2015年05月05日

本田未央「プロデューサーって、結婚してたんだー」

なんか電波が降りてきたので。





今回の注意事項





・18禁ではありません

・ちゃんみお主役

・エロシーンはありません

・ほのぼののつもりです

・それでも沙理奈は出します

・18禁ではありません





では、投下します。





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430025475

























本田未央「プロデューサーって、結婚してたんだー」



























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私の名前は本田未央!



トップアイドル目指して、ここ346プロダクションで日々元気に頑張っている新人アイドルだ!



私の所属する“シンデレラプロジェクト”は、346プロの中でも新しい部署で、そこには私を含めた14人のアイドルと、

美人なアシスタントのお姉さん、そして、私たちのプロデュースを担当するプロデューサーがいる。



プロデューサーは、いかつい外見とバレー選手のようなのっぽさんで、見た目はすごーく怖いお兄さんだけど、

14人のアイドル一人ひとりのことをちゃんと見ていてくれる、すごく頼りがいのある人なのだ!



そして、いつも通り346プロのCPルームの出社したある日の事…







「わぁ、遅刻遅刻〜!」



注意されない程度の早足で、シャンデリアが眩しい1Fホールを突っ切る。



「そこのエレベーター、まったぁ!!」



閉まりかけのエレベーターにちょっと待ったコールをすると、中に誰か居てボタンを操作してくれたのか、ドアがゆっくりと開いてくれた。



「ふぅ… ぎりぎりセーフ…」



「やはり未央さんでしたか。あまり、ホールでは大声を出さないように」



「あ、プロデューサー… ごめんなさい!」



エレベーターで一緒になったのは、大柄長身な我らがプロデューサー。



ぶっきらぼうな無表情は相変わらずだが、微妙に表情が柔らかくなっているような気がする。



「…気をつけます。それと、おはようございます!」

「はい、おはようございます」



長身をきっちりと折って礼をする。



こういうところは、最初会った時から変わらない、プロデューサーの真面目な、そして、気持ちの良い部分だ。



「ん… あれ…?」



プロデューサーに習って私も頭を下げたのだが、視線の端が何か異質なものを捉えた。



「んー? うむむーー?」



いったいこの違和感はなんだろう?



不思議に思ってキョロキョロと辺りを見回していると、不意にプロデューサーが私に背を向けた。



「あれ、どうしたのプロデューサー?」

「あ、いえ… なんでもありません…」



そう言って、僅かに身じろぎするプロデューサー。



しかし、私の両眼共に2.0の視力は、ポケットに収納される前の、とある装飾品を見逃さなかった。



(あ… 今、左手の薬指から指輪を取った…!)



得心と共に、軽くないショックが私を襲う。



そりゃ、プロデューサーを男性としては見ては居ないけど、

親以外で今のところ一番身近な“異性”がそういう装飾品をしているというのは、けっこうショックだ。



「…それでは、私は少し寄るところがありますから」



最上階のCPルームに昇る前に、プロデューサーがエレベーターから降りる。



私は次第にこみ上げてくるドキドキワクワクを押し込めながら、やはり早足でCPルームへと向かった。

***



     タイトル

そして、冒頭の発言である。



「プロデューサーって、結婚してたんだー」



ルームのソファに寝そべりながら、わざとポツリと呟いたその一言は、案の定、ルームの皆に波紋のように広がった。



「え、未央、今なんて言ったの?」



最初に反応を返したのは、予想通りの渋谷凛ちゃん、通称しぶりん。



本人は気付いていないかもだけど、しぶりん、けっこうプロデューサーを見る眼がヤバイからねぇ。



「エレベーターでね… 私、見ちゃったんだ…」



わざと声を落として言う。



すると、するするーっとしぶりんが近づいてきて、私の横に強引に座った。



「…何を見たの?」

「いやーあのね、指輪」

「指輪…?」



短く応えた私の答えに、しぶりんが鸚鵡返しに言う。



…なんか、思った以上に反応がマジだ。



これは、やばい爆弾を踏んじゃったかも……



「で、でも、今は男の人でもお洒落で指輪はするし… むしろ、芸能プロダクションの社員だったら、しててもおかしくは…」

「左手の薬指だったよ」



やばいと思いながらも、私の口は止まってくれない。



まぁ、しょうがないよね。こんな面白いネタだもん。



「しかも、私に隠すように外してポケットに仕舞ったんだよねー。怪しい行動だったなー」

「そっか… そうだよね……」



続けて色々と重要な情報を言うが、どうもしぶりんの耳には聞こえていないみたい。



「…こんなおっきなプロダクションの偉い人だもんね…… 結婚ぐらい、してるよね…」」

「おーい、しぶりーん? どしたのさー?」

「え…? あ、いや… 何でもないよ…」



スッ、と立ち上がると「ちょっとトイレ…」と言い残してしぶりんは消えた…



ああいう反応するってことは、やっぱり、しぶりんはプロデューサーに憧れてたんだろうなぁ…

***





「そは真言を紡ぐ語り部かッ!?(今の話、本当ですか!?)」



代わりに会話に入ってきたのは、黒いゴシックドレスと白い肌が絶妙に似合う少女、神崎蘭子ちゃん、通称らんらんだ。



「ええっと… うん、たぶん…」

「おお… 忘却の海に沈む光石の、なんと眩く、そして儚いものよ…(知りませんでしたー)」



うーむ、ニュアンスしかわからないけど、らんらんもショックを受けてるのかな?



「らんらん、最近はプロデューサーにべったりだったからね〜。やっぱりショック?」

「今は語るべき時ではない…(ナイショです…)」



おお、美少女の拗ね顔ゲットー。



らんらんは女の私から見ても可愛いなぁ。



「けど、そうなると気になるのは奥さんだにゃ」



おおっと、これは意外なアイドルが参戦してきたぞ!



「あれー、みくにゃんも気になるの?」

「まぁ、割と。プロデューサーの私生活は謎に包まれてるにゃ」



前川みくちゃん、魚が食べられない猫系アイドルと、色々と突っ込みどころがあるけど、ファンからの人気は抜群のウチのエースだ。



「そういえば、みくにゃんはこの中だと一番プロデューサーとの付き合いが長いんだっけ?」

「そうにゃ。プロジェクトの創設メンバーにゃ」



ふふん、と胸を張って得意げになる様が何とも可愛い。



「前に聞いたことがあるにゃ。プロデューサー、結婚してるんですかーって。でも、その時ははぐらかされてしまったにゃ」

「ほほぅ… それは、今日の行動とも符号しますなー…」



プロデューサーが、こっそりポケットに指輪を隠したシーンが蘇った。



「…これは、調査すべきではないでしょうか、みくにゃん隊員…?」

「うむ、是非やるにゃ、未央チャン隊員…!」



2人で顔を見合わせて、にやぁ、と笑う。



うむ、今日は楽しい1日になりそうだ!

***



「え、プロデューサーの奥さん…?」



まず私たちが向かったのは、CPルームに併設されているアシスタントルーム。



ここに常勤しているのが、見目麗しい、「あれ、この人元アイドルなんじゃないの?」って感じのアシスタント、千川ちひろさんだ。



「そうそう、なんかそういう噂があって、ちひろさんは何か知らないかなーって?」



指輪のことを言っても良いけど、ひょっとしたらの可能性を考えて、ぼかして話す。



…ちひろさんが、プロデューサーの奥さんって線も、無くは無いもんね。



「そういう話はプライベートな情報よ。あんまり、詮索することじゃないわ」



うぅむ… ガードが固い…



「それじゃ、ちひろさんは何もしらないにゃ?」



私の代わりにみくにゃんが追撃する。



しかし、ちひろさんは特徴的ないつもの微笑を浮かべると、ゆっくりと首を振った。



「好奇心、猫を殺す… そんな諺があるわよね、みくちゃん…?」

「に゛ゃ…!」



びくーん! とみくにゃんの背筋が伸びて直立不動の姿勢をとる。



うん… これはヤバイ。



プロデューサーの結婚とか奥さんとか言う以前に、ちひろさんから秘密を探ろうとした私たちのミスだ…



「「し、失礼しましたー!」」



慌ててアシスタントルームを飛び出す私たちの耳に、僅かに含み笑いのような声が聞こえた…









***



「うーむ… ちひろさんからは無理かぁ…」

「あ、それなら今西部長は? 良い人そうだから教えてくれるんじゃ?」

「でも、あの人、滅多に居ないし…」

「そうだにゃぁ…」



とぼとぼ、とみくにゃんと2人で歩いていると、不意に威勢の良い「ほら、そこステップ乱れてるぞ!」という声が聞こえてきた。



「お…?」

「あ、ここレッスンルームにゃ」



そっと、ドアの中を伺ってみると、いつものベテラントレーナーさんがダンスレッスンをしている最中だった。



「ん、なんだお前ら?」

「あ、いえ…」

「見学か?」

「あ、えーと、は、はい…」



毎度のことだが、ベテラントレーナーさんは押しが強い。



有無を言わさず私とみくにゃんはレッスンルームに引っ張り込まれてしまった。



「よし、観客が居る方が気合が入るでしょ! 後輩に良い所見せましょう!」

「あぅ… ダイエット目的で来たのにガチレッスンになるとは…」

「明日は筋肉痛ね… わかるわ…」



レッスンルームでダンスレッスンをしていたのは、想像以上に大物なアイドル2人だった。



松本沙理奈さんに川島瑞樹さん。



2人は元々『ブルーナポレオン』っていうユニットのメンバーだから、その絡みでレッスンを受けているのだろう。



「よし、もう一度ステップの確認からいくぞ! One Two Three Four…!」



相変わらずナイス発音のベテトレさんの声に合わせて、先輩アイドルが見事なステップを踏む。



図らずとも『本気の見学』になった私たちは、その鮮やかなステップとダンスに思わず眼が釘付けになってしまった。



「2人とも… 上手いにゃ…」

「うん、流石だね…」



そうして、私とみくにゃんの視線は、自然と1点に集中を始める…



「おっきぃにゃ…」

「私たちも、CP内ではスタイル良い方だけど…」

「あの2人には負けるにゃ…」



何と言うか、大人の色気オーラむんむんで、変な気分になるなぁ…

***



「へーぇ、そんな面白いこと探ってたんだ〜」



レッスンが終わった2人に、それとなくプロデューサーのことを話してみると、

意外なことに2人とも興味津々な表情で乗ってきてくれた。



「あ、川島さんも興味ありますか?」



みくにゃん、目上の先輩には猫語封印するんだよね。



「そりゃ、私だって女の子ですもの。親しい異性のプライベートは、そりゃ気になるわ」



わかるわー、とうんうん頷く瑞樹さんの横で、沙理奈さんは「そうねぇ…」と色気たっぷりの流し目で私たちを見た。



「……今年の新年会の話とか、聞きたい?」

「え…! それプロデューサーと関係あるんですか!?」

「うふふ、そりゃモチロン!」

「ああ、あの時の話ね。あれくらいなら良いんじゃない?」



ブルナポの2人は視線を交し合うと、ナイショ話をするように顔を近づけた。



「良い? アタシから聞いたって話しちゃダメよ…?」

「わかっています、沙理奈姉さん! このことは他言無用で…」

「ふふ… それじゃ教えてあげる…」



そうやって教えてくれたエピソードは、掻い摘むと以下のような話だった。



346プロの新年会は、家族同伴が可能(というより推奨)な大規模なものなのだが、

その時、我らがプロデューサーは1人で来ていたらしい。



ところが、用意されたプロデューサーの隣席には、彼のパートナー用と思しき空き席が、パーティー中ずっと存在していたのだという。



それを不思議に思った同僚が、「今日は誰かと一緒じゃないのか?」と聞いたらしい。



しかし、プロデューサーは曖昧に返事をするのみで、詳細はわからなかったそうだ…



「でもね、妙なのはそれだけじゃなくてね。彼って、わざわざ空き席のグラスにシャンパンを注いだり、2人分のお土産を持って帰ってたりしたのよねぇ」

「なんか、それってロマンチックなエピソードよね… パーティーに来られない恋人のために、2人分のお祝いをしてあげる、とか…」



妙にうっとりとした表情で瑞樹さんが呟く。



……夏のフェスの時に知ったけど、この人、歳の割りに少女趣味めいたところがあるんだよねー。



「それじゃ、やっぱりプロデューサーには相手が居るってことでしょうか?」

「うーん、そうとも取れるし、あるいは、そうじゃないかもしれないわね…」

「「というと?」」



綺麗にハモった私たちを、瑞樹さんが困ったような表情で見た。



「祝いたくても祝えない、紹介したくても紹介できない… そんな関係も、大人にはあるのよ」

「現実って、たまに残酷だから…」

「「……………」」



2人のその言葉に、私たちはとある一つの結末を想像し、互いに顔を見合わせた。



「……みくにゃん、もうこの話、探るのやめよっか」

「……そうだにゃ。ちひろさんの言う通り、あんまり詮索することじゃないにゃ」



私たちは、沙理奈さんと瑞樹さんにお礼を言うと、少し重くなった足を動かして、レッスン室を後にした……



***



〜後日〜



「ええ〜〜〜〜〜!! 女避けぇぇぇ!?」

「はぁ… 実を言えば、そういうことです」



「この前のエレベータの件でお話があります」とプロデューサーに呼ばれた私は、

開口一番にしょうもないネタバラシを受けた。



「芸能プロダクションで働いていますと、『色んな方』から『色んなお誘い』を受けることが多いので…

 外回りをする際は、そういった『お誘い』を防ぐために、左手薬指に指輪を嵌めることにしているのです」

「そ、それって、効果あるの…?」

「はい。流石に既婚者と思われれば、あの… 『そういったお店』に誘われることはありませんから…」

「でも… なんでそんなことを私に…?」

「いえ… 千川さんから、少々アドバイスを頂きましたので…」



ああ、なるほどー、と私は納得した。



大方、「誤解がこじれる前に、本田さんに説明しておきましょう」とでも言われたのだろう。



「なーんだ、それじゃやっぱり私の勘違いかー」

「…失望させてしまいまして、すみません」

「いやいや! こちらのほうこそ、下衆な勘ぐりをしてすみません!」



互いに頭を下げて、そして、心の中で安堵する。



(話を大きくしてなくて良かった… 大事になるとこだった…)



そうなる前に、未然に止めてくれた千川さん、沙理奈さん、瑞樹さんに感謝しないと…



うーん、ああいう大人の女の人に、いつかは私もなれるのかなぁ…?



うーむ、うーむ、と悩んでいる私に苦笑を向けると、プロデューサーはポケットから見覚えの有る指輪を取り出して、左手の薬指に嵌めた。



「ああ、それそれ、それだ」

「はい… 外回りに出ますので、早速使わせていただきます…」



そう言って、部屋から出ようとしたプロデューサーは、しかし、ドアの前でぎょっとした顔で立ち止まった。



そして、その視線の先には…



「その指輪… やっぱり、プロデューサー…」

「終生の番いを見出し稀人よ…(ご結婚されてたんですね…)」

「あ… いや、これは…」



助けを求めるようにプロデューサーが私を見る。



…外に出て嵌めようよ、プロデューサー………







                                                     終わり

























21:30│本田未央 
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