2015年04月02日

貴音「至上の愛情表現とは……」

響「どうしたんだ突然?」



貴音「いえ、至上の愛情表現とは、いったいどの様な物かと思いまして」



響「四条だけに?」





貴音「響……」



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響「そ、そんな目で見ないで欲しいぞ」



貴音「私はまじめに聞いているのです」



響「うーん……あっ!」



貴音「何か思いつきましたか!?」

響「分かったぞ! 貴音はプロデューサーに愛情表現したいn」



貴音「ひ、響!!」



響「なるほどなー」ニヤニヤ

貴音「わ、私はただ、日頃の感謝を伝えたいだけなのです。私はこの通りの人間ですので、如何せん普段の謝意が伝わりにくいですから……」



響「分かった分かった」ニヤニヤ



貴音「もう、響はいけずです」

響「ごめんごめん。でも、貴音って結構分かり易い正確してると思うぞ」



貴音「しかし、あの方には伝わらない様子ですので……」

響「そうだなぁ……愛情表現って十人十色だと思うけど」



貴音「ふむ……」



響「ギャップを狙うってのもアリだけど、やっぱりここは貴音らしさを出した方が良いと思うぞ!」



貴音「なるほど、私らしくですか」



響「そーそー。ま、後は自分で考えてみたら?」



貴音「ありがとうございます、響」

……



貴音「とは言ったものの……私らしさとはどの様な物でしょうか」



春香「おはようございます!」ガチャッ

貴音「おや、春香。おはようございます……」



春香「どうしたんですか? 何か悩んでるみたいですけど」

貴音「人に聞くのもお門違いやもしれませんが、私らしさとは何か考えていたのです」



春香「じ、自分らしさですか……難しい話ですね。アイドルなら一度は向き合うべき問題かもしれませんが……」

貴音「いえ、仕事の話ではないのです。ですので、あまり難しく考えず、気軽にお答え下さい」



春香「あ、そうなんですか。うーん、貴音さんと言えば……」



貴音「」ドキドキ

春香「……ラーメン?」



貴音「なんと……」

春香「ご、ごめんなさい! 今の無しで!」



貴音「いえ。こういった事は始めに思いついた事こそ真実。甘んじて受け止めましょう」



春香「力になれなくてすみません……」



貴音「良いのです。これも全て私の日頃の所業故。ご意見ありがとうございました」







……



貴音「ふむ……あの後何人かに尋ねてみましたが、やはり私=らぁめんの等式は覆りそうにありませんね」



貴音「私らしさ即ちらぁめん。これはもはや否定できぬ真実……ならば、らぁめんからどの様に愛情表現につなげるべきか……」

やよい「うっうー! 高根さん、おはようございまーす!」



貴音「おや、やよい。おはようございます」

やよい「貴音さん、何か悩み事ですか?」



貴音「ええ。らぁめんの事で少し」



やよい「あはは、貴音さんらしいですねー」

貴音「貴女もですか……」



やよい「ふぇ?」



貴音「いえ、何でもありません。ところで、やよいはらぁめんと愛情表現をどの様に結びつけますか?」



やよい「ラーメンと愛情表現!? うぅー、難しいです」

貴音「ふふ、これは難問ですね」



やよい「でも、ラーメンへの愛情表現なら分かりますよ!」



貴音「なんと、真ですか!?」

やよい「それは、きちんと完食することです!」



貴音「ふむ、なるほど……」

やよい「食べ物を育ててくれた人や環境、食材、それに料理してくれた人にいーっぱい感謝して、きれいに残さず食べることが一番の愛情表現です!」



貴音「なるほど……しかし、食べてしまってはそこでおしまいでは?」

やよい「食べたものは自分の身体になってくれます! ずーっと一緒ですよ!」



貴音「なんと! ずっと一緒……何とも甘美な響きですね」

やよい「はい! だから、一番の愛情表現は、きれいにごちそうさますることです!」



貴音「ありがとうございます。おかげで目が覚めたような心持ちです」



やよい「えへへ、お役に立てたみたいで嬉しいです!」















……



P「ふぅ……社長もそろそろ人手を増やしてくれないかな。まぁあの娘達のためなら徹夜も苦じゃないが……」



貴音「あなた様」



P「うぉぅっ!?」



P「何だ貴音か……どうしたんだ?こんな夜更けに」

貴音「私、あなた様に日頃の感謝の意を伝えたく思いまして」



P「あはは、気にするなよ。俺も好きでやってる事だから」

貴音「いえ。それでは私の気が済みません!」



P「貴音は相変わらず頑固だな……で、何をしてくれるんだ?」

貴音「私、大変悩みました。至上の愛情表現とは如何なる物か……私らしい方法とは如何なる物か……」



P「た、貴音?」

貴音「私とて悩みました。悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで、食事も喉を通らぬほどに、悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで天井の染みを覚え込むほどに悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで、悩み抜いた末……」

貴音「やはり、永遠に一つになるという甘美な言葉には抗い難く、私決意いたしました」



P「な、何をすr」





































……



高木「彼がいなくなって早一週間か」



律子「正直、影響は少なくありませんね」



小鳥「一人を除いて、皆かなり落ち込んでしまって……」

律子「あの子も相当無理してると思いますよ。あんなにプロデューサーに懐いてたんですから……」



小鳥「それでも、事務所のためにがんばるあの子の健気な姿をこれ以上見てられなくて……」



高木「うむ……」

律子「それに……どんなに忙しくても、毎日会いに行ってるそうですよ」



律子「あんな事があった後だってのに……あの子ったら優しすぎるわね」グスッ



高木「……よし、がんばっている彼女に、少し長めの休みをあげたいのだが、どうだね?」

小鳥「良いですね!」



律子「賛成です。今あの子に必要なのは休息のはずですからね」



高木「うんうん。そうと決まれば、早速彼女に伝えてこようじゃないか!」ガチャッ

律子「……社長も辛いでしょうね」



小鳥「ええ。あの事件が知れたときは、しばらく呆然としてましたから……」



律子「まさか、あんな事になるなんて……」



小鳥「今回のお休みで、元気になってくれると良いですね











響ちゃん」

〜面会室〜



響「貴音、聞いてよ! 自分、お休みをもらえたんだ! 事務所が大変な時なのに、社長ってば気前が良いよねー」



貴音「……」ブツブツブツブツ



響「休みの間は沢山会えるね!」

貴音「あなた様の身体私の身体あなた様私私あなた様私私あなた様あなた様私私………」ブツブツブツブツ



響「あーあ、まぁだあの人の事引きずっちゃって……ま、時間はたっぷりあるし、必ず自分に振り向かせたげるからね」

響「貴音の事、一番分かってるのは自分だからね」ニヤァ



おわり



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