいるわよね。プロデューサーの顔が急に変わったら、

    あのブサイクが大好きな穂乃香がショックを受けちゃうかも」



櫂「あ〜、それはよくないな。穂乃香はブサイクをプロデューサーに重ねて仕事の

  モチベーションにしてるところがあるから、プロデューサーの顔が変わったら

  仕事に悪影響が出るかもな」



P「いや、その理屈はおかしくないか?俺はその為だけにあのブサイクと同じ顔に

  ならないといけないのか?穂乃香もそんなに弱い子じゃないぞ」













雪菜「Pさん、女の子は繊細なんですよぉ?男の人にはわからないでしょうけど、

   ちょっとくらいの疲れや不安ならメイクで隠せちゃうんですから」



沙理奈「そうよプロデューサー。目の下のクマを消すくらい、今時小学生のコでも

    フツーに出来るんだからね?」



P「まあ確かに俺も時々見抜けないことがあるが、でも穂乃香に限って……」



櫂「ああいう真面目なアスリートタイプが一番危険でしょ。出来ないなんて簡単に

  口にしないし、自分の体をいじめてでも練習に打ち込むところがあるんだから。

  あたしも現役の時はそうだったからわかるよ」



P「以前よりはだいぶ柔らかくなったが、元は自分に厳しいバレリーナだったな……

  フリルドでは初の大舞台だし、念には念を入れた方がいいか」













雪菜「目元はブサイクになっても、ちゃんとカッコよくメイクしてあげますから♪

   今日は家中のメイク道具と化粧品かき集めて来たんですから、どんな顔でも

   作れますよぉ♪」



沙理奈「765のプロデューサーがさわやかな好青年ってカンジだから、ウチは逆に

    陰のあるダンディー路線で行きましょうよ。ウチは765よりお姉さんの

    アイドルが多いんだから、落ち着いたオトナの雰囲気が欲しいわ」



櫂「あんまり根暗なのはイヤだな。質実剛健っていうか、一見物静かだけど仕事は

  頼りになる男らしい雰囲気があればいいよ。それから出来れば色白よりは日に

  焼けた感じがたくましいというか……」













沙理奈「もう櫂ったら、またハダカのプロデューサー想像してる〜♪」



櫂「ち、ちちち違うから!そんなんじゃないから!色白のスイマーより日焼けした

  スイマーの方がカッコいいでしょ!」



P「もう好きにしてくれ……」

















***







―2時間後―







雪菜「完成〜♪」



武内P「……」



沙理奈「う、う〜ん、イメージ通りだけど……」



武内P「……おい」



櫂「もしあの時プロデューサーがこの顔だったら、絶対スカウト受けなかったよ……」



武内P「誰だこの陰気な怪しい野郎は」 ← 鏡















雪菜「Pさんですよぉ♪ イメージ通りばっちりですぅ♪」



武内P「今すぐやり直せ。この顔でアイドルのプロデュースが出来るとは思えない」



雪菜「え〜!どうしてですかぁ?」



武内P「おかしいだろ!これじゃメイクアップどころかメイクダウンだ!俺の悪い

    部分がメイクでより際立ってるじゃないか!」



沙理奈「でも見方によってはイケてるかも。キケンな香りがするワイルド系?」



櫂「目つきはアレだけど、一応守ってはくれそうだね。765のプロデューサーより

  強そうというか、隣にいてくれると他の男が寄って来ないと思うよ」













武内P「とにかくこの顔はダメだ。これじゃ小さい子達に泣かれてしまう。元々体が

    大きくて怖がられやすいから、必死で努力して優しいプロデューサーとして

    振る舞っていたのに」



雪菜「じゃあ小さい子に見てもらいます?事務所に行ったら1人くらいはいると

   思いますから、適当に連れてきますよ」



武内P「ちょ、ちょっと待て!来る子によっては泣いてしまうかもしれない!最悪の

    場合事務所を辞められるかも……」













雪菜「大丈夫ですよお、ちょっとメイクで強調しましたけど、ベースはPさんの顔の

   ままなんですから受け入れてくれますって♪」



武内P「それはそれでショックなんだが…… 俺って元々こんな顔なのか?」



櫂「プロデューサーって意外とナルシストなんだ」



沙理奈「普段から沢山のアイドルに囲まれているんだから、モテるって勘違いしても

    おかしくないわね。アタシは自信があるオトコの方が好きだけど♪」



雪菜「じゃあ小さい子を連れてきますから、待っててくださいねぇ〜♪」

















―――







こずえ「ふわぁ……」



武P「……」



こずえ「ぷろでゅーさー、つかれたのー?」



武P「ああ、もう精神的にくたくただよ……」



雪菜「よかったですねえPさん、こずえちゃんは怖がってませんよ」



櫂「こずえちゃんが小さい子達の参考になるかどうかいまいちわからないけどね。

  元々ちょっと変わった子だし……」

















こずえ「こずえ、みんなとおなじじゃないのー?」



櫂「いやいや!そんなことないよ!こずえちゃんは普通の女の子だから!」アタフタ



沙理奈(千枝だったら泣いてたかしら)



武P「疲れてる時の俺ってこんな顔なのか。気をつけないといけないな……」



こずえ「だいじょうぶ、ぷろでゅーさー?」ナデナデ



武P「ああ、大丈夫だよこずえ。心配してくれてありがとな」











雪菜「こずえちゃんにも認められましたし、もう大丈夫ですよPさん。この子も

   カッコいいって言ってます♪」サッ ←雪菜の人形



武P(そういえば雪菜はあのラ○やんのデーボみたいな人形がお気に入りだったな。

   穂乃香と同じで、雪菜の美的感覚も独特なのかもしれん)



こずえ「ぷろでゅーさー、こずえおなかがすいたのー」



武P「そうか。それじゃちひろさんにおやつを出してもらおう。俺もそろそろ仕事に

   戻らないといけないし、一緒に行こうか」













沙理奈「プロデューサー、寡黙な感じでね。陰のあるオトナのオトコってのが今回の

    メイクのテーマなんだからね?」



櫂「雰囲気が大事だから、余計なお喋りとかしちゃダメだよ?」



雪菜「頑張ってくださいね〜♪」



武P「勘弁してくれ……」

















***







ちひろ「そろそろプロデューサーさんのメイクも終わったでしょうか?どんな風に

    変身したか楽しみですね」



ちひろ「やっぱりアニメ化の為にはイメージが大事ですから、765の赤羽根さん

    みたいにさわやかな感じになってるでしょうか。ああいう感じだったら

    推しに弱そうですし、ドリンクいっぱい買ってくれるかも」ニヤリ



ちひろ「ああ楽しみだなあ〜♪ 早く来ないかなあ〜♪」



武内P「戻りました」ガチャ



ちひろ「ひぃっ!? 」ビクッ!!















武内P「ちひろさん、防犯ブザーを構えるのはやめてください……」



ちひろ「プ、ププププロデューサーさんだったんですか!? 」



ちひろ(怖!? ていうかアニメに出したらダメなキャラになってる!? なんで!? )



こずえ「ちひろー」トテトテ



ちひろ「こ、こずえちゃん!大丈夫だった?何もされなかった?」



こずえ「おー?」キョトン



武内P「変質者扱いしないで下さいよ…… 泣きますよ?」



ちひろ(な、なんでキャラまで変わってるの!? いつもなら『しませんよ!』って

    勢い良くツッコミが返ってくるのに、暗くなったというか……)













こずえ「ぷろでゅーさー、つかれてるのー。やさしくしてあげてー」



ちひろ「そ、そうね、プロデューサーさんは疲れてるのよね…… ドリンクを飲んで

    元気になってもらわないと……」



武内P「は?ドリンク?」ギロリ



ちひろ「す、すすすすすすみません!全部差し上げますから命だけは!」ドゲザー



武内P「いや、昨日大量に買ったばかりなのでまだ沢山あるんですけど……」















レナ「ただいまー」ガチャ







武P「お帰りなさいレナさん。レッスンお疲れ様でした」



レナ「どうしたのPさん?ギャンブルで大負けしたみたいな顔してるわよ?」キョトン



武内P「的確な表現ですね。確かにこの顔は幸が薄そうです……」

















レナ「何があったのか知らないけど、勝ちを取り戻したいならいつでも相談してね。

   Pさんにはギャンブラーの私がついてるんだから♪」ニコッ



武内P「頼もしいです。本当に大負けした時は頼らせてもらうかもしれません」



レナ「Pさんなら心配してないけどね。私がプロデュースを任せる男の人なんだから、

   どんな顔でもいいけど勝負の勘は頼りにしてるわよ♪」ウインク☆



武内P「レナさんに言われるとこの顔でもプロデュース出来そうな気がしてきたぞ。

    やはり人間大事なのは顔よりも中身ってことか?」



ちひろ「ダメですプロデューサーさん!レナさんの基準は見た目より勝負に強い人

    ですから参考になりません!どこの世界にそんな陰気で辛気臭い顔をした

    プロデューサーがいるんですか!」



武内P「辛気臭い?」ギロリ



ちひろ「ひぃっ!? 」ビクッ!!











レナ「ちょっとちひろさん、私だってルックスはどうでもいいなんてことないわよ?

   確かにちょっと根暗っぽいけど、これはこれで渋くていいじゃない」



ちひろ「大人組のレナさんはそれでいいかもしれませんけど、もう少し若い子達の

    目線で考えてもらえると……」



こずえ「こずえもぷろでゅーさーかっこいいとおもうよー」



レナ「ですって。11歳のこずえちゃんが言うなら大丈夫でしょ」



ちひろ(あれ?もしかして私の方がおかしいの?)











レナ「なんかPさんの顔、どこかで見た気がするのよね。幻想公演の資料集めの時に

   観た魔女が出て来るアニメにいたような……」



こずえ「くずきせんせえー?」



レナ「ああそれよそれ。さすがPさん、魔女役だった私のマスターにぴったりだわ♪

   私と一緒に聖杯戦争勝ちに行きましょうか!」



こずえ「やっちゃえー、ばーさーかー」



武内P「あのアニメみたいに成功したらいいんですけどね。後は武内君の演技力に

    お任せします」







おわり









21:30│モバマス 
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