2015年05月01日

貴音「私にらぁめんのお仕事をください」

貴音「あの、話を聞いてくださいませんか」



P「うん、どうしたんだ」



貴音「長くなりますが、構いませんか」





P「ああ、目的地に着くまで時間があるし、今みたいに運転しながらだったら聞いてやれるさ」



貴音「ありがとうございます」



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過ぎたるは、なお及ばざるが如し





貴音「過度なことをたしなめる故事がありますが、私は時に行き過ぎてしまえ、と思うこともあるのです」



P「なんか怖いことを言うな」



貴音「この前、九州に仕事で行ったときのことです」



P「…あのときはごめん。すごく微妙な仕事だったよな。もっと思い切ったことができるヤツをとってくればよかった」



貴音「そうではありません。聞いてください」

貴音「あのとき、丸一日オフの日がありましたよね」



P「せっかくの遠出で全然忙しくないスケジュールでごめん」



貴音「引きずらないでください。話を聞いてくださると言ったではありませんか」



P「すみません」



貴音「あの日はバスを使い、一人で散策していました」



貴音「のどかなところに着き、当てもなく歩いていました」



貴音「しばらくし、昼頃だと気づき、昼食にしようと引き返そうとしたときです。私は引き止められました」



貴音「それは豚骨の匂い。いや、文字で表すなら読みは同じでも“臭い”というにゅあんすとでもいうのでしょうか」



貴音「私の心を、身体を、引き寄せたほどの匂いの場所に向かうと…」



貴音「やはり、らぁめんだったのです」



貴音「あなた様。あの地は豚骨を振る舞う地で最もこってりと言われているそうです」



貴音「なんと、その店。信じられますか。言いますよ?」



P(テンション上がってきたな)



貴音「“最強のこってり”と謳っているではありませんか」



貴音「あまりの衝撃のせいか直後の記憶がありません」

貴音「気づくと店内におり、目の前には券売機」



貴音「そして、手にはこってりらぁめんの券。その店はあっさりも選べるにも関わらずにです」



貴音「恐ろしい…。心のどこかで躊躇いがあったのでしょう。自然とねぎだくのとっぴんぐも注文していました」



貴音「数分待ってから私の目の前に置かれたのはこのようなものになります」



貴音「この見た目は加減を知らない。いえ、知っているが故にあえて箍を外したのかもしれません」



貴音「まずはねぎを絡めずにすぅぷを一口」



P(ジェスチャーを始めたぞ)



貴音「片栗粉を飲むようで、すぅぷに溶け切れない背油が下唇に膜を作る感触がしました」



貴音「なぜこんなにこってりにしたのか。酔狂ではありません。理由は単純、旨味も濃厚なのです」



貴音「麺を啜ってみます。…程よい固さの麺に先ほどのすぅぷがまとわりついて箸が止まりません」



貴音「ですが、胸焼けせずに歩いて帰れるか分からなくなってきました。そこで、この盛られたねぎです」



P(良いジェスチャーをしている。ドラマの仕事に活かしてみよう)



貴音「ねぎの食感と辛味がこってりをほどよく中和し、そのままの旨味がですね、あぁ…」



P(幸せそうだな)

貴音「……ということで過ぎたることは悪いことではありません」



貴音「他ができてしまうものは他にさせて、自分だけができることを伸ばしに伸ばして、果てには過ぎてしまえばいい。補うことで化けてしまうのですから」



P「きれいにまとめたね」



貴音「ありがとうございます。もう少し話しても良いですか」



P「いいよ。駐車場がなかなか見つからなくてもう少し時間がかかりそうだからそうしてくれるとありがたい」



貴音「分かりました」

貴音「昨夜、散策していましたところ、また新たな出会いがありました」



貴音「商店街の近くに、昼に賑わっていたらぁめん店がありましたよね」



P「俺は覚えていないけど、よく覚えていたな」



貴音「夜、私が通りかかったときには客が一人も入っておらず、贅沢に肉が盛られたらぁめんの写真を見て、つい入ってしまったのです」



貴音「カウンターのみの店内は、こじゃれた照明に薄暗く照らされ、てれびで見たバーを思わせるものでした」



貴音「店主もすぅぷの仕込みをしていてただただ静かな店内」



貴音「出てきたらぁめんがこちらです」



http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-73-b1/chuns_papa/folder/317116/48/30088448/img_0



P(またこれもやりすぎなラーメンだな)

貴音「まずは、すぅぷを一口」



P(またジェスチャーが始まった)



貴音「味噌味です」



「だろう?だけど、スープに入った生姜が効いてしつこくないんだぜ」



貴音「静かな店内でらぁめんを啜る私にはすぅぷの声が聞こえてまいりました…」



「おんや、もう肉を食べるのか」



貴音「いいではありませんか。麺を食べさせまいと乗っかる肉の存在に我慢ならないのです」



「ほうほう…分かっているねぇ。下の方から、かい。それはもう味が染みているんだろうなぁ」



貴音「頬張りました」



貴音「ここで私とらぁめんの一対一の会話は途切れてしまいました」



貴音「あのときの口に広がる幸せといったら…」



貴音「あのときのことを思い出して、つい顔が…! いけません! 見てはいけません!」



P(かわいいなぁ)

P「恥ずかしがっているところ悪いんだけど、仕事の話だ」



P「後部座席で寝ている美希とな、今日はラーメンを食べに行く」



貴音「なにゆえ!?」



P「生すかのコーナーを1つ、作ろうとしていたところなんだが…」



P「貴音の話を聞いていて、案がまとまった」



P「貴音はラーメンを食べて、ラーメンの良さを語りながら、貴音が暴走したところは同行者がカバーしていく…」



P「さっきのラーメンの話みたいだろ?」



貴音「あなた様…」

美希「やっほー! ミキたち、今ね。名古屋にいるんだ!」



貴音「そして、この地の名物、台湾ラーメンなるもの発祥の店に参りました」



美希「名古屋名物なのに台湾ラーメンって変な名前なの」



貴音「台湾人がこのらぁめんを振る舞ったのが始まりになるそうですよ、美希」



美希「へー、…なになに? アメリカンっていうのもあるらしいって! あはははは、変なのー!」



貴音「美希…あなたがかんぺを読むのではありません…」



\ドッ/



P(うんうん、美希の方がカバーされているがいいぞ…)

店員「台湾ラーメンお持ちしましたー」



貴音「このらぁめん、赤いですね…」



美希「ねぇ、貴音。最初の一口、食べてみていい?」



貴音「…全く、美希はしょうがないですね」



美希「ありがとう! 感想は任せてね!」



ズズッ





美希「ブッ! けほっけほっ…」



美希「これ、から…喉が、水、水ちょうだい…」



美希「ごくっごく…ふぅ、助かったの」



美希「このラーメンを食べるときは注意した方がいいの、気管に入るときっと危ないかr…」



美希「………」



美希「それとー、えづいてラーメンがよだれまみれになるよ! あはっ☆」



貴音「」





こうして「四条貴音のらぁめん探訪」が始まったのであった



おわり



19:30│四条貴音 
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