2015年06月16日

楓「今日のお酒はなんですか?」

楓「壽……?どこのお酒ですか?」



楓「加茂泉……加茂という事は広島の西条ですね」



楓「ふふ…お酒には詳しいのです」





楓「このお酒はいくらぐらいするんですか?」



楓「…………二万円ですか。一升瓶で二万円は高いですね」





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楓「西条の最上のお酒……ふふふ……」



楓「そんなこと言ってる場合じゃない?そうですか……(´・ω・`)」



楓「それはそうと、こんなに高いお酒を買ってくるとは何かいいことがあったんですか?」



楓「秘密……プロデューサーはすぐそうやって隠し事をする……」



楓「直に分かる?ならいいですけど……」

楓「で、持ってきたということは飲ませてくれるんですよね?」



楓「え?元から私にくれる予定だったから好きに飲んでいい?本当ですか!」



楓「でも、プロデューサーと一緒に飲むのが一番です。ささ、お酌をしますからお猪口を取って……」



楓「それでは……かんぱ〜い!」



………………



楓「感想……ですか……なんと言えばいいのでしょうか…………」



楓「美味しすぎて言葉にならないです」

楓「まず色を見て薄く黄色がかってるのが珍しくもあり、面白くもあり……」



楓「え?山吹色はしっかりと熟成されている証拠ですか……」



楓「だからですかね……香りが、注ぐ前から優しく広がっていて……」



楓「お米のよさが最大限引き出されていると思います」



楓「そして、口に運んだ瞬間に口の中全体に香りが満ちてきて……」



楓「口の中がお花畑や〜。……え?違う?」

楓「味、ですか……勿論素晴らしいです」



楓「西条のお酒って基本的に甘口が多いですけど、このお酒は程よい甘さで……」



楓「香り、味、共にバランスが取れていると思います」



楓「お酒の話だと頭がよさそうに見える?普段は違うと言いたいんですか?」



楓「そうですね。別に普段は私の本当の姿を見せなくてもいいかな、と」



楓「蘭子ちゃんみたいに言うなら、我が真の姿は何人たりとも知ることは出来ぬ…!って感じでしょうか」



楓「そういうのとは違う気がする?それもそうかもしれませんね」



楓「何故かって?知りたいですか?」



楓「…………プロデューサーの前でなら私の、包み隠さないリアルな自分を見せられるからです」



楓「照れないでください……私のほうも照れてきますから……///」



楓「照れてはない?じゃあなんだって言うんですか」



楓「ただ酔ってきただけ、俺と楓さんはそういう関係ではない……ですか」



楓「すぐにでもそうなるかもしれませんよ?」

楓「プロデューサーは担当しているアイドルと付き合っちゃダメ?」



楓「いいじゃないですか、禁断の恋。結ばれることが出来なくても永遠の愛を誓う……」



楓「少女マンガの見すぎ?昼間に比奈ちゃんに借りて読んだからかもしれませんね」



楓「大体楓さんは俺をただの呑み相手としか思ってない?」



楓「そんなことはありませんよ。仕事の大切なパートナーです」

楓「あの日私を選び、アイドルの世界へと導いてくれた王子様みたいなものです」



楓「俺は王子様ではない……ただのしがないプロデューサーさ…って何かっこつけてるんですか」



楓「少しときめいちゃったじゃないですか……」



楓「え?冗談でもやめてください?プロデューサーの言うことでも聞けませんね」



楓「だって……私の、高垣楓の、実際に感じている気持ちをプロデューサーには伝えたいですから」

楓「…………?プロデューサー?どうかしましたか?」



楓「プロデューサーからプレゼント?どうしてですか?」



楓「今日……ですか?何かの記念日でしたっけ?」



楓「え……?誕生日?あ、日付が変わってますね」



楓「じゃあこの美味しいお酒も私の誕生日にあわせて買ってきてくれたんですか」



楓「ありがとうございます」

楓「プレゼント…お花ですか……綺麗な青いお花ですね……なんて名前ですか?」



楓「ルリハコベ……ですか」



楓「6月14日の誕生花なんですね」



楓「これもですか……ベゴニアって言うんですか」



楓「なるほど…プロデューサーの意図は伝わりました」

楓「え?何がかって?それは私から言うことじゃないでしょう?」



楓「私は今…リングがほしいんですけどね……」



楓「え?もう少し後で?私は今ほしいんですけど……」



楓「お金が足りない?なら貸しましょうか?」



楓「給料3か月分?そんなにいらないです……」



楓「え?私がほしいのはイカリングですよ」

楓「そろそろおつまみがほしいです」



楓「買ってきてくれるんですか?ならついでに洗剤を切らしてるので……」



楓「ダメですか……じゃあ一緒に行きましょう」



楓「あ、その前に一ついいですか?」

楓「プロデューサーと一緒にアイドルできて私は幸せですよ」



楓「私をトップアイドルにしてくれるって最初に約束してくれたあの時からずっと……」



楓「だからまだまだ一緒に頑張りましょう」



楓「じゃあコンビニに行きましょうか……」







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ちひろ(なんで私もいるのに堂々と二人の世界作っちゃってるんですか………)



おわり



23:30│高垣楓 
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