2015年04月06日
岡崎泰葉「お返しは、ちょっとだけのワガママを」
・モバマスSS、岡崎泰葉ちゃん主役です。
・突貫で書いたものなのでクオリティと文量はお察し
・クリスマスSSだがアフター二時間まではロスタイムなのでセーフだ。いいね?
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・突貫で書いたものなのでクオリティと文量はお察し
・クリスマスSSだがアフター二時間まではロスタイムなのでセーフだ。いいね?
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ちひろ「ちょっとー!プロデューサーさーん!」
P「?…ちひろさん、どうしました?もしかして忘れ物でもしちゃってましたかね?」
ちひろ「いえ、そういうワケでは無く……これを渡さなきゃなって。ハイ、担当アイドルのだれかさんからプレゼントですよ」
P「だれかって……これは、泰葉からか。封筒……ちひろさん、中身は知ってるんですか?」
ちひろ「いえ、私はプロデューサーさんを待って遅くまで残ろうとしてた泰葉ちゃんを見つけて、プロデューサーさんに直接渡すのを引き受けただけですよ?0時を過ぎたらシンデレラはベッドで寝る時間……ってことで」
P「そうですか、ありがとうございます……もしかして残らせちゃいました?」
ちひろ「いえいえ!お礼は後で泰葉ちゃんにちゃんと言ってあげてくださいね?それに私も仕事残ってましたし……ハイ、これも直接渡したかったので」
P「! ありがとうございます!今すぐにお返し出来ないのが申し訳ないですが……」
ちひろ「じゃあ、そのぶんお返しは期待しますね?」
P「が……ガンバリマス……」
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ちひろ「それじゃあ、もう遅いですがプロデューサーさんもいいクリスマスを!」
P「ちひろさんも良いクリスマスをー…っと。泰葉からプレゼントなぁ。封筒の中身は……メッセージカード?どれどれ……」
「Pさんへ
ちょっと前に12月が始まったと思えばあっという間に終わってしまい、もうクリスマスですね。
今年もクリスマスもお仕事ですが、2年前にクリスマスのお仕事を貰った時からたくさんの出来事がありました。
今はあの時とは違った気持ちで、クリスマスを過ごす事になりそうです。
口にするのは少し恥ずかしいので、こうして文章で書かせてください。今年も色んな経験をさせて貰い、本当にありがとうございました。
心から、感謝してます。
25日はお仕事ですが、それでも一緒にクリスマスを過ごせるのが楽しみです。Pさんにも、良いクリスマスが訪れますように。
岡崎泰葉より」
P「……泰葉…………」
P「サプライズは用意してたけど、仕方ないな。もう一つだけ準備するか……」
―――翌日、夜
P「お疲れ、泰葉。いいライブだったぞ。」
泰葉「あ、プロデューサーさん……お疲れ様です。そう言ってもらえると嬉しいですね、頑張った甲斐があります」
P「それに何よりいい笑顔だった。見てるこっちも笑顔になるような、な。可愛かったし」
泰葉「……そこまで言われると、少し恥ずかしいです……」
P「そこまでも何も、アイドルだからな。それに事実しか言わないぞ俺は。楽しかったか?」
泰葉「……それはもう、とっても」
P「……そっか、なら良かった。」
泰葉「はい、トークもライブも楽しかったですし……本当ですよ?」
P「疑っちゃいないよ、あんなに良い笑顔だったし。ほれ、車のカギ開けたから乗んなさい。」
泰葉「はい……あの、Pさん」
P「あー……ところで泰葉、ちょっと帰りに寄りたい所があるんだが、少し遠回りしてもいいか?」
泰葉「……! いいんですか?」
P「いいも何も、俺のワガママだよ。むしろ付き合わせちゃって悪いな、泰葉」
泰葉「いえ、そんな、むしろ……」
泰葉「……ありがとうございます」ボソッ
―――車内
P「そうだ、言いそびれてたが……カード、ありがとうな」
泰葉「いえ、そんな。あれは一方的な手紙みたいなものですから……」
P「でも貰って嬉しかったよ。まぁ、他に人がいるとちょっと気恥ずかしくてお礼言えなかったが……」
泰葉「そ、それは!その、こういう機会ですから、日頃の気持ちをきちんと……って」
P「そ、そうか。ありがとう……あー……そうだ、あのカードのデザインもかわいかったな、どこで買ったんだ?」
泰葉「フレデリカさんがかわいい雑貨屋さんを知ってて、教えて貰ったんです。でもフレデリカさん自身は……あっ」
P「フレデリカ自身は?」
泰葉「……いえ、忘れてください。多分、そっちの方が嬉しくなると思いますので」
P「? よく分からんが……まぁいいか。そういえば今年のバレンタインの仕事はアイツも一緒だったっけ」
泰葉「そうですね。今年一番大きなお仕事でしたけど、その分楽しかったです。色んな人と仲良くなれましたし、ファンのみなさんとも直接会える機会が出来て。凄くやりがいがありました。」
P「……きゃはっ、とかな」
泰葉「あ、あれは求められたからやっただけで……!……そういえば、どこに向かってるんですか?この車」
P「あぁ、それならあともうちょっとだ。何処に着くかはお楽しみって事で。」
泰葉「なら、期待させて貰いますね」
P「あぁ、そうだ。明日のスケジュール覚えてるよな?」
泰葉「? はい、確か夕方から番組の収録で…それだけでしたよね?」
P「昼とかに何か予定入れてるか?」
泰葉「いえ、特には……どうかしたんですか?」
P「まぁただの世間話だよ、ここの所ずっと忙しいからな。」
泰葉「お仕事があるのは幸せな事ですし、それにさっきも言いましたけど……私自身が、心から楽しめてますから。心配しなくても大丈夫ですよ。むしろプロデューサーさんの方が働き詰めで大変じゃないですか?」
P「それこそ、俺も楽しいからな。こうやって仕事の後にはゆっくり喋る時間もあるし。お互い様だ。」
泰葉「なら、良かったです。」
P「うむ……っと、着いた着いた。ほら、そこの高台だ」
泰葉「ちょっと風が強いですね……っ、つめたっ」
P「あー…じゃあ今渡しちゃうか。はいコレ、一応クリスマスプレゼントって事で」
泰葉「これって、マフラー……ありがとうございます。その、早速着けてもいいですか?」
P「どうぞ、そんな高価な奴じゃなくてすまないが」
泰葉「ん……っと、あったかい……素敵なプレゼントをありがとうございます。むしろ私が渡したものが釣り合ってなくて、申し訳ないくらいです」
P「いや、あれも十二分に嬉しかったよ……ほら、そこの柵まで行ってみてくれ」
泰葉「?……わ……」
P「どうだ?」
泰葉「凄く……綺麗ですね……この街にこんな景色を一望出来るところがあったんだ……」
P「仕事柄あっちにいったりこっちに行ったりだからな。先月に今日と同じスタジオに向かう途中、車で通りかかって偶然見つけたんだ」
泰葉「……こんな素敵なクリスマスプレゼントをくれてありがとうございます、Pさん。……このお返しは、アイドルとして返したいなと思います」
泰葉「いつか私も、今までよりもっと大きな舞台に立って、この景色の輝きより、もっと向こうへ行ってみせます。だから……それまでこのお返しは待っててくださいね?」
P「……分かった。楽しみにしてる。……そうだ、もう一つプレゼントがあった。こっちは預かりものだけど」
P「……明日、夕方からスケジュール入ってたのな、すまん、ありゃ嘘だ」
泰葉「……えっ?」
P「ホントはクリスマス兼今度CDデビューするみんなおめでとうパーティーでな、発案の某から『ヤスハちゃんは驚かせたほうがカワイイから内緒ねー』って、口止めされてたんだが『あ、でも秘密にしてるとプレゼント交換とか出来ない?じゃあ言おっかー』ってな具合で」
泰葉「ふ、フレデリカさん……」
P「よく判っ……い、いや。もっと事前に言えなかったのは言付かった俺のミスだから……それで、どうだ?この間の3周年みたいな豪華なのじゃなくて、こじんまりした感じだけど」
泰葉「……」
P「……この仕事を楽しみにしてくれたなら、本当にすまん」
泰葉「……いえ、確かにちょっと拍子抜けしちゃいましたけど……」
泰葉「でも、今みたいにゆっくりと楽しむのも、きっと次に繋がる事のひとつなんじゃないかなって思いますから。よろこんで行かせてもらいます。お言葉に甘えて、目一杯楽しませてもらいますね?」
P「……」
P(「心から楽しめるようになった」のは、泰葉にとって大きな進歩だと思う)
P(ただ、もうちょっと仕事として以外にも色んな事を、自分から経験していく事も泰葉にとって大切な事になるだろうし、プロデューサーとしてもそうさせてやりたいと思ったが……)
P「杞憂だったかな……」
泰葉「?」
P「いや、騙すようにして隠す意味はあんまり無かったなと。そんなに嬉しそうな反応して貰えたならさ」
泰葉「そうですね、楽しみにします……でも、確かにそうですね」
P「……ん?」
泰葉「私のスケジュールを使って嘘をついたのはPさん、ですよね?」
P「え、あ、ハイ」
泰葉「嘘をつくのは、どうあれ悪い事だと思うんです。ましてや他の人のスケジュールを使ってなんて」
P「アッ……ハイ」
泰葉「それに折角パーティーに行くならプレゼントを持っていきたいんですが、前日にいきなり知らされたせいで何も用意出来てないんです」
P「……ハイゴメンナサイ」
泰葉「……その……人のスケジュールを使って嘘をついたPさんには、罰って訳ではないですが……そのお返しを貰いたいなって。だから、お返しに……」
泰葉「……Pさんの明日のスケジュール、貰ってもいいですか?」
おわり
21:30│岡崎泰葉