2014年02月15日

杏「プロデューサーとの日々」

杏「杏は働かないぞ!」

P「いいぞ」


杏「働かないったら働かない! 今日は家でダラダラするんだーっ!」

杏「って……え?」

P「いやだから、働かなくていいぞ」

杏「……あっ、そ、そうか! それってもしかして働く気がないならアイドルやめてしまえってこと?」

P「バカ、やめられたら困る、そんなんじゃなくて今回は休んでいいってことだ」

杏「……マジ?」

P「マジだ」

杏「……やったー! 久し振りの休みだ!」

P「久し振りでもないだろ……」

P「ま、でも最近は頑張ってたからご褒美だ、また仕事とかレッスンとか入れる時は連絡入れるからそれまでダラダラしとけ」

杏「了解、了解、連絡入れるのはゆっくりでいいからねー」

P「あ、ちなみに今回の休み明けたら当分休みないから頑張れよ」

杏「えー、当分ってどれくらい?」

P「お前の頑張り次第だけど、一ヶ月は土日含めて働いてもらう予定かな」

杏「……マジ?」

P「マジだ」

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拓海「P、昼飯でも食いに行かねえか?」

P「んー、いや、やめとく」

拓海「なんかあんのか?」

P「いや実はお得意先でトラブルがあってさ、今から謝りに行かないと……」

拓海「……もしかしてまずいことか?」

P「いや、そこまで大事じゃないんだけど」

拓海「おぅ、そか……」

P「……心配してくれるのか?」

拓海「ばっ……そんなんじゃねえよ!」

P「……くく」

拓海「な、何笑ってんだてめぇ……」

P「なんでもないなんでもない」

拓海「ったく……でも最近P、付き合い悪いぜ?」

P「悪い悪い、でも仕事だから……」

P「最近は昼食いに行くどころか昼飯食べる時間もなくて……ま、飯抜きにも慣れてきたけどな」

拓海「……」


…………


ちひろ「……あれ? 今日はお弁当持ってきたんですか?」

P「い、いえ、なんだか朝来たら机の上にこれが……」

拓海「……」

ちひろ「おにぎり、ですか」

P「俺より先に来てた拓海にも聞いたんですけど知らないみたいでして……」

ちひろ「……」

ちひろ「……へぇ」チラッ

拓海「……!」

ちひろ「ま、あれですよプロデューサーさん、多分誰か可愛いアイドルがプロデューサーさんにお昼作ってくれたんですよ、いただいたらどうですか?」

P「そうなんですかね……でもおにぎりはありがたい、これなら食べながらでも仕事できそうですし」

P「ただ、んー……もらうにしてもお礼は返してあげたいですね……誰が作ってくれたか分かればいいんですが」

ちひろ「……お礼だって、拓海ちゃん?」

拓海「な、なんでそこでアタシが出るんだよ!」

P「……?」






楓「〜♪」

P「ん、楓さんどうかしました?」

楓「いえ、実は早苗さん達と今度温泉に行くことが決まりまして」

P「あぁ、だからそんなに嬉しそうなんですね」

楓「……」

P「……あれ、どうかしました?」

楓「そんなに喜んでるように見えました?」

P「え、まぁ……そんな風に見えましたが」

楓「私って結構、何考えてるか分からないって言われちゃうんですけど……そうですか」

P「……」

楓「プロデューサーは私のことが分かっちゃうんですね……ふふ」

P(……多分日頃のぼーっとしてる時のことを指摘されてるだけで、楓さん自体は感情は読みやすい人だと思うんだけど)

楓「〜♪」

P(……なんか嬉しそうだしいっか)

P「しかし温泉かぁ、いいですねぇ」

P「今月末休みだし、その日にでも俺も久々に温泉でも行くかな」

楓「今月末ですか?」

P「ええ」

楓「えと……今月の終わりなら確か私もお休みなので、よかったら一緒に温泉行きませんか?」

P「お、本当ですか? それならせっかくだし他にも空いてる人がいたら誘いましょう……ちょっとスケジュール確認してみます」

P「えーと、30日……は、と…」ペラペラ

P「……」

楓「……どうですか?」

P「楓さんと俺しか空いてないみたいですね」

楓「……そうですか、ちょっと残念です」

P「……んー、ま、しょうがないですかね」

P「はは、楓さんと二人きり……温泉デートですね」

楓「!」

楓「……デート、ですか」

楓「……」

楓(……温泉の雑誌にあったデートの特集には……こ、混浴のお風呂のところばかり紹介されてたし)

楓(温泉デート……プロデューサーがデートって言ったのはもしかして……)

楓「……」

楓「プ、プロデューサー、もしかして一緒にお風呂……はいりたい……ですか?」

P「……え?」

P(一緒にお風呂行きたいですか……って言ったのか?)

P「いやまぁ、そういう話をしてましたけど」

楓「……」

P「……?」

楓(プロデューサーと混浴……)

P「楓さん、どうかしましたか?」

楓「い、いえ、大丈夫です」

楓(……プロデューサーが私と混浴したいってことは、少なからず私のその……私のに期待してくれてるってことでいいのかな……)

楓(それなら……)

楓「覚悟……決めなきゃ」

P「は、はい? 覚悟?」

楓(……あ、一つ思いついた)

楓(せっかく剛毅なプロデューサーが誘ってくれたんだから、私も覚悟する……)

楓(……ちょっと変かな)


…………


P「え、これ、これ混浴なんですか? ちょ、楓さん、前、前もっとしっかり隠して!」


…………


P「へ、と、泊まり? 嘘ですよね? た、確かに明日は休みですけど……え?」


…………


P「なっ、なんで、楓さん同じ布団や……!? ま、待って、これって……待ってえええええええ!!」






まゆ(今日はバレンタイン……Pさんにまゆの気持ちをたっぷり込めたチョコレートを作ってきましたけど……)

P「……」カタカタ

まゆ(Pさんのお仕事を邪魔したくないですし……どのタイミングで渡しましょうかぁ)

P「……」カタカタ

まゆ「……」

友紀「……」テクテク

まゆ(……あれ、友紀さん……? Pさんの方に近付いて何を……)

友紀「プロデューサー、今ちょっと大丈夫?」

P「ん、あ、いいぞ」

友紀「へへへ……今日は何の日でしょーか!」

P「えっ、今日? ……んと、なんかあったっけ?」

友紀「……わかんない?」

P「……ちょっと分からんな」

友紀「もー、せっかく女の子に囲まれてる職場なのにこんな良い日を忘れるなんてもったいないよ……ほら、これ!」

P「えっ……なんだこれ?」

友紀「チョコレート!」

まゆ「……!」

P「チョコ……あっそうか、バレンタインか」

友紀「うん、プロデューサーにはお世話になってるからねー」

P「ありがとな、お返し頑張るよ」

友紀「おー、期待してるぜぃっ!」

P「はは、任しとけ……しかし、本当嬉しいなこういうのは」

まゆ「……」

まゆ「ぴ、Pさん……まゆも…」

早苗「あっ、そうだ! 私もPくんにチョコ持って来たんだった!」

P「えっ、早苗さんもくれるんですか?」

早苗「うんうん、お姉さんのお手製だよ、ふふふ、味わって食べるがよい」

P「手作りですか! うおー、それは感動します」

友紀「えー、なんなのさプロデューサー、私も手作りなのにー」

P「ま、マジか! おお、おおおお……! 女の人の手作りチョコが二つも……!」

まゆ「……」

まゆ(まゆは……仕事の邪魔はしないですから、ちゃんとゆっくりした時にPさんにチョコを……)


…………


P「……よーし、そろそろ休憩するかな」

まゆ「……!」

P「せっかくだし休憩の間にアイドル達からもらったチョコを……」

P「……」

P(早苗さんと友紀どころか、他に色んな人から貰えたから……チョコの量がヤバイことになってる……)

まゆ「……ぴ、Pさ…」

P「嬉しいけど、これ以上チョコもらうのはキツイな……」

まゆ「……」

P「……ん?」

P「あれ、まゆ、どうしたその包み……それにさっき俺呼ばなかったか?」

まゆ「……いえ、なんでもないです」

P「……」

まゆ「……」

P(やべえ、まゆの持ってるあれチョコっぽい……さっき俺、チョコはもう……みたいなことを言っちゃったしもしかして…)

P「……」

P「な、なぁ……それって……期待を込めて言ってみるんだが、チョコ、とか…」

まゆ「……い、いやこれは、あれです、そのぉ……ゴミです」

P「えっ、で、でも可愛らしい包装だし…」

まゆ「うふ、うふふふ、いいんです……こうなることを想像出来なかったまゆが悪いんですからぁ……こんな、こんなゴミは燃えるゴミに……!」

P「まっ、待て! 捨てようとするな! それチョコなんだろ!? 貰う! 喜んでもらうから!」

まゆ「Pさんに迷惑をかける女なんかにまゆは……まゆはなりたくなんか……!」

P「迷惑、迷惑じゃないから、ほら! まゆの気持ち凄く嬉しいからー!」


…………


P(……あの後、なんとかまゆを落ち着かせたけど)

まゆ「はい、それじゃあ、あーんしてくださいねぇ……」

P「……」

P(なんだこの状況)

まゆ「……あーん、してくれないんですか?」

P「あ、あーん」

まゆ「うふふ、どうぞ……」

P「……ん、うまい」モグモグ

P「で、でもまゆ、一人で食えるから……」

まゆ「……ダメです」

P「な、なんで?」

まゆ「……もうチョコを沢山貰って大変なのに、それでもチョコを受け取ってくれたPさんにはせめて…」

まゆ「せめて、私の気持ちをPさんにもっともっと受け取って欲しくなっちゃいましたから……」

まゆ「私の気持ち、しっかり味わってくださいねぇ……はい、あーん……」






文香「……」ペラッ

仁奈「おはようごぜーます!」ガチャ

P「おお、おはよう、早いな、今日の着ぐるみは……なんだそれ、犬?」

仁奈「犬じゃねーです、狐でごぜーますよ! 厚揚げ食べまくりです!」

P「厚揚げ好きなのか?」

仁奈「あんまり好きじゃねーのです……」

P「……」

留美「……」ガチャ

P「おっ、留美さん、おはようございます」

仁奈「おはようごぜーます、留美おねーさん!」

留美「おはよう、Pくん、仁奈ちゃん」

留美「……あら? 仁奈ちゃん今日はワンちゃんなのね?」

仁奈「犬じゃねーってんですよーっ!」

P「あははは…」

文香「……」ペラッ


…………


文香「……」ペラッ

ちひろ「あっ、もうこんな時間」

P「あれ、本当だ」

ちひろ「お昼にしますか?」

P「いや、この作業がひと段落したら……」

ちひろ「だめですよー、そう言ってまた食べないんだから、拓海ちゃんは今日いないんですよ?」

P「え、何故そこで拓海が……? い、いやでも今は……」

ちひろ「……しょうがないですね、私がおにぎりとかそういうの簡単に買ってきましょうか?」

P「……すみません」

ちひろ「いえいえ……あ、そうだ」

ちひろ「お昼買ってくるけど文香ちゃんにも何か買ってこようか?」

文香「……え、あ……」

ちひろ「どうする?」

文香「……私も一緒に行きます」


…………


文香「……」ペラッ

早苗「疲れたー! Pくん仕事終わらしてきたよー」ガチャ

薫「終わらせたー!」

P「おぉ、二人ともお疲れ様です」

薫「ねぇせんせー、仕事頑張ったから褒めて褒めて!」

P「ん、よく頑張ったな、よしよし」ナデナデ

薫「えへへ……」

文香「……」ペラッ

早苗「えー、薫ちゃんばっかりズルい、Pくん私も褒めてよー」

P「早苗さんは大人じゃないですか」

早苗「あー、そんなこと言うんだ……そういうPくんには」

P「ちょっ、抱きつかないでくださいよ!」

文香「……」ピタッ

早苗「Pくんが褒めてくれるまでこうだからねー」

P「分かりました、分かりました、褒めます! 早苗さんよく頑張りました!」

早苗「おざなりだー、そんなんじゃダメだからね!」

P「ちょ、ちょっと!」

文香「……」

文香「……ドンファン」

P「……えっ、なっ、なんか言ったか文香」

文香「……なんでもないです」

早苗「あっ、こら、文香ちゃんのとこに逃げるなー!」



…………


文香「……」ペラッ

P「んー、よし、今日の分は終わりかなー」

P「……」

文香「……」ペラッ

P「なぁ、文香」

文香「……」ペラッ

P「文香ー」

文香「……あっ、すみません……どうしました?」

P「お前オフの時いつも事務所に来てるけど……楽しいか? しかもこんな遅くまで……」

文香「……迷惑、でしょうか?」

P「いっ、いや、迷惑ってことは無いんだけど……でもお前、うるさい中で本読むくらいだったら……休日なんだし、図書館とか行ったらいいんじゃないかって思ってさ」

文香「えと……むしろ事務所の方がなんだがゆったり本が読める気がして…」

P「あんなうるさいのに?」

文香「なんだかそれが……心地良いんです」

P「……そうなのか?」

文香「それに、オフの日に事務所にいると嬉しいことがあるので…」

P「嬉しいこと?」

文香「はい……秘密、ですけど」

P「えー」

P「……」

P「ま、でも楽しんでるなら良いことだな」

P「よっしゃ、俺の仕事も終わったし夕飯でも一緒に食いに行くか?」

文香「……! は、はい」

P「おし、それじゃどこに…」

P「……って、なんかあれだな前もあった気がするな、こういうの」

文香「……私がオフの時に事務所にいたら毎回誘ってくれてますよ?」

P「そうだっけ?」

文香「……ふふ」

P「ん、何笑ってんだ?」

文香「いえ……やっぱり今日も、嬉しいことがあったので」

P「……?」






美玲「んー、どうすっかなー」

P「どうした?」

美玲「わっ!」

P「おわっ」

美玲「き、急に出てくんなよな!」

P「す、すまん、なんか悩んでるみたいだったからさ」

P「その雑誌見る感じだと、服選びで困ってるのか?」

美玲「ばっ……こ、困ってなんかねえよ、ウチが服選びで悩むわけないじゃん!」

P「そうか?」

美玲「……そうだよ」

P「そっか、じゃあ純粋に雑誌見てただけだったか」

P「邪魔して悪かったな」

美玲「あ……ちょ、ちょっと待て!」

P「……?」

美玲「そ、その……」

美玲「……テスト、してやる」

P「は?」

美玲「テストだっ! このピンクの服とこの黒めの服! どっちがウチに似合うか選んでみろよっ!」

P「き、急だな……」

美玲「いいからっ!」

P「わ、分かった分かった……えーと……」

美玲「……」

P「んと、こっちのピンクの方がいいんじゃないかな?」

美玲「!」

美玲「……な、なんでだよ、ウチがピンク好きだからってだけの理由だったらひっかくからな」

P「いや、違う違う」

P「このピンク、薄い桜色じゃんか、お前は結構派手めのピンクの服が好きだからたまにこういうの着るといつもより可愛さがより際立つんじゃないかと…」

美玲「……」

P「ま、素人考えだけどな」

美玲「……そ、そっか」

美玲(……こっちの服、ウチにはちょっとイメージが合わないかもって悩んでたけど)

美玲(可愛さが……際立つ……)

P「……で、どうだ? テストの結果は?」

美玲「……!」

美玲「……だ、ダメダメ! 全然ダメだな!」

P「いっ、マジかぁ……結構真面目に考えたんだけどな」

美玲「……へへっ、しょうがねえからウチがファッションについてプロデューサーに教えてやるっ」

美玲「ほらっ、見てみろよ、この雑誌のこういう服とかな…」

P「どれどれ…」






留美「……なるほど、それならこの日の予定は……と」カキカキ

P「あれ、留美さん、スケジュール書くの手書きなんですか?」

留美「ええ、そうだけど」

P「そういうのとかはパソコン使えれば便利ですよ? 最近はiPadとかもありますし」

留美「そうね……でもやっぱり私は手書きの方が性に合ってるから……って、あら」

P「あ、消しゴムが……拾いますよ」

留美「悪いわねPくん、ありがとう」

P「あれ、これ使えるとこが殆ど出てないじゃないですか」

P「もうカバーとっちゃった方がいいですよっ……っと」スポッ

留美「……!」

P「ん、何か書いてある……」

留美「だ、だめ!」

P(……俺の、名前?)

留美「あ、ああ…」

P「……」

留美「そ、それはねPくん……あの……」

P「あぁ、そういうことですか!」

留美「」ビクッ

P「なるほどなるほど」

留美「も、もしかして、わかった……の?」

P「ええもう、分かりました」

P「これ、子供の頃流行ったおまじないですよね」

留美「……そう、もうそこまで気付かれたのはしょうがないわね……こんな形でばれたくはなかったけど……」

P「いやぁ懐かしいな、こうやって消しゴムに友達の名前を書くと一生仲良しになれるってやつ」

留美「……へ」

P「こんなことするなんて、留美さんも可愛いなぁ……」

留美「……」

P「……留美さん?」

留美「なんでもないわ……」

P「……?」

P「でも嬉しいです、留美さんが俺と仲良くいたいって思ってくれてることですから」

P「留美さん、仕事仲間だけじゃなく、一生仲の良い友人で居ましょうね!」

留美「……一生……友人」

P「はい!」

留美「……」

P「……え、い、いた、留美さん、なんで叩いてくるんです? いた、いたいですってば」






菜々「なんでPさんは私を呼び捨てにしてくれないんです?」

P「急に何ですか?」

菜々「Pさん、凛ちゃんや杏ちゃんのことは呼び捨てにするのに……私はさん付けじゃないですか」

P「で、でも菜々さんは……」

菜々「ほらっ、またさん付けた!」

菜々「ちょっと一回でいいから菜々って呼んでみてくださいよ!」

P「えと、流石に歳上の人を呼び捨てに…モガッ」

菜々「Pさん何を言おうとしてるんですか? 17歳現役女子高生の菜々に何を……?」

P「……ふぁ、ふぁんでもありまふぇん」

菜々「そうですか」パッ

P「……ぷはっ」

菜々「さ、じゃあ仕切り直しです、どーぞ」

P「えと、どうしてもですか?」

菜々「はいっ」

P「……」

菜々「……」

P「……やっぱダメです!」

菜々「え、え、呼び捨てにするだけですよ? 簡単じゃないですか!」

P「菜々さんのような妙齢な女性を呼び捨てにするのは、俺にはどうしても抵抗が……」

菜々「ちょ、妙齢ってなんですか! 女子高生だってんですよ!」

P「ええい、永遠の17歳ってのが妙な年齢ってことで妙齢なんですよ!」

菜々「色々と失礼だし、それでうまいこと言ってるつもりですか! 」

菜々「呼び捨てぐらいいいじゃないですか、凛ちゃんや杏ちゃんが呼ばれてるみたいに私だってPさんに……!」

P「無理です! よべません! 菜々は無理です!」

菜々「言ってくださいよ! 二文字だけです、しかも同じ文字ですから!」

P「だから無理だって言ってるでしょ! 俺が女性を呼び捨てにするのは将来の嫁さんだけです!」

菜々「いやむしろそれなら呼んで下さい! 菜々って呼んで下さいよー!」

P「無理です、絶対無理です!!」




凛「……未来のお嫁さん」

卯月「あの、凛ちゃん? あれは多分、プロデューサーさんと同い年くらいに限ってだと思うよ?」

凛「でも菜々さんも17なんだから……私もあと二、三年くらい経てば……」

卯月「……」

凛「……わかってる」


P「えーい、無理だっつってんだろ菜々! もう諦めろ!」

菜々「あ! 今菜々って言いました!」

P「言ってないです」

菜々「言いましたー!」






雪美「……」

P「うー、さぶさぶ……でもなんでこんな寒い時にアイスとか食いたくなるんだろうな」

雪美「……P、それ……」

P「ん? あぁ、これか?」

雪美「ゆきみ……」

P「……あ、そうだな、お前の名前が入ってるし……気になるか?」

雪美「……食べるの?」

P「食べるけど……お前も一個食べるか?」

雪美「……ん」

P「それじゃはい、ほら」

雪美「……はむ」

P「うまいか?」

雪美「美味しい……」

P「……」

雪美「……冷たい」

P(……和むなぁ)

雪美「……美味しかった」

P(……あ、やば、雪美の食べてるとこ見てたらアイスがもう溶けそう)

P「じゃ、俺も食うかな」

雪美「……P、私にフォークくれたから……食べれない……」

P「いいよ俺は、これぐらい手掴みで」

雪美「……これ、返す」

P「え、でもそれお前が使ったやつじゃ……」

雪美「……返す」

P「……いや俺は」

雪美「ダメ……冷たいから、手で食べるとダメ……」

P「……」

雪美「……」

P「じゃ、じゃあ、それ使わせて貰おうかな」

雪美「……ん」

P(雪美が食べた後のフォークで食べるのはちょっと抵抗あるけど……ま、子供だしな)

P「よし、じゃあ……はぐ」

P「おわっ、つ、冷たっ……」

雪美「……美味しい?」

P「ん、ああ、冷たいけど……美味い」

雪美「……ゆきみ、美味しい?」

P「ゲホッ、ゴハッ!」

P「ゆ、雪見大福のことだよな、雪見大福……だから、美味しいって」

雪美「……ゆきみの、美味しい?」

P「……」

雪美「……」

P「……あ、あぁ、美味しいよ」

雪美「……よかった」

P「……」






P「……」

P(俺の机の下がキノコとか少女漫画とか色々とゴチャゴチャしてる)

P(しかも最近は特に小型のライトとか小さめの毛布とか色々と増えてきた)

P「……あいつらもうここで生活する気かよ」

P「……」

P(とりあえず椅子がどれくらい入るか確認してみて……)

P「……」ガッガッ

P(……もう全くといって入らないな)

P(ここじゃさすがに仕事できないし、しょうがない)

P「ちひろさん」

ちひろ「はい、どうしました?」

P「そこの向かいの席空いてますよね、そこ使って大丈夫ですかね」

ちひろ「え、はい、構わないと思いますけど…?」

P「じゃ、ちょっと俺そこに移動しますね」


…………


P(席を変えて数日……)

P「……うん、やっぱりちゃんと机に椅子が入るとしっくりくるな」

ちひろ「あはは、急に席を移動したいって言うから何かと思えば、乃々ちゃんや輝子ちゃんに占領されてたんですね」

P「本当、占領するならせめて空いてる机でして欲しいもんですよ」

ちひろ「ふふ、でもこれでもう心配なさそうですね」

P「ええ……こうやって椅子もちゃんと入るくらい十分スペースが……」ガッ

??「あうっ!?」

??「フヒッ!?」

P「……」

ちひろ「あれ、どうしたんですかプロデューサーさん?」

P「……いえ、もう、もうなんでもないです」







小梅「よ、夜の散歩……?」

P「あぁ、せっかく遠くまで来たんだしな、ちょっと気分転換に行ってくる」

小梅「わた、私も一緒に……連れてってもらっていい、ですか?」

P「え、でも小梅は女の子だし……」

小梅「……」ジー

P「……ま、いいか、はぐれるなよ」

小梅「は、はいっ」


…………


P「いやー、ここは本当に星がよく見えるなぁ」

小梅「……綺麗」

P「ああ……最初はこんなとこでレッスン合宿なんて反対だったんだけど、のびのび練習できるし、成功だったな」

小梅「で、でもPさん……い、いつもよりずっと厳しかった…です…」

P「はは、悪い悪い、でもちゃんと一生懸命頑張ってくれて嬉しかったよ」ナデナデ

小梅「わっ、わっ…き、急に頭撫でないで……!」

P「しかし、夜と小梅ってのはよく似合ってるな……今度は夜のイベントなんかを考えてみて……」

小梅「!」

小梅「それ、楽しそう……!」

P「お、小梅も乗り気なら本当に企画してみるかな」

小梅「よ、夜だと……あの子の友達もいっぱい…呼べる……!」

P「……」

小梅「……あ、あれ? Pさん…ど、どうしました?」

P「いや……幽霊からどうやってチケット代をもらおうか考えてた」

P「……しかしあれだなぁ、こんな夜に出歩くって、やっぱり雰囲気あるよな」

小梅「……え」

小梅(そ、そうだ、Pさんと二人きりで散歩って……)

小梅(……こ、この雰囲気、これ、なんだかデート……みたい……)

小梅(……)

P「小梅もこういうのが楽しみたいから一緒に来たかったのか?」

小梅「えっ、あのっ……!」

小梅「そっ、そういうこと……か、考えてたわけじゃ…なくて……!」

P「あれ? そうなのか」

P「夜の山だからな、こういうちょっとホラーな雰囲気を楽しみたいからついてきたんだと思ってたんだけど……」

小梅「……え」

小梅「……」

P「……あれ、どうした?」

小梅「……」

小梅「……雰囲気、ぶち壊し…です」






杏「……」

杏(……今日で休みからもう一週間も経ってるんだ)

杏(やだなぁ……これ終わったら休みないし……)

杏「……」

杏「……ま、サボればいいか」

杏「……」

杏(それにしてもプロデューサー、まだ連絡ないのかな)

杏(携帯、携帯っと)パカッ

杏「……あ」

ピンポーン

杏「!」

P「おーい、杏ー、俺だ、メール見たかー?」

杏「……」

P「おーい」

杏「……寝よ寝よ」




おわり



11:30│モバマス 
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