2014年01月13日
南条光「アタシはヒーローになれない……!」
モバP「どうしたんだ? めったなことを言って」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1362746927
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光「だって、アタシは必殺技を持ってないんだ」
P「必殺技……ああ、そういうこと」
光「ライダーも戦隊も、ヒーローはみんなカッコイイ必殺技を持ってる。でも、アタシにはそれがない」
P「気にするな。光はアイドルでもあるんだから」
光「それでも理想はヒーローなんだ! それにアイドルが必殺技を持ってても良いはずだし」
P「アイドルが必ず必殺技を持っててもな……」
光「襲い掛かってくる痴漢悪漢を倒せるぞ!」
P「必ずヤる必要はないだろ」
光「ライバルのアイドルたちを一網打尽!」
P「それはヒーローとしてどうなんだ」
光「今だってほら、必殺技を持っていればうだうだ言うプロデューサーを」
P「今の発言はヒーローでもアイドルのそれでもないからな」
光「もういい。アタシは必殺技を習得する。そしてヒーローへの道を一歩進むんだ!」
P「あ、こら待て! ――どこ行く気なんだ、あいつ」
光「仲間との決別……うん、ヒーローっぽい」
光(しかしどうしようか。必殺技を覚えるにしても、一人じゃ限界がある)
光(事務所をうろついてれば誰かに会えるかな。人がいないってわけでもないし)
珠美「あれ、光ちゃんじゃないですか。こんにちわ」
光「あ、珠ちゃん。こんにちわ!」
珠美「こら、珠美は年上なんですから、きちんとさん付けしなさい」
光「珠さん?」
珠美「……なんだか面妖な響きですね。やっぱり大目に見ましょう」
光「――そうだ、珠ちゃんは剣士だよな!? なら必殺技とか持ってる?」
珠美「ひ、必殺? 珠美は確かに剣士ではありますが、必殺技はちょっと……」
光「ああ、そうなんだ。……そうだよな、剣士とヒーローは違うもんな」
珠美「ち、違いますよ。剣士の一撃は全てが必殺のそれなのです! 決してヒーローに劣ってるわけではありませぬ!」
光「本当!? 今見せれる技とかある?」
珠美「もちろんです。突きなら壁に打つことができますし、竹刀も持ち歩いておりますから、お見せします!」
珠美「では、まいりまする……!」
光(おお、構えが堂に入っててカッコイイ)
珠美「突きぃ! ――って、うわぁ!」
光「か、壁に穴が空いた!」
珠美「ち、力を入れ過ぎちゃった!? ど、どどどどうしよ!」
光「珠ちゃん――いや、珠美さん。剣士って凄いんだな。アタシじゃ壁に穴を空けるなんてできないぜ!」
珠美「珠美は別に空けたくて空けたんじゃないよ!」
ちひろ「珠美ちゃん」
珠美「ち、ちひろさん!? 誤解です、これは剣士の誇りを賭けて」
ちひろ「言い訳は剣士らしくないですよ。仮眠室にいらっしゃい」
珠美「助けて、光ちゃん――」
光(やっぱり武器があった方が迫力があるんだ……)
光(必殺技の参考になったな。珠美さんにお礼を言わなくちゃ)
光「珠美さん、ありがとうって、あれ? いない……」
光(これはもしかして、剣士は多くを語らないってやつか!)
光「カッコイイぜ、珠美さん!」
比奈「どうしたんスか、この壁の穴……」
光「あ、比奈さん。こんにちわ!」
比奈「こんにちわっス。それでこの穴はいったい?」
光「珠美さんの剣士の証だ」
比奈「珠美ちゃんの? あー……、アトミックファイアーブレード、みたいな感じっスかね」
光「おお、カッコイイ名前だな!」
比奈「珠美ちゃんもやんちゃな所があるんっスねー」
光「そうだ、比奈さんは必殺技とか持ってる?」
比奈「……必殺技っスか。そうでスね、〆切間近のときの不眠不休とか――」
光「え、それって比奈さんが死ぬ技なんじゃないのか!?」
比奈「死ぬ気でやりまスけど、死ぬことはないっスよ」
光「体は大切にしなきゃダメだ!」
比奈「でも、自分の体を犠牲にして撃つ必殺技って、なんか憧れないっスか」
光「それは……分かる。けど犠牲の仕方に問題があると思うんだ」
比奈「まあ確かに、心配をかけることをしちゃいけないっスね。今後は気をつけまスよ」
光「そうしてくれると嬉しいぜ! ……それにしても、自分を犠牲にしてっていうのはカッコイイかも」
比奈「そうっスよね。ヒーローが正義のために自分を犠牲に、しかし現れる新たな敵――くぅ、燃える展開っスね!」
比奈「こうしちゃいられないっス、さっそくネームを描かないと」
比奈「感謝しまスよ、光ちゃん。それじゃ私は行きまスね」
光「どういたしまして。体は大切にだぜ!」
光(……あれ、いつから漫画の話になってたんだ?)
光(必殺技は自分を犠牲にしつつ武器で、か)
光(でも、ヒーローの武器ってなんだ?)
光「やっぱりバイクか! それとも己の体? 合体できる武器なんかも……」
まゆ「武器といえば包丁ですよぉ」
まゆ「こんにちわ、光ちゃん。ところで、さっきから武器がどうとか言ってますけど、もしもそれでPさんを手に入れる気なら……」
光「プロデューサー? んー……、武器で脅すのはヒーローじゃないな。欲しいなら正面からだ!」
まゆ「宣戦布告ですかぁ? うふ、まゆはいつでも受けますよ……」
光「いやいや、今のは言葉のあやってやつだ。プロデューサーは物じゃないしな」
まゆ「……そう。光ちゃんは良い子ですね」
光「ああ、アタシはヒーローだからな!」
まゆ「Pさんに手を出さない間は、まゆも悪役になりませんよぉ……」
光(悪役? なんの話だろ)
光「ところで、まゆさんは必殺技を持ってたりする?」
まゆ「必殺技、ですか。そうですね、Pさんがいき過ぎたことをするなら、それも考えておきましょうか……」
光「さすがに、まゆさんは持ってないか。どっちかっていうと、守られる側だもんな」
まゆ「まゆから言えることは、一撃で戦闘不能にすること、だけですね」
光「一撃必殺だな!」
まゆ「抵抗されると面倒ですから、ね。動けなくすれば、後の処理も楽ですし……」
まゆ「あ、そろそろPさんの喉が乾いてるころね……。うふ、それじゃあ、まゆは行きますね」
光「ありがとう。またね、まゆさん!」
光(……なんだろ。まゆさんのアドバイスは実践しない方が良い気がする)
光(必殺技、奥が深いんだな。あれ……なんで必殺技のことを訊いて回ってるんだっけ?)
光(確かヒーローになるために必殺技を習得しようとして……)
光(――って、結局習得してないじゃないか!)
光「やっぱりアタシは、ヒーローになれないのか……」
麗奈「あら、南条じゃない。相変わらずチビね」
光「麗奈か……」
麗奈「なによ、張り合いのない返事ね。このレイナサマが話しかけてるんだから、もっとなんとか言ったらどうなの!」
光「……なあ、アタシってヒーローになれないのか?」
麗奈「はぁ? あんたはアイドルでしょ。違うの?」
光「アイドルだけど、いつかはヒーローに、でも、必殺技を持ってないアタシじゃヒーローには……」
麗奈「――うっとしいわね! ヒーローじゃないからなんだって言うのよ!?」
光「え、えっと、それは……弱い人を助けれなかったり……」
麗奈「そいつはヒーローじゃなきゃ、助けちゃいけないわけ?」
光「……違う」
麗奈「アタシは『ライダー』でいう『怪人』じゃないけど、勝つためならなんだってするわ。これはおかしいこと?」
光「麗奈がそういうことをするのは、別におかしいことじゃないな」
麗奈「そうよ、アタシは怪人だのアイドルだのの肩書きの前に、レイナサマなの! えっと……あー、つまりはそういうことよ!」
光(アタシはヒーローやアイドルである前にアタシ……)
光「――そうだ、アタシはアタシだな。アイドルでもヒーローでも、誰かの力になれば良いんだ!」
光「ありがとう、麗奈。アタシは目が覚めたぜ!」
麗奈「アタシの美学のおかげね。レイナサマに感謝しなさい、アーッハッハッハッ……ゲオゲホ……!」
光「本当にありがとう。これで本当のヒーローに近づけた気がするんだ!」
麗奈「ゲホッ……あっそ、アタシはもう行くわ。レイナサマは忙しいんだから」
光「うん。今度一緒に特撮を見よう」
麗奈「見ないわよ、そんなガキっぽいの!」
光「な、ガキなんかじゃない――って、逃げ足が速い……」
光(……麗奈のおかげで、ヒーローへの道が開いた気がする)
光(必殺技を持って無くても、誰かを助けたい気持ちがあれば、アイドルでもヒーローになれるんだ)
光「よし、今日からは新生ヒーロー南条光だ。夢と希望を届けてみせる!」
光(……でも、必殺技もできれば欲しいかも)
麗奈「クックック――アーッハッハッハッ…ゲオゲホ…!」
P「随分ご機嫌だな。……大丈夫か?」
麗奈「ゲホッゲホッ……。大丈夫だけど、少し背中を擦りなさい!」
P「はいはい。それで、どうしてそんなにご機嫌なんだ?」
麗奈「さっき、南条がアタシに相談を持ちかけたのよ」
P「光が? もしかして、ヒーローになれない、とかどうとか」
麗奈「そうよ。そしてこのレイナサマは、見事にその悩みを解決してあげたわ!」
P「お前のことだから、てっきり突っぱねたのかと思ったが……。偉いぞ、麗奈」
麗奈「もちろん単に解決したわけじゃないわ」
P「そうなのか?」
麗奈「ええ、アタシなりの考えを答えたフリをして、実は思いつきの適当な答えをしてやったわ!」
P「……麗奈」
麗奈「いい気味だわ。南条ったら憑き物が落ちたような顔して……アーッハッハッハッ!」
P「まったく……。まあ、悩みを解決したなら良いか。今日も元気にお仕事だ」
麗奈「今日もアタシの伝説が始めるわ!」
P「笑い話にならなければいいけどな」
麗奈「そんな口をきけるのも今の内よ! アーッハッハッハッ…ゲオゲホ…!」
おわり
ナンジョルノとレイナサマのギャグを目指していたらどっちつかずの何かになっていた
画像どもです
>>30
珠美「あれは珠美の、いや剣士としての技を披露しなければならなくてですね……」
ちひろ「はい」
珠美「決して事務所に風穴を開けるつもりなどなくて……」
ちひろ「それで」
珠美「その、普段剣道の腕を披露する機会がなくて、舞い上がってしまったというか……」
ちひろ「そうですか」
珠美「う、うう……」
ちひろ「なんでしょう?」
珠美「すみませんでした……」
ちひろ「だから言ったでしょう、いい訳は剣士らしくないって。……修理代は珠美ちゃんのお給金から引いておきますからね」
珠美(な、なんで珠美がこのような目にぃー!)
これにて本当におわり
P「必殺技……ああ、そういうこと」
光「ライダーも戦隊も、ヒーローはみんなカッコイイ必殺技を持ってる。でも、アタシにはそれがない」
P「気にするな。光はアイドルでもあるんだから」
光「それでも理想はヒーローなんだ! それにアイドルが必殺技を持ってても良いはずだし」
P「アイドルが必ず必殺技を持っててもな……」
光「襲い掛かってくる痴漢悪漢を倒せるぞ!」
P「必ずヤる必要はないだろ」
光「ライバルのアイドルたちを一網打尽!」
P「それはヒーローとしてどうなんだ」
光「今だってほら、必殺技を持っていればうだうだ言うプロデューサーを」
P「今の発言はヒーローでもアイドルのそれでもないからな」
光「もういい。アタシは必殺技を習得する。そしてヒーローへの道を一歩進むんだ!」
P「あ、こら待て! ――どこ行く気なんだ、あいつ」
光「仲間との決別……うん、ヒーローっぽい」
光(しかしどうしようか。必殺技を覚えるにしても、一人じゃ限界がある)
光(事務所をうろついてれば誰かに会えるかな。人がいないってわけでもないし)
珠美「あれ、光ちゃんじゃないですか。こんにちわ」
光「あ、珠ちゃん。こんにちわ!」
珠美「こら、珠美は年上なんですから、きちんとさん付けしなさい」
光「珠さん?」
珠美「……なんだか面妖な響きですね。やっぱり大目に見ましょう」
光「――そうだ、珠ちゃんは剣士だよな!? なら必殺技とか持ってる?」
珠美「ひ、必殺? 珠美は確かに剣士ではありますが、必殺技はちょっと……」
光「ああ、そうなんだ。……そうだよな、剣士とヒーローは違うもんな」
珠美「ち、違いますよ。剣士の一撃は全てが必殺のそれなのです! 決してヒーローに劣ってるわけではありませぬ!」
光「本当!? 今見せれる技とかある?」
珠美「もちろんです。突きなら壁に打つことができますし、竹刀も持ち歩いておりますから、お見せします!」
珠美「では、まいりまする……!」
光(おお、構えが堂に入っててカッコイイ)
珠美「突きぃ! ――って、うわぁ!」
光「か、壁に穴が空いた!」
珠美「ち、力を入れ過ぎちゃった!? ど、どどどどうしよ!」
光「珠ちゃん――いや、珠美さん。剣士って凄いんだな。アタシじゃ壁に穴を空けるなんてできないぜ!」
珠美「珠美は別に空けたくて空けたんじゃないよ!」
ちひろ「珠美ちゃん」
珠美「ち、ちひろさん!? 誤解です、これは剣士の誇りを賭けて」
ちひろ「言い訳は剣士らしくないですよ。仮眠室にいらっしゃい」
珠美「助けて、光ちゃん――」
光(やっぱり武器があった方が迫力があるんだ……)
光(必殺技の参考になったな。珠美さんにお礼を言わなくちゃ)
光「珠美さん、ありがとうって、あれ? いない……」
光(これはもしかして、剣士は多くを語らないってやつか!)
光「カッコイイぜ、珠美さん!」
比奈「どうしたんスか、この壁の穴……」
光「あ、比奈さん。こんにちわ!」
比奈「こんにちわっス。それでこの穴はいったい?」
光「珠美さんの剣士の証だ」
比奈「珠美ちゃんの? あー……、アトミックファイアーブレード、みたいな感じっスかね」
光「おお、カッコイイ名前だな!」
比奈「珠美ちゃんもやんちゃな所があるんっスねー」
光「そうだ、比奈さんは必殺技とか持ってる?」
比奈「……必殺技っスか。そうでスね、〆切間近のときの不眠不休とか――」
光「え、それって比奈さんが死ぬ技なんじゃないのか!?」
比奈「死ぬ気でやりまスけど、死ぬことはないっスよ」
光「体は大切にしなきゃダメだ!」
比奈「でも、自分の体を犠牲にして撃つ必殺技って、なんか憧れないっスか」
光「それは……分かる。けど犠牲の仕方に問題があると思うんだ」
比奈「まあ確かに、心配をかけることをしちゃいけないっスね。今後は気をつけまスよ」
光「そうしてくれると嬉しいぜ! ……それにしても、自分を犠牲にしてっていうのはカッコイイかも」
比奈「そうっスよね。ヒーローが正義のために自分を犠牲に、しかし現れる新たな敵――くぅ、燃える展開っスね!」
比奈「こうしちゃいられないっス、さっそくネームを描かないと」
比奈「感謝しまスよ、光ちゃん。それじゃ私は行きまスね」
光「どういたしまして。体は大切にだぜ!」
光(……あれ、いつから漫画の話になってたんだ?)
光(必殺技は自分を犠牲にしつつ武器で、か)
光(でも、ヒーローの武器ってなんだ?)
光「やっぱりバイクか! それとも己の体? 合体できる武器なんかも……」
まゆ「武器といえば包丁ですよぉ」
まゆ「こんにちわ、光ちゃん。ところで、さっきから武器がどうとか言ってますけど、もしもそれでPさんを手に入れる気なら……」
光「プロデューサー? んー……、武器で脅すのはヒーローじゃないな。欲しいなら正面からだ!」
まゆ「宣戦布告ですかぁ? うふ、まゆはいつでも受けますよ……」
光「いやいや、今のは言葉のあやってやつだ。プロデューサーは物じゃないしな」
まゆ「……そう。光ちゃんは良い子ですね」
光「ああ、アタシはヒーローだからな!」
まゆ「Pさんに手を出さない間は、まゆも悪役になりませんよぉ……」
光(悪役? なんの話だろ)
光「ところで、まゆさんは必殺技を持ってたりする?」
まゆ「必殺技、ですか。そうですね、Pさんがいき過ぎたことをするなら、それも考えておきましょうか……」
光「さすがに、まゆさんは持ってないか。どっちかっていうと、守られる側だもんな」
まゆ「まゆから言えることは、一撃で戦闘不能にすること、だけですね」
光「一撃必殺だな!」
まゆ「抵抗されると面倒ですから、ね。動けなくすれば、後の処理も楽ですし……」
まゆ「あ、そろそろPさんの喉が乾いてるころね……。うふ、それじゃあ、まゆは行きますね」
光「ありがとう。またね、まゆさん!」
光(……なんだろ。まゆさんのアドバイスは実践しない方が良い気がする)
光(必殺技、奥が深いんだな。あれ……なんで必殺技のことを訊いて回ってるんだっけ?)
光(確かヒーローになるために必殺技を習得しようとして……)
光(――って、結局習得してないじゃないか!)
光「やっぱりアタシは、ヒーローになれないのか……」
麗奈「あら、南条じゃない。相変わらずチビね」
光「麗奈か……」
麗奈「なによ、張り合いのない返事ね。このレイナサマが話しかけてるんだから、もっとなんとか言ったらどうなの!」
光「……なあ、アタシってヒーローになれないのか?」
麗奈「はぁ? あんたはアイドルでしょ。違うの?」
光「アイドルだけど、いつかはヒーローに、でも、必殺技を持ってないアタシじゃヒーローには……」
麗奈「――うっとしいわね! ヒーローじゃないからなんだって言うのよ!?」
光「え、えっと、それは……弱い人を助けれなかったり……」
麗奈「そいつはヒーローじゃなきゃ、助けちゃいけないわけ?」
光「……違う」
麗奈「アタシは『ライダー』でいう『怪人』じゃないけど、勝つためならなんだってするわ。これはおかしいこと?」
光「麗奈がそういうことをするのは、別におかしいことじゃないな」
麗奈「そうよ、アタシは怪人だのアイドルだのの肩書きの前に、レイナサマなの! えっと……あー、つまりはそういうことよ!」
光(アタシはヒーローやアイドルである前にアタシ……)
光「――そうだ、アタシはアタシだな。アイドルでもヒーローでも、誰かの力になれば良いんだ!」
光「ありがとう、麗奈。アタシは目が覚めたぜ!」
麗奈「アタシの美学のおかげね。レイナサマに感謝しなさい、アーッハッハッハッ……ゲオゲホ……!」
光「本当にありがとう。これで本当のヒーローに近づけた気がするんだ!」
麗奈「ゲホッ……あっそ、アタシはもう行くわ。レイナサマは忙しいんだから」
光「うん。今度一緒に特撮を見よう」
麗奈「見ないわよ、そんなガキっぽいの!」
光「な、ガキなんかじゃない――って、逃げ足が速い……」
光(……麗奈のおかげで、ヒーローへの道が開いた気がする)
光(必殺技を持って無くても、誰かを助けたい気持ちがあれば、アイドルでもヒーローになれるんだ)
光「よし、今日からは新生ヒーロー南条光だ。夢と希望を届けてみせる!」
光(……でも、必殺技もできれば欲しいかも)
麗奈「クックック――アーッハッハッハッ…ゲオゲホ…!」
P「随分ご機嫌だな。……大丈夫か?」
麗奈「ゲホッゲホッ……。大丈夫だけど、少し背中を擦りなさい!」
P「はいはい。それで、どうしてそんなにご機嫌なんだ?」
麗奈「さっき、南条がアタシに相談を持ちかけたのよ」
P「光が? もしかして、ヒーローになれない、とかどうとか」
麗奈「そうよ。そしてこのレイナサマは、見事にその悩みを解決してあげたわ!」
P「お前のことだから、てっきり突っぱねたのかと思ったが……。偉いぞ、麗奈」
麗奈「もちろん単に解決したわけじゃないわ」
P「そうなのか?」
麗奈「ええ、アタシなりの考えを答えたフリをして、実は思いつきの適当な答えをしてやったわ!」
P「……麗奈」
麗奈「いい気味だわ。南条ったら憑き物が落ちたような顔して……アーッハッハッハッ!」
P「まったく……。まあ、悩みを解決したなら良いか。今日も元気にお仕事だ」
麗奈「今日もアタシの伝説が始めるわ!」
P「笑い話にならなければいいけどな」
麗奈「そんな口をきけるのも今の内よ! アーッハッハッハッ…ゲオゲホ…!」
おわり
ナンジョルノとレイナサマのギャグを目指していたらどっちつかずの何かになっていた
画像どもです
>>30
珠美「あれは珠美の、いや剣士としての技を披露しなければならなくてですね……」
ちひろ「はい」
珠美「決して事務所に風穴を開けるつもりなどなくて……」
ちひろ「それで」
珠美「その、普段剣道の腕を披露する機会がなくて、舞い上がってしまったというか……」
ちひろ「そうですか」
珠美「う、うう……」
ちひろ「なんでしょう?」
珠美「すみませんでした……」
ちひろ「だから言ったでしょう、いい訳は剣士らしくないって。……修理代は珠美ちゃんのお給金から引いておきますからね」
珠美(な、なんで珠美がこのような目にぃー!)
これにて本当におわり
08:30│南条光