2015年03月03日
黒川千秋「力を抜く」
ベテ「ワン、ツー! 黒川!ステップが遅れているぞ!」
千秋「…っ!」バッ
ベテ「…ストーップ」
千秋「ハァ…ハァ…」
ベテ「黒川。全体的に無駄な力が入りすぎだ」
千秋「…すみません」
ベテ「もっと余計な力を抜け。入れすぎてもダンスは上手く踊れないぞ。体力の消耗を早めるだけだ」
千秋「……」
千秋(力を抜け…と言われても)
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千秋「ハァ…」
智香「どうしたの、千秋ちゃんっ?」
千秋「…壁にぶつかった、とでも言うべきかしら」
智香「壁…?」キョトン
千秋「力を抜けと言われても、それで抜けたら苦労しないわよ…」
智香「力を抜く」
千秋「最近ずっと言われてるのよ」
P「力を抜くことを覚えたら、一流のアスリートとも言われてるからな。簡単に言うけど、難しいんだよ」
智香「Pさんっ」
P「ほら、カフェオレ淹れたんだ。飲むか?」
智香「ありがとうございますっ☆」
千秋「ありがとう。頂くわ」ズズズ
P「力を抜こうと頭で考えすぎると、逆に力が入っちゃうからな」
千秋「全く持ってその通りだわ」ズズ
千秋「……」ジーッ
智香「このカフェオレおいしいですねっ☆」
千秋(…そういえば智香って、力を抜けと言われたことがなかったわね)
P「千夏がコーヒー豆を持って来たんだ。けっこう高いヤツだとか」
智香「へぇー…」
千秋「智香」
智香「ひゃいっ!?」
智香「ど、どうしたの?急に真剣な口調だけどっ」
千秋「私に、力の抜き方を教えてくれないかしら」
智香「力の、抜き方?」
千秋「ええ」
P「確かに、智香はダンスの要所要所で力を入れるのが上手いな」
智香「そうですか?えへへっ☆」
千秋「私一人ではどうにもならないの」
智香「でも、うーん…」
千秋「何か問題が?」
智香「あのっ、アタシの力の抜き方って感覚的なものだから…言葉で説明するのが難しいんですよっ」
P「あぁー」
智香「だから、どうやって伝えていいのかわかんなくて」
千秋「……」
P「じゃあ、実際に動きながら教えるとかどうだ?」
智香「動きながら…」
千秋「それだと、余計に難しくないかしら」
P「アタシの動きを見て学べ!みたいな」
智香「わかりましたっ! とりあえず、場所を移しましょう」
千秋「えっ」
P「この時間だと…まだレッスンルームは空いてるな」
千秋「えっ?」
智香「それじゃ、レッツゴー☆」
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千秋「……で、レッスンルームに来たわけだけど」
智香「さあ、一緒に踊ろうっ☆」
千秋「なんで私までチアガールの恰好なのよ!?」ダンッ
智香「形から入った方がいいかと思ったのっ☆」
P「ポニーテールも似合ってるぞ、千秋」ジー
千秋「そしてなんで貴方はビデオカメラを構えてるの!?」
P「千秋が後で自分のダンスを確認しやすいようにと思ってな」ジ-
千秋「…そ、そう。ならいいわ」
P(眼福眼福)●REC
智香「じゃあ、一緒にチアリーディングしようっ!」
千秋「えっ?いきなり?」
智香「やってみたほうがわかると思うよっ☆」
P「智香が先にやって手本を見せながらやればいいんじゃないか」
智香「じゃあ、先にアタシがやりますねっ」
<♪〜♪〜
智香「それっ!」バッ
智香「はっ!」バッ
智香「はいっ!」バッ
千秋「凄いわね…」
P「流石現役チアリーダー。動きの一つ一つが丁寧で大きいな」ジー
千秋「アレも力が抜けてるからなのかしら」
P「力を入れるポイントが的確なんだろうな」ジー
P(いい太腿だな)●REC
智香「さあ、今度は千秋ちゃんの番だよっ☆」
千秋「どこまでやれるかわからないけど…やってみるわ」
P「頑張れ千秋ー」ジー
千秋「それっ!」バッ
千秋「やあっ!」バッ
P「だいたいあってる…が」ジー
智香「うーん…」
P「何か言いたげだな、智香」
千秋「ハァ…どうかしら、智香?」
智香「千秋ちゃんっ」ズイッ
千秋「ど、どうしたの?」
智香「千秋ちゃんは、無意識のうちに動きにセーブをかけちゃってるよ」
千秋「えっ?」
智香「もっと恥ずかしがらずに! ダイナミックにやらなきゃダメだよっ!」
千秋「こ、これ以上!?」
智香「千秋ちゃん…」
千秋「智香」
智香「アタシが歌について悩んでた時に、千秋ちゃんはアドバイスをくれたよね」
千秋「……」
智香「だから、千秋ちゃんにも壁を乗り越えて欲しいのっ!」
千秋「智香…」
智香「ほら、一緒に頑張ろっ☆」
千秋「……わかったわ。ダイナミックに、ね」
P(表情が、変わったな)
<♪〜♪
智香「はっ!」バッ
千秋「ふっ!」バッ
P(さっきよりも腕が伸びてる。迷いがとれたな)
智香「…ふふっ☆」タンッ
千秋「……ふふ」
千秋(智香に引っ張られるように、自然と身体が動く…)
智香「それっ!」バッ
P(千秋と智香。互いの良さが互いを引っ張り合って高めている…)
智香「ラストですよっ! 脚あげっ!」
千秋「わかったわっ!」
P(この二人なら、きっとどこまでも―)
智香「えいっ☆」バッ
千秋「はっ!」バッ
千秋パンツ「やあ」バサッ
P「え」
智香「えっ」
千秋「へ」
千秋「〜〜〜!?」バッ
智香「ち、千秋ちゃん!?ブルマ履いてなかったのっ?」
千秋「ぶ、ブルマなんてどこにもなかったじゃない!」
智香「あっ! アタシ、出し忘れてましたっ!」
千秋「というより…」キッ
P「……私は何も見てない。何も録画シテマセンヨ」イソイソ
千秋「……今日の私のパンツの色は」
P「……白のレースつきでした」
千秋「〜〜〜!!!」ポカポカ
P「不可抗力! これは不可抗力だあああああ!」
千秋「忘れなさい! 今日見たものを全部忘れなさいっ!」ポカポカ
P「てっきり黒色とかかなーって思ったら意外と…」
千秋「それ以上しゃべるなあああああ!」
智香「あ、あはははは…」
千夏「騒がしいと思ったら…一体なんなのこれは」
美由紀「あー!千秋ちゃんがうまのりになってるー!」
智香「あれ、二人とも来てたんですかっ」
千夏「誕生日ケーキが届いたから呼びに来たのだけど…帰った方がいいのかしら?」
千秋「千夏! Pさんから記憶を抹消して!」
P「助けて千夏!」
千夏「…私はどうしたらいいの」
美由紀「楽しそうだからみゆきもまざるー!」
智香「え、えっと、そのっ」
智香「千秋ちゃん、誕生日おめでとうっ☆」
千秋「全てを忘れなさい!」
P「うぎゃああああああああ!!!」
おわり
20:30│黒川千秋