2014年02月19日
前川みく「偶像です」
前川(うちは、人懐っこい猫キャラのアイドルとして売り出し中)
前川(でもこれが本来の性格というわけやあらへん...猫好きなのはホンマやけど)
前川(全くきっかけが掴めんかったセルフプロデュース期に、何とか特徴をつけようとして身につけたもの)
前川(でもこれが本来の性格というわけやあらへん...猫好きなのはホンマやけど)
前川(全くきっかけが掴めんかったセルフプロデュース期に、何とか特徴をつけようとして身につけたもの)
前川(まあ...結局、Pさんとこの凛さんにライブでボロ負けしてもうたけどな)
前川(そのあと...もしかしたらこの人に付いていけば、うちも輝くことができるのかもしれない)
前川(そう思って、CGプロダクションの門を叩いた)
前川(Pさんのプロデュースによるアイドル活動は、前とは比較にならんくらい順調な日々)
ガチャッ
前川「ただいまー」
前川母「おかえり、今日はどないやった?」
前川「うん、ぼちぼちってところかな」
前川母「これからもっと忙しくなるやろうけど、無理はせんといてな」
前川「ふふっ、心配せんでも大丈夫よ」
前川(それは、とてもうれしいことなんやけれども)
前川(キャラを定着させるために、事務所も含めた芸能関係者の前では猫キャラを徹底したせいで...)
前川(もう、猫キャラとは真逆の本来の姿を晒すことがでけへん)
前川(...でも、これはアイドルとして輝くためにはやっていかなあかんこと...頑張るしかないよね)
前川母「おし、今日はスタミナをつけてもらうために夕ご飯はうな重やで!」
前川「えっ」
前川(全く...お母さんってば、うちが魚嫌いってのわかっとるのに懲りもせず出してくるんやから)
前川(...まあ、うな重ならなんとか食べられるけどな)
前川(まだ食べたばっかりやし、宿題は後にして少しネットするかー)ポチッ
ウィイイイン...
前川「...」カタカタ
前川「......」カタカタカタ カチッ
――――――――
『幻滅しました、みくにゃんのファン辞めます』
『のあにゃんのファンになります』
前川(...あはは、やっぱりうちはこういうポジションが似合うんやね)
前川「...」
前川「勉強、しよ...」
前川「...」ペラッ
前川(...えっと、ここはこうで...)カキカキ
――――――――
前川「...ふぁぁぁ...」
前川「...」ウトウト
前川(なんや、急に眠くなってきたわ...)
前川(まだ半分も終わっとらんのになあ...あかん、頭が回らへん)
前川(残りは明日でええかな...お風呂も入ったし、歯も磨いたし...そろそろ寝るとするか)ゴソゴソ
前川(...そういえば明日は久々に学校も仕事もお休みやったな)
前川(気分転換に街うろつくとしよ...)
前川「......くぅ...」
――――――――
翌日
前川(仕事に行くときの服とは雰囲気をなるべく変えなあかんな...)
前川(帽子を被って...と)
前川(眼鏡もかけとるし、簡単には気づかれへんよね)
前川「よしっ...ほな行ってきまーす」
前川母「行ってらっしゃい、気いつけて行くんやで〜」
前川「わかっとるー」
ガチャッ
ワイワイ ガヤガヤ
前川(うーん...)ノビー
前川(そういえばこの帽子もボロボロになっとる...お気に入りやったのに)
前川(もう二年くらい使っとるよな...そろそろ新しい物を買う頃合なんかね)
前川(おし、帽子探しついでに服買いに行こ)
「あ、そこの人ー!」
前川「えっ?なんですか?」クルッ
モバP「そうそう今振り向いた人!少しいいですか?」
前川「」
前川(うわっ、Pさんやないか...まずい)
前川(気づかれたら今までキャラ作ってたってバレてまうやん、思いっきり普通の言葉で喋ってもうた)
モバP「あ、あはは...そんなに警戒しなくていいですよ、怪しいものではないので」
前川(...あれ、気づいてへんのか?)
モバP「私、CGプロダクションでアイドルのプロデュース業をしているPという者です」
前川「え、えっと...アイドルのプロデュース業をやっとるPさんが、うちに何か用ですか?」
モバP「はい、是非是非、あなたにアイドルになってもらいたいと思って」
前川「...うちが、アイドル?」
モバP「はい、あなたはとても素晴らしいアイドルになれる素質があると感じるのです」
モバP「興味がありましたら是非!事務所まで!」
前川(...全然気づいてへんな、この様子やと)
前川(担当アイドルの変装くらい、気づいてほしいんやけどなあ...)
前川(てか、普段からこんなに怪しい勧誘の仕方しとったんか...凛さんとか、よう付いてきたな)
前川「...ええと、ごめんなさい。うちはあんまりアイドルに興味がないんです」
モバP「ダ、ダメですか?」
前川「はい...あんまり人前に出るようなタイプじゃないので」
モバP「...どうしても?」
前川「...どうしてもです」
モバP「そうかぁ...久々にティンと来た逸材だと思ったんだけどな...」ブツブツ
前川「あの...もういいですか?」
モバP「あ、ああ!はい、大丈夫ですよ。忙しいところ申し訳ありませんでした」
モバP「でも、名刺だけでも受け取ってもらえませんか?」
モバP「もし気が変わったり、何か聞きたいことがあればこちらに連絡を下さい」
前川「は、はぁ...」
モバP「では失礼します!」タッタッタ
前川「...嵐のように去ってしもた」
前川「名刺か...電話番号もメールアドレスも知っとるしなあ」
前川「...買い物行こ」
――――――――
前川「ただいまー」ガチャッ
前川母「おかえりー、えらくたくさん買い物袋ぶら下げとるな」
前川「最近私服が古くなっとるしな、いい機会やしまとめ買いしといた」
前川母「ふふっ、アイドルやっとるから選ぶセンスも磨かれとるんやない?」
前川「どうやろな...衣装は自分で選ぶわけやないしあんま関係無いと思う」
前川母「でも選び方とか間近で見とるわけやろ?絶対上手くなっとるわ、後で見せてやー」
前川「そんなに気になるんか...?まあ、ええけど」
前川母「そうそう、今日の晩ご飯はサンマの塩焼きやで!」
前川「...お母さん、わざとやっとるん?」
前川母「好き嫌いは根気よく治さんとあかん!魚が食べられんのは健康・頭・美貌に悪影響やで!」
前川「健康と頭はまあわかるけど、美貌は関係あるんか...?」
前川母「そうそう、今日の夕ご飯はサンマの塩焼きやで!」
前川「...お母さん、わざとやっとるん?」
前川母「好き嫌いは根気よく治さんとあかん!魚が食べられんのは健康・頭・美貌に悪影響やで!」
前川「健康と頭はまあわかるけど、美貌は関係あるんか...?」
>>22 は >>21 の訂正です
――――――――
前川「...」カキカキ
前川(...よし、宿題も終わったし月曜日の準備は大丈夫)
前川「...ふぁぁぁ...」
前川(眠くなってきたわ...そろそろ寝よっと...)ゴソゴソ
前川(...)
前川(あ、そういえばPさんへの連絡...)
前川(...わざわざ別人装って返信するのも面倒やし、いっか...)
前川(......すぅ...)
――――――――
凛「...」ニャン
卯月「えへー」ニャン
未央「猫耳ってのもなかなか乙なもんだねー♪」ニャン
モバP「おー、3人とも似合ってるじゃないか!」
凛「そ、そうかな...」
未央「うん!しぶりんは特に猫が似合うと思う!」
卯月「本当だねー!凄くいいよ凛ちゃん!」
凛「...ありがと、でも未央と卯月も似合ってるよ」
未央「そ〜お?しぶりんったら口がうまいんだから、もー✩」
卯月「照れちゃうねー、えへへへ」
みく「...Pチャン、これは一体どういうことにゃ」ワナワナ
モバP「ああ、これか?」
モバP「期間限定で『にゃんジェネレーション』をやってみようという提案があってな、面白そうだから乗ってみた」
みく「こ、これじゃみくの立場がないじゃん!」
モバP「ん?といっても期間限定だし、みくの仕事には影響は出ないと思うぞ」
みく「うぅぅ...」プルプル
凛「...えっと、ごめんねみく?でも、みくの仕事を邪魔するつもりは全然ないから」
凛「だから...怒らないで、ね?」
みく「...わかったにゃ、凛ちゃんがそういうなら」
未央「大丈夫だよ〜!みくにゃんの人気はそう簡単には落ちないって♪」
卯月「私たちの事務所の猫キャラ代表はみくちゃんだよ!」
みく「そ、そうかな...照れるにゃ☆」
モバP「あー3人とも、あんまり褒めるとみくは調子に乗るからやめておいた方がいいぞ」
みく「フカーッ、やっぱりPチャンはひどい!もう知らない!」プイッ
卯月「あ、あはは...」
――――――――
『みくにゃんのファン辞めてしぶにゃんのファンになります』
『うづにゃんぺろぺろ あ、みくにゃんはいいです』
『ちゃんみおーッ!俺だーッ!みくにゃんのファン辞めるから結婚してくれー!』
前川(...)
前川(うん、わかっとるよこうなるってのは...)
前川(...)
前川(気分転換に公園でも散歩しに行こ...)
――――――――
ポカポカ...
前川「...ええ天気やなー」
前川「ホンマええ天気や...」
前川「...」ボー
「あ、そこにいるのはもしかして!」
前川「うん...?」
モバP「お久しぶりですね」
前川「あ、ああ...この前の」
モバP「はい、営業帰りに偶然見かけたので声をおかけしました」
モバP「あれから連絡が来なかったので、やっぱりアイドルにはならないのかなーと思っていたところでしたよ」
前川「えぇ、今のところ考えていません...ごめんなさい」
モバP「そうですか、なんだか勿体ないなぁ...」
モバP「あ、そういえば帽子が新しくなってますね!とても似合っていますよ」
前川「ふふっ、ありがとうございます」
前川「...Pさん、でしたっけ」
モバP「あ、はい、どうしました?」
前川「そんなに、うちに魅力を感じるんですか?」
モバP「はい...それはもう」
前川「...どんなところに魅力を?」
モバP「ルックスはもちろんですが、特に雰囲気に魅力的を感じますね」
モバP「どこか違う世界を見ているような...そう、神秘的な雰囲気」
モバP「あとは声です...透明感があって、落ち着いているけど可愛らしさも損なっていない」
前川「えらくベタ褒めされるんですね」クスクス
モバP「えぇ...恥ずかしながら、これは一目惚れに近い感情だと思います」
前川「...へ?」
モバP「最初見たときに、こんなに可愛い子が世の中に埋もれていたなんて...と思いましたから」
前川「...うちを口説く気ですか?」
モバP「い、いやいやまさか!流石に勤務中にナンパはしませんよーあはははは」
前川(Pさんが今やっているスカウト方法はナンパのそれやで)
モバP「申し訳ないです、変なことを言ってしまって」
モバP「では私はそろそろ事務所に戻ります、失礼しました」
前川「...マオ」
モバP「え?」
前川「うちの名前はマオと言います、またどこかで会えたらいいですね」
モバP「...マオさん、ですね」
モバP「覚えておきます、また会いましょう!それでは」タッタッタ
前川(...とっさに偽名言ってしもた)
前川(マオは中国語で猫を意味する言葉やけど...あの調子やと気づかんやろなあ)
前川(こんなにヒントが出ても気づかんとか...Pさんの目は節穴やな)
前川(...)
前川(一目惚れ...かあ)
ここで一旦中断します
残りは昼以降に投下予定です
――――――――
前川(全く...お母さんってば、うちが魚嫌いってのわかっとるのに懲りもせず出してくるんやから)
前川(...まあ、うな重ならなんとか食べられるけどな)
前川(まだ食べたばっかりやし、宿題は後にして少しネットするかー)ポチッ
ウィイイイン...
前川「...」カタカタ
前川「......」カタカタカタ カチッ
――――――――
前川(仕事に行くときの服とは雰囲気をなるべく変えなあかんな...)
前川(帽子を被って...と)
前川(眼鏡もかけとるし、簡単には気づかれへんよね)
前川「よしっ...ほな行ってきまーす」
前川母「行ってらっしゃい、気いつけて行くんやで〜」
前川「わかっとるー」
ガチャッ
>>10 → >>39
>>14 → >>40
以上訂正です。
今回は細かいミスが目立つので気をつけます。
それでは再開。
――――――――
前川(あれから、オフの日は公園でぼーっとすることが多くなった)
前川(時々営業帰りのPさんと会って、他愛ない話をして)
前川(...別に、Pさんと話すために公園に来とるわけやあらへんよ)
前川「Pさんの勤めている事務所は、どんなところですか?」
モバP「私の勤めているところですか」
前川「...えっと、敬語やなくても大丈夫ですよ。なんだか大人の方に敬語使われるとムズムズします」
モバP「あ、いいんですか?事務所の子たちと話すような感じになってしまいますけど」
前川「はい、もうPさんとはたくさんお話していますし...ずっと営業のときみたいな喋り方だと疲れるでしょうから」
モバP「わかりました...じゃなくて、わかった」
モバP「うちの事務所は、そうだなぁ...所属している子はみんな頑張り屋さんだし、いいところだと思うよ」
前川「頑張り屋さん...かあ」
モバP「ああ、頑張り屋さん。これからどんどん伸びていくと思う」
前川「...所属しているアイドルの皆さんに、自信があるんですね」
モバP「もちろんだよ、才能を感じたからスカウトしているわけだし」
前川「へぇ...」
前川(...普段は適当にあしらわれることが多いけど、ちゃんと信頼しとるんやね)
――――――――
モバP「みくー、みくー!」
みく「んー、どうしたのPチャン?」
モバP「すっごくいいニュースが飛び込んできたぞ!聞いて驚くなよー」
モバP「なんと、みくに声優デビューの話が飛び込んできた!」
みく「...せ、声優!?」
モバP「ああ!猫キャラに興味を持った映画監督さんがいたらしくてな」
モバP「人の言葉を話す猫の声優として出てもらいたいらしい」
モバP「これでまた一つステップアップのきっかけが作れたぞ!」
みく「やったあ!!みくの猫キャラが浸透してきている証拠だね☆」
モバP「ああ!これからどんどん仕事が舞い込んでくると思う、頼りにしているぞ!」
みく「んふふ、みくにまっかせっにゃさぁ〜い☆」
モバP「その意気だ!どんなにいじられても自分を曲げない前向きなみくなら何でもできる!」
みく「――っ」
モバP「...あれ、どうしたんだみく?」
みく「え?あ、いや、何でもないにゃ☆よーしこれからも頑張っちゃうよー!」ニコッ
モバP「...?」
――――――――
『あざといです。失望しました、みくにゃんのファン辞めます』
『いくらなんでも可哀想です、みくにゃんのファン辞めます』
前川「...はぁ」
前川(まあ、そうだよね...Pさんが知っているのは、自分を曲げない前向きな前川みく)
前川(本当の姿は、ネットのいじりだけでも心が折れそうになっている、打たれ弱くて後ろ向きな人)
前川(Pさんの知っている前川みくとは、まるで真逆)
前川(うちのこんな側面を知ったら...Pさんは...)
前川(...)
前川(そろそろ...潮時、やね)
――――――――
前川「...」ボー
モバP「お、マオじゃないか」
前川「...Pさん」
モバP「今日もひなたぼっこか?」
前川「まあ、そんな感じですかね」
モバP「いつもベンチに座って遠くを眺めてるから、声をかけようかどうか迷うんだよ」
前川「...そんなに近づきづらいオーラ出してます?」クスクス
モバP「ああ...事務所にもクールな子がいるけど、マオはそれ以上かもしれん」
前川「クールやなくて、ただぼーっとしとるだけですよ」クスクス
モバP「ははは...」
前川(...Pさんと)
前川(こうやって他愛ない話をするのも、今日で最後)
前川「Pさん」
モバP「ん?」
前川「残念ながら、Pさんとこうしてお話するのも、今日が最後だと思います」
モバP「...えっ!?な、なんで...?」
前川「...うち、明日引っ越すことが決まったんです」
モバP「そんな突然...どこに?」
前川「遠いところ、です...もう会うことも無いでしょう」
モバP「そ、そんな...」
モバP「で、でもメールとか手紙とかいろいろ連絡する手段が」
前川「...ごめんなさい、それは教えられません」
前川「だって...教えたらPさん、懲りもせずアイドル勧誘してきそうやないですか」クスクス
モバP「え...ひどくない?」
前川「勧誘する気が無かったらこんなに長い間お話なんてしないでしょう」クスクス
モバP「...チャンスがあれば、と思わなかったと言えば嘘になるけど」
前川「やっぱり」
モバP「でも、マオと話していた時間はとても楽しかった、それも嘘ではない」
モバP「それが今日限りで終わってしまうなんて...嫌だよそんなのは」
前川「ありがとうございます...でももう、決めたことなので」
モバP「...まあ、無理矢理頼み込んでもストーカーみたいだから止めておくしかない...のか」
前川「ふふっ、それが賢明です」
前川「...そろそろ引っ越しの準備もありますので、行きますね」
モバP「...ああ」
前川(これで、最後)
前川「もう少しこうしていたかったけど...お話できて楽しかったです、ありがとうございました」ニコッ
モバP「...?」
前川(私の本当の姿を、気づかれる前に)
前川「では...ごきげんよう」タッタッタ
モバP「...!!」
モバP「ま、待ってくれ...!」
モバP「みく!!!!」
前川「!」ピタッ
モバP「君は...マオなんかじゃないよな」
モバP「俺の知っている人...前川みくのはずだ」
前川「...」
モバP「帽子とメガネをしてるし、雰囲気が全然違ったから気づかなかったが...」
モバP「今、外してみてくれるか」
前川「...」スッ
モバP「...やっぱり、か」
前川「...どうして、今更気づいたんですか」
モバP「恥ずかしながら、変装を見極めるのが苦手でな...帽子もメガネもされたら、わからないんだよ」
前川「...節穴すぎますよ」
モバP「ははは...よく言われる」
モバP「...この前、声優デビューの話をした時があったよな」
モバP「その話の途中でみくが、今まで見せたことのない...悲しそうな笑顔をしてたんだよ」
モバP「それが、今の...去り際の笑顔と重なって」
前川「...」
モバP「...本当は、辛かったのか」
前川「...大丈夫ですよ、アイドルの前川みくは、少しのことでは自分を曲げずに明るくやっていけます」
モバP「アイドルのみくは良くても、今俺の前にいるみくは...どうなんだ」
前川「...」
前川「うちの本当の姿は、Pさんの想像しているものとは真逆」
前川「あれは...アイドルをやる上で作った、偶像です」
前川「本当は明るくもないし、打たれ弱いし、特に取り柄もない...影が薄い人」
モバP「...」
前川「いじられて、辛いと思うことは...正直に言うと、多いです」
モバP「だったら...そんな、事務所の中でまでキャラを通すことないだろ...」
前川「そうしないと、この界隈では生き残れないからですよ」
前川「今は...猫キャラで売っている方はたくさんいます。魅力的な方も大勢です」
前川「そんな中で、うちみたいなのが生き残っていくには...徹底するしかないんです」
モバP「...」
前川「徹底してようやくきっかけが掴めてきたんです、今更引き返すことなんてできませんよ」
モバP「...まさか、俺の前でも今の姿を見せたら見捨てられると思っていたんじゃ」
前川「...」
前川「Pさんが求めているものは、自分を曲げない前向きな前川みく...でしょう」
前川「うちの本当の姿を見て、がっかりしたんじゃ...ないですか?」
モバP「...」
モバP「そんなわけ...ないだろ...」
モバP「なんでそんなに一人で抱え込んでいるんだよ...本当の姿が違うからって見捨てるわけないだろ」
前川「...Pさん」
モバP「...ここまで思いつめるまで気づいてやれないなんて、酷いプロデューサーだよな...俺も」
前川「...違う、それは違います。Pさんはなんも悪くない」
前川「ステップアップするために必死になっているPさんに、うちは応えたかっただけです」
モバP「...でも、みくが苦しんでいるんじゃ意味がない」
前川「大丈夫ですよ、これはうちが自分で決めた道」
前川「もともと猫キャラは自分で考え出したものです」
前川「ありのままの姿でやっても、アイドルとしてはやっていけそうにないと思ったので」
モバP「...俺は今の姿にも、可能性を感じたんだ」
モバP「でないと、あんなにしつこく勧誘しようとは思わないよ」
前川「...もう少し早くPさんと出会っていたら、違う未来があったかもしれませんね」
前川「...たらればになっちゃいますけど」
モバP「ああ...本当にな」
前川「ふふっ...」
モバP「ははは...」
前川「...まあ、さっきも言った通り、今更キャラを変えられません」
前川「うちは今までのように猫キャラでいかせてもらいます」
モバP「みくがいいならそれでいいが...ああぁ!!」
前川「ひっ」ビクッ
前川「ど、どないしたんですか...?」
モバP「引越しの話だよ!どこに行くのか教えてくれ!!そんなに遠いところなのか!?」
前川「...はぁ、Pさん...こんなときにボケかまさんといて欲しいわ」
モバP「へ?」
前川「うちはどこにも行きません...あれは、今の姿をPさんから遠ざけるために付いた嘘です」
モバP「...どこにも、行かないのか?」
前川「はい、どこにも」
モバP「な、なんだ...よかったぁ」ヘナヘナ
前川「Pさんは大げさに心配しすぎです...そんなに遠い地への引越しが決まったら、事務所へ連絡しますよ」
モバP「...確かに」
前川「全く、Pさんはあほやな...」
モバP「返す言葉もない...」
前川「ホンマにあほや...ふふふ、あはははは」
モバP「わ、笑わないでくれよ、かなり恥ずかしいんだから...」
――――――――
みく「ねこぱ〜んち✩」ポムッ
モバP「うおっ...だから理由のない暴力はやめろとあれほど」
みく「Pチャンと戯れあうという理由ができたにゃ」
モバP「それは理由になるのか...?」
ちひろ「ふふっ、今日もお二人は仲睦まじいご様子で」
モバP「ちひろさん、笑ってないで助けてくださいよー」
ちひろ「やめておきます、お二人の時間の邪魔はできませんからねー」
モバP「...ちくしょう、スタドリ買うんじゃなかった...」
ちひろ「では私はお先に上がりますねー、お二人ともお疲れさまでした」
モバP「お疲れさまでしたー」
みく「お疲れさまにゃ☆」
ガチャッ
前川「...」
モバP「本当に、一切素の自分を見せないんだな...凄い」
前川「キャラ作りは、徹底しないといけませんから」
モバP「...強烈なキャラクターを持ったアイドルの、宿命みたいなものだな」
前川「そうですね...ホンマに」
モバP「でもな、みく」
前川「?」
モバP「みくの近くには、『どっちであろうと関係なく好きだ』って思ってる人がいることを忘れないでいてほしい」
前川「...それって」
モバP「...そいつは、どんなみくであろうと応援しているから、信頼してやってくれ」
前川「ふふっ...わざとらしいですよPさん」
モバP「...はは、やっぱり似合わないかこういうのは」
前川「はい、全く似合っていませんでした」クスクス
前川「...でも、嬉しかったですよ...すごく」
前川「Pさんは私を、本当の意味で受け入れてくれるんですね」
モバP「でも、俺以外でもこの事務所の人たちなら受け入れてくれると思うけどな?」
前川「...ダメですよ、やっぱり怖いです」
モバP「そっかあ...まあ、こればっかりは仕方ないよな」
前川「すみません...」
モバP「いやいや、謝ることはないぞ。みくが一番楽になれる方法を取れるのが一番いいからな」
前川「私が、一番楽になれる方法...ですか」
前川「...でも、嬉しかったですよ...すごく」
前川「Pさんはうちを、本当の意味で受け入れてくれるんですね」
モバP「でも、俺以外でもこの事務所の人たちなら受け入れてくれると思うけどな?」
前川「...ダメですよ、やっぱり怖いです」
モバP「そっかあ...まあ、こればっかりは仕方ないよな」
前川「すみません...」
モバP「いやいや、謝ることはないぞ。みくが一番楽になれる方法を取れるのが一番いいからな」
前川「うちが、一番楽になれる方法...ですか」
>>66 は >>65 の訂正です
モバP「ああ、俺にできる範囲でなら」
前川「じゃあ...Pさんと二人っきりの時は、キャラを作らずにお話しますね」
前川「キャラを作らなくてもいい人が事務所の中にいたら、楽になれると思います」
モバP「それぐらいなら全然構わないぞ」
前川「あと...公園でのお話も、今まで通り続けてほしいです...すごく、楽しかったので」
モバP「おう、お安い御用だ」
モバP「...ははは、何だかんだで寂しがり屋で構ってオーラを出すのは変わらないんだな」ナデナデ
前川「ちょ、ちょっと...恥ずかしいですよ」カァァ
モバP「やっぱりみくは可愛いなー」ワシャワシャ
前川「...ホンマに、Pさんの...あほ」
――――――――
『失望しました、みくにゃんのファン辞めます』
『メガネのレンズが割れてしまいました みくにゃんのファン辞めてはるにゃんのファンになります』
『雪美にゃんが可愛すぎるのでみくにゃんのファン辞めます』
前川(...はぁ、いつも通りやね)
前川(...?)
前川(ふふっ、誰が書いたかバレバレやで...突っ込まれとるし)
『みくにゃんのファンを続けます ついでに謎の美少女マオにゃんのファンになります』
『マオにゃんって誰だよ』
おわり
おまけ1
みく「ねこぱんち☆」ポムッ
モバP「うおっ...また理由無き暴力か」
みく「ありがたく受け取るといいにゃ」
モバP「はぁ、全くこの猫娘は」ワシャワシャ
みく「Pチャン...頭を撫でるのもいいけど、猫は顎の下を撫でたらとっても喜ぶんだよ?」
モバP「ここか?ここがいいのかー?」コショコショ
みく「にゃふふふふ♪」
凛「...」ジトー
未央「...しぶりん、やっぱり何か感じる?」
凛「...うん、何というか...前と雰囲気が違うよねあの2人」
卯月「確かに言われてみればそうかも」
未央「なんかみくにゃんの扱い方が丁寧になってる気がするなー」
卯月「前まであんなに撫でたりしなかったよねプロデューサーさん」
凛未卯「「「怪しい...」」」ジトー
おまけ2
ポカポカ...
前川「...ええ天気やなー」
モバP「ああ、本当にいい天気だ...」
モバP「そういえば、みくって学校ではどんな感じなんだ?」
前川「学校でですか?今みたいな感じですよ」
前川「クラスに何人かいる、あんまり喋らない地味な人ってとこかな」
モバP「...それだけ整った顔立ちで地味ってことは無いんじゃ」
モバP「男子からのアプローチも凄いんじゃないか?」
前川「うーん...クラスの子から告白されたことは何回かありましたね」
前川「うちは恋愛にはあんまり興味ないんで、全部お断りしましたけど」
モバP「へぇ...」
前川「...流石に、会うのが2回目の人に告白をされたのは今回が初めてですけどね」
モバP「...なんかそれ、ずっと言われそうな気がする」
前川「だっておかしかったんですもん」クスクス
前川「もうあんなナンパ紛いの勧誘はしちゃダメですよ?」
モバP「気をつけるよ」
前川「一目惚れなんて言うのはもってのほかです、他の子もそうやって勧誘しとったんですか?」クスクス
モバP「いや、それを言ったのはみくだけだ」
前川「...へ?」
モバP「流石にあんな言葉ポンポンいろんな人には言えないって」
前川「そ、そっか...」
モバP「...」
前川「な、何か言うてくださいよ...どうするんですかこの空気」
モバP「そ、そう言われてもな...」
前川「とりあえずニヤニヤするのやめてください」
モバP「みくこそ思いっきり顔が緩んでるぞ」
前川「...か、からかわんといてくださいっ」
モバP「からかってないぞー、不意をつかれて慌てるみくも凄く可愛い」
前川「...もう嫌やわPさんと話すの」プイッ
モバP「あ、あはは...謝るから許してくれよみくー」
前川「嫌です」ツーン
モバP(...やっぱりなんだかんだで、猫キャラのときと本質はあまり変わってないよな...)
モバP(人をおちょくってくる割には、自分がやられると拗ねちゃうあたりが)
モバP(...そうだ)
モバP「...なあ、みく」
前川「...なんですか、Pさん?」
モバP「普段の猫キャラは、偶像だって言ってたよな」
前川「はい」
モバP「それでな...今のみくが、猫語を話したらどうなるんだろうっていう興味が」
前川「無理です」
モバP「即答か...」
前川「だ、だって恥ずかしいやないですか...今のうちがやってもおかしいだけですよ」
モバP「俺は結構いいんじゃないかって思うけど...」
前川「...」
モバP「まあ、ダメなら仕方ない...今言ったことは忘れてくれ」
前川「...」
前川「Pさん、ね、ねこぱんちだ...にゃん」ポムッ
モバP「」ゴフッ
前川「わっ、Pさん大丈夫か!?」
モバP「ゴホッゴホッ...ああ、大丈夫だ」
モバP「破壊力を舐めてた...この路線で売り出してても間違いなく売れてた」
前川「そ、そんなにですか...」
モバP「おう、確信がある...でも」
前川「?」
モバP「こんなに可愛い一面は、誰にも見せずに独り占めしておきたいなー、なんて...」
前川「...!」カァァ
モバP「あははは、こんなこと考えるなんてプロデューサーらしからんな」
前川「ホ、ホンマにPさんの...どあほ」
ここで終わりです
ご覧いただきありがとうございました、HTML化依頼出してきます
前川(そのあと...もしかしたらこの人に付いていけば、うちも輝くことができるのかもしれない)
前川(そう思って、CGプロダクションの門を叩いた)
前川(Pさんのプロデュースによるアイドル活動は、前とは比較にならんくらい順調な日々)
ガチャッ
前川「ただいまー」
前川母「おかえり、今日はどないやった?」
前川「うん、ぼちぼちってところかな」
前川母「これからもっと忙しくなるやろうけど、無理はせんといてな」
前川「ふふっ、心配せんでも大丈夫よ」
前川(それは、とてもうれしいことなんやけれども)
前川(キャラを定着させるために、事務所も含めた芸能関係者の前では猫キャラを徹底したせいで...)
前川(もう、猫キャラとは真逆の本来の姿を晒すことがでけへん)
前川(...でも、これはアイドルとして輝くためにはやっていかなあかんこと...頑張るしかないよね)
前川母「おし、今日はスタミナをつけてもらうために夕ご飯はうな重やで!」
前川「えっ」
前川(全く...お母さんってば、うちが魚嫌いってのわかっとるのに懲りもせず出してくるんやから)
前川(...まあ、うな重ならなんとか食べられるけどな)
前川(まだ食べたばっかりやし、宿題は後にして少しネットするかー)ポチッ
ウィイイイン...
前川「...」カタカタ
前川「......」カタカタカタ カチッ
――――――――
『幻滅しました、みくにゃんのファン辞めます』
『のあにゃんのファンになります』
前川(...あはは、やっぱりうちはこういうポジションが似合うんやね)
前川「...」
前川「勉強、しよ...」
前川「...」ペラッ
前川(...えっと、ここはこうで...)カキカキ
――――――――
前川「...ふぁぁぁ...」
前川「...」ウトウト
前川(なんや、急に眠くなってきたわ...)
前川(まだ半分も終わっとらんのになあ...あかん、頭が回らへん)
前川(残りは明日でええかな...お風呂も入ったし、歯も磨いたし...そろそろ寝るとするか)ゴソゴソ
前川(...そういえば明日は久々に学校も仕事もお休みやったな)
前川(気分転換に街うろつくとしよ...)
前川「......くぅ...」
――――――――
翌日
前川(仕事に行くときの服とは雰囲気をなるべく変えなあかんな...)
前川(帽子を被って...と)
前川(眼鏡もかけとるし、簡単には気づかれへんよね)
前川「よしっ...ほな行ってきまーす」
前川母「行ってらっしゃい、気いつけて行くんやで〜」
前川「わかっとるー」
ガチャッ
ワイワイ ガヤガヤ
前川(うーん...)ノビー
前川(そういえばこの帽子もボロボロになっとる...お気に入りやったのに)
前川(もう二年くらい使っとるよな...そろそろ新しい物を買う頃合なんかね)
前川(おし、帽子探しついでに服買いに行こ)
「あ、そこの人ー!」
前川「えっ?なんですか?」クルッ
モバP「そうそう今振り向いた人!少しいいですか?」
前川「」
前川(うわっ、Pさんやないか...まずい)
前川(気づかれたら今までキャラ作ってたってバレてまうやん、思いっきり普通の言葉で喋ってもうた)
モバP「あ、あはは...そんなに警戒しなくていいですよ、怪しいものではないので」
前川(...あれ、気づいてへんのか?)
モバP「私、CGプロダクションでアイドルのプロデュース業をしているPという者です」
前川「え、えっと...アイドルのプロデュース業をやっとるPさんが、うちに何か用ですか?」
モバP「はい、是非是非、あなたにアイドルになってもらいたいと思って」
前川「...うちが、アイドル?」
モバP「はい、あなたはとても素晴らしいアイドルになれる素質があると感じるのです」
モバP「興味がありましたら是非!事務所まで!」
前川(...全然気づいてへんな、この様子やと)
前川(担当アイドルの変装くらい、気づいてほしいんやけどなあ...)
前川(てか、普段からこんなに怪しい勧誘の仕方しとったんか...凛さんとか、よう付いてきたな)
前川「...ええと、ごめんなさい。うちはあんまりアイドルに興味がないんです」
モバP「ダ、ダメですか?」
前川「はい...あんまり人前に出るようなタイプじゃないので」
モバP「...どうしても?」
前川「...どうしてもです」
モバP「そうかぁ...久々にティンと来た逸材だと思ったんだけどな...」ブツブツ
前川「あの...もういいですか?」
モバP「あ、ああ!はい、大丈夫ですよ。忙しいところ申し訳ありませんでした」
モバP「でも、名刺だけでも受け取ってもらえませんか?」
モバP「もし気が変わったり、何か聞きたいことがあればこちらに連絡を下さい」
前川「は、はぁ...」
モバP「では失礼します!」タッタッタ
前川「...嵐のように去ってしもた」
前川「名刺か...電話番号もメールアドレスも知っとるしなあ」
前川「...買い物行こ」
――――――――
前川「ただいまー」ガチャッ
前川母「おかえりー、えらくたくさん買い物袋ぶら下げとるな」
前川「最近私服が古くなっとるしな、いい機会やしまとめ買いしといた」
前川母「ふふっ、アイドルやっとるから選ぶセンスも磨かれとるんやない?」
前川「どうやろな...衣装は自分で選ぶわけやないしあんま関係無いと思う」
前川母「でも選び方とか間近で見とるわけやろ?絶対上手くなっとるわ、後で見せてやー」
前川「そんなに気になるんか...?まあ、ええけど」
前川母「そうそう、今日の晩ご飯はサンマの塩焼きやで!」
前川「...お母さん、わざとやっとるん?」
前川母「好き嫌いは根気よく治さんとあかん!魚が食べられんのは健康・頭・美貌に悪影響やで!」
前川「健康と頭はまあわかるけど、美貌は関係あるんか...?」
前川母「そうそう、今日の夕ご飯はサンマの塩焼きやで!」
前川「...お母さん、わざとやっとるん?」
前川母「好き嫌いは根気よく治さんとあかん!魚が食べられんのは健康・頭・美貌に悪影響やで!」
前川「健康と頭はまあわかるけど、美貌は関係あるんか...?」
>>22 は >>21 の訂正です
――――――――
前川「...」カキカキ
前川(...よし、宿題も終わったし月曜日の準備は大丈夫)
前川「...ふぁぁぁ...」
前川(眠くなってきたわ...そろそろ寝よっと...)ゴソゴソ
前川(...)
前川(あ、そういえばPさんへの連絡...)
前川(...わざわざ別人装って返信するのも面倒やし、いっか...)
前川(......すぅ...)
――――――――
凛「...」ニャン
卯月「えへー」ニャン
未央「猫耳ってのもなかなか乙なもんだねー♪」ニャン
モバP「おー、3人とも似合ってるじゃないか!」
凛「そ、そうかな...」
未央「うん!しぶりんは特に猫が似合うと思う!」
卯月「本当だねー!凄くいいよ凛ちゃん!」
凛「...ありがと、でも未央と卯月も似合ってるよ」
未央「そ〜お?しぶりんったら口がうまいんだから、もー✩」
卯月「照れちゃうねー、えへへへ」
みく「...Pチャン、これは一体どういうことにゃ」ワナワナ
モバP「ああ、これか?」
モバP「期間限定で『にゃんジェネレーション』をやってみようという提案があってな、面白そうだから乗ってみた」
みく「こ、これじゃみくの立場がないじゃん!」
モバP「ん?といっても期間限定だし、みくの仕事には影響は出ないと思うぞ」
みく「うぅぅ...」プルプル
凛「...えっと、ごめんねみく?でも、みくの仕事を邪魔するつもりは全然ないから」
凛「だから...怒らないで、ね?」
みく「...わかったにゃ、凛ちゃんがそういうなら」
未央「大丈夫だよ〜!みくにゃんの人気はそう簡単には落ちないって♪」
卯月「私たちの事務所の猫キャラ代表はみくちゃんだよ!」
みく「そ、そうかな...照れるにゃ☆」
モバP「あー3人とも、あんまり褒めるとみくは調子に乗るからやめておいた方がいいぞ」
みく「フカーッ、やっぱりPチャンはひどい!もう知らない!」プイッ
卯月「あ、あはは...」
――――――――
『みくにゃんのファン辞めてしぶにゃんのファンになります』
『うづにゃんぺろぺろ あ、みくにゃんはいいです』
『ちゃんみおーッ!俺だーッ!みくにゃんのファン辞めるから結婚してくれー!』
前川(...)
前川(うん、わかっとるよこうなるってのは...)
前川(...)
前川(気分転換に公園でも散歩しに行こ...)
――――――――
ポカポカ...
前川「...ええ天気やなー」
前川「ホンマええ天気や...」
前川「...」ボー
「あ、そこにいるのはもしかして!」
前川「うん...?」
モバP「お久しぶりですね」
前川「あ、ああ...この前の」
モバP「はい、営業帰りに偶然見かけたので声をおかけしました」
モバP「あれから連絡が来なかったので、やっぱりアイドルにはならないのかなーと思っていたところでしたよ」
前川「えぇ、今のところ考えていません...ごめんなさい」
モバP「そうですか、なんだか勿体ないなぁ...」
モバP「あ、そういえば帽子が新しくなってますね!とても似合っていますよ」
前川「ふふっ、ありがとうございます」
前川「...Pさん、でしたっけ」
モバP「あ、はい、どうしました?」
前川「そんなに、うちに魅力を感じるんですか?」
モバP「はい...それはもう」
前川「...どんなところに魅力を?」
モバP「ルックスはもちろんですが、特に雰囲気に魅力的を感じますね」
モバP「どこか違う世界を見ているような...そう、神秘的な雰囲気」
モバP「あとは声です...透明感があって、落ち着いているけど可愛らしさも損なっていない」
前川「えらくベタ褒めされるんですね」クスクス
モバP「えぇ...恥ずかしながら、これは一目惚れに近い感情だと思います」
前川「...へ?」
モバP「最初見たときに、こんなに可愛い子が世の中に埋もれていたなんて...と思いましたから」
前川「...うちを口説く気ですか?」
モバP「い、いやいやまさか!流石に勤務中にナンパはしませんよーあはははは」
前川(Pさんが今やっているスカウト方法はナンパのそれやで)
モバP「申し訳ないです、変なことを言ってしまって」
モバP「では私はそろそろ事務所に戻ります、失礼しました」
前川「...マオ」
モバP「え?」
前川「うちの名前はマオと言います、またどこかで会えたらいいですね」
モバP「...マオさん、ですね」
モバP「覚えておきます、また会いましょう!それでは」タッタッタ
前川(...とっさに偽名言ってしもた)
前川(マオは中国語で猫を意味する言葉やけど...あの調子やと気づかんやろなあ)
前川(こんなにヒントが出ても気づかんとか...Pさんの目は節穴やな)
前川(...)
前川(一目惚れ...かあ)
ここで一旦中断します
残りは昼以降に投下予定です
――――――――
前川(全く...お母さんってば、うちが魚嫌いってのわかっとるのに懲りもせず出してくるんやから)
前川(...まあ、うな重ならなんとか食べられるけどな)
前川(まだ食べたばっかりやし、宿題は後にして少しネットするかー)ポチッ
ウィイイイン...
前川「...」カタカタ
前川「......」カタカタカタ カチッ
――――――――
前川(仕事に行くときの服とは雰囲気をなるべく変えなあかんな...)
前川(帽子を被って...と)
前川(眼鏡もかけとるし、簡単には気づかれへんよね)
前川「よしっ...ほな行ってきまーす」
前川母「行ってらっしゃい、気いつけて行くんやで〜」
前川「わかっとるー」
ガチャッ
>>10 → >>39
>>14 → >>40
以上訂正です。
今回は細かいミスが目立つので気をつけます。
それでは再開。
――――――――
前川(あれから、オフの日は公園でぼーっとすることが多くなった)
前川(時々営業帰りのPさんと会って、他愛ない話をして)
前川(...別に、Pさんと話すために公園に来とるわけやあらへんよ)
前川「Pさんの勤めている事務所は、どんなところですか?」
モバP「私の勤めているところですか」
前川「...えっと、敬語やなくても大丈夫ですよ。なんだか大人の方に敬語使われるとムズムズします」
モバP「あ、いいんですか?事務所の子たちと話すような感じになってしまいますけど」
前川「はい、もうPさんとはたくさんお話していますし...ずっと営業のときみたいな喋り方だと疲れるでしょうから」
モバP「わかりました...じゃなくて、わかった」
モバP「うちの事務所は、そうだなぁ...所属している子はみんな頑張り屋さんだし、いいところだと思うよ」
前川「頑張り屋さん...かあ」
モバP「ああ、頑張り屋さん。これからどんどん伸びていくと思う」
前川「...所属しているアイドルの皆さんに、自信があるんですね」
モバP「もちろんだよ、才能を感じたからスカウトしているわけだし」
前川「へぇ...」
前川(...普段は適当にあしらわれることが多いけど、ちゃんと信頼しとるんやね)
――――――――
モバP「みくー、みくー!」
みく「んー、どうしたのPチャン?」
モバP「すっごくいいニュースが飛び込んできたぞ!聞いて驚くなよー」
モバP「なんと、みくに声優デビューの話が飛び込んできた!」
みく「...せ、声優!?」
モバP「ああ!猫キャラに興味を持った映画監督さんがいたらしくてな」
モバP「人の言葉を話す猫の声優として出てもらいたいらしい」
モバP「これでまた一つステップアップのきっかけが作れたぞ!」
みく「やったあ!!みくの猫キャラが浸透してきている証拠だね☆」
モバP「ああ!これからどんどん仕事が舞い込んでくると思う、頼りにしているぞ!」
みく「んふふ、みくにまっかせっにゃさぁ〜い☆」
モバP「その意気だ!どんなにいじられても自分を曲げない前向きなみくなら何でもできる!」
みく「――っ」
モバP「...あれ、どうしたんだみく?」
みく「え?あ、いや、何でもないにゃ☆よーしこれからも頑張っちゃうよー!」ニコッ
モバP「...?」
――――――――
『あざといです。失望しました、みくにゃんのファン辞めます』
『いくらなんでも可哀想です、みくにゃんのファン辞めます』
前川「...はぁ」
前川(まあ、そうだよね...Pさんが知っているのは、自分を曲げない前向きな前川みく)
前川(本当の姿は、ネットのいじりだけでも心が折れそうになっている、打たれ弱くて後ろ向きな人)
前川(Pさんの知っている前川みくとは、まるで真逆)
前川(うちのこんな側面を知ったら...Pさんは...)
前川(...)
前川(そろそろ...潮時、やね)
――――――――
前川「...」ボー
モバP「お、マオじゃないか」
前川「...Pさん」
モバP「今日もひなたぼっこか?」
前川「まあ、そんな感じですかね」
モバP「いつもベンチに座って遠くを眺めてるから、声をかけようかどうか迷うんだよ」
前川「...そんなに近づきづらいオーラ出してます?」クスクス
モバP「ああ...事務所にもクールな子がいるけど、マオはそれ以上かもしれん」
前川「クールやなくて、ただぼーっとしとるだけですよ」クスクス
モバP「ははは...」
前川(...Pさんと)
前川(こうやって他愛ない話をするのも、今日で最後)
前川「Pさん」
モバP「ん?」
前川「残念ながら、Pさんとこうしてお話するのも、今日が最後だと思います」
モバP「...えっ!?な、なんで...?」
前川「...うち、明日引っ越すことが決まったんです」
モバP「そんな突然...どこに?」
前川「遠いところ、です...もう会うことも無いでしょう」
モバP「そ、そんな...」
モバP「で、でもメールとか手紙とかいろいろ連絡する手段が」
前川「...ごめんなさい、それは教えられません」
前川「だって...教えたらPさん、懲りもせずアイドル勧誘してきそうやないですか」クスクス
モバP「え...ひどくない?」
前川「勧誘する気が無かったらこんなに長い間お話なんてしないでしょう」クスクス
モバP「...チャンスがあれば、と思わなかったと言えば嘘になるけど」
前川「やっぱり」
モバP「でも、マオと話していた時間はとても楽しかった、それも嘘ではない」
モバP「それが今日限りで終わってしまうなんて...嫌だよそんなのは」
前川「ありがとうございます...でももう、決めたことなので」
モバP「...まあ、無理矢理頼み込んでもストーカーみたいだから止めておくしかない...のか」
前川「ふふっ、それが賢明です」
前川「...そろそろ引っ越しの準備もありますので、行きますね」
モバP「...ああ」
前川(これで、最後)
前川「もう少しこうしていたかったけど...お話できて楽しかったです、ありがとうございました」ニコッ
モバP「...?」
前川(私の本当の姿を、気づかれる前に)
前川「では...ごきげんよう」タッタッタ
モバP「...!!」
モバP「ま、待ってくれ...!」
モバP「みく!!!!」
前川「!」ピタッ
モバP「君は...マオなんかじゃないよな」
モバP「俺の知っている人...前川みくのはずだ」
前川「...」
モバP「帽子とメガネをしてるし、雰囲気が全然違ったから気づかなかったが...」
モバP「今、外してみてくれるか」
前川「...」スッ
モバP「...やっぱり、か」
前川「...どうして、今更気づいたんですか」
モバP「恥ずかしながら、変装を見極めるのが苦手でな...帽子もメガネもされたら、わからないんだよ」
前川「...節穴すぎますよ」
モバP「ははは...よく言われる」
モバP「...この前、声優デビューの話をした時があったよな」
モバP「その話の途中でみくが、今まで見せたことのない...悲しそうな笑顔をしてたんだよ」
モバP「それが、今の...去り際の笑顔と重なって」
前川「...」
モバP「...本当は、辛かったのか」
前川「...大丈夫ですよ、アイドルの前川みくは、少しのことでは自分を曲げずに明るくやっていけます」
モバP「アイドルのみくは良くても、今俺の前にいるみくは...どうなんだ」
前川「...」
前川「うちの本当の姿は、Pさんの想像しているものとは真逆」
前川「あれは...アイドルをやる上で作った、偶像です」
前川「本当は明るくもないし、打たれ弱いし、特に取り柄もない...影が薄い人」
モバP「...」
前川「いじられて、辛いと思うことは...正直に言うと、多いです」
モバP「だったら...そんな、事務所の中でまでキャラを通すことないだろ...」
前川「そうしないと、この界隈では生き残れないからですよ」
前川「今は...猫キャラで売っている方はたくさんいます。魅力的な方も大勢です」
前川「そんな中で、うちみたいなのが生き残っていくには...徹底するしかないんです」
モバP「...」
前川「徹底してようやくきっかけが掴めてきたんです、今更引き返すことなんてできませんよ」
モバP「...まさか、俺の前でも今の姿を見せたら見捨てられると思っていたんじゃ」
前川「...」
前川「Pさんが求めているものは、自分を曲げない前向きな前川みく...でしょう」
前川「うちの本当の姿を見て、がっかりしたんじゃ...ないですか?」
モバP「...」
モバP「そんなわけ...ないだろ...」
モバP「なんでそんなに一人で抱え込んでいるんだよ...本当の姿が違うからって見捨てるわけないだろ」
前川「...Pさん」
モバP「...ここまで思いつめるまで気づいてやれないなんて、酷いプロデューサーだよな...俺も」
前川「...違う、それは違います。Pさんはなんも悪くない」
前川「ステップアップするために必死になっているPさんに、うちは応えたかっただけです」
モバP「...でも、みくが苦しんでいるんじゃ意味がない」
前川「大丈夫ですよ、これはうちが自分で決めた道」
前川「もともと猫キャラは自分で考え出したものです」
前川「ありのままの姿でやっても、アイドルとしてはやっていけそうにないと思ったので」
モバP「...俺は今の姿にも、可能性を感じたんだ」
モバP「でないと、あんなにしつこく勧誘しようとは思わないよ」
前川「...もう少し早くPさんと出会っていたら、違う未来があったかもしれませんね」
前川「...たらればになっちゃいますけど」
モバP「ああ...本当にな」
前川「ふふっ...」
モバP「ははは...」
前川「...まあ、さっきも言った通り、今更キャラを変えられません」
前川「うちは今までのように猫キャラでいかせてもらいます」
モバP「みくがいいならそれでいいが...ああぁ!!」
前川「ひっ」ビクッ
前川「ど、どないしたんですか...?」
モバP「引越しの話だよ!どこに行くのか教えてくれ!!そんなに遠いところなのか!?」
前川「...はぁ、Pさん...こんなときにボケかまさんといて欲しいわ」
モバP「へ?」
前川「うちはどこにも行きません...あれは、今の姿をPさんから遠ざけるために付いた嘘です」
モバP「...どこにも、行かないのか?」
前川「はい、どこにも」
モバP「な、なんだ...よかったぁ」ヘナヘナ
前川「Pさんは大げさに心配しすぎです...そんなに遠い地への引越しが決まったら、事務所へ連絡しますよ」
モバP「...確かに」
前川「全く、Pさんはあほやな...」
モバP「返す言葉もない...」
前川「ホンマにあほや...ふふふ、あはははは」
モバP「わ、笑わないでくれよ、かなり恥ずかしいんだから...」
――――――――
みく「ねこぱ〜んち✩」ポムッ
モバP「うおっ...だから理由のない暴力はやめろとあれほど」
みく「Pチャンと戯れあうという理由ができたにゃ」
モバP「それは理由になるのか...?」
ちひろ「ふふっ、今日もお二人は仲睦まじいご様子で」
モバP「ちひろさん、笑ってないで助けてくださいよー」
ちひろ「やめておきます、お二人の時間の邪魔はできませんからねー」
モバP「...ちくしょう、スタドリ買うんじゃなかった...」
ちひろ「では私はお先に上がりますねー、お二人ともお疲れさまでした」
モバP「お疲れさまでしたー」
みく「お疲れさまにゃ☆」
ガチャッ
前川「...」
モバP「本当に、一切素の自分を見せないんだな...凄い」
前川「キャラ作りは、徹底しないといけませんから」
モバP「...強烈なキャラクターを持ったアイドルの、宿命みたいなものだな」
前川「そうですね...ホンマに」
モバP「でもな、みく」
前川「?」
モバP「みくの近くには、『どっちであろうと関係なく好きだ』って思ってる人がいることを忘れないでいてほしい」
前川「...それって」
モバP「...そいつは、どんなみくであろうと応援しているから、信頼してやってくれ」
前川「ふふっ...わざとらしいですよPさん」
モバP「...はは、やっぱり似合わないかこういうのは」
前川「はい、全く似合っていませんでした」クスクス
前川「...でも、嬉しかったですよ...すごく」
前川「Pさんは私を、本当の意味で受け入れてくれるんですね」
モバP「でも、俺以外でもこの事務所の人たちなら受け入れてくれると思うけどな?」
前川「...ダメですよ、やっぱり怖いです」
モバP「そっかあ...まあ、こればっかりは仕方ないよな」
前川「すみません...」
モバP「いやいや、謝ることはないぞ。みくが一番楽になれる方法を取れるのが一番いいからな」
前川「私が、一番楽になれる方法...ですか」
前川「...でも、嬉しかったですよ...すごく」
前川「Pさんはうちを、本当の意味で受け入れてくれるんですね」
モバP「でも、俺以外でもこの事務所の人たちなら受け入れてくれると思うけどな?」
前川「...ダメですよ、やっぱり怖いです」
モバP「そっかあ...まあ、こればっかりは仕方ないよな」
前川「すみません...」
モバP「いやいや、謝ることはないぞ。みくが一番楽になれる方法を取れるのが一番いいからな」
前川「うちが、一番楽になれる方法...ですか」
>>66 は >>65 の訂正です
モバP「ああ、俺にできる範囲でなら」
前川「じゃあ...Pさんと二人っきりの時は、キャラを作らずにお話しますね」
前川「キャラを作らなくてもいい人が事務所の中にいたら、楽になれると思います」
モバP「それぐらいなら全然構わないぞ」
前川「あと...公園でのお話も、今まで通り続けてほしいです...すごく、楽しかったので」
モバP「おう、お安い御用だ」
モバP「...ははは、何だかんだで寂しがり屋で構ってオーラを出すのは変わらないんだな」ナデナデ
前川「ちょ、ちょっと...恥ずかしいですよ」カァァ
モバP「やっぱりみくは可愛いなー」ワシャワシャ
前川「...ホンマに、Pさんの...あほ」
――――――――
『失望しました、みくにゃんのファン辞めます』
『メガネのレンズが割れてしまいました みくにゃんのファン辞めてはるにゃんのファンになります』
『雪美にゃんが可愛すぎるのでみくにゃんのファン辞めます』
前川(...はぁ、いつも通りやね)
前川(...?)
前川(ふふっ、誰が書いたかバレバレやで...突っ込まれとるし)
『みくにゃんのファンを続けます ついでに謎の美少女マオにゃんのファンになります』
『マオにゃんって誰だよ』
おわり
おまけ1
みく「ねこぱんち☆」ポムッ
モバP「うおっ...また理由無き暴力か」
みく「ありがたく受け取るといいにゃ」
モバP「はぁ、全くこの猫娘は」ワシャワシャ
みく「Pチャン...頭を撫でるのもいいけど、猫は顎の下を撫でたらとっても喜ぶんだよ?」
モバP「ここか?ここがいいのかー?」コショコショ
みく「にゃふふふふ♪」
凛「...」ジトー
未央「...しぶりん、やっぱり何か感じる?」
凛「...うん、何というか...前と雰囲気が違うよねあの2人」
卯月「確かに言われてみればそうかも」
未央「なんかみくにゃんの扱い方が丁寧になってる気がするなー」
卯月「前まであんなに撫でたりしなかったよねプロデューサーさん」
凛未卯「「「怪しい...」」」ジトー
おまけ2
ポカポカ...
前川「...ええ天気やなー」
モバP「ああ、本当にいい天気だ...」
モバP「そういえば、みくって学校ではどんな感じなんだ?」
前川「学校でですか?今みたいな感じですよ」
前川「クラスに何人かいる、あんまり喋らない地味な人ってとこかな」
モバP「...それだけ整った顔立ちで地味ってことは無いんじゃ」
モバP「男子からのアプローチも凄いんじゃないか?」
前川「うーん...クラスの子から告白されたことは何回かありましたね」
前川「うちは恋愛にはあんまり興味ないんで、全部お断りしましたけど」
モバP「へぇ...」
前川「...流石に、会うのが2回目の人に告白をされたのは今回が初めてですけどね」
モバP「...なんかそれ、ずっと言われそうな気がする」
前川「だっておかしかったんですもん」クスクス
前川「もうあんなナンパ紛いの勧誘はしちゃダメですよ?」
モバP「気をつけるよ」
前川「一目惚れなんて言うのはもってのほかです、他の子もそうやって勧誘しとったんですか?」クスクス
モバP「いや、それを言ったのはみくだけだ」
前川「...へ?」
モバP「流石にあんな言葉ポンポンいろんな人には言えないって」
前川「そ、そっか...」
モバP「...」
前川「な、何か言うてくださいよ...どうするんですかこの空気」
モバP「そ、そう言われてもな...」
前川「とりあえずニヤニヤするのやめてください」
モバP「みくこそ思いっきり顔が緩んでるぞ」
前川「...か、からかわんといてくださいっ」
モバP「からかってないぞー、不意をつかれて慌てるみくも凄く可愛い」
前川「...もう嫌やわPさんと話すの」プイッ
モバP「あ、あはは...謝るから許してくれよみくー」
前川「嫌です」ツーン
モバP(...やっぱりなんだかんだで、猫キャラのときと本質はあまり変わってないよな...)
モバP(人をおちょくってくる割には、自分がやられると拗ねちゃうあたりが)
モバP(...そうだ)
モバP「...なあ、みく」
前川「...なんですか、Pさん?」
モバP「普段の猫キャラは、偶像だって言ってたよな」
前川「はい」
モバP「それでな...今のみくが、猫語を話したらどうなるんだろうっていう興味が」
前川「無理です」
モバP「即答か...」
前川「だ、だって恥ずかしいやないですか...今のうちがやってもおかしいだけですよ」
モバP「俺は結構いいんじゃないかって思うけど...」
前川「...」
モバP「まあ、ダメなら仕方ない...今言ったことは忘れてくれ」
前川「...」
前川「Pさん、ね、ねこぱんちだ...にゃん」ポムッ
モバP「」ゴフッ
前川「わっ、Pさん大丈夫か!?」
モバP「ゴホッゴホッ...ああ、大丈夫だ」
モバP「破壊力を舐めてた...この路線で売り出してても間違いなく売れてた」
前川「そ、そんなにですか...」
モバP「おう、確信がある...でも」
前川「?」
モバP「こんなに可愛い一面は、誰にも見せずに独り占めしておきたいなー、なんて...」
前川「...!」カァァ
モバP「あははは、こんなこと考えるなんてプロデューサーらしからんな」
前川「ホ、ホンマにPさんの...どあほ」
ここで終わりです
ご覧いただきありがとうございました、HTML化依頼出してきます
17:30│前川みく